JP2021083730A - 磁気共鳴イメージング装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】FOVの設定にかかる操作者の負担を軽減させること。【解決手段】実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置は、被検体における関心領域をカバーした診断画像を生成するものであって、生成部と、判定部とを備える。生成部は、前記診断画像の生成に先行して、前記被検体の少なくとも一部が含まれた第1の画像を生成する。判定部は、前記第1の画像に前記関心領域の全部が含まれているか否かを判定する。前記生成部は、前記判定部によって前記第1の画像に前記関心領域の少なくとも一部が含まれていないと判定された場合に、前記診断画像の生成に先行して、前記第1の画像とは撮像視野が異なる第2の画像を生成する。【選択図】図1
Description
本明細書及び図面に開示の実施形態は、磁気共鳴イメージング装置に関する。
従来、磁気共鳴イメージング(Magnetic Resonance Imaging:MRI)装置によって被検体の撮像が行われる際に、診断画像の生成に先行して、被検体の少なくとも一部を含む位置決め画像を生成し、当該位置決め画像に基づいて診断画像の撮像視野(Field Of View:FOV)を設定する技術が知られている。
このように、位置決め画像に基づいて診断画像のFOVを設定する場合には、撮像の対象となる領域である関心領域が位置決め画像に十分に含まれていることが重要となるが、天板上に配置された被検体の状態によっては、生成された位置決め画像に関心領域の一部又は全部が含まれていないこともあり得る。その場合には、通常、操作者が撮像済みの位置決め画像を見ながらFOVを調整する操作を行って位置決め画像を撮像し直すことになるが、それによって操作者の負担が増加することになる。
本明細書及び図面に開示の実施形態が解決しようとする課題の一つは、FOVの設定にかかる操作者の負担を軽減させることである。ただし、本明細書及び図面に開示の実施形態により解決しようとする課題は上記課題に限られない。後述する実施形態に示す各構成による各効果に対応する課題を他の課題として位置付けることもできる。
実施形態に係るMRI装置は、被検体における関心領域をカバーした診断画像を生成するものであって、生成部と、判定部とを備える。生成部は、前記診断画像の生成に先行して、前記被検体の少なくとも一部が含まれた第1の画像を生成する。判定部は、前記第1の画像に前記関心領域の全部が含まれているか否かを判定する。前記生成部は、前記判定部によって前記第1の画像に前記関心領域の少なくとも一部が含まれていないと判定された場合に、前記診断画像の生成に先行して、前記第1の画像とは撮像視野が異なる第2の画像を生成する。
以下、図面を参照しながら、本願に係るMRI装置の実施形態について詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係るMRI装置の構成例を示す図である。
図1は、第1の実施形態に係るMRI装置の構成例を示す図である。
例えば、図1に示すように、MRI装置100は、静磁場磁石1、傾斜磁場コイル2、傾斜磁場電源3、全身用RF(Radio Frequency)コイル4、局所用RFコイル5、送信回路6、受信回路7、RFシールド8、架台9、寝台10、入力インタフェース11、ディスプレイ12、記憶回路13、及び処理回路14〜17を備える。
静磁場磁石1は、被検体Sが配置される撮像空間に静磁場を発生させる。具体的には、静磁場磁石1は、中空の略円筒状(中心軸に直交する断面の形状が楕円状となるものを含む)に形成されており、その内周側に形成された撮像空間に静磁場を発生させる。例えば、静磁場磁石1は、超伝導磁石や永久磁石等である。ここでいう超伝導磁石は、例えば、液体ヘリウム等の冷却剤が充填された容器と、当該容器に浸漬された超伝導コイルとから構成される。
傾斜磁場コイル2は、静磁場磁石1の内側に配置されており、被検体Sが配置される撮像空間に傾斜磁場を発生させる。具体的には、傾斜磁場コイル2は、中空の略円筒状(中心軸に直交する断面の形状が楕円状となるものを含む)に形成されており、互いに直交するX軸、Y軸及びZ軸それぞれに対応するXコイル、Yコイル及びZコイルを有している。Xコイル、Yコイル及びZコイルは、傾斜磁場電源3から供給される電流に基づいて、各軸方向に沿って線形に変化する傾斜磁場を撮像空間に発生させる。ここで、Z軸は、静磁場磁石1によって発生する静磁場の磁束に沿うように設定される。また、X軸は、Z軸に直交する水平方向に沿うように設定され、Y軸は、Z軸に直交する鉛直方向に沿うように設定される。これにより、X軸、Y軸及びZ軸は、MRI装置100に固有の装置座標系を構成する。
傾斜磁場電源3は、傾斜磁場コイル2に電流を供給することで、撮像空間に傾斜磁場を発生させる。具体的には、傾斜磁場電源3は、傾斜磁場コイル2のXコイル、Yコイル及びZコイルに個別に電流を供給することで、互いに直交するリードアウト方向、位相エンコード方向及びスライス方向それぞれに沿って線形に変化する傾斜磁場を撮像空間に発生させる。なお、以下では、リードアウト方向に沿った傾斜磁場をリードアウト傾斜磁場と呼び、位相エンコード方向に沿った傾斜磁場を位相エンコード傾斜磁場と呼び、スライス方向に沿った傾斜磁場をスライス傾斜磁場と呼ぶ。
ここで、リードアウト傾斜磁場、位相エンコード傾斜磁場及びスライス傾斜磁場は、それぞれ静磁場磁石1によって発生する静磁場に重畳されることで、被検体Sから発生する磁気共鳴信号に空間的な位置情報を付与する。具体的には、リードアウト傾斜磁場は、リードアウト方向の位置に応じて磁気共鳴信号の周波数を変化させることで、リードアウト方向に沿った位置情報を磁気共鳴信号に付与する。また、位相エンコード傾斜磁場は、位相エンコード方向に沿って磁気共鳴信号の位相を変化させることで、位相エンコード方向に沿った位置情報を磁気共鳴信号に付与する。また、スライス傾斜磁場は、スライス方向に沿った位置情報を磁気共鳴信号に付与する。例えば、スライス傾斜磁場は、撮像領域がスライス領域(2D撮像)の場合には、スライス領域の方向、厚さ及び枚数を決めるために用いられ、撮像領域がボリューム領域(3D撮像)の場合には、スライス方向の位置に応じて磁気共鳴信号の位相を変化させるために用いられる。これにより、リードアウト方向に沿った軸、位相エンコード方向に沿った軸、及びスライス方向に沿った軸は、撮像の対象となるスライス領域又はボリューム領域を規定するための論理座標系を構成する。
全身用RFコイル4は、傾斜磁場コイル2の内周側に配置されており、撮像空間に配置された被検体Sに高周波磁場を印加し、当該高周波磁場の影響によって被検体Sから発生する磁気共鳴信号を受信する。具体的には、全身用RFコイル4は、中空の略円筒状(中心軸に直交する断面の形状が楕円状となるものを含む)に形成されており、送信回路6から供給される高周波パルス信号に基づいて、その内周側に位置する撮像空間に配置された被検体Sに高周波磁場を印加する。また、全身用RFコイル4は、高周波磁場の影響によって被検体Sから発生する磁気共鳴信号を受信し、受信した磁気共鳴信号を受信回路7へ出力する。
局所用RFコイル5は、被検体Sから発生した磁気共鳴信号を受信する。具体的には、局所用RFコイル5は、被検体Sの各部位に適用できるように複数種類用意されており、被検体Sの撮像が行われる際に、撮像対象の部位の表面近傍に配置される。そして、局所用RFコイル5は、全身用RFコイル4によって印加された高周波磁場の影響によって被検体Sから発生した磁気共鳴信号を受信し、受信した磁気共鳴信号を受信回路7へ出力する。なお、局所用RFコイル5は、被検体Sに高周波磁場を印加する機能をさらに有していてもよい。その場合には、局所用RFコイル5は、送信回路6に接続され、送信回路6から供給される高周波パルス信号に基づいて、被検体Sに高周波磁場を印加する。例えば、局所用RFコイル5は、サーフェスコイルや、複数のサーフェスコイルをコイルエレメントとして組み合わせて構成されたフェーズドアレイコイルである。
送信回路6は、静磁場中に置かれた対象原子核に固有のラーモア周波数に対応する高周波パルス信号を全身用RFコイル4に出力する。具体的には、送信回路6は、パルス発生器、高周波発生器、変調器、及び増幅器を含む。パルス発生器は、高周波パルス信号の波形を生成する。高周波発生器は、共鳴周波数(ラーモア周波数)の高周波信号を発生させる。変調器は、高周波発生器によって発生した高周波信号の振幅をパルス発生器によって生成された波形で変調することで、高周波パルス信号を生成する。増幅器は、変調器によって生成された高周波パルス信号を増幅して全身用RFコイル4に出力する。
受信回路7は、全身用RFコイル4又は局所用RFコイル5から出力される磁気共鳴信号に基づいて磁気共鳴(Magnetic Resonance:MR)データを生成し、生成したMRデータを処理回路15に出力する。例えば、受信回路7は、選択器、前段増幅器、位相検波器、及び、A/D(Analog/Digital)変換器を含む。選択器は、全身用RFコイル4又は局所用RFコイル5から出力される磁気共鳴信号を選択的に入力する。前段増幅器は、選択器から出力される磁気共鳴信号を電力増幅する。位相検波器は、前段増幅器から出力される磁気共鳴信号の位相を検波する。A/D変換器は、位相検波器から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換することでMRデータを生成し、生成したMRデータを処理回路15に出力する。なお、ここで、受信回路7が行うものとして説明した各処理は、必ずしも全ての処理が受信回路7で行われる必要はなく、全身用RFコイル4や局所用RFコイル5で一部の処理(例えば、A/D変換器による処理等)が行われてもよい。
RFシールド8は、傾斜磁場コイル2と全身用RFコイル4との間に配置されており、全身用RFコイル4によって発生する高周波磁場から傾斜磁場コイル2を遮蔽する。具体的には、RFシールド8は、中空の略円筒状(円筒の中心軸に直交する断面の形状が楕円状となるものを含む)に形成されており、傾斜磁場コイル2の内周側の空間に、全身用RFコイル4の外周面を覆うように配置されている。
架台9は、略円筒状(中心軸に直交する断面の形状が楕円状となるものを含む)に形成された中空のボア9aを有し、静磁場磁石1、傾斜磁場コイル2、全身用RFコイル4、及びRFシールド8を収容している。具体的には、架台9は、ボア9aの外周側に全身用RFコイル4を配置し、全身用RFコイル4の外周側にRFシールド8を配置し、RFシールド8の外周側に傾斜磁場コイル2を配置し、傾斜磁場コイル2の外周側に静磁場磁石1を配置した状態で、それぞれを収容している。ここで、架台9が有するボア9a内の空間が、撮像時に被検体Sが配置される撮像空間となる。
寝台10は、被検体Sが載置される天板10aと、当該天板10aを上下方向及び水平方向に移動させる移動機構とを有する。ここで、上下方向は、鉛直方向であり、水平方向は、静磁場磁石1の中心軸に沿った方向である。このような構成により、寝台10は、天板10aを上下方向に移動させることで、天板10aの高さを変更可能となっている。また、寝台10は、天板10aを水平方向に移動させることで、架台9の外側の空間と、架台9のボア9a内にある撮像空間との間で天板10aの位置を変更可能となっている。
なお、ここでは、MRI装置100が、静磁場磁石1、傾斜磁場コイル2及び全身用RFコイル4それぞれが略円筒状に形成された、いわゆるトンネル型の構造を有する場合の例を説明するが、実施形態はこれに限られない。例えば、MRI装置100は、被検体Sが配置される撮像空間を挟んで対向するように一対の静磁場磁石、一対の傾斜磁場コイル及び一対のRFコイルを配置した、いわゆるオープン型の構造を有していてもよい。このようなオープン型の構造では、一対の静磁場磁石、一対の傾斜磁場コイル及び一対のRFコイルによって挟まれた空間が、トンネル型の構造におけるボアに相当する。
入力インタフェース11は、操作者から各種指示及び各種情報の入力操作を受け付ける。具体的には、入力インタフェース11は、処理回路17に接続されており、操作者から受け取った入力操作を電気信号へ変換して処理回路17に出力する。例えば、入力インタフェース11は、撮像条件や関心領域(Region Of Interest:ROI)の設定等を行うためのトラックボール、スイッチボタン、マウス、キーボード、操作面へ触れることで入力操作を行うタッチパッド、表示画面とタッチパッドとが一体化されたタッチスクリーン、光学センサを用いた非接触入力回路、及び音声入力回路等によって実現される。なお、本明細書において、入力インタフェース11は、マウス、キーボード等の物理的な操作部品を含むものだけに限られない。例えば、装置とは別体に設けられた外部の入力機器から入力操作に対応する電気信号を受け取り、この電気信号を制御回路へ出力する電気信号の処理回路も入力インタフェース11の例に含まれる。
ディスプレイ12は、各種情報及び各種画像を表示する。具体的には、ディスプレイ12は、処理回路17に接続されており、処理回路17から送られる各種情報及び各種画像のデータを表示用の電気信号に変換して出力する。例えば、ディスプレイ12は、液晶モニタやCRTモニタ、タッチパネル等によって実現される。
記憶回路13は、各種データ及び各種プログラムを記憶する。具体的には、記憶回路13は、処理回路14〜17に接続されており、各処理回路によって入出力される各種データ及び各種プログラムを記憶する。例えば、記憶回路13は、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子やハードディスク、光ディスク等によって実現される。
処理回路14は、寝台制御機能14aを有する。寝台制御機能14aは、制御用の電気信号を寝台10へ出力することで、寝台10の動作を制御する。例えば、寝台制御機能14aは、入力インタフェース11又は、架台9に設けられた操作パネルを介して、天板10aを上下方向又は左右方向へ移動させる指示を操作者から受け付け、受け付けた指示に従って天板10aを移動するように、寝台10が有する天板10aの移動機構を動作させる。例えば、寝台制御機能14aは、被検体Sの撮像が行われる際に、被検体Sが載置された天板10aを架台9のボア9a内にある撮像空間に移動させる。
処理回路15は、収集機能15aを有する。収集機能15aは、各種のパルスシーケンスを実行することで、被検体SのMRデータを収集する。具体的には、収集機能15aは、処理回路17から出力されるシーケンス実行データに従って傾斜磁場電源3、送信回路6及び受信回路7を駆動することで、各種のパルスシーケンスを実行する。ここで、シーケンス実行データは、パルスシーケンスを表すデータであり、傾斜磁場電源3が傾斜磁場コイル2に電流を供給するタイミング及び供給する電流の強さ、送信回路6が全身用RFコイル4に高周波パルス信号を供給するタイミング及び供給する高周波パルスの強さ、受信回路7が磁気共鳴信号をサンプリングするタイミング等を規定した情報である。そして、収集機能15aは、パルスシーケンスを実行した結果として受信回路7から出力されるMRデータを受信し、記憶回路13に記憶させる。このとき、記憶回路13に記憶されるMRデータは、前述したリードアウト傾斜磁場、位相エンコード傾斜磁場、及びスライス傾斜磁場によってリードアウト方向、フェーズアウト方向及びスライス方向の各方向に沿った位置情報が付与されることで、2次元又は3次元のk空間を表すk空間データとして記憶される。
処理回路16は、生成機能16aを有する。生成機能16aは、収集機能15aによって収集されたMRデータに基づいて、各種の画像を生成する。具体的には、生成機能16aは、収集機能15aによって収集されたMRデータを記憶回路13から読み出し、読み出したMRデータにフーリエ変換等の再構成処理を施すことで、2次元又は3次元の画像を生成する。そして、生成機能16aは、生成した画像を記憶回路13に記憶させる。
処理回路17は、撮像制御機能17aと、判定機能17bと、推定機能17cとを有する。撮像制御機能17aは、MRI装置100が有する各構成要素を制御することで、MRI装置100の全体制御を行う。具体的には、撮像制御機能17aは、操作者から各種指示及び各種情報の入力操作を受け付けるためのGUI(Graphical User Interface)をディスプレイ12に表示し、入力インタフェース11を介して受け付けられた入力操作に応じて、MRI装置100が有する各構成要素を制御する。例えば、撮像制御機能17aは、操作者によって入力された撮像条件に基づいてシーケンス実行データを生成し、生成したシーケンス実行データを処理回路15に出力することで、MRデータを収集させる。また、例えば、撮像制御機能17aは、処理回路16を制御することで、収集機能15aによって収集されたMRデータに基づいて画像を再構成させる。また、例えば、撮像制御機能17aは、操作者からの要求に応じて、記憶回路13に記憶された画像を読み出し、読み出した画像をディスプレイ12に表示させる。なお、判定機能17b及び推定機能17cについては、後に詳細に説明する。
ここで、例えば、処理回路14〜17は、それぞれプロセッサによって実現される。この場合に、各処理回路が有する処理機能は、例えば、コンピュータによって実行可能なプログラムの形態で記憶回路13に記憶される。そして、各処理回路は、記憶回路13から各プログラムを読み出して実行することで、各プログラムに対応する処理機能を実現する。換言すると、各プログラムを読み出した状態の各処理回路は、図1の各処理回路内に示された各機能を有することとなる。
また、ここでは、各処理回路が単一のプロセッサによって実現されるものとして説明したが、実施形態はこれに限られず、複数の独立したプロセッサを組み合わせて各処理回路を構成し、各プロセッサがプログラムを実行することによって各処理機能を実現するものとしてもよい。また、各処理回路が有する処理機能は、単一又は複数の処理回路に適宜に分散又は統合されて実現されてもよい。また、図1に示す例では、単一の記憶回路13が各処理機能に対応するプログラムを記憶するものとして説明したが、複数の記憶回路を分散して配置して、処理回路が個別の記憶回路から対応するプログラムを読み出す構成としても構わない。
以上、本実施形態に係るMRI装置100の構成例について説明した。このような構成のもと、本実施形態に係るMRI装置100は、被検体Sにおける関心領域をカバーした診断画像を生成する機能を有する。ここで、関心領域は、診断画像に最低限必要な解剖学的特徴を含んだ領域である。
具体的には、MRI装置100は、診断画像の生成に先行して、被検体Sの少なくとも一部を含む位置決め画像(Locator画像、Scout画像とも呼ばれる)を生成し、当該位置決め画像に基づいて診断画像のFOVを設定する。そして、MRI装置100は、設定されたFOVでMRデータを収集し、当該MRデータに基づいて、診断画像を生成する。
このように、位置決め画像に基づいて診断画像のFOVを設定する場合には、撮像の対象となる領域である関心領域が位置決め画像に十分に含まれていることが重要となるが、天板10a上に配置された被検体Sの状態によっては、生成された位置決め画像に関心領域の一部又は全部が含まれていないこともあり得る。
一般的に、位置決め画像は、磁場中心を含むように予め初期設定されたFOVで撮像されるが、例えば、被検体Sが磁場中心からずれた位置に配置された場合や、天板10aと被検体Sとの間に局所用RFコイル5等が配置された場合には、予め想定していた位置から被検体Sがずれてしまい、その結果、位置決め画像に関心領域が十分に含まれなくなることがあり得る。その場合には、通常、操作者が撮像済みの位置決め画像を見ながらFOVを調整する操作を行って位置決め画像を撮像し直すことになるが、それによって操作者の負担が増加することになる。
このようなことから、本実施形態では、FOVの設定にかかる操作者の負担を軽減させることができるように構成されている。
具体的には、処理回路16の生成機能16aが、診断画像の生成に先行して、被検体Sの少なくとも一部が含まれた第1の位置決め画像を生成する。また、処理回路17の判定機能17bが、生成機能16aによって生成された第1の位置決め画像に関心領域の全部が含まれているか否かを判定する。そして、生成機能16aが、判定機能17bによって第1の位置決め画像に関心領域の少なくとも一部が含まれていないと判定された場合に、診断画像の生成に先行して、第1の位置決め画像とはFOVが異なる第2の位置決め画像を生成する。
ここで、本実施形態では、処理回路17の推定機能17cが、判定機能17bによって第1の位置決め画像に関心領域の少なくとも一部が含まれていないと判定された場合に、第1の位置決め画像に基づいて、関心領域の位置を推定する。そして、生成機能16aが、第2の位置決め画像として、推定機能17cによって推定された関心領域の位置に基づいて当該関心領域の全部を含むように設定されたFOVの画像を生成する。
なお、生成機能16aは、生成部の一例である。また、判定機能17bは、判定部の一例である。また、推定機能17cは、推定部の一例である。また、第1の位置決め画像は、第1の画像の一例であり、第2の位置決め画像は、第2の画像の一例である。
このような構成によれば、最初に撮像された位置決め画像に関心領域の一部又は全部が含まれていない場合に、続いて位置決め画像を撮像し直すための最適なFOVが自動的に設定されるようになる。これにより、本実施形態では、FOVの設定にかかる操作者の負担を軽減させることができる。
なお、ここでいうFOVは、画像の生成に用いられるデータを収集する領域を意味するが、例えば、折り返しアーチファクトを防ぐために、画像化したい領域よりも広い範囲でデータを収集するオーバーサンプリングが行われる場合には、画像化されない領域も含むものとする。
以下、上述した各機能によって行われる処理について、より詳細に説明する。
図2は、第1の実施形態に係るMRI装置100の各機能によって行われる処理の処理手順を示すフローチャートである。また、図3は、第1の実施形態に係るMRI装置100の各機能によって行われる処理の一例を示す図である。
例えば、図2に示すように、本実施形態では、撮像制御機能17aが、架台9のボア9a内の撮像空間に被検体Sが配置された後に、操作者から撮像を開始する指示を受け付けた場合に(ステップS101,Yes)、以下の処理を開始させる。
まず、収集機能15aが、磁場中心を含むように予め初期設定された位置決め画像のFOVでMRデータを収集する(ステップS102)。そして、生成機能16aが、収集機能15aによって収集されたMRデータに基づいて、被検体Sの少なくとも一部が含まれた第1の位置決め画像を生成する(ステップS103)。
例えば、図3の(a)に示すように、生成機能16aは、初期設定されたFOV31で収集されたMRデータに基づいて、被検体Sの少なくとも一部が含まれた第1の位置決め画像を生成する。
その後、判定機能17bが、生成機能16aによって生成された第1の位置決め画像に関心領域の全部が含まれているか否かを判定する(ステップS104)。
このとき、例えば、判定機能17bは、第1の位置決め画像から関心領域の外形を検出し、関心領域の少なくとも一部が欠けている場合に、第1の位置決め画像に関心領域の少なくとも一部が含まれていないと判定する。例えば、判定機能17bは、第1の位置決め画像に含まれる輝度値のヒストグラムを生成し、輝度値が極端に変化する箇所があった場合に、関心領域の少なくとも一部が含まれていないと判定する。
または、例えば、判定機能17bは、第1の位置決め画像から解剖学的特徴を検出し、検出された解剖学的特徴点が関心領域とは異なる位置を示すものである場合に、第1の位置決め画像に関心領域の少なくとも一部が含まれていないと判定してもよい。ここで、第1の位置決め画像から解剖学的特徴点を検出する方法としては、公知の各種の画像処理技術を用いることができる。
そして、判定機能17bによって第1の位置決め画像に関心領域の少なくとも一部が含まれていないと判定された場合には(ステップS104,No)、推定機能17cが、第1の位置決め画像に基づいて、関心領域の位置を推定する(ステップS105)。
このとき、例えば、推定機能17cは、第1の位置決め画像から検出された解剖学的特徴点に基づいて、関心領域の位置を推定する。
または、例えば、推定機能17cは、第1の位置決め画像とモデル画像とのパターンマッチングを行うことで、関心領域の位置を推定してもよい。ここで、モデル画像は、例えば、標準的な被検体を撮像した画像や、標準的な被検体の体内の構造を模擬的に表した画像等である。
または、例えば、推定機能17cは、関心領域の少なくとも一部が含まれていない画像に基づいて当該関心領域の位置を出力する学習済みモデルに対して、第1の位置決め画像を入力することで、関心領域の位置を推定してもよい。この場合に、例えば、学習済みモデルは、ディープラーニング等の機械学習によって作成される。また、学習済みモデルへの入力は、画像に加えて、被検体Sの身長、体重、年齢、性別等の情報、撮像対象の部位等の情報をさらに含んでもよい。
その後、撮像制御機能17aが、推定機能17cによって推定された関心領域の位置に基づいて、当該関心領域の全部を含むように位置決め画像のFOVを再設定する(ステップS106)。
例えば、図3の(b)に示すように、撮像制御機能17aは、関心領域Rの位置に基づいて、初期設定されていたFOV31を関心領域Rの全部を含むような位置に移動させて新たなFOV32を設定することで、位置決め画像のFOVを再設定する。
このとき、例えば、撮像制御機能17aは、再設定されたFOVの位置がその時点の被検体Sの位置ではMRデータを収集することが不可能な位置であった場合には、MRデータを収集することが可能となる位置まで、被検体Sが載置された天板10aを移動してもよい。
または、例えば、撮像制御機能17aは、天板10aを可能な範囲で移動しても再設定されたFOVでMRデータを収集することが不可能な場合には、操作者や管理者等にその旨を通知してもよい。例えば、撮像制御機能17aは、ディスプレイ12や、ネットワーク経由でMRI装置100と接続されたHIS(Hospital Information System)等を介して、再設定されたFOVでMRデータを収集することが不可能な旨を通知する。
その後、収集機能15aが、撮像制御機能17aによって再設定された位置決め画像のFOVでMRデータを収集する(ステップS107)。そして、生成機能16aが、収集機能15aによって収集されたMRデータに基づいて、関心領域の全部を含む第2の位置決め画像を生成する(ステップS108)。
例えば、図3の(b)に示すように、生成機能16aは、新たに設定されたFOV32で収集されたMRデータに基づいて、関心領域Rの全部を含む第2の位置決め画像を生成する。
その後、撮像制御機能17aが、生成機能16aによって生成された第2の位置決め画像に基づいて、診断画像のFOVを設定する(ステップS109)。
例えば、図3の(c)に示すように、撮像制御機能17aは、第2の位置決め画像に基づいて、関心領域Rをカバーするように診断画像のFOV33を設定する。
このとき、例えば、撮像制御機能17aは、第2の位置決め画像から関心領域に関する解剖学的特徴点を検出し、検出した解剖学的特徴点に基づいて、関心領域をカバーするFOVを設定することで、自動的に、診断画像のFOVを設定する。
または、例えば、撮像制御機能17aは、第2の位置決め画像をディスプレイ12に表示し、表示した位置決め画像上で、関心領域をカバーするFOVを設定する操作を操作者から受け付けることで、診断画像のFOVを設定してもよい。
なお、判定機能17bによって第1の位置決め画像に関心領域の全部が含まれていると判定された場合には(ステップS104,Yes)、撮像制御機能17aは、第1の位置決め画像に基づいて、診断画像のFOVを設定する(ステップS109)。
その後、収集機能15aが、撮像制御機能17aによって設定された診断画像のFOVでMRデータを収集する(ステップS110)。そして、生成機能16aが、収集機能15aによって収集されたMRデータに基づいて、関心領域をカバーした診断画像を生成する(ステップS111)。
ここで、例えば、上述した処理手順のうち、ステップS101、S106及びS109の処理は、例えば、処理回路17が、撮像制御機能17aに対応するプログラムを記憶回路13から読み出して実行することにより実現される。また、ステップS102、S107及びS110の処理は、例えば、処理回路15が、収集機能15aに対応するプログラムを記憶回路13から読み出して実行することにより実現される。また、ステップS103、S108、S111の処理は、例えば、処理回路16が、生成機能16aに対応するプログラムを記憶回路13から読み出して実行することにより実現される。また、ステップS104の処理は、例えば、処理回路17が、判定機能17bに対応するプログラムを記憶回路13から読み出して実行することにより実現される。また、ステップS105の処理は、例えば、処理回路17が、推定機能17cに対応するプログラムを記憶回路13から読み出して実行することにより実現される。
上述したように、第1の実施形態では、最初に撮像された位置決め画像に関心領域の一部又は全部が含まれていない場合に、位置決め画像を撮像し直すための最適なFOVが自動的に設定されるようになる。
したがって、第1の実施形態によれば、位置決め画像の撮像し直しを行う場合に、当該位置決め画像のFOVの設定にかかる操作者の負担を軽減させることができる。
また、第1の実施形態によれば、位置決め画像のFOVの設定が自動化されることで、MRI装置100の操作性を改善することができる。
また、近年では、AI(Artificial Intelligence)等を活用して検査の一部又は全体を自動化する検討が進められているが、上述した第1の実施形態では、位置決め画像のFOVに加えて、診断画像のFOVも自動的に設定することによって、一回の検査において、位置決め画像及び診断画像を自動的に撮像できるようになる。
(第2の実施形態)
なお、上述した第1の実施形態では、一つの関心領域について診断画像を撮像する場合の例を説明したが、本願が開示する技術の実施形態はこれに限られない。例えば、本願が開示するFOVの設定方法は、被検体Sが載置された天板10aを移動して複数の関心領域の診断画像を撮像する場合にも適用することができる。
なお、上述した第1の実施形態では、一つの関心領域について診断画像を撮像する場合の例を説明したが、本願が開示する技術の実施形態はこれに限られない。例えば、本願が開示するFOVの設定方法は、被検体Sが載置された天板10aを移動して複数の関心領域の診断画像を撮像する場合にも適用することができる。
すなわち、第1の実施形態では、一つの関心領域を撮像する場合に、最初に撮像された位置決め画像に基づいて、続いて位置決め画像を撮像し直すためのFOVを設定する例を説明したが、同様の方法により、天板10aを移動して複数の関心領域を撮像する場合に、一つの関心領域の位置決め画像に基づいて、次の関心領域の位置決め画像のFOVを設定することもできる。
以下では、このような例を第2の実施形態として説明する。なお、以下では、第2の実施形態について、第1の実施形態と異なる点を中心に説明することとし、第1の実施形態と共通する内容については詳細な説明を省略する。
具体的には、本実施形態に係るMRI装置100は、被検体Sが載置された天板10aを移動して、被検体Sにおける第1の関心領域をカバーした第1の診断画像と、第1の関心領域とは異なる第2の関心領域をカバーした第2の診断画像とを生成する。
そして、本実施形態では、処理回路16の生成機能16aが、第1の診断画像の生成に先行して、第1の関心領域の全部を含むように設定されたFOVの第1の位置決め画像を生成する。また、処理回路17の判定機能17bが、生成機能16aによって生成された第1の位置決め画像に第2の関心領域の全部が含まれているか否かを判定する。そして、生成機能16aが、判定機能17bによって第1の位置決め画像に第2の関心領域の少なくとも一部が含まれていないと判定された場合に、第2の診断画像に先行して、天板10aが移動されることによって第2の関心領域の全部を含むように設定されたFOVの第2の位置決め画像を生成する。
ここで、本実施形態では、処理回路17の推定機能17cが、判定機能17bによって第1の位置決め画像に第2の関心領域の少なくとも一部が含まれていないと判定された場合に、第1の位置決め画像に基づいて、第2の関心領域の位置を推定する。そして、生成機能16aが、第2の位置決め画像として、推定機能17cによって推定された第2の関心領域の位置に基づいて当該第2の関心領域の全部を含むように設定されたFOVの画像を生成する。
本実施形態に係るMRI装置100は、上述したように、一つの関心領域について位置決め画像を生成した後に、当該位置決め画像に基づいて設定されたFOVで診断画像を撮像し、さらに、次の関心領域の位置決め画像のFOVを設定する処理手順を、被検体Sが載置された天板10aを移動しながら繰り返し行うことで、複数の関心領域について、関心領域ごとに診断画像を生成する。
このように、被検体Sが載置された天板10aを移動して複数の関心領域の診断画像を撮像する場合の例として、例えば、下肢の撮像や、DWIBS(Diffusion-weighted Whole body Imaging with Background Suppression)等がある。
以下、上述した各機能によって行われる処理について、より詳細に説明する。
図4は、第2の実施形態に係るMRI装置100の各機能によって行われる処理の処理手順を示すフローチャートである。また、図5は、第2の実施形態に係るMRI装置100の各機能によって行われる処理の一例を示す図である。なお、図5に示す例は、被検体Sが載置された天板10aを移動して、被検体Sの下肢に含まれる複数の関心領域を撮像する場合の例を示している。
例えば、図4に示すように、本実施形態では、撮像制御機能17aが、架台9のボア9a内の撮像空間に被検体Sが配置された後に、操作者から撮像を開始する指示を受け付けた場合に(ステップS201,Yes)、以下の処理を開始させる。
まず、収集機能15aが、第1の関心領域の全部を含むように設定された位置決め画像のFOVでMRデータを収集する(ステップS202)。
このとき、例えば、収集機能15aは、磁場中心を含むように予め初期設定されたFOVでMRデータを収集し、当該MRデータに基づいて生成された位置決め画像に第1の関心領域の少なくとも一部が含まれていなかった場合には、第1の実施形態で説明した方法によって第1の関心領域の全部を含むように再設定されたFOVで、MRデータを収集する。
そして、生成機能16aが、収集機能15aによって収集されたMRデータに基づいて、第1の位置決め画像を生成する(ステップS203)。
例えば、図5の(a)に示すように、生成機能16aは、被検体Sの骨盤部を含む第1の関心領域R1の全部を含むように設定されたFOV51で収集されたMRデータに基づいて、第1の位置決め画像を生成する。
その後、撮像制御機能17aが、生成機能16aによって生成された第1の位置決め画像に基づいて、診断画像のFOVを設定する(ステップS204)。
このとき、例えば、撮像制御機能17aは、第1の位置決め画像から第1の関心領域に関する解剖学的特徴点を検出し、検出した解剖学的特徴点に基づいて、第1の関心領域をカバーするFOVを設定することで、自動的に、診断画像のFOVを設定する。
または、例えば、撮像制御機能17aは、第1の位置決め画像をディスプレイ12に表示し、表示した第1の位置決め画像上で、第1の関心領域をカバーするFOVを設定する操作を操作者から受け付けることで、診断画像のFOVを設定してもよい。
その後、収集機能15aが、撮像制御機能17aによって設定された診断画像のFOVでMRデータを収集する(ステップS205)。
そして、生成機能16aが、収集機能15aによって収集されたMRデータに基づいて、第1の関心領域をカバーした第1の診断画像を生成する(ステップS206)。
その後、判定機能17bが、生成機能16aによって生成された第1の位置決め画像に次の関心領域の全部が含まれているか否かを判定する(ステップS207)。
このとき、例えば、判定機能17bは、第1の位置決め画像から解剖学的特徴点を検出し、検出された解剖学的特徴点に次の関心領域の解剖学的特徴の全てが含まれていない場合に、当該次の関心領域の少なくとも一部が含まれていないと判定する。
または、例えば、判定機能17bは、第1の位置決め画像と、少なくとも第1の関心領域及び次の関心領域を含むモデル画像とのパターンマッチングを行うことで、当該次の関心領域の全部が含まれているか否かを判定してもよい。
そして、判定機能17bによって第1の位置決め画像に次の関心領域の少なくとも一部が含まれていないと判定された場合には(ステップS207,No)、推定機能17cが、第1の位置決め画像に基づいて、当該次の関心領域の位置を推定する(ステップS208)。
このとき、例えば、推定機能17cは、第1の実施形態と同様に、第1の位置決め画像から検出された解剖学的特徴点に基づいて、次の関心領域の位置を推定する。または、例えば、推定機能17cは、第1の実施形態と同様に、モデル画像や学習済みモデルを用いて、第1の位置決め画像から次の関心領域の位置を推定してもよい。
例えば、図5の(a)に示すように、推定機能17cは、骨盤部を含む第1の関心領域R1から検出された関節や骨の走行方向に基づいて、被検体Sの膝部を含む次の関心領域R2の位置を推定する。
その後、撮像制御機能17aが、推定機能17cによって推定された次の関心領域の位置に基づいて、当該次の関心領域の全部を含むように位置決め画像のFOVを設定する(ステップS209)。
例えば、図5の(b)に示すように、撮像制御機能17aは、膝部を含む関心領域R2の位置に基づいて、当該関心領域R2の全部を含むように新たなFOV52を設定する。
そして、撮像制御機能17aは、寝台制御機能14aを制御することで、設定されたFOVでMRデータを収集することが可能となる位置まで、被検体Sが載置された天板10aを移動する(ステップS210)。
その後、収集機能15aが、撮像制御機能17aによって設定された位置決め画像のFOVでMRデータを収集する(ステップS211)。そして、生成機能16aが、収集機能15aによって収集されたMRデータに基づいて、位置決め画像を生成する(ステップS212)。
例えば、図5の(b)に示すように、生成機能16aは、新たに設定されたFOV52で収集されたMRデータに基づいて、膝部を含む関心領域R2の全部を含む位置決め画像を生成する。
その後、撮像制御機能17aが、生成機能16aによって生成された位置決め画像に基づいて、診断画像のFOVを設定する(ステップS213)。
このとき、例えば、撮像制御機能17aは、位置決め画像から画像処理によって関心領域に関する解剖学的特徴点を検出し、検出した解剖学的特徴点に基づいて、関心領域をカバーするFOVを設定することで、自動的に、診断画像のFOVを設定する。
または、例えば、撮像制御機能17aは、位置決め画像をディスプレイ12に表示し、表示した位置決め画像上で、関心領域をカバーするFOVを設定する操作を操作者から受け付けることで、診断画像のFOVを設定してもよい。
なお、判定機能17bによって第1の位置決め画像に次の関心領域の全部が含まれていると判定された場合には(ステップS207,Yes)、撮像制御機能17aは、第1の位置決め画像に基づいて、診断画像のFOVを設定する(ステップS213)。
その後、収集機能15aが、撮像制御機能17aによって設定された診断画像のFOVでMRデータを収集する(ステップS214)。そして、生成機能16aが、収集機能15aによって収集されたMRデータに基づいて、関心領域をカバーした診断画像を生成する(ステップS215)。
その後、撮像制御機能17aが、全ての関心領域について診断画像が生成されているか否かを判定し(ステップS216)、生成されている場合には(ステップS216,Yes)、処理を終了する。
一方、診断画像が生成されていない関心領域が残っている場合には(ステップS216,No)、判定機能17bが、直前に生成された位置決め画像に次の関心領域の全部が含まれているか否かを判定する(ステップS207に戻る)。その後は、第1の位置決め画像を直前に生成された位置決め画像に置き換えて、上述したステップS207以降の処理が実行される。これにより、全ての関心領域について診断画像が生成されるまでの間、上述したステップS207〜S216の処理が繰り返し実行される。
ここで、例えば、上述した処理手順のうち、ステップS201、S204、S209、S210、S213及びS216の処理は、例えば、処理回路17が、撮像制御機能17aに対応するプログラムを記憶回路13から読み出して実行することにより実現される。また、ステップS202、S205、S211及びS214の処理は、例えば、処理回路15が、収集機能15aに対応するプログラムを記憶回路13から読み出して実行することにより実現される。また、ステップS203、S206、S212及びS215の処理は、例えば、処理回路16が、生成機能16aに対応するプログラムを記憶回路13から読み出して実行することにより実現される。また、ステップS207の処理は、例えば、処理回路17が、判定機能17bに対応するプログラムを記憶回路13から読み出して実行することにより実現される。また、ステップS208の処理は、例えば、処理回路17が、推定機能17cに対応するプログラムを記憶回路13から読み出して実行することにより実現される。
上述したように、第2の実施形態では、最初に撮像された位置決め画像に次の関心領域の一部又は全部が含まれていない場合に、当該次の関心領域の位置決め画像を撮像するための最適なFOVが自動的に設定されるようになる。
したがって、第2の実施形態によれば、被検体Sが載置された天板10aを移動して複数の関心領域の診断画像を撮像する場合に、関心領域ごとの位置決め画像のFOVの設定にかかる操作者の負担を軽減させることができる。
なお、上述した各実施形態では、本願が開示するFOVの設定方法を位置決め画像のFOVの設定に適用した場合の例を説明したが、実施形態はこれに限られない。例えば、本願が開示するFOVの設定方法は、診断画像のFOVの設定にも同様に適用することが可能である。すなわち、上述した各実施形態で説明した位置決め画像のFOVを対象とした例と同様に、診断画像のFOVを対象として、一つの関心領域を撮像する場合に、最初に撮像された診断画像に基づいて、続いて診断画像を撮像し直すためのFOVを設定することや、天板10aを移動して複数の関心領域を撮像する場合に、一つの関心領域の診断画像に基づいて、次の関心領域の診断画像のFOVを設定することが可能である。
また、上述した各実施形態では、本明細書における判定部及び推定部をそれぞれ処理回路17の判定機能17b及び推定機能17cによって実現し、生成部を処理回路16の生成機能16aによって実現する場合の例を説明したが、実施形態はこれに限られない。例えば、本明細書における判定部、推定部及び生成部は、実施形態で述べた各機能によって実現する他にも、ハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、又は、ハードウェアとソフトウェアとの混合によって同機能を実現するものであっても構わない。
また、上述した説明で用いた「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、或いは、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の回路を意味する。プロセッサが例えばCPUである場合、プロセッサは、記憶回路に保存されたプログラムを読み出して実行することで、機能を実現する。一方、プロセッサが例えばASICである場合、記憶回路にプログラムを保存する代わりに、当該機能がプロセッサの回路内に論理回路として直接組まれる。なお、本実施形態の各プロセッサは、プロセッサごとに単一の回路として構成される場合に限らず、複数の独立した回路を組み合わせて一つのプロセッサとして構成し、その機能を実現するようにしてもよい。さらに、図1における複数の構成要素を一つのプロセッサへ統合してその機能を実現するようにしてもよい。
ここで、プロセッサによって実行されるプログラムは、例えば、非一過性の記憶媒体に記憶されて提供される。例えば、当該プログラムは、ROM(Read Only Memory)等の記憶回路に予め組み込まれて提供される。または、例えば、当該プログラムは、記憶回路にインストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD(Compact Disk)−ROM、FD(Flexible Disk)、CD−R(Recordable)、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記録されて提供されてもよい。また、このプログラムは、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納され、ネットワーク経由でダウンロードされることにより提供又は配布されてもよい。例えば、このプログラムは、上述した各機能部を含むモジュールで構成される。実際のハードウェアとしては、CPUが、ROM等の記憶媒体からプログラムを読み出して実行することにより、各モジュールが主記憶装置上にロードされて、主記憶装置上に生成される。
以上説明した少なくとも一つの実施形態によれば、FOVの設定にかかる操作者の負担を軽減させることができる。
いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、実施形態同士の組み合わせを行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
100 MRI装置
16 処理回路
16a 生成機能
17 処理回路
17b 判定機能
17c 推定機能
16 処理回路
16a 生成機能
17 処理回路
17b 判定機能
17c 推定機能
Claims (9)
- 被検体における関心領域をカバーした診断画像を生成する磁気共鳴イメージング装置であって、
前記診断画像の生成に先行して、前記被検体の少なくとも一部が含まれた第1の画像を生成する生成部と、
前記第1の画像に前記関心領域の全部が含まれているか否かを判定する判定部と
を備え、
前記生成部は、前記判定部によって前記第1の画像に前記関心領域の少なくとも一部が含まれていないと判定された場合に、前記診断画像の生成に先行して、前記第1の画像とは撮像視野が異なる第2の画像を生成する、
磁気共鳴イメージング装置。 - 前記関心領域は、前記診断画像に最低限必要な解剖学的特徴を含んだ領域である、
請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置。 - 前記判定部によって前記第1の画像に前記関心領域の少なくとも一部が含まれていないと判定された場合に、前記第1の画像に基づいて、前記関心領域の位置を推定する推定部をさらに備え、
前記生成部は、前記第2の画像として、前記推定部によって推定された前記関心領域の位置に基づいて前記関心領域の全部を含むように設定された撮像視野の画像を生成する、
請求項1又は2に記載の磁気共鳴イメージング装置。 - 前記推定部は、前記第1の画像から検出された解剖学的特徴点に基づいて、前記関心領域の位置を推定する、
請求項3に記載の磁気共鳴イメージング装置。 - 前記推定部は、前記第1の画像とモデル画像とのパターンマッチングを行うことで、前記関心領域の位置を推定する、
請求項3に記載の磁気共鳴イメージング装置。 - 前記推定部は、前記関心領域の少なくとも一部が含まれていない画像に基づいて前記関心領域の位置を出力する学習済みモデルに対して、前記第1の画像を入力することで、前記関心領域の位置を推定する、
請求項3に記載の磁気共鳴イメージング装置。 - 前記判定部は、前記第1の画像から前記関心領域の外形を検出し、前記関心領域の少なくとも一部が欠けている場合に、前記第1の画像に前記関心領域の少なくとも一部が含まれていないと判定する、
請求項1〜6のいずれか一つに記載の磁気共鳴イメージング装置。 - 前記判定部は、前記第1の画像から検出された解剖学的特徴点が前記関心領域とは異なる位置を示すものである場合に、前記第1の画像に前記関心領域の少なくとも一部が含まれていないと判定する、
請求項1〜6のいずれか一つに記載の磁気共鳴イメージング装置。 - 被検体が載置された天板を移動して、前記被検体における第1の関心領域をカバーした第1の診断画像と、前記第1の関心領域とは異なる第2の関心領域をカバーした第2の診断画像とを生成する磁気共鳴イメージング装置であって、
前記第1の診断画像の生成に先行して、前記第1の関心領域の全部を含むように設定された撮像視野の第1の画像を生成する生成部と、
前記第1の画像に前記第2の関心領域の全部が含まれているか否かを判定する判定部と
を備え、
前記生成部は、前記判定部によって前記第1の画像に前記第2の関心領域の少なくとも一部が含まれていないと判定された場合に、前記第2の診断画像に先行して、前記天板が移動されることによって前記第2の関心領域の全部を含むように設定された撮像視野の第2の画像を生成する、
磁気共鳴イメージング装置。
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