JP6634553B2 - 発泡性樹脂粒子用ガスバリア剤及びそれを含有する発泡性樹脂粒子 - Google Patents

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Description

本発明は、熱可塑性アクリル樹脂を含有する発泡性樹脂粒子用ガスバリア剤及びそれを含有する発泡性樹脂粒子に関する。より詳しくは、特定の熱可塑性アクリル樹脂を含有するガスバリア剤を用い、製造及び保管時に粒子間の接着による凝集が起こらず、常温で20日間以上保管した場合でも高い発泡性を持続できる発泡性樹脂粒子、それからなる予備発泡粒子と耐割れ性に優れる発泡成形体に関する。
ポリスチレン樹脂粒子に揮発性発泡剤としてプロパン、ブタン、ペンタン等を含浸することで、発泡性能が付与された発泡性ポリスチレン樹脂粒子を得ることができる。発泡性ポリスチレン樹脂粒子は、揮発性発泡剤を比較的良好に保持できるため、通常は室温もしくは冷蔵状態で保管させ、使用に合わせて適時に加熱し、予備発泡粒子として成形型内に充填し、加熱することによって発泡成形体を得ることができる。このような発泡性ポリスチレン樹脂成形体は、0.01〜0.7g/cmの密度を有し、非常に軽量であり、断熱性、緩衝性に優れることから、家電製品などの梱包、緩衝材、魚箱などの食品容器として広く使用されている。しかし、発泡性ポリスチレンの発泡成形体は、剛性が高いが、衝撃に弱く、割れやすいので、耐衝撃性が要求される用途には使用できないという問題があった。
一方、エチレンやプロピレン等を主骨格としたポリオレフィン系樹脂からなる発泡成形体は、発泡性ポリスチレン樹脂成形体と同様に非常に軽量であり、断熱性、緩衝性に優れていることに加えて柔軟性があって、割れにくいことが知られている。しかし、剛性が低いため圧縮強度が弱く、さらに、ポリオレフィン系樹脂粒子は揮発性発泡剤の保持性が悪く、プロパン、ブタン、ペンタンなどを含浸して得られる発泡性ポリオレフィン系樹脂微粒子は常温での保管、運搬ができないため、発泡成形までに特殊な保管設備が必要であり、輸送する場合には冷凍しなくてはならず非常にコストがかかっていた。また、発泡剤の含有率が変化しやすいので発泡成形の条件を精密に制御する必要があり、製造コスト、設備投資が高くなるという問題もあった。
このような欠点を改善する方法として、ポリエチレン系樹脂にスチレンを含浸し、重合することで複合化した発泡性スチレン改質ポリオレフィン樹脂粒子がいくつか提案されている(特許文献1と2)。
特許文献1に記載の発泡性スチレン改質ポリオレフィン樹脂粒子は、表面層がポリオレフィン系樹脂からなり、芯部がポリスチレン系樹脂からなり、これにより得られる発泡成形体は割れにくく、また低温特性や剛性が改善されている。特許文献2では、発泡性スチレン改質ポリオレフィン樹脂粒子に二酸化珪素等の無機核剤を添化することで剛性、耐衝撃性、耐薬品性が優れることが記載されている。しかし、これらの発泡性スチレン改質ポリオレフィン樹脂粒子において、ポリスチレン系樹脂部位ではある程度の揮発性発泡剤を保持できたとしても、ポリエチレン系樹脂からなる表面層は揮発性発泡剤の逸散が顕著であり、実用的には常温にて長期間の保管や輸送に耐えることができない。
特許文献3では、発泡成形時の表面気泡調整剤として含水二酸化珪素を0.01〜5質量%を含有させ、揮発性発泡剤含浸直後と数時間後に発泡した場合では発泡成形への影響は無いものの、やはり実用的には常温にて長期間の保管や輸送に耐えることができない。
特許文献4では、ポリオレフィン系樹脂粒子100質量部に対してスチレン又はスチレンとアクリル酸エステルの混合モノマー140〜600質量部を含浸重合させ、得られるポリオレフィン系とポリスチレン系の複合粒子に揮発性発泡剤を含有させることで、発泡剤保持性の良い発泡性樹脂粒子と耐割れ性に優れる発泡成形体を製造できると記載されている。しかし、複合粒子中のポリオレフィン系樹脂の含有量及び耐割れ性に優れる特性から、ポリオレフィン系樹脂が粒子中で連続相として存在している部分が多く存在していることが推定でき、即ち、発泡剤が保持性の悪いポリオレフィンの連続相を沿って粒子外に脱逸することは回避できず、発泡剤長期間保持という本願発明の目的は達成できない。
特許文献5〜7では、揮発性発泡剤であるブタン、イソブタンの保持性を向上させるために、分散径拡大剤又は分散相拡大剤と呼ばれるアクリロニトリル−スチレン共重合体などをポリオレフィン系とポリスチレン系の発泡性複合粒子に用いることが提案された。これらの特許文献の記載によると、分散径拡大剤が0.3μm以上のサイズで連続相であるポリスチレン系樹脂中に分散され、その結果、ポリオレフィン系樹脂とポリスチレン系樹脂の両相の接着面積が減少され、ポリスチレン系樹脂相に保持されている発泡剤がポリオレフィン系樹脂相への散逸が抑制できる。しかし、これらの発泡性複合粒子中にポリオレフィン系は20〜55質量%を含有するため、完全な分離相として存在できず、連続的に存在している部分から発泡剤が速やかに逸出され、本願発明の目的である発泡剤を長期間保持することが困難である。また、連続的に存在するポリオレフィン系樹脂の部分が少なかったら、発泡性樹脂粒子及びそれから形成される発泡成形体の耐割れ性が著しく低下するという問題がある。
特開昭54−119563号 特開2006−70202号 特開平04−130143号 特開2008−133449号 特開2013−112765号 特開2011−256244号 特許2014−62171号
本発明は、製造及び保管時に粒子間の接着による凝集が起こらず、常温で20日間以上保管した場合でも高い発泡性を持続できる発泡性樹脂粒子、気泡が均一で高い発泡倍率を有する予備発泡粒子、及びそれらからなる剛性や耐割れ性に優れる発泡成形体を提供することを課題とする。
本発明者らはこれらの課題を解決するために鋭意検討を行った結果、(メタ)アクリレート基及び/また(メタ)アクリルアミド基を有するアクリロイルモノマー(A)1〜30モル%、スチレン構造を有するモノマー(B)20〜60モル%、ニトリル基及び/または水酸基を有するビニルモノマー(C)(Aを除く)15〜70モル%を構成単位として含み、重量平均分子量が1,000〜80,000、かつ、スチレンに対する溶解度が50g(/100g、25℃)以上であるアクリル樹脂からなるガスバリア剤を合成した後、スチレンに溶解させ、熱可塑性粒子中の含浸重合により、長期保管可能の発泡性スチレン改質可塑性樹脂粒子を容易に取得することを見出した。また、ガスバリア剤が最外層成分として発泡性樹脂粒子の表面をカバーしているため、発泡剤の粒子外への脱逸を本質的に抑制されると共に、粒子内に閉じ困れて均一に分散し、加熱発泡により均一で高発泡倍率を有する予備発泡粒子を取得すること、さらにそれらの発泡性樹脂粒子、予備発泡粒子を用いて、剛性や耐割れ性に優れる発泡成形体を取得することを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は
(1)(メタ)アクリレート基及び/また(メタ)アクリルアミド基を有するアクリロイルモノマー(A)0.1〜30モル%、スチレン構造を有するモノマー(B)20〜60モル%、ニトリル基及び/または水酸基を有するビニルモノマー(C)(Aを除く)15〜70モル%を構成単位として含有する、重量平均分子量が1,000〜80,000、かつ、スチレンに対する溶解度が50g(/100g、25℃)以上であるアクリル樹脂からなる発泡性樹脂粒子用ガスバリア剤、
(2)アクリロイルモノマー(A)は、炭素数1〜30の直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキル基及び/またはアルキルエーテル基、炭素数5〜30の脂肪族環及び/または環状エーテル基、又は炭素数6〜35の芳香環を有する(メタ)アクリレート及びN−置換(メタ)アクリルアミドからなる群より選ばれる少なくとも1種以上のモノマーであることを特徴とする前記(1)に記載の発泡性樹脂粒子用ガスバリア剤、
(3)アクリロイルモノマー(A)は炭素数4〜30であるアルキル基を有する(メタ)アクリレート及び/またN−置換(メタ)アクリルアミドであることを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の発泡性樹脂粒子用ガスバリア剤
(4)イオン性ビニルモノマー(D)をアクリル樹脂の構成単位としてさらに含有することを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれか一項に記載の発泡性樹脂粒子用ガスバリア剤、
(5)アクリル樹脂はガラス転移温度(Tg)40〜95℃の範囲を有すること特徴とする前記(1)〜(4)のいずれか一項に記載の発泡性樹脂粒子用ガスバリア剤、
(6)前記(1)〜(5)のいずれか一項に記載のガスバリア剤が5〜30質量%、ポリスチレン樹脂が10〜70質量%、熱可塑性粒子が20〜85質量%を構成成分として含有することを特徴とする発泡性樹脂粒子、
(7)熱可塑性粒子は、ポリオレフィン系樹脂粒子、ポリカーボネート系樹脂粒子とABS系樹脂粒子から選ばれる少なくとも1種以上の粒子であることを特徴とする前記(6)に記載の発泡性樹脂粒子
を提供するものである。
本発明のガスバリア剤は、(メタ)アクリレート基及び/また(メタ)アクリルアミド基を有するアクリロイルモノマー(A)、スチレン構造を有するモノマー(B)とニトリル基及び/または水酸基を有するビニルモノマー(C)の共重合で得られるアクリル樹脂からなるものであって、スチレンに対する溶解性が良く、特有の分子量範囲を有するため、スチレン中に溶解させ、スチレンを熱可塑性粒子に含浸、重合させる工程において、スチレンが粒子内部に含浸するとともに、アクリル樹脂からなるガスバリア剤は粒子表面で厚み5〜200μmの層を形成され、スチレンの重合と伴って粒子の最外層として粒子をカバーした状態で固定され、その結果、得られる発泡性樹脂粒子の揮発性発泡剤に対する保持性が非常に良好である。
また、前記アクリル樹脂のガラス転移温度が40〜95℃の範囲である場合、温度や圧力の調整によって、揮発性発泡剤を粒子内部への圧入は容易であり、かつ、保存時に表面層の粘着性で生じたブロッキングによる粒子間の接着、凝集が低減できる。さらに、イオン性ビニルモノマー(D)をアクリル樹脂に配合させることによって、発泡性樹脂粒子間の静電気発生が抑制され、作業性がよく除電設備投資や輸送コストを大幅に削減できる。
本発明の発泡性樹脂粒子中に圧入された発泡剤は、最外層のガスバリア層を通せず、粒子内の分散性が経時的に高まって、それから得られる予備発泡粒子が均一かつ高い発泡率を有することを特徴である。また、これらの発泡性樹脂粒子や予備発泡粒子から剛性や耐割れ性(耐衝撃性)に優れる発泡成形体は取得できる。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明のガスバリア剤は、(メタ)アクリレート基及び/また(メタ)アクリルアミド基を有するアクリロイルモノマー(A)1〜30モル%、スチレン構造を有するモノマー(B)20〜60モル%、とニトリル基及び/または水酸基を有するビニルモノマー(C)15〜70モル%の共重合で得られるアクリル樹脂からなるものである。
前記のアクリロイルモノマー(A)は、(メタ)アクリレート基及び/また(メタ)アクリルアミド基を有するモノマーであり、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、及びそれらの誘導体であるアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−置換アクリルアミドとN−置換メタクリルアミドなどが挙げられる。
炭素数1〜30の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基、アルキルエーテル基、脂肪族環又は炭素数6〜35の芳香環を有する(メタ)アクリレート系モノマー及びN−置換(メタ)アクリルアミド系モノマーであり、具体的に(メタ)アクリレート系モノマーとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、ペンタデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ヘプタデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、イソミスチリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、プロピルヘプチル(メタ)アクリレート、イソウンデシル(メタ)アクリレート、イソドデシル(メタ)アクリレート、イソトリデシル(メタ)アクリレート、イソペンタデシル(メタ)アクリレート、イソヘキサデシル(メタ)アクリレート、イソヘプタデシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、テルペン系(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、フェノキシエチルアクリレートやフェノールEO変性(n=2,4,9,13)アクリレートなどが挙げられ、同様にアルコキシ(メタ)アクリレート系モノマーとしては、メトキシメチル(メタ)アクリレート、エトキシブチル(メタ)アクリレート、ブトキシヘキシル(メタ)アクリレートなどの前記各種炭素数1〜30の直鎖状又は分岐鎖状のアルキルエーテル基有する(メタ)アクリレート系モノマーが挙げられる。また、N−置換(メタ)アクリルアミド系モノマーとしては、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−n−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−n−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−イソブチル(メタ)アクリルアミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−n−ヘキシル(メタ)アクリルアミド、シクロヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−n−オクチル(メタ)アクリルアミド、N−イソオクチル(メタ)アクリルアミド、N−2−エチルヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−イソノニル(メタ)アクリルアミド、N−ウンデシル(メタ)アクリルアミド、N−ラウリル(メタ)アクリルアミド、N−トリデシル(メタ)アクリルアミド、N−テトラデシル(メタ)アクリルアミド、N−ペンタデシル(メタ)アクリルアミド、N−ヘキサデシル(メタ)アクリルアミド、N−ヘプタデシル(メタ)アクリルアミド、N−ステアリル(メタ)アクリルアミド、N−ベヘニル(メタ)アクリルアミド、N−イソデシル(メタ)アクリルアミド、N−イソミスチリル(メタ)アクリルアミド、N−イソステアリル(メタ)アクリルアミド、N−プロピルヘプチル(メタ)アクリルアミド、N−イソウンデシル(メタ)アクリルアミド、N−イソドデシル(メタ)アクリルアミド、N−イソトリデシル(メタ)アクリルアミド、N−イソペンタデシル(メタ)アクリルアミド、N−イソヘキサデシル(メタ)アクリルアミド、N−イソヘプタデシル(メタアクリルアミド、N−イソボルニル(メタ)アクリルアミド、テルペン系(メタ)アクリルアミド、N−ジシクロペンタニル(メタ)アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドなどが挙げられ、同様にアルコキシ(メタ)アクリレート系モノマーとしては、メトキシメチル(メタ)アクリレート、エトキシブチル(メタ)アクリレート、ブトキシヘキシル(メタ)アクリレートなどの前記各種炭素数1〜30の直鎖状又は分岐鎖状のアルキルエーテル基有する(メタ)アクリレート系モノマーが挙げられ、さらに、N,N−二置換(メタ)アクリルアミド系モノマーとしては、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジn−プロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジイソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−メチルエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−エチルヘキシル(メタ)アクリルアミドなどの、前記各種炭素数1〜30の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基、アルキルエーテル基、脂肪族環又は芳香環を置換基として任意に組み合わせて得られる合理的構造を有する二置換を(メタ)アクリルアミド、アクリルロイルモルホリン、N−ビニルピロリドン、ジアセトンアクリルアミド、N−ビニルカプロラクトン、N,N−ジメチルアミノエチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアミノエチルアクリルアミド、N,N−ジイソプロピルアミノエチルアクリルアミド、N,N−ジアリルアミノエチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジエチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジイソプロピルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジアリルアミノプロピルアクリルアミド等が挙げられる。これらのモノマーは1種類に限らず、複数の種類を組み合わせて使用してもよい。
また、アクリロイルモノマー(A)は炭素数4〜30の直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキル基及び/またはアルキルエーテル基、炭素数5〜30の脂肪族環及び/または環状エーテル基、又は炭素数6〜35の芳香環を有する(メタ)アクリレート及びN−置換(メタ)アクリルアミドである場合、得られるガスバリア剤が発泡性樹脂粒子の表面に緻密に配列することができ、かつ、発泡性樹脂粒子間の滑り性を付与し、粒子表面の粘着性を抑える効果があるため、特に好ましい。さらに、炭素数8〜30の直鎖状、分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリレート及びN−置換(メタ)アクリルアミドはTgが制御しやすく、スチレンに対する溶解性により優れるため、最も好ましい。
前記のスチレン構造を有するモノマー(B)は、具体的には、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルトルエン、t−ブチルスチレン、o−エチルスチレン、o−クロロスチレン、o,p−ジクロロスチレン等が挙げられる。これらのスチレン系誘導体は、1種類あるいは2種以上を用いることができ、特にスチレン、α−メチルスチレン、が安価な工業品を入手しやすいため、好ましい。
前記のニトリル基及び/または水酸基を有するビニルモノマーとして、具体的には、は、(メタ)アクリロニトリル、ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシイソプロピル(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシイソブチル(メタ)アクリルアミド、N−メチル−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、ジヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシイソプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシイソブチル(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−ファノキシプロピル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。また、ガスバリア性が高く、熱特性が調整し易いことから、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレート、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノアクリレート、2−ヒドロキシ−3−ファノキシプロピルアクリレート、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−ファノキシプロピルメタクリレートが特に好ましい。
本発明のガスバリア剤に用いられるアクリル樹脂において、アクリロイルモノマー(A)は1〜30モル%の比例で配合することが好ましい。成分Aは30モル%より多い場合、相対的に成分Cの含有量が少なくなり、揮発性発泡剤の保持性が極端に低下し、一方、Aは1モルより少ないとガスバリア剤の粒子表面への濡れ性が悪くなり、均一なガスバリア層を形成しにくい場合がある。揮発性発泡剤の保持性と粒子表面への濡れのバランスからより好ましく1モルから20モル、最も好ましくは3モルから15モルである。
前記のアクリル樹脂において、スチレン構造を有するモノマー(B)は20〜60モル%の比例で配合することが好ましい。60モル%より多いと相対的に成分Aの含有量が少なくなり、ガスバリア剤の粒子表面への濡れ性が悪化し、均一なガスバリア層を形成しにくい場合がある。一方、20モル%より少ないとスチレンに対する溶解性が悪化する。また、より好ましくは20〜60モル%、最も好ましくは30から60モル%である。
前記のアクリル樹脂において、ニトリル基及び/または水酸基を有するビニルモノマー(C)は15〜70モル%の比例で配合することが好ましい。70モル%より多いとスチレンへの溶解性が悪化し、一方、15モル%より少ないと揮発性発泡剤の保持性が極端に低下する。スチレンへの溶解性及び揮発性発泡剤の保持性をともに満足させるために、より好ましい配合比は20〜60モル%、最も好ましくは40〜60モル%である。また、ビニルモノマー(C)を構成する、ニトリル基を有するビニルモノマー及び水酸基を有するビニルモノマーの混合比は、ニトリル基を有するビニルモノマー/水酸基を有するビニルモノマー=100/0〜0/100(モル/モル)である。重合物のガラス転移温度のコントロールの容易さから100/0〜50/50、より好ましくは100/0〜70/30である。
前記のアクリル樹脂において、さらにイオン性ビニルモノマー(D)を構成単位として配合することが好ましい。イオン性ビニルモノマーとは、カチオンとアニオンを組み合わせたオニウム塩であり、具体的には、カチオンとして(メタ)アクリレート系あるいは(メタ)アクリルアミド系のアンモニウムイオンやイミダゾリウムイオン、アニオンとしてはCl、Br、I等のハロゲンイオン又はOH、CHCOO、NO 、ClO 、PF 、BF 、HSO 、CHSO 、CFSO 、CHSO 、CSO 、(CFSO,SCN等の無機酸アニオン又は有機酸アニオンが挙げられる。
本発明に用いられるイオン性ビニルモノマー(D)の合成方法としては、一般的には、重合性基を有する第3級アミンをハロゲン化アルキル、ジアルキル硫酸類、p-トルエンスルホン酸メチルなどの4級化剤で4級化する方法、4級化により得られた4級アンモニウム塩をさらに、目的のアニオンを有する塩を用いてアニオン交換を行う方法や、陰イオン交換樹脂を用いて4級アンモニウム塩を水酸化物に変換した後に目的のアニオンを有する酸で中和する方法などがある。詳細は本発明者らが先に報告した特開2011−012240号公報、特開2011−074216号公報、特開2011−140448号公報、特開2011−140455号公報、特開2011−153109号公報を参考する。
イオン性ビニルモノマー(D)はカチオンとアニオンの組み合わせによって、水から非極性有機溶剤まで溶解可能であるため、カチオンとアニオンの品種は特に限定されるものではなく、アクリル樹脂(E)の主要構成モノマーA、BとCの構造及び配合比に合わせて、モノマーの重合溶液に溶解できる程度のものを適宜に選定して組み合わせればよい。Dはアクリル樹脂(E)の側鎖として存在するため、発泡性樹脂粒子の表面に分布させ、ブリードアウトせず、永久的に帯電防止性を付与する効果を提供できる。また、Dの配合量は、アクリル樹脂(E)100モル%中に0.1〜30モル%であることが好ましい。0.1モル%配合すれば、帯電防止効果が確認でき、また30モル%超えると、発泡性樹脂粒子同士の凝集を招きやすくなり、好ましくない。
前記のアクリル樹脂の分子量は重量平均で1,000〜80,000の範囲にある。重量平均分子量が80,000より大きくなるとスチレンへ溶解性が悪化し、溶液の粘度が極端な上昇を招きハンドリングが困難となる。一方、1,000より分子量が小さいと含浸重合際に、熱可塑性粒子の中心部までに浸透してしまい、表面層の欠陥を生じやすくなり、揮発性発泡剤の保持性が悪化してしまう。好ましくは、重量平均分子量が2,000〜5,0000の範囲であり、より好ましくは5,000〜45,000である。
前記のアクリル樹脂のガラス転移温度(Tg)は40〜95℃の範囲を有することが好ましい。Tgが95℃より高温であると、発泡性樹脂粒子に揮発性発泡剤を圧入する際の操作温度と圧力は高くしなければならず、安全性も作業性も低下する。また、発泡時に軟化し難いので粒子の融着が阻害され、また、発泡倍率も低く、機械的特性も低下してしまう。一方、Tgが40℃より低くなると発泡性樹脂粒子同士が製造及び保管時の凝集が発生しやすく、発泡剤の保持性が極端に低下してしまう。さらに、発泡成形体の耐割れ性と保管時の粒子同士の凝集を防止するために、好ましくは50〜90℃の範囲であり、特に好ましくは55〜85℃。
前記のアクリル樹脂は25℃におけるスチレンに対する溶解度は50(g/100g)以上、即ち、スチレン100gに対してEが50g以上可溶である。溶解度は50(g/100g)以上である場合、高濃度のアクリル樹脂のスチレン溶液を調製でき、含浸重合による発泡性樹脂粒子を作製する際にアクリル樹脂が粒子表面を完全にカバーすることができる。また、溶解度は60(g/100g)以上であることがより好ましい。
本発明の発泡性樹脂粒子は、熱可塑性粒子、ポリスチレン系樹脂及びガスバリア剤から構成され、汎用の含浸重合技術を利用して簡便に製造することができる。例えば、水性媒体中に熱可塑性粒子を懸濁させた後、攪拌しながらスチレン、ガスバリア剤及び油溶性ラジカル重合開始剤からなる混合液を加え、加熱により懸濁重合を行い、重合反応と同時にあるいは重合反応終了後に揮発性発泡剤を含浸させることによって、本発明の発泡性スチレン改質熱可塑性樹脂粒子(本発明において、略して「発泡性樹脂粒子」とも呼ぶ)を取得できる。
前記の熱可塑性粒子は、公知の熱可塑性樹脂を用いて、溶融押出しなど汎用の造粒方法で製造することができる。本発明に用いる熱可塑性粒子の原料樹脂として、ポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ABS系樹脂を単独もしくは混合して用いることができる。また、ポリオレフィン系樹脂としては、超低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン(L−LDPE)、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、分岐型低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体、ポリプロピレン、エチレン−プロピレンランダム共重合体、プロピレン−1−ブテン共重合体、エチレン−プロピレン−ブテンランダム共重合体等のポリプロピレン系樹脂、ポリプロピレン−ポリブチレンテレフタレート−ナイロン−ポリフェニレンエーテルのアロイ等が挙げられ、また、好ましくは、超低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン(L−LDPE)、中密度ポリエチレンであり、より好ましくは低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレンが挙げられる。
ポリカーボネート系樹脂としては、2,2−ビス(4−オキシフェニル)ブタン、1,1−ビス(4−オキシフェニル)イソブタン、1,1−ビス(4−オキシフェニル)シクロヘキサン等のビスフェノール誘導体からなるポリカーボネート系樹脂又はポリ(エステルカーボネート)からなるポリカーボネート成分を含むポリカーボネート系樹脂が挙げられる。
ABS系樹脂としては、ポリブタジエン、ブタジエンと共重合可能なビニルモノマーとのランダム若しくはブロック共重合体、ビニルモノマーの共重合体等のゴム状重合体の存在下で、スチレン、α−メチルスチレン、t−ブチルスチレン、クロロスチレン等の1種類以上の芳香族ビニルモノマーと、例えばアクリロニトリル、メタアクリロニトリル、クロロアクリロニトリル等の1種類以上のシアン基を有するビニルモノマーを重合して得られたものが挙げられる。
また、発泡成形体の耐割れ性向上の面から、熱可塑性粒子の原料樹脂として、好ましくはポリオレフィン系樹脂単独もしくは、ポリオレフィンとその他の樹脂との混合物、さらに好ましくは超低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレンと中密度ポリエチレンが挙げられる。
本発明の発泡性樹脂粒子100質量%中に、熱可塑性粒子の配合量は20〜85質量%、好ましくは30〜80質量%、より好ましくは40〜70質量%である。熱可塑性粒子の配合量が85質量%より多くなると、発泡性樹脂粒子の発泡剤保持性が著しく低下してしまい、また、20質量%より少ないと、それから得られる発泡成形体の耐割れ性が低下する問題があった。
本発明の発泡性樹脂粒子100質量%中に、ポリスチレン樹脂の配合量は10〜70質量%、好ましくは30〜60質量%である。ポリスチレン樹脂の配合量が70質量%より多くなると、発泡性樹脂粒子やそれから得られる予備発泡粒子や発泡性成形体の耐割れ性が低下し、また、10質量%より少ないと、発泡性樹脂粒子の発泡剤保持性、発泡性成形体の機械的特性が極端に低下してしまう恐れがあり、好ましくない。
本発明の発泡性樹脂粒子100質量%中に、ガスバリア剤の配合量は5〜30質量%である。この範囲内であれば、発泡性樹脂粒子のサイズによって多少変化するが、発泡性樹脂粒子の最外層としてガスバリア剤を50質量%以上含有し、厚さは5〜200μmである表面層が形成される。
本発明の発泡樹脂粒子に用いられる揮発性発泡剤としては、例えば、プロパン、ブタン、イソブタン、ペンタン、ジメチルエーテル等があげられる。これらの揮発性発泡剤は単独で用いられても併用されてもよい。これらの揮発性発泡剤の含有量としては、発泡性樹脂粒子に対して5.5〜13.0質量%である。揮発性発泡剤が5.5質量%より少ないと発泡性が低下し、嵩密度の低い高発泡倍率の予備発泡粒子が得られなくなるとともに、この予備発泡粒子を型内成形して得られる発泡成形体は融着性が低下するので、耐割れ性が低下してしまう。一方、13.0質量%を超えると、高発泡倍率の予備発泡粒子を得ることができるが、気泡径が大きくなり過ぎて発泡成形体の圧縮、曲げ等の機械特性が低下する。好ましい揮発性発泡剤の含有量は6.0から12.0質量%の範囲である。
本発明の製造方法により製造される発泡性樹脂粒子の平均粒子径は1〜3mmであり、平均粒子径が3mmより大きくなると成形型への充填性が悪くなる傾向を示す。1mmより小さくなるとポリオレフィン系樹脂を溶融押出し後の造粒時の収率低下によりコストが増加してしまい、また、発泡剤の保持性が低下し、揮発性発泡剤の保持時間が短くなってしまう。好ましい平均粒子径は1〜2mmである。
また、本発明の発泡性樹脂粒子は、最外層にはガスバリア剤を主成分とした表面層が形成されていることが特徴である。発泡性樹脂粒子を粒子表面から中心を通って切断した断面において、顕微ラマン分光光度計により分析を行い、粒子表面付近の領域から、ガスバリア剤のみに関るラマンスペクトル、例えば、ガスバリア剤を構成するアクリル樹脂のアクリロイル官能基(1730cm−1付近にエステル結合、1645cm−1付近にアミド結合)及び/又はニトリル官能基(2230cm−1付近にニトリル結合)由来の特有ピークが強く観察され、発泡性樹脂粒子の表面にガスバリア剤を主成分とするガスバリア層の存在が確認された。当該ガスバリア層の厚みは、主にガスバリア剤と熱可塑性粒子の配合比で調整できるが、5〜200μmの範囲であれば、十分満足できるレベルのガスバリア性を提供でき、かつ、発泡性樹脂粒子や予備発泡粒子の発泡特性及び成形体の耐割れ性、耐溶剤性等の特性に影響を与えないので、好ましい。
本発明の発泡性樹脂粒子を用いて、水蒸気等の加熱媒体により加熱することで所定の嵩密度に予備発泡させ、予備発泡粒子を得ることができる。本発明の予備発泡粒子は、熱可塑性樹脂とポリスチレン系樹脂からなる主体部分及び、ガスバリア剤を主成分とした表面層から構成され、かつ、嵩密度が0.015〜0.40g/cmの範囲であることが好ましい。このような予備発泡粒子は、成形機の型内に充填し、熱成形時における二次発泡後の厚みが安定し、通常の二次発泡厚みが安定するまでの熟成期間が不要である。また、予備発泡粒子の表面に有するガスバリア層のアクリル樹脂のガラス転移温度(Tg)は、構成成分の配合比によって、40〜95℃の範囲内で調整可能であるため、予備発泡後の二次粒子は形状が崩すことなく、粒子同士が容易に融着させ、寸法安定性に優れる成形品を製造することができる。
また、本発明の発泡性樹脂粒子を用いて、予備発泡せず、発泡剤含浸後直接成形型内に充填、発泡させることによって発泡成形体も製造することができる。このような一段発泡の成形方法では、成形サイクルは短く、操作は容易であり、生産性が高いという特徴を有している。
本発明に用いられる発泡成形体は、前記の一段発泡法又は予備発泡法のいずれかの方法で製造することができる。また、得られた発泡成形体は、本発明の発泡性樹脂粒子、予備発泡性粒子と同様にガスバリア剤主成分のガスバリア層を表面に形成し、粒子同士の間隙が極めて小さく、成形の精度が高く、表面光沢性も良好である。さらに、発泡成形体を構成する粒子は熱可塑性樹脂とポリスチレン系樹脂をともに含有するため、発泡成形体の強度も剛性も高く、耐割れ性が良好であった。
本願発明に関る発泡成形体の用途としては、特に限定されないが、緩衝材(クッション剤)、建材用の断熱材、食品や電気製品、精密機器用の容器、電機製品の部材、および自動車のバンパーの芯材、嵩上げ材、ドア内装緩衝材等の衝撃エネルギー吸収材や消失模型材などの各種用途が挙げられる。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、以下において、「部」及び「%」は特記しない限りすべて質量基準である。
合成例、実施例における各種物性の測定又は評価は以下の方法で行った。
(1)分子量分析:下記に示した条件でゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて分子量の測定を行った。分析装置としてLC−20AD、DGU−20A、CTO−20AとRID−10Aの(島津製作所)セット、溶離液としてクロロホルム、カラムとしてKF−806L(shodex)を用いて、流量0.5mL/min、カラム温度40℃、注入量20μL、サンプル濃度0.5wt%の条件で測定を行い、標準ポリスチレン分子量をスタンダートとして換算し、合成したアクリル樹脂の重量平均分子量を算出した。
(2)ガラス相転移温度(Tg)測定:示差走査熱量計装置(エスアイアイナノテクノロジー社製のDSC6220)を用い、測定容器に試料10mgを充填して、窒素ガス流量40ml/minのもと10℃/minの昇温速度で200℃まで昇温し、10分間保持後、10℃/minの降温速度で−20℃まで降温し、10分間保持した。その後、再度10℃/minの昇温速度で200℃まで昇温し、熱量の変化を測定し、吸熱ピークの中間点をガラス相転移温度とした。
(3)スチレンに対する溶解性:合成したアクリル樹脂5gをスチレン10g中に添加し、25℃で5時間を攪拌し、溶解性を評価した。
○:均一で透明な溶液、溶解度は50g(/100g、25℃)以上である。
△:均一であるが、やや白色で完全透明ではないよう液、溶解度は50g(/100g25℃)未満である。
×:不均一で白い不溶物が多く残存していた(溶解しない)
(4)ラマンスペクトル測定:合成した発泡性樹脂粒子を用いて、粒子表面から中心を通って切断し、その断面の表面分析はレーザーラマン分光計(日本分光社製、型式NRS−5100)により行った。
(5)初期発泡剤含有量の測定:製造直後の発泡性樹脂粒子を1g秤量し、ベント付き乾燥機にて190℃で加熱し、加熱前後の重量変化量から発泡剤の含有量を下記の式に基づいて算出した。
初期発泡剤の含有量=(製造直後の重量−加熱後の重量)/製造直後の重量×100%
(6)発泡剤保持性の評価:発泡性樹脂)粒子を製造後20日間にわたり25℃に温調した恒温槽内で静置した後、前記同様に保管後の発泡剤含有量を測定した。
保管後発泡剤の含有量=(保管後の重量−加熱後の重量)/保管後の重量×100%
◎:初期発泡剤の含有量と保管後発泡剤の含有量の差は1.0%未満である。
○:初期発泡剤の含有量と保管後発泡剤の含有量の差は1.0〜2.0%未満である。
△:初期発泡剤の含有量と保管後発泡剤の含有量の差は2.0〜3.0%未満である。
×:初期発泡剤の含有量と保管後発泡剤の含有量の差は3.0以上である。
(7)発泡性樹脂粒子間の接着性評価:製造した発泡性樹脂粒子を25℃に温調した恒温槽内で1日間静置し、粒子間の接着の有無を次の評価基準に照らし、発泡性改質樹脂粒子間の接着性を評価した。
○:(良好)粒子間での接着無し
×:(不良)粒子間での接着有り
(8)発泡性樹脂粒子の発泡性評価:発泡性樹脂粒子を円筒型バッチ式予備発泡機に供給して、吹き込み圧0.02MPaの水蒸気により加熱し、予備発泡粒子を得た。得られた予備発泡粒子を容量500cmのメスシリンダに500cmの 目盛りまで充填し、充填した予備発泡粒子の重量W(g)を精密に測って、予備発泡粒子の嵩密度を下記式1により算出した。また、発泡倍率と嵩密度は逆数関係であることを利用し、予備発泡粒子の発泡率は下記式2により算出した。
式1 嵩密度(g/cm)=W(g)/500cm
式2 発泡倍率=1/嵩密度(g/cm
発泡性樹脂粒子の発泡性は次の基準に照らして評価を行った。
◎:(良好)発泡倍率50倍以上
○:(やや良好)発泡倍率40倍以上〜50倍未満
△:(普通)発泡倍率30倍以上〜40倍未満
×:(不良)発泡倍率30倍未満
(9)耐割れ性評価:発泡成形体の耐割れ性の強さを示す落球衝撃試験について、JIS K 7211に準じて測定した。発泡成形体から幅、長さ、厚さが200mm、40mm、20mmの試験片を切り出し、合計20個用意する。321gの鋼球を落とし、下記の計算式により50%破壊高さを算出した。数値が高いほど耐衝撃性が高いことを示す。
H50:50%破壊高さ(cm)
Hi:高さ水準(i)が0のときの試験高さ(cm)で、試験片が破壊することが予測される高さを指す。
d:試験高さを上下させるときの高さ間隔(cm)
i:Hiのときを0とし、一つずつ増減する高さ水準(i=・・・−3,−2,−1,0,1,2,3,・・・)
ni:各水準において破壊した(又は破壊しなかった)試験片の数
N:破壊した(又は破壊しなかった)試験片の総数
いずれか多い方のデータを使用する。なお、同数の場合はどちらを使用してもよい。
±0.5:破壊したデータを使用したときは負号を、破壊しなかったデータを使用したときは正号をとる。
◎:(良好)40cm以上
○:(やや良好)30cm以上〜40cm未満
△:(やや不良)20以上〜30cm未満
×:(不良)20cm未満
(10)帯電防止性評価:得られた発泡成形体から幅、長さ、厚さが110mm、110mm、25mmの試験片を切り出し、温度23℃、相対湿度50%に調整した恒温恒室機に入れ、3時間静置し、表面固有抵抗率測定用試料を得た。JISK 6911に基づき、デジタルエレクトロメーター(R8252型:エーディーシー社製)を用いて測定を行った。表面固有抵抗率が低いほど、発泡成形体の帯電防止性が高い。
○:(帯電防止性能を有する)1×1012Ω/□未満
△:(帯電防止性能をやや有する)1×1012Ω/□以上、かつ、1×1013Ω/□未満
×:(帯電防止性能を有しない)1×1013Ω/□以上
合成例1 アクリル樹脂1の合成
撹拌装置、温度計、冷却器および乾燥窒素導入管を備えた容量500mLの反応容器に成分(A)としてドデシルメタクリレート12.7g(50mmol)、成分(B)としてスチレン26.0g(250mmol)、成分(C)としてアクリロニトリル26.5g(500mmol)と1,4−シクロヘキサンジメタノールモノアクリレート39.6g(200mmol)、及び重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)3.3g(20mmol)、溶媒としてジメチルホルムアミド(DMF)200gを仕込んだ。乾燥窒素気流下、反応液を30℃で1時間撹拌しながら窒素置換した後、100℃で10時間加熱し、ガスクロマトグラフィーにて反応系内の各種残存モノマーが1%未満であり、即ち、各種原料モノマーが所定配合比で重合し、所定組成のコポリマーを取得できたことを確認した。その後、減圧下で残存モノマーと約半分のDMFを留去し、さらにメタノールを加え、ポリマーを沈殿、乾燥させ、白色粉末状固形物94gを得た。また、アクリル樹脂1の重量平均分子量は1.0万、Tgは58℃であり、スチレンに50%以上溶解することを確認した。
合成例2〜4、比較合成例9〜11 アクリル樹脂2〜4と9〜11の合成
合成例2〜4においては、表1に示す各成分を、同表に示す配合量にて、合成例1と同様に重合、精製を行い、白色粉末状固形物としてアクリル樹脂2〜4を得た。また、比較合成例9〜11においては、表2に示す各成分を、同表に示す配合量にて、合成例1と同様に重合、精製を行い、白色粉末状固形物としてアクリル樹脂9〜11を得た。得られたアクリル樹脂2〜4、9〜11の分子量とTgを測定し、スチレンに対する溶解性を調べ、それらの結果を表1と表2に纏めた。
合成例5、比較合成15 アクリル樹脂5と15の合成
合成例5においては、表1に示す各成分を、同表に示す配合量にて、合成例1と同様に重合、精製を行い、白色ワックス状固形物としてアクリル樹脂5を得た。また、比較合成15としては、合成例5のポリマー精製工程で得られた上澄みを用い、減圧下で加熱しながら溶媒と残存モノマーなどを完全に除去し、淡黄色高粘度の液体としてアクリル樹脂15を取得した。得られたアクリル樹脂5、15の分子量とTgを測定し、スチレンに対する溶解性を調べ、それらの結果を表1と表2に纏めた。
合成例6〜8、比較合成例12〜14 アクリル樹脂6〜8と12〜14の合成
合成例6〜8においては、表1に示す各成分を、同表に示す配合量にて、合成例1と同様に70℃で20時間加熱し重合、精製を行い、白色粉末状固形物としてアクリル樹脂6〜8を得た。また、比較合成例12〜14においては、表2に示す各成分を、同表に示す配合量にて、合成例1と同様に70℃で20時間加熱し重合、精製を行い、白色粉末状固形物としてアクリル樹脂12〜14を得た。得られたアクリル樹脂6〜8、12〜14の分子量とTgを測定し、スチレンに対する溶解性を調べ、それらの結果を表1と表2に纏めた。
表1
表2
発泡性樹脂粒子(発泡性スチレン改質熱可塑性粒子)の製造
実施例1
低密度ポリエチレン(東ソー社製、ニポロンZ 9P51A)100質量部、造核剤としてタルク0.5質量部をドライブレンドし、二軸押出機のホッパーより供給し、220℃で溶融混練して押出機からストランド状に押出し、ペレタイザーにより切断して熱可塑性(樹脂)粒子のペレットを作製した。
次に、撹拌機付き耐圧重合容器に、水100質量部、熱可塑性粒子のペレット25質量部、懸濁剤としてピロリン酸マグネシウム0.0175質量部、界面活性剤ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム0.0175質量部を入れ、撹拌しながら90℃に昇温した。その後、重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド0.1質量部及びt−ブチルパーオキシベンゾエート0.05質量部、ガスバリア剤としてアクリル樹脂1 5質量部とスチレン70質量部からなる溶液を、4時間かけて添加して重合した。さらに、130℃で3時間重合を行った後、90℃に冷却してスチレン改質熱可塑性粒子を得た。続いて、耐圧重合容器内に発泡剤としてイソブタン7.5質量部を圧入し、90℃で3時間保持した。その後、冷却して脱水、乾燥させて発泡性スチレン改質熱可塑性粒子(略して発泡性樹脂粒子)を得た。得られた発泡性樹脂粒子の初期発泡剤含有量、発泡性樹脂粒子の発泡剤保持性、発泡性樹脂粒子間の接着性を評価し、結果を表3に示した。
実施例2〜10
熱可塑性粒子、ガスバリア剤とスチレンを表3に示す品種と質量とした以外は実施例1と同様に、実施例2〜10を実施し、得られた発泡性樹脂粒子の初期発泡剤含有量、発泡性樹脂粒子発泡剤保持性、発泡性樹脂粒子間の接着性を評価し、結果を表3に示した。
表3
比較例1〜4
熱可塑性粒子、アクリル樹脂とスチレンを表4に示す品種と質量とした以外は実施例1と同様に、比較例1〜4を実施し、得られた発泡性樹脂粒子の初期発泡剤含有量、発泡性樹脂粒子発泡剤保持性、発泡性樹脂粒子間の接着性を評価し、結果を表4に示した。
表4
比較例5
エチレン酢酸ビニル共重合体(日本ユニカー社製、NUC−3221(酢酸ビニル5.0重量%))100質量部、造核剤としてタルク0.5質量部をドライブレンドし、二軸押出機のホッパーより供給し、220℃で溶融混練して押出機からストランド状に押出し、ペレタイザーにより切断して熱可塑性粒子のペレットを作製した。
次に、撹拌機付き耐圧重合容器に、水100質量部、熱可塑性粒子のペレット35質量部、懸濁剤としてピロリン酸マグネシウム0.0175質量部、界面活性剤としてドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム0.0175質量部を入れ、撹拌しながら90℃に昇温した。その後、重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド0.1質量部とt−ブチルパーオキシベンゾエート0.05質量部、アクリロニトリル15質量部とスチレン50重量部の混合溶液を4時間かけて添加して重合した。さらに、130℃で3時間重合を行い、90℃に冷却した後、耐圧重合容器内に発泡剤としてイソブタン7.5質量部を圧入し、90℃で3時間保持した。その後、冷却して脱水、乾燥させて発泡性樹脂粒子を得た。得られた発泡性樹脂粒子の初期発泡剤含有量、発泡性樹脂粒子の発泡剤保持性、発泡性樹脂粒子間の接着性を評価し、結果を表4に示した。
比較例6
低密度ポリエチレン(東ソー社製、ニポロンZ 9P51A)50質量部、アクリロニトリル−スチレン樹脂(電気化学工業社製、AS−XGS、アクリロニトリル28%、重量平均分子量10.9万)50質量部、造核剤としてタルク0.5質量部をドライブレンドし、二軸押出機のホッパーより供給し、220℃で溶融混練して押出機からストランド状に押出し、ペレタイザーにより切断して熱可塑性粒子のペレットを作製した。
次に、撹拌機付き耐圧重合容器に、水100質量部、熱可塑性粒子のペレッ60質量部、懸濁剤としてピロリン酸マグネシウム0.0175質量部、界面活性剤としてドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム0.0175質量部を入れ、撹拌しながら90℃に昇温した。その後、重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド0.1質量部、t−ブチルパーオキシベンゾエート0.05質量部、スチレン40質量部を4時間かけて添加して重合した。さらに、130℃で3時間重合を行った後、90℃に冷却して発泡性樹脂粒子を得た。続いて、耐圧重合容器内に発泡剤としてイソブタン7.5質量部を圧入し、90℃に昇温して3時間保持した。その後、冷却して脱水、乾燥させて発泡性樹脂粒子を得た。得られた発泡性樹脂粒子の初期発泡剤含有量、発泡性樹脂粒子発泡剤保持性、発泡性樹脂粒子間の接着性を評価し、結果を表4に示した。
比較例7〜14
熱可塑性粒子、アクリル樹脂とスチレンを表5に示す品種と質量とした以外は実施例1と同様に、比較例7〜14を実施し、得られた発泡性樹脂粒子の初期発泡剤含有量、発泡性樹脂粒子発泡剤保持性、発泡性樹脂粒子間の接着性を評価し、結果を表5に示した
実施例1〜10、比較例1〜14で製造した発泡性樹脂粒子を成形機の型内に充填し、100℃の水蒸気で円筒バッチ式発泡機に供給して、吹き込み蒸気圧0.02MPaの水蒸気により10分間加熱し、予備発泡粒子を得た。予備発泡粒子を室温で24時間熟成した後、発泡倍率を測定し、結果を表5に示した。また、室温で24時間熟成した予備発泡粒子を、成形機の密閉金型に充填し、水蒸気で加熱し、発泡成形体を製造した。得られた発泡成形体の耐割れ性と帯電防止性を評価し、結果を表3〜5に纏めた。
表5
実施例と比較例の結果から、本発明のガスバリア剤は、アクリロイルモノマー(A)、スチレン構造を有するモノマー(B)及びニトリル基や水酸基を有するビニルモノマー(C)を特定な配合比で重合させてなるアクリル樹脂を用いたため、スチレンに対する溶解性が良く、特有な分子量範囲とTg範囲を有し、スチレンの含浸重合とともに樹脂粒子の表面にガスバリア層を形成することができた。ガスバリア層の形成により本発明の発泡性樹脂粒子は、製造及び保管時に粒子間の接着による凝集が発生せず、常温で20日間以上保管した場合でも高い発泡性を持続できた。一方、比較例5において、アクリル樹脂の構成モノマーの一部であるアクリロニトリルを用いて、スチレンと同時に含浸、共重合をさせても、可塑性粒子内部への浸透と水中への溶解により樹脂粒子の表面にガスバリア層を形成することができず、発泡剤の保持性が悪かった。また、比較例6において、熱可塑性粒子に予めアクリロニトリル−スチレン共重合体を混合することで、いくらか発泡剤の保持が認められるが、粒子表面にガスバリア層を形成されなかった為ために樹脂粒子の表面からの発泡剤の逸散を抑制することができず、実用的に長期間保管できず本発明の目的を達成することができなかった。
以上説明してきたように、本発明の発泡性樹脂粒子が最外層に本発明のガスバリア剤からガスバリア層を形成され、常温で20日間以上保管した場合でも高い発泡性を持続できる発泡性樹脂粒子を提供できる。また、当該発泡性樹脂を加熱発泡により気泡が均一で高い発泡倍率を有する予備発泡粒子を得ることができる。さらに、それらの発泡性樹脂粒子、予備発泡粒子から剛性や耐割れ性の優れた発泡成形体を製造できる。本発明の発泡性樹脂粒子、予備発泡粒子及び発泡成形体は、食品、電子部品、各種工業資材用の容器や包装材、自動車用の緩衝材、建築物用保温材などに好適に用いることができる。

Claims (7)

  1. (メタ)アクリレート基及び/また(メタ)アクリルアミド基を有するアクリロイルモノマー(A)〜30モル%、スチレン骨格を有するモノマー(B)20〜60モル%、ニトリル基及び/または水酸基を有するビニルモノマー(C)(Aを除く)15〜70モル%を構成単位として含有する、重量平均分子量が1,000〜80,000、かつ、スチレンに対する溶解度が50g(/100g、25℃)以上であるアクリル樹脂からなる発泡性樹脂粒子用ガスバリア剤。
  2. アクリロイルモノマー(A)は、炭素数1〜30の直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキル基及び/またはアルキルエーテル基、炭素数5〜30の脂肪族環及び/または環状エーテル基、又は炭素数6〜35の芳香環を有する(メタ)アクリレート及びN置換(メタ)アクリルアミドからなる群より選ばれる少なくとも1種以上のモノマーであることを特徴とする請求項1に記載の発泡性樹脂粒子用ガスバリア剤。
  3. アクリロイルモノマー(A)は炭素数4〜30であるアルキル基を有する(メタ)アクリレート及び/またN置換(メタ)アクリルアミドであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の発泡性樹脂粒子用ガスバリア剤。
  4. イオン性ビニルモノマー(D)をアクリル樹脂の構成単位としてさらに含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の発泡性樹脂粒子用ガスバリア剤。
  5. アクリル樹脂はガラス転移温度(Tg)40〜95℃の範囲を有すること特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の発泡性樹脂粒子用ガスバリア剤。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載のガスバリア剤が530質量%、ポリスチレン樹脂が10〜70質量%、熱可塑性粒子が20〜85質量%を構成成分として含有することを特徴とする発泡性樹脂粒子。
  7. 熱可塑性粒子は、ポリオレフィン系樹脂粒子、ポリカーボネート系樹脂粒子とABS系樹脂粒子から選ばれる少なくとも1種以上の粒子であることを特徴とする請求項6に記載の発泡性樹脂粒子。
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