JP2012214552A - シード重合用ポリプロピレン系樹脂粒子、その製造方法、複合樹脂粒子、発泡性複合樹脂粒子、予備発泡粒子および発泡成形体 - Google Patents

シード重合用ポリプロピレン系樹脂粒子、その製造方法、複合樹脂粒子、発泡性複合樹脂粒子、予備発泡粒子および発泡成形体 Download PDF

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Abstract

【課題】高倍数を有し、黒色で外観に優れ、高い遅燃性を有する発泡成形体を得ることができるシード重合用ポリプロピレン系樹脂粒子を提供することを課題とする。
【解決手段】樹脂成分としてポリプロピレン系樹脂を含む樹脂粒子100質量部中にカーボンブラックを2〜10質量部の割合で含み、前記樹脂粒子表面の10μm×10μmの部分を2000倍で撮影した透過型電子顕微鏡写真において、平均面積が1.0×104〜9.9×104nm2である前記カーボンブラックの分散構造を有することを特徴とするシード重合用ポリプロピレン系樹脂粒子により課題を解決する。
【選択図】図1

Description

本発明は、シード重合用ポリプロピレン系樹脂粒子、その製造方法、複合樹脂粒子、発泡性複合樹脂粒子、予備発泡粒子および発泡成形体に関する。さらに詳しくは、本発明は、高倍数を有し、黒色で外観に優れ、高い遅燃性を有する発泡成形体を得ることができるシード重合用ポリプロピレン系樹脂粒子およびその製造方法に関し、また、前記シード重合用ポリプロピレン系樹脂粒子から得られる複合樹脂粒子、発泡性複合樹脂粒子、予備発泡粒子および発泡成形体にも関する。
従来、樹脂成分としてポリスチレン系樹脂やオレフィン系樹脂を含む発泡成形体が、成形加工性、断熱性、耐衝撃性および緩衝性のような優れた物性のために、包装用緩衝材、建築用部材、自動車用部材等として幅広く使用されている。
特に、発泡成形体を自動車室内の部材の用途で使用する場合、黒色で着色されることが強く望まれ、外観の美麗なものが求められる。さらに遅燃性も不可欠である。このため、前記の観点から、黒色で外観に優れ、高い遅燃性を有する発泡成形体として、特許文献1および2には、カーボンブラックと難燃剤を含む発泡成形体が記載されている。
特開2008−239794号公報 特開2004−263033号公報
現在、発泡成形体の軽量化や低コスト化の観点から、優れた外観に加えて発泡成形体の高倍数化や低比重化が望まれるようになっている。しかしながら、発泡成形体を製造するための原料として用いる、樹脂粒子、発泡性複合樹脂粒子等がカーボンブラックを含む場合、発泡成形体の高倍数化に伴って、発泡成形体の遅燃性を確保できないことがある。また、カーボンブラックが発泡を阻害し、発泡成形体の高倍数化を図ることができないことがある。また、同様に発泡成形体を高倍数化した際、カーボンブラックの偏在、局在化によって、発泡成形体に色むらが生じることもある。
他方、特許文献1および2に記載の発泡成形体は黒色で外観に優れ、高い遅燃性を有することが記載されているものの、このような高倍数化や低比重化の観点からは必ずしも満足のいくものではなかった。
従って、これらの点に鑑みて、高倍数を有し、黒色で外観に優れ、高い遅燃性を有する発泡成形体を提供することが課題とされている。また、前記発泡成形体を得ることができるような樹脂粒子を提供することも課題とされている。
かくして本発明によれば、樹脂成分としてポリプロピレン系樹脂を含む樹脂粒子100質量部中にカーボンブラックを2〜10質量部の割合で含み、
前記樹脂粒子表面の10μm×10μmの部分を2000倍で撮影した透過型電子顕微鏡写真において、平均面積が1.0×104〜9.9×104nm2である前記カーボンブラックの分散構造を有することを特徴とするシード重合用ポリプロピレン系樹脂粒子が提供される。
また、本発明によれば、前記シード重合用ポリプロピレン系樹脂粒子を得ることができるシード重合用ポリプロピレン系樹脂粒子の製造方法も提供される。
また、本発明によれば、前記シード重合用ポリプロピレン系樹脂粒子から得ることができる複合樹脂粒子も提供される。
また、本発明によれば、前記複合樹脂粒子から得ることができる発泡性複合樹脂粒子も提供される。
また、本発明によれば、前記発泡性複合樹脂粒子から得ることができる予備発泡粒子も提供される。
また、本発明によれば、前記予備発泡粒子から得ることができる発泡成形体も提供される。
本発明のシード重合用ポリプロピレン系樹脂粒子はその樹脂成分中に好適な割合でカーボンブラックを含むため、本発明のポリプロピレン系樹脂粒子から得られる発泡成形体は美麗な外観を有し、さらに所望の高倍数でも遅燃性を有することができる。また、本発明のポリプロピレン系樹脂粒子は樹脂粒子表面の10μm×10μmの部分を2000倍で撮影した透過型電子顕微鏡写真において、カーボンブラックの平均面積が1.0×104〜9.9×104nm2である分散構造を有する。このことはカーボンブラックが樹脂成分中に均一に分散していることを示している。このため、カーボンブラックが樹脂成分中で偏在している場合やカーボンブラックが粗大な場合と比較して、本発明の発泡成形体はより外観、遅燃性に優れ、高倍数を有することができる。
従って、本発明によれば、高倍数を有し、黒色で外観に優れ、高い遅燃性を有する発泡成形体を得ることができるシード重合用ポリプロピレン系樹脂粒子を提供することができる。
また、本発明によれば、シード重合用ポリプロピレン系樹脂粒子が透過型電子顕微鏡写真において、70〜150個の分散構造を有する場合、カーボンブラックがより均一に樹脂成分中に分散されているため、さらに高倍数を有し、黒色で外観に優れ、高い遅燃性を有する発泡成形体を得ることができるシード重合用ポリプロピレン系樹脂粒子を提供することができる。
また、本発明によれば、シード重合用ポリプロピレン系樹脂粒子が透過型電子顕微鏡写真において、平均粒子径110〜350nmの分散構造を有する場合、この場合も、カーボンブラックがより均一に樹脂成分中に分散されているため、さらに高倍数を有し、より外観に優れ、高い遅燃性を有する発泡成形体を得ることができるシード重合用ポリプロピレン系樹脂粒子を提供することができる。
また、本発明によれば、シード重合用ポリプロピレン系樹脂粒子が、0.5〜1.4mmの平均粒子径を有する場合、樹脂粒子が発泡成形体を製造する上で好適な範囲の平均粒子径を有するため、さらにより高倍数を有し、外観に優れ、高い遅燃性を有する発泡成形体を得ることができるシード重合用ポリプロピレン系樹脂粒子を提供することができる。
本発明によれば、カーボンブラックを含む樹脂組成物とポリプロピレン系樹脂とを押出機に供給し、溶融混練した場合、カーボンブラックをより均一にポリプロピレン系樹脂中に分散させることができるため、高倍数を有し、黒色で外観に優れ、高い遅燃性を有する発泡成形体を得ることができるシード重合用ポリプロピレン系樹脂粒子のさらにより簡便な製造方法を提供することができる。
本発明によれば、本発明のシード重合用ポリプロピレン系樹脂粒子にスチレン系単量体をシード重合させることによって、高倍数を有し、黒色で外観に優れ、高い遅燃性を有する発泡成形体を得ることができる複合樹脂粒子を提供することができる。
また、本発明によれば、複合樹脂粒子がポリプロピレン系樹脂100質量部に対してポリスチレン系樹脂を100〜400質量部の割合で含む場合、複合樹脂粒子が発泡性に優れたポリスチレン系樹脂を好適な割合で含むため、さらに高倍数を有し、より黒色で外観に優れ、高い遅燃性を有する発泡成形体を得ることができる複合樹脂粒子を提供することができる。
また、本発明によれば、複合樹脂粒子100質量部に対して、難燃剤を1.5〜5.0質量部の割合で、かつ、難燃助剤を0.3〜2.0質量部の割合で含む場合、高倍数を有し、黒色で外観に優れ、高い遅燃性を有する発泡成形体を得ることができる複合樹脂粒子を提供することができる。
本発明によれば、高倍数を有し、黒色で外観に優れ、高い遅燃性を有する発泡成形体を得ることができる発泡性複合樹脂粒子を提供することができる。
本発明によれば、高倍数を有し、黒色で外観に優れ、高い遅燃性を有する発泡成形体を得ることができる予備発泡粒子を提供することができる。
本発明によれば、高倍数を有し、黒色で外観に優れ、高い遅燃性を有する発泡成形体を提供することができる。
また、本発明によれば、35〜50倍という高倍数を有し、黒色で外観に優れ、高い遅燃性を有する発泡成形体を提供することができる。
実施例1のポリプロピレン系樹脂粒子表面の透過型電子顕微鏡写真である。 比較例1のポリプロピレン系樹脂粒子表面の透過型電子顕微鏡写真である。 比較例2のポリプロピレン系樹脂粒子表面の透過型電子顕微鏡写真である。 発泡成形体の外観評価の際の発泡成形体の表面を示す図である。
本発明の特徴は、樹脂成分としてポリプロピレン系樹脂を含む樹脂粒子100質量部中にカーボンブラックを2〜10質量部の割合で含み、
前記樹脂粒子表面の10μm×10μmの部分を2000倍で撮影した透過型電子顕微鏡写真において、平均面積が1.0×104〜9.9×104nm2である前記カーボンブラックの分散構造を有するシード重合用ポリプロピレン系樹脂粒子である。
本発明において、分散構造とは、共連続分散構造および粒状分散構造のような、凝集物の集合体(アグロメレートストラクチャー)を意味する。また、平均面積とは、透過型電子顕微鏡写真(TEM)において確認される分散構造1つ当たりの測定面積の平均値を意味する。
具体的には、本発明の樹脂粒子は樹脂成分としてポリプロピレン系樹脂を含む樹脂粒子100質量部中にカーボンブラックを2〜10質量部の割合で含む樹脂粒子である。このため、本発明の発泡成形体はカーボンブラックの着色効果により、その外観は美麗である。また、本発明のポリプロピレン系樹脂粒子はカーボンブラックを好適な割合で含むため、カーボンブラックが樹脂成分の発泡性を阻害せず、高倍数の発泡成形体を得ることができる。
他方、本発明の樹脂粒子は、樹脂粒子表面の10μm×10μmの部分を2000倍で撮影した透過型電子顕微鏡写真において、カーボンブラックの平均面積が1.0×104〜9.9×104nm2である分散構造を有する。即ち、本発明のポリプロピレン系樹脂粒子は、樹脂成分からなる連続相中に、特定の大きさでかつ均一なカーボンブラックの分散相を有する。より具体的には、本発明のポリプロピレン系樹脂粒子は、樹脂成分からなる海部分とカーボンブラックからなる島部分とを有する、いわゆる海−島構造を有する。このことは、本発明のカーボンブラックはポリプロピレン系樹脂粒子中で、均一かつ特定の大きさで存在していることを示している。
また、本発明のポリプロピレン系樹脂粒子をシード粒子として用いてシード重合を行うことによって得られる複合樹脂粒子、次いで得られる発泡性樹脂粒子、予備発泡粒子、発泡成形体においても、カーボンブラックは均一に分散されることとなる。その結果、本発明の発泡成形体はカーボンブラックの偏在による色むら、遅燃性の低下等を生じることなく、その外観は美麗で、高い遅燃性を有する。
他方、カーボンブラックが粗大である場合や、これらが偏在している場合、発泡性複合樹脂について色むらが生じる。さらに、カーボンブラックの粗大部が起点となり、遅燃性を低下させてしまうことがある。これに対して、特定の大きさにカーボンブラックを分散させることで、その結果、本発明の発泡成形体は外観が美麗でかつ、遅燃性を確保したまま、高倍数を有することができる。
従って、本発明によれば、高倍数を有し、黒色で外観に優れ、高い遅燃性を有する発泡成形体を得ることができるシード重合用ポリプロピレン系樹脂粒子を提供することができる。
以下、本発明のシード重合用ポリプロピレン系樹脂粒子、その製造方法、複合樹脂粒子、発泡性複合樹脂粒子、予備発泡粒子および発泡成形体について詳説する。
本発明の発泡成形体は、
(1)カーボンブラックとポリプロピレン系樹脂とを溶融混練することによってシード重合用ポリプロピレン系樹脂粒子を得る溶融混練工程;
(2)シード重合用ポリプロピレン系樹脂粒子に単量体成分をシード重合することによって複合樹脂粒子を得るシード重合工程;
(3)複合樹脂粒子に発泡剤を含浸させることによって発泡性複合樹脂粒子を得る含浸工程;
(4)発泡性複合樹脂粒子を予備発泡させることによって予備発泡粒子を得る予備発泡工程;および
(5)予備発泡粒子を発泡成形することによって発泡成形体を得る発泡成形工程
を含む製造方法により得ることができる。
(シード重合用ポリプロピレン系樹脂粒子)
本発明において、シード重合用ポリプロピレン系樹脂粒子とは、シード重合時に使用する樹脂粒子、いわゆる種粒子を意味し、また、少なくとも樹脂成分としてのポリプロピレン系樹脂とカーボンブラックとを含む樹脂粒子を意味する。
なお、原料単量体、原料樹脂、その他の成分等の使用原料間の質量比と、シード重合用ポリプロピレン系樹脂粒子、複合樹脂粒子、発泡性複合樹脂粒子、予備発泡粒子および発泡成形体における樹脂成分、その他の成分等の質量比とは略同一である。
本発明において、ポリプロピレン系樹脂とは、プロピレン単独重合体、またはプロピレン単量体を主成分とし、プロピレン単量体と共重合可能な他の単量体成分との共重合体を意味する。また、プロピレン単量体を主成分とするとは、プロピレン単量体が全単量体成分100質量部中に50質量部以上を占めることを意味する。さらに、プロピレン単独重合体とは、プロピレン単量体が全単量体成分100質量部中に93質量部以上を占めることを意味する。
具体的には、ポリプロピレン系樹脂として、例えば、プロピレン単独重合体、エチレン−プロピレン共重合体、プロピレン−アクリル酸共重合体、プロピレン−α−オレフィン共重合体、プロピレン−酢酸ビニル共重合体およびプロピレン−メチルメタクリレート共重合体のような重合体を挙げることができる。本発明においては、所望の物性をより容易に得ることができるため、ポリプロピレン系樹脂としてプロピレン−エチレン共重合体が好ましい。
他方、所望の物性に影響を与えない限り、前記ポリプロピレン系樹脂を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。また、ポリプロピレン系樹脂として共重合体を使用する場合、共重合体はランダム共重合体であってよく、ブロック共重合体であってもよい。
また、本発明のポリプロピレン系樹脂は樹脂成分の発泡性確保の観点から、Mnが50×103〜150×103であり、Mw/Mnが2.0〜6.0であることが好ましく、Mnが300×103〜400×103であり、Mw/Mnが3.0〜6.0であることがより好ましい。本発明において、MnおよびMwはそれぞれGPC(ゲルパーミエイションクロマトグラフィー)で測定される数平均分子量および重量平均分子量を意味する。
また、本発明のポリプロピレン系樹脂は樹脂成分の耐熱性確保の観点から、好ましくは125〜145℃、より好ましくは140〜145℃の融点を有する。
さらに、本発明のポリプロピレン系樹脂、以下に説明するポリプロピレン系樹脂以外の樹脂成分等は所望の物性に影響を与えない限り、それぞれ、ビニル基、カルボニル基、芳香族基、エステル基、エーテル基、アルデヒド基、アミノ基、ニトリル基およびニトロ基のようなその他の官能基を含んでいてもよく、2以上のビニル基を有する架橋剤等により架橋されていてもよく、単独で使用しても2種以上を併用してもよい。
同様の観点から、本発明のポリプロピレン系樹脂、以下に説明するポリプロピレン系樹脂以外の樹脂成分等はその他の単量体成分を含んでいてもよい。
具体的には、
1−ブテン、イソブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1 − ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、3,4−ジメチル−1−ブテン、1−ヘプテン、3−メチル−1−ヘキセン、1−オクテンおよび1−デセンのようなα−オレフィン系単量体;
シクロペンテン、ノルボルネンおよびテトラシクロ[6,2,11,8,13,6]−4−ドデセンのような環状オレフィン系単量体;
5−メチレン−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、1,4−ヘキサジエン、メチル−1,4−ヘキサジエンおよび7−メチル−1,6−オクタジエンのようなジエン系単量体;
塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、酢酸ビニル、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、無水マレイン酸、スチレン、メチルスチレン、ビニルトルエンおよびジビニルベンゼンのようなビニル系単量体等を挙げることができる。また、これらは1種または2種以上使用することもできる。
他方、カーボンブラックとしては公知のカーボンブラックを使用することができる。具体的には、ファーネスブラック、チャンネルブラック、サーマルブラック、アセチレンブラック、黒鉛および炭素繊維のようなカーボンを挙げることができる。また、より外観に優れた発泡成形体を得ることができるため、ファーネスブラックが好ましい。
本発明においては、カーボンブラックをポリプロピレン系樹脂中に均一に分散させることができるため、カーボンブラックは、好ましくは5〜100nm、より好ましくは15〜60nm、より好ましくは15〜35nmの平均粒子径を有する。本発明において、平均粒子径とは、カーボンブラックの集合体を構成する小さな球状(微結晶による輪郭を有し、分離できない)成分を電子顕微鏡写真にて測定、算出される粒子の直径の平均値が意味される。
また、カーボンブラックはポリプロピレン系樹脂粒子100質量部中に2〜10質量部、好ましくは3〜8質量部、より好ましくは3〜6質量部の割合で含まれる。カーボンブラックが2質量部より少なく含まれる場合、カーボンブラックが不足し、美麗な発泡成形体を得ることができないことがある。他方、カーボンブラックが10質量部より多く含まれる場合、カーボンブラックが過剰に樹脂成分中に含まれるため、高倍数の発泡成形体を得ることができないことがある。
さらに、ポリプロピレン系樹脂粒子表面の10μm×10μmの部分を2000倍で撮影した透過型電子顕微鏡写真において、前記カーボンブラックの平均面積は、1.0×104〜9.9×104nm2、好ましくは4.0×104〜8.9×104nm2である分散構造を有する。平均面積が9.9×104nm2より大きい場合、樹脂成分中に粗大なカーボンブラックが多く存在し、外観や遅燃性に悪影響を与えることがある。他方、平均面積が1.0×104nm2より小さい場合、樹脂成分中に微小なカーボンブラックが多く存在し、発泡成形体の遅燃性の低下を生じることがある。
他方、本発明のポリプロピレン系樹脂粒子は、前記透過型電子顕微鏡写真において、好ましくは70〜150個、より好ましくは80〜140個の分散構造を有する。ポリプロピレン系樹脂粒子が70〜150個の分散構造を有する場合、このことはカーボンブラックがより均一に樹脂成分中に分散していることを示している。よって、この場合、さらに高倍数を有し、黒色で外観に優れ、高い遅燃性を有する発泡成形体を得ることができるシード重合用ポリプロピレン系樹脂粒子を提供することができる。
また、本発明のポリプロピレン系樹脂粒子は、前記透過型電子顕微鏡写真において、好ましくは平均粒子径110〜350nm、より好ましくは平均粒子径150〜300nmの分散構造を有する。この場合も、さらに高倍数を有し、黒色で外観に優れ、高い遅燃性を有する発泡成形体を得ることができるシード重合用ポリプロピレン系樹脂粒子を提供することができる。本発明において、分散構造の平均粒子径とは、カーボンブラックからなる分散構造を、画像処理ソフトを用いた2点間距離の計測により測定して得られる粒子径の平均値を意味する。
また、所望の物性を得ることができる限り、ポリプロピレン系樹脂粒子、発泡成形体等はその他の樹脂成分を含んでいてもよい。他の樹脂成分としては公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等を挙げることができ、具体的には、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリ乳酸系樹脂を含むポリエステル系樹脂等が挙げることができる。なお、(メタ)アクリルはアクリルまたはメタクリルを意味する。
さらに、所望の発泡成形体を得ることができる限り、ポリプロピレン系樹脂粒子、発泡成形体等は他の添加剤等を含んでいてもよい。具体的には、難燃剤、難燃助剤、着色剤、被覆剤、光安定剤、紫外線吸収剤、顔料、染料、熱安定剤、核剤、滑剤および帯電防止剤のような添加剤を挙げることができる。
また、ポリプロピレン系樹脂粒子は流動性確保の観点から、好ましくは球状〜略球状(卵状)であり、また、好ましくは0.5〜1.4mm、より好ましくは0.5〜1.18mm、さらにより好ましくは0.5〜1.0mmの平均粒子径を有する。
(シード重合用ポリプロピレン系樹脂粒子の製造方法(溶融混練工程))
本発明においては、所望の物性を有するポリプロピレン系樹脂粒子を得ることができる限り、公知の製造方法および製造設備をいずれも使用することができる。例えば、まず、押出機を使用してポリプロピレン系樹脂とカーボンブラックとを溶融混練し、次いで押出し、水中カット、ストランドカット等により造粒することによって、本発明のポリプロピレン系樹脂粒子を製造することができる。また、溶融混練工程時の温度、時間、圧力等は、使用原料および製造設備に合わせて適宜設定される。
本発明においては、溶融混練時の押出機内の溶融混練温度は、ポリプロピレン系樹脂が十分に軟化する、230〜280℃が好ましく、230〜270℃がより好ましい。また、好適なシェア条件下、均一にカーボンブラックをポリプロピレン系樹脂中に分散させることができるため、好ましくは3〜10kg/mm2・時、より好ましくは4〜8kg/mm2・時の押出孔1つ当たりの押出速度で押出を行うことができる。
本発明において、溶融混練温度とは、押出機ヘッド付近の溶融混練物流路の中心部温度を熱伝対式温度計で測定した押出機内部の溶融混練物の温度を意味する。また、押出孔とは、押出機先端に備えた樹脂成分を吐出させるための孔を意味する。さらに、押出速度とは、前記押出孔1つ当たりについて吐出される押出物の量(kg)を押出孔の面積(mm2)と時間(時間)とで除算した値を意味する。
他方、カーボンブラックを均一に分散させることができる限り、溶融混練工程時、ポリプロピレン系樹脂にカーボンブラックを単独で添加してもよく、カーボンブラックを含む樹脂組成物、いわゆる、マスターバッチを添加してもよい。本発明においては、大量のカーボンブラックをポリプロピレン系樹脂中により均一かつ容易に分散させることができるため、カーボンブラックを含む樹脂組成物を使用することが好ましい。
樹脂組成物中に含まれる樹脂成分としては特に限定されず、公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等を使用することができる。本発明においては、ポリプロピレン系樹脂との相溶性の観点から、樹脂組成物中に含まれる樹脂成分もポリプロピレン系樹脂を使用することが好ましい。
また、樹脂組成物は、より大量のカーボンブラックを樹脂成分中に容易に分散させることができるため、樹脂組成物100質量部に対してカーボンブラックを好ましくは40〜80質量部、より好ましくは50〜80質量部の割合で含む。このため、高倍数を有し、外観に優れた発泡成形体を得ることができるシード重合用ポリプロピレン系樹脂粒子をさらにより容易に製造することができる。
本発明の製造方法によって得られるポリプロピレン系樹脂粒子の形状は、例えば、真球状、楕円球状(卵状)、円柱状、角柱状、ペレット状またはグラニュラー状である。本発明においては、ポリプロピレン系樹脂からなる種粒子をマイクロペレットとも称する。また、必要に応じて、タルク等の気泡調整剤をマイクロペレットに添加することもできる。
(複合樹脂粒子)
本発明において、複合樹脂粒子とは、複数の樹脂成分を含む樹脂粒子を意味する。具体的には、複合樹脂粒子とは、樹脂成分としてポリプロピレン系樹脂と他の樹脂とを少なくとも含む樹脂粒子を意味する。
また、本発明の複合樹脂粒子はポリプロピレン系樹脂粒子に単量体成分をシード重合させることにより得ることができる。単量体成分から得られる樹脂としては、高倍数を有し、外観に優れた発泡成形体を得ることができる限り、いずれの樹脂も使用することができる。具体的には、ポリスチレン系樹脂、ポリ(メタ)アクリルエステル系樹脂、および芳香族系樹脂のような重合体成分を挙げることができる。本発明においては、高い発泡性を期待することができるため、ポリスチレン系重合体が好ましい。
本発明において、ポリスチレン系樹脂とは、スチレン単独重合体、またはスチレン単量体を主成分とし、スチレン単量体と共重合可能な他の単量体との共重合体を意味する。また、スチレン系単量体とは、スチレン単量体、またはスチレン単量体を主成分とし、スチレン単量体と共重合可能な他の単量体との混合物を意味する。ここでスチレン単量体を主成分とするとは、スチレン単量体が全単量体100質量部に対して70質量部以上を占めることを意味する。
他の単量体成分として、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステル、ジビニルベンゼンおよびポリエチレングリコールジメタクリレートのようなビニル系単量体を挙げることができる。本発明において、アルキルとは好ましくは炭素数1〜30の炭化水素鎖を意味する。また、発泡性複合樹脂粒子を安定に予備発泡させることができるスチレン単独重合体が好ましい。
本発明においては、発泡成形体にポリプロピレン系樹脂の優れた剛性(耐衝撃性)とポリスチレン系樹脂の優れた発泡性とを導入することができるため、ポリスチレン系樹脂はポリプロピレン系樹脂100質量部に対して、好ましくは100〜400質量部、より好ましくは150〜233質量部使用される。ポリスチレン系樹脂が100質量部より少ない場合、十分な倍数を有する発泡成形体を得ることができないことがある。他方、ポリスチレン系樹脂が400質量部より多い場合、十分な耐衝撃性を有する発泡成形体を得ることができない場合がある。
また、本発明の発泡成形体に含まれるポリプロピレン系樹脂とポリスチレン系樹脂との組合せとしては、より高倍数の発泡成形体を得ることができるため、プロピレン単独重合体とスチレン単独重合体との組合せが好ましい。
本発明の複合樹脂粒子は、発泡成形体への難燃性付与の観点から、難燃剤および難燃助剤を含むことが好ましい。ただし、所望の物性を得ることができる限り、複合樹脂粒子は難燃助剤を含まなくてもよく、複合樹脂粒子に由来する発泡成形体も難燃助剤を含まなくてもよい。
本発明においては、公知の難燃剤を使用することができ、トリス(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレート、テトラブロモシクロオクタン、ヘキサブロモシクロドデカン、デカブロモジフェニルエーテル、トリブロモフェニルアリルエーテル、テトラブロモビスフェノールAジアリルエーテル、テトラブロモビスフェノールAジプロピルエーテル、テトラブロモビスフェノールAジグリシジルエーテル、テトラブロモビスフェノールAジ(ヒドロキシエチル)エーテルおよびテトラブロモビスフェノールAビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)のような臭素系難燃剤を挙げることができる。また、所望の物性に影響を与えない限り、塩素系難燃剤および臭素−塩素系難燃剤のようなその他の難燃剤を含んでいてもよい。
難燃剤は、1種のみを使用してもよく、複数種を組み合わせて使用してもよい。本発明においては、所望の難燃性を容易に得ることができるため、トリス(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレートを主成分として使用することが好ましい。なお、本発明において、主成分とは、難燃剤全量100質量部に対して、好ましくは80質量部以上、より好ましくは90質量部以上を意味する。また、難燃助剤についても同様である。
本発明の難燃剤は、複合樹脂粒子100質量部に対して、好ましくは1.5〜5.0質量部、より好ましくは2.0〜4.0質量部の割合で含まれる。難燃剤の含有量が1.5質量部より少ないと、発泡成形体の難燃性が低下することがある。一方、難燃剤の含有量が5.0質量部より多いと、難燃性の付与に必要以上の量が含まれることになり発泡成形体の製造コストが増加することがある。
本発明においては、公知の難燃助剤を使用することができ、2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタン、3,4−ジメチル−3,4−ジフェニルヘキサン、ジクミルパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド等が挙げることができる。難燃助剤は、1種のみを使用してもよく、複数種を組み合わせて使用してもよい。本発明においては、所望の難燃性を容易に得ることができるため、2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタンを主成分として使用することが好ましい。
本発明の難燃助剤は、複合樹脂粒子100質量部に対して、好ましくは0.3〜2.0質量部、より好ましくは0.3〜1.0質量部の割合で含まれる。この場合も、難燃助剤の含有量が0.3質量部より少ないと、発泡成形体の難燃性が低下することがある。一方、難燃助剤の含有量が2.0質量部より多いと、難燃性の付与に必要以上の量が含まれることになり発泡成形体の製造コストが増加することがある。
他方、複合樹脂粒子も流動性確保の観点から、好ましくは球状〜略球状(卵状)であり、また、好ましくは0.5〜2.0mm、より好ましくは1.0〜1.5mmの平均粒子径を有する。
(複合樹脂粒子の製造方法(シード重合工程))
本発明の複合樹脂粒子はシード重合によって得ることができる。本発明において、シード重合とは、プロピレン系樹脂粒子(種粒子)に単量体成分を含浸、吸収させ、次いで単量体成分を重合させることにより複数の樹脂成分を複合させる重合方法を意味する。本発明においては、所望の物性を有する発泡成形体を得ることができる限り、公知のシード重合方法を用いることができる。以下、一例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
本発明においては、マイクロペレットを重合容器内の水性媒体中に分散させ、単量体成分をマイクロペレットに含浸させながら重合させることにより複合樹脂粒子を得ることができる。水性媒体としては、水、水と水溶性溶媒(例えば、アルコール)との混合媒体が挙げられ、環境面から水が好ましい。
ポリプロピレン系樹脂への単量体成分の含浸を、単量体成分を重合させつつ行ってよく、重合を開始する前に行ってもよい。本発明においては、工程時間をより短縮することができるため、前記含浸を重合させつつ行うことが好ましい。この場合、単量体成分を重合容器内の水性媒体に連続的にあるいは断続的に添加することが好ましい。
単量体成分の重合には、油溶性のラジカル重合開始剤を使用することができる。ラジカル重合開始剤としては、単量体成分の重合に汎用されているラジカル重合開始剤を使用することができる。例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシオクトエート、t−ヘキシルパーオキシオクトエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−アミルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシビバレート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカルボネート、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルカルボネート、t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサノエート、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサハイドロテレフタレート、2,2−ジ−t−ブチルパーオキシブタン、ジ−t−ヘキシルパーオキサイドおよびジクミルパーオキサイドのような有機過酸化物系重合開始剤を挙げることができる。前記重合開始剤は、通常、単量体成分100質量部に対して0.1〜0.5質量部の割合で添加されることが好ましい。また、所望の物性に影響を与えない限り、その他の重合開始剤を含んでいてもよい。さらに、重合開始剤は、1種のみを使用してもよく、複数種を組み合わせて使用してもよい。
また、シード重合をより安定に行うことができるため、前記水性媒体中に分散剤を添加しておくことも好ましい。このような分散剤としては、例えば、部分ケン化ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸塩、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロースおよびメチルセルロースのような有機系分散剤;
ピロリン酸マグネシウム、ピロリン酸カルシウム、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、リン酸マグネシウム、炭酸マグネシウムおよび酸化マグネシウムのような無機系分散剤等を挙げることができる。
さらに、同様の観点から、オレイン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキルナフタレンスルホン酸塩およびアルキルリン酸エステル塩のようなアニオン性界面活性剤;
ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミンおよびグリセリン脂肪酸エステルのようなノニオン性界面活性剤;
ラウリルジメチルアミンオキサイドのような両性界面活性剤;ならびに
脂肪族第四級アンモニウム塩のようなカチオン性界面活性剤等を使用することもできる。
重合容器の形状および構造としては、従来から懸濁重合やシード重合に用いられているものであれば、特に限定されない。また、攪拌翼の形状についても特に限定はなく、具体的には、V型パドル翼、ファードラー翼、傾斜パドル翼、平パドル翼、プルマージン翼等のパドル翼、タービン翼、ファンタービン翼等のタービン翼およびマリンプロペラ翼のようなプロペラ翼を挙げることができる。これら攪拌翼の内では、パドル翼が好ましい。攪拌翼は、単段翼であっても多段翼であってもよい。重合容器に邪魔板(バッフル)を設けてもよい。
また、シード工程工程時の温度、時間、圧力等も、使用原料および製造設備に合わせて適宜設定される。さらに、本発明においては、重合終了後、発泡性複合樹脂粒子を得るために、複合樹脂粒子を含む懸濁液をそのまま使用してもよく、懸濁液から回収した複合樹脂粒子を使用してもよい。
(発泡性複合樹脂粒子および発泡性複合樹脂粒子の製造工程)
本発明の発泡性複合樹脂粒子は発泡剤を複合樹脂粒子に含浸させることによって得ることができる。
発泡性複合樹脂粒子の製造方法は特に限定されず、公知の方法をいずれも用いることができる。
例えば、V型、C型あるいはDC型等の回転混合機であって、密閉耐圧の容器に複合樹脂粒子を入れて流動させ、次いで発泡剤を導入することで複合樹脂粒子に発泡剤を含浸させる方法、および
攪拌機付密閉耐圧容器内で複合樹脂粒子を水性媒体に懸濁させ、次いで発泡剤を導入し、複合樹脂粒子に発泡剤を含浸させる方法を挙げることができる。
また、発泡剤の含浸は50〜80℃、1.0〜4.0時間行うことが好ましい。さらに、前記含浸は所望の発泡成形体等を得ることができる限り、加圧条件下で行ってもよい。
本発明において、発泡剤として従来から汎用されている発泡剤を使用することができる。例えば、プロパン、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタンおよびヘキサンのような飽和脂肪族炭化水素ならびに二酸化炭素および窒素のような不活性ガスのような発泡剤等を挙げることができる。
本発明においては、発泡性複合樹脂粒子への高い発泡性付与の観点から、物理発泡剤が好ましく、飽和脂肪族炭化水素がより好ましく、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタンおよびイソペンタンのいずれかが特に好ましい。発泡成形工程や所望の物性等に影響を与えない限り、発泡剤を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
また、均一な含浸性、発泡性を期待することができるため、発泡剤を含浸助剤と共に用いてもよい。具体的には、含浸助剤として、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、酢酸エチル、ジイソブチルアジペート、ジアセチル化モノラウレートおよびやし油のような可塑剤を挙げることができる。
さらに、発泡性複合樹脂粒子を所望の高嵩倍数まで発泡させることができるため、発泡剤は、発泡性複合樹脂粒子100質量部に対して、好ましくは8〜13質量部、より好ましくは9〜11質量部の割合で含まれる。
他方、本発明の発泡性複合樹脂粒子も流動性確保の観点から、好ましくは球状〜略球状(卵状)である。また同様に、本発明の発泡性複合樹脂粒子は、好ましくは0.5〜2.0mm、より好ましくは1.0〜1.5mmの平均粒子径を有する。
(予備発泡粒子および予備発泡粒子の製造方法)
本発明において、予備発泡粒子とは、発泡性複合樹脂粒子を所定の嵩倍数まで加熱発泡させた樹脂粒子を意味する。
本発明の予備発泡粒子は公知の発泡成形方法を用いて製造することができる。一例を挙げると、公知の予備発泡機内に発泡性複合樹脂粒子を投入し、所定の嵩倍数まで加熱することにより発泡成形体を得ることができる(予備発泡工程)。加熱用の熱媒体は水蒸気が好適に使用される。また、予備発泡時の温度、時間、圧力等も、使用原料および製造設備に合わせて適宜設定される。
他方、必要に応じて、予備発泡時、発泡性複合樹脂粒子に、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテルおよびステアリン酸モノグリセリドのような帯電防止剤を添加してもよい。
また、本発明の予備発泡粒子は前記のようなポリプロピレン系樹脂粒子から出発して得られるため、本発明の予備発泡粒子は、好ましくは35〜50倍、より好ましくは35〜45倍の嵩倍数を有することができる。
他方、予備発泡粒子も流動性確保の観点から、好ましくは球状〜略球状(卵状)であり、また、好ましくは1.3〜6.2mm、より好ましくは2.7〜4.6mmの平均粒子径を有する。
(発泡成形体)
本発明において、発泡成形体とは、予備発泡粒子を所定の形状に発泡成形させた樹脂成形体を意味する。
本発明の発泡成形体は公知の成形方法を用いて製造することができる。成形方法の一例を挙げると、公知の発泡成形機の金型内に予備発泡粒子を充填し、再度加熱し、次いで予備発泡粒子同士を熱融着させることにより発泡成形体を得ることができる(発泡成形工程)。加熱用の熱媒体は水蒸気が好適に使用される。また、発泡成形工程時の温度、時間、圧力等も、使用原料および製造設備に合わせて適宜設定される。
また、本発明の発泡成形体は前記のようなポリプロピレン系樹脂粒子から出発して得られるため、本発明の発泡成形体は、好ましくは35〜50倍、より好ましくは35〜45倍の倍数を有することができる。このことは、本発明の発泡成形体は高倍数を有していることを示している。
さらに、本発明においては、カーボンブラックの分散構造が均一に分散したシード粒子をするため、本発明の発泡成形体は、色彩色差計を用いて発泡成形体を測定した際、好ましくは28以下、より好ましくは27以下のL値(明度)を有することができる。他方、前記のL値の標準偏差(σ)を、好ましくは1.0以下、より好ましくは0.8以下とすることもできる。このことは、本発明の発泡成形体は色むら等の外観面でのばらつきを生じることなく、黒色で外観に優れていることを示している。
また、本発明の発泡成形体は好適な割合で難燃剤および難燃助剤を含むため、FMVSS302に準拠した遅燃性試験において、倍数40倍の発泡成形体について、好ましくは80mm/分以下、より好ましくは70mm/分以下の燃焼速度を有することができる。このことは、本発明の発泡成形体は高い遅燃性を有していることを示している。
従って、本発明の発泡成形体は、カーボンブラックの偏在に起因する色むら等は確認されず、高倍数を有し、黒色で外観に優れ、高い遅燃性を有する発泡成形体である。このため、本発明の発泡成形体は、包装用緩衝材、建築用部材等として幅広く使用することができ、特に嵩上げ材、ティビアパットおよびツールボックスのような自動車分野での室内構造部材として使用することもできる。
以下、実施例を挙げてさらに説明するが、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。実施例に記載した各種測定法および製造条件を以下で説明する。
<カーボンブラックの透過型電子顕微鏡撮影>
測定サンプル(ポリプロピレン系樹脂粒子)を、エポキシ樹脂を用いて包埋固定し、次に、四酸化ルテニウム(RuO4)を用いて染色処理を行い、ウルトラミクロトームを使用して、測定サンプルを薄膜化する。その後、透過型電子顕微鏡(H−7600(株)日立製作所製)を使用して、ポリプロピレン系樹脂粒子表面の10μm×10μm表層の構造を観察する。得られた写真中のポリプロピレン系樹脂部分とカーボンブラック部分を区別するために画像処理ソフト(ナノシテム社製、製品名「Nano Hunter NS2K−Pro」)を用いて2値化する。
2値化した図を用いて、総面積に対するカーボンブラック部分の面積を自動計算することで、カーボンブラックの占める面積を測定する。また、2値化した図を用いて、平均面積500nm2以上の分散構造(凝集体)数を計測することで、カーボンの分散構造(凝集体)数を測定する。その得られた面積をカーボンの分散構造(凝集体)数で割り、得られた面積の平均値を平均面積とする。
前記2値化した図中に存在するカーボンブラックの分散構造の粒子径を、上記画像処理ソフトを用いた2点間距離の計測により測定する。前記粒子径のそれぞれについて10箇所ずつ測定し、それぞれの平均値を分散構造の平均粒子径とする。なお、カーボンブラックの透過型電子顕微鏡撮影において、画像より切れている分散構造と平均面積500nm2より小さい分散構造は除外する。
<樹脂成分の平均分子量(MnおよびMw)>
測定に使用したGPC装置は、東ソー社製HLC−8121GPC/HTであり、カラムとして東ソー社製TSKgel GMHhr−H(20)HTを用い、カラム温度を140℃に設定し、溶離液として1,2,4−トリクロロベンゼンを用いる。測定試料は、1.0mg/mLの濃度に調整し、GPC装置への注入量を0.3mLとする。各分子量の検量線は、分子量既知のポリエチレン試料を用いて校正する。数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)は、直鎖状ポリエチレン換算値として求める。
<ポリプロピレン系樹脂の融点>
JIS K7122:1987「プラスチックの転移熱測定方法」記載の方法により測定する。即ち、示差走査熱量計装置DSC220型(セイコー電子工業社製)を用い、測定容器に試料を7mg充填して、窒素ガス流量30mL/分のもと、室温から220℃の間で10℃/分の昇・降温スピードにより昇温、降温、昇温を繰り返し、2回目の昇温時のDSC曲線の融解ピーク温度を融点とする。また、融解ピークが2つ以上ある場合は、低い側のピーク温度を融点とする。
<シード粒子等の平均粒子径>
試料の平均粒子径は、これら粒子の粒子径の平均をとることにより算出する。即ち、本発明の平均粒子径は体積平均粒子径を意味する。なお、試料の平均粒子径は、例えば、べックマンコールター株式会社から製品名「コールターマルチサイザーII」として市販されている測定装置を用いて測定することができる。
<発泡性複合樹脂粒子の発泡剤含有量>
発泡性複合樹脂粒子を5〜20mg精秤し、測定試料とする。この測定試料を180〜200℃に保持された熱分解炉(島津製作所社製:PYR−1A)にセットし、測定試料を密閉後、120秒間に亘って加熱して発泡剤成分を放出させる。この放出された発泡剤成分をガスクロマトグラフ(島津製作所社製:GC−14B、検出器:FID)を用いて下記条件にて発泡剤成分のチャートを得る。予め測定しておいた発泡剤成分の検量線に基づいて、得られたチャートから発泡性複合樹脂粒子中の発泡剤含有量(質量部)を算出する。
ガスクロマトグラフの測定条件
カラム:信和化工社製「Shimalite 60/80 NAW」(φ3mm×3m)カラム温度:70℃
検出器温度:110℃
注入口温度:110℃
キャリアーガス:窒素
キャリアーガス流量:60mL/分
<予備発泡粒子の嵩倍数>
約5gの予備発泡粒子の重量(a)を小数以下2位で秤量する。次に、最小メモリ単位が5cm3である500cm3メスシリンダーに秤量した予備発泡粒子を入れ、これにメスシリンダーの口径よりやや小さい円形の樹脂板であって、その中心に巾約1.5cm、長さ約30cmの棒が直立して固定された押圧具をあてて、予備発泡粒子の体積(b)を読み取り、式(a)/(b)により予備発泡粒子の嵩密度(g/cm3)を求める。なお、嵩倍数は、嵩密度の逆数、即ち、式(b)/(a)とする。
<発泡成形体の遅燃性評価>
発泡成形体の遅燃性評価(燃焼速度)は、米国自動車安全基準FMVSS 302に準拠した方法で測定する。試験片は、倍数40倍、350mm×100mm×12mm(厚み)とし、少なくとも350mm×100mmの2面には表皮が存在するものとする。
本発明においては、
(1)倍数40倍の発泡成形体において、燃焼速度が80mm/分以下の場合・・・・合格(○)
(2)倍数40倍の発泡成形体において、燃焼速度が80mm/分より速い場合・・・不合格(×)
と判定する。
<発泡成形体の倍数>
発泡成形体(成形後、40℃で20時間以上乾燥させたもの)から切り出した試験片(例75×300×50mm)の重量(a)と体積(b)をそれぞれ有効数字3桁以上になるように測定し、式(a)/(b)により発泡成形体の密度(g/cm3)を求める。なお、倍数は密度の逆数、すなわち式(b)/(a)とする。
<発泡成形体の外観(発泡成形体の黒色度評価)>
図4に示すように成形品(400×300×50mm)を下記の図の100mmづつ均等にしてそれぞれの測定点で色彩色差計(KONICA MINOLTA型番:CR410)でサンプル表面(Φ50mmの面積)を測定し、平均値でCIE色差式で数値化した。そのL値により、黒色度を判定した。黒色度のばらつき度は、標準偏差(σ)を求めた。標準偏差が1.0以下であれば非常にばらつきが小さいと判断した。
本発明においては、
(1)L値が28以下であり、かつ、σが1.0以下である場合・・・合格(○)
(2)L値が28より高く、または、σが1.0より高い場合・・・不合格(×)
と判定する。
実施例1
ファーネスブラック(カーボンブラック)を5質量%含有するポリプロピレン系樹脂粒子を次ぎのようにして作製した。ポリプロピレン系樹脂(プライムポリマー社製、製品名「F−744NP」、融点:140℃、プロピレン単位:96質量%)26.7kgと、ファーネスブラック45質量%含有マスターバッチ(大日精化工業社製、製品名「PP−RM10H381」、樹脂成分LLDPE(直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂))3.34kgとを混合し、この混合物を押出機に供給して押出孔1つ当たりの押出速度:4.7kg/mm2・時、溶融混練温度:230℃で溶融混練して水中カットにより造粒ペレット化して、カーボンブラック含有ポリプロピレン系樹脂粒子を得た。
このときのカーボンブラック含有ポリプロピレン系樹脂粒子を100粒あたり80mg、平均粒子径約1mmに調整した。図1はシード重合用ポリプロピレン系樹脂粒子表面の10μm×10μmの部分を2000倍で撮影した透過型電子顕微鏡写真である。
次に、攪拌機付100Lオートクレーブに、前記カーボンブラック含有ポリプロピレン系樹脂粒子16kgを入れ、水性媒体として純水40kg、分散剤としてピロリン酸マグネシウム0.4kg、分散剤と併用する界面活性剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ10gを加え、攪拌して水性媒体中に懸濁させ、10分間保持し、その後60℃に昇温して水系懸濁液とした。
この懸濁液中に、重合開始剤であるジクミルパーオキサイド14gを溶解させたスチレン単量体6.8kgを30分で滴下した。滴下後30分保持し、カーボンブラック含有ポリプロピレン系樹脂粒子にスチレン単量体を吸収させた。
反応系の温度をカーボンブラック含有ポリプロピレン系樹脂粒子の融点よりも5℃低い135℃に昇温して2時間保持し、スチレン単量体をカーボンブラック含有ポリプロピレン系樹脂粒子中で重合(第1重合段階)させた。
第1重合段階の反応液をカーボンブラック含有ポリプロピレン系樹脂粒子の融点より15℃低い125℃にして、この懸濁液中に、界面活性剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ60gを加えた後、重合開始剤としてジクミルパーオキサイド(日本油脂社製)72gを溶解したスチレン単量体17.2kgを4.25時間かけて滴下し、カーボンブラック含有ポリプロピレン系樹脂粒子に吸収させながら重合を行った。そして、この滴下終了後、125℃で1時間保持した後に140℃に昇温し、3時間保持して重合を完結し(第2重合段階)、複合樹脂粒子を得た。
その後、反応系の温度を60℃にして、この懸濁液中に、難燃剤としてトリス(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレート(日本化成社製)1.2kgと、難燃助剤として2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタン(化薬アクゾ社製)0.2kgとを投入し、投入後、反応系の温度を140℃に昇温し、3時間攪拌を続け、難燃剤含有複合樹脂粒子を得た。
次に、常温まで冷却し、該難燃剤含有複合樹脂粒子を100Lオートクレーブから取り出した。取り出し後の難燃剤含有複合樹脂粒子15kgを内容積50Lの耐圧回転混合機に投入し、回転させ、発泡剤としてブタン2.4kgを耐圧回転混合機に注入した。注入後、70℃に昇温し、4時間攪拌を続けた。
その後、常温まで冷却して50L耐圧回転混合機から取り出し、発泡性複合樹脂粒子を得た。
次に、得られた発泡性複合樹脂粒子を0.04MPaの蒸気で予備発泡させ、嵩倍数42倍の予備発泡粒子を得た。
次に、得られた予備発泡粒子を24時間、常温、常圧下で放置した後、400mm×300mm×50mmの大きさのキャビティを有する成形型の該キャビティ内に充填し、0.25MPaの水蒸気で40秒間導入して加熱し、発泡成形体の最高面圧がゲージ圧力0.001MPaに低下するまで冷却して、倍数40倍の発泡成形体を得た。
発泡成形体の遅燃性評価(燃焼速度)は、10個の試料についてすべて0mm/分であった。
実施例2
実施例1より、溶融混練温度を230℃から270℃に、押出孔1つ当たりの押出速度を4.7kg/mm2・時から5.4kg/mm2・時に変更した。
それ以外は、実施例1と同様にした。
発泡成形体の遅燃性評価(燃焼速度)は、10個の試料についてすべて0mm/分であった。
実施例3
実施例1より、溶融混練温度を230℃から250℃に変更した。
それ以外は、実施例1と同様にした。
発泡成形体の遅燃性評価(燃焼速度)は、10個の試料についてすべて0mm/分であった。
実施例4
実施例1より、溶融混練温度を230℃から250℃に、押出孔1つ当たりの押出速度を4.7kg/mm2・時から7.8kg/mm2・時に変更した。
それ以外は、実施例1と同様にした。
発泡成形体の遅燃性評価(燃焼速度)は、10個の試料についてすべて0mm/分であった。
実施例5
ファーネスブラック(カーボンブラック)を3質量%含有するポリプロピレン系樹脂粒子を次ぎのようにして作製した。ポリプロピレン系樹脂(プライムポリマー社製、製品名「F−744NP」、融点:140℃、プロピレン単位:96質量%)28.0kgと、ファーネスブラック45質量%含有マスターバッチ(大日精化工業社製、製品名「PP−RM10H381」、樹脂成分LLDPE)2.0kgとを混合し、この混合物を押出機に供給して押出孔1つ当たりの押出速度:4.7kg/mm2・時、溶融混練温度:230℃で溶融混練して水中カットにより造粒ペレット化して、カーボンブラック含有ポリプロピレン系樹脂粒子を得た。
それ以外は、実施例1と同様にした。
発泡成形体の遅燃性評価(燃焼速度)は、10個の試料についてすべて0mm/分であった。
比較例1
実施例1より、溶融混練温度を235℃から220℃に変更した。
それ以外は、実施例1と同様にした。
図2はシード重合用ポリプロピレン系樹脂粒子表面の10μm×10μmの部分を2000倍で撮影した透過型電子顕微鏡写真である。
発泡成形体の遅燃性評価(燃焼速度)は、8個の試料について0mm/分であった。その他のサンプルの平均燃焼速度は150mm/分であった。
比較例2
実施例1より、溶融混練温度を235℃から290℃に、押出孔1つ当たりの押出速度を4.7kg/mm2・時から7.8kg/mm2・時に変更した。
それ以外は、実施例1と同様にした。
図3はシード重合用ポリプロピレン系樹脂粒子表面の10μm×10μmの部分を2000倍で撮影した透過型電子顕微鏡写真である。
発泡成形体の遅燃性評価(燃焼速度)は、2個の試料について0mm/分であった。その他のサンプルの平均燃焼速度は143mm/分であった。
表1および2より、実施例についての倍数、黒色度評価および遅燃性評価は良好な結果を示したが、比較例については良好な結果を示さない場合があった。
従って、本発明の発泡成形体は、高倍数を有し、黒色で外観に優れ、高い遅燃性を有する発泡成形体である。このため、本発明の発泡成形体は、包装用緩衝材、建築用部材、自動車部材等として幅広く使用することができ、特に嵩上げ材、ティビアパットおよびツールボックスのような自動車分野での室内構造部材として使用することもできる。

Claims (12)

  1. 樹脂成分としてポリプロピレン系樹脂を含む樹脂粒子100質量部中にカーボンブラックを2〜10質量部の割合で含み、
    前記樹脂粒子表面の10μm×10μmの部分を2000倍で撮影した透過型電子顕微鏡写真において、平均面積が1.0×104〜9.9×104nm2である前記カーボンブラックの分散構造を有することを特徴とするシード重合用ポリプロピレン系樹脂粒子。
  2. 前記シード重合用ポリプロピレン系樹脂粒子が、前記透過型電子顕微鏡写真において、70〜150個の前記分散構造を有する請求項1に記載のシード重合用ポリプロピレン系樹脂粒子。
  3. 前記シード重合用ポリプロピレン系樹脂粒子が、前記透過型電子顕微鏡写真において、平均粒子径110〜350nmの前記分散構造を有する請求項1または2に記載のシード重合用ポリプロピレン系樹脂粒子。
  4. 前記シード重合用ポリプロピレン系樹脂粒子が、0.5〜1.4mmの平均粒子径を有する請求項1〜3のいずれか1つに記載のシード重合用ポリプロピレン系樹脂粒子。
  5. 請求項1〜4のいずれか1つに記載のシード重合用ポリプロピレン系樹脂粒子の製造方法であって、前記カーボンブラックを含む樹脂組成物と前記ポリプロピレン系樹脂とを押出機に供給し、溶融混練するシード重合用ポリプロピレン系樹脂粒子の製造方法。
  6. 請求項1〜4のいずれか1つに記載のシード重合用ポリプロピレン系樹脂粒子にスチレン系単量体をシード重合させることによって得られる複合樹脂粒子。
  7. 前記複合樹脂粒子が、ポリプロピレン系樹脂100質量部に対してポリスチレン系樹脂を100〜400質量部の割合で含む請求項6に記載の複合樹脂粒子。
  8. 前記複合樹脂粒子が、複合樹脂粒子100質量部に対して、難燃剤を1.5〜5.0質量部の割合で、かつ、難燃助剤を0.3〜2.0質量部の割合で含む請求項6または7に記載の複合樹脂粒子。
  9. 請求項6〜8のいずれか1つに記載の複合樹脂粒子から得られる発泡性複合樹脂粒子。
  10. 請求項9に記載の発泡性複合樹脂粒子から得られる予備発泡粒子。
  11. 請求項10に記載の予備発泡粒子から得られる発泡成形体。
  12. 前記発泡成形体が、35〜50倍の倍数を有する請求項11に記載の発泡成形体。
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