JP6638460B2 - シール材紫外線硬化装置 - Google Patents
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しかしながら、シール材紫外線硬化装置においては、ロングアーク式ランプのランプ表面温度を900℃前後に維持しつつ、かつ、照射器の熱保護を図る必要がある。このため照射器の上部には、冷却、及びランプ表面温度調整に要する多数のファンや多数本の太いダクトが配置されており、これらを収めるための非常に大きなスペースが照射器上部に設けられている。
このため、これらシール材紫外線硬化装置によって設置床面積が大きく割かれ、またシール材紫外線硬化装置の設置台数は設置床面積によって制限される、という問題がある。
図1は、本実施形態に係るシール材紫外線硬化システム1を示す模式的に示す図である。図2はワーク2の平面構成を模式的に示す図であり、図3はワーク2の断面構成を模式的に示す図である。
シール材紫外線硬化システム1は、上記ODFによるLCDの製造において、ワーク2に対してシール材硬化処理を施すものであり、ワーク2への塵等の付着を防止するために、室内雰囲気が所定の清浄度に維持されたクリーンルームに設置されている。シール材紫外線硬化システム1は、図1に示すように、シール材紫外線硬化装置4と、ワーク2を搬送する搬送ロボット6とを備えている。
シール材紫外線硬化装置4は、図1、及び図4に示すように、複数のシール材紫外線硬化ユニット14と、制御ユニット15と、冷却機構16と、ベースユニット17とを備えている。シール材紫外線硬化ユニット14のそれぞれは、ワーク2のシール材10に紫外線を照射しシール材10を硬化させるものであり、これらがベースユニット17の上に上下に積み重ねて配置されることで、いわゆる多段式ユニットに構成されている。
制御ユニット15は、シール材紫外線硬化装置4の各部を制御するものである。
冷却ユニット23には、クリーンルームの室外に連通した上記ダクト22が接続されている。冷却ユニット23が各シール材紫外線硬化ユニット14から回収した排熱は、ダクト22を通じて排出される。これにより、シール材紫外線硬化ユニット14を循環した空気がクリーンルームの雰囲気に混入することが防止され、クリーンルームの清浄度の低下が抑えられる。
支持部24は、ワーク2を保持可能な形態のロボットハンドである。支持部24は、ワーク2を支持した状態で移動機構26によって水平方向Bに移動され、シール材紫外線硬化ユニット14へのワーク2の投入、及び払い出しを行う。また、移動機構26が支持部24を上下方向Aに移動することで、投入、及び払い出し先のシール材紫外線硬化ユニット14が適宜に選択される。
シール材紫外線硬化ユニット14は、上述のとおり、ワーク2のシール材10に紫外線を照射しシール材10を硬化させるユニットである。このシール材紫外線硬化ユニット14は、図5、及び図6に示すように、ワーク2が内部に収まる大きさの略直方体形状のユニットケース30を備えている。ユニットケース30は、直方体形状に組み合わされてユニットケース30の骨格を構成する棒状の複数本のフレーム31と、これらフレーム31に取り付けられて正面、背面、左右側面、天面30A、及び底面30Bを構成するパネルとを備えている。なお、図5、及び図6では、シール材紫外線硬化ユニット14の内部構成を明示するためにパネルの図示が省略されている。
照射器40は、図7に示すように、LED光源部50と、多数の冷却ファン51Aを有した冷却部51とを備えている。LED光源部50は、図8に示すように、例えばアルミニウムの高熱伝導性材料から成る取付ベース80と、この取付ベース80の底面80Aに取り付けられたLED実装基板81とを備えている。LED実装基板81には、多数の紫外線LED82が実装されている。このLED光源部50では、多数の紫外線LED82がマトリクス状に配置されており、紫外線LED82のそれぞれが紫外線を放射することで、LED光源部50からは紫外線が面状に放射される。
ここで、このシール材紫外線硬化ユニット14では、ワーク2の投入/払い出し時に、照射器40とワーク配置部42の間が搬送ロボット6の作業スペース分だけ離間されている。一般に、照射器40とワーク配置部42の離間距離が大きいほど、ワーク2の照射照度が低下するため、より高出力な紫外線LED82が必要となり、紫外線LED82による発熱も増大する。これに対し、このシール材紫外線硬化ユニット14では、ワーク2の投入後、照射器40が照射器上下駆動機構56によってワーク配置部42の側に移動され離間距離が調整されて、より少ない光量で所定の照射照度を得ている。これにより紫外線LED82の発熱が抑えられ効率良くワーク2が照射される。
カメラ64は、ワーク2の配置位置を検出し制御ユニット15に出力する装置であり、カメラ用照明装置65は、カメラ64の撮影箇所を照らす装置である。ワーク2には、位置検出用のマークが予め付されており、制御ユニット15は、カメラ64の撮影画像に基づいてワーク2のマークを検出することで、当該ワーク2の配置位置を検出する。そして、制御ユニット15が配置位置の検出結果に基づいてXYθユニット61を駆動し、ワーク2の位置合わせ(いわゆる、アライメント)を行う。
これに対し、シール材紫外線硬化ユニット14では、照射器40が照射器上下駆動機構56によって上下に移動される、すなわち、照射器40とワーク配置部42の距離が可変されるので、ワーク配置部42を上下移動させる機構を別途に設ける必要はない。この分、ワーク配置部42、及びワーク位置調整機構43の構成が従前のシール材紫外線硬化装置よりも簡単になる。
マスクユニット44は、図9に示すように、マスク66と、マスクホルダ67とを備えている。マスク66は、ワーク2と照射器40の間に配置され、ワーク2におけるシールパターン12を除いた箇所への紫外線照射を遮光する、いわゆる遮光マスクである。マスクホルダ67は、マスク66を内部に保持するものであり、保持手段として複数本のマスク吸着用ガラスバー68を備えている。マスク吸着用ガラスバー68は、照射器40が発する紫外線を透過するガラス材料で形成された棒状部材である。図9に示すように、各マスク吸着用ガラスバー68は、一定間隔で並べてマスクホルダ67に設けられており、これらにマスク66が真空吸着される。より詳細には、各マスク吸着用ガラスバー68には、マスク66が当接する面内に、吸着溝を有し、この吸着溝の中がユニットケース30の外に設けられた不図示の真空発生装置(例えば真空ポンプ)によって真空(極低圧)にされる。これにより、マスク66が各マスク吸着用ガラスバー68の吸着溝に真空吸着される。
すなわち、制御ユニット15は、搬送ロボット6によるワーク2の投入/払い出しに合せて、対象となるシール材紫外線硬化ユニット14のシャッター機構33を開閉する。ワーク2が投入された場合、制御ユニット15は、照射器上下駆動機構56、及びワーク位置調整機構43を駆動制御して、全面に紫外線が均一に照射される位置に照射器40、及びワーク2を調整する。加えて、制御ユニット15は、マスク位置調整機構45を駆動制御して、シールパターン12を除く箇所への紫外線照射を遮る位置にマスク66を配置する。
次いで、制御ユニット15は、照射器40の各紫外線LED82を点灯し、ワーク2のシール材10に紫外線を所定照度で所定時間に亘って照射し、当該シール材10を硬化させ、その後、紫外線LED82を消灯する。制御ユニット15は、冷却機構16による冷却風の循環によってユニットケース30の内部を換気し、かつ、ユニットケース30に内蔵の温度センサの検出信号によって内部の雰囲気温度が所定温度まで下がった事を検知した後、搬送ロボット6によるワーク2の払い出しを可能にするためにシャッター機構33を開く。そして、制御ユニット15は、シール材硬化処理が実施されたワーク2の払い出し、及び次のワーク2の投入を待ち受ける。
制御ユニット15は、係る一連の処理を、個々のシール材紫外線硬化ユニット14ごとに並列的に実施し、これにより、個々のシール材紫外線硬化ユニット14で、ワーク2に対するシール材硬化処理が独立して並列的に行われる。
これにより、マスク66の隙間からワーク2への紫外線の回り込みが抑えられる。また一般に、ODFに用いるワーク2のサイズが大きくなるほど、ワーク2においてシールパターン12が占める面積の比率は小さくなる。したがって、紫外線LED82を選択点灯することで、紫外線LED82の全点灯に比べ、無駄な点灯を大きく削減でき、LED光源部50の発熱が大幅に抑えられ、熱による紫外線LED82の劣化が抑えられる。
これにより、それぞれのシール材紫外線硬化ユニット14でシール材硬化処理を並列的に行うことができ、さらに、これらのシール材紫外線硬化ユニット14は上下に重ねて配置されているので、設置に要する床面積の増大が抑えられる。
また、光源には、ロングアーク式ランプなどの放電灯ではなく、紫外線LED82が用いられているので、放電灯に比べて光源の消費電力が大幅に抑えられ、放電灯用の安定器も不要となり、さらに、光源の空冷に要する風量が大幅に抑えられる。これにより、光源の冷却のために、多数本の太いダクトや多数の大きな空冷ファンを設ける必要がないので、光源の冷却部51を非常にコンパクト、かつ軽量にでき、また、ダクト接続作業が軽減されるので、設置作業も非常に容易となる。さらに、シール材紫外線硬化装置4が小型、かつ軽量化されることで、輸送コストも抑えられる。
これにより、それぞれのシール材紫外線硬化ユニット14に対しワーク2の出し入れを個々のタイミングで行うことができ、個々のシール材紫外線硬化ユニット14において、各々が独立したタイミングでシール材硬化処理を行うことができる。
これにより、個々のシール材紫外線硬化ユニット14の間で、紫外線や内部雰囲気が干渉することなく、それぞれのシール材紫外線硬化ユニット14でシール材硬化処理を行うことができる。また、シャッター機構33により、シール材紫外線硬化ユニット14の中がクリーンルームの雰囲気から隔離されるので、ユニットケース30の中からクリーンルーム内への熱気、及び紫外線の漏れ出しが抑えられる。
これにより、ユニットケース30の上下方向(底面30Bと天面30Aを結ぶ方向)における強度がガイドシャフト53によって補われる。したがって、複数のシール材紫外線硬化ユニット14が上下に重ねられたときの各シール材紫外線硬化ユニット14の変形が抑制される。
これにより、各シール材紫外線硬化ユニット14の冷却部51からユニットケース30の中に排出されたLED光源部50の熱が回収される。またLED光源部50の冷却は、専ら冷却部51によって行われ、冷却機構16は、LED光源部50を積極的に冷却するための機構を備える必要がない。したがって、冷却機構16の構成が簡素化、及びコンパクト化され、冷却機構16がシール材紫外線硬化装置4の上部に占めるスペースを従来の装置よりも大幅に削減できる。これにより、より多くのシール材紫外線硬化ユニット14を上下方向に重ねて配置できる。
また冷却機構16の冷却ユニット23を、シール材紫外線硬化装置4の底面の側(最下段のシール材紫外線硬化ユニット14の下側)に配置してもよい。
なお、光学部材が各紫外線LED82の焦点距離を制御することで、照射器40とワーク配置部42の間を、搬送ロボット6の作業スペース分だけ離間させた状態でも、ワーク2にシール材硬化に要する照度の紫外線を照射できる場合もある。この場合には、照射器40を上下移動させる照射器上下駆動機構56を備えなくともよい。
2 ワーク
4 シール材紫外線硬化装置
6 搬送ロボット
10 シール材
11 LCD(液晶表示装置)
12 シールパターン
14 シール材紫外線硬化ユニット
15 制御ユニット
16 冷却機構
30 ユニットケース(ケース)
30A 天面
30B 底面
33 シャッター機構
35 出入口
40 照射器
42 ワーク配置部
44 マスクユニット
50 LED光源部
51 冷却部
51A 冷却ファン
53 ガイドシャフト
56 照射器上下駆動機構
66 マスク
82 紫外線LED(発光素子)
A 上下方向
B 水平方向
S 隙間
Claims (4)
- 液晶表示装置用のワークが有するシール材に紫外線を照射し、当該シール材を硬化させるシール材紫外線硬化装置において、
複数の発光素子を有し面状に前記紫外線を照射する光源部、及び前記光源部を冷却する冷却部を有した照射器と、
前記光源部の対向位置に前記ワークを配置するワーク配置部と、
前記光源部と前記ワーク配置部との間に配置されるマスクと、
を備えた複数の組がそれぞれケースに収められ、
それぞれの前記ケースが重ねて配置されるとともに、
前記ケースの重なりの上部、または下部に配置され、それぞれの前記ケースに冷媒を循環させて冷却する冷却機構を備える
ことを特徴とするシール材紫外線硬化装置。 - 前記ケースごとに、前記ワーク配置部に前記ワークを出し入れする出入口が設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載のシール材紫外線硬化装置。 - 前記ケースには、前記出入口を開閉するシャッター機構が設けられている
ことを特徴とする請求項2に記載のシール材紫外線硬化装置。 - 前記ケースは、天面、及び底面を有した箱形であり、
前記ケースには、前記照射器と前記ワーク配置部の間の距離を調整する調整機構が設けられ、
前記調整機構は、前記照射器、又は前記ワーク配置部の移動をガイドする複数本のシャフトを備え、
それぞれの前記シャフトが前記ケースの底面から天面まで延び、当該天面を支えている
ことを特徴とする請求項3に記載のシール材紫外線硬化装置。
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