JP6634301B2 - カッタービット - Google Patents

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Description

本発明は、トンネル掘削用シールド掘削機、トンネルボーリングマシンやアースオーガやケーシングオーガ等の各種掘削機のオーガヘッドや、回転圧入施工する杭やケーシング等の先端に取付けられるカッタービットに関する。特に本発明は、地盤が岩盤などの非常に硬い場合に用いられる、超硬合金製のチップ部材を備えるカッタービットに関する。
岩盤などの掘削用のカッタービットには、硬質岩盤等の掘削に対応するため、超硬合金製のチップ部材を備えたものが使用されている。ここで、チップ部材に用いられる超硬合金として、相対的に硬度の高い硬チップ部材と相対的に硬度の低い軟チップ部材が知られている。しかしながら、硬チップ部材は、摩耗しにくいが、靭性が低く欠損しやすいという難点がある。一方、軟チップ部材は、靭性が高く欠損しにくいが、摩耗しやすいという難点がある。特に、圧入機を用いた施工では、地中への押し込み力が大きく取れるため、これら硬チップ部材と軟チップ部材についての難点が顕著に現れる。
かかる難点を補うべく、例えば特許文献1、2には、台金(本体)に硬チップと軟チップを掘削進行方向に対して横並びに取り付けたカッタービットが開示されている。また例えば特許文献2、3には、台金(本体)に硬チップと軟チップを掘削進行方向に向かって交互に並べて取り付けたカッタービットが開示されている。さらに特許文献4には、軟チップに硬チップを埋め込んだ構造のカッタービットが開示されている。これら特許文献1〜4のカッタービットは、軟チップと硬チップを組み合わせることにより、耐摩耗性と耐衝撃性の両立を図っている。
特開平7−269293号公報 実開平5−16897号公報 特開平9−78986号公報 特開2006−241681号公報
しかしながら、特許文献1〜4のカッタービットは、軟チップや硬チップの露出部分が多く、掘削の際に岩盤などから受ける衝撃でチップが欠損しやすいという問題があった。特に特許文献1、2のように、硬チップと軟チップを横並びに取り付けたカッタービットは、掘削の際に石等が硬チップに直接当たり、硬チップが欠損しやすい。またカッタービットは、掘削進行方向とは逆向きに移動させながら地盤と接触させられて使用される、いわゆる逆回転で使用されることがあるが、かかる逆回転の場合でも、硬チップの欠損の少ないカッタービットの出現が望まれていた。
したがって本発明の目的は、耐摩耗性と耐衝撃性の何れにも優れたカッタービットを提供することにある。
前記の目的を達成するため、本発明によれば、地盤の掘削に使用されるカッタービットであって、地盤に接触させられるチップ部材と、前記チップ部材を支持するシャンク部材を備え、前記シャンク部材には、前記チップ部材の掘削進行方向の前方に配置された前ガード片と掘削進行方向の後方に配置された後ガード片を有し、それら前ガード片と後ガード片との間に前記チップ部材を挿入させて支持するインサート溝部が形成され、前記チップ部材は、相対的に硬度の高い硬チップ片と相対的に硬度の低い軟チップ片とを掘削進行方向に向かって交互に積層させた構造であり、かつ、前記インサート溝部に挿入された前記チップ部材において、前記硬チップ片と前記前ガード片との間および前記硬チップ片と前記後ガード片との間に前記軟チップ片が配置され、前記インサート溝部から突出する前記チップ部材の部分において、前記硬チップ片の掘削進行方向の前方および前記硬チップ片の掘削進行方向の後方が前記軟チップ片で覆われ、掘削進行方向に関し、前記硬チップ片と前記前ガード片との間に配置された前記軟チップ片の厚さが、前記硬チップ片と前記後ガード片との間に配置された前記軟チップ片の厚さよりも大きいことを特徴とする、カッタービットが提供される。
本発明のカッタービットにあっては、シャンク部材に形成されたインサート溝部にチップ部材が挿入されて支持されており、チップ部材の掘削進行方向の前方に前ガード片が配置され、掘削進行方向の後方に後ガード片が配置されている。また、インサート溝部から突出するチップ部材の部分において、硬チップ片の掘削進行方向の前方および硬チップ片の掘削進行方向の後方が軟チップ片で覆われている。そのため、掘削の際に岩盤や石等から受ける衝撃を、いわゆる正回転の場合は前ガード片と軟チップ片で受け止めることができ、いわゆる逆回転の場合は後ガード片と軟チップ片で受け止めることができる。そのため、掘削の際に寸法の大きな石等が硬チップに直接当たることが無く、硬チップを欠損しにくい。
本発明のカッタービットにおいて、前記チップ部材の下面には、地盤に最も近い突先部と、前記突先部から掘削進行方向の前方に向かって地盤から離れる前方傾斜面と、前記突先部から掘削進行方向の後方に向かって地盤から離れる後方傾斜面が形成されており、前記突先部は前記硬チップ片に形成され、前記前方傾斜面は、前記硬チップ片と、前記硬チップ片と前記前ガード片との間に配置された前記軟チップ片とに跨って形成され、前記後方傾斜面は、前記硬チップ片と、前記硬チップ片と前記後ガード片との間に配置された前記軟チップ片とに跨って形成されていても良い。また、前記硬チップ片と前記軟チップ片が焼結されていても良い。また、掘削進行方向と直交する横方向に関して、前記チップ部材は前記シャンク部材よりも外側にはみ出していても良い。
本発明によれば、掘削の際に硬チップ片に作用する岩盤からの反力を軟チップ片で緩和して、その反力をチップ部材全体で分散して受けることにより、硬チップ片の欠損を防止することができる。また、前ガード片および後ガード片により、石や岩の破片などがチップ部材に直接衝突することが防止され、さらに、石や岩の破片などから受ける衝撃を軟チップ片で緩和することにより、硬チップ片に加わる衝撃を小さくできる。また、シャンク部材に形成されたインサート溝部にチップ部材が挿入されて支持されていることにより、チップ部材はインサート溝部に挿入されてしっかりと支持されることとなる。このように、本発明によれば、耐摩耗性と耐衝撃性を両立でき、長寿命で切れ味が持続し、交換回数も少なくできるので、作業効率が著しく向上する。特に、圧入機を用いた施工では、地中への押し込み力を大きく取ることができるので、硬質岩盤等の掘削を効果的に行うことが可能となる。また、摩耗が少なくなり、切れ味が持続することにより、掘削時間が短くなり、工期短縮と工費削減になる。さらに長寿命化が図れ、使用するビット数が抑えられ、コストダウンになる。また、ビット交換の手間が少なくなり、省力化ができる。また、掘削の際に側壁に対しても硬チップ片が接触しており、カッタービットのサイドも摩耗しにくい。
地盤の掘削の一例として鋼管杭の回転圧入(ジャイロプレス工法(株式会社技研製作所、新日鐵住金株式会社の登録商標))を示す説明図である。 杭の先端(下端)の拡大図である。 本発明の実施の形態に係るカッタービットの側面図である。 本発明の実施の形態に係るカッタービットの平面図である。 本発明の実施の形態に係るカッタービットの先端部分の拡大図である。 カッタービットの変形例の側面図である。 地盤の掘削の他の一例として鋼矢板杭の圧入(硬質地盤クリア工法)を示す説明図である。 オーガヘッドの拡大図である。 オーガヘッドの他の実施の形態の説明図である。 (a)〜(c)は、オーガヘッドに装着されるカッタービットの説明図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する要素においては、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。また、以下の実施の形態では、円筒形状の鋼管杭からなる杭3の先端に本発明の実施の形態に係るカッタービット4を取り付けた場合を例示して説明する。
図1は、地盤1を掘削する施工の一例として、圧入機2によって、杭3を地盤1に回転圧入する場合(ジャイロプレス工法(株式会社技研製作所、新日鐵住金株式会社の登録商標))を示している。圧入機2は、チャック部10に杭3を把持して回転させながら、メインシリンダ11の稼働によって杭3を下降させることにより、回転圧入する構成となっている。
図2に示すように、杭3の先端(下端)には、リング12を介して、本発明の実施の形態に係るカッタービット4が適当な間隔を空けて複数箇所に円周上に取り付けられている。なお図示の形態では、杭3の先端(下端)に合計9個のカッタービット4が等間隔に装着されている。杭3の回転によってこれらカッタービット4で地盤1を円筒状に掘削しながら、杭3が下降することにより、杭3が地盤1に回転圧入されていく。
図3、4に示すように、カッタービット4は、地盤1に接触させられるチップ部材15と、チップ部材15を支持するシャンク部材16を備えている。なお、図3〜5において、図面左方向が掘削進行方向(掘削進行方向の前方)であり、図面右方向が掘削進行方向と逆向きの方向(掘削進行方向の後方)である。圧入機2のチャック部10によって杭3が正回転させられた場合は、カッタービット4は、掘削進行方向(図3〜5中の左方向)に移動し、杭3が逆回転させられた場合は、カッタービット4は、掘削進行方向と逆向きの方向(図3〜5中の右方向)に移動する。
シャンク部材16は、例えば鋼材からなる。シャンク部材16の下面には、チップ部材15を支持するインサート溝部20が形成されている。チップ部材15をこのインサート溝部20に下から挿入することにより、チップ部材15がシャンク部材16の下面に固定されている。インサート溝部20は、チップ部材15の掘削進行方向の前方に配置される前ガード片21と掘削進行方向の後方に配置された後ガード片22を有しており、それら前ガード片21と後ガード片22との間に、チップ部材15が挿入されて支持されている。図4に示されるように、掘削進行方向と直交する横方向に関して、チップ部材15はシャンク部材16よりも両外側にはみ出している。
チップ部材15は、相対的に硬度の高い硬チップ片25と相対的に硬度の低い軟チップ片26とを掘削進行方向に向かって交互に積層させた構造を有している。これら硬チップ片25と軟チップ片26はいずれも超硬合金製の板部材であり、硬チップ片25と軟チップ片26を積層させて焼結(拡散接合)することにより、一体化されている。なお、チップ部材15はインサート溝部20に挿入されてロウ付けされることによって、チップ部材15とシャンク部材16が一体化されている。
図示の形態では、一枚の硬チップ片25を中央にして、その前後に一枚ずつの軟チップ片26をそれぞれ積層させた構造であり、インサート溝部20に挿入されたチップ部材15において、硬チップ片25と前ガード片21との間および硬チップ片25と後ガード片22との間に軟チップ片26がそれぞれ配置されている。すなわち、硬チップ片25と前ガード片21との間には軟チップ片26が存在し、硬チップ片25と前ガード片21とは直接接触していない。同様に、硬チップ片25と後ガード片22との間にも軟チップ片26が存在し、硬チップ片25と後ガード片22とは直接接触していない。また、これら一枚の硬チップ片25および二枚の軟チップ片26は、下方に行くほど掘削進行方向の前方に位置するように僅かに傾斜して設けられている。
シャンク部材16のインサート溝部20は、チップ部材15の全体を挿入させる深さを有しておらず、チップ部材15の一部は、シャンク部材16の下面よりもさらに下方に突出している。チップ部材15を構成する一枚の硬チップ片25と二枚の軟チップ片26の上下方向の長さは、いずれもインサート溝部20の深さよりも長くなっており、インサート溝部20から下方に突出するチップ部材15の部分において、硬チップ片25の掘削進行方向の前方および硬チップ片25の掘削進行方向の後方はいずれも軟チップ片26で覆われている。
ただし、チップ部材15の下面においては、前後方向の中央に硬チップ片25の下面が露出し、硬チップ片25の掘削進行方向の前方および後方に軟チップ片26の下面がそれぞれ露出した状態になっている。
また、チップ部材15の下面には、地盤1に最も近い突先部30と、この突先部30から掘削進行方向の前方に向かって地盤1から徐々に離れるように傾斜した前方傾斜面31と、突先部30から掘削進行方向の後方に向かって地盤から徐々に離れるように傾斜した後方傾斜面32が形成されている。突先部30は、チップ部材15において最下部となる部位であり、杭3が正回転および逆回転させられた場合に、地盤1に向かって最も強い力で接触させられる部位である。
突先部30は硬チップ片25に形成されており、地盤1から受ける最大の反力が、硬チップ片25に作用するようになっている。前方傾斜面31は、硬チップ片25と、硬チップ片25と前ガード片21との間に配置された軟チップ片26とに跨って形成されている。また、後方傾斜面32は、硬チップ片25と、硬チップ片25と後ガード片22との間に配置された軟チップ片26とに跨って形成されている。
図3に示すように、掘削進行方向に関して、前ガード片21と硬チップ片25との間に配置された軟チップ片26の厚さ(前ガード片21と硬チップ片25との間に配置された軟チップ片26の板厚)a、硬チップ片25の厚さ(硬チップ片25の板厚)b、硬チップ片25と後ガード片22との間に配置された軟チップ片26の厚さ(硬チップ片25と後ガード片22との間に配置された軟チップ片26の板厚)cは、a≒b、a>cの関係になっている。すなわち、前ガード片21と硬チップ片25との間に配置された軟チップ片26の厚さaは、硬チップ片25と後ガード片22との間に配置された軟チップ片26の厚さcよりも大きく設定されている。
以上のように構成された本発明の実施の形態に係るカッタービット4を先端に取り付けた杭3を圧入機2のチャック部10で把持し、杭3を回転させながら、メインシリンダ11の稼働によって杭3を下降させることにより、杭3が地盤1に回転圧入される。この場合、杭3が正回転することにより、硬チップ片25に形成された突先部30が地盤1に向かって押し付けられながら、掘削進行方向(図3〜5中の左方向)に移動し、これにより、地盤1の掘削が行われる。
図1に示すように、一般的に、地盤1中には、砂等の軟らかい地盤35、玉石地盤36、岩盤37などの各種層が混在し、変化に富んでいる。各層の種類によってカッタービット4に要求される性能は異なり、例えば、玉石地盤36では石等から受ける衝撃が大きく、耐衝撃性が要求される。岩盤37では衝撃は少なくなるが、硬さが増すので耐摩耗性が必要になる。また、特に、圧入機による杭施工のように地盤1を縦方向に掘削する場合、掘削された岩の破片(ズリ)が削孔穴に溜まり、それもカッタービット4への抵抗、衝撃の原因となり、シールド等の横方向の掘削に比べてダメージを受けやすい。また縦方向の掘削の場合は、油圧力のような機械的荷重に機械重量と杭重量とがプラスされるので、横方向の掘削よりも原理的に大きな力がカッタービット4にかかり、負荷が大きく、よりハードになる。本発明の実施の形態に係るカッタービット4を用いることにより、これら軟らかい地盤35、玉石地盤36、岩盤37などの各種層をいずれも円滑に掘削することが可能となる。
例えば、相対的に硬度の高い硬チップ片25に形成された突先部30によって、硬い岩盤37を効果的に掘削することができる。この場合、岩盤37に硬チップ片25が接触することにより、摩耗が防止される。一方、このように硬い岩盤37を掘削する場合、岩盤37を掘削したことによる反力が硬チップ片25に作用することになる。しかしながら、本発明の実施の形態に係るカッタービット4は、チップ部材15が、相対的に硬度の高い硬チップ片25と相対的に硬度の低い軟チップ片26とを交互に積層させた構造を有している。このため、硬チップ片25に作用する岩盤37からの反力が軟チップ片26で緩和され、岩盤37からの反力をチップ部材15全体で分散して受けることができ、硬チップ片25の欠損が防止される。この場合、硬チップ片25と前ガード片21との間および硬チップ片25と後ガード片22との間はいずれも軟チップ片26が存在しており、硬チップ片25と前ガード片21および後ガード片22は直接接触していない。このため、硬チップ片25に作用する岩盤37からの反力が軟チップ片26で緩和された状態でシャンク部材16に伝わることとなる。
また、玉石地盤36や岩盤37を掘削する場合、杭3の回転に伴って、玉石地盤36中に含まれる石や、岩盤37を掘削して生じた岩の破片(ズリ)などが削孔穴に溜まり、それらがカッタービット4に衝突する。しかしながら、杭3が正回転している場合は、チップ部材15の掘削進行方向の前方に配置された前ガード片21により、石や岩の破片などがチップ部材15に直接衝突することが防止される。さらに、インサート溝部20から下方に突出するチップ部材15の部分においては、硬チップ片25の掘削進行方向の前方は軟チップ片26で覆われている。そのため、杭3の正回転に伴って石や岩の破片などから受ける衝撃を、前ガード片21や軟チップ片26で緩和することにより、硬チップ片25に加わる衝撃を小さくでき、硬チップ片25の欠損が防止される。
また、掘削中、杭3の正回転の継続が困難となり、一時的に杭3を逆回転させることが必要になる場合もある。かかる場合も、チップ部材15の掘削進行方向の後方に配置された後ガード片22により、石や岩の破片などがチップ部材15に直接衝突することが防止される。さらに、インサート溝部20から下方に突出するチップ部材15の部分においては、硬チップ片25の掘削進行方向の後方も軟チップ片26で覆われている。そのため、杭3の逆回転に伴って石や岩の破片などから受ける衝撃を、後ガード片22や軟チップ片26で緩和することにより、硬チップ片25に加わる衝撃を小さくでき、同様に硬チップ片25の欠損が防止される。
なお、掘削中に杭3を逆回転させるのは一時的であり、杭3を正回転させている時間に比べれば、杭3を逆回転させる時間は短い。本発明の実施の形態に係るカッタービット4にあっては、前ガード片21と硬チップ片25との間に配置された軟チップ片26の厚さaが、硬チップ片25と後ガード片22との間に配置された軟チップ片26の厚さcよりも大きく設定されている。このため、時間的に長い正回転時において、大きい厚さaを持った軟チップ片26によって硬チップ片25に加わる衝撃を十分に低減できるといった利点がある。
さらに、砂等の軟らかい地盤35、玉石地盤36、岩盤37のいずれを掘削する場合も、シャンク部材16に形成されたインサート溝部20にチップ部材15が挿入されて支持されていることにより、掘削中チップ部材15はインサート溝部20に挿入されてしっかりと支持されることとなる。このように、本発明の実施の形態に係るカッタービット4は、耐摩耗性と耐衝撃性を両立でき、長寿命で切れ味が持続し、交換回数も少なくできるので、作業効率が著しく向上する。特に、圧入機2を用いた施工では、地中への押し込み力を大きく取ることができるので、硬質岩盤等の掘削を効果的に行うことが可能となる。また、摩耗が少なくなり、切れ味が持続することにより、掘削時間が短くなり、工期短縮と工費削減になる。さらに長寿命化が図れ、使用するビット数が抑えられ、コストダウンになる。また、ビット交換の手間が少なくなり、省力化ができる。また、掘削の際に側壁に対しても硬チップ片25が接触しており、カッタービット4のサイドも摩耗しにくい。
なお、チップ部材15を構成する硬チップ片25と軟チップ片26は、互いに焼結することにより一体化されている。例えば、硬チップ片25と軟チップ片26をロウ付けで接合した場合、掘削で発生する摩擦熱により、ロウ付けの接合強度が低下して硬チップ片25と軟チップ片26との接合がもたなくなり、硬チップ片25に作用する岩盤37からの反力が軟チップ片26で緩和されずに、硬チップ片25に局所的に力が集中して欠損しやすい。しかるに、本発明の実施の形態に係るカッタービット4では、硬チップ片25と軟チップ片26が焼結によって一体化されているので、ロウ付けに比べて熱に強く摩擦熱によっても強度の低下が少ないため、硬チップ片25に作用する岩盤37からの反力が軟チップ片26で確実に緩和され、硬チップ片25の欠損が防止される。
また、図4に示したように、掘削進行方向と直交する横方向に関して、チップ部材15はシャンク部材16よりも両外側にはみ出しているので、地盤1を掘削する際の抵抗が小さいといった利点がある。すなわち、チップ部材15がシャンク部材16から外側にはみ出していない、いわゆるツライチ(面一)の場合、チップ部材15とシャンク部材16の側面全体が地盤1と接触し、接触面積が大きいことから抵抗が大きくなり、機械側の力が大きく必要となる(力がとられる)。その結果、掘削能力(速度)の低下を招き、工期が長くなる。しかるに、図4に示したように、チップ部材15がシャンク部材16よりも両外側にはみ出していることにより、そのような問題が解消される。また、シャンク部材16の摩耗が防げるため、寿命が短くなることや、さらにチップ部材15の保持が弱くなることを防げる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の実施の形態の一例について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
図6は、カッタービットの変形例の側面図である。この図6に示すカッタービット4aは、先に図3、4に示したカッタービット4に比べ、シャンク部材16が軽量化されている。シャンク部材16を軽量化することにより、コストダウンを図ることができる。また、チップ部材15の摩耗が進みシャンク部材16までも摩耗するようになった場合、図3、4に示したカッタービット4に比べてシャンク部材16が細いので、同じ荷重を加えた場合に、摩耗によって露出するようになったシャンク部材16の面圧が高くなり、掘削効率を高くできる。
また、例えば図1では、掘削の一例として、圧入機2によって、鋼管からなる杭3を地盤1に回転圧入する場合(ジャイロプレス工法(株式会社技研製作所、新日鐵住金株式会社の登録商標))について説明したが、本発明のカッタービットは、トンネル掘削、トンネルボーリングマシン等の各種掘削などにも適用できる。
図7は、地盤1を掘削する施工の他の一例として、圧入機2’によって、鋼矢板からなる杭3’を地盤1に圧入する場合(硬質地盤クリア工法)を示している。この圧入機2’は、オーガヘッド13によって地盤1を先行掘削し、あるいは掘削しつつ、メインシリンダ11’の稼働によってチャック部10’に把持した杭3’を下降させることにより、圧入する構成となっている。
図8に示すように、オーガヘッド13の先端(下端)には、本発明の実施の形態に係るカッタービット4’が複数箇所に取り付けられており、オーガヘッド13の回転によって、これらカッタービット4’で地盤1を掘削するようになっている。図9は、オーガヘッド13の他の実施の形態を示し、この図9に示すオーガヘッド13の先端(下端)にも同様に、本発明の実施の形態に係るカッタービット4’が複数箇所に取り付けられ、オーガヘッド13の回転によって、これらカッタービット4’で地盤1を掘削するようになっている。これらオーガヘッド13に装着されるカッタービット4’についても、本発明は好適に適用される。図10(a)に、図8に示すオーガヘッド13に装着されるカッタービット4’を例示し、図10(b)、(c)に、図9に示すオーガヘッド13に装着されるカッタービット4’を例示する。
また、図示の形態では、一枚の硬チップ片25の前後にそれぞれ一枚ずつの軟チップ片26を積層させた三層構造のチップ部材15を例示したが、三層以上の多層構造としても良い。ただし、三層以上の多層構造とする場合であっても、インサート溝部20に挿入されたチップ部材15において、硬チップ片25と前ガード片21との間および硬チップ片25と後ガード片22との間にはいずれも軟チップ片26が存在し、硬チップ片25と前ガード片21および硬チップ片25と後ガード片22は直接接触しないようにする。これにより、硬チップ片25に作用する岩盤37からの反力が軟チップ片26で緩和された状態でシャンク部材16に伝わることとなり、岩盤37からの反力をチップ部材15全体で分散して受けることができ、硬チップ片25の欠損が防止される。
なお、前ガード片21と硬チップ片25との間に配置された軟チップ片26の厚さaと硬チップ片25の厚さbがほぼ等しい(a≒b)形態を例示したが、前ガード片21と硬チップ片25との間に配置された軟チップ片26の厚さa、硬チップ片25の厚さb、硬チップ片25と後ガード片22との間に配置された軟チップ片26の厚さcの関係は、硬チップ片25と軟チップ片26の硬度差や、逆回転の頻度などによって適宜設定される。一般的には、杭3を正回転させている時間に比べて逆回転させる時間は短く、また、正回転時に掘削進行方向の前方からの衝撃をより大きく受けるので、その衝撃から硬チップ片25をガードするために、前ガード片21と硬チップ片25との間に配置された軟チップ片26の厚さaを十分大きくすることが望ましい。
また、図5中に示したように、チップ部材15の下面において、硬チップ片25の入り口高さxが大きければ、正回転時に地盤1と硬チップ片25の下面との間に入り込む石や岩の破片の寸法が大きくなり、硬チップ片25に当たる石や岩の破片の寸法も大きくなる、つまり質量も大きくなるので、エネルギーが大きくなり、衝撃も大きくなる。このため、硬チップ片25の入り口高さxは0〜b/2が好ましい。また、硬チップ片25と軟チップ片26を焼結する場合、硬チップ片25と軟チップ片26の間にNiやNiPなど(板や粉末状)を入れても良いし、入れなくても良い。硬チップ片25と軟チップ片26の間にNiやNiPなどを入れると、残留応力が緩和されるとともに、接着性能が上がるという効果がある。
本発明は、地盤を掘削する施工分野において有用である。
1 地盤
2 圧入機
3 杭
4 カッタービット
10 チャック部
11 メインシリンダ
12リング
13 オーガヘッド
15 チップ部材
16 シャンク部材
20 インサート溝部
21 前ガード片
22 後ガード片
25 硬チップ片
26 軟チップ片
30 突先部
31 前方傾斜面
32 後方傾斜面
35 軟らかい地盤
36 玉石地盤
37 岩盤
a 前ガード片と硬チップ片との間に配置された軟チップ片の厚さ
b 硬チップ片の厚さ
c 硬チップ片と後ガード片との間に配置された軟チップ片の厚さ
x 入り口高さ

Claims (4)

  1. 地盤の掘削に使用されるカッタービットであって、
    地盤に接触させられるチップ部材と、前記チップ部材を支持するシャンク部材を備え、
    前記シャンク部材には、前記チップ部材の掘削進行方向の前方に配置された前ガード片と掘削進行方向の後方に配置された後ガード片を有し、それら前ガード片と後ガード片との間に前記チップ部材を挿入させて支持するインサート溝部が形成され、
    前記チップ部材は、相対的に硬度の高い硬チップ片と相対的に硬度の低い軟チップ片とを掘削進行方向に向かって交互に積層させた構造であり、かつ、前記インサート溝部に挿入された前記チップ部材において、前記硬チップ片と前記前ガード片との間および前記硬チップ片と前記後ガード片との間に前記軟チップ片が配置され、
    前記インサート溝部から突出する前記チップ部材の部分において、前記硬チップ片の掘削進行方向の前方および前記硬チップ片の掘削進行方向の後方が前記軟チップ片で覆われ
    掘削進行方向に関し、前記硬チップ片と前記前ガード片との間に配置された前記軟チップ片の厚さが、前記硬チップ片と前記後ガード片との間に配置された前記軟チップ片の厚さよりも大きいことを特徴とする、カッタービット。
  2. 前記チップ部材の下面には、地盤に最も近い突先部と、前記突先部から掘削進行方向の前方に向かって地盤から離れる前方傾斜面と、前記突先部から掘削進行方向の後方に向かって地盤から離れる後方傾斜面が形成されており、
    前記突先部は前記硬チップ片に形成され、
    前記前方傾斜面は、前記硬チップ片と、前記硬チップ片と前記前ガード片との間に配置された前記軟チップ片とに跨って形成され、
    前記後方傾斜面は、前記硬チップ片と、前記硬チップ片と前記後ガード片との間に配置された前記軟チップ片とに跨って形成されていることを特徴とする、請求項1に記載のカッタービット。
  3. 前記硬チップ片と前記軟チップ片が焼結されていることを特徴とする、請求項1または2のいずれか一項に記載のカッタービット。
  4. 掘削進行方向と直交する横方向に関して、前記チップ部材は前記シャンク部材よりも外側にはみ出していることを特徴とする、請求項1〜のいずれか一項に記載のカッタービット。
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