JP6640462B2 - カバー材 - Google Patents
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Description
そのため、気候条件の影響で生じるひび等を解決するため、気候条件によるカバー材の使い分けが必要であった。しかし、使い分けをすることで保管等の管理および維持に費用がかかるものであった。
例えば、特許文献1には、水を吸収することによって膨潤する湿潤材を含む保湿シートと、断熱材からなる保温シートとを積層状態で一体化したコンクリート養生シートが開示されている。保湿シートと保温シートを有することにより、保水効果が持続し、外気温度の影響もある程度低減できる。しかしながら、構成として独立した保湿シートと保温シートを積層させているため、生産性に劣り、さらには柔軟性に乏しく、施工性も劣っていた。特に凹凸の有する養生対象物に対する施工は困難であった。
すなわち、経糸及び緯糸にマルチフィラメント糸を用いた織布からなるカバー材であって、前記織布のカバーファクターが1800以上であり、25.4mm角あたりの経糸及び緯糸の総単糸本数が6000〜40000本であり、前記織布の通気度が10cc/cm 2 ・s以下であり、前記織布の飽和保水量が50g/m 2 以上であり、前記マルチフィラメント糸がポリアミド、ポリエステルから選択されることを特徴とするカバー材である。
前記マルチフィラメント糸の総繊度が、145〜1200dtexであることが好ましい。
前記織布の剛軟度が4〜20cmであることが好ましい。
前記カバー材が、コンクリートの養生に用いられることが好ましい。
また、織布を構成する層数は特に限定するものではなく、単層構造であっても2層以上の多層構造であってもよい。なかでも、生産性に優れ、安価である点で単層構造が好んで用いられる。
[式1]
カバーファクター= A × D A 1/2 + B × D B 1/2
A : 織布の経糸密度(本/2.54cm)
B : 織布の緯糸密度(本/2.54cm)
DA : 経糸の総繊度(dtex)
DB : 緯糸の総繊度(dtex)
なお、実施例と比較例における諸物性は、以下の測定方法により測定した。
1.目付重量(g/m2)
JIS L1096.8.3(単位面積当たりの質量)に準じて測定を行った。
2.厚さ(mm)
JIS L1096.8.4(厚さ)に準じて測定を行った。
3.密度(本/25.4mm)
JIS L1096.8.6(密度)に準じて測定を行った。
4.カバーファクター
各カバー材において次の式1で定義(算出)を行った。
[式1]
カバーファクター= A × D A 1/2 + B × D B 1/2
A : 織布の経糸密度(本/2.54cm)
B : 織布の緯糸密度(本/2.54cm)
DA : 経糸の総繊度(dtex)
DB : 緯糸の総繊度(dtex)
5.飽和保水量(g/m2)
JIS L1096.8.10(含水率)に準じて、試料を水槽に1分間浸漬し、その後水槽から2つのピンセット用いてカバー材の1辺に係る2つ隅を摘み上げ、取り出し30秒吊り下げのまま静置させたカバー材にて、測定を行った。
6.通気度(cc/cm2・秒)
JIS L1096 A法(フラジール法)に準じて測定した。
7.剛軟度(cm)
経方向、緯方向のそれぞれに対し、JIS L 1096.8.21(カンチレバー法)に準じて測定した。
8.引裂強度(N)
経方向、緯方向のそれぞれに対し、JIS L1096 A法(シングルタング法)に準じて測定した。
9.保水性(乾き難さ)
20cm×20cmの各カバー材と、これが平置きで入るバットを用意し、共に乾燥した状態で、バット1枚にカバー材1枚を平置きし、この乾燥重量を測定した。なお、この時用いたバットとカバー材は試験終了まで各々セットとして扱った。
次に、カバー材の保水処理として、水の入った水槽に各カバー材を12時間浸漬した後、2つのピンセット用いてカバー材の1辺に係る2つ隅を摘み上げ、取り出し1分間吊り下げのまま静置し、水切りを行った。
次に、保水処理後の各カバー材をもとのバットに平置きで戻し、保水処理後の各カバー材とバットの保水重量を測定した。
そして、30℃×60%RHの環境下で静置させ、保水重量と乾燥重量の差の保水量を算出し、ほぼ濡れ感がなくなる、保水量10g/m2以下となるまでの保水時間を計測し、下記の様な基準にて保水性を評価した。
○:保水時間が2時間以上
△:保水時間が30分以上、2時間未満
×:保水時間が30分未満
10.保温性
直径18cm、高さ20cmのスチール缶に80℃の熱湯を4L入れ、これをスチール缶に合わせた袋状にした各カバー材で包装し、5℃×40%RHの環境下で静置した。
このとき、水温が20℃に達するまでの時間を測定し、下記基準にて保温性を判断した。
○:10時間以上
△:6時間以上10時間未満
×:6時間未満
11.ブロック状コンクリート構造体に対する施工性
25tシェーク型消波ブロックに対して、直径6m、高さ5mの円錐状に縫製したカバー材を施工し、その施工性を評価した。
○:角部に対する追従性、及び、カバー材のハリコシが良好であり、ブロック状コンクリート構造体を容易に被うことができる。
△:角部に対する追従性、及び、カバー材のハリコシがやや良好であり、ブロック状コンクリート構造体を被うことはできる。
×:角部に対する追従性、及び、カバー材のハリコシが不良であり、ブロック状コンクリート構造体を被うことは困難である。
経糸にポリエステル糸470dtex/144f(NAN YA PLASTICS CORPORATION製(以下、NAN YA製)、緯糸にポリエステル糸470dtex/144f(NAN YA製)を用いて、平織(密度:経54本/インチ,緯53本/インチ)、カバーファクターが2320、総単糸本数が15408本の織物を作成した。なお、ここでポリエステル糸470dtex/144fの経緯糸はZ方向に150T/mの撚糸加工したものを用いた。
経糸にポリエステル糸470dtex/144f(NAN YA製)、緯糸にポリエステル糸470dtex/144f(NAN YA製)を用いて、平織(密度:経46本/インチ,緯42本/インチ)、カバーファクターが1908、総単糸本数が12672本の織物を作成した。なお、ここでポリエステル糸470dtex/144fの経緯糸はZ方向に150T/mの撚糸加工したものを用いた。
経糸にポリエステル糸330dtex/48f(NAN YA製)、緯糸にポリエステル糸330dtex/48f(NAN YA製)を用いて、平織(密度:経65本/インチ,緯61本/インチ)、カバーファクターが2289、総単糸本数が6048本の織物を作成した。なお、ここでポリエステル糸330dtex/48fの経緯糸はZ方向に250T/mの撚糸加工したものを用いた。
経糸にポリエステル糸550dtex/288f(NAN YA製)、緯糸にポリエステル糸550dtex/288f(NAN YA製)を用いて、平織(密度:経65本/インチ,緯65本/インチ)、カバーファクターが3049、総単糸本数が37440本の織物を作成した。なお、ここでポリエステル糸550dtex/288fの経緯糸はポリエステル糸225dtex/144fの2本をZ方向に50T/mの撚りで合撚し双使いで用いた。
経糸にナイロン66糸470dtex/144f(NAN YA製)を、緯糸にナイロン66糸470dtex/144f(NAN YA製)を用いて、平織(密度:経46本/インチ,緯42本/インチ)、カバーファクターが1908、総単糸本数が12672本の織物を作成した。なお、ここでナイロン66糸470dtex/144fの経緯糸はZ方向に200T/mの撚糸加工したものを用いた。
経糸にポリエステル糸330dtex/48f(NAN YA製)、緯糸にポリエステル糸330dtex/48f(NAN YA製)を用いて、綾織(密度:経83本/インチ,緯51本/インチ)、カバーファクターが2434、総単糸本数が6432本の織物を作成した。なお、ここでポリエステル糸330dtex/48fの経緯糸はZ方向に450T/mの撚糸加工したものを用いた。
経糸にポリエステル糸330dtex/48f(NAN YA製)、緯糸にポリエステル糸330dtex/48f(NAN YA製)を用いて、二重綾織(密度:経98本/インチ,緯72本/インチ)、カバーファクターが3088、総単糸本数が8160本の織物を作成した。なお、ここでポリエステル糸330dtex/48fの経緯糸はZ方向に450T/mの撚糸加工したものを用いた。
経糸にポリエステル糸167dtex/36f(NAN YA製)、緯糸にポリエステル糸275dtex/24f(NAN YA製)を用いて、朱子織(密度:経122本/インチ,緯76本/インチ)、カバーファクターが2837、総単糸本数が6216本の織物を作成した。なお、ここでポリエステル糸167dtex/36fの経糸およびポリエステル糸275dtex/24fの緯糸はZ方向に350T/mの撚糸加工したものを用いた。
経糸にポリエステル糸1100dtex/192f(NAN YA製)、緯糸にポリエステル糸1100dtex/192f(NAN YA製)を用いて、平織(密度:経33本/インチ,緯24本/インチ)、カバーファクターが1890、総単糸本数が10944本の織物を作成した。なお、ここでポリエステル糸1100dtex/192fの経緯糸はZ方向に80T/mの撚糸加工したものを用いた。
経糸にポリエステル糸330dtex/96f(NAN YA製)、緯糸にポリエステル糸470dtex/96f(NAN YA製)を用いて、平織(密度:経46本/インチ,緯42本/インチ)、カバーファクターが1599、総単糸本数が8448本の織物を作成した。なお、ここでポリエステル糸330dtex/96fの経緯糸はZ方向に250T/mの撚糸加工したものを用いた。
経糸にポリエステル糸330dtex/48f(NAN YA製)、緯糸にポリエステル糸330dtex/48f(NAN YA製)を用いて、平織(密度:経55本/インチ,緯50本/インチ)、カバーファクターが1907、総単糸本数が5040本の織物を作成した。なお、ここでポリエステル糸330dtex/48fの経緯糸はZ方向に250T/mの撚糸加工したものを用いた。
経糸にポリエステルモノフィラ糸330dtex(ユニプラス製)、緯糸にポリエステル糸330dtex/48f(ユニプラス製)を用いて、平織(密度:経62本/インチ,緯62本/インチ)、カバーファクターが2253、総単糸本数が3038本の織物を作成した。なお、ここでポリエステル糸330dtex/48fの緯糸はZ方向に150T/mの撚糸加工したものを用いた。
Claims (4)
- 経糸及び緯糸にマルチフィラメント糸を用いた織布からなるカバー材であって、前記織布のカバーファクターが1800以上であり、25.4mm角あたりの経糸及び緯糸の総単糸本数が6000〜40000本であり、前記織布の通気度が10cc/cm 2 ・s以下であり、前記織布の飽和保水量が50g/m 2 以上であり、前記マルチフィラメント糸がポリアミド、ポリエステルから選択されることを特徴とするカバー材。
- 前記マルチフィラメント糸の総繊度が、145〜1200dtexであることを特徴とする請求項1に記載のカバー材。
- 前記織布の剛軟度が4〜20cmであることを特徴とする請求項1又は2に記載のカバー材。
- コンクリートの養生に用いられる請求項1〜3のいずれか1項に記載のカバー材。
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