JP2016029762A - 振動素子、振動子、発振器、電子機器、および移動体 - Google Patents

振動素子、振動子、発振器、電子機器、および移動体 Download PDF

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Abstract

【課題】容量比γの小さい振動素子を提供する。【解決手段】基板10のうち第1の励振電極25aと第2の励振電極25bにより挟まれている領域は、平面視で、4つの角の角度が夫々90?であると共に、厚み滑り振動の振動方向に沿った一対の第1の辺および前記振動方向と直交する方向に沿った一対の第2の辺を含む仮想の四角形26の範囲内にあり、且つ、前記一対の第1の辺および前記一対の第2の辺の夫々と接する辺又は円周を含み、且つ、前記領域は、平面視で、仮想の四角形26の振動方向と交差する方向に並んでいる少なくとも2つの角と重ならない外縁部28を含み、前記領域の振動方向に沿った最大長さをLx、外縁部28の振動方向に沿った長さをlxとしたとき、13.7%≦(lx/Lx)≦46.0%の関係を満たしている。【選択図】図1

Description

本発明は、振動素子、この振動素子を備えている振動子、発振器、電子機器、および移動体に関する。
主振動である厚み滑り振動で振動するATカット水晶振動子は、小型化、高周波数化に適し、且つ周波数温度特性が優れた三次曲線を呈するので、発振器、電子機器等の多方面で使用されている。特に、近年では伝送通信機器やOA機器の処理速度の高速化、あるいは通信データや処理量の大容量化が進むのに伴い、それに用いられる基準周波数信号源としてのATカット水晶振動子に対し高周波化の要求が強まっている。厚み滑り振動で振動するATカット水晶振動子の高周波化には、振動部分の厚さを薄くすることにより高周波化を図るのが一般的である。
しかし、高周波化に伴い、振動部分の厚さが薄くなると、周波数の調整感度が高まるため周波数追い込み精度が悪くなり、振動子の製造歩留りが低下するという問題があった。これに対し、特許文献1には、温度補償型発振器に搭載されている振動素子において、長方形状の励振電極の四隅を略均等に切り欠き、その面積を切り欠く前との面積比で95%〜98%とすることで、振動子の容量比γ(=C0/C1、ここで、C0は等価並列容量、C1は等価直列容量)を小さくすることができ、周波数可変感度が大きくなるため、発振周波数の合わせ込みの余裕度を大きくすることができるということが開示されている。
特開2002−111435号公報
しかしながら、特許文献1に記載の振動子は、温度補償型発振器の発振周波数を合わせ込む程度の容量比γを確保することはできるが、面取りの形状だけでは、より大きな周波数可変感度を必要とする電圧制御型発振器の振動子としては、容量比γを十分低減できない場合があった。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例に係る振動素子は、厚み滑り振動で振動し、互いに表裏の関係にある第1の主面および第2の主面を含む基板と、前記第1の主面に設けられている第1の励振電極と、前記第2の主面に設けられ、平面視で前記第1の励振電極と重なっている第2の励振電極と、を含み、前記基板のうち前記第1の励振電極と前記第2の励振電極により挟まれている領域は、平面視で、4つの角の角度が夫々90°であると共に、前記厚み滑り振動の振動方向に沿った一対の第1の辺および前記振動方向と直交する方向に沿った一対の第2の辺を含む仮想の四角形の範囲内にあり、且つ、前記一対の第1の辺および前記一対の第2の辺の夫々と接する辺又は円周を含み、且つ、前記領域は、平面視で、前記四角形の前記厚み滑り振動の振動方向と交差する方向に並んでいる少なくとも2つの角と重ならない外縁部を含み、前記領域の前記厚み滑り振動の振動方向に沿った最大長さをLx、前記外縁部の前記厚み滑り振動の振動方向に沿った長さをlxとしたとき、13.7%≦(lx/Lx)≦46.0%の関係を満たすことを特徴とする。
本適用例によれば、第1の励振電極と第2の励振電極により挟まれた領域において、厚み滑り振動に寄与しない仮想の四角形の四隅を切り欠く励振電極構造とし、更に、厚み滑り振動の振動方向に沿った最大長さをLx、外縁部の厚み滑り振動の振動方向に沿った長さをlxとしたとき、寸法比(lx/Lx)を13.7%≦(lx/Lx)≦46.0%の関係を満たす励振電極構造とすることで、厚み滑り振動に寄与しない領域で生じる不要な容量を除き、厚み滑り振動の振動エネルギーを効率的に閉じ込め、等価直列容量C1を大きくすることができ、且つ、励振電極の面積で決まる等価並列容量C0を小さくできるため、容量比γの小さい振動素子を得ることができるという効果がある。
[適用例2]上記適用例に係る振動素子において、19.1%≦(lx/Lx)≦41.0%の関係を満たすことを特徴とする。
本適用例によれば、寸法比(lx/Lx)を19.1%≦(lx/Lx)≦41.0%の関係を満たす励振電極構造とすることで、厚み滑り振動に寄与しない領域で生じる不要な容量をより多く除き、厚み滑り振動の振動エネルギーをより効率的に閉じ込めることができるため、容量比γのより小さい振動素子を得ることができる。
[適用例3]上記適用例に係る振動素子において、前記四角形の面積をS1、前記領域の面積をS2としたとき、79.8%≦(S2/S1)≦95.3%の関係を満たすことを特徴とする。
本適用例によれば、第1の励振電極と第2の励振電極により挟まれた領域において、厚み滑り振動に寄与しない仮想の四角形の四隅を切り欠く励振電極構造とし、更に、仮想の四角形の面積をS1、第1の励振電極と第2の励振電極により挟まれた領域の面積をS2としたとき、面積比(S2/S1)を79.8%≦(S2/S1)≦95.3%の関係を満たす励振電極構造とすることで、厚み滑り振動に寄与しない領域で生じる不要な容量を除き、厚み滑り振動の振動エネルギーを効率的に閉じ込め、等価直列容量C1を大きくすることができ、且つ、励振電極の面積で決まる等価並列容量C0を小さくできるため、容量比γの小さい振動素子を得ることができる。
[適用例4]上記適用例に係る振動素子において、81.3%≦(S2/S1)≦93.6%の関係を満たすことを特徴とする。
本適用例によれば、面積比(S2/S1)を81.3%≦(S2/S1)≦93.6%の関係を満たす励振電極構造とすることで、厚み滑り振動に寄与しない領域で生じる不要な容量をより多く除き、厚み滑り振動の振動エネルギーをより効率的に閉じ込めることができるため、容量比γのより小さい振動素子を得ることができる。
[適用例5]上記適用例に係る振動素子において、前記外縁部の前記交差する方向に沿った長さをlzとしたとき、lx≧lzの関係を満たすことを特徴とする。
本適用例によれば、結晶の異方性により定まる変位方向の変位分布と、それと交差する方向の変位分布が異なる基板を用いた場合、特に、水晶を主材料とする基板で厚み滑り振動を振動させる場合、厚み滑り振動の変位方向の変位分布の長さが交差する方向の変位分布の長さに比べ長いので、仮想の四角形の四隅を切り欠く外縁部の長さlxとlzにおいて、振動の変位方向の長さであるlxをlzに比べ長くするほうが、振動のエネルギー閉じ込めの効率を高めることができるので、等価直列容量C1が大きくなり、振動素子の容量比γをより小さくできる。
[適用例6]上記適用例に係る振動素子において、前記領域の前記交差する方向に沿った最大長さをLzとしたとき、1.25≦(Lx/Lz)≦1.31の関係を満たすことを特徴とする。
本適用例によれば、結晶の異方性により定まる変位方向の変位分布と、それと交差する方向の変位分布が異なる基板を用いた場合、特に、水晶を主材料とする基板で厚み滑り振動を振動させる場合、厚み滑り振動の変位方向の変位分布の長さが交差する方向の変位分布の長さに比べ長い。そのため、振動の変位方向の長さであるLxを交差する方向の長さLzより長くなる1.25≦(Lx/Lz)≦1.31の関係を満たすことにより、振動のエネルギー閉じ込めの効率を高めることができるので、等価直列容量C1が大きくなり、振動素子の容量比γをより小さくできる。
[適用例7]上記適用例に係る振動素子において、前記基板の面積をS0としたとき、4%≦(S2/S0)≦50%の関係を満たすことを特徴とする。
本適用例によれば、第1の励振電極と第2の励振電極により挟まれた領域の面積S2と基板の面積S0との面積比(S2/S0)を4%≦(S2/S0)≦50%の関係を満たすことにより、安定して振動し、小型の振動素子を得ることができる。
[適用例8]上記適用例に係る振動素子において、前記基板の外縁に一体化して設けられ、前記基板よりも厚さの厚い厚肉部を含むことを特徴とする。
本適用例によれば、基板の振動する領域よりも厚さの厚い厚肉部を設けることで、基板の強度を増すことができるため、耐衝撃性や耐落下性に優れた振動素子を得ることができる。
[適用例9]本適用例に係る振動子は、上記適用例に記載の振動素子と、前記振動素子が収容されているパッケージと、を備えていることを特徴とする。
本適用例によれば、振動素子をパッケージに収容することで、信頼性品質の高い振動子が得られる。例えば、温度変化や湿度変化等の外乱の影響や汚染による影響を防ぐことができるため、周波数再現性、周波数温度特性、CI温度特性、および周波数エージング特性に優れた振動子が得られるという効果がある。
[適用例10]本適用例に係る発振器は、上記適用例に記載の振動素子と、前記振動素子と電気的に接続されている回路素子と、を備えていることを特徴とする。
本適用例によれば、振動素子の容量比γが小さいので、広い周波数可変幅を有する発振器が得られるという効果がある。
[適用例11]本適用例に係る電子機器は、上記適用例に記載の振動素子を備えていることを特徴とする。
本適用例によれば、容量比γの小さい振動素子を備えているため、より高性能な電子機器を得ることができるという効果がある。
[適用例12]本適用例に係る移動体は、上記適用例に記載の振動素子を備えていることを特徴とする。
本適用例によれば、容量比γの小さい振動素子を備えているため、より高性能の移動体を得ることができるという効果がある。
本発明の第1実施形態に係る振動素子の概略構成を示し、(a)は模式平面図、(b)はP−P線の模式断面図、(c)はQ−Q線の模式断面図。 ATカット水晶基板と結晶軸との関係を説明する図。 励振電極が設けられた振動素子における振動変位分布を説明する図であり、(a)は模式平面図、(b)は模式断面図。 ATカット水晶振動素子の試作条件と測定結果を示す図。 励振電極の寸法比(lx/Lx)に対する振動素子の容量比の比(γ/γ0)を示す図。 励振電極の面積比(S2/S1)に対する振動素子の容量比の比(γ/γ0)を示す図。 本発明の変形例1に係る振動素子の概略構成を示す模式平面図。 本発明の変形例2に係る振動素子の概略構成を示し、(a)は模式平面図、(b)はP−P線の模式断面図。 本発明の変形例3に係る振動素子の概略構成を示し、(a)は模式平面図、(b)はP−P線の模式断面図。 本発明の変形例4に係る振動素子の概略構成を示し、(a)は模式平面図、(b)はP−P線の模式断面図。 本発明の変形例5に係る振動素子の概略構成を示し、(a)は模式平面図、(b)はR−R線の模式断面図。 本発明の第2実施形態に係る振動素子の概略構成を示す模式平面図。 本発明の第3実施形態に係る振動素子の概略構成を示す模式平面図。 本発明の第4実施形態に係る振動素子の概略構成を示す模式平面図。 本発明の一実施形態に係る振動子の概略構成を示し、(a)は模式平面図、(b)は模式断面図。 本発明の一実施形態に係る発振器の概略構成を示し、(a)は模式平面図、(b)は模式断面図。 本発明の一実施形態に係る振動素子を備えている電子機器を適用したモバイル型(又はノート型)のパーソナルコンピューターの構成を示す斜視図。 本発明の一実施形態に係る振動素子を備えている電子機器を適用した携帯電話機(PHSも含む)の構成を示す斜視図。 本発明の一実施形態に係る振動素子を備えている電子機器を適用したデジタルスチールカメラの構成を示す斜視図。 本発明の一実施形態に係る振動素子を備えている移動体の一例としての自動車を概略的に示す斜視図。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に示す各図においては、各構成要素を図面上で認識され得る程度の大きさとするため、各構成要素の寸法や比率を実際の構成要素とは適宜に異ならせて記載する場合がある。
<振動素子>
[第1実施形態]
先ず、本発明の第1実施形態に係る振動素子の一例として、基板の中央部に凹部を有する所謂逆メサ構造の振動素子を挙げ、その概略構成について、図1を参照して説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る振動素子の概略構成を示し、図1(a)は振動素子の模式平面図、図1(b)は図1(a)中のP−P線での模式断面図、図1(c)は図1(a)中のQ−Q線での模式断面図である。
振動素子1は、振動部12および振動部12の外縁に沿って連設され、振動部12の厚さよりも厚い厚肉部13を有する基板10と、振動部12の第1の主面20a(+Y’方向の主面)に形成されている第1の励振電極25aと、振動部12の第2の主面20b(−Y’方向の主面)に、平面視で、第1の励振電極25aと重なるように形成されている第2の励振電極25bと、第1の励振電極25aと第2の励振電極25bとから夫々延出されて形成されているリード電極27a,27bと、厚肉部に設けられリード電極27a,27bと夫々接続しているパッド電極29a,29bと、を備えている。
基板10は、平面視で、四角形状をなし、且つ肉薄でY’軸に直交し厚さが一定である平板状の振動部12と、振動部12の外縁の一辺を除いた三辺に沿って一体化された第1の厚肉部14、第2の厚肉部15、および第3の厚肉部16(第1、第2および第3の厚肉部14,15,16とも称する)からなる厚肉部13と、支持固定した際に生じるマウント応力を振動部12に伝わるのを防止するためのスリット17と、を備えている。
なお、第1の厚肉本体14a、第2の厚肉本体15a、および第3の厚肉本体16a(第1、第2および第3の厚肉本体14a,15a,16aとも称する)とは、Y’軸に平行な厚さが一定である領域をいう。
また、第1の傾斜部14b、第2の傾斜部15b、および第3の傾斜部16b(第1、第2および第3の傾斜部14b,15b,16bとも称する)は、第1、第2および第3の厚肉本体14a,15a,16aと、振動部12と、の間に生じる段差領域が傾斜面を有している。
振動部12の一方の主面と、第1、第2および第3の厚肉部14,15,16の夫々の一方の面とは、同一平面上、即ち図1に示す座標軸のX−Z’平面上にあり、この面(図1(b)の−Y’方向にある下面側)をフラット面(平坦面)といい、凹陥部11を有する反対側の面(図1(b)の+Y’方向にある上面側)を凹陥面という。
図1に示す実施形態例において、第1の励振電極25aは、四角形の4つの隅を切り欠いた形状、つまり、厚み滑り振動の振動方向であるX軸方向に沿った長さLxと、振動方向と交差する方向であるZ’軸方向に沿った長さLzと、からなる仮想の四角形26に辺が内接し、4つの角の角度が夫々90°である仮想の四角形26の4つの角を円弧状に切り欠いた形状に形成されている。つまり、振動部12の第1の励振電極25aと第2の励振電極25bで挟まれている領域は、平面視で、4つの角の角度が全て等しいと共に、厚み滑り振動の振動方向に沿った一対の第1の辺および前記振動方向と直交する方向に沿った一対の第2の辺を含む仮想の四角形26の範囲内にあり、且つ、前記一対の第1の辺および前記一対の第2の辺の夫々と接している。従って、第1の励振電極25aの四隅の外縁部28は、円弧状であり、略楕円形状に形成されている。また、仮想の四角形26の四隅の切り欠いた形状の面積は、夫々等しいのが好ましい。第2の励振電極25bは、四角形に形成されている。更に、第1の励振電極25aと第2の励振電極25bは、振動部12のほぼ中央部の第1の主面20aと第2の主面20bとに平面視で重なるように夫々形成されている。なお、第1の励振電極25aおよび第2の励振電極25bの形状は四角形、矩形状、円形、楕円形であっても構わない。なお、本実施形態では、仮想の四角形26は、矩形(長方形)や正方形などの4つの角の角度が夫々90°である四角形として説明したが、第1の励振電極25aや第2の励振電極25bの製造上のばらつきを考慮すると4つの角の角度が夫々87°〜93°の範囲であっても適用可能である。
第1の励振電極25aと、第2の励振電極25bとは大きさが異なり、第2の励振電極25bの方が第1の励振電極25aよりも大きい。振動部12において実際に励振する領域は、第1の励振電極25aと第2の励振電極25bとにより挟まれている領域である。つまり、第2の励振電極25bにおいて、実際に振動部12を励振させることに寄与する領域は、平面視で第1の励振電極25aと重なる部分である。すなわち、第2の励振電極25bは、励振に寄与する電極と、当該励振に寄与する電極の外縁に一体化されている励振に寄与しない電極とから構成されている。
なお、第1の励振電極25aや第2の励振電極25bは、リード電極27a,27bと接続している部分について、励振電極形状の外縁(外辺)に沿った延長線(仮想線)を境界として形状や面積として説明する。
切り欠いた第1の励振電極25aは、第1の励振電極25aの中心点に対して対称であること。または、仮想の四角形26に対して、四隅の切り欠き面積が同一であることが好ましい。なお、第1の励振電極25aにおいて、仮想の四角形26の四隅を切り欠いた4つの面積は夫々同一(略均等)であるのが望ましいが、製造ばらつきを考慮すると約10%の差が生じたとしても、実際の振動に影響を及ぼさないことが確認されており、本実施形態例により得られる効果に影響を与えるような問題はない。
リード電極27aは、凹陥面に形成した第1の励振電極25aから延出し、振動部12上から第3の傾斜部16bと、第3の厚肉本体16aとを経由して、第2の厚肉本体15aの凹陥面に形成されたパッド電極29aに導通接続されている。また、リード電極27bは、フラット面に形成された第2の励振電極25bから延出し、基板10のフラット面の端縁部を経由して、第2の厚肉本体15aのフラット面に形成されたパッド電極29bと導通接続されている。
図1(a)に示した実施形態例は、リード電極27a,27bの引出し構造の一例であり、リード電極27aは他の厚肉部を経由してもよい。ただ、リード電極27a,27bの長さは最短であることが望ましく、リード電極27a,27b同士が、平面視で、基板10を挟んで交差しないように、或いは重ならないように配慮することにより静電容量の増加を抑えることが望ましい。
また、第1の励振電極25a、第2の励振電極25b、リード電極27a,27b、およびパッド電極29a,29bは、蒸着装置、あるいはスパッタ装置等を用いて、例えば、下地層としてニッケル(Ni)を成膜し、その上に上地層として金(Au)を重ねて成膜後、フォトリソグラフィーによりパターニングされ形成されている。なお、電極材料として、下地層のニッケル(Ni)の代わりにクロム(Cr)、また、上地層の金(Au)の代わりに銀(Ag)、白金(Pt)を用いても構わない。
次に、本実施形態例に係る振動素子1の基板10について、図2を参照して説明する。
図2は、ATカット水晶基板と結晶軸との関係を説明する図である。
水晶等の圧電材料は三方晶系に属し、図2に示すように互いに直交する結晶軸X、Y、Zを有する。X軸、Y軸、Z軸は、夫々電気軸、機械軸、光学軸と呼称される。そして水晶基板は、XZ面をX軸の回りに所定の角度θだけ回転させた平面に沿って、水晶から切り出された「回転Yカット水晶基板」が基板10として用いられる。例えば、ATカット水晶基板の場合は、角度θは略35°15’である。なお、Y軸およびZ軸もX軸の回りにθ回転させて、夫々Y’軸およびZ’軸とする。従って、ATカット水晶基板は、直交する結晶軸X,Y’,Z’を有する。ATカット水晶基板は、厚さ方向がY’軸であって、Y’軸に直交するXZ’面(X軸およびZ’軸を含む面)が主面であり、厚み滑り振動が主振動として励振される。
即ち、基板10は、図2に示すようにX軸(電気軸)、Y軸(機械軸)、Z軸(光学軸)からなる直交座標系のX軸を回転軸として、前記Z軸を前記Y軸の−Y方向へ+Z側が回転するように傾けた軸をZ’軸、前記Y軸を前記Z軸の+Z方向へ+Y側が回転するように傾けた軸をY’軸とし、前記X軸および前記Z’軸を含む面を主面とし、前記Y’軸に沿った方向を厚さとする「回転Yカット水晶基板」である。
なお、本実施形態例に係る基板10は、角度θが略35°15’のATカットに限定されるものではなく、厚み滑り振動を励振するBTカット等の基板にも広く適用できる。
更に、振動部12の外縁に沿って厚肉部を設けた例を用いて説明したが、これに限らず、振動部12の外縁全周に沿って厚肉部を設けた基板や厚肉部が設けられていない平板状の基板にも広く適用できる。
なお、振動部12は、例えば、水晶基板の+Y’軸側の第1の主面20aにウエットエッチングによって凹陥部11を形成することにより形成することができる。
ここで、本実施形態例に係る振動素子1は、基板10に温度特性に優れた切断角度を有しているATカット水晶基板を用いることにより、Q値が高く、温度特性に優れた振動素子を得ることができるという効果がある。また、フォトリソグラフィー技術およびエッチング技術に関する実績や経験が活用できるので、特性のばらつきの小さい振動素子1の量産が可能になる。
次に、一般的な短冊形状の基板10aを有する振動素子1aの振動変位について、図3を参照して説明する。
図3は、励振電極が設けられた振動素子における振動変位分布を説明する図であり、図3(a)は模式平面図、図3(b)は図3(a)の模式断面図である。
図3では基板10a上に矩形状の励振電極23が設けられた振動素子1aの基本波の厚み滑り振動モードの振動変位分布を有限要素法で計算した結果を示している。この図より、振動変位は励振電極23の四隅部で非常に小さく、この部分が実際の振動に寄与していないことが解る。ここで、振動素子1aの等価並列容量C0は表裏励振電極間の静電容量であるので対向面積に依存するが、等価直列容量C1は実際の振動領域における容量成分であるため励振電極23の面積が十分大きければ対向面積に依存しない。そのため、実際の振動に寄与しない励振電極23の一部を除去することで、等価直列容量C1に影響を及ぼさずに、等価並列容量C0のみを小さくでき、容量比γの小さい振動素子1aを得ることができる。
次に、図1の実施形態例で試作した100MHz帯の共振周波数を有するATカット水晶振動素子(振動素子1)の試作条件と測定結果について、図4〜図6を参照し説明する。
図4は、試作したATカット水晶振動素子の試作条件と測定結果を示している。また、図5は、試作したATカット水晶振動素子の励振電極の寸法比(lx/Lx)に対する容量比の比(γ/γ0)をグラフ上にプロットした図である。図6は、試作したATカット水晶振動素子の励振電極の面積比(S2/S1)に対する容量比の比(γ/γ0)をグラフ上にプロットした図である。ここで、容量比の比(γ/γ0)を以降、基準化容量比と称する。
試作した100MHz帯の共振周波数を有するATカット水晶振動素子(振動素子1)の試作条件は、図1に示す第1の励振電極25aと第2の励振電極25bとに挟まれた領域の形状が四角形、八角形、および略楕円形の3種類である。また、第1の励振電極25aと第2の励振電極25bとに挟まれた領域の面積をS2とし、X軸方向に沿った長さLxとZ’軸方向に沿った長さLzとからなる仮想の四角形26の面積をS1として、面積S2を0.54mm2と一定としている。従って、第1の励振電極25aと第2の励振電極25bとに挟まれた領域の面積S2が0.54mm2となるように、仮想の四角形26の四隅の切り欠いた形状の寸法lxとlzとを調整している。なお、本試作条件において、lxとlzとは、lx=lzの条件で試作している。
また、測定結果は、各試作条件におけるATカット水晶振動素子(振動素子1)の容量比γを示し、第1の励振電極25aと第2の励振電極25bとに挟まれた領域の形状が四角形であるサンプルNo.1の容量比γ(=γ0)で基準化して示している。なお、サンプルNo.1を基準としたのは、2つの励振電極で挟まれた領域の形状が四角形である振動素子が一般的に使用されているためである。
図5では、横軸を寸法比(lx/Lx)とし、縦軸をサンプルNo.1の容量比γ(=γ0)を基準とした基準化容量比(γ/γ0)としている。プロットしたデータの近似曲線L1は、下に凸の2次曲線を示し、寸法比(lx/Lx)が大きくなるのに伴い、寸法比(lx/Lx)が約30%近傍で基準化容量比(γ/γ0)が最小となり、その後、基準化容量比(γ/γ0)が大きくなる傾向を示している。
図5より、一般的に使用されているサンプルNo.1の容量比γに対して、15%以上小さくできる、つまり、基準化容量比(γ/γ0)が85.0%以下とすることができるのは、寸法比(lx/Lx)が13.7%≦(lx/Lx)≦46.0%の範囲であり、更に、容量比γを18%以上小さくできる。つまり、基準化容量比(γ/γ0)が82.0%以下とすることができるのは、寸法比(lx/Lx)が19.1%≦(lx/Lx)≦41.0%の範囲である。
図6では、横軸を面積比(S2/S1)とし、縦軸をサンプルNo.1の容量比γ(=γ0)を基準とした基準化容量比(γ/γ0)としている。プロットしたデータの近似曲線L2は、下に凸の2次曲線を示し、面積比(S2/S1)が大きくなるのに伴い、面積比(S2/S1)が約87%近傍で基準化容量比(γ/γ0)が最小となり、その後、基準化容量比(γ/γ0)が大きくなる傾向を示している。
図6より、一般的に使用されているサンプルNo.1の容量比γ(=γ0)に対して、15%以上小さくできる、つまり、基準化容量比(γ/γ0)が85.0%以下とすることができるのは、面積比(S2/S1)が79.8%≦(S2/S1)≦95.3%の範囲であり、更に、容量比γを18%以上小さくできる。つまり、基準化容量比(γ/γ0)が82.0%以下とすることができるのは、面積比(S2/S1)が81.3%≦(S2/S1)≦93.6%の範囲である。
次に、図1に戻り、図1(a)に示した実施形態例では、凹陥面側(第1の主面20a側)の第1の励振電極25aの面積の大きさは、フラット面側(第2の主面20b側)の第2の励振電極25bの外形形状の外縁内に収まる大きさに設定してある。つまり、第1の励振電極25aは第2の励振電極25bより小さな形状に形成されている。
厚み滑り振動は、平面視で第1の励振電極25aと第2の励振電極25bとが重なる領域でのみ振動するので、第1の励振電極25aが第2の励振電極25bの外縁内に収まっていると、主振動の振動エネルギーを効率的に閉じ込めることを、第1の励振電極25aの面積と厚さとで決定することができる。そのため、第1の励振電極25aと第2の励振電極25bとの面積が同一の場合に比べ、電極の厚さを厚くできるので、電極膜のオーミックロスを低減し、主振動のCI値の劣化を低減することができる。
また、第1の励振電極25aと第2の励振電極25bとを金属マスク法で形成する場合でも、電極形成時に多少の位置ずれがあったとしても、振動部12を挟んだ第1の励振電極25aと第2の励振電極25bとの対向面積が変化し難いため、等価直列容量C1や等価並列容量C0のばらつきが生じ難く、容量比γのばらつきの小さい振動素子1を得ることができる。
更に、第1の励振電極25aの厚み滑り振動方向に沿った長さをLx、前記厚み滑り振動方向と交差する方向に沿った長さをLzとしたとき、ATカット水晶基板の場合、結晶異方性に伴う弾性定数の関係から励振電極の寸法比(Lx/Lz)を1.28とすることで主振動の振動エネルギーを励振電極の領域内に効率的に閉じ込めることができる。そのため、製造ばらつきを考慮し励振電極の寸法比(Lx/Lz)を1.25≦(Lx/Lz)≦1.31の関係とすることで、主振動の振動エネルギーを効率よく閉じ込めることができるので、等価直列容量C1をより大きくすることができ、容量比γのより小さい振動素子1を得ることができる。
また、仮想の四角形26の四隅の切り欠いた形状の寸法lxとlzについても、寸法比(Lx/Lz)を1.25≦(Lx/Lz)≦1.31の関係としているので、lx≧lzとするのが好ましい。このような関係とすることで、寸法比(Lx/Lz)と同様に、振動のエネルギー閉じ込めの効率を高めることができるので、等価直列容量C1が大きくなり、振動素子1の容量比γをより小さくできる。
また、基板10の振動部12の面積をS0としたとき、基板10の面積S0と第1の励振電極25aと第2の励振電極25bとに挟まれた領域の面積S2との面積比(S2/S0)を4%≦(S2/S0)≦50%の関係を満たすことにより、安定して振動し、小型の振動素子1を得ることができる。
[変形例1]
次に、本発明の第1実施形態に係る振動素子1の変形例1について説明する。
図7は、本発明の変形例1に係る振動素子の概略構成を示す模式平面図である。
変形例1に係る振動素子1bは、第1実施形態で説明した振動素子1とは、基板10bの形状が異なる。第1実施形態で説明した振動素子1の基板10と比較し、基板10bは−X軸側の厚肉部13がなく、また、+Z’軸側の厚肉部13の先端部が斜めに切り取られた形状をしている。
この様な基板10bを用いることで、+X軸側の厚肉部13を保持する片持ち支持構造とした場合、保持しない先端側(−X軸側)の質量を小さくすることができるため、加速度(振動)等の外力による振動特性の変化を低減し、安定した振動特性を発揮することのできる振動素子1bを得ることができる。
[変形例2]
次に、本発明の第1実施形態に係る振動素子1の変形例2について説明する。
図8は、本発明の変形例2に係る振動素子の概略構成を示し、図8(a)は模式平面図、図8(b)は図8(a)中のP−P線での模式断面図である。
変形例2に係る振動素子1cは、第1実施形態で説明した振動素子1とは、基板10cの形状が異なる。第1実施形態で説明した振動素子1の基板10と比較し、基板10cは凹陥部11cが第1の主面20aと第2の主面20bとに形成されている。
この様な基板10cを用いることで、ウエットエッチングによって凹陥部11cを形成する加工時間が基板10cの両主面(第1の主面20aと第2の主面20b)から行うことにより半減されるので、製造コスト削減に効果がある。そのため、低コストで容量比γの小さい振動素子1cを得ることができる。
[変形例3]
次に、本発明の第1実施形態に係る振動素子1の変形例3について説明する。
図9は、本発明の変形例3に係る振動素子の概略構成を示し、図9(a)は模式平面図、図9(b)は図9(a)中のP−P線での模式断面図である。
変形例3に係る振動素子1dは、第1実施形態で説明した振動素子1とは、基板10dの形状が異なる。第1実施形態で説明した振動素子1の基板10と比較し、基板10dの略矩形状の振動部12の4辺に一体化している厚肉部13が形成されており、基板10dは凹陥部11dが第1の主面20aと第2の主面20bとに形成されている。
この様な基板10dを用いることで、振動部12の周辺が厚肉部13で補強されているため、機械的強度が向上し、落下衝撃などの耐衝撃性に優れ、容量比γの小さい振動素子1dを得ることができる。
[変形例4]
次に、本発明の第1実施形態に係る振動素子1の変形例4について説明する。
図10は、本発明の変形例4に係る振動素子の概略構成を示し、図10(a)は模式平面図、図10(b)は図10(a)中のP−P線での模式断面図である。
変形例4に係る振動素子1eは、第1実施形態で説明した振動素子1とは、基板10eの形状が異なる。第1実施形態で説明した振動素子1の基板10と比較し、基板10eは振動部12の周囲に厚肉部がなく、基板10e全体の板厚が略均一である。
この様な基板10eを用いることで、基板10eの加工が両面からの研磨加工で済むため、ウエットエッチングによる凹陥部形成工程を必要とせず、基板10eの製造コストを削減できる。そのため、低コストで容量比γの小さい振動素子1 eを得ることができる。
[変形例5]
次に、本発明の第1実施形態に係る振動素子1の変形例5について説明する。
図11は、本発明の変形例5に係る振動素子の概略構成を示し、図11(a)は模式平面図、図11(b)は図11(a)中のR−R線での模式断面図である。
変形例5に係る振動素子1fは、第1実施形態で説明した振動素子1とは、基板10fの形状が異なり、更に、基板10fを保持する基板110を有している。第1実施形態で説明した振動素子1の基板10と比較し、基板10fは振動部12の周囲に厚肉部がなく、基板10f全体の板厚が略均一である。
基板10fを保持する基板110の主面の表裏には、パッド電極31a,31b,32a,32bが形成されており、パッド電極31aとパッド電極32aとが、また、パッド電極31bとパッド電極32bとが、夫々基板110の側面に形成されている側面電極(図示せず)を介して電気的に接続されている。
基板10fのパッド電極29bfと基板110のパッド電極31bとは、導電性接着剤30により接合され、電気的に接続されている。また、基板10fのパッド電極29afの裏面と基板110のパッド電極31aが形成されている主面とは、導電性接着剤30などの接合部材(図示せず)を介して接合されている。更に、基板10fのパッド電極29afと基板110のパッド電極31aとは、ボンディングワイヤーBWを介して、電気的に接続されている。なお、基板110の裏面に形成されたパッド電極32a,32bは、搭載用のパッケージの内部端子と接合され、電気的に接続される。
この様な基板110に搭載されている基板10fを用いることで、基板10f単体の実装に比べ、機械的強度を向上させることができるため、落下衝撃などの耐衝撃性に優れ、容量比γの小さい振動素子1fを得ることができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係る振動素子101aについて、図12を参照して説明する。
図12は、本発明の第2実施形態に係る振動素子の概略構成を示す模式平面図である。
第2実施形態に係る振動素子101aは、第1実施形態で説明した振動素子1とは、仮想の四角形26aと接する第1の励振電極25aaの外縁部28aの形状が円周でなく、直線状の辺である点が異なる。
この様な構成とすることで、第1の励振電極25aaと第2の励振電極25baにより挟まれた領域において、厚み滑り振動に寄与しない領域で生じる不要な容量を除き、厚み滑り振動の振動エネルギーを効率的に閉じ込め、等価直列容量C1を大きくすることができ、且つ、励振電極の面積で決まる等価並列容量C0を小さくすることができるため、容量比γの小さい振動素子101aを得ることができる。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態に係る振動素子101bについて、図13を参照して説明する。
図13は、本発明の第3実施形態に係る振動素子の概略構成を示す模式平面図である。
第3実施形態に係る振動素子101bは、第1実施形態で説明した振動素子1とは、第1の励振電極25abおよび第2の励振電極25bbの形状が異なる。
第1の励振電極25abの外形は、四角形の対角上の2隅、つまり、−X軸側で+Z’軸側の隅の外縁部28bと+X軸側で−Z’軸側の隅の外縁部28bとの形状が円周である。また、第2の励振電極25bbの外形は、四角形の対角上の2隅、つまり、−X軸側で−Z’軸側の隅の外縁部128bと+X軸側で+Z’軸側の隅の外縁部128bとの形状が円周である。
この様な構成とすることで、第1の励振電極25abと第2の励振電極25bbとにより挟まれた領域の形状が、第1実施形態で説明した振動素子1と同等となる。そのため、厚み滑り振動に寄与しない領域で生じる不要な容量を除き、厚み滑り振動の振動エネルギーを効率的に閉じ込め、等価直列容量C1を大きくすることができ、且つ、励振電極の面積で決まる等価並列容量C0を小さくすることができるため、容量比γの小さい振動素子101bを得ることができる。
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態に係る振動素子101cについて、図14を参照して説明する。
図14は、本発明の第4実施形態に係る振動素子の概略構成を示す模式平面図である。
第4実施形態に係る振動素子101cは、第1実施形態で説明した振動素子1とは、第1の励振電極25acおよび第2の励振電極25bcの形状が異なる。
第1の励振電極25acの外形は、四角形の1隅、つまり、−X軸側で+Z’軸側の隅の外縁部28cの形状が円周である。また、第2の励振電極25bcの外形は、四角形の1隅であって平面視で外縁部28cと重ならない側、つまり、−X軸側で−Z’軸側の隅の外縁部128cの形状が円周である。
この様な構成とすることで、第1の励振電極25acと第2の励振電極25bcにより挟まれた領域において、厚み滑り振動に寄与しない領域で生じる不要な容量を除き、厚み滑り振動の振動エネルギーを効率的に閉じ込め、等価直列容量C1を大きくすることができ、且つ、励振電極の面積で決まる等価並列容量C0を小さくすることができるため、容量比γの小さい振動素子101cを得ることができる。
<振動子>
次に、前述した振動素子1を適用した振動子2(本発明の振動子)について説明する。
図15は、本発明の一実施形態に係る振動子の概略構成を示す図であって、図15(a)は模式平面図であり、図15(b)は図15(a)の模式断面図である。なお、図15(a)において、振動子2の内部の構成を説明する便宜上、蓋部材49を取り外した状態を図示している。
本実施形態に係る振動子2は、振動素子1と、振動素子1を収容するために矩形の箱状に形成されているパッケージ本体40と、金属、セラミック、ガラス等からなる蓋部材49と、で構成されている。
パッケージ本体40は、図15に示すように、第1の基板41と、第2の基板42と、第3の基板43と、シールリング44と、実装端子45と、を積層して形成されている。実装端子45は、第1の基板41の外部底面に複数形成されている。第3の基板43は中央部が除去された環状体であり、第3の基板43の上部周縁に例えばコバール等のシールリング44が形成されている。
第3の基板43と第2の基板42とにより、振動素子1を収容する凹部(キャビティ)が形成される。第2の基板42の上面の所定の位置には、導体46により実装端子45と電気的に導通する複数の素子搭載パッド47が設けられている。素子搭載パッド47は、振動素子1を載置した際に第2の厚肉本体15aに形成したパッド電極29aに対応するように配置されている。
振動素子1を固定する際には、先ず、振動素子1を反転(裏返し)してパッド電極29aを導電性接着剤30が塗布された素子搭載パッド47に載置して荷重をかける。導電性接着剤30は経年変化を考慮して脱ガスの少ないポリイミド系接着剤を用いている。
次に、パッケージ本体40に搭載された振動素子1の熱硬化性の導電性接着剤30を硬化させるために、所定の温度の高温炉に所定の時間入れる。導電性接着剤30を硬化させた後、反転して上面側になったパッド電極29bと、パッケージ本体40の電極端子48とをボンディングワイヤーBWで導通接続する。図15(b)に示すように、振動素子1をパッケージ本体40に支持・固定する部分は、一カ所(一点)であるため、支持固定により生じる応力の大きさを小さくすることが可能となる。
アニール処理を施した後、第2の励振電極25bに質量を付加するか、又は第2の励振電極25bの質量を減じて周波数調整を行う。その後、パッケージ本体40の上面に形成したシールリング44上に、蓋部材49を載置し、減圧雰囲気中、又は窒素ガスの雰囲気中で蓋部材49をシーム溶接して密封し、振動子2が完成する。又は、パッケージ本体40の第3の基板43の上面に塗布した低融点ガラスに蓋部材49を載置し、溶融して密着する方法もある。この場合もパッケージのキャビティ内は減圧雰囲気にするか、又は窒素ガス等の不活性ガスで充填して、振動子2が完成する。
パッド電極29a,29bの間隔は、図11に示すように、Z’軸方向に離して形成した振動素子1を構成してもよい。また、パッド電極29a,29bを同一面上に間隔を離して形成した振動素子1を構成してもよい。この場合、振動素子1は、二カ所(二点)に導電性接着剤30を塗布して、導通と支持・固定を図るようにした構造である。低背化に適した構造であるが、導電性接着剤30に起因するマウント応力が少し大きくなる虞がある。
以上の振動子2の実施形態例では、パッケージ本体40に積層板を用いた例を説明したが、パッケージ本体40に単層セラミック板を用い、蓋体に絞り加工を施したキャップを用いて振動子を構成してもよい。
図15に示すように、振動素子1を支持する部位が一点であり、且つ厚肉部13と振動部12の間にスリット17を設けることにより、導電性接着剤30に起因して生じる応力を小さくすることができるため、周波数再現性、周波数温度特性、CI温度特性、および周波数エージング特性に優れた振動子2が得られるという効果がある。
<発振器>
次に、前述した振動素子1を適用した発振器3(本発明の発振器)について説明する。
図16は、本発明の一実施形態に係る発振器の概略構成を示す図であって、図16(a)は模式平面図であり、図16(b)は図16(a)の模式断面図である。なお、図16(a)において、発振器3の内部の構成を説明する便宜上、蓋部材49を取り外した状態を図示している。
本実施形態に係る発振器3は、パッケージ本体50と、蓋部材49と、振動素子1と、振動素子1を励振する発振回路を搭載したIC部品51と、電圧により容量が変化する可変容量素子、温度より抵抗が変化するサーミスター、インダクター等の電子部品52の少なくとも1つと、を備えている。
パッケージ本体50は、図16に示すように、第1の基板61と、第2の基板62と、第3の基板63と、を積層して形成されている。実装端子45は、第1の基板61の外部底面に複数形成されている。第2の基板62と第3の基板63とは中央部が除去された環状体で形成されている。
第1の基板61と、第2の基板62と、第3の基板63と、により、振動素子1、IC部品51、および電子部品52などを収容する凹部(キャビティ)が形成される。第2の基板62の上面の所定の位置には、導体46により実装端子45と電気的に導通する複数の素子搭載パッド47が設けられている。素子搭載パッド47は、振動素子1を載置した際に第2の厚肉本体15aに形成したパッド電極29aに対応するように配置されている。
反転した振動素子1のパッド電極29aを、導電性接着剤(ポリイミド系)30を塗布したパッケージ本体50の素子搭載パッド47に載置し、パッド電極29aと素子搭載パッド47との導通を図る。反転して上面側になったパッド電極29bと、パッケージ本体50の電極端子48とをボンディングワイヤーBWにて接続し、パッケージ本体50の基板間に形成された導体(図示せず)を通じて、IC部品51の1つの電極端子55との導通を図る。IC部品51をパッケージ本体50の所定の位置に固定し、IC部品51の端子と、パッケージ本体50の電極端子55とをボンディングワイヤーBWにて接続する。また、電子部品52は、パッケージ本体50の所定の位置に載置し、金属バンプ等を用いて導体46に接続する。パッケージ本体50を減圧雰囲気、あるいは窒素等の不活性気体で満たし、パッケージ本体50を蓋部材49で密封して発振器3を完成する。
パッド電極29bとパッケージ本体50の電極端子48とをボンディングワイヤーBWで接続する工法は、振動素子1を支持する部位が一カ所(一点)になり、導電性接着剤30に起因して生じるマウント応力を小さくする。また、パッケージ本体50に収容するに当たり、振動素子1を反転して、より大きな第2の励振電極25bを上面にしたので、発振器3の周波数調整が容易となる。
次に、本実施形態例に係る振動素子1が搭載されている発振器3である電圧制御型発振器について詳細に説明する。
一般的に、電圧制御型発振器は振動素子1、IC部品51などの発振回路部および電子部品52である可変容量ダイオードを含む制御電圧端子等により構成され、重要な仕様として制御電圧により振動素子1の発振周波数を可変する周波数可変範囲がある。この周波数可変範囲は、伝送通信機器等で必要なAPR(絶対周波数可変範囲)と、周波数許容偏差(周波数常温偏差、周波数温度特性、電源電圧による周波数変動、負荷による周波数変動、リフローによる周波数変動、経時変化による周波数変動)と、の和であるため、電圧制御型発振器は発振器の外部環境や発振回路条件の変化による周波数変化量を発振器自身が補っている。そのため、周波数可変範囲を広く取れることは、製造や設計に起因する周波数許容偏差を緩和できるため、電圧制御型発振器の製造歩留りを向上する上で非常に重要である。
ここで、電圧制御型発振器の周波数可変感度Sは、下記式(1)で表される。
S=−△CL/(2×γ×C0×(1+CL/C0)2)・・・(1)
ここで、△CLは負荷容量変化、γは容量比(C0/C1)、C0は等価並列容量、CLは負荷容量である。
式(1)より、周波数可変感度Sは、発振回路で構成される負荷容量CLが一定であれば、振動素子1の等価並列容量C0と容量比γにより決定され、特に、容量比γによる影響が大きい。従って、容量比γの小さい振動素子1を用いることで、電圧制御型発振器の周波数可変感度Sを大きくすることができ、周波数可変量の大きい電圧制御型発振器を得ることができる。
即ち、容量比γを小さくした本実施形態例に係る振動素子1を電圧制御型発振器に搭載することにより得られる効果として、任意の周波数において、矩形の励振電極を有する振動素子を搭載したときでは得られなかった周波数の可変量を所望の値にすることができる。
例えば、可変制御電圧Vc=1.65V±1.65Vにおいて、周波数可変量が±100ppm以上という規定がある場合に、矩形の励振電極を有する振動素子の場合、周波数可変量が±95ppm(Typ.)のところを、本実施形態例に係る振動素子1で実現できるγを小さく改善することで周波数可変量を±115ppm(Typ.)という性能を実現することができる。
更に、周波数可変量を制御する方法として伸長コイルを使用することがある。大きな値の伸長コイルを用いることにより、周波数可変量を大きくすることができる。しかし、この場合、伸長コイルから発生する雑音によって位相雑音が相対的に劣化するというデメリットがある。
これに対して、本実施形態例に係る振動素子1のように容量比γが小さいと周波数可変量を大きくすることができるので、大きな値の伸長コイルを用い必要がないので位相雑音の劣化を低減することができる。
例えば、周波数が122.88MHzにおいて、可変制御電圧Vc=1.65V±1.65Vで±100ppm以上という周波数可変量を実現する場合、容量比γの小さい振動素子1を用いるもとにより、伸長コイル値を例えば150nHから120nHと小さくすることで、伸長コイルから発生する雑音を低減できるため、位相雑音を改善することが可能である。
図16に示すように、発振器3を構成することにより、基本波で励振する高周波の振動素子1を用いているので、容量比が小さく、周波数可変幅を広げることができる。更に、S/N比の良好な電圧制御型発振器が得られるという効果がある。
本実施形態に係る容量比γの小さい振動素子1は、各種ネットワークにおける光通信の大容量化や高速化に対応する光伝送装置の電圧制御型発振器に搭載されることで、通信ネットワークに用いられる光伝送装置において、任意に出力周波数と可変特性を変更することが可能となる。そのため、光伝送装置における周波数変更が容易となり、新たな周波数の通信規格向けに光伝送装置を開発する場合に大幅な工数削減が期待できる。
また、発振器3としてクロック用発振器、温度補償型発振器等を構成することが可能であり、周波数再現性、エージング特性、周波数温度特性に優れた発振器を構成できるという効果がある。
<電子機器>
次いで、本発明の一実施形態に係る振動素子1を適用した電子機器(本発明の電子機器)について、図17〜図19に基づき、詳細に説明する。
図17は、本発明の一実施形態に係る振動素子を備えている電子機器としてのモバイル型(又はノート型)のパーソナルコンピューターの構成を示す斜視図である。この図において、パーソナルコンピューター1100は、キーボード1102を備えた本体部1104と、表示部100を備えた表示ユニット1106とにより構成され、表示ユニット1106は、本体部1104に対しヒンジ構造部を介して回動可能に支持されている。このようなパーソナルコンピューター1100には、基準クロック等として機能する振動素子1が内蔵されている。
図18は、本発明の一実施形態に係る振動素子を備えている電子機器としての携帯電話機(PHSも含む)の構成を示す斜視図である。この図において、携帯電話機1200は、複数の操作ボタン1202、受話口1204および送話口1206を備え、操作ボタン1202と受話口1204との間には、表示部100が配置されている。このような携帯電話機1200には、基準クロック等として機能する振動素子1が内蔵されている。
図19は、本発明の一実施形態に係る振動素子を備えている電子機器としてのデジタルスチールカメラの構成を示す斜視図である。なお、この図には、外部機器との接続についても簡易的に示されている。ここで、通常のカメラは、被写体の光像により銀塩写真フィルムを感光するのに対し、デジタルスチールカメラ1300は、被写体の光像をCCD(Charge Coupled Device)等の撮像素子により光電変換して撮像信号(画像信号)を生成する。
デジタルスチールカメラ1300におけるケース(ボディー)1302の背面には、表示部100が設けられ、CCDによる撮像信号に基づいて表示を行う構成になっており、表示部100は、被写体を電子画像として表示するファインダーとして機能する。また、ケース1302の正面側(図中裏面側)には、光学レンズ(撮像光学系)やCCD等を含む受光ユニット1304が設けられている。
撮影者が表示部100に表示された被写体像を確認し、シャッターボタン1306を押下すると、その時点におけるCCDの撮像信号が、メモリー1308に転送・格納される。また、このデジタルスチールカメラ1300においては、ケース1302の側面に、ビデオ信号出力端子1312と、データ通信用の入出力端子1314とが設けられている。そして、図示されるように、ビデオ信号出力端子1312にはテレビモニター1330が、データ通信用の入出力端子1314にはパーソナルコンピューター1340が、夫々必要に応じて接続される。更に、所定の操作により、メモリー1308に格納された撮像信号が、テレビモニター1330や、パーソナルコンピューター1340に出力される構成になっている。このようなデジタルスチールカメラ1300には、基準クロック等として機能する振動素子1が内蔵されている。
なお、本発明の一実施形態に係る振動素子1は、図17のパーソナルコンピューター1100(モバイル型パーソナルコンピューター)、図18の携帯電話機1200、図19のデジタルスチールカメラ1300の他にも、例えば、インクジェット式吐出装置(例えばインクジェットプリンター)、ラップトップ型パーソナルコンピューター、テレビ、ビデオカメラ、ビデオテープレコーダー、カーナビゲーション装置、ページャー、電子手帳(通信機能付も含む)、電子辞書、電卓、電子ゲーム機器、ワードプロセッサー、ワークステーション、テレビ電話、防犯用テレビモニター、電子双眼鏡、POS端末、医療機器(例えば電子体温計、血圧計、血糖計、心電図計測装置、超音波診断装置、電子内視鏡)、魚群探知機、各種測定機器、計器類(例えば、車両、航空機、船舶の計器類)、フライトシミュレーター等に適用することができる。
<移動体>
次に、本発明の一実施形態に係る振動素子1を適用した移動体(本発明の移動体)について、図20に基づき説明する。
図20は、振動素子1を備えている移動体としての自動車1400を概略的に示す斜視図である。自動車1400には本発明の一実施形態係る振動素子1を含んで構成された発振器が搭載されている。例えば、同図に示すように、移動体としての自動車1400には、タイヤ1401を制御する電子制御ユニット1402の基準クロック等として機能する振動素子1が搭載されている。また、他の例として、振動素子1は、キーレスエントリー、イモビライザー、カーナビゲーションシステム、カーエアコン、アンチロックブレーキシステム(ABS)、エアバック、タイヤ・プレッシャー・モニタリング・システム(TPMS:Tire Pressure Monitoring System)、エンジンコントロール、ハイブリッド自動車や電気自動車の電池モニター、車体姿勢制御システム、等の電子制御ユニット(ECU:electronic control unit)に広く適用できる。
上述したように、移動体として、容量比γの小さい振動素子1を備えていることにより、より高性能の移動体を提供することができる。
以上、本発明の振動素子1(1b,1c,1d,1e,1f,101a,101b,101c)、振動子2、発振器3、電子機器および移動体について、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物が付加されていてもよい。また、前述した各実施形態を適宜組み合わせてもよい。
1…振動素子、2…振動子、3…発振器、10…基板、11…凹陥部、12…振動部、13…厚肉部、14…第1の厚肉部、14a…第1の厚肉本体、14b…第1の傾斜部、15…第2の厚肉部、15a…第2の厚肉本体、15b…第2の傾斜部、16…第3の厚肉部、16a…第3の厚肉本体、16b…第3の傾斜部、17…スリット、23…励振電極、25a…第1の励振電極、25b…第2の励振電極、26…仮想の四角形、27a,27b…リード電極、28…外縁部、29a,29b…パッド電極、30…導電性接着剤、40…パッケージ本体、41…第1の基板、42…第2の基板、43…第3の基板、44…シールリング、45…実装端子、46…導体、47…素子搭載パッド、48…電極端子、49…蓋部材、50…パッケージ本体、51…IC部品、52…電子部品、55…電極端子、61…第1の基板、62…第2の基板、63…第3の基板、100…表示部、110…基板、1100…パーソナルコンピューター、1102…キーボード、1104…本体部、1106…表示ユニット、1200…携帯電話機、1202…操作ボタン、1204…受話口、1206…送話口、1300…デジタルスチールカメラ、1302…ケース、1304…受光ユニット、1306…シャッターボタン、1308…メモリー、1312…ビデオ信号出力端子、1314…入出力端子、1330…テレビモニター、1340…パーソナルコンピューター、1400…自動車、1401…タイヤ、1402…電子制御ユニット、BW…ボンディングワイヤー。

Claims (12)

  1. 厚み滑り振動で振動し、互いに表裏の関係にある第1の主面および第2の主面を含む基板と、
    前記第1の主面に設けられている第1の励振電極と、
    前記第2の主面に設けられ、平面視で前記第1の励振電極と重なっている第2の励振電極と、を含み、
    前記基板のうち前記第1の励振電極と前記第2の励振電極により挟まれている領域は、平面視で、4つの角の角度が夫々90°であると共に、前記厚み滑り振動の振動方向に沿った一対の第1の辺および前記振動方向と直交する方向に沿った一対の第2の辺を含む仮想の四角形の範囲内にあり、且つ、前記一対の第1の辺および前記一対の第2の辺の夫々と接する辺又は円周を含み、
    且つ、前記領域は、平面視で、前記四角形の前記厚み滑り振動の振動方向と交差する方向に並んでいる少なくとも2つの角と重ならない外縁部を含み、
    前記領域の前記厚み滑り振動の振動方向に沿った最大長さをLx、
    前記外縁部の前記厚み滑り振動の振動方向に沿った長さをlxとしたとき、
    13.7%≦(lx/Lx)≦46.0%
    の関係を満たすことを特徴とする振動素子。
  2. 19.1%≦(lx/Lx)≦41.0%
    の関係を満たすことを特徴とする請求項1に記載の振動素子。
  3. 前記四角形の面積をS1、前記領域の面積をS2としたとき、
    79.8%≦(S2/S1)≦95.3%
    の関係を満たすことを特徴とする請求項1又は2に記載の振動素子。
  4. 81.3%≦(S2/S1)≦93.6%
    の関係を満たすことを特徴とする請求項3に記載の振動素子。
  5. 前記外縁部の前記交差する方向に沿った長さをlzとしたとき、
    lx≧lz
    の関係を満たすことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の振動素子。
  6. 前記領域の前記交差する方向に沿った最大長さをLzとしたとき、
    1.25≦(Lx/Lz)≦1.31
    の関係を満たすことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の振動素子。
  7. 前記基板の面積をS0としたとき、
    4%≦(S2/S0)≦50%
    の関係を満たすことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の振動素子。
  8. 前記基板の外縁に一体化して設けられ、
    前記基板よりも厚さの厚い厚肉部を含むことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の振動素子。
  9. 請求項1乃至8のいずれか一項に記載の振動素子と、
    前記振動素子が収容されているパッケージと、を備えていることを特徴とする振動子。
  10. 請求項1乃至8のいずれか一項に記載の振動素子と、
    前記振動素子と電気的に接続されている回路素子と、を備えていることを特徴とする発振器。
  11. 請求項1乃至8のいずれか一項に記載の振動素子を備えていることを特徴とする電子機器。
  12. 請求項1乃至8のいずれか一項に記載の振動素子を備えていることを特徴とする移動体。
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