JP6633846B2 - 付加反応硬化型樹脂組成物及び光半導体装置 - Google Patents
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Description
ヒドロシリル化反応によりSiH基と反応する官能基を1分子中に2個以上有する有機環状化合物としてイソシアヌル酸誘導体(A)と、
1分子中にSiH基と反応する珪素結合アルケニル基を少なくとも2個有し、少なくとも1個の珪素結合アリール基を有すると共に、シロキサン単位として少なくともSiO3/2単位又はSiO4/2単位のいずれか一つを有する分岐鎖状オルガノポリシロキサン(B)と、
1分子中に少なくとも2個のSiH基を有するオルガノ水素ポリシロキサン(C)と、
付加反応に必要な硬化触媒(D)とを含み、
有機環状化合物(A)と分岐鎖状オルガノポリシロキサン(B)の全アルケニル基に対するオルガノ水素ポリシロキサン(C)の珪素原子結合水素基のモル比が0.1〜4.0であり、
有機環状化合物(A)と分岐鎖状オルガノポリシロキサン(B)とオルガノ水素ポリシロキサン(C)の合計100重量部に対して有機環状化合物(A)は3.1〜50重量部であることを特徴とする付加反応硬化型樹脂組成物を提供する。
有機環状化合物(A)は、ヒドロシリル化反応によりSiH基と反応する官能基を1分子中に2個以上有する有機環状化合物(A)であって、本発明に係る付加反応硬化型樹脂組成物の硬化物の酸素透過率を低減させ硫黄から生じるガス等のガスバリア性を良好とすることを目的として配合され、例えば下記一般式(1)で示される化合物である。
分岐鎖状オルガノポリシロキサン(B)は、1分子中にSiH基と反応する珪素結合アルケニル基を少なくとも2個有し、少なくとも1個の珪素結合アリール基を有すると共に、シロキサン単位として少なくともSiO3/2単位又はSiO4/2単位のいずれか一つを有する分岐鎖状オルガノポリシロキサン(B)であって、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、イソブテニル基、ヘキセニル基などの炭素−炭素二重結合を1分子中に少なくとも2個含有するオルガノポリシロキサンであり、末端や繰り返し単位中のケイ素に結合した他のオルガノ基として、フェニル基、ベンジル基、トリル基等のアリール基などが結合している。また、シロキサン単位として、少なくともSiO3/2単位又はSiO4/2単位のいずれか一つを有し、具体例としては、分岐鎖状のメチルフェニルビニルポリシロキサンが挙げられる。珪素原子に結合したアリール基がフェニル基である場合は、珪素原子に結合した有機置換基全体の0〜70モル%がフェニル基であることが好ましい。本発明においてはフェニル基が0%モルであっても、分岐鎖状のオルガノポリシロキサン(B)を使用することで硫黄から生じるガス等に対するガスバリア性は良好となるが、70モル%超では耐熱性が不十分となり硬化物が黄変し易く成る。
オルガノ水素ポリシロキサン(C)は、1分子中に少なくとも2個のSiH基を有するオルガノ水素ポリシロキサン(C)であり、少なくと末端又は繰返し構造中において、2個以上のSiH基を含有する。珪素原子に結合している水素原子の含有量は1.0mmol/g〜20.0mmol/gであることが好ましく、1.0mmol/g以上であると硬化性がよくなり、硬さも得やすくなる。水素原子の含有量が20.0mmol/g超であると、硬化物表面にタックが生じやすくなる。良好な硬さを得るためには水素原子含有比率を1.5mmol/g以上であることがより好ましい。タックを生じ難くするためには水素原子含有量は10.0mmol/g未満であることがより好ましい。珪素原子に結合するオルガノ基としては、メチル基、エチル基、フェニル基などが例示される。該オルガノ水素ポリシロキサンは、例えば直鎖状または分岐鎖状、であってもよく、具体例としては、メチルフェニル水素ポリシロキサンが挙げられる。
付加反応に必要な硬化触媒(D)は、有機環状化合物(A)成分と分岐鎖状オルガノポリシロキサン(B)成分とオルガノ水素ポリシロキサン(C)成分のヒドロシリル化反応を促進させるために添加され、ヒドロシリル化反応の触媒活性を有する公知の金属、金属化合物、金属錯体などを用いることができる。特に白金、白金化合物、それらの錯体を用いることが好ましい。これらの触媒は単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。また、助触媒を併用してもよい。付加反応触媒(C)の配合量は組成物全体に対して1ppm〜50ppmとすることが好ましく、より好ましくは5〜20ppmである。1ppm未満では硬化性が低下し十分な硬さが得にくくなり、50ppm超では硬化後の透明性が低下する要因となる。
有機環状化合物(A)として、トリアリルイソシアヌレート(A−1)、及びジアリルモノグリシジルイソシアヌレート(A−2)を、分岐鎖状オルガノポリシロキサン(B)として、末端がM単位、MVi単位で封止され、中間単位がD単位、T単位からなり、粘度20.0Pa.s/25℃で質量平均分子量が1,500であり、有機置換基全体に対するフェニル基の含有量が50モル%である分岐鎖状メチルフェニルビニルポリシロキサン(B−1)、及び末端M単位、MVi単位で封止され、中間単位がD単位、Q単位を含有し、粘度10.0Pa.s/25℃で質量平均分子量が1,500で、有機置換基全体に対するフェニル基の含有量が50モル%である分岐鎖状メチルフェニルビニルポリシロキサン(B−2)、末端M単位、MVi単位で封止され、T単位を含有し、粘度18.0Pa・s/25℃で質量平均分子量1,500で、有機置換基全体に対するフェニル基の含有量が60モル%である分岐鎖状メチルフェニルビニルオルガノポリシロキサン(B−3)を、オルガノ水素ポリシロキサン(C)として、末端M単位、MH単位で封止され、D単位、T単位を含有し、粘度4.5Pa.s/25℃で質量平均分子量が1,500、珪素原子に結合した水素原子の含有量が2.08mmol/gである分岐鎖状メチルフェニルビニルポリシロキサン(C−1)、(MH)2D1で表される粘度0.0004Pa.s/25℃で質量平均分子量が332で、珪素原子に結合した水素原子の含有量が6.01mmol/gである直鎖状メチルフェニル水素オルガノポリシロキサン(C−2)を、付加反応に必要な硬化触媒(D)として、白金―ビニルダイマー錯体(Pt:12%wt)(D−1)を、この他に両末端MVi単位で封止され、中間単位がD単位、DVi単位を含有し、粘度7.0Pa.s/25℃で質量平均分子量が8,300であり、有機置換基全体に対するフェニル基の含有量が42モル%である直鎖状オルガノポリシロキサン(b−1)を、それぞれ使用し、表1の配合にて均一に混合し実施例又は比較例の付加反応硬化型樹脂組成物を得た。表1中の数字は重量部を示す。なお、上記略号はそれぞれ以下の構造式で表される。
MVi単位:(CH3)2(CH2=CH)SiO1/2
MH単位:(CH3)2HSiO1/2
D単位:(CH3)2SiO2/2 又は(C6H5)2SiO2/2又は(CH3)(C6H5)SiO2/2
DVi単位:(CH3)(CH2=CH)SiO2/2
DH単位:(CH3)HSiO2/2
T単位:(C6H5)2SiO3/2
Q単位:SiO4/2
各付加反応硬化型樹脂組成物を150℃4時間で硬化させ、厚み6mmの試験体を作成し、23℃下にて目視にて外観を評価した。
各付加反応硬化型樹脂組成物を150℃4時間で硬化させ、厚み6mmの試験体を作成した。JIS K6253−3(加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−硬さの求め方−第3部:デュロメータ硬さ)に準拠し、タイプA、またはタイプDデュロメータを用いて23℃においてデュロメータ硬さを測定した。
各付加反応硬化型樹脂組成物を150℃4時間で硬化させ、厚さ1mmのシート作成した。JIS K7126−1 プラスチックーフィルム及びシート−ガス透過度試験方法−第1部:差圧法 に準拠し、酸素透過度(cc/m2・24h・atm)を測定した。
底部が銀メッキされているLEDパッケージ(外形寸法50×50mm)に各付加反応硬化型樹脂組成物を充填し、150℃4時間で硬化させて試験体とする。該試験体を各々3個ずつ硫黄粉末1gが予め充填された100ccガラスビンに封入し、80℃24時間放置した。その後試験体を取り出し底部の銀メッキの腐食の程度を目視にて観察し、腐食無しを○、部分的に腐食ありを△、全面腐食を×と評価した。
各付加反応硬化型樹脂組成物を150℃4時間で金型により硬化させ、厚み4mmの試験体を作成し、該試験体を紫外可視分光光度計(島津製作所製)を用いて450nmの透過率(%)を測定した。
上記透過率の測定に使用した試験体をさらに150℃に設定した対流式オーブン内に300時間保存した後、再度、紫外可視分光光度計(島津製作所製)を用いて450nmの透過率(%)を測定して耐熱試験後透過率とし、上記透過率に対する変化率(%)を測定した。
評価結果を表2に示す。
Claims (5)
- ヒドロシリル化反応によりSiH基と反応する官能基を1分子中に2個以上有する有機環状化合物としてイソシアヌル酸誘導体(A)と、
1分子中にSiH基と反応する珪素結合アルケニル基を少なくとも2個有し、少なくとも1個の珪素結合アリール基を有すると共に、シロキサン単位として少なくともSiO3/2単位又はSiO4/2単位のいずれか一つを有する分岐鎖状オルガノポリシロキサン(B)と、
1分子中に少なくとも2個のSiH基を有するオルガノ水素ポリシロキサン(C)と、
付加反応に必要な硬化触媒(D)とを含み、
有機環状化合物(A)と分岐鎖状オルガノポリシロキサン(B)の全アルケニル基に対するオルガノ水素ポリシロキサン(C)の珪素原子結合水素基のモル比が0.1〜4.0であり、
有機環状化合物(A)と分岐鎖状オルガノポリシロキサン(B)とオルガノ水素ポリシロキサン(C)の合計100重量部に対して有機環状化合物(A)は3.1〜50重量部であることを特徴とする付加反応硬化型樹脂組成物。 - イソシアヌル酸誘導体(A)が、トリアリルイソシアヌレート及びジアリルモノグリシジルイソシアヌレート及びモノメチルジアリルイソシアヌレートからなる群より選択されることを特徴とする請求項1記載の付加反応硬化型樹脂組成物。
- 分岐鎖状オルガノポリシロキサン(B)は珪素原子に結合した有機置換基全体の0〜70モル%がフェニル基であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の付加反応硬化型樹脂組成物。
- オルガノ水素ポリシロキサン(C)は珪素原子に結合している水素原子の含有量が1.0mmol/g〜20.0mmol/gであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の付加反応硬化型樹脂組成物。
- 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の付加反応硬化型樹脂組成物の硬化物で光半導体素子が封止されていることを特徴とする光半導体装置。
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