JP6641751B2 - 電池モジュール - Google Patents
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Description
バッテリパックは、電力をモータに供給することから複数の電池セルを直列に接続した電池モジュールを複数個接続することで構成されている。
また、電池モジュールとして、正極、セパレータ、負極とが積層されて構成された電極体をラミネートフィルムで封止した電池セルが複数重ねられて構成されたものが提供されている。
このような電池モジュールでは、電池セル同士が密着しているため、電池セルから発生した熱が各電池セル間にこもりやすく、電池セルから発生した熱を効率的に放熱することが重要となる。
そこで、特許文献1では、各電池セルの間に熱伝導性が良い層間部材を配置すると共に、各層間部材を連結しそれら層間部材の熱を放熱する熱伝達部材を設けることが提案されている。
そのため、電池セルの放熱効率を高め、電池セルの長寿命化を図る上で改善の余地がある。
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、本発明の目的は、構成の簡素化を図りつつ放熱効率を高め電池セルの長寿命化を図る上で有利な電池モジュールを提供することにある。
また、本発明は、前記絶縁部材は、前記正極、前記セパレータ、前記負極が積層される方向における前記電極体の両面のうちの少なくとも一方の面に配置されていることを特徴とする
また、本発明は、前記電極体は、前記凹部が開放された側と反対の前記正極の箇所に設けられた正極端子と、前記凹部が開放された側と反対の前記負極の箇所に設けられた負極端子とを備え、前記絶縁部材は、前記正極端子と前記負極端子が設けられた前記電極体の箇所で延在する凹部形成用の基部を有し、前記凹部は、前記基部を挟んで前記正極端子、前記負極端子と反対の箇所に形成されることを特徴とする。
また、本発明は、前記電極体は、前記凹部が開放された側と反対の前記正極の箇所に設けられた正極端子と、前記凹部が開放された側と反対の前記負極の箇所に設けられた負極端子とを備え、前記絶縁部材は、前記正極、前記セパレータ、前記負極が積層される方向における前記電極体の両面に配置され、前記絶縁部材は、前記正極端子と前記負極端子が設けられた前記電極体の箇所で延在する凹部形成用の基部を有し、前記凹部は、前記基部を挟んで前記正極端子、前記負極端子と反対の箇所に形成され、前記放熱板は、前記電池セルが複数重ねられた状態で、隣り合う電池セルの前記凹部に配置されていることを特徴とする。
また、本発明は、前記絶縁部材は、前記正極、前記セパレータ、前記負極が積層される方向における前記電極体の面を覆う被覆板部を有し、前記基部は、前記被覆板部の上に位置していることを特徴とする。
また、本発明は、前記絶縁部材は、絶縁シートが折り畳まれて形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、絶縁部材を電極体の両面のうちの少なくとも一方の面に配置するという簡単な構成により請求項1の効果を確保する上で有利となる。
本発明によれば、凹部に放熱板を配置した場合に、放熱板により効率よく放熱を行えると共に、放熱板が正極端子、負極端子に接触して電池セルが故障することを防止する上で有利となる。
本発明によれば、放熱板を介して電池セルの熱を電池セルの外側に放熱でき、放熱を効率的に行なう上でより有利となる。
本発明によれば、釘刺し試験に耐え得る電池モジュールを提供する上で有利となる。
本発明によれば、絶縁部材を簡単に製作でき、製造コストの抑制を図る上で有利となる。
以下、本発明の実施の形態を図面にしたがって説明する。
図1、図2に示すように、電池モジュール10は、重ねられた複数の電池セル12と、隣り合う電池セル12の凹部14に配置された複数の放熱板16と、それら電池セル12および放熱板16を収容するケース18とを含んで構成されている。
電極体20は矩形板状を呈し、シート状の正極26と、シート状のセパレータ28と、シート状の負極30とが交互に積層されて構成されている。
正極集電箔としてはアルミニウム箔などが用いられ、正極活物質としてはコバルト酸リチウムなどが用いられる。
正極集電箔の一辺に正極端子32が設けられている。
負極集電箔としては銅箔などが用いられ、負極活物質としては炭素材料などが用いられる。
負極端子34は、正極端子32が設けられた正極集電箔の一辺と同じ箇所に位置する負極集電箔の一辺に設けられている。
セパレータ28は、リチウムイオンが移動可能な多孔質の絶縁フィルム(絶縁シート)で構成されている。絶縁フィルムの材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの有機系材料が使用される。
電解質溶液としては、例えば無水有機溶媒に電解質としてリチウム塩を溶かした有機溶媒が用いられる。
なお、絶縁部材22は、絶縁材料で構成されていればよく、このような絶縁材料としてセパレータ28を構成する絶縁フィルム(絶縁シート)と同一の材料を用いても良い。
ラミネートフィルム24は、電極体20および絶縁部材22を封止するものである。
ラミネートフィルム24は、アルミニウムや合金などの金属箔をポリプロピレンフィルムなどの絶縁体で被覆したものである。
絶縁部材22は、図4(A)、(B)、図5(C)に示すように、電極体20の面を覆う被覆板部2202と、この被覆板部2202の上に位置する凹部形成用の基部2204と、凹部形成用の一対のアーム部2206とを含んで構成されている。
被覆板部2202は電極体20の面と同じ大きさで形成されている。
基部2204は、正極端子32と負極端子34が設けられた電極体20の箇所で延在し、凹部14が開放された側と反対の電極体20の箇所で延在している。したがって、凹部14が開放された側と反対の電極体20の箇所に、基部2204と、正極端子32と、負極端子34とが位置している。
一対のアーム部2206は、基部2204の延在方向の両端から基部2204の延在方向と直交する方向に延在している。すなわち、基部2204は電極体20の一辺に沿って延在し、一対のアーム部2206は、基部2204が設けられた一辺の両端に接続する電極端の2辺に沿って延在している。
すなわち、図5(A)に示すように、電極体20の両面に配置されるように、1つの電池セル12に対して2枚の絶縁シート36Aが用意される。
各絶縁シート36Aは、第1シート部3602と、第2シート部3604と、第3シート部3606とを備えている。
第1シート部3602は、正極26、セパレータ28、負極30が積層される方向における電極体20の面と同形状の輪郭で形成され、被覆板部2202を形成する箇所である。
第2シート部3604は、第1シート部3602に折り目または切れ目を介して接続され基部2204と同形状の輪郭で形成された基部形成部3604Aと、一対のアーム部2206と同形状の輪郭で形成されたアーム形成部3604Bとを備えている。
第3シート部3606は、第2シート部3604の一対のアーム形成部3604Bに折り目または切れ目を介して接続され一対のアーム部2206と同形状の輪郭で形成されたアーム形成部3606Bと、基部2204と同形状の輪郭で形成された基部形成部3606Aとを備えている。
したがって、絶縁部材22は、正極26、セパレータ28、負極30が積層される方向における電極体20の面を覆う矩形の被覆板部2202と、被覆板部2202の3辺に沿って延在する基部2204および一対のアーム部2206とを有している。
そして、基部2204が位置する一辺を、正極端子32および負極端子34が位置する電極体20の一辺に位置させて被覆板部2202で電極体20の両面を覆うように絶縁部材22がそれぞれ配置され、この状態でラミネートフィルム24で電極体20および絶縁部材22は覆われて電池セル12が構成される。
したがって、正極26、セパレータ28、負極30が積層される方向における電極体20の両面には、絶縁部材22の基部2204と一対のアーム部2206とにより、正極端子32および負極端子34が設けられた側と反対の方向に開放状の凹部14が形成される。
なお、電池モジュール10は、各電池セル12のラミネートフィルム24の表面同士が接着剤を介して接着されることで互いに結合されており、電池モジュール10を構成する各電池セル12は、ケース18の内部で移動不能に支持されている。
そして、電池セル12が複数重ねられた状態で、隣り合う電池セル12の凹部14にそれぞれ放熱板16が配置される。
放熱板16は、隣り合う電池セル12の凹部14に収容されると共に、電池セル12の輪郭の外側に突出している。
また、このように複数重ねられた電池セル12および複数の放熱板16を覆うようにケース18が設けられ、これにより電池モジュール10が構成される。
また、それぞれの電池セル12は、正極端子32同士が共通接続されると共に、負極端子34同士が共通接続されることにより電池セル12毎に一対の電池セル側正極端子(不図示)および電池セル側負極端子(不図示)が構成されている。
そして、互いに隣り合う電池セル12の電池セル側正極端子と電池セル側負極端子とが接続されることにより、複数の電池セル12が直列接続されている。
このようにして直列接続された複数の電池セル12の両端に位置する電池セル12のうちの一方の電池セル12の正極端子32は正極外部端子38に接続され、他方の電池セル12の負極端子34は負極外部端子40に接続されている。
また、放熱板16が位置する箇所では、ケース18に開口1802が設けられ、開口からケース18の外面に放熱板16が突出している。
バッテリパック用ケースには、冷却風を発生させるためのエバポレータやファンなどの冷却部が設けられ、各電池モジュール10間に冷却風が循環して供給されるように構成されている。
そのため、絶縁部材22を設けるといった簡単な構成によって電池モジュール10の構成の簡素化を図りつつ、放熱効率を高める上で有利となり、電池セル12の長寿命化を図る上で有利となる。
したがって、凹部14に放熱板16を配置した場合に、放熱板16に対して正極端子32、負極端子34に接近する方向に外力が作用しても凹部14により放熱板16の移動を阻止できるため、放熱板16が正極端子32、負極端子34に接触してそれら正極端子32、負極端子34が短絡し、電池セル12が故障することを防止する上で有利となる。
また、本実施の形態では、電池セル12の輪郭の外側に突出する放熱板16は、ケース18の外部に突出しているため、ケース18の外部で冷却風を放熱板16に衝当させれば、放熱板16の熱を冷却風によってより効率的に放熱させる上で有利となる。
そのため、二次電池の安全性評価試験である釘刺し試験を実施した場合、釘が電池セル12に刺さって正極26および負極30が短絡して温度上昇したときに、絶縁部材22が溶融して釘が刺さった箇所を埋めることでそれ以上の温度上昇を確実に抑制でき、釘刺し試験に耐え得る電池モジュール10を提供する上で有利となる。
次に第2の実施の形態について図6を参照して説明する。なお、以下の実施の形態では、第1の実施の形態と同様の部分、部材については第1の実施の形態と同一の符号を付してその説明を省略し、異なる部分について重点的に説明する。
第2の実施の形態では、図6(A)に示すように、絶縁シート36Bの形状が第1の実施の形態の絶縁シート36Aと異なっている。
絶縁シート36Bは、被覆板部形成部3610と、4つのアーム部形成部3612と、2つの基部形成部3614とを有している。
被覆板部形成部3610は、正極26、セパレータ28、負極30が積層される方向における電極体20の面と同形状の輪郭で形成されている。この被覆板部形成部3610は、被覆板部2202を形成する箇所である。
アーム部形成部3612は、矩形の被覆板部形成部3610の対向する長辺の外側に、それぞれ折り目または切れ目を介して2つずつ接続されている。
また、2つの基部形成部3614は、被覆板部形成部3610の短辺の外側に、折り目または切れ目を介して接続されている。
次に、図6(C)に示すように、被覆板部形成部3610の長辺の外側の2つのアーム部形成部3612のうち、内側に位置するアーム部形成部3612が、既に山折りされたアーム部形成部3612と共に谷折りされる。
これにより被覆板部2202上に、凹部形成用の一対のアーム部2206が形成される。
また、被覆板部形成部3610の短辺の外側に位置する2つの基部形成部3614のうち、内側に位置する基部形成部3614が、既に山折りされた基部形成部3614と共に谷折りされる。
これにより被覆板部2202上に、凹部形成用の基部2204が形成される。
したがって、被覆板部2202上において一対のアーム部2206が、基部2204の延在方向の両端から基部2204の延在方向と直交する方向に延在している。
このような第2の実施の形態においても第1の実施の形態と同様な効果が奏される他、第1の実施の形態に比べ、絶縁シート36Bのコンパクト化を図れ、電池モジュール10のコストダウンを図る上で有利となる。
第3の実施の形態では、図7(A)に示すように、絶縁シート36Cの形状が第1の実施の形態の絶縁シート36Aと異なっている。
絶縁シート36Cは、被覆板部形成部3620と、4つのアーム部形成部3622と、2つの基部形成部3624とを有している。
被覆板部形成部3620は、正極26、セパレータ28、負極30が積層される方向における電極体20の面と同形状の輪郭で形成されている。この被覆板部形成部3620は、被覆板部2202を形成する箇所である。
アーム部形成部3622は、矩形の被覆板部形成部3620の対向する長辺の外側に、それぞれ折り目または切れ目を介して2つずつ接続されている。
また、2つの基部形成部3624は、被覆板部形成部3620の短辺の外側に、折り目または切れ目を介して接続されている。
次に、図7(C)に示すように、被覆板部形成部3620の長辺の外側の2つのアーム部形成部3622のうち、内側に位置するアーム部形成部3622が、既に山折りされたアーム部形成部3622と共に谷折りされる。
また、被覆板部形成部3620の短辺の外側に位置する2つの基部形成部3624のうち、内側に位置する基部形成部3624が、既に山折り谷折りされたアーム部形成部3622の間に、既に山折りされた基部形成部3624と共に谷折りされる。
これにより被覆板部2202上に、既に山折り谷折りされたアーム部形成部3622の長手方向の端部と、山折り谷折りされた基部形成部3624とにより、凹部形成用の基部2204が形成される。
また、被覆板部2202上に、前記長手方向の端部を除いた山折り谷折りされたアーム部形成部3622により、凹部形成用の一対のアーム部2206が形成される。
このような第3の実施の形態においても第1の実施の形態と同様な効果が奏される他、第1の実施の形態に比べ、絶縁シート36Cのコンパクト化を図れ、電池モジュール10のコストダウンを図る上で有利となる。
12 電池セル
14 凹部
16 放熱板
18 ケース
20 電極体
22 絶縁部材
2202 被覆板部
2204 基部
2206 アーム部
24 ラミネートフィルム
26 正極
28 セパレータ
30 負極
32 正極端子
34 負極端子
36A、36B、36C 絶縁シート
38 正極外部端子
40 負極外部端子
Claims (6)
- 正極、セパレータ、負極とが積層されて構成された電極体と、前記電極体を封止するラミネートフィルムとを備えた電池セルが、複数重ねられて構成された電池モジュールであって、
前記電池セルは、前記電極体に重ねられて前記ラミネートフィルムで封止され前記電池セルの側方に開放状の凹部を形成する絶縁部材を備え、
前記凹部に前記電池セルの輪郭の外側に突出する放熱板が配置されている、
ことを特徴とする電池モジュール。 - 前記絶縁部材は、前記正極、前記セパレータ、前記負極が積層される方向における前記電極体の両面のうちの少なくとも一方の面に配置されている、
ことを特徴とする請求項1記載の電池モジュール。 - 前記電極体は、前記凹部が開放された側と反対の前記正極の箇所に設けられた正極端子と、前記凹部が開放された側と反対の前記負極の箇所に設けられた負極端子とを備え、
前記絶縁部材は、前記正極端子と前記負極端子が設けられた前記電極体の箇所で延在する凹部形成用の基部を有し、
前記凹部は、前記基部を挟んで前記正極端子、前記負極端子と反対の箇所に形成される、
ことを特徴とする請求項2記載の電池モジュール。 - 前記電極体は、前記凹部が開放された側と反対の前記正極の箇所に設けられた正極端子と、前記凹部が開放された側と反対の前記負極の箇所に設けられた負極端子とを備え、
前記絶縁部材は、前記正極、前記セパレータ、前記負極が積層される方向における前記電極体の両面に配置され、
前記絶縁部材は、前記正極端子と前記負極端子が設けられた前記電極体の箇所で延在する凹部形成用の基部を有し、
前記凹部は、前記基部を挟んで前記正極端子、前記負極端子と反対の箇所に形成され、
前記放熱板は、前記電池セルが複数重ねられた状態で、隣り合う電池セルの前記凹部に配置されている、
ことを特徴とする請求項1記載の電池モジュール。 - 前記絶縁部材は、前記正極、前記セパレータ、前記負極が積層される方向における前記電極体の面を覆う被覆板部を有し、
前記基部は、前記被覆板部の上に位置している、
ことを特徴とする請求項3または4記載の電池モジュール。 - 前記絶縁部材は、絶縁シートが折り畳まれて形成されている、
ことを特徴とする請求項1から5の何れか1項記載の電池モジュール。
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