JP6638320B2 - 動力伝達装置の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、プーリ間に伝達要素が巻き掛けられた形式の無段変速機を備えた動力伝達装置の制御装置に関するものである。
入力軸に設けられたプライマリプーリと出力軸に設けられたセカンダリプーリと前記各プーリに巻き掛けられた伝達要素(例えばベルト、チェーン)とを有して駆動力源の動力を駆動輪側へ伝達する無段変速機と、前記各プーリへ各プーリ油圧を供給する油圧制御回路とを備えた動力伝達装置が良く知られている。例えば、特許文献1に記載された車両用無段変速機がそれである。このような無段変速機では、各プーリは固定シーブと可動シーブとを有しており、可動シーブの軸心方向の移動によってプーリの溝幅が変更されて、変速比が変更される。このような無段変速機では、プライマリプーリの溝幅が最大とされることで、変速比が最も大きな最大変速比(すなわち最も低車速側(ロー側)の最ロー側変速比)とされる。無段変速機の変速比を最大変速比とする際には、セカンダリプーリへは伝達要素の滑りを防止する為のセカンダリプーリ油圧を付与するが、プライマリプーリへはプライマリプーリ油圧を付与する必要がない。つまり、プライマリプーリの油圧シリンダは固定部材によって入力軸の軸心方向の移動不能に固定されており、プライマリプーリの可動シーブは、プライマリプーリ油圧が付与されないことで、入力軸の軸心方向において固定部材側の方向への移動が固定部材によって阻止された状態とされ、無段変速機の変速比が最大変速比とされる。
特開2007−177833号公報
ところで、無段変速機の変速比が最大変速比のときには、プライマリプーリの可動シーブの移動を阻止する固定部材へ、プライマリプーリの可動シーブや油圧シリンダを介して伝達要素の反力が入力される。又、伝達要素の反力は、伝達要素がプライマリプーリに掛かっている側の方が掛かっていない側の方よりも大きくなる。その為、伝達要素の反力の入力に伴う固定部材の応力は、一定値とならず、平均値を挟んで変動する。固定部材の応力が変動する場合は、その応力が一定の場合と比較して、固定部材の負荷が増大すると考えられる。このようなことから、無段変速機の変速比が最大変速比のときは、固定部材の耐久性にとって好ましい状況ではない可能性がある。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、無段変速機の変速比を最大変速比として走行する際に、プライマリプーリの可動シーブの移動を阻止する固定部材の耐久性を向上することができる動力伝達装置の制御装置を提供することにある。
第1の発明の要旨とするところは、(a) 入力軸に設けられたプライマリプーリと出力軸に設けられたセカンダリプーリと前記各プーリに巻き掛けられた伝達要素とを有して駆動力源の動力を駆動輪側へ伝達する無段変速機と、前記各プーリへ各プーリ油圧を供給する油圧制御回路とを備え、前記プライマリプーリの油圧シリンダは固定部材によって前記入力軸の軸心方向の移動不能に固定されており、前記伝達要素の滑りを防止する為のセカンダリプーリ油圧が付与され、且つプライマリプーリ油圧が付与されないことで前記プライマリプーリの可動シーブの前記固定部材側への移動が前記固定部材によって阻止された状態では、前記無段変速機の変速比が最大変速比とされる動力伝達装置の、制御装置であって、(b) 前記無段変速機の変速比を前記最大変速比として走行するときには、前記最大変速比を維持できる範囲で、前記セカンダリプーリ油圧の前記プライマリプーリ油圧に対する比の値が所定値以下となるように、前記プライマリプーリ油圧を付与する変速制御部を含むものであり、(c) 前記所定値は、前記固定部材へ入力される前記伝達要素の反力に伴う前記固定部材の応力の変動を抑制する為の予め定められた前記比の値の上限値である
前記第1の発明によれば、無段変速機の変速比を最大変速比として走行するときには、その最大変速比が維持され得る範囲で、セカンダリプーリ油圧のプライマリプーリ油圧に対する比の値が所定値以下となるように、プライマリプーリ油圧が付与されるものであり、その所定値は、固定部材へ入力される伝達要素の反力に伴う固定部材の応力の変動を抑制する為の予め定められた前記比の値の上限値であるので、プライマリプーリの可動シーブを固定部材側とは反対側へ移動させる為の推力がその可動シーブに作用させられる。その為、固定部材へ入力される伝達要素の反力が抑制され、固定部材の応力が低下する。又、プライマリプーリ油圧によるダンピング効果よって、固定部材へ入力される伝達要素の反力の変動が緩和され、固定部材の応力の変動も緩和される。よって、無段変速機の変速比を最大変速比として走行する際に、プライマリプーリの可動シーブの移動を阻止する固定部材の耐久性を向上することができる。
本発明が適用される車両の概略構成を説明する図であると共に、車両における各種制御の為の制御機能及び制御系統の要部を説明する図である。 無段変速機のうちでプライマリプーリを拡大して示す断面図である。 ベルト反力の入力に伴うナットの歪みの一例を示す図である。 ナットの平均歪みの一例を示す図である。 ナットの歪み振幅の一例を示す図である。 電子制御装置の制御作動の要部すなわち無段変速機の変速比を最大変速比として走行する際に、プライマリプーリの可動シーブの移動を阻止するナットの耐久性を向上する為の制御作動を説明するフローチャートである。 無段変速機のうちでプライマリプーリを拡大して示す断面図であって、図2とは別の実施態様を示す図である。
以下、本発明の実施例を図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明が適用される車両10の概略構成を説明する図であると共に、車両10における各種制御の為の制御機能及び制御系統の要部を説明する図である。図1において、車両10は、走行用の駆動力源としてのエンジン12と、駆動輪14と、エンジン12と駆動輪14との間の動力伝達経路に設けられた動力伝達装置16とを備えている。動力伝達装置16は、非回転部材としてのケース17内において、エンジン12に連結された流体式伝動装置としての公知のトルクコンバータ18、トルクコンバータ18に連結されたタービン軸20、タービン軸20に連結された前後進切替装置22、前後進切替装置22に連結された入力軸24、入力軸24に連結された無段変速機26、無段変速機26に連結された出力軸28、減速歯車装置30、差動歯車装置32等を備えている。このように構成された動力伝達装置16において、エンジン12の動力(特に区別しない場合にはトルクや力も同義)は、トルクコンバータ18、前後進切替装置22、無段変速機26、減速歯車装置30、差動歯車装置32等を順次介して、左右の駆動輪14へ伝達される。
トルクコンバータ18は、エンジン12に連結されたポンプ翼車18p、及びタービン軸20に連結されたタービン翼車18tを備えている。ポンプ翼車18pには、無段変速機26を変速制御したり、無段変速機26におけるベルト挟圧力を発生させたり、後述する前進用クラッチC1及び後進用ブレーキB1の各々の作動を切り替えたり、動力伝達装置16の各部に潤滑油を供給したりする為の作動油圧をエンジン12により回転駆動されることにより発生する機械式のオイルポンプ34が連結されている。
前後進切替装置22は、ダブルピニオン型の遊星歯車装置22p、前進用クラッチC1、及び後進用ブレーキB1を備えている。遊星歯車装置22pのサンギヤ22sはタービン軸20に連結され、遊星歯車装置22pのキャリア22cは入力軸24に連結され、遊星歯車装置22pのリングギヤ22rは後進用ブレーキB1を介してケース17に選択的に連結されている。又、キャリア22cとサンギヤ22sとは前進用クラッチC1を介して選択的に連結される。前進用クラッチC1及び後進用ブレーキB1は、公知の油圧式摩擦係合装置である。このように構成された前後進切替装置22では、前進用クラッチC1が係合されると共に後進用ブレーキB1が解放されると、前進用の動力伝達経路が形成される。又、後進用ブレーキB1が係合されると共に前進用クラッチC1が解放されると、後進用の動力伝達経路が形成される。又、前進用クラッチC1及び後進用ブレーキB1が共に解放されると、前後進切替装置22は動力伝達を遮断するニュートラル状態(動力伝達遮断状態)とされる。このように、前進用クラッチC1及び後進用ブレーキB1は、エンジン12と無段変速機26との間の動力伝達経路を断接する油圧式係合装置である。
無段変速機26は、入力軸24に設けられた有効径が可変のプライマリプーリ36と、出力軸28に設けられた有効径が可変のセカンダリプーリ38と、それら各プーリ36,38の間に巻き掛けられた伝達要素としての伝動ベルト40とを備え、それら各プーリ36,38と伝動ベルト40との間の摩擦力を介してエンジン12の動力を駆動輪14側へ伝達する、ベルト式無段変速機である。
プライマリプーリ36は、入力軸24に連結された固定シーブ36aと、固定シーブ36aの軸部に対して軸心C1回りの相対回転不能且つ軸心C1方向の移動可能に設けられた可動シーブ36bと、それら各シーブ36a,36bの間のV溝幅を変更する為のプライマリプーリ36におけるプライマリ推力Win(=プライマリ圧Pin×受圧面積)を付与する油圧アクチュエータ36cとを備えている。又、セカンダリプーリ38は、出力軸28と一体的に設けられた固定シーブ38aと、固定シーブ38aの軸部に対して軸心C2回りの相対回転不能且つ軸心C2方向の移動可能に設けられた可動シーブ38bと、それら各シーブ38a,38bの間のV溝幅を変更する為のセカンダリプーリ38におけるセカンダリ推力Wout(=セカンダリ圧Pout×受圧面積)を付与する油圧アクチュエータ38cとを備えている。プライマリ圧Pinは、動力伝達装置16に備えられた油圧制御回路50によって油圧アクチュエータ36cへ供給されるプライマリプーリ油圧であり、セカンダリ圧Poutは、油圧制御回路50によって油圧アクチュエータ38cへ供給されるセカンダリプーリ油圧である。各油圧Pin,Poutは、各々、可動シーブ36b,38bを固定シーブ36a,38a側へ押圧する推力Win,Woutを付与するプーリ油圧である。
無段変速機26では、プライマリ圧Pin及びセカンダリ圧Poutが油圧制御回路50によって各々調圧制御されることにより、プライマリ推力Win及びセカンダリ推力Woutが各々制御される。これにより、各プーリ36,38のV溝幅が変化して伝動ベルト40の掛かり径(有効径)が変更され、変速比(ギヤ比)γ(=入力軸回転速度Nin/出力軸回転速度Nout)が変化させられると共に、伝動ベルト40が滑りを生じないように各プーリ36,38と伝動ベルト40との間の摩擦力(すなわち挟圧力;以下ベルト挟圧力という)が制御される。つまり、プライマリ圧Pin(プライマリ推力Winも同意)及びセカンダリ圧Pout(セカンダリ推力Woutも同意)が各々制御されることで、伝動ベルト40の滑りが防止されつつ実変速比γが目標変速比γtgtとされる。
無段変速機26では、例えばプライマリ圧Pinが高められると、プライマリプーリ36のV溝幅が狭くされて変速比γが小さくされるすなわち無段変速機26がアップシフトされる。又、プライマリ圧Pinが低められると、プライマリプーリ36のV溝幅が広くされて変速比γが大きくされるすなわち無段変速機26がダウンシフトされる。従って、プライマリプーリ36のV溝幅が最小とされるところで、無段変速機26の変速比γとして最小変速比γmin(最高車速側の変速比、最Hi)が形成される。又、プライマリプーリ36のV溝幅が最大とされるところで、無段変速機26の変速比γとして最大変速比γmax(最低車速側の変速比、最Low)が形成される。尚、プライマリ圧Pinとセカンダリ圧Poutとにより伝動ベルト40の滑り(ベルト滑り)が防止されつつ、プライマリ推力Winとセカンダリ推力Woutとの相互関係にて目標変速比γtgtが実現されるものであり、一方のプーリ油圧(推力も同意)のみで目標の変速が実現されるものではない。
車両10は、動力伝達装置16の制御装置を含む電子制御装置60を備えている。電子制御装置60は、例えばCPU、RAM、ROM、入出力インターフェース等を備えた所謂マイクロコンピュータを含んで構成されており、CPUはRAMの一時記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラムに従って信号処理を行うことにより車両10の各種制御を実行する。例えば、電子制御装置60は、エンジン12の出力制御、無段変速機26のベルト挟圧力制御を含む変速制御等を実行するようになっており、必要に応じてエンジン制御用、油圧制御用等に分けて構成される。
電子制御装置60には、車両10が備える各種センサ(例えば各種回転速度センサ70,72,74,76、アクセル開度センサ78など)による検出信号に基づく各種実際値(例えばエンジン回転速度Ne、タービン回転速度Nt、入力軸回転速度Nin、車速Vに対応する出力軸回転速度Nout、アクセル開度θaccなど)が、それぞれ供給される。又、電子制御装置60からは、車両10に設けられた各装置(例えばエンジン12、油圧制御回路50など)に各種出力信号(例えばエンジン12の出力制御の為のエンジン出力制御指令信号Se、無段変速機26の変速等に関する油圧制御の為の油圧制御指令信号Scvt、前進用クラッチC1や後進用ブレーキB1の係合作動に関する油圧制御の為の油圧制御指令信号Scltなど)が供給される。
図2は、無段変速機26のうちでプライマリプーリ36を拡大して示す断面図である。図2において、プライマリプーリ36は、軸受け80,82を介してケース17(図2では不図示)に軸心C1回りの回転可能に支持されている。プライマリプーリ36の油圧アクチュエータ36cは、ダブルピストン構造を採用しており、油圧シリンダ84を備えて、その油圧シリンダ84内に直列した2つの油室86,88を有している。この油室86,88に供給されるプライマリ圧Pinによって発生するプライマリ推力Winによって、可動シーブ36bが固定シーブ36a側へ押圧される(二点鎖線参照)。プライマリプーリ36の油圧シリンダ84は、固定部材としてのナット90によって入力軸24の軸心C方向の移動不能に固定されている。その為、図2の実線に示すように、可動シーブ36bは軸心C1方向においてナット90側の方向への移動がそのナット90によって阻止された状態とされ、この状態で、プライマリプーリ36のV溝幅が最大とされる。この状態とする為には、油圧アクチュエータ36cへはプライマリ圧Pinを付与する必要がなく、ベルト滑りを防止する為のセカンダリ圧Poutがセカンダリプーリ38の油圧アクチュエータ38cへ供給されれば良い。従って、無段変速機26は、ベルト滑りを防止する為のセカンダリ圧Poutが付与され、且つプライマリ圧Pinが付与されないことでプライマリプーリ36の可動シーブ36bのナット90側への移動がそのナット90によって阻止された状態では、無段変速機26の変速比γが最大変速比γmaxとされる。
図1に戻り、電子制御装置60はエンジン出力制御手段すなわちエンジン出力制御部62、変速制御手段すなわち変速制御部64を備えている。
エンジン出力制御部62は、アクセル開度θaccに応じた駆動力(駆動トルク)を得る為の目標エンジントルクTetgtを設定し、その目標エンジントルクTetgtが得られるように、スロットル信号や噴射信号や点火時期信号などのエンジン出力制御指令信号Seをそれぞれスロットルアクチュエータや燃料噴射装置や点火装置へ出力する。
変速制御部64は、無段変速機26のベルト滑りが発生しないようにしつつ無段変速機26の目標変速比γtgtを達成するように、アクセル開度Acc及び車速Vなどに基づいて、プライマリ圧Pinの目標値(以下、目標プライマリ圧Pintgtという)と、セカンダリ圧Poutの目標値(以下、目標セカンダリ圧Pouttgt)とを決定し、目標プライマリ圧Pintgtと目標セカンダリ圧Pouttgtとに各々対応する油圧制御指令信号Scvtを油圧制御回路50へ出力する。
具体的には、変速制御部64は、予め実験的に或いは設計的に求められて記憶された(すなわち予め定められた)関係(例えば変速マップ)に車速V及びアクセル開度Accを適用することで目標入力軸回転速度Nintgtを設定する。変速制御部64は、その目標入力軸回転速度Nintgtに基づいて目標変速比γtgt(=Nintgt/Nout)を算出する。又、変速制御部64は、予め定められた関係(例えばベルト挟圧マップ)に変速比γ及び無段変速機18の入力トルクTinを適用することで目標セカンダリ圧Pouttgtを設定する。変速制御部64は、目標セカンダリ圧Pouttgtに基づいて目標セカンダリ推力Wouttgt(=Pouttgt×受圧面積)を算出する。変速制御部64は、目標変速比γtgtと目標変速比γtgtを実現する為の推力比τ(=Wout/Win)との予め定められた関係(推力比マップ)に目標変速比γtgtを適用することで推力比τを算出する。変速制御部64は、その算出した推力比τと目標セカンダリ推力Wouttgtとに基づいて目標プライマリ推力Wintgt(=Wouttgt/τ)を算出する。変速制御部64は、目標プライマリ推力Wintgtに基づいて目標プライマリ圧Pintgt(=Wintgt/受圧面積)を算出する。変速制御部64は、例えばフィードフォワード制御により、目標プライマリ圧Pintgtが得られるプライマリ指示油圧Pins及び目標セカンダリ圧Pouttgtが得られるセカンダリ指示油圧Poutsを決定し、プライマリ指示油圧Pins及びセカンダリ指示油圧Poutsを油圧制御指令信号Scvtとして油圧制御回路50へ出力する。油圧制御回路50は、その油圧制御指令信号Scvtに従って、プライマリ圧Pin及びセカンダリ圧Poutを調圧する。このプライマリ指示油圧Pinsは、変速比γが目標変速比γtgtと一致するようにフィードバック制御により補正されても良い。又、このセカンダリ指示油圧Poutsは、セカンダリ圧センサによるセカンダリ圧Poutの検出値が目標セカンダリ圧Pouttgtと一致するようにフィードバック制御により補正されても良い。
ここで、図2を参照して、プライマリプーリ36におけるナット90の耐久性について説明する。無段変速機26の変速比γが最大変速比γmaxのときには、可動シーブ36bがナット90側の方向への移動がそのナット90によって阻止された状態である為、可動シーブ36bや油圧シリンダ84を介して伝動ベルト40の反力(以下、ベルト反力という;図中の矢印A参照)がナット90へ入力される。これに伴って、ナット90には、歪み(応力)が発生する。ナット90には、元々、ナット締結に伴う初期軸力(図中の矢印B参照)が入力されている。ベルト反力は、無段変速機18の入力トルクTinに応じたベルト挟圧力が大きい程大きくされる。無段変速機26のベルト挟圧力が大きくなれば、上記初期軸力を超えるベルト反力がナット90へ入力される。又、ベルト反力は、伝動ベルト40の掛かり側の方が掛かってない側の方よりも大きい。その為、図3に示すように、ベルト反力の入力に伴うナット90の歪みは、一定値とならず、平均歪みを挟んで変動する為、この変動がナット90の歪み振幅となって現れる。このナット90の歪み振幅が大きい程、ナット90の負荷が増大すると考えられる。このようなことから、無段変速機26の変速比γが最大変速比γmaxのときは、ナット90の耐久性上、好ましい走行状態ではない。
ナット90の平均歪みを低減すれば、ナット90の耐久性が向上すると考えられる。図4に示すように、ナット90の平均歪みは、セカンダリ圧Poutが大きい程大きくされ、プライマリ圧Pinが大きい程、緩やかではあるが大きくされる。その為、ナット90の平均歪みを低減することは、無段変速機26のベルト挟圧力を下げることに繋がり、ベルト滑りを防止し難くなる可能性がある。
一方で、ナット90の歪み振幅を抑えることでも、ナット90の耐久性が向上すると考えられる。図5に示すように、ナット90の歪み振幅は、セカンダリ圧Poutが大きい程大きくされるが、プライマリ圧Pinが大きくされると小さくされる。プライマリ圧Pinが大きくされると、ナット90の平均歪みは大きくされるが、平均歪みの上昇は緩やかであり、平均歪みの上昇によるナット90の負荷増大よりも、ナット90の歪み振幅が急減することによるナット90の負荷低減効果の方が大きい。
ところで、前述したように、無段変速機26の変速比γを最大変速比γmaxとするときには、プライマリ圧Pinを供給する必要がない。見方を換えれば、プライマリ圧Pinを供給することで、無段変速機26の変速比γを最大変速比γmaxに維持できなくなる可能性がある。目標変速比γtgtを実現する為の推力比τ(=Wout/Win)は予め定められており、推力比τが大きくされる程、変速比γが大きくされる(すなわち無段変速機26はダウンシフトされる)。つまり、最大変速比γmaxを維持できる最小の推力比τの値がある。プライマリ圧Pinを供給すれば推力比τは小さくされるが、最小の推力比τ以上の値であれば最大変速比γmaxを維持できる。従って、最大変速比γmaxを維持できる範囲でプライマリ圧Pinを供給して、ナット90の歪み振幅を低減する。図5から分かるように、セカンダリ圧Poutが大きい程、プライマリ圧Pinを大きくしなければ、ナット90の歪み振幅を低減することはできない。セカンダリ圧Poutのプライマリ圧Pinに対する比(以下、プーリ油圧比Pr(=Pout/Pin)という)の値を所定値以下として、ナット90の歪み振幅を低減する。この所定値は、例えばナット90の負荷の改善効果が十分に得られる為の予め定められたプーリ油圧比Prの上限値である。
変速制御部64は、無段変速機26の変速比γを最大変速比γmaxとして走行するときには、最大変速比γmaxを維持できる範囲で、プーリ油圧比Prの値が前記所定値以下となるように、プライマリ圧Pinを付与する。つまり、変速制御部64は、最大変速比γmaxでの走行中には、プーリ油圧比Prの値を、最大変速比γmaxを維持できる最小の推力比τの値となるプーリ油圧比Prの値以上、且つ、前記所定値以下とするように、プライマリ圧Pinを付与する油圧制御指令信号Scvtを油圧制御回路50へ出力する。
図6は、電子制御装置60の制御作動の要部すなわち無段変速機26の変速比γを最大変速比γmaxとして走行する際に、プライマリプーリ36の可動シーブ36bの移動を阻止するナット90の耐久性を向上する為の制御作動を説明するフローチャートであり、例えば車両10の走行中に繰り返し実行される。
図6において、先ず、変速制御部64の機能に対応するステップ(以下、ステップを省略する)S10において、無段変速機26の変速比γが最大変速比γmaxであるか否かが判断される。或いは、無段変速機26の目標変速比γtgtが最大変速比γmaxであるか否かが判断されても良い。このS10の判断が否定される場合は、本ルーチンが終了させられる。このS10の判断が肯定される場合は変速制御部64の機能に対応するS20において、最大変速比γmaxを維持できる範囲でプーリ油圧比Prの値が前記所定値以下となるようにプライマリ圧Pinが付与される。
上述のように、本実施例によれば、無段変速機26の変速比γを最大変速比γmaxとして走行するときには、最大変速比γmaxが維持され得る範囲で、プーリ油圧比Prの値が前記所定値以下となるように、プライマリ圧Pinが付与されるので、プライマリプーリ36の可動シーブ36bをナット90側とは反対側へ移動させる為の推力が可動シーブ36bに作用させられる。その為、ナット90へ入力されるベルト反力が抑制され、ナット90の応力が低下する。又、プライマリ圧Pinによるダンピング効果よって、ナット90へ入力されるベルト反力の変動が緩和され、ナット90の応力の変動も緩和される。よって、無段変速機26の変速比γを最大変速比γmaxとして走行する際に、プライマリプーリ36の可動シーブ36bの移動を阻止するナット90の耐久性を向上することができる。
また、本実施例によれば、ベルト反力が抑制されたり、又、プライマリ圧Pinによるダンピング効果よって、プライマリプーリ36の油圧アクチュエータ36cにおけるピストンの摩耗や座屈を低減することができる。ナット90の応力が低下したり、又、ナット90の応力の変動が緩和されることで、ナット90の負荷が緩和され、ナット90を含むねじ部分の耐久性が向上される。これにより、ねじ部分の構造を簡易化でき、その構造の自由度が増す。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
例えば、前述の実施例では、プライマリプーリ36の油圧アクチュエータ36cは、ダブルピストン構造を採用して、油圧シリンダ84内に直列した2つの油室86,88を有していたが、この態様に限らない。図7は、プライマリプーリ36を拡大して示す断面図であって、図2とは別の実施態様を示す図である。図7において、プライマリプーリ36の油圧アクチュエータ36cは、油圧シリンダ92を備えて、その油圧シリンダ92内に1つの油室94を有している。この油室94に供給されるプライマリ圧Pinによって発生するプライマリ推力Winによって、可動シーブ36bが固定シーブ36a側へ押圧される。又、油圧シリンダ92は、ナット90に当接する状態で、そのナット90によって入力軸24の軸心C方向の移動不能に固定されている。又、可動シーブ36bは、油圧シリンダ92に当接する状態で、軸心C1方向においてナット90側の方向への移動がそのナット90によって阻止され、プライマリプーリ36のV溝幅が最大とされる。図7に示すような構造のプライマリプーリ36であっても、本発明を適用することができる。
また、前述の実施例では、無段変速機26の変速比γを最大変速比γmaxとして走行するときにプライマリ圧Pinを付与したが、この態様に限らない。例えば、最大変速比γmaxでの走行中であって、ナット90の耐久性上好ましくない走行状態となる無段変速機18の入力トルクTinが付与されるような、アクセルオンの駆動走行時には、プライマリ圧Pinを付与し、最大変速比γmaxでの走行中であっても、アクセルオフの惰性走行時(換言すれば、被駆動走行時)には、プライマリ圧Pinを付与しないという実施態様であっても良い。
また、前述の実施例において、最大変速比γmaxを維持する範囲は、プライマリプーリ36の可動シーブ36bがピストンに当接したままの状態(或いは可動シーブ36bが油圧シリンダ92に当接したままの状態)であるが、この態様に限らない。例えば、最大変速比γmaxを維持する範囲は、略最大変速比γmaxを維持する範囲でも良く、可動シーブ36bがピストンと僅かに離間した状態(或いは可動シーブ36bが油圧シリンダ92と僅かに離間した状態)を含んでも良い。僅かに離間させる場合には、ナット90の応力が一層低下するし、又、ナット90の応力の変動も一層緩和される。最大変速比γmaxでの走行時は、車両10の発進時、加速時等がある。又、入力軸と出力軸との間に、無段変速機を介した動力伝達経路Aと、動力伝達経路Aとは別のギヤ機構を介した動力伝達経路Bとを有している動力伝達装置であって、動力伝達経路Bでは最大変速比γmaxよりも大きな変速比が形成される場合、動力伝達経路Bを用いた走行から動力伝達経路Aを用いた走行へ切り替える走行中には、無段変速機26の変速比γを最大変速比γmaxとして走行する。
また、前述の実施例では、前記駆動力源として、エンジン12を例示したが、この態様に限らない。例えば、前記駆動力源は、内燃機関等のエンジンが用いられるが、電動機等の他の原動機を単独で或いはエンジン12と組み合わせて採用することもできる。又、エンジン12の動力は、トルクコンバータ18を介して、無段変速機26へ伝達されたが、この態様に限らない。例えば、トルクコンバータ18に替えて、トルク増幅作用のない流体継手(フルードカップリング)などの他の流体式伝動装置が用いられても良い。或いは、この流体式伝動装置は必ずしも設けられなくても良い。又、無段変速機26の伝達要素として、伝動ベルト40を例示したが、この態様に限らない。例えば、伝達要素は、伝動チェーンであっても良い。この場合、無段変速機はチェーン式無段変速機となるが、広義には、ベルト式無段変速機の概念にチェーン式無段変速機を含んでも良い。
尚、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
12:エンジン(駆動力源)
14:駆動輪
16:動力伝達装置
24:入力軸
26:無段変速機
28:出力軸
36:プライマリプーリ
36b:可動シーブ
38:セカンダリプーリ
40:伝動ベルト(伝達要素)
50:油圧制御回路
60:電子制御装置(制御装置)
64:変速制御部
84,92:油圧シリンダ
90:ナット(固定部材)

Claims (1)

  1. 入力軸に設けられたプライマリプーリと出力軸に設けられたセカンダリプーリと前記各プーリに巻き掛けられた伝達要素とを有して駆動力源の動力を駆動輪側へ伝達する無段変速機と、前記各プーリへ各プーリ油圧を供給する油圧制御回路とを備え、前記プライマリプーリの油圧シリンダは固定部材によって前記入力軸の軸心方向の移動不能に固定されており、前記伝達要素の滑りを防止する為のセカンダリプーリ油圧が付与され、且つプライマリプーリ油圧が付与されないことで前記プライマリプーリの可動シーブの前記固定部材側への移動が前記固定部材によって阻止された状態では、前記無段変速機の変速比が最大変速比とされる動力伝達装置の、制御装置であって、
    前記無段変速機の変速比を前記最大変速比として走行するときには、前記最大変速比を維持できる範囲で、前記セカンダリプーリ油圧の前記プライマリプーリ油圧に対する比の値が所定値以下となるように、前記プライマリプーリ油圧を付与する変速制御部を含むものであり、
    前記所定値は、前記固定部材へ入力される前記伝達要素の反力に伴う前記固定部材の応力の変動を抑制する為の予め定められた前記比の値の上限値であることを特徴とする動力伝達装置の制御装置。
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