JP6639223B2 - 液体吐出ヘッドおよび液体吐出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、液体吐出ヘッドおよび液体吐出装置に関し、詳しくは、電圧の印加に応じて熱を発生しインク等の液体を吐出するためのヒータ上に設けられる導電性保護膜を、複数のヒータに対して共通に設けた液体吐出ヘッドに関する。
液体吐出ヘッドを構成する基板に配列した複数のヒータ上に成膜された導電性保護膜は、複数のヒータに対応する導電性保護膜を共通のパターンとすることが多い。例えば、基板を作製した後の試験として、導電性保護膜とヒータ配線層との間での電気リークチェックを行う。これは、導電性保護膜とヒータ配線層との間に電気リークが存在すると、導電性保護膜がヒータ駆動電位の影響によってインクとの間の電気化学反応による膜の酸化や溶解が進行し吐出特性の変化や吐出不良を生じる可能性があるためである。この試験について、導電性保護膜を共通のパターンとすることにより、この電気リークチェックを複数のヒータについて一括して行うことが可能となり、試験を簡便なものとすることができる。
導電性保護膜を共通のパターンとする一形態として、特許文献1には、ヒータ上の導電性保護膜に適切な電位を印加してインクとの間の電気化学反応を制御することで、インクの吐出によって保護膜上に付着するコゲを除去する構成が記載されている。この場合においても複数のヒータ上の導電性保護膜は電気的に共通のパターンとして一括に電位制御することができる。
特許第4995355公報
複数のヒータに対する導電性保護膜を共通化する構成では、導電性保護膜とヒータ配線層との間のリークが基板の作製直後に発生している場合には、その基板を組み込む前の電気的チェックによって検出することが可能である。そして、それによって、リークがあるチップを不良チップとして用いないようにすることができる。
しかしながら、基板作製直後にリークが生じていない基板でも、吐出ヘッドへの組み込み工程で受ける熱的、機械的な衝撃などによってリークが発生する可能性がある。また、さらには吐出ヘッドへの組み込み後に発生しなかったとしても、吐出ヘッドを記録などに使用している時の熱的な衝撃やキャビテーションなどによりリークが発生する可能性もある。この場合、複数のヒータに対する導電性保護膜を共通化する構成では、複数のヒータの中の一つでもリークが発生すると、電気的に接続された他のヒータ上の導電性保護膜で電気化学反応が進行する可能性がある。そして、その結果、それらのヒータに対応したノズルで吐出特性の変化や吐出不良を生じる場合がある。
本発明の目的は、液体吐出ヘッドを記録などに用いた後にヒータと導電性保護膜との間でリークが発生したとしても、その影響を限定的なものとし、液体吐出ヘッド全体が不良となることを低減可能とする液体吐出ヘッドおよび液体吐出装置を提供することである。
上記課題を解決するために本発明は、液体を吐出する液体吐出ヘッドであって、液体を吐出するための熱を発生する複数のヒータが設けられた基板と、前記基板において複数のヒータを被覆する導電性の複数の保護膜であって、前記複数のヒータのうちの複数の第1のヒータを被覆する第1の保護膜と、前記複数のヒータのうちの複数の第2のヒータを被覆する第2の保護膜と、を含む前記複数の保護膜と、前記基板において前複数の保護膜と接続する複数の個別配線であって、前記第1の保護膜と接続する第1の個別配線と、前記第2の保護膜と接続する第2の個別配線と、を含む前記複数の個別配線と、前記第1の個別配線と前記第2の個別配線と共通に接続する共通配線と、前記共通配線と接続し、当該共通配線を前記基板の外部と電気的に接続するための端子と、を具え、前記個別配線の電気抵抗は、前記共通配線の電気抵抗よりも高いことを特徴とする。
以上の構成によれば、導電性の保護膜への電気リークに伴う電気化学反応が進行しても、その影響はグループ内の保護膜およびヒータにのみ限られ、これにより、吐出特性の変化などの影響が生じるノズルを限定することが可能となる。
(a)および(b)は、本発明の第1の実施形態にインクジェット記録ヘッドを構成する基板を模式的に示すそれぞれ平面図および拡大平面図である。 (a)および(b)は、本発明の第2の実施形態に係る記録ヘッドの基板におけるヒータグループの拡大図およびIIb−IIb線断面を示す図である。 (a)および(b)は、本発明の第3の実施形態に係る記録ヘッドの基板におけるヒータグループGの拡大図およびIIIb−IIIb線断面を示す図である。 (a)および(b)は、本発明の第4の実施形態に係る記録ヘッドの基板を模式的に示すそれぞれ平面図および拡大平面図である。 本発明の第5の実施形態に係る記録ヘッドの基板を模式的に示す平面図である。 本発明の第6の実施形態に係る記録ヘッドの基板を模式的に示す平面図である。 上記第6実施形態に係る基板を用いた記録ヘッドを示す平面図である。 本発明の液体吐出装置の一実施形態に係るインクジェット記録装置を示す斜視図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1(a)および(b)は、本発明の第1の実施形態に係るインクジェット記録ヘッドを構成する基板を模式的に示すそれぞれ平面図および拡大平面図である。これら図において、基板1には、インク供給口4の両側に所定数のヒータ5が配列した1対のヒータ列が設けられる。そして、基板1に設けられた5つのインク供給口4のそれぞれに対応して5つの対のヒータ列5aが設けられる。この5つの対のヒータ列5aは、例えば、異なる種類のインクにそれぞれ対応させたものとすることができる。それぞれのヒータ列5aのヒータ5に対応してノズルが配置された流路形成部材(不図示)が、基板1に接合することにより、本実施形態の記録ヘッドを構成することができる。この基板1を備えた記録ヘッドは、図1(a)に示す走査方向に走査することによって記録媒体に記録を行うことが可能となる。
基板1における供給口4は基板1を貫通して設けられ、これにより、基板1の裏側の液室から供給口4を介して表側に設けられたそれぞれのヒータ5に対応する圧力室にインクを供給することができる。基板1の両端の辺に沿って、複数の電極パッド(端子)が設けられる。これらの電極パッドのうち、図1(a)において左側のパッド配列における両端のパッド2aは、以下に説明する、導電性保護膜3とヒータ駆動のための電極配線との間のリークをチェックするために用いられる。また、電極パッド2aは、導電性保護膜が所定の電位となるよう電圧を印加し、後述するリーク発生時の導電性保護膜3とインクとの間で生じる電気化学反応を限定させる際にも用いられる。その他の電極パッド2は、ヒータ5を駆動するための電極配線(不図示)に接続されており、これにより、装置制御部から記録信号に応じてパッド2を介して供給される駆動信号によって対応するヒータ5を駆動し、インク吐出のための熱を発生することができる。
図1(a)および(b)に示すように、本実施形態の導電性の膜3は、パッド2aと電気的な接続を行う相対的に太い共通パターン(共通配線)3aと、このパターン3aから分岐し、複数のヒータ列5aのそれぞれに接続する相対的に細い複数の配線パターン(個別配線)3bを有している。さらに、膜3は、分岐するそれぞれの配線パターン3bが接続する、複数のヒータ5(ヒータ列5a)の上面を被覆する保護パターン(保護膜)3cと、を有している。そして、保護パターン3cは、インク供給口4の一方側のヒータ列を一つのグループとする複数のヒータ5ないしヒータ列5aのグループGを規定している。すなわち、保護パターン3cの全体は、ヒータのグループを複数規定する。
このように本実施形態では、複数のヒータ列5aそれぞれが、導電性保護膜によるグループGを構成する。また、それぞれのグループGのヒータ列5aが、相対的に電気抵抗の高い(シート数が多い)配線パターン3bを介して相対的に電気抵抗の低い(シート数が少ない)共通パターン3aに接続される。
以上の膜3のパターンにおける具体的な抵抗値(シート数)の比較は以下のとおりである。ヒータ列5aの幅Lb1を0.5インチ(約12.7mm)、ヒータ列5aの一端と共通パターン3aの端との距離Lb2を500μmとする。また、パターン3bの幅Wbを10μmとする。このとき、パターン3bの抵抗値RAは、(Lb1;12700+Lb2;500)/Wb;10=1320シートとなる。
次に、共通のパターン3aの、最も端のパターン3bからパッド2aに接続する端部までの距離Laを4mm、幅Waを500μmとする。このとき、パターン3aの抵抗値PBは、パッド2aへの接続部の抵抗値を無視すると、La;4000/Wa;500=8シートとなる。なお、パターン3aは、厳密には2箇所のパッド2aと接続されており、パッド1つ当り、概ね半分のシート数である4シート相当の抵抗値となる。これらのパッド2aには、装置制御部によって0Vの電圧が印加される。
本実施形態は、膜3について以上のような抵抗値の関係とすることにより、ヒータ列のグループGのうち、1つのグループについてリークなどの電圧の異常があっても他のグループに与える影響を低減することができる。例えば、複数のグループGの1つのグループGに含まれるヒータのいずれかに、リークなどの異常が発生してそのヒータの駆動電圧VHが導電性保護膜と導通したとする。これに対して、同じグループG内の他のヒータは電圧VHの影響を受け、インクとの間の電気化学反応が進行して吐出特性の変化や吐出異常を発生する可能性がある。しかしながら、他のグループGそれぞれのヒータについては、グループごとの、抵抗値の小さいパターン3bと、共通パターン3aと、を介して0Vの電位のパッド2aに接続されることから、上記異常のあるグループの電位の変化の影響は抑制されたものとなる。
具体的には、あるグループGのヒータで駆動電圧VHに導通するリークが発生したとき、他のグループGには共通パターン3aの電位が印加される。共通パターン3aから分岐する配線パターン3bは対応するグループGに対して独立して配線されているからである。あるヒータ上の導電性保護膜3cがリークによってVH電位となったとすると、共通パターン3aの最大電位は、上述したそれぞれの抵抗値を元に以下の式で表すことができる。
VH×RB/(RB+RA)
ここで、VHを24Vとすると、
24V×4/(4+1320)=0.073V
となる。すなわち、上記の例では、他のグループGに影響する電圧は0.073V以下となり、電圧として比較的低い値に押さえることができる。
インクと膜との間の電気化学反応は、その電圧が一定値を上回らなければ進行しない。一般的に膜材料とインク材料の間の電気化学反応の反応が進行する電位は、電位―pH図で示される。すなわち、電位―pH図における不感域の電圧とすることで、電気化学反応が進行しない状態とすることができる。いわゆる陰極防食作用を狙うことができる。
なお、本実施形態の共通パターンの電圧は不感域の電圧とすることが望ましいが、不感域の電圧でなくても定性的には不感域に近い電圧であれば反応の進行を遅くすることが可能となり、その一定の効果はある。
また、リークなどの電圧異常が生じているヒータと同じグループ内の他のヒータでは電気化学反応が進行するおそれがある。これに対しては、例えば、影響が低減された他のグループのヒータ列(ノズル列)によって記録を補完するなどすることにより、画像欠損を回避し、あるいは軽減することができる。
さらに、本実施形態では、導電性保護膜のパターンと装置制御部を電気的に接続するパッドを基板内に2箇所設けるものとしている。しかし、このパッドの数は1箇所でも基本的には同様の効果を得ることが可能である。しかし、リークテストを行う時には2箇所以上のパッドがあればそれらのパッド間での接続状態を確認した上でリークテストを行うことが可能となる。また、それら2箇所のパッドを基板内で一定の間隔を開けて配置することにより、共通パターンから外部への抵抗を低減でき、リークが発生したときに他のグループに影響する電圧をより低い電圧にすることが可能となる。
(第2実施形態)
図2(a)および(b)は、本発明の第2の実施形態に係る記録ヘッドの基板におけるヒータグループGの拡大図およびIIb−IIb線断面を示す図である。本実施形態が上述した第1の実施形態と異なる点は、第1実施形態ではパターン3a、3b、3cを同じ金属膜である導電性保護膜で構成しているのに対し、本実施形態では、配線パターン(個別配線)3bおよび共通パターン(共通配線)3aを、別の金属層を用いて構成する点である。
図2(a)および(b)に示されるように、ヒータ上面を保護する導電性保護膜のパターン(保護膜)3cは、ビア6bを介してヒータ層で構成された高抵抗値の金属層3b’に接続されている。高抵抗金属層3b’は、さらにビア6aを介して高抵抗金属層3b’よりも低いシート抵抗値を有する配線層(個別配線)3b、共通配線3aと接続されている。
本実施形態によれば、他の層の高抵抗金属層や低いシート抵抗を有する配線層を用いることにより、より少ない基板面積やレイアウトパターン幅の中で所望の抵抗値の関係を実現することができる。
(第3実施形態)
図3(a)および(b)は、本発明の第3の実施形態に係る記録ヘッドの基板におけるヒータグループGの拡大図およびIIIb−IIIb線断面を示す図である。本実施形態は、上述した第2実施形態ではヒータ上面を保護する導電性の保護膜3cが同一グループG内では連続的に繋がったパターンとなっているのに対し、各ヒータに独立の別の導電層のパターンとしつつ、それぞれのヒータに対応した設けられたビア6bを介して高抵抗値の金属層3b’に接続されている。この金属層3b’は、さらにビア6aを介して配線層3b、共通配線3aに接続される。
本実施形態によれば、高抵抗値の金属層3b’による配線長さを長く確保することにより、リーク発生時に他のグループへ影響する電圧をより低くすることが容易になる。
(第4実施形態)
図4(a)および(b)は、本発明の第4の実施形態に係る記録ヘッドの基板を模式的に示すそれぞれ平面図および拡大平面図である。本実施形態に係る基板は、複数のインク供給口4が二次元的に配列され、インク供給口4を挟んだ両側にヒータ5が列状に配置されているものである。また、基板1にはノズル列と並行な基板の一辺に沿ってパッド2、2aが配列されている。
導電性保護膜のパターン3は、電極パッド2aと接続する相対的に太い幅の共通パターン3aと、複数のヒータ列に個別に接続する、相対的に細い幅の個別パターン3bへと接続される。そして、個別パターン3bは、複数のヒータ5の上面を保護する導電性保護膜3cと接続している。
本実施形態では、1つの保護膜3cは、ヒータ5に対応したノズルの配列方向と直行する方向(図4(a)に示す走査方向)に配列するインク供給口4に対応したヒータ5のヒータ群を1つのグループGとする。すなわち、それぞれのインク供給口4に対して、図4(b)において上側および下側に4つのヒータ5が、上記走査方向と直行する方向に配列している。そして、1つの供給口に対応するこれら上下のヒータ列を、上記走査方向に配列して形成されるヒータ群が、1つの保護膜のパターン3cによって覆われて1つのグループを形成する。このように、本実施形態では、基板1において、供給口4を二次元的に配列し、供給口4と隣接する供給口4との間に導電性保護膜のパターン3cが引き回されている。
本実施形態によれば、パターン3cによって規定されたグループGに含まれるヒータのどれかに、膜の異常が発生してヒータの駆動電圧VHが導電性保護膜と導通したとすると、同じグループG内のヒータはVH電位の影響を受ける。そして、その結果、インクとの間の電気化学反応が進行して吐出特性の変化や吐出異常を発生する可能性がある。しかし、この電圧の影響は、グループに対応する個別配線3bと、共通配線3aを介して0Vに接続され、これにより、他のグループGへの影響は低減される。
上述した第1実施形態では、ノズル列を単位としたグループであることから、グループ内の一箇所ででもVH電位との導通が発生するとグループ内の1列総てのノズル(ヒータ)が影響を受ける可能性がある。これに対し、本実施形態によれば、その影響される範囲は予め定められた数のインク供給口4の単位に限定することができる。
(第5実施形態)
図5は、本発明の第5の実施形態に係る記録ヘッドの基板を模式的に示す平面図である。本実施形態は、上述した第4実施形態においてノズル列の直交方向に導電性保護膜3cによりグループを規定していたものを、斜め方向に規定したものである。すなわち、図5に示すように、共通パターン3aから分岐する配線パターン3bのうち、一部が斜めに配線される。これにより、2次元配列する供給口4および対応するヒータ群に対して、保護膜3cは斜め方向に配列する(供給口4に対応する)ヒータ群を保護し、それらのヒータ群のグループを規定する。
本実施形態によれば、記録ヘッドの記録媒体に対する相対的な移動方向(走査方向)に対して、VH電位に導通することの影響を受けるグループの単位が、順次ずらすことができる。これにより、記録領域に対するリークの影響をさらに低減することが可能となる。
(第6実施形態)
図6は、本発明の第6の実施形態に係る記録ヘッドの基板を模式的に示す平面図である。本実施形態は、上記第5実施形態と同様に導電性保護膜3cによって規定されるグループを斜め方向に(オフセットして)規定し、さらに、チップ(基板)の外形をこの斜め方向に揃えたものである。すなわち、基板1の外形が対向する2辺が直交しない形状としている。これにより、総てのグループ単位で、同様の導電性保護膜の分離パターンを実現することが可能となる。すなわち、上記第5実施形態では一部の導電性保護膜3cでの分離抵抗が不均等だったものを、本実施形態によれば基板内の全域に渡って等しいものとすることが可能となる。
図7は、本実施形態に係る基板を複数配列して構成した、本実施形態の記録ヘッドを模式的に示す平面図である。図7に示すように、平行四辺形のチップ(基板)は、概ね一列に並べて配置される。これにより、長尺の記録ヘッド10に対して、記録媒体を図6に示す搬送方向に搬送することにより、記録媒体に記録を行うことができる。そして、このような長尺ヘッドでは、導電性保護膜がヒータ電位と導通する影響を限定することの効果が大きい。すなわち、記録ヘッド内のどれかのチップが一つでも不良となったとしても、複数のチップを並べた記録ヘッド全体が不良となる可能性を下げることができる。
(液体吐出装置)
図8は、本発明の液体吐出装置の一実施形態に係るインクジェット記録装置を示す斜視図である。インクジェット記録装置1001のキャリッジ1002には、液体吐出ヘッドとしての記録ヘッド1003と共に、記録ヘッド1003に供給するインクを貯留したインクカートリッジ1006が着脱可能に搭載されている。なお、記録ヘッド1003とインクカートリッジ1006とは、別体でなく一体に形成されていてもよい。インクカートリッジ1006は、マゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)、ブラック(K)の色のインクに対して用意され、キャリッジ1002にはこの4つのインクカートリッジ1006が搭載されている。
記録ヘッド1003は、キャリッジ1002に搭載されたとき、それぞれの電気接続部(記録ヘッド側のパッド2)を介して装置本体側と電気的に接続される。これにより、記録ヘッド1003は、本体側からの記録信号に応じてインクを吐出する動作などを行うことができる。記録ヘッド1003は、上述した第1〜第5実施形態に係る基板を用いて構成することができる。
インクジェット記録装置1001において、キャリッジ1002の主走査方向に沿って延びるように、ガイドシャフト1013が配置されている。キャリッジ1002は、ガイドシャフト1013によって摺動自在に支持されている。これにより、キャリッジ1002は、ガイドシャフト1013に沿って矢印A方向における移動が案内される。そして、キャリッジ1002は、キャリッジモータの駆動力が、伝達機構としての駆動ベルト1007を介して伝えられ、これによってキャリッジ1002の往復移動が可能となる。以上の構成によって、記録ヘッド1003が主走査方向へ走査しながらインクの吐出が行われることで、プラテン上の記録媒体Pの全幅にわたって記録が行われる。そして、不図示の搬送モータによって駆動される搬送ローラ1014と、記録媒体Pを搬送ローラ1014に当接させるピンチローラ1015とによって記録媒体Pを搬送方向に沿って搬送することができる。
また、記録ヘッド1003の移動領域の端部には、ノズルをキャッピングするとともに、記録ヘッド1003から吐出されるインクを受容可能なキャップ1226が配置されている。キャップ1226によって記録ヘッド1003のノズルをキャッピングした状態で、顔料インクによる予備吐出が行われ、キャップ内でインクが吸引されることで、インクによる予備吐出で吐出されたインクを回収することが可能である。また、記録媒体Pの搬送路の外側には、プラテン上で予備吐出が行われた際に吐出されたインクを受容できるプラテン予備吐出位置ホーム1224及びプラテン予備吐出位置アウェイ1225が配置されている。
1 基板
2、2a 電極パッド
3a 共通パターン(共通配線)
3b 配線パターン(個別配線)
3c 導電性の保護膜
4 インク供給口
5 ヒータ
5a ヒータ列

Claims (15)

  1. 液体を吐出する液体吐出ヘッドであって、
    液体を吐出するための熱を発生する複数のヒータが設けられた基板と、
    前記基板において複数のヒータを被覆する導電性の複数の保護膜であって、前記複数のヒータのうちの複数の第1のヒータを被覆する第1の保護膜と、前記複数のヒータのうちの複数の第2のヒータを被覆する第2の保護膜と、を含む前記複数の保護膜と、
    前記基板において前複数の保護膜と接続する複数の個別配線であって、前記第1の保護膜と接続する第1の個別配線と、前記第2の保護膜と接続する第2の個別配線と、を含む前記複数の個別配線と、
    前記第1の個別配線と前記第2の個別配線と共通に接続する共通配線と、
    前記共通配線と接続し、当該共通配線を前記基板の外部と電気的に接続するための端子と、
    を具え、
    前記個別配線の電気抵抗は、前記共通配線の電気抵抗よりも高いことを特徴とする液体吐出ヘッド。
  2. 前記個別配線の電気抵抗をRAとし、前記共通配線の電気抵抗をRBとし、前記ヒータの駆動電圧をVHとするとき、
    VH×RB/(RB+RA)
    で表される値が、液体と前記導電性の保護膜との間で電気化学反応が進行しない不感域の電圧となることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
  3. 前記保護膜と、前記個別配線と、前記共通配線は、共通の層で構成されることを特徴とする請求項1または2に記載の液体吐出ヘッド。
  4. 前記保護膜と、前記個別配線とは、異なる層で構成されることを特徴とする請求項1または2に記載の液体吐出ヘッド。
  5. 前記保護膜と、前記個別配線と、前記共通配線とは、異なる層で構成されることを特徴とする請求項1または2に記載の液体吐出ヘッド。
  6. 前記第1の保護膜および前記第2の保護膜のそれぞれは、共通の層が連続的に繋がったパターンとして設けられていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
  7. 前記第1の保護膜は、前記複数の第1のヒータをそれぞれ被覆する複数のパターンとして設けられ、前記第2の保護膜は、前記複数の第2のヒータをそれぞれ被覆する複数のパターンとして設けられていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
  8. 前記複数の第1のヒータは列状に配列されて第1のヒータ列を形成し、前記複数の第2のヒータは列状に配列されて第2のヒータ列を形成することを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
  9. 前記ヒータが設けられる圧力室に液体を供給するための供給口が第1の方向に複数配列されて構成された供給口の列が、前記第1の方向に交差する第2の方向に複数配列されており
    前記第1の保護膜および前記第2の保護膜のそれぞれは、前記第2の方向において前記複数の供給口の列にまたがっているとともに、前記第2の方向において隣接する供給口の間に前記第1の方向に沿って配置されることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
  10. 前記第1の保護膜および前記第2の保護膜の延在方向は、媒体と液体吐出ヘッドとの相対的な移動方向に対してオフセットしていることを特徴とする請求項9に記載の液体吐出ヘッド。
  11. 前記基板の外形が対向する2辺が直交しない形状となっていることを特徴とする請求項10に記載の液体吐出ヘッド。
  12. 複数の前記基板を並べて構成されることを特徴とする請求項1ないし11のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
  13. 前記共通配線に接続する前記端子の数は複数であることを特徴とする請求項1ないし12のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
  14. 前記複数の端子は、その間に他の端子を挟んで配置されていることを特徴とする請求項13に記載の液体吐出ヘッド。
  15. 液体を吐出する液体吐出装置であって、
    液体を吐出するための熱を発生するための複数のヒータが設けられた基板と、
    前記基板において複数のヒータを被覆する導電性の複数の保護膜であって、前記複数のヒータのうちの複数の第1のヒータを被覆する第1の保護膜と、前記複数のヒータのうちの複数の第2のヒータを被覆する第2の保護膜と、を含む前記複数の保護膜と、
    前記基板において前記複数の保護膜と接続する複数の個別配線であって、前記第1の保護膜と接続する第1の個別配線と、前記第2の保護膜と接続する第2の個別配線と、を含む前記複数の個別配線と、
    前記第1の個別配線と前記第2の個別配線と共通に接続する共通配線と、
    前記共通配線と接続し、当該共通配線を前記基板の外部と電気的に接続するための端子と、
    を備えた液体吐出ヘッドを具え、
    前記個別配線の電気抵抗は、前記共通配線の電気抵抗よりも高いことを特徴とする液体吐出装置。
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