JP6634678B2 - 振動子、発振器、電子機器、および移動体 - Google Patents

振動子、発振器、電子機器、および移動体 Download PDF

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Description

本発明は、振動子、それを用いた発振器、電子機器、ならびに移動体に関する。
従来、振動素子がパッケージに導電性接着剤や共晶合金を接合材として接続された振動子が知られている。例えば特許文献1に記載されている圧電デバイス(振動子)では、振動素子(水晶片)を気密に封止するパッケージのベースに設けられた凹状の穴内において、振動素子の一方の外周端部が共晶合金によってベースに接合されている。そして、振動素子の他方の外周端部は、ベースに設けられている枕台(スペーサー)に支えられている。このように、振動素子は、枕台を枕として共晶合金によってベースと空隙を有して接続され、パッケージ内に収納されている。
特開2004−80711号公報
上述したような振動子は、例えば回路基板に半田実装する際のリフロー炉への投入やOCXO(Oven Controlled Xtal Oscillator:温度制御型水晶発振器)に用いる場合など、外部から加熱されることがある。このように、振動子が加熱された場合、熱膨張によってパッケージが反ってしまうなどの変形を生じ、枕台と振動素子とが接触したり、枕台と振動素子との接触によって生じている応力が変化したりして、振動子の特性(例えば、周波数温度特性)が劣化してしまうなどの影響を与えてしまう虞を有していた。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例に係る振動子は、振動素子と、前記振動素子の外周端部に設けられている接続部と、前記接続部と異なる位置の前記外周端部に設けられている支持部と、を備え、前記接続部は、前記振動素子の中心を通る第1軸上、または前記第1軸と直交し、前記振動素子の中心を通る第2軸上に設けられ、前記支持部は、前記接続部の設けられている前記第1軸、または前記第2軸を、前記振動素子の中心を基点として90°回転した第3軸に対して、±10°の領域の前記外周端部に設けられていることを特徴とする。
本適用例によれば、接続部は、振動素子の中心を通る第1軸上と、第1軸に直交し振動素子の中心を通る第2軸上のいずれかに設けられている。また、支持部は、接続部の設けられている第1軸、または第2軸を、振動素子の中心を基点として90°回転した第3軸に対して、±10°の領域の外周端部に設けられている。この配置により、接続部と支持部とが概ね90°ずれるため、振動素子の振動領域を間に挟まずに、接続部と支持部とを配置することができる。これにより、加熱されたパッケージに反りなどの変形が生じ、接続部と支持部との間の応力が大きくなっても、振動領域に与える影響を減少させることができる。また、加えて、振動素子を支えることができる接続部と支持部との位置関係にあって、接続部と支持部との間の距離を短くすることができるため、加熱されたパッケージの変形量(反り量)を減少させることができる。
これらにより、振動子が外部から加熱され、熱膨張によってパッケージに反りなどの変形を生じた場合に、振動素子の特性にその影響を与え難くなり、例えば温度特性などの振動子の特性劣化を防止することが可能となる。
[適用例2]上記適用例に記載の振動子において、前記支持部は、前記接続部の配置された前記第1軸または前記第2軸に対して両側に一つずつ設けられていることが好ましい。
本適用例によれば、接続部および支持部が、接続部を一つの頂点とした三点で配置されるため、振動素子の接続姿勢をより安定化させることが可能となる。
[適用例3]上記適用例に記載の振動子において、前記振動素子は、水晶から形成された水晶振動素子であり、前記第1軸は、水晶結晶軸のX軸に対して、10°傾いていることが好ましい。
本適用例によれば、水晶結晶軸の電気軸であるX軸に対して10°傾いている第1軸上に接続部あるいは支持部が設けられている。このような、X軸に対して10°傾いている第1軸(接続部あるいは支持部)を備えた水晶振動素子(SCカット水晶振動素子)は、応力が加わった場合の特性に対する影響を小さくすることが可能であり、例えば温度特性などを向上させることができる。
[適用例4]上記適用例に記載の振動子において、ベース基板を有し、前記接続部および前記支持部は、前記ベース基板の一方側に配置され、前記ベース基板の前記一方側と表裏の関係にある他方側に加熱素子が設けられていることが好ましい。
本適用例によれば、加熱素子によって加熱されたベース基板の熱エネルギーを接続部および/または支持部を介して振動素子に伝導することが可能となる。これにより、振動素子を所定の恒温状態に保つことが可能となり、使用環境の温度変化による周波数精度を高めた振動子を提供することが可能となる。
[適用例5]上記適用例に記載の振動子において、前記支持部は、前記ベース基板の一方側に形成された金属バンプであることが好ましい。
本適用例によれば、金属バンプで支持部を構成することにより、例えばワイヤーボンディング法などの簡便な方法で熱伝導性の高い支持部を設けることが可能となる。
[適用例6]上記適用例に記載の振動子において、前記加熱素子が設けられている領域の前記ベース基板と前記加熱素子の間には、熱伝導層が設けられていることが好ましい。
本適用例によれば、加熱素子によって生じた熱エネルギーを熱伝導層によって広い面積に拡散することができ、広い面積でベース基板を加熱することができる。これによりベース基板を均一な温度で温める(加温する)ことが可能となる。
[適用例7]上記適用例に記載の振動子において、前記加熱素子は、パワートランジスターであることが好ましい。
本適用例によれば、パワートランジスターによって発生させた熱を、有効にベース(パッケージ)の加熱に利用することができ、即ち振動素子を有効に加熱することができる。これにより、加熱効率を高めることができる。
[適用例8]上記適用例に記載の振動子において、前記ベース基板の厚みをTとし、前記支持部の前記ベース基板からの高さをΔtとし、前記接続部の設けられている前記第1軸上または前記第2軸上における前記振動素子の長さをLとしたとき、
0.0018×L/T≦Δtの関係に構成されていることが好ましい。
本適用例によれば、加熱によるベース基板の変形を生じても、ベース基板と振動素子との接触の発生を防止することができる、これにより、振動素子にベース基板が接触することによる振動子の特性劣化を防止することが可能となる。
[適用例9]本適用例に係る発振器は、上記適用例のいずれか一例に記載の振動子と、前記振動子と電気的に接続されている回路素子と、前記振動子、および前記回路素子を搭載しているパッケージと、を備えていることを特徴とする。
本適用例によれば、温度特性などの振動特性を向上させた振動子と回路素子とを用いているため、特性の安定した発振器を提供することが可能となる。また、所定の恒温状態に保たれた振動素子を備えた振動子を用いることにより、使用環境の温度変化による特性変動を抑制した発振器を提供することが可能となる。
[適用例10]本適用例に係る電子機器は、上記適用例のいずれか一例に記載の振動子を備えていること特徴とする。
本適用例によれば、温度特性などの振動特性を向上させた振動子を用いているため、特性の安定した電子機器を提供することが可能となる。また、所定の恒温状態に保たれた振動子を用いることにより、使用環境の温度変化による特性変動を抑制した電子機器とすることが可能となる。
[適用例11]本適用例に係る移動体は、上記適用例のいずれか一例に記載の振動子を備えていること特徴とする。
本適用例によれば、温度特性などの振動特性を向上させた振動子を用いているため、特性の安定した移動体を提供することが可能となる。また、所定の恒温状態に保たれた振動素子を備えた振動子を用いることにより、使用環境の温度変化による特性変動を抑制した移動体とすることが可能となる。
本発明の第1実施形態に係る振動子の概略を示し、(a)は蓋部材および振動素子を省略(透視)した平面図、(b)は(a)のA−A断面図。 振動素子の概略を示し、(a)は平面図、(b)は正面図。 変形例に係る振動子の概略構成と加熱による振動子の変形を説明する図であり、(a)は変形の概略を示す正面図、(b)は変形量を示すグラフ。 (a)は本発明に係る振動子の周波数温度特性を示すグラフ、(b)は比較例に係る振動子の周波数温度特性を示すグラフ。 (a)は本発明に係る振動子の起動時間を示すグラフ、(b)は比較例に係る振動子の起動時間を示すグラフ。 振動素子の接続部における変形例を示す平面図。 変形例の振動素子を用いた振動子のリフロー特性(周波数変化)を示すグラフ。 本発明の第2実施形態に係る発振器の概略を示す正断面図。 電子機器の一例としてのモバイル型のパーソナルコンピューターの構成を示す斜視図。 電子機器の一例としての携帯電話機の構成を示す斜視図。 電子機器の一例としてのデジタルスチールカメラの構成を示す斜視図。 移動体の一例としての自動車の構成を示す斜視図。
以下、本発明の好適な実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
<第1実施形態>
図1および図2を用い、本発明の第1実施形態に係る振動子について説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る振動子の概略を示し、図1(a)は、蓋部材および振動素子を省略(透視)した平面図であり、図1(b)は、図1(a)のA−A断面図である。また、図2は、第1実施形態に係る振動子に用いられる振動素子の概略を示し、図2(a)は平面図、図2(b)は正面図である。
(振動子)
図1(a)、図1(b)に示す振動子1は、振動素子15と、振動素子15を収納するパッケージ13と、振動素子15をパッケージ13に接続する接続部20と、振動素子15を保持する支持部としての第1支持部25および第2支持部28と、パッケージ13との間に収納空間としての内部空間14を形成する蓋体としてのリッド26とを有している。以下、振動素子15、パッケージ13、接続部20、第1支持部25、第2支持部28、およびリッド26について順次詳細に説明する。
(振動素子)
図2(a)、図2(b)に示す振動素子15は、圧電材料の一例としての水晶により形成された水晶基板(圧電基板)が用いられている。水晶等の圧電材料は三方晶系に属し、互いに直交する結晶軸X、Y、Zを有する。X軸、Y軸、Z軸は、夫々電気軸、機械軸、光学軸と呼称される。そして。本実施形態に係る水晶基板は、SCカット水晶基板を好適に用いることができる。SCカット水晶基板は、Z軸の回りに時計方向にX軸をφ=3°以上30°以下回転させて設定したX’軸に平行な辺を有し、X’軸の回りに時計方向にZ軸をψ=33°以上36°以下回転させたZ’軸に平行な辺を有する、所謂ダブルローテーションカットの水晶基板の内、φ=約22°、ψ=約34°としたときの水晶基板である。なお、水晶基板は、XZ面をX軸の回りに所定の角度θだけ回転させた平面に沿って、水晶から切り出された水晶基板であってもよく、例えば、角度θを略35°15′としたATカット水晶基板であってもよい。
図2(a)、図2(b)に示す振動素子15は、所定の厚さ(Y軸方向寸法)のSCカット水晶基板(圧電基板)から切り出された円盤状の素子片18に、種々の電極が形成されている。本例では、種々の電極として、表側の主面に形成された励振電極16および励振電極16から外周縁29に向って延出している接続電極27と、表の主面と表裏の関係にある裏側の主面に形成された励振電極17および図示しない接続電極とが設けられている。表裏の励振電極16,17は、素子片18の中央部に略円形をなして設けられている。
また、表側の接続電極27および裏側の図示しない接続電極は、X軸の両側にあってX軸に沿って延びる端辺27a,27bを有し、励振電極16,17から延出されている。なお、裏側の図示しない接続電極は、素子片18をY軸方向から見た平面視で、表側の接続電極27と略重なる位置に配置される。そして、表側の接続電極27および裏側の図示しない接続電極は、接続電極27のZ軸方向の両端辺27a,27bと振動素子15の外周縁29とが交差する交点と中心Gとを通る仮想線LW1,LW2のそれぞれと、X軸に沿った振動素子15の中心線C1との角度が、±10°となるように構成することが好適である。
このような構成の接続電極27および裏側の図示しない接続電極の内に接続部20を配置することにより、後述する振動素子15とパッケージ13(図1参照)との接続において、好適な位置に容易に接続部20を設けることが可能となる。換言すれば、上述のような構成の接続電極27および裏側の図示しない接続電極は、接続部20を好適な位置に配置するための目印として用いることができる。
(パッケージ)
図1(a)、図1(b)に示すベース基板としてのパッケージ13は、底板11と、底板11の表面周縁部に設けられている枠状の側壁12と、側壁12の上面に設けられている図示しない接合材としてのシームリングとを有している。パッケージ13は、振動素子15を収納するものである。
ベース基板としてのパッケージ13は、上面に開放する凹部(内部空間14)を有している。凹部の開口は、接合材としてのシームリング(図示せず)を介して側壁12に接合されている蓋部材としてのリッド26によって塞がれている。そして、パッケージ13の凹部の開口が塞がれて密封された内部空間14が形成される。密封された内部空間14は、その内部圧力を所望の気圧に設定できる。例えば、内部空間14に窒素ガスを充填しての大気圧としたり、真空(通常の大気圧より低い圧力(1×105Pa〜1×10-10Pa以下(JIS Z 8126−1:1999))の気体で満たされた空間の状態)としたりすることで、より安定した振動素子15の振動を継続することができる。なお、本実施形態の内部空間14は、上記の真空に設定されている。
枠状の側壁12は、略矩形状の周状に設けられており、換言すれば、上記凹部の上面に開口する開口形状が略矩形状をなしている。この板状の底板11と枠状の側壁12に囲まれた凹部が振動素子15を収納する内部空間(収納空間)14となる。枠状の側壁12の上面には、例えばコバール等の合金で形成されたシームリング(図示せず)が設けられている。シームリングは、蓋部材としてのリッド26と側壁12との接合材としての機能を有しており、側壁12の上面に沿って枠状(略矩形状の周状)に設けられている。
パッケージ13は、振動素子15やリッド26の熱膨張係数と一致、あるいは極力近い熱膨張係数を備えた材料によって形成され、本例では、セラミックを用いている。パッケージ13は、所定の形状に成形されたグリーンシートを積層し、焼結することによって形成される。なお、グリーンシートは、例えば所定の溶液中にセラミックのパウダーを分散させ、バインダーを添加して生成される混練物がシート状に形成された物である。
パッケージ13の底部を構成する底板11の内面には、PAD電極22,23が形成されている。PAD電極22,23は、例えば、銀・パラジウムなどの導電ペーストあるいはタングステンメタライズなどを用い、必要とされる形状を形成後に焼成を行い、その後ニッケルおよび金あるいは銀などをメッキすることによって形成される。PAD電極22,23は、後述する振動素子15の表側の接続電極27および図示しない裏側の接続電極と接続されるように、本例では2箇所に設けられている。また、底板11の外面(裏面)には、金属層である熱伝導層9や端子電極8を含む電極端子などが設けられている。熱伝導層9、および端子電極8は、例えば、焼成された銀・パラジウムなどの層に、ニッケルおよび金あるいは銀などをメッキすることによって形成することができる。なお、PAD電極22,23は、パッケージ13の外面(裏面)の端子電極8と電気的に接続されてもよい。
振動素子15は、パッケージ13の側壁12に囲まれた凹部内に収納され、裏側の接続電極(図示せず)とPAD電極23とが対向するように配置されている。パッケージ13の底板11の内底面には、振動素子15の外周端部に対向する位置に、複数の凸部19を含む接続部20と、支持部としての第1支持部25および第2支持部28とが設けられている。そして、振動素子15は、接続部20、第1支持部25、および第2支持部28の上に載置され、接続部20を介して接合材としての導電性接着剤21によってパッケージ13の底板11に接続されている。また、表側の接続電極27は、金属配線(ボンディングワイヤー)24によって、PAD電極22と電気的に接続されている。
ここで、接続部20と振動素子15との接続について詳細に説明する。振動素子15の外周端部に設けられている接続部20は、パッケージ13の底板11の内底面に設けられた複数(本例では4個)の凸部19を有している。そして、接続部20では、複数の凸部19の上面に振動素子15の裏側の接続電極(図示せず)が対向するように振動素子15が載置され、導電性接着剤21によって固定および電気的接続が行われている。導電性接着剤21は、複数の凸部19の上面と振動素子15との間、複数の凸部19どうしの間、および複数の凸部19の周囲に設けられている。このように、導電性接着剤21が配設されていることにより、接続の表面積が大きくなり、接続強度を高めることができる。加えて、それぞれの凸部19間の小空間(スリット)に導電性接着剤21が毛細管現象によって配設されるためボイドが生じ難く、ボイドによる接続強度の低下を抑制することが可能となる。
凸部19は、例えば金(Au)などの金属を用いたスタッドバンプ、あるいは半田バンプなどによって構成される。なお、本例では、4個の凸部19が配置された構成を例示しているが、これに限らない。凸部19は、振動素子15の載置が好適にできること、および振動素子15との接続を好適に行うことができればよく、単数であってもよいし、4個以外の複数であってもよい。また、凸部19の配置は、規則性を有していない、所謂ランダムの配置であってもよい。
また、接続部20は、振動素子15の外周端部に有って、振動素子15の中心Gを通る第1軸としての第1中心線CL1上、或いは第1中心線CL1と直交し、振動素子15の中心Gを通る第2軸としての第2中心線CL2上に設けられることが好ましい。本構成では、図2(a)に示すX軸と図1(a)に示す第1中心線CL1とが重なる位置に、振動素子15が配置されている。なお、本例では、接続部20が、第1中心線CL1上の振動素子15の外周端部に設けられている構成を例示している。さらに、接続部20は、第1中心線CL1に対して±10°以内の位置に設けること、即ち、振動素子15のX軸に対して±10°以内の位置に設けることが好ましい。発明者らは、後述するデータを含む各種確認結果から、少なくとも±10°以内に接続部20を位置させることにより、後述する好適な特性を得ることができることを確認することができた。
なお、本明細書中における振動素子15の外周端部とは、図2(a)に斜め線のハッチングで示すような振動素子15の外周縁29に沿った帯状の領域であって、主面を正面において、その方向から視認する平面視において、外周縁29から内側に励振電極16,17までの間に位置する領域をいう。
振動素子15の外周端部に設けられている支持部としての第1支持部25および第2支持部28は、パッケージ13の底板11の内底面から突起状に設けられている。そして、第1支持部25および第2支持部28は、接続部20が配置されている第1中心線CL1と直交する第2中心線CL2に対して±10°の領域内に設けられている。即ち、接続部20と第1支持部25および第2支持部28とは、接続部20を頂点とした二等辺三角形の他の頂点の位置に概ね配置されることになる。なお、換言すると、本例における第1支持部25および第2支持部28は、接続部20の設けられている第1軸としての第1中心線CL1を、振動素子15の中心Gを基点として90°回転した第3軸としての第2中心線CL2に対して、±10°の領域内の外周端部に設けられていると言える。
このような範囲内に、第1支持部25および第2支持部28を配置することにより、前述の接続部20の配置と同様に後述する好適な特性を得ることができる。つまり、振動素子15の主面(表裏面)を正面において、その方向から視認する平面視で、接続部20と第1支持部25および第2支持部28との間に振動素子15の振動領域(励振電極16,17)を挟まずに、接続部20と第1支持部25および第2支持部28とを配置することができる。これにより、加熱されたパッケージ13に反りなどの変形が生じ、接続部20と第1支持部25および第2支持部28との間の応力が大きくなったり、変化したりしても、振動領域に与える影響を減少させることができる。また、加えて、振動素子15を支えることができる接続部20と第1支持部25および第2支持部28との位置関係にあって、接続部20と第1支持部25および第2支持部28との間の距離を短くすることができるため、加熱されたパッケージ13の変形量(反り量)を減少させることができる。
なお、接続部20が第2中心線CL2上に配置されている場合は、第1支持部25および第2支持部28が、第1中心線CL1上に配置されることになる。
また、支持部を構成する第1支持部25および第2支持部28は、第2中心線CL2に対して両側に一つずつ設けられていることが好ましい。このように、第1支持部25および第2支持部28が配置されていることにより、接続部20および支持部(第1支持部25および第2支持部28)が、接続部20を一つの頂点とした三点で配置されるため、振動素子15の接続姿勢をより安定化させることが可能となる。
また、第1支持部25および第2支持部28は、接続部20と併せて振動素子15を支える保持機能を有している。第1支持部25および第2支持部28は、平面視で振動素子15の少なくとも一部が重なるように設けられていればよく、パッケージ13の底板11の内底面に設けられたパッド6,7上に、金(Au)などの金属を用いた金属バンプである、例えばスタッドバンプ、金属メッキバンプ、あるいは半田バンプなどによって容易に形成することができる。なお、第1支持部25および第2支持部28は、パッケージ13の底板11の内底面に直接設けられる構成でもよい。
このように設けられた第1支持部25および第2支持部28によって、振動素子15が支えられるため、振動素子15の他端側、即ち接続部20と反対側の振動素子15の端部の変位を抑制することが可能となる。これにより、振動素子15の接続姿勢を安定させることができ、さらには耐衝撃性を向上させることができる。また、振動素子15を接続部20上に載置し、導電性接着剤21によって接続する際にも、振動素子15の姿勢を安定させること、即ち振動素子15が他端側、即ち接続部20と反対側の振動素子15の端部に傾いてしまうことを防止することができ、振動素子15の接続を簡便に行うことが可能となる。
(蓋部材としてのリッド)
リッド26は、板状の部材であり、パッケージ13の上面に開放する凹部の開口を塞ぎ、凹部の開口の周囲を、例えばシーム溶接法などを用いて接合されている。本例のリッド26は、板状であるため、形成が行い易く、さらには形状の安定性にも優れる。また、本例のリッド26には、コバールの板材が用いられている。リッド26にコバールの板を用いることで封止の際に、コバールで形成されているシームリングとリッド26とが同じ溶融状態で溶融され、さらには合金化もされ易いため封止を容易に、且つ確実に行うことができる。なお、リッド26には、コバールに換えて他の材料の板材を用いてもよく、例えば、42アロイ、ステンレス鋼などの金属材料、またはパッケージ13の側壁12と同材料などを用いることができる。
また、上述した第1支持部25および第2支持部28は、下記式(1)のような関係に、その高さΔtを構成することが好ましい。これについて、変形例に係る振動子1Aを用い、図3を参照して説明する。図3は、変形例に係る振動子1Aの概略構成と、加熱による変形を説明する図であり、図3(a)は、正面図、図3(b)は、変形量を示すグラフである。なお、図3(a)では、説明の便宜上、図1および図2で説明した振動子1と同じ構成部位である、例えばパッケージを構成する側壁やリッドなどの他の部位を省略している。また、同様な構成については、同符号を付して説明を省略することがある。
0.0018×L/T≦Δt・・・(1)
このとき、図3(a)に示すように、第1支持部25および第2支持部28の底板(ベース基板)11Aからの高さをΔt、底板(ベース基板)11Aの厚さをT、接続部20の設けられている第1中心線CL1(図1参照)上または第2中心線CL2(図1参照)上における振動素子15の長さをLとする。
(振動子の変形例)
図3(a)に示す、変形例に係る振動子1Aは、パッケージを構成するベース基板としての底板11Aの振動素子15の配置されている一方側と表裏の関係となる他方側に、パワートランジスターなどの加熱素子30が接続されている。また、加熱素子30が設けられている領域のベース基板としての底板11Aと加熱素子30の間には、熱伝導層31が設けられている。そして、振動素子15は、接続部20によって底板11Aに接続されている。このような構成の振動子1Aでは、加熱素子30によって底板11Aが加熱されると、底板11Aは、図中矢印の方向に反りを生じ、2点鎖線で示す底板11Bのように変形する。図3(b)のグラフには、底板11Aの厚さTと底板11Aの端部における変形量ΔTとの関係が示されている。図3(b)に示されているように、底板11Aの厚さTと変形量ΔTには相関が見られ、底板11Aの厚さTが小さい(底板11Aが薄い)程、変形量ΔTが大きくなることが分かる。
しかしながら、上述の式(1)に示すような関係で、第1支持部25および第2支持部28の高さΔtを構成することにより、例えば、加熱素子30による加熱によって底板11Aに変形を生じても、底板11Aと振動素子15との接触の発生を防止することができる、これにより、振動素子15に底板11Aが接触することによる振動子1Aの特性劣化を防止することが可能となる。
図3(a)に示す振動子1Aによれば、パワートランジスターなどの加熱素子30によって加熱された底板11Aの熱エネルギーを接続部20および/または支持部(第1支持部25、第2支持部28)を介して有効に振動素子15に伝導することが可能となる。これにより、振動素子15を所定の恒温状態に保つことが可能となり、使用環境の温度変化による周波数精度を高めた振動子1Aを提供することが可能となる。
また、底板11Aと加熱素子30の間に熱伝導層31が設けられていることから、加熱素子30によって生じた熱エネルギーを熱伝導層31によって広い面積に拡散することができ、広い面積で底板11Aを加熱することができる。これにより底板11Aを均一な温度で温める(加温する)ことが可能となる。
なお、上述の振動子1,1Aにおける接続部20、第1支持部25、および第2支持部28は、例えばパッケージ13の底板11の一部として構成してもよいし、あるいは電極パターンの一部として設けるなどでもよい。
また、上述の例では、支持部として第1支持部25および第2支持部28が設けられている例で説明したが、支持部の数は問わない。
第1実施形態に係る振動子1および変形例に係る振動子1Aによれば、接続部20は、第1軸としての第1中心線CL1上に設けられており、支持部としての第1支持部25および第2支持部28は、接続部20の設けられている第1中心線CL1に対して90°±10°の領域の内にある第2中心線CL2上に設けられている。このような配置により、平面視で、振動素子15の振動領域(励振電極16,17)を間に挟まずに、接続部20と第1支持部25および第2支持部28とを配置することができる。これにより、加熱されたパッケージ13に反りなどの変形が生じ、接続部20と第1支持部25および第2支持部28との間の応力が大きくなったり、変化したりしても、振動領域に与える影響を減少させることができる。
また、加えて、振動素子15を支えることができる接続部20と第1支持部25および第2支持部28との位置関係にあって、接続部20と第1支持部25および第2支持部28との間の距離を短くすることができるため、加熱されたパッケージ13の変形量(反り量)を減少させることができる。
これらにより、振動子1,1Aが外部から加熱され、熱膨張によってパッケージ13に反りなどの変形を生じた場合に、振動素子15の特性にその影響を与え難くなり、例えば温度特性などの振動子1,1Aの特性劣化を防止することが可能となる。以下、本実施形態に係る振動子1,1Aのそれぞれの特性における効果の検証結果について、グラフを用いて説明する。
図4、および図5に上述した振動子1,1Aの種々の特性の確認結果を示す。図4(a)は、本発明の実施形態および変形例に係る振動子1,1Aの周波数温度特性を示すグラフであり、図4(b)は、比較例に係る従来例の振動子の周波数温度特性を示すグラフである。なお、図4(b)に示すグラフでは、従来例の振動子における温度特性の異常現象を説明するため、異常現象を示すサンプルのデータを選び出して表示している。また、図5(a)は、本発明の実施形態および変形例に係る振動子1,1Aの起動時間を示すグラフであり、図5(b)は、比較例に係る従来例の振動子の起動時間を示すグラフである。
先ず、図4のグラフを参照して、振動子の周波数温度特性について説明する。図4(a)、図4(b)ともに、横軸に振動子を投入した恒温槽温度[℃]を示し、縦軸には周波数の変化率(ΔF/F[ppb])を示し、振動子の各温度における周波数の状態を表示している。なお、図4(a)、図4(b)ともに、サンプル数4個(n=4)である。
従来例に係る振動子では、図4(b)に示すように、ある温度を変曲点として周波数の変化が異常に大きくなる(周波数変化の傾きが大きくなる)、所謂F飛び(周波数飛び)現象を生じることがある。この現象は、例えば加熱によるパッケージ変形などにより振動素子に加わる応力が変化し、振動モードに影響を与えていると推測されている。
これに対し、本実施形態および変形例に係る振動子1,1Aでは、図4(a)に示すように、周波数温度特性は略直線的に変化し、その変化量も極めて少ない。このように、本実施形態および変形例に係る振動子1,1Aの構成を適用することにより、例えば加熱によるパッケージの変形などを生じても、周波数温度特性の異常の発生を防止することができる。
次に、図5のグラフを参照して、振動子の起動特性について説明する。図5(a)、図5(b)ともに、横軸に、振動子に電源を入れてからの経過時間、即ち振動子を起動させてからの経過時間[min.]、縦軸に、周波数の変化率(ΔF/F[ppb])を示し、振動子の起動からの経過時間における周波数の状態を表示している。なお、図5(a)では、サンプル数5個(n=5)であり、図5(b)では、サンプル数11個(n=11)である。
従来例に係る振動子では、図5(b)に示すように、起動後の周波数変化が小さくなる(周波数が安定する)までの経過時間が長く(10分程度)かかってしまったり、本グラフに表示されている時間(50分)内には周波数の安定領域に入らなかったりするものが見られる。即ち、起動後の周波数変化が安定領域に入るまでの経過時間のばらつきが大きいことが分かる。このような起動後の周波数が安定し難い現象は、振動素子に何らかの応力、例えば加熱によるパッケージ変形などにより生じる応力が加わっており、この応力が徐々に解放されていくことによって起こるものと推測されている。
これに対し、本実施形態および変形例に係る振動子1,1Aでは、図5(a)に示すように、起動後数分以内に周波数の安定領域に入っていることが分かる。このように、本実施形態および変形例に係る振動子1,1Aの構成を適用することにより、例えば加熱によるパッケージの変形などによって振動素子15が受ける応力に変動があっても、その影響を受け難くなり、起動後に周波数が安定するまでの経過時間のばらつきを小さくするとともに、周波数が安定するまでの経過時間を短縮することができる。即ち、本実施形態および変形例に係る振動子1,1Aでは、起動特性を向上させることができる。
(振動素子の変形例)
次に、図6および図7を用いて、振動素子の変形例について説明する。図6に示す変形例に係る振動素子15Aでは、接続部20Aと、支持部としての第1支持部25Aおよび第2支持部28Aとの配置が、第1実施形態の振動素子15と異なる。なお、図6は、振動素子の接続部における変形例を示す平面図である。図7は、変形例の振動素子を用いた振動子のリフロー特性(周波数変化)を示すグラフである。また、本変形例の説明では、上述の第1実施形態と同様な構成については、同符号を付して説明を省略する、あるいは簡略化することがある。
図6に示す振動素子15Aは、第1実施形態の振動素子15と同様なSCカット水晶基板(圧電基板)から切り出された円盤状の素子片18に、種々の電極が形成されている。本例では、種々の電極として、表側の主面に形成された励振電極16および励振電極16から外周縁29に向って延出している接続電極27と、表の主面と表裏の関係にある裏側の主面に形成された励振電極17および図示しない接続電極とが設けられている。表裏の励振電極16,17は、素子片18の中央部に略円形をなして設けられている。
本変形例において、接続部20Aは、水晶結晶軸のX軸に対して、Y軸回りに10°(支持角Ψ)傾いた第1軸としての中心線C1上の振動素子15Aの外周端部に設けられる。また、支持部としての第1支持部25Aおよび第2支持部28Aは、接続部20Aが配置されている中心線C1と直交する第2軸としての中心線C2上の振動素子15Aの外周端部に設けられる。そして、前述した図2に示す振動子1と同様に、振動素子15Aは、第1軸としての第1中心線CL1(図1参照)と中心線C1が重なるようにパッケージ13(図1参照)に接続される。即ち、水晶結晶軸のX軸に対してY軸回りに10°傾いた位置の外周端部に設けられた接続部20Aで振動素子15Aがパッケージ13に接続され、加えて接続部20Aに対して90°および270°傾いた位置に設けられた第1支持部25Aおよび第2支持部28Aで振動素子15Aが支持される。
このように、水晶結晶軸のX軸に対して、Y軸回りに10°傾いた中心線C1上に、振動素子15Aの接続部20Aが設けられた構成の振動素子15Aを用いた振動子は、温度変化に係る特性、例えば高温を加えた後の周波数の変化率(リフロー特性)などを安定させることができる。
確認結果を図7のグラフに示し説明する。図7は、変形例の振動素子15Aを用いた振動子のリフロー特性(周波数変化)を示すグラフである。このグラフでは、水晶結晶軸のX軸に対してY軸回りに所定の角度(支持角Ψ)傾けた位置に接続部20Aを設けた振動素子15A(振動子)のリフロー特性(周波数変化率)を示し、横軸に支持角Ψ、縦軸にリフロー処理前とリフロー処理の1時間後との周波数変化率(ΔF[ppb])を示している。なお、ここでのリフロー処理とは、250℃の温度を振動子に3分間加える処理をいう。図7に示されているように、支持角Ψが、10°、100°、190°(−170°)、290°(−80°)において、リフロー処理前後の周波数変化をほとんど生じていないことが分かる。換言すれば、発明者らは、X軸から10°傾いた角度(支持角Ψ)に、接続部20Aや第1支持部25Aおよび第2支持部28Aを設けることによる影響を受け難い配置位置、具体的にはリフロー特性における周波数変化をほとんど生じない良好な配置位置があることを見出した。
このように、水晶結晶軸のX軸に対して、Y軸回りに10°傾いた第1軸としての中心線C1上に、振動素子15Aの接続部20Aを設けることにより、水晶振動素子(SCカット水晶振動素子)に加熱による応力が加わった場合の、特性に対する影響を小さくすることが可能であり、例えばリフロー特性(周波数変化率)などを向上させることが可能となる。
なお、前述では、振動素子15,15Aを形成する圧電材料として水晶を用いて説明したが、圧電材料としてはこれに限らず、例えばタンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウム等の圧電材料を用いることもできる。また、シリコンあるいはガラス基板上に振動素子を形成するMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)素子でもよい。また、シリコンあるいはガラス基板などの基板上に振動体を形成する振動素子であってもよい。
<第2実施形態>
次に、図8を用い、本発明の第2実施形態に係る発振器について説明する。図8は、本発明の第2実施形態に係る発振器の概略を示す正断面図である。なお、本形態の発振器150では、振動子として上述の第1実施形態に例示された振動子1を用いている。したがって、振動子1の説明では実施形態1と同符号を付し、その説明を省略する。
(発振器)
図8に示す、第2実施形態に係る発振器150について説明する。発振器150は、プリント基板101a上に被せられた金属又は樹脂製のキャップ155によって形成された内部空間224を有している。キャップ155は、プリント基板101a上に半田123などを用いて接続されている。この内部空間224は、非気密、即ち大気開放されていてもよいし、気密空間であってもよい。ここで、内部空間224を構成するプリント基板101aおよびキャップ155をパッケージと呼ぶ。
内部空間224には、プリント基板101aに接続板105によって接続されている上述の第1実施形態に例示された振動子1と、振動子1の裏面に設けられている熱伝導層109に接続されている加熱素子106と、プリント基板101a上に接続されている回路素子110とを備えている。振動子1は、加熱素子106が接続されている裏面を、プリント基板101aに対向するように配置され、プリント基板101aに接続板105を介して接続されている。なお、接続板105は、振動子1とプリント基板101aとの電気的な接続を図る機能も有している。回路素子110は、振動子1および加熱素子106を制御する機能を少なくとも有している。また、振動子1の裏面には、加熱素子106に加えて、他の回路構成部品121を備えていてもよい。また、プリント基板101a上には、回路素子110に加えて、他の回路構成部品120を備えていてもよい。プリント基板101aの裏面(外面)には、外部接続端子122が設けられている。外部接続端子122は、図示しないが、回路素子110、他の回路構成部品120などと電気的接続がされている。
熱伝導層109は、加熱素子106から発生する熱エネルギーを効率よく振動子1に伝導させるために設けられている。したがって、図示しないが、熱伝導層109の外形(外縁)は、加熱素子106の外形(外縁)が内に含まれるように設けられていることが望ましい、換言すれば、平面視で、熱伝導層109の外形の方が加熱素子106の外形より大きく設けられている。このように熱伝導層109を設けることにより、加熱素子106によって生じた熱エネルギーを熱伝導層109によって広い面積に拡散することができ、広い面積でパッケージ13の底板11を加熱することができる。これによりパッケージ13の底板11を均一な温度で温める(加温する)ことが可能となり、内蔵された振動素子(図示せず)の加熱も安定して行うことができる。
(加熱素子)
加熱素子106は、前述のように振動子1の底板11の外面(裏面)に設けられている熱伝導層109に樹脂接着剤などによって接続されている。加熱素子106は、平面視で略矩形状の素子であり、通電することにより発熱を行う機能を有している、加熱素子106は、例えばパワートランジスターを用いることができる。加熱素子106としてパワートランジスターを用いることにより、パワートランジスターによって発生させた熱を、有効に底板11(パッケージ13)の加熱に利用することができ、即ち振動子1(振動素子)を有効に加熱することができる。これにより、加熱効率を高め、発振器150の小型化に寄与できる。加熱素子106の振動子1との接続面と表裏の関係にある主面には、図示しないパッドが設けられており、このパッドと前述した振動子1の底板11の外面(裏面)に設けられている端子電極108とが図示しない金属配線(ボンディングワイヤー)などによって電気的導通をとって接続されている。
(回路素子)
回路素子110は、プリント基板101a上に導電性接着剤などによって接続されている。回路素子110は、例えば振動子1の振動素子15を発振させる発振回路、あるいは加熱素子106の温度制御を行う制御回路などを備えている。回路素子110の能動面には図示しないパッド電極が設けられており、このパッド電極と、プリント基板101a上に設けられた図示しない電極とが、図示しない金属配線(ボンディングワイヤー)などによって電気的導通をとって接続されている。なお、図示しないが、該電極は、加熱素子106、振動子1などの各構成部位と電気的に接続されている。
以上説明した第2実施形態に係る発振器150によれば、温度特性などの振動特性を向上させた振動子1と回路素子110とを同一パッケージ内に収納しているため、温度特性などの特性を安定化させることができる。また、所定の恒温状態に保たれた振動子1を用いることにより、使用環境の温度変化による特性変動を抑制した発振器150を提供することが可能となる。
なお、上述の第2実施形態では、振動子1のパッケージ13の底板11とプリント基板101aとが対向するように、振動子1が配置されていたがこれに限らず、振動子1を構成するリッド26とプリント基板101aとが対向するように、振動子1が配置されていてもよい。このような配置の発振器においても、上述の第2実施形態に係る発振器150と同様な効果を有している。
また、上述の第2実施形態では、パッケージとしてのプリント基板101aとキャップ155とによって形成される内部空間224に、振動子1、加熱素子106、および回路素子110などの構成部品を収納した例を説明したが、回路素子110を除いた構成である振動子とすることも可能である。このような構成の振動子によれば、第1実施形態の振動子1の効果に加え、前述した第2実施形態と同様に、振動素子15を所定の恒温状態に保つことが可能となり、使用環境の温度変化による周波数の変動を抑制可能な、所謂周波数温度特性の精度を高めた振動子を提供することが可能となる。
[電子機器]
次いで、本発明の一実施形態に係る振動子1,1A、発振器150を適用した電子機器について、図9〜図11に基づき、詳細に説明する。なお、説明では、振動素子15を備えた振動子1を適用した例を示している。
図9は、本発明の一実施形態に係る振動子1を備える電子機器としてのモバイル型(又はノート型)のパーソナルコンピューターの構成の概略を示す斜視図である。この図において、パーソナルコンピューター1100は、キーボード1102を備えた本体部1104と、表示部100を備えた表示ユニット1106とにより構成され、表示ユニット1106は、本体部1104に対しヒンジ構造部を介して回動可能に支持されている。このようなパーソナルコンピューター1100には、信号処理のタイミング源としての機能を備えた振動子1が内蔵されている。
図10は、本発明の一実施形態に係る振動子1を備える電子機器としての携帯電話機(PHSも含む)の構成の概略を示す斜視図である。この図において、携帯電話機1200は、複数の操作ボタン1202、受話口1204および送話口1206を備え、操作ボタン1202と受話口1204との間には、表示部100が配置されている。このような携帯電話機1200には、信号処理のタイミング源としての機能を備えた振動子1が内蔵されている。
図11は、本発明の一実施形態に係る振動子1を備える電子機器としてのデジタルスチールカメラの構成の概略を示す斜視図である。なお、この図には、外部機器との接続についても簡易的に示されている。ここで、従来のフィルムカメラは、被写体の光像により銀塩写真フィルムを感光するのに対し、デジタルスチールカメラ1300は、被写体の光像をCCD(Charge Coupled Device)等の撮像素子により光電変換して撮像信号(画像信号)を生成する。
デジタルスチールカメラ1300におけるケース(ボディー)1302の背面には、表示部100が設けられ、CCDによる撮像信号に基づいて表示を行う構成になっており、表示部100は、被写体を電子画像として表示するファインダーとして機能する。また、ケース1302の正面側(図中裏面側)には、光学レンズ(撮像光学系)やCCD等を含む受光ユニット1304が設けられている。
撮影者が表示部100に表示された被写体像を確認し、シャッターボタン1306を押下すると、その時点におけるCCDの撮像信号が、メモリー1308に転送、格納される。また、このデジタルスチールカメラ1300においては、ケース1302の側面に、ビデオ信号出力端子1312と、データ通信用の入出力端子1314とが設けられている。そして、図示されるように、ビデオ信号出力端子1312にはテレビモニター1430が、データ通信用の入出力端子1314にはパーソナルコンピューター1440が、それぞれ必要に応じて接続される。さらに、所定の操作により、メモリー1308に格納された撮像信号が、テレビモニター1430や、パーソナルコンピューター1440に出力される構成になっている。このようなデジタルスチールカメラ1300には、信号処理のタイミング源としての機能を備えた振動子1が内蔵されている。
なお、本発明の一実施形態に係る振動子1は、図9のパーソナルコンピューター(モバイル型パーソナルコンピューター)、図10の携帯電話機、図11のデジタルスチールカメラの他にも、例えば、インクジェット式吐出装置(例えばインクジェットプリンター)、ラップトップ型パーソナルコンピューター、テレビ、ビデオカメラ、ビデオテープレコーダー、カーナビゲーション装置、ページャー、電子手帳(通信機能付も含む)、電子辞書、電卓、電子ゲーム機器、ワードプロセッサー、ワークステーション、テレビ電話、防犯用テレビモニター、電子双眼鏡、POS端末、医療機器(例えば電子体温計、血圧計、血糖計、心電図計測装置、超音波診断装置、電子内視鏡)、魚群探知機、各種測定機器、計器類(例えば、車両、航空機、船舶の計器類)、フライトシミュレーター等の電子機器に適用することができる。なお、前述した第2実施形態、第3実施形態で説明した加熱素子106を備えた振動子1,1A、発振器150などを用いれば、通信基地局などの温度環境の厳しい条件下で使用される電子機器に好適である。
[移動体]
次いで、本発明の一実施形態に係る振動子1,1A、発振器150を適用した移動体について、図12に基づき、詳細に説明する。なお、説明では、振動素子15を備えた振動子1を適用した例を示している。図12は移動体の一例としての自動車を概略的に示す斜視図である。自動車506には本発明に係る振動子1が搭載されている。例えば、同図に示すように、移動体としての自動車506には振動子1を内蔵してタイヤ509などを制御する電子制御ユニット508が車体507に搭載されている。また、振動子1は、他にもキーレスエントリー、イモビライザー、カーナビゲーションシステム、カーエアコン、アンチロックブレーキシステム(ABS)、エアバック、タイヤ・プレッシャー・モニタリング・システム(TPMS:Tire Pressure Monitoring System)、エンジンコントロール、ハイブリッド自動車や電気自動車の電池モニター、車体姿勢制御システム、等の電子制御ユニット(ECU:electronic control unit)に広く適用できる。
1,1A…振動子、6,7…パッド、8…端子電極、9…熱伝導層、11,11A…底板、12…側壁、13…パッケージ、14…内部空間(凹部)、15,15A…振動素子、16,17…励振電極、18…素子片、19…凸部、20…接続部、21…導電性接着剤、22,23…PAD電極、24…金属配線(ボンディングワイヤー)、25…支持部としての第1支持部、26…リッド、27…接続電極、27a,27b…端辺、28…支持部としての第2支持部、29…外周縁、30,106…加熱素子、110…回路素子、150…発振器、506…移動体としての自動車、1100…電子機器としてのモバイル型のパーソナルコンピューター、1200…電子機器としての携帯電話機、1300…電子機器としてのデジタルスチールカメラ、CL1…第1軸としての第1中心線、CL2…第2軸としての第2中心線、G…中心、C1,C2…振動素子の中心線、LW1,LW2…仮想線。

Claims (9)

  1. 圧電材料により形成された素子片、平面視で前記素子片の中央部に設けられた励振電極、および、前記励振電極から前記素子片の外周縁に向かって延出しており、前記励振電極と前記素子片の前記外周縁との間の領域である外周端部に設けられている接続電極を含む振動素子と、
    ベース基板と、
    前記ベース基板の厚さ方向における一方側において、平面視で前記接続電極と重なる位置に設けられており、前記ベース基板と前記振動素子とを接続している接続部と、
    前記ベース基板の前記一方側において、平面視で前記外周端部に重なり、かつ前記接続部とは異なる位置に設けられている第1支持部および第2支持部と、を備
    第1支持部は、前記振動素子の中心及び前記接続部を通る第1のによって2つに分けられる前記振動素子の一方の領域であって、前記第1の軸を前記振動素子の中心を基点として90°回転させた第2の軸に対して、±10°の領域に設けられており、
    前記第2支持部は、前記第1の軸によって2つに分けられる前記振動素子の他方の領域であって、前記第2の軸に対して、±10°の領域に設けられており、
    前記振動素子は、前記接続部、前記第1支持部、および前記第2支持部の3つの部分で支持されていることを特徴とする振動子。
  2. 振動素子と、
    ベース基板と、
    前記ベース基板の厚さ方向における一方側において、平面視で前記振動素子の外周端部と重なる位置に設けられている接続部と、
    前記ベース基板の前記一方側において、平面視で前記外周端部と重なり、かつ前記接続部とは異なる位置に設けられている支持部と、を備え、
    前記支持部は、前記振動素子の中心及び前記接続部を通る軸を、前記振動素子の中心を基点として90°回転させた軸に対して、±10°の領域に設けられており、
    前記振動素子は、水晶基板を含む水晶振動素子であり、
    前記接続部を通る前記軸である第1の軸または前記第1の軸に直交する第2の軸が、前記水晶基板の水晶結晶軸のX軸に対して、10°傾いていることを特徴とする振動子。
  3. 請求項1または請求項2において、
    前記ベース基板の前記一方側と表裏の関係にある他方側に加熱素子が設けられていることを特徴とする振動子。
  4. 請求項3において、
    前記支持部は、前記ベース基板の前記一方側に形成された金属バンプであることを特徴とする振動子。
  5. 請求項3または請求項4において、
    前記加熱素子が設けられている領域の前記ベース基板と前記加熱素子の間には、熱伝導層が設けられていることを特徴とする振動子。
  6. 請求項3ないし請求項5のいずれか一項において、
    前記加熱素子は、パワートランジスターであることを特徴とする振動子。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の振動子と、
    前記振動子と電気的に接続されている回路素子と、
    前記振動子、および前記回路素子を搭載しているパッケージと、を備えていることを特徴とする発振器。
  8. 請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の振動子を備えていること特徴とする電子機器。
  9. 請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の振動子を備えていること特徴とする移動体。
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