JP6638869B1 - 動力計制御装置 - Google Patents

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Abstract

入力側制御装置5は、エンジントルク指令信号、入力側速度検出信号ω、及び入力側軸トルク検出信号Tshを用いて入力側トルク指令信号Trを生成するものであって、エンジントルク指令信号と入力軸トルク検出信号とに基づいてトルク指令信号を生成する軸トルク制御器51と、入力側速度検出信号に設定慣性Jsetを乗算することによって生成した慣性補償信号を軸トルク制御器51にフィードバックする慣性補償器52と、を備え、軸トルク制御器51は、エンジントルク指令信号から高周波数成分を減衰させ低周波数成分を通過させる第1ローパスフィルタ511を備え、慣性補償器52は、入力側速度検出信号から高周波数成分を減衰させ低周波数成分を通過させる第2ローパスフィルタ521を備える。

Description

本発明は、動力計制御装置に関する。より詳しくは、例えば車両のドライブトレインのような入力軸と出力軸とを備える供試体と、この供試体の入力軸に連結された動力計とを備える試験システムにおいて電気慣性制御を行う動力計制御装置に関する。
ドライブトレインとは、エンジンで発生したエネルギーを駆動輪に伝達するための複数の装置の総称をいい、エンジン、クラッチ、トランスミッション、ドライブシャフト、プロペラシャフト、デファレンシャルギヤ、及び駆動輪等で構成される。ドライブトレインの試験システムでは、実際にエンジンでトランスミッションを駆動するとともに、その出力軸に接続された出力側動力計を電気慣性制御することにより、タイヤや車体の慣性を模した負荷トルクを出力軸に付与しながら、ドライブトレインの耐久性能や品質等が評価される(例えば、特許文献1参照)。また近年では、ドライブトレインの入力軸に入力する駆動トルクを、実エンジンの代わりに入力側動力計で発生させる試験システムも提案されている(例えば、特許文献2参照)。
ところで、入力側動力計の実際の慣性モーメント(以下、「動力計慣性モーメント」ともいう)は、これによって模擬しようとする実際のエンジンの慣性モーメントと異なる。より具体的には、動力計慣性モーメントは、実際のエンジンの慣性モーメントよりも大きい。このため、試験の再現性を向上するためには、動力計慣性モーメントが、あたかもそれよりも小さな値に設定された設定慣性モーメントであるかのように入力側動力計を制御する低慣性化制御を併せて行う必要がある。特許文献3には、入力側動力計に対し低慣性化制御を行う動力計制御装置が示されている。
国際公開第2014/010409号公報 特開2013−257234号公報 特願2017−175378号
ところで特許文献3の動力計制御装置では、入力軸におけるねじり振動に起因して低慣性化制御が不安定になるのを防止するため、トルク指令信号の出力部に20Hz程度のカットオフ周波数よりも高周波数成分を減衰させるローパスフィルタを設けている。このため特許文献3の動力計制御装置では、このローパスフィルタによって電気慣性制御の応答性も律速されてしまうので、ローパスフィルタのカットオフ周波数よりも高い応答性の電気慣性制御を実現できない。
本発明は、入力軸と出力軸とを備える供試体の入力軸に連結された入力側動力計を備える試験システムにおいて、この入力側動力計に対し高応答な低慣性化制御を行うことができる動力計制御装置を提供することを目的とする。
(1)試験システム(例えば、後述の試験システム1,1A)は、入力軸(例えば、後述の入力軸SI)及び出力軸(例えば、後述の出力軸SO1,SO2)を備える供試体(例えば、後述の供試体W)の入力軸に連結された動力計(例えば、後述の入力側動力計21,21A)と、トルク指令信号に応じた電力を前記動力計に供給するインバータ(例えば、後述の入力側インバータ22,22A)と、前記動力計の回転速度に応じた速度検出信号を発生する速度検出器(例えば、後述の入力側エンコーダ23)と、前記入力軸に作用する軸トルクに応じた軸トルク検出信号を発生する軸トルク検出器(例えば、後述の入力側軸トルクメータ24)と、を備える。本発明に係る動力計制御装置(例えば、後述の入力側制御装置5,5A)は、前記トルク指令信号に対する上位指令信号、前記速度検出信号、及び前記軸トルク検出信号を用いて前記トルク指令信号を生成するものであって、前記上位指令信号と前記軸トルク検出信号とに基づいて前記トルク指令信号を生成する軸トルク制御器(例えば、後述の軸トルク制御器51,51A)と、前記速度検出信号に設定慣性を乗算することによって生成した慣性補償信号を前記軸トルク制御器にフィードバックする慣性補償器(例えば、後述の慣性補償器52)と、を備え、前記軸トルク制御器は、前記上位指令信号から高周波数成分を減衰させ低周波数成分を通過させる第1ローパスフィルタ(例えば、後述の第1ローパスフィルタ511)を備え、前記慣性補償器は、前記速度検出信号から高周波数成分を減衰させ低周波数成分を通過させる第2ローパスフィルタ(例えば、後述の第2ローパスフィルタ521)を備えることを特徴とする。
(2)この場合、前記第1ローパスフィルタ及び前記第2ローパスフィルタの入出力特性は、前記軸トルク制御器及び前記慣性補償器によって構成される制御回路の閉ループ伝達関数の特性多項式が、前記入力軸の共振周波数よりも低く定められた応答周波数fc及び所定の係数c1,c2,c3によって特徴付けられる下記多項式Pc(s)になるように設定されることが好ましい。
(3)この場合、前記第1ローパスフィルタの伝達関数の分母多項式は前記第2ローパスフィルタの伝達関数の分母多項式と等しく、前記第2ローパスフィルタの伝達関数の分子多項式の次数は前記第1ローパスフィルタの伝達関数の次数よりも大きいことが好ましい。
(4)この場合、前記軸トルク制御器は、前記第1ローパスフィルタを通過した前記上位指令信号と前記軸トルク検出信号との偏差を算出する偏差演算部(例えば、後述の偏差演算部512)と、前記偏差を積分する積分演算部(例えば、後述の積分演算部513)と、前記積分演算部の出力信号から前記慣性補償器の出力信号を減算したものに所定の積分ゲインを乗算するゲイン乗算部(例えば、後述のゲイン乗算部515)と、前記偏差に非積分演算を施す非積分演算部(例えば、後述の非積分演算部516)と、前記非積分演算部の出力信号と前記ゲイン乗算部の出力信号との和を前記トルク指令信号とする合算部(例えば、後述の合算部517)と、を備えることが好ましい。ここで、前記非積分演算部の伝達関数Ge0(s)は、Kiを前記積分ゲインとし、sをラプラス演算子とし、Ge(s)を前記偏差が入力されると当該偏差が無くなるようなトルク指令信号を出力する伝達関数とし、下記式を満たすように定められる。
(5)この場合、前記伝達関数Ge(s)は、μ設計法又はH∞制御設計方法と呼称される制御系設計方法に基づいて設計されることが好ましい。
(6)この場合、前記動力計(例えば、後述の入力側動力計21A)は、前記入力軸に連結された第1動力計(例えば、後述のフロント動力計21F)と、当該第1動力計の出力軸に連結された第2動力計(例えば、後述のリア動力計21R)と、を備えるタンデム動力計であり、前記トルク指令信号は、前記第1動力計に対する第1トルク指令信号(例えば、後述のフロントトルク指令信号Trf)と、前記第2動力計に対する第2トルク指令信号(例えば、後述のリアトルク指令信号Trr)と、を含むことが好ましい。
(7)この場合、前記軸トルク制御器(例えば、後述の軸トルク制御器51A)は、前記第1ローパスフィルタを通過した前記上位指令信号と前記軸トルク検出信号との偏差を算出する偏差演算部(例えば、後述の偏差演算部512)と、前記偏差を積分する積分演算部(例えば、後述の積分演算部513)と、前記積分演算部の出力信号から前記慣性補償信号を減算したものに所定の第1積分ゲイン(例えば、後述のフロント積分ゲインKif)を乗算する第1ゲイン乗算部(例えば、後述のフロントゲイン乗算部515F)と、前記積分演算部の出力信号から前記慣性補償信号を減算したものに所定の第2積分ゲイン(例えば、後述のリア積分ゲインKir)を乗算する第2ゲイン乗算部(例えば、後述のリアゲイン乗算部515R)と、前記軸トルク検出信号に第1非積分演算を施す第1非積分演算部(例えば、後述のフロント非積分演算部516F)と、前記軸トルク検出信号に第2非積分演算を施す第2非積分演算部(例えば、後述のリア非積分演算部516R)と、前記第1非積分演算部の出力信号と前記第1ゲイン乗算部の出力信号との和を前記第1トルク指令信号(例えば、後述のフロントトルク指令信号Trf)とする第1合算部(例えば、後述のフロント合算部517F)と、前記第2非積分演算部の出力信号と前記第2ゲイン乗算部の出力信号との和を前記第2トルク指令信号(例えば、後述のリアトルク指令信号Trr)とする第2合算部(例えば、後述のリア合算部517R)と、を備えることが好ましい。ここで、前記第1非積分演算部の伝達関数Gyf0(s)は、Kifを前記第1積分ゲインとし、sをラプラス演算子とし、Gyf(s)を前記軸トルク検出信号が入力されると前記偏差が無くなるようなトルク指令信号を出力する伝達関数とし、下記式(3−1)を満たすように定められ、前記第2非積分演算部の伝達関数Gyr0(s)は、Kirを前記第2積分ゲインとし、Gyr(s)を前記軸トルク検出信号が入力されると前記偏差が無くなるようなトルク指令信号を出力する伝達関数とし、下記式(3−2)を満たすように定められる。
(8)この場合、前記伝達関数Gyf(s)及びGyr(s)は、μ設計法又はH∞制御設計方法と呼称される制御系設計方法に基づいて設計されることが好ましい。
(1)本発明の動力計制御装置では、上位指令信号と軸トルク検出信号とに基づいてトルク指令信号を生成する軸トルク制御器と、速度検出信号に設定慣性を乗算することによって生成した慣性補償信号を軸トルク制御器にフィードバックする慣性補償器と、を用いることによってトルク指令信号を生成し、このトルク指令信号を用いることによって、動力計の慣性モーメントがあたかも設定慣性であるかのように動力計を制御する電気慣性制御を行う。ここで軸トルク制御器は、上位指令信号から高周波数成分を減衰させ低周波数成分を通過させる第1ローパスフィルタを備え、慣性補償器は、速度検出信号から高周波数成分を減衰させ低周波数成分を通過させる第2ローパスフィルタを備える。本発明では、軸トルク制御器及び慣性補償器に設けられた第1及び第2ローパスフィルタの入出力特性を調整することにより、高応答な電気慣性制御を実現できる。
(2)本発明の動力計制御装置では、第1ローパスフィルタ及び第2ローパスフィルタの入出力特性は、軸トルク制御器及び慣性補償器によって構成される制御回路の閉ループ伝達関数の特性多項式が、入力軸の共振周波数よりも低く定められた応答周波数fc及び所定の係数c1,c2,c3によって特徴付けられる上記多項式Pc(s)になるように設定される。本発明によれば、このように第1及び第2ローパスフィルタの入出力特性をこのように設定することにより、軸トルク制御器及び慣性補償器による電気慣性制御の応答を応答周波数fc程度まで高めることができる。
(3)本発明の動力計制御装置では、第1ローパスフィルタの伝達関数の分母多項式と第2ローパスフィルタの伝達関数の分母多項式とを等しくし、さらに第2ローパスフィルタの伝達関数の分子多項式の次数を第1ローパスフィルタの伝達関数の分子多項式の次数よりも大きくする。本発明によれば、第1及び第2ローパスフィルタの入出力特性を特徴付ける伝達関数をこのように設定することにより、高応答な電気慣性制御を実現できる。
(4)本発明の動力計制御装置では、軸トルク制御器は、上位指令信号と軸トルク検出信号との偏差を算出する偏差演算部と、この偏差を積分する積分演算部と、積分演算部の出力信号から慣性補償信号を減算したものに積分ゲインを乗算するゲイン乗算部と、上記式(2)によって定められる伝達関数Ge0(s)によって特徴付けられる非積分演算を行う非積分演算部と、非積分演算部の出力信号とゲイン乗算部の出力信号との和をトルク指令信号とする合算部と、を用いることによってトルク指令信号を生成する。本発明の動力計制御装置では、軸トルク制御器に非積分演算部を設けることにより、入力軸のねじり振動に起因する機械共振を抑制しながら高応答な電気慣性制御を実現できる。
(5)本発明では、非積分演算部の伝達関数Ge0(s)を上記式(2)に基づいて導出するにあたり必要となる伝達関数Ge(s)を、μ設計法又はH∞制御設計方法と呼称される制御系設計方法に基づいて設計することにより、共振抑制効果が高くかつ高応答な電気慣性制御を実現できる。
(6)本発明では、動力計制御装置の制御対象である動力計を第1動力計と第2動力計とを直列に連結して構成されるタンデム動力計とする。このようなタンデム動力計は、例えば大きな駆動トルクを発生させる必要があるが、供試体の形状等に起因するレイアウト上の制約から動力計の大径化が困難である場合に利点がある。本発明によれば、このようなタンデム動力計を制御対象とする場合でも、第1及び第2ローパスフィルタの入出力特性を調整することで、高応答な電気慣性制御を実現できる。
(7)本発明の動力計制御装置では、軸トルク制御器は、上位指令信号と軸トルク検出信号との偏差を算出する偏差演算部と、この偏差を積分する積分演算部と、この偏差を積分する積分演算部と、積分演算部の出力信号から慣性補償信号を減算したものに第1及び第2積分ゲインを乗算する第1及び第2ゲイン乗算部と、上記式(3−1)によって定められる伝達関数Gyf0(s)によって特徴付けられる第1非積分演算を行う第1非積分演算部と、上記式(3−2)によって定められる伝達関数Gyr0(s)によって特徴付けられる第2非積分演算を行う第2非積分演算部と、第1非積分演算部の出力信号と第1ゲイン乗算部の出力信号との和を第1トルク指令信号とする第1合算部と、第2非積分演算部の出力信号と第2ゲイン乗算部の出力信号との和を第2トルク指令信号とする第2合算部と、を用いることによって第1及び第2トルク指令信号を生成する。本発明の動力計制御装置では、軸トルク制御器に第1及び第2非積分演算部を設けることにより、タンデム動力計と供試体との間の入力軸のねじり振動に起因する機械共振を抑制しながら高応答な電気慣性制御を実現できる。
(8)本発明では、第1非積分演算部の伝達関数Gyf0(s)及び第2非積分演算部の伝達関数Gyr0(s)を上記式(3−1)及び(3−2)に基づいて導出するにあたり必要となる伝達関数Gyf(s)及びGyr(s)を、μ設計法又はH∞制御設計方法と呼称される制御系設計方法に基づいて設計することにより、タンデム動力計を制御対象とする場合でも共振抑制効果が高くかつ高応答な電気慣性制御を実現できる。
本発明の本発明の第1実施形態に係る入力側制御装置が適用されたドライブトレインの試験システムの構成を示す図である。 出力側制御装置の制御回路の構成を示すブロック図である。 摩擦係数値を決定する制御マップの一例である。 入力側制御装置の制御回路の構成を示すブロック図である。 伝達関数Ge0(s)を導出する際に用いられるコントローラの構成を示す図である。 入力側トルク指令信号から入力側軸トルク検出信号までの応答特性を示すボード線図である。 比較例の入力側制御装置による制御結果を示す図である。 実施例の入力側制御装置による制御結果を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る入力側制御装置が適用されたドライブトレインの試験システムの構成を示す図である。 入力側制御装置の制御回路の構成を示すブロック図である。 比較例の入力側制御装置による制御結果を示す図である。 実施例の入力側制御装置による制御結果を示す図である。
<第1実施形態>
以下、本発明の第1実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係る入力側制御装置5が適用されたドライブトレインの試験システム1の構成を示す図である。なお図1には、FF駆動方式の車両のドライブトレインを供試体Wとした試験システム1の例を示すが、本発明はこれに限るものではない。供試体は、例えばFR駆動方式の車両のドライブトレインとしてもよい。
供試体Wは、完成車に搭載した状態では図示しないエンジンが接続される入力軸SIと、ドライブシャフトである左右の出力軸SO1,SO2と、クラッチ、トランスミッション、及びデファレンシャルギヤ等を組み合わせて構成され、入力軸SIから入力された動力を出力軸SO1,SO2へ伝達する本体WBと、を備える。
試験システム1は、入力側動力計21と、入力側インバータ22と、入力側エンコーダ23と、入力側軸トルクメータ24と、第1出力側動力計31と、第2出力側動力計32と、第1出力側インバータ33と、第2出力側インバータ34と、第1出力側エンコーダ35と、第2出力側エンコーダ36と、第1出力側軸トルクメータ37と、第2出力側軸トルクメータ38と、入力側制御装置5と、出力側制御装置6と、を備える。
入力側動力計21の出力軸は供試体Wの入力軸SIに連結されている。入力側インバータ22は、入力側制御装置5から後述の手順によって生成される入力側トルク指令信号Trが入力されると、この入力側トルク指令信号Trに応じた電力を入力側動力計21に供給する。入力側エンコーダ23は、入力側動力計21の出力軸の回転速度(軸の単位時間当たりの回転数)を検出し、この回転速度に応じた入力側速度検出信号ωを発生する。この入力側速度検出信号ωは、入力側制御装置5へ入力される。入力側軸トルクメータ24は、入力軸SIに作用する軸トルクを、例えば軸のねじれ方向の歪み量から検出し、この軸トルクに応じた入力側軸トルク検出信号Tshを発生する。この入力側軸トルク検出信号Tshは、入力側制御装置5へ入力される。
第1出力側動力計31の出力軸は供試体Wの出力軸SO1に連結されている。第1出力側インバータ33は、出力側制御装置6から後述の手順によって生成される第1出力側トルク指令信号Tr1が入力されると、この第1出力側トルク指令信号Tr1に応じた電力を第1出力側動力計31に供給する。第1出力側エンコーダ35は、第1出力側動力計31の出力軸の回転速度を検出し、この回転速度に応じた第1出力側速度検出信号ω1を発生する。この第1出力側速度検出信号ω1は、出力側制御装置6へ入力される。第1出力側軸トルクメータ37は、出力軸SO1に作用する軸トルクを、例えば軸のねじれ方向の歪み量から検出し、この軸トルクに応じた第1出力側軸トルク検出信号Tsh1を発生する。この第1出力側軸トルク検出信号Tsh1は、出力側制御装置6へ入力される。
第2出力側動力計32の出力軸は供試体Wの出力軸SO2に連結されている。第2出力側インバータ34は、出力側制御装置6から後述の手順によって生成される第2出力側トルク指令信号Tr2が入力されると、この第2出力側トルク指令信号Tr2に応じた電力を第2出力側動力計32に供給する。第2出力側エンコーダ36は、第2出力側動力計32の出力軸の回転速度を検出し、この回転速度に応じた第2出力側速度検出信号ω2を発生する。この第2出力側速度検出信号ω2は、出力側制御装置6へ入力される。第2出力側軸トルクメータ38は、出力軸SO2に作用する軸トルクを、例えば軸のねじれ方向の歪み量から検出し、この軸トルクに応じた第2出力側軸トルク検出信号Tsh2を発生する。この第2出力側軸トルク検出信号Tsh2は、出力側制御装置6へ入力される。
入力側制御装置5は、入力側速度検出信号ωや入力側軸トルク検出信号Tsh等の入力信号を用いることにより、後に図4等を参照して説明する手順に従って入力側トルク指令信号Trを生成し、これを入力側インバータ22へ入力する。これにより入力側制御装置5は、供試体Wが搭載される完成車におけるエンジンを模擬した駆動トルクを入力側動力計21に発生させ、供試体Wの入力軸SIを駆動する。
出力側制御装置6は、第1及び第2出力側速度検出信号ω1,ω2や第1及び第2出力側軸トルク検出信号Tsh1,Tsh2等の入力信号を用いることにより、後に図2〜図3等を参照して説明する手順に従って第1及び第2出力側トルク指令信号Tr1,Tr2を生成し、これらを第1及び第2出力側インバータ33,34へ入力する。これにより出力側制御装置6は、供試体Wが搭載される完成車におけるタイヤ慣性や車体慣性を模擬した負荷を供試体Wの出力軸SO1,SO2に付与する。
試験システム1では、入力側制御装置5によって供試体Wの入力軸SIを駆動すると同時に、出力側制御装置6によって供試体Wの出力軸SO1,SO2にタイヤ慣性や車体慣性を模擬した負荷を付与することにより、実車の走行状態に近い状態の下で供試体Wの耐久性能や品質等を評価する。
図2は、出力側制御装置6の制御回路の構成を示すブロック図である。
出力側制御装置6は、第1出力側速度検出信号ω1及び第1出力側軸トルク検出信号Tsh1に基づいて第1出力側トルク指令信号Tr1を生成する第1制御回路61と、第2出力側速度検出信号ω2及び第2出力側軸トルク検出信号Tsh2に基づいて第2出力側トルク指令信号Tr2を生成する第2制御回路62と、供試体Wを搭載した仮想的な車両の速度を算出する車両速度演算部63と、を備える。
第1制御回路61は、第1タイヤ速度演算部611と、第1車両駆動トルク演算部612と、第1速度制御装置613と、第1フィードフォワード入力演算部614と、第1軸トルク入力セレクタ615と、第1合成部616と、を備える。第2制御回路62は、第2タイヤ速度演算部621と、第2車両駆動トルク演算部622と、第2速度制御装置623と、第2フィードフォワード入力演算部624と、第2軸トルク入力セレクタ625と、第2合成部626と、を備える。
車両速度演算部63は、仮想的な第1タイヤと仮想的な第1路面との間の摩擦力によって発生する車両駆動力に相当する後述の第1車両駆動トルク信号Fx1と、仮想的な第2タイヤと仮想的な第2路面との間の摩擦力によって発生する車両駆動力に相当する後述の第2車両駆動トルク信号Fx2とを入力とし、上記第1、第2タイヤを駆動輪として走行する仮想的な車両の慣性モーメントJvで特徴付けられる車両の運動方程式(下記式(4)参照)によって、車両の速度に相当する車両速度信号Vを生成する。
車両速度演算部63は、より具体的には、第1車両駆動トルク演算部612によって生成される第1車両駆動トルク信号Fx1と第2車両駆動トルク演算部622によって生成される第2車両駆動トルク信号Fx2とを合算した信号に、車両慣性モーメントJvの逆数を乗算し、これに積分演算を施すことにより車両速度信号Vを生成する。
第1軸トルク入力セレクタ615は、第1タイヤ速度演算部611への入力を第1出力側軸トルク検出信号Tsh1と値0の信号とで選択的に切替える。第1軸トルク入力セレクタ615は、第1タイヤ速度演算部611への入力を、通常は第1出力側軸トルク検出信号Tsh1とし、ストール試験を行う場合は値0の信号とする。
第1タイヤ速度演算部611は、第1出力側軸トルク検出信号Tsh1及び第1車両駆動トルク信号Fx1を入力として、第1タイヤの慣性モーメントJt1で特徴付けられる第1タイヤの運動方程式(下記式(5)参照)によって、第1タイヤの回転速度に相当する第1タイヤ速度信号Vw1を生成する。
第1タイヤ速度演算部611は、より具体的には、第1出力側軸トルク検出信号Tsh1から第1車両駆動トルク信号Fx1を減算して得られる信号を第1タイヤの回転に寄与する第1タイヤ駆動トルク信号と定義し、これに第1タイヤ慣性モーメントJt1の逆数を乗算し、これに積分演算を施すことにより第1タイヤ速度信号Vw1を生成する。
第2軸トルク入力セレクタ625は、第2タイヤ速度演算部621への入力を第2出力側軸トルク検出信号Tsh2と値0の信号とで選択的に切替える。第2軸トルク入力セレクタ625は、第2タイヤ速度演算部621への入力を、通常は第2出力側軸トルク検出信号Tsh2とし、ストール試験を場合は値0の信号とする。
第2タイヤ速度演算部621は、第2出力側軸トルク検出信号Tsh2及び第2車両駆動トルク信号Fx2を入力として、第2タイヤの慣性モーメントJt2で特徴付けられる第2タイヤの運動方程式(下記式(6)参照)によって、第2タイヤの回転速度に相当する第2タイヤ速度信号Vw2を生成する。第2タイヤ速度信号Vw2を算出する具体的な手順は、第1タイヤ速度信号Vw1を算出する手順と同様であるので、その詳細な説明は省略する。
第1車両駆動トルク演算部612は、第1タイヤ速度信号Vw1と車両速度信号Vとの差に基づいて、第1タイヤと仮想的に設定された第1路面との間の摩擦力によって発生する車両駆動力に相当する第1車両駆動トルク信号Fx1を生成する。以下、その手順について具体的に説明する。
第1車両駆動トルク演算部612は、先ず、速度差(Vw1−V)並びに速度信号Vw1及びVの何れか大きい方に基づいて、第1タイヤの第1路面上における第1スリップ率λ1を下記式(7−1)に基づいて算出する。次に、第1車両駆動トルク演算部612は、算出した第1スリップ率λ1を引数として、図3に示すような制御マップf1に基づいて第1タイヤ−第1路面間の第1摩擦係数値μ1を決定する(下記式(7−2)参照)。なお、この摩擦係数値を決定する制御マップは、第1路面の状態(雪面、乾燥路面等)に応じて適宜選択可能となっている。次に、第1車両駆動トルク演算部612は、第1タイヤが第1路面から受ける第1垂直抗力値Nz1に、第1摩擦係数値μ1を乗算することにより、第1車両駆動トルク信号Fx1を生成する(下記式(7−3)参照)。この第1垂直抗力値Nz1は、予め定められた定数又は車両速度信号V等に応じて推定された値が用いられる。
第2車両駆動トルク演算部622は、第2タイヤ速度信号Vw2と車両速度信号Vとを入力として、下記式(8−1)〜(8−3)に基づいて、第2タイヤと第2路面との間の摩擦力によって発生する車両駆動力に相当する第2車両駆動トルク信号Fx2を生成する。第2車両駆動トルク信号Fx2を生成する具体的な手順は、第1車両駆動トルク信号Fx1を生成する手順と同様であるので、その詳細な説明は省略する。
以上のように、第1制御回路61及び第2制御回路62では、供試体Wの出力軸SO1,SO2に接続される第1タイヤ及び第2タイヤと、これらタイヤを駆動輪として第1路面及び第2路面上を走行する車両とを仮想的に設定し、これらを独立した慣性モーメントJt1,Jt2,Jvを有する物体とした上、それぞれに対する運動方程式(4)、(5)、(6)、(7−1)〜(7−3)、(8−1)〜(8−3)を連立させることにより、車両速度信号V、第1タイヤ速度信号Vw1、及び第2タイヤ速度信号Vw2を生成する。
第1速度制御装置613は、第1タイヤ速度信号Vw1と第1出力側速度検出信号ω1との偏差が無くなるように第1フィードバック制御入力信号を生成する。第2速度制御装置623は、第2タイヤ速度信号Vw2と第2出力側速度検出信号ω2との偏差が無くなるように第2フィードバック制御入力信号を生成する。
第1フィードフォワード入力演算部614は、第1出力側軸トルク検出信号Tsh1と第1車両駆動トルク信号Fx1との差に、第1出力側動力計31の慣性モーメントJdy1を第1タイヤの慣性モーメントJt1で除算して得られる係数を乗算することにより、第1フィードフォワード制御入力信号を生成する。第1合成部616は、第1速度制御装置613によって生成される第1フィードバック制御入力信号と第1フィードフォワード入力演算部614によって生成される第1フィードフォワード制御入力信号とを足し合わせることによって、第1出力側トルク指令信号Tr1を生成する。
第2フィードフォワード入力演算部624は、第2出力側軸トルク検出信号Tsh2と第2車両駆動トルク信号Fx2との差に、第2出力側動力計32の慣性モーメントJdy2を第2タイヤの慣性モーメントJt2で除算して得られる係数を乗算することにより、第2フィードフォワード制御入力信号を生成する。第2合成部626は、第2速度制御装置623によって生成される第2フィードバック制御入力信号と第2フィードフォワード入力演算部624によって生成される第2フィードフォワード制御入力信号とを足し合わせることによって、第2出力側トルク指令信号Tr2を生成する。
図4は、入力側制御装置5の制御回路の構成を示すブロック図である。図4には、入力側制御装置5に構成される制御回路のうち、特に入力側動力計の電気慣性制御を担う部分を示す。
入力側制御装置5は、軸トルク制御器51と、慣性補償器52と、を備え、これらを用いることによって入力側トルク指令信号Trを生成する。
慣性補償器52は、第2ローパスフィルタ521と、設定慣性乗算部522と、を備え、入力側速度検出信号ωにこれら第2ローパスフィルタ521及び設定慣性乗算部522を用いた演算を施すことによって慣性補償信号ωsを生成し、この慣性補償信号ωsを軸トルク制御器51における演算にフィードバックする。
第2ローパスフィルタ521は、入力側速度検出信号ωから高周波数成分を減衰させ低周波数成分を通過させる。第2ローパスフィルタ521を通過した入力側速度検出信号ωは、設定慣性乗算部522に入力される。第2ローパスフィルタ521の伝達関数GLPF2(s)は、下記式(9)に示すように、3つのフィルタ係数a1,a2,b1によって特徴付けられる。下記式(9)に示すように、第2ローパスフィルタ521の伝達関数GLPF2(s)の分母多項式の次数は2であり、分子多項式の次数は1である。なお、第2ローパスフィルタ521の入出力特性を特徴付ける3つのフィルタ係数a1,a2,b1の値を設定する手順については、後に詳細に説明する。
設定慣性乗算部522は、第2ローパスフィルタ521を通過した入力側速度検出信号ωに、所定の設定慣性Jsetを乗算したものを慣性補償信号ωsとし、この慣性補償信号ωsを軸トルク制御器51へ入力する。この設定慣性Jsetは、電気慣性制御によって入力側動力計21で実現しようとする慣性モーメントであり、完成車に搭載した状態では供試体Wの入力軸SIに接続されるエンジンの慣性モーメントに設定される。この設定慣性Jsetは、例えば入力側動力計21の実際の慣性モーメントよりも小さな値に設定される。
軸トルク制御器51は、入力側トルク指令信号Trに対する上位指令信号であるエンジントルク指令信号Trefと、入力側軸トルク検出信号Tshと、慣性補償器52によって生成される慣性補償信号ωsと、に基づいて入力側トルク指令信号Trを生成する。
軸トルク制御器51は、第1ローパスフィルタ511と、偏差演算部512と、積分演算部513と、減算部514と、ゲイン乗算部515と、非積分演算部516と、合算部517と、を備え、これらを用いることによって入力側トルク指令信号Trを生成する。
第1ローパスフィルタ511は、エンジントルク指令信号Trefから高周波数成分を減衰させ低周波数成分を通過させる。第1ローパスフィルタ511を通過したエンジントルク指令信号Trefは、偏差演算部512に入力される。第1ローパスフィルタ511の伝達関数GLPF1(s)は、下記式(10)に示すように、2つのフィルタ係数a1,a2によって特徴付けられる。下記式(10)に示すように、第1ローパスフィルタ511の伝達関数GLPF1(s)の分母多項式の次数は2であり、またその関数形は第2ローパスフィルタ521の伝達関数GLPF2(s)の分母多項式と同じである。また第1ローパスフィルタ511の伝達関数GLPF1(s)の分子多項式の次数は0である。すなわち、第2ローパスフィルタ521の伝達関数GLPF2(s)の分子多項式の次数は、第1ローパスフィルタ511の伝達関数GLPF1(s)の分子多項式の次数よりも大きい。なお、第1ローパスフィルタ511の入出力特性を特徴付ける2つのフィルタ係数a1,a2の値を設定する手順については、後に詳細に説明する。
偏差演算部512は、第1ローパスフィルタ511を通過したエンジントルク指令信号Trefから入力側軸トルク検出信号Tshを減算することによって偏差を算出し、この偏差を積分演算部513及び非積分演算部516へ入力する。
積分演算部513は、偏差演算部512によって算出された偏差を積分することによって速度信号ωmを生成し、減算部514へ入力する。
減算部514は、積分演算部513によって生成された速度信号ωmから慣性補償器52によって生成された慣性補償信号ωsを減算することによって、差信号(ωm−ωs)を生成し、これをゲイン乗算部515へ入力する。
ゲイン乗算部515は、減算部514によって生成された差信号(ωm−ωs)に所定の積分ゲインKiを乗算することによって第1制御入力信号を生成し、これを合算部517へ入力する。
非積分演算部516は、偏差演算部512によって算出された偏差に伝達関数Ge0(s)を用いた非積分演算を施すことによって第2制御入力信号を生成し、これを合算部517へ入力する。ここで非積分演算部516の伝達関数Ge0(s)を設計する手順について説明する。
図5は、伝達関数Ge0(s)を導出する際に用いられるコントローラCの構成を示す図である。図5のコントローラCは、入力側軸トルク検出信号Tshとエンジントルク指令信号Trefが入力されるとその偏差(Tref−Tsh、以下単にトルク偏差ともいう)が無くなるような入力側トルク指令信号Trを生成する軸トルク制御機能を備える。図4に示す伝達関数Ge0(s)は、図5の2自由度のコントローラCに基づいて設計される。またこのような軸トルク制御機能を備える2自由度のコントローラC及びこれを構成する伝達関数Ge(s)及びGy(s)は、例えば本願出願人による特許第3775284号の図6の実施形態に示されたコントローラが用いられる。なお、軸トルク制御機能を備えるコントローラC及び伝達関数Ge(s)及びGy(s)を設計する方法としては、例えば特許第3775284号に示されたμ設計法に基づくものに限らない。例えば、μ設計法の他、H∞制御設計法等の他のロバスト制御設計方法に基づいて設計されたものを用いてもよい。
図4に戻り、非積分演算部516の伝達関数Ge0(s)は、上記のように軸トルク制御機能を有する伝達関数Ge(s)から、下記式(11)に示すように積分ゲインKiの積分器を分離することによって得られるものが用いられる。
合算部517は、ゲイン乗算部515によって生成された第1制御入力信号と非積分演算部516によって生成された第2制御入力信号との和を入力側トルク指令信号Trとし、入力側インバータ22へ入力する。
図6は、入力側トルク指令信号Trから入力側軸トルク検出信号Tshまでの応答特性を示すボード線図である。図6には、出力側動力計31,32で発生する負荷の大きさを小、中、大の3段階に分けて変化させた場合について、線種を変えて示す。図6に示すように、供試体Wの入力軸SIに入力側動力計21を接続し、供試体Wの出力軸SO1,SO2に出力側動力計31,32を接続した試験システム1では、比較的低周波数側(fl=数Hz〜数十Hz)で発生する共振と、比較的高周波数側(fh=400Hz程度)で発生する共振との2種類の共振点が存在する。比較的低周波数側の共振周波数flで発生する共振は、供試体W固有の現象であり、比較的高周波数側の共振周波数fhで発生する共振は比較的高剛性の入力軸SIのねじり振動に起因して発生する現象である。以上のように構成された軸トルク制御器51では、非積分演算部516を用いることによって入力側トルク指令信号Trを生成することにより、上記のような複数の共振点のうち、比較的高周波数側の共振周波数fhで現れる共振を抑制する共振抑制機能を備える。
図4に戻り、第1ローパスフィルタ511及び第2ローパスフィルタ521の入出力特性を特徴付けるフィルタ係数a1,a2,b1を設定する手順について説明する。
これら3つのフィルタ係数a1,a2,b1は、軸トルク制御器51及び慣性補償器52によって構成される制御回路の閉ループ伝達関数の特性多項式が、所定の応答周波数fc及び所定の係数c1,c2,c3によって特徴付けられる下記多項式Pc(s)になるように設定される。ここで応答周波数fcは、上記入力軸SIの共振周波数fhよりも十分に低くなるように定められる。より具体的には、共振周波数fhを約400Hzとした場合、応答周波数fcは例えば100Hz程度に設定される。また係数c1,c2,c3の具体的な値は、図4の制御回路によって安定した電気慣性制御が実現されるように設定される。これにより、入力側制御装置5による電気慣性制御の応答を、応答周波数fc程度まで高めることができる。
下記式(13−1)〜(13−3)には、実施例の入力側制御装置5におけるフィルタ係数a1,a2,b1の具体的な設定例を示す。下記式(13−1)〜(13−3)において、J1は入力側動力計21から入力側軸トルクメータ24までの慣性モーメントであり、J2は供試体Wの慣性モーメントであり、それぞれ設計値が用いられる。
また上記式(13−1)〜(13−3)を導出するにあたり、入力側トルク指令信号Trから入力側軸トルク検出信号Tshまでの制御対象特性(Tsh/Tr)及び入力側トルク指令信号Trから入力側速度検出信号ωまでの制御対象特性(ω/Tr)を下記式(14−1)及び(14−2)に示すように近似した。下記式(14−1)及び(14−2)は、慣性モーメントJ1で特徴付けられる慣性体と慣性モーメントJ2で特徴付けられる慣性体とを軸で連結して得られる2慣性系の運動方程式において、軸剛性を無限大とした場合に導出される。上述のように電気慣性制御の応答周波数fcを入力軸SIの共振周波数fhよりも十分に低いと仮定した場合、この近似は妥当である。
また上記式(13−1)〜(13−3)を導出するにあたり、非積分演算部516の伝達関数Ge0(s)は0と近似した。上述のように伝達関数Ge0(s)は入力軸SIの共振周波数fhにおける共振を抑制する共振抑制効果があることから、そのゲインは、共振周波数fhよりも低周波数側では低下するバンドパス特性がある。このため、上記式(13−1)〜(13−3)を導出するにあたって、伝達関数Ge0(s)を0とする近似は妥当である。
図7は、比較例の入力側制御装置による制御結果を示す図である。図8は、実施例の入力側制御装置による制御結果を示す図である。ここで比較例の入力側制御装置とは、本願出願人による特許文献3の入力側制御装置である。また実施例の入力側制御装置5とは、具体的には、上記式(13−1)〜(13−3)に基づいてフィルタ係数a1,a2,b1を設定したものである。また図7及び図8では、入力側動力計21の慣性モーメントを0.17[kgm]とし、設定慣性を0.05[kgm]とし、これら入力側制御装置によって低慣性化制御を行った場合を示す。
また図7及び図8には、これら入力側制御装置に対しエンジントルク指令信号をステップ状に変化させた場合の応答を示す。図7及び図8の上段には、エンジントルク指令信号Tref(太実線)と入力側軸トルク検出信号Tshの実際の応答(細実線)と入力側軸トルク検出信号の理想応答(太破線)とを示し、中段には、入力側速度検出信号ωの実際の応答(細実線)と入力側速度検出信号の理想応答(太破線)とを示し、下段には、入力側制御装置によって生成される入力側トルク指令信号を示す。ここで理想応答とは、入力側動力計21の慣性モーメントが設定慣性と等しい場合に得られる応答である。
図7に示すように、比較例の入力側制御装置によれば、入力側速度検出信号の波形が概ね理想応答と一致しており、安定した低慣性化制御を実現できているといえるものの、入力側軸トルク検出信号の波形にオーバシュートや振動が発生している。これに対し図8に示すように、実施例の入力側制御装置によれば、入力側速度検出信号の波形が概ね理想応答と一致しており、安定した低慣性化制御を実現できる。また実施例の入力側制御装置によれば、入力側軸トルク検出信号の波形は、オーバシュートや振動することなく概ね理想応答に一致しており、高応答な低慣性化制御を実現できる。
<第2実施形態>
以下、本発明の第2実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図9は、本実施形態に係る入力側制御装置5Aが適用されたドライブトレインの試験システム1Aの構成を示す図である。本実施形態に係る試験システム1Aは、主に入力側制御装置5A、入力側動力計21A、及び入力側インバータ22Aの構成が第1実施形態に係る試験システム1と異なる。なお以下の説明において、第1実施形態と同じ構成については同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。
入力側動力計21Aは、供試体Wの入力軸SIに連結されたフロント動力計21Fと、フロント動力計21Fの後方側においてその出力軸に連結されたリア動力計21Rと、を直列に組わせて構成されるタンデム動力計である。入力側インバータ22Aは、フロント動力計21Fに電力を供給するフロントインバータ22Fと、リア動力計21Rに電力を供給するリアインバータ22Rと、を備える。フロントインバータ22Fは、入力側制御装置5Aから後述の手順によって生成されるフロントトルク指令信号Trfが入力されると、このフロントトルク指令信号Trfに応じた電力をフロント動力計21Fに供給する。またリアインバータ22Rは、入力側制御装置5Aから後述の手順によって生成されるリアトルク指令信号Trrが入力されると、このリアトルク指令信号Trrに応じた電力をリア動力計21Rに供給する。
フロントエンコーダ23Fは、フロント動力計21Fの出力軸の回転速度に応じたフロント速度検出信号ωfを発生し、入力側制御装置5Aへ入力する。リアエンコーダ23Rは、リア動力計21Rの出力軸の回転速度に応じたリア速度検出信号ωrを発生し、入力側制御装置5Aへ入力する。入力側制御装置5Aは、これらフロント速度検出信号ωfとリア速度検出信号ωrとの平均を入力側速度検出信号ωとする。
入力側制御装置5Aは、入力側速度検出信号ωや入力側軸トルク検出信号Tsh等の入力信号を用いることにより、後に図10等を参照して説明する手順に従ってフロントトルク指令信号Trf及びリアトルク指令信号Trrからなる入力側動力計21Aに対する入力側トルク指令信号を生成し、これを入力側動力計21Aへ入力する。これにより入力側制御装置5Aは、供試体Wが搭載される完成車におけるエンジンを模擬した駆動トルクをタンデム動力計である入力側動力計21Aに発生させ、供試体Wの入力軸SIを駆動する。
図10は、入力側制御装置5Aの制御回路の構成を示すブロック図である。図10には、入力側制御装置5Aに構成される制御回路のうち、特に入力側動力計の電気慣性制御を担う部分を示す。
入力側制御装置5Aは、軸トルク制御器51Aと、慣性補償器52と、を備え、これらを用いることによってフロントトルク指令信号Trf及びリアトルク指令信号Trrを生成する。
軸トルク制御器51Aは、入力側トルク指令信号に対する上位指令信号であるエンジントルク指令信号Trefと、入力側軸トルク検出信号Tshと、慣性補償器52によって生成される慣性補償信号ωsと、に基づいてフロントトルク指令信号Trf及びリアトルク指令信号Trrを生成する。
軸トルク制御器51Aは、第1ローパスフィルタ511と、偏差演算部512と、積分演算部513と、減算部514と、フロントゲイン乗算部515Fと、リアゲイン乗算部515Rと、フロント非積分演算部516Fと、リア非積分演算部516Rと、フロント合算部517Fと、リア合算部517Rと、を備え、これらを用いることによってフロントトルク指令信号Trf及びリアトルク指令信号Trrを生成する。
フロントゲイン乗算部515Fは、減算部514によって生成された差信号(ωm−ωs)に所定のフロント積分ゲインKifを乗算することによってフロント第1制御入力信号を生成し、これをフロント合算部517Fへ入力する。
リアゲイン乗算部515Rは、減算部514によって生成された差信号(ωm−ωs)に所定のリア積分ゲインKirを乗算することによってリア第1制御入力信号を生成し、これをリア合算部517Rへ入力する。
フロント非積分演算部516Fは、入力側軸トルク検出信号Tshに伝達関数Gyf0(s)を用いたフロント非積分演算を施すことによってフロント第2制御入力を生成し、これをフロント合算部517Fへ入力する。このフロント非積分演算部516Fの伝達関数Gyf0(s)は、軸トルク制御機能を有する所定の伝達関数Gyf(s)から、下記式(15)に示すように、フロント積分ゲインKifの積分器を分離することによって得られるものが用いられる。
リア非積分演算部516Rは、入力側軸トルク検出信号Tshに伝達関数Gyr0(s)を用いたリア非積分演算を施すことによってリア第2制御入力を生成し、これをリア合算部517Rへ入力する。このリア非積分演算部516Rの伝達関数Gyr0(s)は、軸トルク制御機能を有する所定の伝達関数Gyr(s)から、下記式(16)に示すように、リア積分ゲインKirの積分器を分離することによって得られるものが用いられる。ここで上記式(15)及び下記式(16)に示す軸トルク制御機能を有する伝達関数Gyf(s)及びGyr(s)は、図5を参照して説明したようにμ設計法やH∞制御設計方法等の制御系設計方法に基づいて設計される。
フロント合算部517Fは、フロントゲイン乗算部515Fによって生成されたフロント第1制御入力信号とフロント非積分演算部516Fによって生成されたフロント第2制御入力信号との和をフロントトルク指令信号Trfとし、フロントインバータ22Fへ入力する。
リア合算部517Rは、リアゲイン乗算部515Rによって生成されたリア第1制御入力信号とリア非積分演算部516Rによって生成されたリア第2制御入力信号との和をリアトルク指令信号Trrとし、リアインバータ22Rへ入力する。
以上のように構成された入力側制御装置5Aにおいて、第1ローパスフィルタ511及び第2ローパスフィルタ521の入出力特性を特徴付けるフィルタ係数a1,a2,b1は、第1実施形態と同様の手順によって定められる。これら3つのフィルタ係数a1,a2,b1は、軸トルク制御器51A及び慣性補償器52によって構成される制御回路の閉ループ伝達関数の特性多項式が、応答周波数fc及び係数c1,c2,c3によって特徴付けられる上記式(12)に示す多項式Pc(s)になるように設定される。より具体的には、実施例の入力側制御装置5Aにおけるフィルタ係数a1,a2,b1は、上記式(13−1)〜(13−3)における積分ゲインKiをフロント積分ゲインKifとリア積分ゲインKirとの和で置換することによって導出される下記式(17−1)〜(17−3)によって設定される。
図11は、比較例の入力側制御装置による制御結果を示す図である。図12は、実施例の入力側制御装置5Aによる制御結果を示す図である。ここで比較例の入力側制御装置とは、本願出願人による国際公開第2013/105375号公報に示されたタンデム動力計の共振抑制制御と、本願出願人による特許文献3の電気慣性制御と、を組み合わせて得られる入力側制御装置である。また実施例の入力側制御装置5Aとは、具体的には、上記式(17−1)〜(17−3)に基づいてフィルタ係数a1,a2,b1を設定したものである。また図11及び図12では、フロント動力計21Fとリア動力計21Rの慣性モーメントの和を0.3[kgm]とし、供試体慣性を0.12[kgm]とし、設定慣性を0.05[kgm]とし、これら入力側制御装置によって低慣性化制御を行った場合を示す。
また図10及び図11には、これら入力側制御装置に対しエンジントルク指令信号をステップ状に変化させた場合の応答を示す。図10及び図11の上段には、エンジントルク指令信号Tref(太実線)と入力側軸トルク検出信号Tshの実際の応答(細実線)と入力側軸トルク検出信号の理想応答(太破線)とを示し、中段には、入力側速度検出信号ωの実際の応答(細実線)と入力側速度検出信号の理想応答(太破線)とを示し、下段には、入力側制御装置によって生成されるフロントトルク指令信号Trf(太実線)及びリアトルク指令信号Trr(太破線)を示す。ここで理想応答とは、入力側動力計21Aの慣性モーメントが設定慣性と等しい場合に得られる応答である。
図10に示すように、比較例の入力側制御装置によれば、入力側速度検出信号の波形が概ね理想応答と一致しており、安定した低慣性化制御を実現できているといえるものの、入力側軸トルク検出信号の波形にオーバシュートや振動が発生している。また比較例の入力側制御装置によれば、フロントトルク指令信号とリアトルク指令信号と差が大きく、トルク指令信号のバランスが悪い。
これに対し実施例の入力側制御装置によれば、図11に示すように、入力側速度検出信号の波形が概ね理想応答と一致しており、安定した低慣性化制御を実現できる。また実施例の入力側制御装置によれば、入力側軸トルク検出信号の波形は、オーバシュートや振動することなく概ね理想応答に一致しており、高応答な低慣性化制御を実現できる。また実施例の入力側制御装置によれば、フロントトルク指令信号とリアトルク指令信号との差は図10に示す比較例よりも小さいので、フロント動力計とリア動力計に対しバランスのとれた制御を実現できる。
以上、本発明の第1及び第2実施形態について説明したが、本発明はこれに限らない。本発明の趣旨の範囲内で、細部の構成を適宜変更してもよい。
1,1A…試験システム
SI…入力軸
SO1,SO2…出力軸
W…供試体
21,21A…入力側動力計(動力計)
21F…フロント動力計(第1動力計)
21R…リア動力計(第2動力計)
22,22A…入力側インバータ(インバータ)
23…入力側エンコーダ(速度検出器)
24…入力側軸トルクメータ(軸トルク検出器)
5,5A…入力側制御装置(動力計制御装置)
51,51A…軸トルク制御器
511…第1ローパスフィルタ
513…積分演算部
515…ゲイン乗算部
515F…フロントゲイン乗算部(第1ゲイン乗算部)
515R…リアゲイン乗算部(第2ゲイン乗算部)
516…非積分演算部
516F…フロント非積分演算部(第1非積分演算部)
516R…リア非積分演算部(第2非積分演算部)
517…合算部
517F…フロント合算部(第1合算部)
517R…リア合算部(第2合算部)
52…慣性補償器
521…第2ローパスフィルタ

Claims (8)

  1. 入力軸及び出力軸を備える供試体の入力軸に連結された動力計と、
    トルク指令信号に応じた電力を前記動力計に供給するインバータと、
    前記動力計の回転速度に応じた速度検出信号を発生する速度検出器と、
    前記入力軸に作用する軸トルクに応じた軸トルク検出信号を発生する軸トルク検出器と、を備える試験システムにおいて、前記トルク指令信号に対する上位指令信号、前記速度検出信号、及び前記軸トルク検出信号を用いて前記トルク指令信号を生成する動力計制御装置であって、
    前記上位指令信号と前記軸トルク検出信号とに基づいて前記トルク指令信号を生成する軸トルク制御器と、
    前記速度検出信号に設定慣性を乗算することによって生成した慣性補償信号を前記軸トルク制御器にフィードバックする慣性補償器と、を備え、
    前記軸トルク制御器は、前記上位指令信号から高周波数成分を減衰させ低周波数成分を通過させる第1ローパスフィルタを備え、
    前記慣性補償器は、前記速度検出信号から高周波数成分を減衰させ低周波数成分を通過させる第2ローパスフィルタを備えることを特徴とする動力計制御装置。
  2. 前記第1ローパスフィルタ及び前記第2ローパスフィルタの入出力特性は、前記軸トルク制御器及び前記慣性補償器によって構成される制御回路の閉ループ伝達関数の特性多項式が、前記入力軸の共振周波数よりも低く定められた応答周波数fc及び所定の係数c1,c2,c3によって特徴付けられる下記多項式Pc(s)になるように設定されることを特徴とする請求項1に記載の動力計制御装置。
  3. 前記第1ローパスフィルタの伝達関数の分母多項式は前記第2ローパスフィルタの伝達関数の分母多項式と等しく、
    前記第2ローパスフィルタの伝達関数の分子多項式の次数は前記第1ローパスフィルタの伝達関数の次数よりも大きいことを特徴とする請求項1又は2に記載の動力計制御装置。
  4. 前記軸トルク制御器は、
    前記第1ローパスフィルタを通過した前記上位指令信号と前記軸トルク検出信号との偏差を算出する偏差演算部と、
    前記偏差を積分する積分演算部と、
    前記積分演算部の出力信号から前記慣性補償信号を減算したものに所定の積分ゲインを乗算するゲイン乗算部と、
    前記偏差に非積分演算を施す非積分演算部と、
    前記非積分演算部の出力信号と前記ゲイン乗算部の出力信号との和を前記トルク指令信号とする合算部と、を備えることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の動力計制御装置。
    ここで、前記非積分演算部の伝達関数Ge0(s)は、Kiを前記積分ゲインとし、sをラプラス演算子とし、Ge(s)を前記偏差が入力されると当該偏差が無くなるようなトルク指令信号を出力する伝達関数とし、下記式を満たすように定められる。
  5. 前記伝達関数Ge(s)は、μ設計法又はH∞制御設計方法と呼称される制御系設計方法に基づいて設計されることを特徴とする請求項4に記載の動力計制御装置。
  6. 前記動力計は、前記入力軸に連結された第1動力計と、当該第1動力計の出力軸に連結された第2動力計と、を備えるタンデム動力計であり、
    前記トルク指令信号は、前記第1動力計に対する第1トルク指令信号と、前記第2動力計に対する第2トルク指令信号と、を含むことを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の動力計制御装置。
  7. 前記軸トルク制御器は、
    前記第1ローパスフィルタを通過した前記上位指令信号と前記軸トルク検出信号との偏差を算出する偏差演算部と、
    前記偏差を積分する積分演算部と、
    前記積分演算部の出力信号から前記慣性補償信号を減算したものに所定の第1積分ゲインを乗算する第1ゲイン乗算部と、
    前記積分演算部の出力信号から前記慣性補償信号を減算したものに所定の第2積分ゲインを乗算する第2ゲイン乗算部と、
    前記軸トルク検出信号に第1非積分演算を施す第1非積分演算部と、
    前記軸トルク検出信号に第2非積分演算を施す第2非積分演算部と、
    前記第1非積分演算部の出力信号と前記第1ゲイン乗算部の出力信号との和を前記第1トルク指令信号とする第1合算部と、
    前記第2非積分演算部の出力信号と前記第2ゲイン乗算部の出力信号との和を前記第2トルク指令信号とする第2合算部と、を備えることを特徴とする請求項6に記載の動力計制御装置。
    ここで、前記第1非積分演算部の伝達関数Gyf0(s)は、Kifを前記第1積分ゲインとし、sをラプラス演算子とし、Gyf(s)を前記軸トルク検出信号が入力されると前記偏差が無くなるようなトルク指令信号を出力する伝達関数とし、下記式(3−1)を満たすように定められ、
    前記第2非積分演算部の伝達関数Gyr0(s)は、Kirを前記第2積分ゲインとし、Gyr(s)を前記軸トルク検出信号が入力されると前記偏差が無くなるようなトルク指令信号を出力する伝達関数とし、下記式(3−2)を満たすように定められる。
  8. 前記伝達関数Gyf(s)及びGyr(s)は、μ設計法又はH∞制御設計方法と呼称される制御系設計方法に基づいて設計されることを特徴とする請求項7に記載の動力計制御装置。
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