以下、図面を参照しながら実施形態を説明する。なお、以下の説明において、略同一の構成を有する構成要素については、同一符号を付し、重複説明は必要に応じて行うものとする。
図1は、本実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置1の構成の一例を示すブロック図である。磁気共鳴イメージング装置1は、バス3と、寝台5と、天板7と、架台9と、静磁場電源12と、シムコイル電源14と、傾斜磁場電源16と、送信器19と、受信器21と、シーケンスコントローラ23と、制御回路(制御部)25と、音声発生器27と、記憶回路(記憶部)29と、入力インタフェース回路(入力部)31と、表示回路(表示部)33と、処理回路(処理部)35とを有する。
バス3は、例えば、寝台5と、シムコイル電源14と、シーケンスコントローラ23と、制御回路25と、音声発生器27と、記憶回路29と、入力インタフェース回路31と、表示回路33と、処理回路35とを電気的に接続する信号路である。なお、バス3には、図示していない通信インタフェース回路が、接続されていてもよい。通信インタフェース回路は、図示していないネットワークを介して医用画像保管装置等の各種装置に接続される。
寝台5は、天板7の上下動および水平動を実行する種々のアクチュエータと、軸受と、天板7等とを有する。天板7の載置面には、被検体Pが載置される。図示していないアクチュエータとは、例えば、各種モータ、油圧・空圧シリンダ等である。アクチュエータは、入力インタフェース回路31を介した操作者の指示により、制御回路25による制御のもとで駆動する。アクチュエータの駆動により、天板7は、上下、水平に移動する。例えば、寝台5は、アクチュエータの駆動により、被検体Pを載置させた天板7を、架台9の開口部(診断用空間)に挿入する。
架台9は、静磁場磁石11と、シムコイル13と、傾斜磁場コイル15と、RFコイル17とを有する。静磁場磁石11は、中空の略円筒形状を有し、略円筒内部に静磁場を発生する。なお、静磁場磁石11は、円筒形状に限定されない。具体的には、静磁場磁石11は、静磁場電源12から供給された電流により、被検体Pが挿入される円筒状の開口部の軸方向(Z軸方向)に、静磁場H0を発生させる。静磁場磁石11は、例えば超電導磁石である。なお、静磁場磁石11は、超電導磁石に限定されず、永久磁石または常伝導磁石であってもよい。
シムコイル13は、架台9において、略円筒形状の静磁場磁石11の内側に設けられる。シムコイル13には、制御回路25による制御のもとで、静磁場均一化のための電流がシムコイル電源14から供給される。シムコイル13は、シムコイル電源14から供給された電流により、静磁場を均一化させるための磁場を発生する。
なお、シムコイル電源14は、シミングマップ(shimming map)を発生させる撮像プロトコルに従って、シーケンスコントローラ23により制御されてもよい。なお、シムコイル13の代わりに、受動シミングに対応するシート状の金属片が、架台の外側面のいくつかの部位に貼り付けられてもよい。
傾斜磁場コイル15は、架台9において、シムコイル13の内側に設けられる。傾斜磁場コイル15は、互いに直交するX、Y及びZ軸方向の傾斜磁場を発生させるための3組のコイル15x、コイル15y、コイル15zを有する。傾斜磁場電源16は、撮像プロトコルに従って、シーケンスコントローラ23による制御のもとで、傾斜磁場を発生させるためのパルス電流を、コイル15x、コイル15y、コイル15zに供給する。発生された傾斜磁場により、被検体P内の原子核は、各原子核の位置毎に、異なるラーモア周波数を有することになる。すなわち、当該ラーモア周波数の違いにより、NMR信号から、断面の位置情報を区別することが可能となる。
例えば、傾斜磁場電源16からコイル15x、コイル15y、コイル15zに供給されるパルス電流を調整することにより、直交3軸であるX、Y、Z方向の各軸の傾斜磁場が合成され、互いに直交するスライス方向傾斜磁場Gs、位相エンコード方向傾斜磁場Ge、及び読出し方向(周波数エンコード方向)傾斜磁場Grの各論理軸方向が任意に設定される。スライス方向、位相エンコード方向及び読出し方向の各傾斜磁場は、静磁場H0に重畳される。
RFコイル17は、撮像対象部位に応じた形状を有するコイルである。RFコイル17は、被検体Pの撮像対象部位の近傍に配置される。RFコイル17は、送信器19と受信器21とに接続される。送信器19と受信器21とは、シーケンスコントローラ23による制御のもとで動作する。送信器19は、核磁気共鳴(Nuclear Magnetic Resonance:NMR)を起こさせるためのラーモア周波数に対応する電気信号を、RFコイル17に供給する。
このとき、RFコイル17は、上記電気信号に対応するRFパルスを発生する。RFパルスは、固有のラーモア周波数に対応する被検体P内の原子核を励起させる。RFコイル17は、被検体Pにおける原子核が励起状態から元に戻る際に発生されるNMR信号を受信する。RFコイル17は、受信したNMR信号を受信器21に出力する。
上記説明において、RFコイル17は、同一のコイルとして説明したが、異なるコイルとして構成されてもよい。例えば、送信専用のRFコイルは、送信器19から出力された電気信号に従って、RFパルスを発生する。受信専用のRFコイルは、NMR信号を受信する。受信専用のRFコイルは、当該NMR信号を受信器21に出力する。
受信器21は、RFコイル17が受信したNMR信号(高周波信号)を取り込む。受信器21は、例えば、NMR信号に前置増幅、中間周波変換、位相検波、低周波増幅、フィルタリングなどの各種の信号処理を施した後、A/D変換してNMR信号に応じたデジタル量のエコーデータ(収集信号)を生成する。受信器21は、エコーデータをシーケンスコントローラ23に出力する。
シーケンスコントローラ(シーケンサとも呼ばれる)23は、例えば、メモリとプロセッサ(例えば、Central Processing Unit:CPU)とを有する。メモリは、処理回路35または制御回路25により記憶回路29から出力された各種プリセットを記憶する。
プリセットとは、事前撮像(事前スキャン)および本撮像(本スキャン)の前に撮像対象部位および撮像目的などごとに、医師からの指示(オーダー)に合わせて予め登録された一連の撮像プロトコルである。すなわち、プリセットは、複数の撮像パラメータの設定値により定義される一連の撮像プロトコルを有する。医師からの検査オーダーに応じて、入力インタフェース回路31を介した操作者の指示により、プリセットは、記憶回路29からシーケンスコントローラ23に出力される。
事前撮像とは、例えば、本撮像の位置決めに用いられる位置決め撮像(Locator)、シミングマップを取得するためのシミング撮像、RFコイル17の感度マップを取得するための感度マップ撮像等の準備撮像である。本撮像とは、被検体Pにおける撮像対象部位に関する画像再構成に必要なエコーデータを収集するためのスキャン(イメージングスキャン)である。
撮像プロトコルとは、一連のパルスシーケンスに従って傾斜磁場電源16、送信器19等を動作させるために必要な情報である。具体的には、撮像プロトコルは、例えば、撮像シーケンス、撮像対象部位、撮像目的等に応じて予め設定された複数の撮像パラメータを有する。例えば、撮像プロトコルは、複数の撮像パラメータの設定値により定義される。撮像パラメータとは、例えば、RFコイル(コイル15x、コイル15y、コイル15z)15に印加するパルス電流の強度、印加時間、印加タイミングなどに関する情報である。
換言すると、撮像プロトコルは、撮像対象部位、撮像目的、画像コントラスト、解像度などに応じて設定された撮像パラメータを有する撮像シーケンスに対応する。なお、上記撮像プロトコルにおける撮像パラメータは、デフォルトな値を設定値として予め設定されていてもよい。
撮像シーケンスとは、例えば、スピンエコー(Spin echo:SE)法、グラジエントフィールドエコー(gradient field echo:GRE)法、反復回復(Inversion Recovery:IR)法、高速スピンエコー(Fast spin echo:FSE)法、EPI(echo planar imaging)法、STIR(short TI inversion recovery)法、FLAIR(fluid attenuation inversion recovery)法、脂肪抑制撮像(fat−suppression imaging)法等である。
撮像対象部位とは、例えば、頭部、眼窩、下垂体、聴器、頚部、胸部、腹部、胆管、膵管、肝臓、膵臓、胆嚢、腎臓、乳房、骨盤、子宮、卵巣、膣、直腸、前立腺、膀胱、陰茎、脊椎、四肢などである。撮像目的とは、ルーチン、造影、非造影、組織コントラスト(T1強調、T2強調、T2*強調、拡散強調など)、RFコイルの感度マップ、シミング、位置決めなどである。
図2は、プリセットおよびプリセットに属する一連の撮像プロトコルの一例を示す図である。図2に示すように、プリセットは、複数の撮像プロトコルを撮像順と対応付けた一群であって、例えば、撮像シーケンス、撮像対象部位、撮像目的等に応じて、準備撮像と本撮像とを組み合わせたものである。図2において、プリセット「1:頭部ルーチン」は、「1−1:Brain Locator」と、「1−2:Brain Shimming」と、「1−3:Brain Map」とを準備撮像のための撮像プロトコルとして有する。加えて、プリセット「1:頭部ルーチン」は、「1−4:Brain DWI」等を本撮像のための撮像プロトコルとして有する。
図2における上記番号において、プリセット名「1:頭部ルーチン」は、プリセット番号が「1」であることを示している。図2における「1−1」における最初の「1」は、プリセット「1:頭部ルーチン」におけるプリセット番号「1」に対応する。ハイフン(−)の後の数字は、撮像順序を示している。プリセット名「頭部ルーチン」は、例えば、被検体Pの頭部に対するルーチン検査において実行されるプリセットである。
撮像プロトコル「Brain Locator」は、被検体Pの脳において、撮像位置を決めるための撮像プロトコルである。撮像プロトコル「Brain Shimming」は、被検体Pに対する脳の撮像において、シミングマップを取得するための撮像プロトコルである。撮像プロトコル「Brain Map」は、被検体Pに対する脳の撮像において、RFコイル17の感度マップを取得するための撮像プロトコルである。撮像プロトコル「Brain DWI」は、シミングマップと感度マップとを用いて、位置決めされた撮像位置で、被検体Pの脳の拡散強調画像(Diffusion Weightred Image)を取得するための撮像プロトコルである。
図2において、プリセット「1:頭部ルーチン」は、「Brain Locator」に対応する撮像プロトコルを実行し、次いで「Brain Shimming」に対応する撮像プロトコルを実行し、続いて「Brain Map」に対応する撮像プロトコルを実行し、これらの準備撮像の後に本撮像として「Brain DWI」に対応する撮像プロトコルを実行することを示している。
図2において、プリセット「2:頭部出血」は、プリセット番号が「2」であることを示している。図2における「2−1」における「2」は、プリセット「2:頭部出血」におけるプリセット番号「2」に対応する。プリセット「2:頭部出血」は、例えば、被検体Pの頭部における出血および出血が疑われる状況に対して実行されるプリセットである。撮像プロトコル「Brain T2*」は、シミングマップと感度マップとを用いて、位置決めされた撮像位置で、被検体Pの脳のT2*強調画像を取得するための撮像プロトコルである。
図2において、プリセット「2:頭部出血」は、まず「Brain Locator」に対応する撮像プロトコルを実行し、次いで「Brain Shimming」に対応する撮像プロトコルを実行し、続いて「Brain Map」に対応する撮像プロトコルを実行し、これらの準備撮像の後に本撮像として「Brain DWI」に対応する撮像プロトコルと「Brain T2*」に対応する撮像プロトコルとを実行することを示している。
シーケンスコントローラ23におけるプロセッサは、制御回路25または処理回路35により記憶回路29から読み出されたプリセットに属する撮像プロトコルに基づいて、送信器19および傾斜磁場電源16などの動作を制御する。なお、プリセットは、上記2種類のプリセットに限定されない。すなわち、シーケンスコントローラ23は、撮像シーケンス、撮像対象部位、撮像目的に応じた多種多様なプリセットに基づいて、送信器19および傾斜磁場電源16などの動作を制御する。シーケンスコントローラ23は、受信器21が出力したエコーデータを一旦入力し、エコーデータを、撮像プロトコルに係る各種パラメータとともに処理回路35等に転送する。
制御回路(controlling circuitry)25は、プロセッサとメモリとを有する。制御回路25は、本磁気共鳴イメージング装置1における各電源、各回路等を制御するためのプログラム(以下、システム制御プログラムと呼ぶ)を記憶回路29から読み出して、自身のメモリに展開する。制御回路25は、自身のメモリに展開したシステム制御プログラムを実行することで、装置全体の動作を統括する各種制御機能(例えば、寝台制御機能、表示制御機能等)を実現する。制御回路25は、入力インタフェース回路31を介して入力された操作者の指示に従って、各種制御機能を実行する。
例えば、制御回路25は、入力インタフェース回路31を介した操作者の指示により、天板7の移動を制御する。制御回路25は、入力インタフェース回路31を介した操作者の指示に応答して、ディスプレイに所望の画面を表示させるために表示回路33を制御する。制御回路25は、入力インタフェース回路31を介した操作者の音声入力に応答して、入力した音声を音声発生器(スピーカ)27から出力させるために、音声発生器27を制御する。
音声発生器27は、音声を出力するスピーカである。音声発生器27は、制御回路25による制御のもとで、例えば、息止め開始及び息止め終了のメッセージを音声として発することができる。
記憶回路29は、各種メモリ、HDD(ハードディスクドライブ)、SSD(ソリッドステートドライブ)、磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスクなど)、光ディスク(CD−ROM、DVD、MOなど)、半導体メモリなどにより構成される。
記憶回路29は、準備撮像および本撮像に関する各種撮像プロトコルにおける撮像条件(撮像パラメータ)、入力インタフェース回路31を介した操作者の指示、処理回路35における画像再構成プログラムにより再構成されたMR画像、各種パルシーケンス情報、処理回路35および制御回路25により実行される各種プログラム等を記憶する。
記憶回路29は、本磁気共鳴イメージング装置1を統括的に制御するシステム制御機能において実行されるシステム制御プログラム(例えば、寝台制御機能を実現するための寝台制御プログラム、表示制御機能を実現するための表示制御プログラムなど)を記憶する。記憶回路29は、入力インタフェース回路31から送られてくる操作者の指示、撮像条件などの各種データ群、通信インタフェース回路とネットワークとを介して受信した種々のデータなどを記憶する。
記憶回路29は、処理回路35において実行されるデータ収集機能351に関するデータ収集プログラム、処理回路35において実行される再構成機能353に関する再構成プログラム、処理回路35において実行される画像処理機能に関する画像処理プログラム(レンダリングプログラム、断面画像発生(断面変換)プログラム等)等の各種プログラムを記憶する。
記憶回路29は、処理回路35に実行される変換機能355および編集機能357等を実現するための撮像パラメータ一括変換機能(後ほど詳述)に関する各種プログラムを記憶する。撮像パラメータ一括変換機能に関する各種プログラムとは、例えば、ラベル決定プログラム、変換プログラム、変形例にて詳述する編集プログラムなどである。
記憶回路29は、上記において説明したプリセットの他に、撮像シーケンス、撮像対象部位、撮像目的に応じた複数のプリセットを記憶する。記憶回路29は、上記において説明した撮像プロトコル以外に、撮像シーケンス、撮像対象部位、撮像目的に応じた複数の撮像プロトコルを記憶する。
記憶回路29は、撮像内容が同一な一群の複数の撮像プロトコル(以下、撮像プロトコル群と呼ぶ)における複数の撮像パラメータ(以下、撮像パラメータ群と呼ぶ)に対して割り当てられた(紐付けられた)ラベルを記憶する。すなわち、記憶回路29は、プリセットを跨いだ撮像パラメータ群に対して同一のラベルを記憶する。撮像内容とは、例えば、撮像シーケンス、撮像目的、撮像対象部位、環境目的、被検体種別、被検体の付帯情報、操作者種別などである。記憶回路29は、撮像内容に応じた複数の撮像パラメータに対して、複数のラベルを関連付けて記憶する。なお、ラベルは、プリセットにおける複数の撮像プロトコル各々に対して割り当てられてもよい。
環境目的とは、例えば、静音化、SAR(Specific absorption rate:比吸収率)低減などである。被検体種別とは、例えば、新生児、乳児、幼児、小児、性別、年齢などである。被検体の付帯情報とは、紹介元病院、診療科名、担当医師名等である。操作者種別とは、例えば、操作者名などである。ラベルは、ラベル名、ラベルに関連する撮像内容および撮像プロトコル、ラベルに関連する撮像プロトコルにおける撮像パラメータ、撮像パラメータの変更範囲、他の撮像プロトコルにおける撮像パラメータとの制約(拘束)条件、異なるラベルとの階層関係、並列関係などに関する情報を有する。
例えば、図2において、プリセット「1:頭部ルーチン」に属する撮像プロトコル「1−1:Brain Locator」の撮像パラメータと、プリセット「2:頭部出血」に属する撮像プロトコル「2−1:Brain Locator」の撮像パラメータとには、同一のラベル「Brain Manual Locator」が割り当てられる。このとき、記憶回路29は、撮像プロトコル「1−1:Brain Locator」の撮像パラメータと「2−1:Brain Locator」の撮像パラメータとに対して、ラベル「Brain Manual Locator」を関連づけて記憶する。
また、図2において、プリセット「1:頭部ルーチン」に属する撮像プロトコル「1−2:Brain Shimming」の撮像パラメータと、プリセット「2:頭部出血」に属する撮像プロトコル「2−1:Brain Shimming」の撮像パラメータとには、同一のラベル「Brain Shimming」が割り当てられる。このとき、記憶回路29は、撮像プロトコル「1−2:Brain Shimming」の撮像パラメータと「2−2:Brain Shimming」の撮像パラメータとに対して、同一のラベル「Brain Shimming」を関連づけて記憶する。
また、図2において、プリセット「1:頭部ルーチン」に属する撮像プロトコル「1−3:Brain Map」の撮像パラメータと、プリセット「2:頭部出血」に属する撮像プロトコル「2−3:Brain Map」の撮像パラメータとには、同一のラベル「Brain Map」が割り当てられる。このとき、記憶回路29は、撮像プロトコル「1−3:Brain Map」の撮像パラメータと「2−3:Brain Map」の撮像パラメータとに対して、同一のラベル「Brain Map」を関連づけて記憶する。
また、図2において、プリセット「1:頭部ルーチン」に属する撮像プロトコル「1−4:Brain DWI」の撮像パラメータと、プリセット「2:頭部出血」に属する撮像プロトコル「2−1:Brain DWI」の撮像パラメータとには、同一のラベル「Brain DWI」が割り当てられる。このとき、記憶回路29は、撮像プロトコル「1−4:Brain DWI」の撮像パラメータと「2−4:Brain DWI」の撮像パラメータとに対して、同一のラベル「Brain DWI」を関連づけて記憶する。
上記説明において、2つのプリセットにおける同一のラベルの割り当てについて説明したが、図示していない他のプリセットにおいて撮像内容が同一の撮像プロトコルがあれば、この同一の撮像プロトコルの撮像パラメータに対して同一のラベルが割り当てられる。
また、一つの撮像プロトコルに対して複数のラベルが割り当てられてもよい。例えば、ラベル「Brain Manual Locator」が割り当てられた撮像パラメータには、ラベル「Brain Manual Locator」の上位階層のラベル「Locator」が割り当てられてもよい。ラベル「Locator」は、撮像対象部位によらず、位置決め撮像に関する撮像プロトコルにおける撮像パラメータに対して割り当てられるラベルである。加えて、ラベル「Locator」が割り当てられた撮像パラメータには、例えば、ラベル「Locator」の上位階層のラベル「T1強調」が割り当てられてもよい。ラベル「T1強調」は、事前撮像および本撮像において、T1強調画像に関する撮像プロトコルの撮像パラメータに対して割り当てられるラベルである。
また、ラベル「Brain Shimming」が割り当てられた撮像パラメータには、ラベル「Brain Shimming」の上位階層のラベル「シミング」が割り当てられてもよい。ラベル「シミング」は、撮像対象部位によらず、シミング撮像に関する撮像プロトコルにおける撮像パラメータに対して割り当てられるラベルである。
また、ラベル「Brain Map」が割り当てられた撮像パラメータには、ラベル「Brain Map」の上位階層のラベル「感度マップ」が割り当てられてもよい。ラベル「感度マップ」は、撮像対象部位によらず、感度マップ撮像に関する撮像プロトコルにおける撮像パラメータに対して割り当てられるラベルである。
また、ラベル「Brain DWI」が割り当てられた撮像パラメータには、ラベル「Brain DWI」の上位階層のラベル「DWI」が割り当てられてもよい。ラベル「DWI」は、撮像対象部位によらず、拡散強調画像を取得するための撮像プロトコルにおける撮像パラメータに対して割り当てられるラベルである。
なお、記憶回路29は、撮像パラメータまたは撮像プロトコルに割り当てられた異なるラベルを管理するラベル管理ファイルを記憶してもよい。このとき、ラベルは、撮像プロトコル各々に設けられた標識に対応する。同一の標識(ラベル)に対して一つのラベル管理ファイルが、記憶回路29に記憶される。すなわち、記憶回路29は、異なる名称の複数のラベルにそれぞれ対応する複数のラベル管理ファイルを記憶する。
ラベル管理ファイルは、ラベル名、ラベルに関連する撮像内容、ラベルに関連する撮像プロトコル、ラベルに関連する撮像プロトコルに関する撮像パラメータ、撮像パラメータの変更範囲、他の撮像プロトコルにおける撮像パラメータとの制約条件、異なるラベル管理ファイルとの階層関係・並列関係などに関する情報を有する。ラベル管理ファイルと撮像プロトコルとは、例えば、ラベルを介して関連づけられる。
以下の説明では、ラベルに対して説明しているが、ラベルという文言をラベル管理ファイルに適宜置き換えることで、ラベル管理ファイルに関連する各種機能が理解される。なお、ラベル管理ファイルについては、必要に応じて適宜説明を行う。
図3は、記憶回路29に記憶されたプリセットの一例を示す図である。図3に示すように、頭部ルーチンに対応するプリセットは、4つの撮像プロトコル(頭部ロケ−タ、頭部シミング、頭部感度マップ、頭部DWI)を記憶する。4つの撮像プロトコル各々には、撮像内容に対応する複数のラベルが割り当てられている。記憶回路29は、撮像内容に対応する各種ラベルを記憶する。
図4は、プリセットに属する複数の撮像プロトコルとラベルとの対応関係、シーケンスとラベルとの対応関係、および異なるラベルにおける階層構造・並列構造の一例を示す図である。図4に示すように、例えば、撮像シーケンス(GRE2Dエコー(2 dimensional gradient field echo:2次元グラジエントフィールドエコー))に対して、例えば、撮像目的として、複数のラベル(T1強調、T2*強調、感度マップ、シミング、緩和マップ、DWIなど)が関連づけられている。撮像目的に関する複数のラベルは、図示していないが、関連する撮像プロトコルおよび他の撮像内容に関するラベルに関連付けられている。
撮像対象部位ごとのラベルは、関連する撮像プロトコルおよび撮像目的のラベルと関連付けられている。撮像対象部位ごとのラベルは、図示していないが、他の撮像内容に関するラベルおよび撮像シーケンスと関連付けられている。環境目的、被検体種別、操作者種別などに関するラベルは、他の撮像内容に関するラベルと関連付けられている。
図4において、環境目的、被検体種別、操作者種別などに関するラベルは、関連する撮像プロトコルおよび撮像シーケンスに関連付けられる。図4に示すように、撮像内容に関するラベルは、階層構造および並列構造を有する。撮像目的の下位の階層には、撮像対象部位、環境目的、被検体種別、被検体の付帯情報、操作者種別等に関するラベルが撮像目的に属する複数のラベル各々に関連(リンク)付けられる。
なお、環境目的、被検体種別、被検体の付帯情報、操作者種別等のうち少なくとも一つに関するラベルは、撮像目的の階層と、撮像対象部位の階層との間に設けられてもよいし、撮像目的の上位の階層に設けられてもよい。また、撮像目的、環境目的、被検体種別、被検体の付帯情報、操作者種別等の撮像内容のうち少なくとも二つは、並列的な階層として、記憶回路29に記憶されてもよい。また、並列的な階層は、入力インタフェース回路31を介したラベルの選択に応じて、選択されたラベルの階層に対して階層的に配置されてもよい。
なお、ラベルの階層構造および並列構造は、図4に示すような構造に限定されず、多対多、すなわち撮像内容の項目や階層ごとにL対M対N対…(L、M、N、…は自然数)で関連付けられていてもよい。なお、撮像パラメータに割り当てられるラベルは、図4に示すように、撮像シーケンス名がさらに割り当てられてもよい。これにより、撮像シーケンス名から個々のプリセットにおける撮像プロトコル各々まで、撮像パラメータの検索が容易になる。
入力インタフェース回路31は、操作者からの各種指示・命令・情報・選択・設定を本磁気共鳴イメージング装置1に取り込む。例えば、入力インタフェース回路31は、トラックボール、スイッチボタン、マウス、キーボード、操作面へ触れることで入力操作を行うタッチパッド、および表示画面とタッチパッドとが一体化されたタッチパネルでイスプレイ、マイク等によって実現される。
入力インタフェース回路31は、バス3を介して制御回路25および処理回路35等に接続される。入力インタフェース回路31は、操作者から受け取った入力操作を電気信号に変換する。入力インタフェース回路31は、変換した電気信号を制御回路25および処理回路35へ出力する。なお、本明細書において入力インタフェース回路31は、マウス、キーボードなどの物理的な操作部品を備えるものだけに限らない。例えば、本磁気共鳴イメージング装置1とは別体に設けられた外部の入力機器から入力操作に対応する電気信号を受け取り、受け取った電気信号を制御回路25および処理回路35へ出力するような電気信号の処理回路も入力インタフェース回路31の例に含まれる。
入力インタフェース回路31は、被検体Pに対する撮像に関するプリセットの選択を入力する。入力インタフェース回路31は、後述する撮像パラメータ一括変換機能の起動に関する指示を入力する。このとき、入力インタフェース回路31は、撮像内容の選択を入力する。次いで、入力インタフェース回路31は、ラベルの選択を入力する。なお、入力インタフェース回路31は、ラベル管理ファイルの選択を入力してもよい。また、入力インタフェース回路31は、撮像パラメータ一括変換機能の起動後、操作者の指示により、ラベル名の検索に関する文字列を入力してもよい。
ラベルが階層構造を有している場合、入力インタフェース回路31は、選択されたラベルの階層または所定の階層の下位に位置するラベルに対する選択を入力する。このとき、入力インタフェース回路31は、選択されたラベルの決定を入力する。すなわち、ラベルの決定が入力されるまで、入力インタフェ−ス回路31は、選択されたラベルの階層または所定の階層から下位の階層に向かって、ラベルの選択を入力する。なお、入力インタフェース回路31は、操作者の指示により、撮像シーケンス名からラベルを選択することも可能である。
なお、ラベル管理ファイルが階層構造を有している場合、入力インタフェース回路31は、選択されたラベル管理ファイルの階層の下位に位置するラベル管理ファイルに対する選択を入力する。このとき、入力インタフェース回路31は、選択されたラベル管理ファイルの決定を入力する。すなわち、ラベル管理ファイルの決定が入力されるまで、入力インタフェ−ス回路31は、選択されたラベル管理ファイルの階層または所定の階層から下位の階層に向かって、ラベル管理ファイルの選択を入力する。
決定されたラベルまたは決定されたラベル管理ファイルにおいて、一括変換可能な撮像パラメータが複数存在する場合、入力インタフェース回路31は、一括変換される撮像パラメータ名の選択を入力する。入力インタフェース回路31は、一括変換される撮像パラメータの値を入力する。なお、入力インタフェース回路31は、撮像パラメータの値の入力範囲を示すスクロールバーにおいて、つまみ(ノブ)の位置を移動および決定することにより、一括変換される撮像パラメータの値を入力してもよい。
表示回路33は、例えばCRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ及びプラズマディスプレイ等の表示デバイス(以下、ディスプレイと呼ぶ)に、制御回路25による制御のもとで、種々の画像を表示する。表示回路33は、操作者からの各種指示・命令・情報・選択・設定を入力するための入力画像を、グラフィカルユーザーインターフェイス(graphical user interface:以下、GUIと呼ぶ)としてディスプレイに表示する。表示回路33は、処理回路35において再構成された種々のMR画像をディスプレイに表示する。
表示回路33は、入力インタフェース回路31を介した操作者の指示により撮像パラメータ一括変換機能が起動されると、撮像内容の一覧を表示する。このとき、表示回路33は、撮像シーケンス名とともに撮像内容を、ディスプレイに表示してもよい。表示回路33は、一覧表示された撮像内容において撮像内容に関する名称が選択または入力されると、選択または入力された撮像内容に属する複数のラベルを、ラベルの選択画面としてディスプレイに表示する。ラベルの選択画面とは、例えば、ラベルの一覧表示である。表示回路33は、入力インタフェース回路31を介したラベルの選択および決定に応答して、ラベルに関するパラメータの入力画面をディスプレイに表示する。
図5は、撮像内容として撮像目的が選択され、撮像目的において決定されたラベル名(DWI)を、選択されたラベルに関する撮像パラメータ名(TE、FOV、分解能など)とパラメータ値の設定値とともに表示した画面(GUI)の一例を示す図である。図5は、操作者の指示により決定されたラベル名に関するパラメータ値の入力画面(GUI)に対応する。
なお、表示回路33は、それぞれの撮像パラメータにおけるパラメータ値の入力範囲を示すスクロールバーを、入力範囲の下限値および上限値とともに、パラメータ値の枠内に表示してもよい。このとき、表示回路33は、スクロールバーにおけるノブの位置を、入力範囲における設置値の相対的な割合に対応付けてスクロールバーに表示する。なお、入力範囲は、撮像パラメータ群における個々の撮像パラメータが属するプリセットおよび撮像内容に応じて、適宜制限されてもよい。
表示回路33は、入力インタフェース回路31を介した操作者の指示により入力されたパラメータ値(以下、入力値と呼ぶ)を、ディスプレイに表示する。このとき、表示回路33は、決定されたラベルに関する撮像パラメータ群における撮像パラメータの設置値を入力値に一括して変換してよいか否かを示す確認画像を、ディスプレイに表示してもよい。確認画像は、例えば、ダイアログボックスである。表示回路33は、例えば、確認画像を、ダイアログボックスとしてポップアップさせてディスプレイに表示する。
ラベルが階層構造を有する場合、表示回路33は、ラベルの選択に応答して、選択されたラベルの下位の階層のラベル(以下、下位ラベルと呼ぶ)を、ディスプレイに表示する。表示回路33は、下位ラベルを、例えばツリー構造としてディスプレイに表示する。なお、下位ラベルの表示は、ツリー構造に限定されない。例えば、表示回路33は、選択されたラベルの直下に位置する少なくとも一つの下位ラベルを、プルダウン形式でディスプレイに表示してもよい。なお、表示回路33は、各種撮像内容に属する複数のラベルを、プルダウン形式で表示してもよい。
表示回路33は、選択されたラベルの下位ラベルの選択に応答して、選択されたラベルと選択された下位ラベルとを、選択された下位ラベルの撮像パラメータ名と設定値とともに、ディスプレイに表示する(以下、下位ラベル選択画面と呼ぶ)。なお、表示回路33は、選択された下位ラベルを、選択された下位ラベルの撮像パラメータ名と設定値とともに、ディスプレイに表示してもよい。
図6は、下位ラベル選択画面のGUIの一例を示す図である。図6に示すように、表示回路33は、ラベルの階層構造を操作者に認識可能なようにラベル名を表示し、かつ選択された下位ラベルの撮像パラメータを設置値とともに、パラメータ値の入力画面(GUI)としてディスプレイに表示する。図6におけるカーソルCは、下位ラベルとして「Brain」を選択した一例を示している。なお、表示回路33は、下位ラベル選択画面のGUIにおいて、撮像シーケンス名をディスプレイに表示してもよい。
図6に示すように、表示回路33は、下位ラベルの選択に応じて、表示された下位ラベル名、または下位ラベルが表示されている領域において、色相およびグレースケール等を適宜変更して表示してもよい。なお、表示回路33は、パラメータ値の入力範囲を示すスクロールバーを、入力範囲の下限値および上限値とともに、パラメータ値の枠内に表示してもよい。
処理回路(Processing circuitry)35は、本磁気共鳴イメージング装置1において、各処理を実行するプロセッサである。処理回路35は、図示していないCPUとメモリを備える。処理回路35は、本磁気共鳴イメージング装置1における各処理を実行するための各種プログラムを記憶回路29から読み出す。処理回路35は、読み出した各種プログラムを自身のメモリに展開し、実行することで、各種プログラムに対応する機能を実現する。
プログラムを読み出した状態の処理回路35は、図1に示すように、データ収集機能351、再構成機能353、変換機能355、編集機能357等の各機能を有する。なお、編集機能357については、後述の変形例で詳述する。データ収集機能351が実行される処理回路35は、データ収集部に対応する。再構成機能353が実行される処理回路35は、再構成部に対応する。変換機能が実行される処理回路35は、変換部に対応する。編集機能が実行される処理回路35は、編集部に対応する。なお、処理回路35は、制御回路25に組み込まれてもよい。
具体的には、処理回路35は、入力インタフェース回路31を介した操作者の指示(例えば、撮像開始指示)により、データ収集プログラムを記憶回路29から読み出す。処理回路35は、読み出したデータ収集プログラムを自身のメモリに展開し、実行することで、データ収集機能351を実現する。このとき、処理回路35は、データ収集プログラムに従って、シーケンスコントローラ23を制御する。具体的には、処理回路35は、データ収集プログラムに従って、操作者により選択・決定されたプリセットを、記憶回路29から読み出して、シーケンスコントローラ23に出力する。
処理回路35は、データ収集プログラムの読み出しに続けて、再構成プログラムを記憶回路29から読み出す。処理回路35は、読み出した再構成プログラムを自身のメモリに展開し、展開した再構成プログラムとエコーデータとに基づいて、メモリ上におけるフーリエ空間(k空間または周波数空間とも呼ばれる)にエコーデータを配置する。処理回路35は、配置されたエコーデータに対して2次元または3次元のフーリエ逆変換を実行することにより、実空間の画像データ(MR画像データ)を再構成する。
処理回路35は、入力インタフェース回路31を介した操作者の指示(例えば、MR画像データに対する各種画像処理の指示)に従って、記憶回路29から画像処理プログラムを読み出す。処理回路35は、読み出した画像処理プログラムを自身のメモリに展開し、展開した画像処理プログラムとMRI画像データとに基づいて、各種画像処理(種々のレンダリング、断面変換、画像合成、差分等)を実行する。処理回路35は、画像処理の結果に関するデータを記憶回路29、表示回路33等に出力する。
処理回路35は、入力インタフェース回路31を介した操作者の指示により、撮像パラメータ一括変換機能に関する各種プログラムを、記憶回路29から読み出す。具体的には、処理回路35は、まず、ラベル決定プログラムを記憶回路29から読み出し、自身のメモリに展開する。処理回路35は、展開したラベル決定プログラムを実行する。このとき、処理回路35は、撮像内容の一覧をディスプレイに表示させるように、表示回路33を制御する。このとき、処理回路35は、撮像内容に対応する撮像シーケンス名を撮像内容の一覧とともにディスプレイに表示させるように、表示回路33を制御してもよい。
処理回路35は、入力インタフェース回路31を介した操作者の指示により、撮像内容が選択されると、ラベルの一覧をディスプレイに表示させるように、表示回路33を制御する。処理回路35は、入力インタフェース回路31を介したラベルの選択および決定に応答して、ラベルに関するパラメータの入力画面をディスプレイに表示させるように、表示回路33を制御する。なお、選択されたラベルに対して下位ラベルが存在する場合、処理回路35は、下位ラベルの一覧をディスプレイに表示させるように、表示回路33を制御する。
処理回路35は、変換プログラムを記憶回路29から読み出し、自身のメモリに展開する。処理回路35は、ラベルの選択・決定に応じて、選択・決定されたラベルに関連する撮像パラメータ群を特定する。処理回路35は、入力インタフェース回路31を介して入力された入力値の決定に応答して、特定した撮像パラメータ群における撮像パラメータを一括変換する。
処理回路35は、一括変換された撮像パラメータを、撮像パラメータの一括変換に関する情報(例えば、操作者名、入力日時、選択・決定されたラベル名等:以下、一括変換付帯情報と呼ぶ。)とともに、記憶回路29に記憶させる。このとき、処理回路35は、特定された撮像パラメータ群において、一括変換された撮像パラメータを上書き保存するために、記憶回路29を制御する。
なお、処理回路35は、入力インタフェース回路31を介した操作者の指示により、一括変換付帯情報を用いて、一括変換された撮像パラメータを、一括変換前の撮像パラメータの値に戻してもよい。また、処理回路35は、特定された撮像パラメータ群のうち一部の撮像パラメータの設定値を不変としてもよい。このとき、一括変換において撮像パラメータを不変とする撮像パラメータは、予め記憶回路29にラベルとともに記憶されてもよいし、撮像パラメータ一括変換機能において入力インタフェース回路31を介した操作者の指示により設定されてもよい。
上記説明において用いた「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU、GPU(graphics processing unit)、或いは、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Comlex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の回路を意味する。
プロセッサは、記憶回路29に保存されたプログラムを読み出して実行することで、各種機能を実現する。なお、記憶回路29に各種プログラムを保存する代わりに、制御回路25または処理回路35におけるプロセッサの回路内に、各種プログラムを直接組み込むように構成しても構わない。この場合、プロセッサは、回路内に組み込まれた各種プログラムを読み出して実行することで、各種機能を実現する。
(撮像パラメータ一括変換機能)
撮像パラメータ一括変換機能とは、入力インタフェース回路31を介して入力されたラベルの選択・決定に基づいて一括変換可能な撮像パラメータ群を特定し、特定された撮像プロトコル群における撮像パラメータの値を、入力された撮像パラメータに一括変換する機能である。以下、撮像パラメータ一括変換機能に関する処理(以下、撮像パラメータ一括変換処理と呼ぶ)について説明する。
図7は、撮像パラメータ一括変換処理に係る処理手順の一例を示すフローチャートである。
入力インタフェース回路31を介した操作者の指示により、撮像パラメータ一括変換機能に関するラベル決定プログラムが起動される(ステップSa1)。ラベル決定プログラムの起動に応答して、各種撮像内容が一覧表示される(ステップSa2)。このとき、関連する撮像シーケンス名もディスプレイに表示されてもよい。入力インタフェース回路31を介した操作者の指示により、撮像内容が決定される(ステップSa3)。決定された撮像内容に応答して、決定された撮像内容に属する複数のラベルの一覧が、ディスプレイに表示される(ステップSa4)。このとき、ラベルの階層関係が、撮像内容とともに、例えばツリー構造としてディスプレイに表示されてもよい。また、ラベルの並列関係がディスプレイに表示されてもよい。
入力インタフェース回路31を介した操作者の指示により、表示されたラベルの選択が入力される(ステップSa5)。このとき、選択されたラベルの下位の階層に下位ラベルがあれば(ステップSa6のYes)、選択されたラベルにおいて、下位の階層に属するラベルの一覧が表示される(ステップSa7)。
入力インタフェース回路31を介した操作者の指示により、選択されたラベルが、一括変換される撮像パラメータに関するラベルとして決定される(ステップSa8)。このとき、処理回路35により、決定されたラベルに関連付けられた撮像パラメータ群が特定される。ラベルが決定されるまで(ステップSa8のNo)、ステップSa3乃至ステップSa6の処理が繰り返される。階層構造を有する複数のラベルにおいて、ステップSa3乃至ステップSa6の処理の繰り返しは、ラベルの絞り込みに対応する。ラベルの絞り込みは、撮像シーケンス名から実行されてもよい。
ラベルの決定後、決定されたラベルに対応する撮像パラメータ群に関する撮像パラメータの入力画面が、撮像パラメータ名とともにディスプレイに表示される(ステップSa9)。入力インタフェース回路31を介した操作者の指示により、撮像パラメータの入力画面において、撮像パラメータの値が入力される(ステップSa10)。このとき、特定された撮像パラメータに対する一括変換の有無を確認するための確認画像(ダイアログボックス)が、例えばポップアップ形式でディスプレイに表示されてもよい。
確認画像において一括変換の指示が入力インタフェース回路31を介して入力されると、または入力画面において撮像パラメータの値が入力されると、特定された撮像パラメータ各々の値が、入力された撮像パラメータの値(入力値)に、一括して変換される(ステップSa11)。他のラベルに対する選択がさらに入力される(ステップSa12)と、ステップSa4乃至ステップSa9の処理が繰り返される。
以上に述べた構成によれば、以下に示す効果を得ることができる。
本実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置1によれば、プリセットを跨いだ複数の略同一な撮像パラメータ(撮像パラメータ群)において、撮像内容に応じたラベル(またはラベル管理ファイル)を割り当てることができる。これにより、ラベルと撮像パラメータ群とが関連付けられる(リンクづけられる)。次いで、本磁気共鳴イメージング装置1によれば、表示された撮像内容の一覧から撮像パラメータの一括変換に係る撮像内容が選択することができる。続いて、選択された撮像内容に応じてディスプレイに表示されたラベル(またはラベル管理ファイル)の一覧から、一括変換される撮像パラメータに関するラベルを選択・決定することができる。これにより、本磁気共鳴イメージング装置1によれば、選択および決定されたラベルにリンクする少なくとも一つの撮像パラメータの値(設定値)を、プリセットを跨いで一括して入力値に変更することができる。
例えば、1つのパルスシーケンスにおいて撮像パラメータの自由度が大きい場合、本磁気共鳴イメージング装置1によれば、パルスシーケンスの下位の階層に位置するラベル(コントラストおよび撮像目的など)を選択することで、選択されたラベルに属する撮像パラメータ群における撮像パラメータの値を、プリセットを跨いで一括して変更することができる。
以上のことから、本磁気共鳴イメージング装置1によれば、撮像パラメータ群に属する撮像パラメータを、プリセットを跨いで簡便かつ確実に変更することができる。これにより、撮像パラメータの変更、すなわち撮像条件の変更に要する時間を短縮化することができ、操作者に対する負担が軽減し、撮像条件の変更の利便性および検査効率が向上する。加えて、撮像パラメータ(撮像条件)の変換に関する設定ミスの漏れ、および高い自由度による撮像パラメータの推奨条件から外れた撮像パラメータを有する撮像プロトコルを用いた撮像を回避できるため、例えば、検査日により画質が不安定性になることを解消することができる。
(変形例)
本実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置1との相違は、入力インタフェース回路31を介した操作者の指示に従って起動されたラベルの編集機能により、新たなラベル(またはラベル管理ファイル)の作成、およびラベル(またはラベル管理ファイル)の削除、ラベル(またはラベル管理ファイル)と撮像プロトコルとの関連付け等を編集できることにある。
処理回路35は、入力インタフェース回路31を介した操作者の指示に応じて、編集プログラムを記憶回路29から読み出し、自身のメモリに展開する。ここで、操作者の指示とは、ラベル(またはラベル管理ファイル)の編集指示である。処理回路35は、入力インタフェース回路31を介した操作者の指示により、ラベル(またはラベル管理ファイル)を編集する。編集プログラムによる編集内容は、例えば、ラベルの追加、ラベルの削除、ラベルの修正等である。
具体的には、処理回路35は、編集プログラムに従って、ラベル(またはラベル管理ファイル)の編集に関する編集画面を表示させるために、表示回路33を制御する。次いで、処理回路35は、編集画面に対する操作者の指示に応じて、ラベル(またはラベル管理ファイル)を編集する。
例えば、処理回路35は、操作者の指示によりラベルを追加する。具体的には、処理回路35は、操作者の指示に応じて、追加されたラベル(以下、追加ラベルと呼ぶ)に対するラベル名と、追加ラベルに関連付けられる撮像パラメータ群(以下、関連パラメータ群と呼ぶ)と、追加ラベルに関連付けられる撮像シーケンス名とを決定する。なお、処理回路35は、関連パラメータ群をプリセット名とともディスプレイに表示するように、表示回路33を制御してもよい。このとき、関連パラメータ群に属する複数の撮像パラメータは、入力インタフェース回路31を介した操作者の指示により、取捨選択されてもよい。処理回路35は、関連パラメータ群に属する複数の撮像パラメータに追加ラベルを割り当てて、記憶回路29に記憶させる。
また、処理回路35は、編集プログラムに従って、操作者の指示により、ラベルの削除を実行する。具体的には、処理回路35は、撮像内容の一覧をディスプレイに表示させるために、表示回路33を制御する。次いで、処理回路35は、一覧表示された撮像内容において選択された撮像内容に属する複数のラベルをディスプレイに一覧表示させるために、表示回路33を制御する。ラベルが階層構造を有するとき、処理回路35は、ラベルのツリー構造を表示させるために、表示回路33を制御してもよい。
処理回路35は、一覧表示された複数のラベルに対する操作者の指示により、削除されるラベル(以下、削除ラベルと呼ぶ)を決定する。処理回路35は、削除ラベルの決定に応答して、削除ラベルに関する撮像パラメータ群を特定する。処理回路35は、記憶回路29において、特定した撮像パラメータ群に属する複数の撮像パラメータに割り当てられた削除ラベルを削除する。
また、処理回路35は、編集プログラムに従って、操作者の指示により、ラベルの修正を実行する。具体的には、処理回路35は、修正されるラベル(以下、修正ラベルと呼ぶ)を撮像内容の一覧をディスプレイに表示させるために、表示回路33を制御する。次いで、処理回路35は、一覧表示された撮像内容において選択された撮像内容に属する複数のラベルをディスプレイに表示させるために、表示回路33を制御する。
処理回路35は、一覧表示された複数のラベルに対する操作者の指示により、修正ラベルを決定する。処理回路35は、決定した修正ラベルに関連する撮像パラメータ群を特定する。処理回路35は、操作者に修正指示により、ラベルを修正する。ラベルの修正は、例えば、特定された撮像パラメータ群への他の撮像パラメータの追加、および削除、一括変換される撮像パラメータの値の入力範囲、撮像パラメータの設定値の不変の有無などである。
(ラベル編集機能)
ラベル編集機能とは、入力インタフェース回路31を介して選択されたラベルを、編集プログラムに従って編集する機能である。以下、ラベル編集機能に関する処理(以下、ラベル編集処理と呼ぶ)について説明する。
図8は、ラベル編集処理に係る処理手順の一例を示すフローチャートである。
入力インタフェース回路31を介した操作者の指示により、ラベル編集機能に関するラベル編集プログラムが起動される。ラベル編集プログラムの起動に応答して、各種撮像内容が一覧表示される。編集対象としてのラベルの決定と、決定されたラベルに関連付けられた撮像パラメータ群の特定とに係る処理は、図7における撮像パラメータ一括変換処理に係る処理手順と同様である。なお、ラベル編集プログラムの起動に応答して、ラベルの編集内容(例えば、ラベルの削除、ラベルの追加、ラベルの修正等)の選択が、入力インタフェース回路31を介した操作者の指示により選択されてもよい。
編集対象のラベルの決定に応じて、決定されたラベルに関する編集画面が、ディスプレイに表示される(ステップSb1)。編集画面において、入力インタフェース回路31を介した操作者の指示により、編集内容が入力される(ステップSb2)。入力された編集内容に基づいて、編集対象のラベルと、このラベルに関連する撮像パラメータ群とが、編集される(ステップSb3)。
具体的には、編集内容がラベルの追加であるとき、ラベル名、関連パラメータ群、札うシーケンス名等が入力される。このとき、追加ラベルが、関連パラメータ群に属する複数の撮像パラメータ各々に割り当てられる。次いで、追加ラベルが新たに割り当てられた関連パラメータ群は、更新されて記憶回路29に記憶される。
また、編集内容がラベルの削除であるとき、入力されたラベル名に基づいて、削除ラベルに関連する撮像パラメータ群において、入力されたラベル名に対応するラベルが削除される。次いで、削除ラベルを削除した撮像パラメータ群は、更新されて記憶回路29に記憶される。
以上に述べた構成によれば、以下に示す効果を得ることができる。
本実施形態の変形例に係る磁気共鳴イメージング装置1によれば、予め記憶されたラベルと、ラベルが割り当てられた撮像パラメータ群に対して、操作者による指示により適宜編集(ラベルの追加、ラベルの削除、ラベルの修正等)することができる。これにより、新たなプリセット、撮像プロトコル等が設定された場合においても、操作者の所望に応じてラベルを適宜編集することができ、撮像パラメータの変更、すなわち撮像条件の変更に要する時間を短縮化することができ、操作者に対する負担が軽減し、撮像条件の変更の利便性および検査効率が向上する。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。