JP6634277B2 - 位置検出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、磁気スケールに設けられた磁気トラックを、磁気抵抗素子を備える磁気センサ装置により読み取る位置検出装置に関する。
従来の位置検出装置は特許文献1に記載されている。磁気スケールは、所定のピッチでインクリメンタルパターンが形成されたインクリメンタルトラックと、インクリメンタルパターンと対応するピッチでアブソリュートパターンが形成されたアブソリュートトラックを備える。磁気センサ装置は、インクリメンタルトラックを読み取ってインクリメンタル信号を出力するインクリメンタル信号出力部と、アブソリュートトラックを読み取ってアブソリュート値を出力するアブソリュート値出力部を備える。
アブソリュートパターンは着磁領域と無着磁領域を一定ピッチの非繰り返しパターンで配列したものである。アブソリュート値出力部は感磁方向を相対移動方向に向けた複数の磁気抵抗素子を備える。複数の磁気抵抗素子は非繰り返しパターンと同一のピッチで相対移動方向に配列されており、磁気スケールと磁気センサが相対移動する際に複数の領域の磁界を検出する。アブソリュート値出力部は、各磁気抵抗素子から出力される信号が所定の閾値以上の領域の論理値を1、所定の閾値を超えない領域を論理値の0とする複数ビットのM系列の不規則循環乱数コードを出力する。位置検出装置は、インクリメンタル信号の位相およびアブソリュート値に基づいて磁気スケールまたは磁気センサ装置の絶対位置を取得する。
特開2007−33245公報
磁気抵抗素子は温度変化により自己の抵抗値が変動するので、磁気抵抗素子から出力される信号は、温度変化に起因して、上下にシフトする。従って、アブソリュート値を取得するために磁気抵抗素子から出力される信号を予め定めた閾値に基づいて符号化(コード化)する際には、温度変化に起因して、この符号化を正確に行うことができなくなることがある。
以上の点に鑑みて、本発明の課題は、磁気スケールを読み取ったときに磁気抵抗素子から出力される信号に対する温度の影響を低減できる位置検出装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の位置検出装置は、磁気スケールと、相対移動する前記磁気スケールの位置を検出する磁気センサ装置と、を有し、前記磁気センサ装置は、センサ基板と、前記センサ基板上で相対移動方向に感磁方向を向け前記磁気スケールを読み取って信号を出力する磁界検出用磁気抵抗素子と、前記センサ基板上で前記相対移動方向と直交する直交方向に感磁方向を向ける温度補正用磁気抵抗素子と、を備え、前記温度補正用磁気抵抗素子の抵抗値は、前記磁界検出用磁気抵抗素子の抵抗値よりも大きいことを特徴とする。
また、本発明は、前記磁気センサ装置は、前記磁界検出用磁気抵抗素子からの前記信号を、前記温度補正用磁気抵抗素子からの信号によって補正するものとすることができる。
本発明では、磁気センサ装置が、同一のセンサ基板上に磁界検出用磁気抵抗素子と温度補正用磁気抵抗素子を備える。ここで、磁界検出用磁気抵抗素子は感磁方向を相対移動方向に向けている。従って、磁界検出用磁気抵抗素子からの信号は、相対移動する磁気トラックの磁界の変化を検出することによる自己の抵抗値の変化を反映するものとなる。一方、温度補正用磁気抵抗素子は感磁方向を直交方向に向けている。従って、温度補正用磁気抵抗素子は、相対移動する磁気スケールの磁界の変化を検出せず、温度補正用磁気抵抗素子からの信号は、温度の変化によって変動する自己の抵抗値の変化を反映するものとなる。よって、磁界検出用磁気抵抗素子から出力される信号を、温度補正用磁気抵抗素子からの信号を利用して補正することにより、磁界検出用磁気抵抗素子からの信号について温度変化に起因する信号のシフトを抑制できる。また、このようにすれば、温度補正用磁気抵抗素子への電圧の印加によって温度補正用磁気抵抗素子自体の温度が上昇することを抑制できる。
本発明において、前記磁界検出用磁気抵抗素子と、前記温度補正用磁気抵抗素子とは、同一の材料からなることが望ましい。このようにすれば、温度変化に起因する磁界検出用磁気抵抗素子の抵抗値の変化と、温度変化に起因する温度補正用磁気抵抗素子の抵抗変化が対応するものとなる。従って、磁界検出用磁気抵抗素子からの信号を、温度補正用磁気抵抗素子からの信号を利用して補正すれば、磁界検出用磁気抵抗素子からの信号について温度変化に起因する信号のシフトを抑制できる。
本発明において、前記磁気スケールは、第1トラックと、前記第1トラックに並列に配置された第2トラックとを備え、前記磁界検出用磁気抵抗素子として、前記第1トラックを読み取って第1信号を出力する磁界検出用第1磁気抵抗素子と、前記第2トラックを読み取って第2信号を出力する磁界検出用第2磁気抵抗素子と、を備え、前記温度補正用磁気抵抗素子として、前記センサ基板上で前記磁界検出用第2磁気抵抗素子よりも前記磁界検出用第1磁気抵抗素子に近い位置に配置された温度補正用第1磁気抵抗素子と、前記センサ基板上で前記磁界検出用第1磁気抵抗素子よりも前記磁界検出用第2磁気抵抗素子に近い位置に配置された温度補正用第2磁気抵抗素子と、を備えるものとすることができる。このようにすれば、磁界検出用第1磁気抵抗素子に近い位置に配置された温度補正用第1磁気抵抗素子からの信号により磁界検出用第1磁気抵抗素子からの信号を補正でき、磁界検出用第2磁気抵抗素子に近い位置に配置された温度補正用第2磁気抵抗素子からの信号により磁界検出用第2磁気抵抗素子からの信号を補正できる。よって、磁界検出用第1磁気抵抗素子および磁界検出用第2磁気抵抗素子からの信号について温度変化に起因する信号のシフトを抑制できる。
この場合において、前記磁気スケールは、着磁領域と無着磁領域とが一定のピッチで配列されたアブソリュートパターンを有するアブソリュートトラックを有し、前記磁気センサ装置は、相対移動する前記磁気スケールの前記アブソリュートトラックを読み取ってアブソリュート信号を出力するアブソリュート信号出力部を有し、前記アブソリュートトラックは、前記第1トラックと、前記第2トラックと、を備え、前記第1トラックは、前記アブソリュートパターンを有し、前記第2トラックは、着磁領域および無着磁領域が前記ピッチで前記アブソリュートパターンと反対に配列された着磁パターンを備え、前記アブソリュート信号出力部は、電圧入力端子とグランド端子との間に前記磁界検出用第1磁気抵抗素子と前記磁界検出用第2磁気抵抗素子とを直列に接続した第1ブリッジ回路と、前記電圧入力端子と前記グランド端子との間に前記温度補正用第1磁気抵抗素子と前記温度補正用第2磁気抵抗素子とを直列に接続した第2ブリッジ回路と、を備え、前記磁界検出用第1磁気抵抗素子と前記磁界検出用第2磁気抵抗素子との間から出力される第1中点電圧および前記温度補正用第1磁気抵抗素子と前記温度補正用第2磁気抵抗素子との間から出力される第2中点電圧の差に基づいて前記アブソリュート信号を出力することが望ましい。
このようにすれば、温度補正用第1磁気抵抗素子からの信号により磁界検出用第1磁気抵抗素子からの信号を補正でき、温度補正用第2磁気抵抗素子からの信号により磁界検出用第2磁気抵抗素子からの信号を補正できる。
ここで、着磁領域と無着磁領域とを一定のピッチで配列したアブソリュートパターンでは、着磁領域の隣に無着磁領域が位置する部分において着磁領域から無着磁領域の側にオーバーシュートして着磁領域に戻る磁界が発生する。従って、アブソリュートトラックにおいて着磁領域の隣に無着磁領域が位置する部分では、無着磁領域における着磁領域に近い部位で、磁界検出用第1磁気抵抗素子が磁界を検出してしまう。よって、アブソリュート値を取得するための閾値を適切に設定しなければ、無着磁領域においても信号が閾値を超える場合が発生してしまい、論理値を正確に取得できなくなるという問題がある。
このような問題に対して、本発明では、アブソリュートトラックとして、アブソリュートパターンを備える第1トラックと、アブソリュートパターンと論理値が反対となる着磁パターンを備える第2トラックを備える。このようにすれば、第1信号出力部により第1トラックを読み取ったときに、無着磁領域における着磁領域に近い部分で磁界が検出されて第1信号出力部から信号が出力されるが、第1信号出力部が第1トラックの無着磁領域を読み取っているときには第2信号検出部は第2トラックの着磁領域を読み取っているので、第2信号出力部から第1信号よりも大きな第2信号が出力される。従って、第1信号出力部から出力される第1信号と第2信号出力部から出力される第2信号の差動信号では、アブソリュートパターンにおいて無着磁領域となっている部分において、無着磁領域における着磁領域に近い部分で発生している磁界の影響を除去できる。これにより、差動信号として、着磁領域と無着磁領域との境界部分で波形が反転することのない波形を得ることができる。よって、閾値を利用して、論理値を正確に取得できる。
本発明において、磁気スケールまたは磁気センサ装置の絶対位置を取得するためには、前記磁気スケールは、第1ピッチで形成された第1インクリメンタルパターンを有する第1インクリメンタルトラックと、前記第1ピッチよりも長い第2ピッチで形成された第2インクリメンタルパターンを有する第2インクリメンタルトラックを備え、前記磁気センサ装置は、相対移動する前記磁気スケールの前記第1インクリメンタルトラックを読み取って前記第1ピッチに対応する長さの第1波長の第1インクリメンタル信号を出力する第1インクリメンタル信号出力部と、相対移動する前記磁気スケールの前記第2インクリメンタルトラックを読み取って前記第2ピッチに対応する長さの第2波長の第2インクリメンタル信号を出力する第2インクリメンタル信号出力部と、前記第1インクリメンタル信号および前記第2インクリメンタル信号に基づいて前記第1波長および前記第2波長の整数倍となる第3波長の第3インクリメンタル信号を取得する演算処理部と、を備え、前記アブソリュートトラックの前記アブソリュートパターンは、前記第2ピッチよりも長い第3ピッチで形成されており、前記アブソリュート信号出力部は、前記第3ピッチに対応する前記第3波長のアブソリュート信号を出力するものとすることができる。
本発明によれば、磁気スケールの磁界を検出する磁界検出用磁気抵抗素子から出力される信号について、温度変化に起因する信号のシフトを抑制できる。
本発明を適用した磁気式エンコーダ装置の説明図である。 磁気トラックおよび磁気抵抗素子の説明図である。 磁気式エンコーダ装置の制御系のブロック図である。 磁気センサ装置が出力する各信号の説明図である。 第1信号出力部から出力される第1信号、第2信号出力部から出力される第2信号および第1信号と第2信号の差動信号の説明図である。 着磁領域と無着磁領域の境界部分における磁界とその検出信号の説明である。 温度補正部の説明図である。
以下に、図面を参照して、本発明を適用した位置検出装置の実施の形態である磁気式エンコーダ装置を説明する。
図1は、本発明を適用した磁気式エンコーダ装置の説明図である。図1に示すように、本例の磁気式エンコーダ装置(位置検出装置)1は磁気スケール2と磁気スケール2を読み取る磁気センサ装置3を備える。磁気スケール2は、磁気スケール2と磁気センサ装置3の相対移動方向Xに延びる磁気トラック4を備える。磁気センサ装置3は、磁気スケール2が相対移動する際に、磁気スケール2の表面に形成された磁界の変化を検出して、磁気スケール2または磁気センサ装置3の絶対移動位置を出力する。以下の説明では、相対移動方向Xと直交する方向を直交方向Yとする。
磁気センサ装置3は、非磁性材料からなるホルダ6と、非磁性材料からなるカバー7と、ホルダ6から延びたケーブル8を備える。ホルダ6は磁気スケール2と対向する対向面9を備える。対向面9には開口部9aが設けられている。開口部9aには磁気センサ11が配置されている。磁気センサ11は、シリコン基板やセラミックグレース基板などのセンサ基板12と、センサ基板12の表面に形成された複数の磁気抵抗素子(インクリメンタル信号検出用第1磁気抵抗素子37、インクリメンタル信号検出用第2磁気抵抗素子38、アブソリュート値検出用第1磁気抵抗素子45、アブソリュート値検出用第2磁気抵抗素子46)を備える(図2参照)。磁気抵抗素子37、38、45、46はパーマロイ膜を感磁膜として備える。磁気抵抗素子37、38、45、46と磁気スケール2は所定の隙間を介して対向する。
磁気式エンコーダ装置1は、磁気スケール2および磁気センサ装置3の一方が固定体側に配置され、他方が移動体側に配置される。本例では、磁気スケール2が移動体側に配置され、磁気センサ装置3が固定体側に配置される。
(磁気スケール)
図2は磁気スケール2に設けられた磁気トラック4および磁気抵抗素子37、38、45、46の説明図である。図2に示すように、磁気トラック4は、磁気スケール2と磁気センサ装置3の相対移動方向Xに延びる第1インクリメンタルトラック21、第2インクリメンタルトラック22、および、アブソリュートトラック23を有する。第1インクリメンタルトラック21、第2インクリメンタルトラック22、および、アブソリュートトラック23は平行である。アブソリュートトラック23は相対移動方向Xに延びる第1トラック24と第2トラック25を備える。第1トラック24と第2トラック25は直交方向Yで隙間なく設けられている。第1トラック24と第2トラック25は平行である。
第1インクリメンタルトラック21は、第1ピッチP1で形成された第1インクリメンタルパターン21aを有する。第1インクリメンタルパターン21aは、相対移動方向XにN極とS極を第1ピッチP1で交互に着磁したものである。
第2インクリメンタルトラック22は、第1ピッチP1よりもピッチ長が長い第2ピッチP2で形成された第2インクリメンタルパターン22aを有する。第2インクリメンタルパターン22aは、相対移動方向XにN極とS極を第2ピッチP2で交互に着磁したものである。第1インクリメンタルトラック21は直交方向Yで、アブソリュートトラック23と第2インクリメンタルトラック22の間に位置する。第1インクリメンタルパターン21aおよび第2インクリメンタルパターン22aは、磁気スケール2の表面と垂直に磁界の強弱が現れる強弱磁界を形成する。
アブソリュートトラック23の第1トラック24は、第1ピッチP1および第2ピッチP2よりもピッチ長が長い第3ピッチP3で形成されたアブソリュートパターン24aを有する。アブソリュートパターン24aは、着磁した着磁領域と無着磁の無着磁領域を第3ピッチP3の非繰り返しパターン(擬似ランダムパターン)で配列したものである。各着磁領域は相対移動方向XにN極とS極を備える。また、第1トラック24において、相対移動方向Xで隣り合う着磁領域は、互いに同一の極を対向させている。アブソリュートパターン24aは、磁気スケール2の表面と垂直に磁界の強弱が現れる強弱磁界を形成する。
本例のアブソリュートパターン24aは、連続する6ピッチ分の領域(連続する6つの領域)における着磁領域と無着磁領域の配列により磁気スケール2上の絶対位置を表現するものである。より具体的には、着磁領域を論理値の1とし、無着磁領域を論理値の0としたときに、連続する6つの領域における1と0との配列によって磁気スケール2上の絶対位置を6ビットの値で示す。
アブソリュートトラック23の第2トラック25は、着磁領域および無着磁領域が第3ピッチP3でアブソリュートパターン24aとは反対に配列された着磁パターン25aを備える。従って、アブソリュートトラック23では、直交方向Yにおいて第1トラック24の着磁領域の隣に第2トラック25の無着磁領域が位置する。また、直交方向Yにおいて第1トラック24の無着磁領域の隣に第2トラック25の着磁領域が位置する。着磁パターン25aは、磁気スケール2の表面と垂直に磁界の強弱が現れる強弱磁界を形成する。第2トラック25において、各着磁領域は相対移動方向XにN極とS極を備える。また、第2トラック25において、相対移動方向Xで隣り合う着磁領域は、互いに同一の極を対向させている。
ここで、アブソリュートパターン24aおよび着磁パターン25aの形成ピッチである第3ピッチP3は、第1ピッチP1および第2ピッチP2の整数倍である。本例では、第1ピッチP1は80μmであり、第2ピッチP2は100μmであり、第3ピッチP3は400μmである。従って、第3ピッチP3は、第1ピッチP1の5倍であり、第2ピッチP2の4倍である。
(磁気センサ)
図3は磁気式エンコーダ装置1の制御系を示す概略ブロック図である。図4は磁気スケール2の読み取りにより磁気センサ装置3が取得する各信号の説明図である。図4ではアブソリュート値検出用磁気抵抗素子45、46の配置を模式的に記載している。図5は第1信号出力部から出力される第1信号、第2信号出力部から出力される第2信号および第1信号と第2信号の差動信号の説明図である。図5(a)は、アブソリュートトラック23と第1信号出力部および第2信号出力部を模式的に示す説明図である。図5(b)は第1信号出力部から出力される第1信号のグラフであり、図5(c)は第2信号出力部から出力される第2信号のグラフであり、図5(d)は差動信号のグラフであり、図5(e)はアブソリュート値である。なお、図5(a)では、着磁領域の磁界を説明するために第1トラック24と第2トラック25の間に隙間を設けて示す。図6(a)はアブソリュー
トパターンにおける着磁領域と無着磁領域の境界部分における磁界の説明図であり、図6(b)は、着磁領域と無着磁領域の境界部分における第1信号のグラフである。
図3に示すように、磁気センサ装置3は、第1インクリメンタル信号出力部31、第2インクリメンタル信号出力部32、インクリメンタル信号算出部33、アブソリュート値出力部34、および、絶対位置取得部35を備える。
第1インクリメンタル信号出力部31は、図2、図3に示すように、第1インクリメンタルトラック21に対向配置したインクリメンタル信号検出用第1磁気抵抗素子37を備える。インクリメンタル信号検出用第1磁気抵抗素子37は相対移動方向Xに感磁方向を向けている。図4に示すように、第1インクリメンタル信号出力部31は、磁気スケール2の移動に伴って第1インクリメンタルパターン21aの第1ピッチP1に対応する長さの第1波長λ1の第1インクリメンタル信号θAを出力する。本例では、第1ピッチP1が80μmなので、第1波長λ1は80μmである。第1インクリメンタル信号θAは、磁気スケール2が第1ピッチP1(80μm)移動する毎に、0から2πまで位相が変化する周期的な信号である。
第2インクリメンタル信号出力部32は、図2、図3に示すように、第2インクリメンタルトラック22に対向配置したインクリメンタル信号検出用第2磁気抵抗素子38を備える。インクリメンタル信号検出用第2磁気抵抗素子38は相対移動方向Xに感磁方向を向けている。図4に示すように、第2インクリメンタル信号出力部32は、磁気スケール2の移動に伴って、第2インクリメンタルパターン22aの第2ピッチP2に対応する長さの第2波長λ2の第2インクリメンタル信号θBを出力する。本例では、第2ピッチP2が100μmなので、第2波長λ2は100μmである。第2インクリメンタル信号θBは、磁気スケール2が第2ピッチP2(100μm)移動する毎に、0から2πまで位相が変化する周期的な信号である。
インクリメンタル信号算出部33は、第1インクリメンタル信号θAと第2インクリメンタル信号θBに基づいて、第3波長λ3の第3インクリメンタル信号θCを算出する。第3インクリメンタル信号θCは、第1インクリメンタル信号θAの位相から第2インクリメンタル信号θBの位相を減じて得られるバーニア信号である。
本例では、第3波長λ3は400μmである。第3波長λ3(400μm)は、第1インクリメンタル信号θAの第1波長λ1(80μm)の整数倍であり、第2インクリメンタル信号θBの第2波長λ2(100μm)の整数倍である。また、第3波長λ3(400μm)はアブソリュートパターン24aのピッチ長である第3ピッチP3(400μm)に対応する長さである。第3インクリメンタル信号θCは、第3ピッチP3(400μm)毎に、0から2πまで位相が変化する周期的な信号である。
次に、アブソリュート値出力部34は、第1トラック24(アブソリュートパターン24a)を読み取って第1信号E1を出力する第1信号出力部41と、第2トラック25(着磁パターン25a)を読み取って第2信号E2を出力する第2信号出力部42を備える。アブソリュート値出力部34は第1信号E1と第2信号E2の差動信号(第1中点電圧)Dに基づいてアブソリュート値ABSを出力する。
図2乃至図5に示すように、第1信号出力部41は、第3ピッチP3で第1トラック24に対向する複数のアブソリュート値検出用第1磁気抵抗素子(磁界検出用第1磁気抵抗素子)45を備える。複数のアブソリュート値検出用第1磁気抵抗素子45のそれぞれは相対移動方向Xに感磁方向を向けている。第1信号出力部41は、これら複数のアブソリュート値検出用第1磁気抵抗素子45によって、相対移動方向Xで連続するアブソリュー
トパターン24aの複数の領域のそれぞれの磁界を検出して第1信号E1を出力する。図4に示すように、本例では、6ビットのアブソリュート値ABSを取得するために、第1信号出力部41は6つのアブソリュート値検出用第1磁気抵抗素子45を備える。図5(b)は、図5(a)に示すアブソリュートトラック23の6ピッチ分の領域の磁界を検出した場合の第1信号E1のグラフである。
第2信号出力部42は、第3ピッチP3で第2トラック25に対向する複数のアブソリュート値検出用第2磁気抵抗素子(磁界検出用第2磁気抵抗素子)46を備える。複数のアブソリュート値検出用第2磁気抵抗素子46のそれぞれは相対移動方向Xに感磁方向を向けている。第2信号出力部42は、これら複数のアブソリュート値検出用第2磁気抵抗素子46によって、相対移動方向Xで連続する着磁パターン25aの複数の領域のそれぞれの磁界を検出して第2信号E2を出力する。本例では、6ビットのアブソリュート値ABSを取得するために、第2信号出力部42は6つのアブソリュート値検出用第1磁気抵抗素子45を備える。図5(c)は、図5(a)に示すアブソリュートトラック23の6ピッチ分の領域の磁界を検出した場合の第2信号E2のグラフである。
ここで、図2、図4および図5に示すように、6つのアブソリュート値検出用第1磁気抵抗素子45と6つのアブソリュート値検出用第2磁気抵抗素子46は、相対移動方向Xで同一の位置(直交方向Yから見た場合に重なる位置)に配置されているアブソリュート値検出用第1磁気抵抗素子45とアブソリュート値検出用第2磁気抵抗素子46が1組(一対)として構成されている。また、図2、図5に示すように、各組のアブソリュート値検出用第1磁気抵抗素子45とアブソリュート値検出用第2磁気抵抗素子46は、電圧入力端子Vccとグランド端子GNDとの間に直列に接続されてブリッジ回路(第1ブリッジ回路)47を形成している。
そして、アブソリュート値出力部34は、ブリッジ回路47におけるアブソリュート値検出用第1磁気抵抗素子45とアブソリュート値検出用第2磁気抵抗素子46の間の中点48から出力される差動信号D(中点電圧)に基づいてアブソリュート値ABSを出力する。
図5(d)は、図5(a)に示すアブソリュートトラック23の6ビット分の領域の磁界を検出した場合の差動信号D(中点電圧)のグラフである。図5(d)に示すように、ブリッジ回路47の中点48からは、第1信号E1と第2信号E2の差動が差動信号D(中点電圧)として出力される。従って、アブソリュート値検出用第1磁気抵抗素子45が着磁領域の磁界を検出し、アブソリュート値検出用第2磁気抵抗素子46が無着磁領域の磁界を検出している場合には、差動信号Dとして中点電位E0以上の電圧信号が出力される。一方、アブソリュート値検出用第1磁気抵抗素子45が無着磁領域の磁界を検出し、アブソリュート値検出用第2磁気抵抗素子46が着磁領域の磁界を検出している場合には、差動信号Dとして中点電位E0よりも低い電圧信号が出力される。
従って、アブソリュート値出力部34は、中点電位E0を閾値として、差動信号Dが閾値以上の組からの出力を1、差動信号Dが閾値よりも低い組からの出力を0として、6ビットのアブソリュート値ABSを出力する。これにより、アブソリュート値ABSは図5(e)に示すものとなる。なお、中点電位E0とは、アブソリュート値検出用第1磁気抵抗素子45およびアブソリュート値検出用第2磁気抵抗素子46の双方が磁界を検出していない状態で中点48から出力される電圧信号である。
ここで、アブソリュートトラック23が、第1トラック24のみを備えるものである場合には、図5(b)に示すように、第1トラック24を第1信号出力部41が読み取ったときに、着磁領域と無着磁領域とが隣接する部分で、無着磁領域における着磁領域に近い
部分で第1信号E1が出力される。すなわち、図6に示すように、着磁領域R1と無着磁領域R0の境界位置Rでは、着磁領域R1から無着磁領域R0にオーバーシュートして着磁領域R1に戻る磁界Fが発生しているので、アブソリュート値検出用第1磁気抵抗素子45はこの磁界Fを検出して第1信号E1を出力する。従って、アブソリュート値ABSを取得するための閾値を適切に設定しなければ、無着磁領域R0においても出力が閾値を超える場合が発生してしまい、アブソリュート値ABSを正確に取得できない場合が発生する。
これに対して、本例では、図5(b)および図5(c)に示すように、第1信号出力部41が第1トラック24の無着磁領域を読み取っているときには、第2信号出力部42は第2トラック25の着磁領域を読み取っているので、第2信号出力部42からは第1信号出力部41よりも大きな信号が出力される。また、図6に示すように、着磁領域R1と無着磁領域R0の境界位置Rでは、着磁領域R1の磁束密度の方が、無着磁領域R0の側の磁束密度(オーバーシュート部分の磁束密度)よりも大きいので、第1信号出力部41から出力される第1信号E1において境界位置Rを境に着磁領域R1側の信号の傾斜角度θ1は、境界位置Rよりも無着磁領域R0側の信号の傾斜角度θ2と比較して、大きな角度となる。従って、第1信号出力部41からの第1信号E1と第2信号出力部42からの第2信号E2との差動を取得すれば、着磁領域R1と無着磁領域R0の境界位置Rにおいて、反転する部分を有することがない波形の信号を得ることができる。すなわち、無着磁領域R0における着磁領域R1に近い部分で発生している磁界の影響を除去できる。
また、中点電位E0を閾値として、閾値以上を論理値の1、閾値よりも小さい場合を論理値の0とすれば、第3ピッチP3に対応する第3波長λ3で、6ビットのアブソリュート値ABSを正確に取得できる。すなわち、差動出力において、プラスとマイナスに振れている信号の振幅の中心(中点電位E0)を閾値とするので、正確に、第3波長λ3の符号長の論理値を取得できる。これにより、各論理値の符号長は、着磁領域と無着磁領域の配列のピッチと同一となり、一定となる。よって、アブソリュート値出力部34から出力されるアブソリュート値ABSの周期と第3インクリメンタル信号θCの周期がずれることがない。
なお、アブソリュートトラック23において着磁領域と無着磁領域を一定のピッチで配列しておけば、各ピッチ内の相対移動方向Xにおける着磁部分の長さは一定でなくても第3ピッチP3に対応する第3波長λ3で、6ビットのアブソリュート値ABSを正確に取得できる。従って、着磁領域に対する着磁の自由度が増加する。
ここで、磁気抵抗素子は電圧の印加によって発熱するものである。また、磁気抵抗素子は、温度変化に起因して自己の抵抗値を変化させるものである。従って、インクリメンタル信号検出用第1磁気抵抗素子37およびインクリメンタル信号検出用第2磁気抵抗素子38は、電圧の印加によって発熱している。また、アブソリュート値検出用第1磁気抵抗素子45およびアブソリュート値検出用第2磁気抵抗素子46は、その周辺の温度変化により自己の抵抗値を変化させている。
より具体的には、図2に示すように、本例では、センサ基板12上において、アブソリュート値検出用第1磁気抵抗素子45およびアブソリュート値検出用第2磁気抵抗素子46のうちの一方の磁気抵抗素子(本例では、アブソリュート値検出用第2磁気抵抗素子46)は、他方の磁気抵抗素子(アブソリュート値検出用第1磁気抵抗素子45)よりもインクリメンタル信号検出用第1磁気抵抗素子37およびインクリメンタル信号検出用第2磁気抵抗素子38に近い位置に設けられている。従って、インクリメンタル信号検出用第1磁気抵抗素子37およびインクリメンタル信号検出用第2磁気抵抗素子38に近い一方の磁気抵抗素子(アブソリュート値検出用第2磁気抵抗素子46)は、他方の磁気抵抗素
子(アブソリュート値検出用第1磁気抵抗素子45)と比較して温度が上昇する。また、この温度の上昇に変化に起因して、一方の磁気抵抗素子(アブソリュート値検出用第2磁気抵抗素子46)の抵抗値は他方の磁気抵抗素子(アブソリュート値検出用第1磁気抵抗素子45)の抵抗値と比較して増大する。この結果、アブソリュート値検出用第1磁気抵抗素子45から出力される第1信号E1とアブソリュート値検出用第2磁気抵抗素子46から出力される第2信号E2との差動信号Dは上方或いは下方にオフセットする。例えば、アブソリュート値検出用第2磁気抵抗素子46の抵抗値がアブソリュート値検出用第1磁気抵抗素子45の抵抗値と比較して増大すると、図5(d)に点線で示すように、差動信号Dはオフセット量Oだけ上方にオフセットする。
ここで、差動信号Dがオフセットした場合には、中点電位E0を閾値として論理値を取得したときに、論理値の符号長を正確に第3波長λ3とすることができなくなるという問題が発生する。
このような問題に対して、本例では、図3に示すように、アブソリュート値出力部34は、温度変化に起因する差動信号Dのオフセットを補正する温度補正部50を備える。
図7は温度補正部50の説明図である。温度補正部50は、センサ基板12上で直交方向Yに感磁方向を向ける温度補正用第1磁気抵抗素子51および温度補正用第2磁気抵抗素子52を備える。また、温度補正部50は、温度補正用第1磁気抵抗素子51および温度補正用第2磁気抵抗素子52を有する温度補正用ブリッジ回路(第2ブリッジ回路)53を備える。
温度補正用第1磁気抵抗素子51および温度補正用第2磁気抵抗素子52は、アブソリュート値検出用第1磁気抵抗素子45およびアブソリュート値検出用第2磁気抵抗素子46と同じ材料からなる。本例は、これら磁気抵抗素子45、46、51、52の感磁膜はパーマロイである。図4に模式的に示すように、温度補正用第1磁気抵抗素子51は6つのアブソリュート値検出用第1磁気抵抗素子45に対して相対移動方向Xで隣り合う位置に設けられている。温度補正用第2磁気抵抗素子52は6つのアブソリュート値検出用第2磁気抵抗素子46に対して相対移動方向Xで隣り合う位置に設けられている。従って、温度補正用第1磁気抵抗素子51は6つのアブソリュート値検出用第2磁気抵抗素子46よりも6つのアブソリュート値検出用第1磁気抵抗素子45に近い位置にある。温度補正用第2磁気抵抗素子52は6つのアブソリュート値検出用第1磁気抵抗素子45よりもアブソリュート値検出用第2磁気抵抗素子46に近い位置にある。
また、温度補正用第1磁気抵抗素子51の抵抗値は、アブソリュート値検出用第1磁気抵抗素子45の抵抗値よりも大きい。同様に温度補正用第2磁気抵抗素子52の抵抗値は、アブソリュート値検出用第2磁気抵抗素子46の抵抗値よりも大きい。これにより、温度補正用第1磁気抵抗素子51および温度補正用第2磁気抵抗素子52への電圧の印加によって、温度補正用第1磁気抵抗素子51の温度がアブソリュート値検出用第1磁気抵抗素子45の温度よりも上昇することを抑制するとともに、温度補正用第2磁気抵抗素子52の温度がアブソリュート値検出用第2磁気抵抗素子46の温度よりも上昇することを抑制する。
温度補正用ブリッジ回路53は、電圧入力端子Vccとグランド端子GNDとの間に温度補正用第1磁気抵抗素子51および温度補正用第2磁気抵抗素子52を直列に接続したものである。温度補正用ブリッジ回路53の中点54からは、温度補正用第1磁気抵抗素子51から出力される温度補正用第1信号と温度補正用第2磁気抵抗素子52から出力される温度補正用第2信号の差動信号が温度補正用中点電圧(第2中点電圧)Tとして出力される。
ここで、温度補正用第1磁気抵抗素子51および温度補正用第2磁気抵抗素子52は感磁方向を直交方向Yに向けている。従って、温度補正用第1磁気抵抗素子51および温度補正用第2磁気抵抗素子52のそれぞれは、相対移動する磁気スケール2の磁界の変化を検出しない。よって、温度補正用第1磁気抵抗素子51から出力される温度補正用第1信号と温度補正用第2磁気抵抗素子52から出力される温度補正用第2信号のそれぞれは温度の変化に起因する抵抗値の変化を反映するものとなる。そこで、アブソリュート値出力部34は、アブソリュート値検出用第1磁気抵抗素子45とアブソリュート値検出用第2磁気抵抗素子46からなる各組の各ブリッジ回路47の中点48から出力される差動信号Dを、温度補正用ブリッジ回路53の中点54から出力される差動信号(温度補正用中点電圧T)で補正する。より具体的には、アブソリュート値出力部34は、差動信号Dと温度補正用中点電圧Tの差をとって、差動信号Dにおいて温度変化に起因するオフセットをキャンセルする。これにより、中点電位E0を閾値として差動信号Dから論理値を取得したときに、論理値の符号長を正確に第3波長λ3とすることができる。
次に、絶対位置取得部35は、アブソリュート値ABS、第3インクリメンタル信号θCの位相、および、第1インクリメンタル信号θAの位相に基づいて、磁気スケール2の絶対位置を取得する。
(絶対位置検出動作)
磁気スケール2が移動すると、図4に示すように、第1インクリメンタル信号出力部31は第1波長λ1(80μm)の第1インクリメンタル信号θAを出力し、第2インクリメンタル信号出力部32は第2波長λ2(100μm)の第2インクリメンタル信号θBを出力する。これに並行して、インクリメンタル信号算出部33は、第1インクリメンタル信号θAおよび第2インクリメンタル信号θ2に基づいて第3波長λ3(400μm)の第3インクリメンタル信号θCを取得する。
また、アブソリュート値出力部34は、磁気スケール2が第3ピッチP3(400μm)移動する毎にアブソリュート値ABSを出力する。すなわち、アブソリュート値出力部34は、第3インクリメンタル信号θCの1周期毎にアブソリュート値ABSを付与する。従って、絶対位置取得部35は、アブソリュート値ABSのアブソリュート値ABS、第3インクリメンタル信号θCの位相、および、第1インクリメンタル信号θAの位相に基づいて、磁気スケール2の絶対位置を取得できる。
本例では、第1信号出力部41からの第1信号E1と第2信号出力部42からの第2信号E2の差動信号Dに基づいてアブソリュート値ABSを取得する。差動信号Dは、アブソリュートパターン24aの着磁領域と無着磁領域との境界部分で波形が反転することのない波形を備えるので、閾値(中点電位E0)に基づいてアブソリュート値ABSを正確に取得できる。また、差動信号Dにおいて、プラスとマイナスに振れている信号の振幅の中心(中点電位E0)を閾値とするので、アブソリュート値ABSとして、正確に、第3波長λ3の符号長の論理値を取得できる。
また、本例では、第1信号出力部41からの第1信号E1と第2信号出力部42からの第2信号E2の差動信号Dを、直交方向Yに感磁方向を向ける温度補正用第1磁気抵抗素子51からの温度補正用第1信号および温度補正用第2磁気抵抗素子52からの温度補正用第2信号の差動信号(温度補正用中点電圧T)により補正して、差動信号Dにおいて温度変化に起因した信号のオフセットをキャンセルしている。従って、アブソリュート値ABSとして、正確に、第3波長λ3の符号長の論理値を取得できる。
ここで、温度補正用第1磁気抵抗素子51および温度補正用第2磁気抵抗素子52は、
アブソリュート値検出用第1磁気抵抗素子45およびアブソリュート値検出用第2磁気抵抗素子46と同じ材料から形成されている。従って、温度変化に起因するアブソリュート値検出用磁気抵抗素子45、46の抵抗値の変化と、温度変化に起因する温度補正用磁気抵抗素子51、52の抵抗変化が対応するものとなる。従って、アブソリュート値検出用磁気抵抗素子45、46からの信号を、温度補正用磁気抵抗素子51、52からの信号を利用して補正すれば、アブソリュート値検出用磁気抵抗素子45、46からの信号について温度変化に起因する信号のシフトを抑制できる
また、温度補正用第1磁気抵抗素子51はアブソリュート値検出用第1磁気抵抗素子45に近い位置にあり、温度補正用第2磁気抵抗素子52はアブソリュート値検出用第2磁気抵抗素子46に近い位置にある。従って、アブソリュート値検出用第1磁気抵抗素子45の温度変化に起因する第1信号E1の変化を温度補正用第1磁気抵抗素子51からの信号により補正することが容易であり、アブソリュート値検出用第2磁気抵抗素子46の温度変化に起因する第2信号E2の変化を温度補正用第2磁気抵抗素子52からの信号により補正することが容易である。
さらに、本例では、温度補正用第1磁気抵抗素子51および温度補正用第2磁気抵抗素子52は、アブソリュート値検出用第1磁気抵抗素子45およびアブソリュート値検出用第2磁気抵抗素子46と同じ材料(パーマロイ)からなる。従って、センサ基板上にパーマロイを蒸着してセンサ基板上にアブソリュート値検出用磁気抵抗素子45、46を形成する工程において、温度補正用磁気抵抗素子51、52を同時に形成できる。よって、温度補正部50を設けることが容易であり、温度補正部50を設けるための製造コストを抑制できる。
1…磁気式エンコーダ装置(位置検出装置)
2…磁気スケール
3…磁気センサ装置
12…センサ基板
21…第1インクリメンタルトラック
21a…第1インクリメンタルパターン
22…第2インクリメンタルトラック
22a…第2インクリメンタルパターン
23…アブソリュートトラック
24…第1トラック
24a…アブソリュートパターン
25…第2トラック
25a…着磁パターン
31…第1インクリメンタル信号出力部
32…第2インクリメンタル信号出力部
33…演算処理部
34…アブソリュート信号出力部
45…アブソリュート値検出用第1磁気抵抗素子(磁界検出用第1磁気抵抗素子)
46…アブソリュート値検出用第2磁気抵抗素子(磁界検出用第2磁気抵抗素子)
47…ブリッジ回路(第1ブリッジ回路)
51…温度補正用第1磁気抵抗素子
52…温度補正用第2磁気抵抗素子
53…温度補正用ブリッジ回路(第2ブリッジ回路)
ABS…アブソリュート信号
D…差動信号(第1中点電圧)
E1…第1信号
E2…第2信号
GND…グランド端子
P1…第1ピッチ
P2…第2ピッチ
P3…第3ピッチ
T…温度補正用中点電圧(第2中点電圧)
Vcc…電圧入力端子
Y…直交方向
Z…相対移動方向
λ1…第1波長
λ2…第2波長
λ3…第3波長

Claims (6)

  1. 磁気スケールと、
    相対移動する前記磁気スケールの位置を検出する磁気センサ装置と、を有し、
    前記磁気センサ装置は、センサ基板と、前記センサ基板上で相対移動方向に感磁方向を向け前記磁気スケールを読み取って信号を出力する磁界検出用磁気抵抗素子と、前記センサ基板上で前記相対移動方向と直交する直交方向に感磁方向を向ける温度補正用磁気抵抗素子と、を備え
    前記温度補正用磁気抵抗素子の抵抗値は、前記磁界検出用磁気抵抗素子の抵抗値よりも大きいことを特徴とする位置検出装置。
  2. 請求項1において、
    前記磁気センサ装置は、前記磁界検出用磁気抵抗素子からの前記信号を、前記温度補正用磁気抵抗素子からの信号によって補正することを特徴とする位置検出装置。
  3. 請求項1または2において、
    前記磁界検出用磁気抵抗素子と、前記温度補正用磁気抵抗素子とは、同一の材料からなることを特徴とする位置検出装置。
  4. 請求項1ないしのうちのいずれかの項において、
    前記磁気スケールは、第1トラックと、前記第1トラックに並列に配置された第2トラックとを備え、
    前記磁界検出用磁気抵抗素子として、前記第1トラックを読み取って第1信号を出力する磁界検出用第1磁気抵抗素子と、前記第2トラックを読み取って第2信号を出力する磁界検出用第2磁気抵抗素子と、を備え、
    前記温度補正用磁気抵抗素子として、前記センサ基板上で前記磁界検出用第2磁気抵抗素子よりも前記磁界検出用第1磁気抵抗素子に近い位置に配置された温度補正用第1磁気抵抗素子と、前記センサ基板上で前記磁界検出用第1磁気抵抗素子よりも前記磁界検出用第2磁気抵抗素子に近い位置に配置された温度補正用第2磁気抵抗素子と、を備えることを特徴とする位置検出装置。
  5. 請求項において、
    前記磁気スケールは、着磁領域と無着磁領域とが一定のピッチで配列されたアブソリュートパターンを有するアブソリュートトラックを有し、
    前記磁気センサ装置は、相対移動する前記磁気スケールの前記アブソリュートトラックを読み取ってアブソリュート信号を出力するアブソリュート信号出力部を有し、
    前記アブソリュートトラックは、前記第1トラックと、前記第2トラックと、を備え、
    前記第1トラックは、前記アブソリュートパターンを有し、
    前記第2トラックは、着磁領域および無着磁領域が前記ピッチで前記アブソリュートパターンと反対に配列された着磁パターンを備え、
    前記アブソリュート信号出力部は、電圧入力端子とグランド端子との間に前記磁界検出用第1磁気抵抗素子と前記磁界検出用第2磁気抵抗素子とを直列に接続した第1ブリッジ回路と、前記電圧入力端子と前記グランド端子との間に前記温度補正用第1磁気抵抗素子と前記温度補正用第2磁気抵抗素子とを直列に接続した第2ブリッジ回路と、を備え、
    前記磁界検出用第1磁気抵抗素子と前記磁界検出用第2磁気抵抗素子との間から出力される第1中点電圧および前記温度補正用第1磁気抵抗素子と前記温度補正用第2磁気抵抗素子との間から出力される第2中点電圧の差に基づいて前記アブソリュート信号を出力することを特徴とする位置検出装置。
  6. 請求項において、
    前記磁気スケールは、第1ピッチで形成された第1インクリメンタルパターンを有する第1インクリメンタルトラックと、前記第1ピッチよりも長い第2ピッチで形成された第2インクリメンタルパターンを有する第2インクリメンタルトラックを備え、
    前記磁気センサ装置は、相対移動する前記磁気スケールの前記第1インクリメンタルトラックを読み取って前記第1ピッチに対応する長さの第1波長の第1インクリメンタル信号を出力する第1インクリメンタル信号出力部と、相対移動する前記磁気スケールの前記第2インクリメンタルトラックを読み取って前記第2ピッチに対応する長さの第2波長の第2インクリメンタル信号を出力する第2インクリメンタル信号出力部と、前記第1インクリメンタル信号および前記第2インクリメンタル信号に基づいて前記第1波長および前記第2波長の整数倍となる第3波長の第3インクリメンタル信号を取得する演算処理部と、を備え、
    前記アブソリュートトラックの前記アブソリュートパターンは、前記第2ピッチよりも長い第3ピッチで形成されており、
    前記アブソリュート信号出力部は、前記第3ピッチに対応する前記第3波長のアブソリュート信号を出力することを特徴とする位置検出装置。


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