JP6633832B2 - ナノファイバーシート部材の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、接着機能を有する溶融ポリマーを用いてナノファイバー発生手段を用いて発生したナノファイバーを基材に添着してナノファイバー接着層を形成し、このナノファイバー接着層にナノファイバー層またはナノ粒子を固定一体化したナノファイバーシート部材およびその部材を用いた各種用途の製品に関するものである。
ナノファイバーを含んだナノファイバー繊維製品は、衣料、電気、自動車、医療、建材などの様々な分野で用いられており、近年、ナノファイバーやナノファイバー繊維製品の用途の多様化により、より繊維径の小さいナノファイバーが求められている。
特に、繊維径の小さいナノファイバーを用いたナノファイバー繊維製品は、表面積が大きいこと、空間率が高いこと、孔径が小さいこと、通気性が高いこと、且つ流体透過速度が速いことなどの特徴を持つため、フィルタ分野、衣料分野、医療材料分野、バイオテクノロジー分野、自動車分野、建材分野などの特殊分野への開発が盛んに行われている。
このような繊維径の小さいナノファイバーを用いたナノファイバー繊維製品は、繊維製品の基材にナノファイバー層を積層一体化するため、基材表面とナノファイバー層を超音波接着する方法などが知られている。
しかし、この超音波接着方法は脆いナノファイバー層を傷をつけてしまってナノファイバー層の機能を損なってしまう恐れがあるといった問題があった。
繊維製品の基材表面にナノファイバー層を一体化するための方法として、基材表面にバインダー、熔融繊維、あるいは接着パウダーなどの接着媒体を塗布して基材とナノファイバー層を固定化する方法が知られている。
しかし、この方法も基材の表面に接着媒体を均一に塗布することが難しく偏ってしまったりして接着媒体の厚みが厚くなって均一な一体化が難しく基材表面とナノファイバー層が剥がれてしまったりして品質的に不安定であった。さらに接着媒体が基材に1部しみ込み過ぎたりしてナノファイバー繊維製品の機能を阻害するような現象もあった。
そこで、本発明者はナノファイバーを基材表面に添着してナノファイバー接着層を形成し、このナノファイバー接着層にナノファイバー層およびナノ粒子を固定化する方法を試みた。
しかし、この方法はナノファイバーの発生手段がESD方式(電界紡糸法)もしくはMELT−ESD方式(溶融電界紡糸法)であることから、高電圧による電界干渉をさけることができず、そのため、ポリマー溶液が繊維化せずに、液滴や玉状の物質が基材シート上に付着してしまって、薄い層のナノファイバー接着層を形成できなかった。さらに液滴や玉状の物質は材料利用効率を著しく下げ、出来上がったナノファイバー層の目詰まりを起こしたりする原因となるため、ナノファイバー層の機械的特性を大きく損ないかねなかった。
そこで本発明はこれらの問題を解決しようとしたもので、本発明の第1の目的は、ESD(電界紡糸法)方式のような高電圧を使用せず、安全性が高く且つ、温度、湿度の影響を受けないナノファイバー発生手段を用いて均一な薄い層のナノファイバー接着層を形成したことである。
本発明の第2の目的は、基材表面に接着力の強いナノファイバー接着層を形成してナノファイバー層あるいはナノ粒子を強固に固定化したことである。
本発明の第3の目的は、液滴やビーズが発生することのないナノファイバー発生手段を用いて、ナノファイバー接着層が基材にしみ込むことがないようにしたことである。
本発明の第4の目的は、基材表面に形成したナノファイバー接着層にナノファイバー層あるいはナノ粒子を一体化してナノファイバーシート部材を形成したことである。
本発明の第5の目的はナノファイバーシート部材を用いて各種用途の製品を製作したことである。
本発明の第1の解決手段は、溶融ポリマーを吐出する噴出ノズルと、高速高温エアーを吹き出すエアーノズルとからなり、エアーノズルから吹き出した高速高温エアーで吐出した溶融ポリマーを延伸しナノファイバー化するようにしたナノファイバー発生手段(この発生手段を発明者らは「Zetta Spinning方式によるナノファイバー発生手段」と呼んでいる。)と、ナノファイバーが拡散することを防ぐガイドボックスと、噴出ノズルと対向してガイドボックスの直近後方に配置した基材とから構成したナノファイバー発生装置を設けたことである。
本発明の第2の解決手段は、接着機能を有する溶融ポリマーを用いてナノファイバー発生手段より発生したナノファイバーを基材表面に添着してナノファイバー接着層を形成したことである。
本発明の第3の解決手段は、別に設けた溶融ポリマーを吐出する噴出ノズルと、高速高温エアーを吹き出すエアーノズルとから構成し、エアーノズルから吹き出した高速高温エアーで噴出ノズルから吐出した熔融ポリマーを延伸しナノファイバー化するようにしたナノファイバー発生手段を用いてナノファイバー層またはナノ粒子を前記ナノファイバー接着層に固定一体化してナノファイバーシート部材を形成したことである。
本発明の第4の解決手段は、接着機能を有する溶融ポリマーは低密度ポリエチレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ乳酸などの低融点の樹脂あるいはポリプロピレン、ポリオレフイン、ポリオレフイン変性樹脂、エチレン―酢酸ビニル共重合樹脂、熱可塑性ポリアミド系樹脂、ポリエステル、ポリウレタンなどのホットメルト樹脂の中から1つあるいは組み合わせて使用したことである。
本発明の第5の解決手段は、基材をポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリエチレン繊維、レーヨン、ポリプロピレン繊維などの有機繊維やガラス繊維、パルプ繊維これらの単独あるいは2種類以上から構成される不織布あるいは織布からなるシートまたはフイルムまたはガラス板または金網またはナイロンネットまたは焼結金属または3次元の物体の中から選択して使用したことである。
本発明の第6の解決手段は、ナノファイバーシート部材を吸音効果に優れた吸音材の部材として使用したことである。
本発明の第7の解決手段は、ナノファイバーシート部材を羽毛の約2倍の断熱性能を持ち、約30%軽い断熱材あるいは防寒肌着などの衣料用材や布団などの寝具用材の部材として使用したことである。
本発明の第8の解決手段は、比表面積が広く均一で小さい空気穴からなる高い通気性と且つ緻密な高密度捕捉機能を備えたナノファイバーシート部材をマスクやガーゼや包帯などの医療用材あるいはおむつや、生理用品などの衛生材料用品の部材あるいはエアフィルタろ材として使用したことである。
本発明の第9の解決手段は、強度向上を目的とした形状保持機能を有する基材に、蒸気は通すが水を遮断する性能を有するナノファイバーシート部材を積層しシール材あるいは防水シートなどの建設用材あるいは防草用シートなどの農業用資材の部材として使用したことである。
ここで別に設けたナノファイバー層またはナノ粒子を生成するナノファイバー発生手段のナノファイバーの素材は、ポリエステルやポリアミド、ポリオレフイン、ポリウレタン(PU)などが挙げられる。ポリエステルとしてはポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリ乳酸(PLA)などが挙げられる。また、ポリアミドとしてはナイロン6(N6)、ナイロン66(N66)、ナイロン11(N11)などが挙げられる。ポリオレフインとしてはポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)などが挙げられる。
溶融ポリマーを吐出する噴出ノズルと、高速高温エアーを吹き出すエアーノズルとからなり、エアーノズルから吹き出した高速高温エアーで噴出ノズルから吐出した溶融ポリマーを延伸しナノファイバー化するようにしたナノファイバー発生手段と、ナノファイバーが拡散することを防ぐガイドボックスと、噴出ノズルと対向してガイドボックスの直近後方に配置した基材とから構成したナノファイバー装置において、接着機能を有する溶融ポリマーを用いてナノファイバー発生手段より発生したナノファイバーを基材に添着して形成したナノファイバー接着層は次のような効果が得られる。
(1)ナノファイバー発生手段は、これまでのESD方式に比べて高電圧を使用しないため、安全性が高く生産場所の温度湿度による放電の影響を受けない。このことによってナノファイバーの細線化による性能向上への道を開くことができESD方式およびMELT−ESD方式の大きな問題であった液滴の発生を抑えることが可能である。これにより接着力の強い均一な薄い膜のナノファイバー接着層を形成することができる。
(2)しかも、接着力の強い均一な薄い膜のナノファイバー接着層にナノファイバー層またはナノ粒子を固定したのでその一体化は強度的に強められる。
(3)さらに、ナノファイバー接着層は基材とナノファイバー層またはナノ粒子を固定した積層体からなるナノファイバーシート部材を形成することからそのナノファイバーシート部材は強度的に強められたものとなる。
(4)薄い膜のナノファイバー接着層を形成したので、基材の通気性を損なわず強く固定化することができる。これによりナノファイバーシート部材をマスクやガーゼや包帯などの医療用材の部材またはおむつや生理用品などの衛生材料用品の部材または防寒肌着などの衣料用材または布団などの寝具用材の部材として使用することができる。特にエアフィルタろ材として使用すると、圧力損失が低く捕集効率の高い優れたものとなる。
(5)薄い膜のナノファイバー接着層を形成し、ナノ粒子を固定して一体化したので、ナノ粒子がナノファイバー接着層に埋もれることなく、表面を最大に露出しナノ粒子の特性を生かして固定化することができる。これによりナノファイバーシート部材は吸音材の部材または断熱材の部材またはシール材の部材または防水シートなどの建設用材または防草用シートなどの農業用資材として使用することができる。
ナノファイバー発生手段で生成したナノファイバーを不織布からなるシート状の基材に添着してナノファイバー接着層を形成し、このナノファイバー接着層に、別に設けたナノファイバー発生装置により生成したナノファイバー層またはナノ粒子を固定一体化したナノファイバーシート部材を製作する概略図。
以下、不織布からなるシート状の基材(以下「シート状の基材」という。)にナノファイバー発生手段で生成したナノファイバーを添着してナノファイバー接着層を形成し、このナノファイバー接着層にナノファイバー層またはナノ粒子を固定化して設けたナノファイバーシート部材について図1を参照して説明する。
1はナノファイバー接着層を形成するナノファイバー発生手段で、ナノファイバー発生手段1は低融点の樹脂を溶融した溶融ポリマーを吐出する噴出ノズル2と、噴出ノズル2から吐出する溶融ポリマーを延伸するために使用される高速高温エアーを発生するエアーノズル3とから構成されている。4はナノファイバー発生手段1で生成した接着層を形成するナノファイバー5を拡散することを防ぐためのガイドボックスである。6はナノファイバー発生手段1で生成したナノファイバー5を吸引する吸引ボックスである。吸引ボックス6内にはファン7が取り付けられている。8はシート状の基材9が巻回されて回転自在に支持されている基材供給ロールである。10はシート状の基材9の繰出しロールである。吸引ボックス6側のガイドボックス4の対向する側に切り欠き11、12が形成されシート状の基材9がその切り欠き11、12を通過するように形成されている。さらに、ガイドボックス4には開口部13が形成され、この開口部13を介して、吸引ボックス6内のファン7の駆動により高速高温エアーの流れに乗ってきたナノファイバー5がシート状の基材9に連続的に添着されナノファイバー接着層14が形成される。15は別に設けたナノファイバー発生手段でナノファイバー発生手段15は加熱または溶媒にて溶融した熱可塑性溶融ポリマーを吐出する噴出ノズル16と、噴出ノズル16から吐出する溶融ポリマーを延伸するために使用される高速高温エアーを発生するエアーノズル17とから構成されている。そして、エアーノズルから吹き出した高速高温エアーで噴出ノズル15から吐出した溶融ポリマーをナノファイバーやナノ粒子18として延伸しシート状の基材9に添着されたナノファイバー接着層14に固定一体化されるようになっている。19は熱圧着ローラで、この熱圧着ローラ19でシート状の基材9に添着されたナノファイバー接着層14の上にナノファイバー層またはナノ粒子18が固定一体化される。そして、ナノファイバー接着層14を介して積層されナノファイバーシート部材20として形成されて基材巻き取りロール21で巻き取られるようになっている。
次に、ガラスなどの固体の基材にナノファイバー発生手段で生成したナノファイバーを添着してナノファイバー接着層を形成し、このナノファイバー接着層にナノファイバー層またはナノ粒子を固定化して形成したナノファイバーシート部材について図2を参照して説明する。図1の部材と同じ部材については同符号を付す。
1はナノファイバー発生手段で、ナノファイバー発生手段1は低融点の樹脂を溶融した溶融ポリマーを吐出する噴出ノズル2と、噴出ノズル2から吐出する溶融ポリマーを延伸するために使用される高速高温エアーを発生するエアーノズル3とから構成されている。4はナノファイバー発生手段1で生成した接着層を形成するナノファイバー5を拡散することを防ぐためのガイドボックスである。22は搬送ベルト23が巻回されて回転自在に支持されている搬送ベルト供給ロールである。24は搬送ベルト23の繰出しロールである。ガイドボックス4の一端には切り欠き11、12が形成され搬送ベルト23がその切り欠き11、12を通過するように形成されている。25は搬送ベルト23上に載置したガラスなどの固体の基材である。基材25上には高速高温エアーの流れに乗ってきたナノファイバー5が添着されナノファイバー接着層14が形成される。15は別に設けたナノファイバー発生手段でナノファイバー発生手段15は加熱または溶媒にて溶融した熱可塑性溶融ポリマーを吐出する噴出ノズル16と、噴出ノズル16から吐出する溶融ポリマーを延伸するために使用される高速高温エアーを発生するエアーノズル17とから構成されている。そして、エアーノズルから吹き出した高速高温エアーで噴出ノズル15から吐出した溶融ポリマーをナノファイバーやナノ粒子18として延伸し基材25に添着されたナノファイバー接着層14に固定一体化されるようになっている。26は熱圧着装置でナノファイバー接着層14を介して基材25とナノファイバー層またはナノ粒子18が積層されナノファイバーシート部材27として形成される。このナノファイバーシート部材27は搬送ベルト巻き取りロール28で搬送され搬送ベルト23から取り出される。
ナノファイバーシート部材を吸音効果に優れた吸音材の部材として使用した例について説明する。
溶融ポリマーとしてポリスチレンを使用し、ナノファイバー発生手段により繊維径が5〜100nmのナノファイバーを生成し、このナノファイバーをシート状の基材の上に添着して目付が50〜500g/cm、通気度が10〜30cc/cm/secの範囲のナノファイバー接着層を形成した。そして、このナノファイバー接着層にナノファイバー層またはナノ粒子を固定一体化して積層しナノファイバーシート部材を生成した。このナノファイバーシート部材は微細なファイバーが絡み合った綿のような構造をしていることから、吸音特性の優れた吸音材の部材としての機能を得た。
ナノファイバーシート部材を使用して断熱性に優れた断熱材の部材として使用した例について説明する。
溶融ポリマーとしてポリウレタンを使用し、これに発泡剤を混合させ、これをナノファイバー発生手段により繊維径が5〜100nmのナノファイバーを生成し、シート状の基材の上にナノファイバー接着層を形成した。そして、このナノファイバー接着層にナノファイバー層またはナノ粒子を固定一体化して積層しナノファイバーシート部材を生成した。このナノファイバーシート部材は空孔径を70nm以下で、空孔間の隔壁を10nm以下に制御し空孔率を90%以上にした構造で50μm厚みの断熱特性の優れた断熱材の部材としての機能を得た。
ナノファイバーシート部材を防寒肌着などの衣料用材の機能を備えた部材として使用した例について説明する。
溶融ポリマーとしてポリウレタンを使用し、これをナノファイバー発生手段により繊維径が5〜100nmのナノファイバーを生成し、シート状の基材の上にナノファイバー接着層を形成した。そして、このナノファイバー接着層にナノファイバー層またはナノ粒子を固定一体化して積層しナノファイバーシート部材を生成した。このナノファイバーシート部材は堆積させた羽毛の約2倍の断熱性能を持ち、約30%軽い機能を有し、且つ撥水性でありながら、水蒸気のみをナノファイバーシート部材表面から透過させ、蒸発面積が従来の数百倍、水蒸気透過速度を従来の百倍以上の効果を発揮する防寒肌着などの衣料用材の部材として最適な機能を得た。
ナノファイバーシート部材を布団などの寝具用材の機能を備えた部材として使用した例について説明する。
溶融ポリマーとしてポリエステルを使用し、これをナノファイバー発生手段により繊維径が5〜100nmのナノファイバーを生成し、このナノファイバーをシート状の基材の上に堆積させたナノファイ接着層を形成した。そして、このナノファイバー接着層にナノファイバー層またはナノ粒子を固定一体化して積層しナノファイバーシート部材を生成した。このナノファイバーシート部材は気密な均質材料で独立した細かい気泡から構成されていることから、熱はナノファイバーシート部材の中にある小さな無数の空気の壁(小部屋)によって熱が逃げていくのをくいとめる機能を有している。このようなことから、ナノファイバーシート部材は、断熱材の機能を持ち保温性に優れた綿として布団などの寝具用材の部材として使用される。
ナノファイバーシート部材をガーゼの部材として使用した例について説明する。
溶融ポリマーとしてポリエチレンを使用し、これをナノファイバー発生手段により繊維径が5〜100nmのナノファイバーを生成し、このナノファイバーをシート状の基材の上に堆積して繊維ウエブの積層物からなるナノファイバー接着層を形成した。このナノファイバー接着層にナノファイバー層またはナノ粒子を固定一体化して積層しナノファイバーシート部材を生成した。ナノファイバーシート部材は目付が10〜100g/mの繊維ウエブからなるガーゼ機能を得た。そして、切り出しの際や使用の際に糸くずの発生などが少なく、また、吸液時や使用による摩擦や吸液状態での摩擦などによる形態変化が少ない、形状保持に優れたガーゼの部材として最適な機能を得た。
ナノファイバーシート部材を包帯などの医療用材の部材として使用した例について説明する。
溶融ポリマーとしてポリプロピレンとポリ乳酸を使用し、これをナノファイバー発生手段によりナノファイバーを生成しシート状の基材の上にナノファイバー接着層を形成した。この時、ポリプロピレンは撥水性でありナノファイバー化することで超撥水性となり水を全く通さなくなる。一方、ポリ乳酸のナノファイバーは親水性であるため、このナノファイバー接着層にナノファイバー層またはナノ粒子を固定一体化して積層したナノファイバーシート部材は患部の体液や血液を吸着する機能を有し包帯などの医療用材の部材として使用される。
ナノファイバーシート部材をおむつや生理用品などの衛生材料用品の部材として使用した例について説明する。
溶融ポリマーとしてポリプロピレン(80%)+ポリエステル(20%)を使用しこれをナノファイバー発生手段によりナノファイバーを生成しシート状の基材の上にナノファイバー接着層を形成した。この時ポリプロピレンの融点が180℃で、ポリエステルの融点が240℃であることから、これらを混合して適度な温度で溶融することで繊維径が大きく違うナノファイバーを分散することができる。これによって、ポリプロピレンは、撥水性でありナノファイバー化することで超撥水性となり水分を全く通さなくなる。一方、ポリエステルのナノファイバーは、親水性であるため尿や血液を吸着する。このナノファイバー接着層にナノファイバー層またはナノ粒子を固定一体化して積層したナノファイバーシート部材はこのようにナノファイバー部材はおむつや生理用品などの衛生材料用品としての機能を得た。さらに、ナノファイバーシート部材は、保水性および吸水速度に優れた吸水特性を有していること且つ柔らかな肌触りを有していることから、おむつ、生理用品などの衛生材料用品の部材として最適な機能を得た。
ナノファイバーシート部材をシール材の部材として使用した例について説明する。
溶融ポリマーとしてポリオレフインを使用し、これに熱分解型発泡剤を混合させ、これをナノファイバー発生手段により繊維径が5〜100nmのナノファイバーを生成し、このナノファイバーを積層してシート状の基材の上に優れた耐候性、耐熱性、シール性の機能を有したナノファイバー接着層を形成した。そして、このナノファイバー接着層は、水を通さないが水蒸気を通し且つ低硬度、低密度であり、シール特性に優れたシール材としての機能を得た。このため、ナノファイバー接着層にナノファイバー層またはナノ粒子を固定一体化して積層したナノファイバーシート部材は特に、携帯電話のシール材の部材としては最適なものである。
ナノファイバーシート部材を防水シートなどの建設用材の部材として使用した例について説明する。
溶融ポリマーとしてポリエチレンを使用し、これをナノファイバー発生手段により基材シート上にナノファイバーを生成し目付15g/m以上、見掛け密度0.40g/cm以下のナノファイバー接着層を得た。このナノファイバー接着層にナノファイバー層またはナノ粒子を固定一体化して積層したナノファイバーシート部材は透湿性および防水性が保持された防水シートなどの建設用材として最適な機能を得た。
ナノファイバーシート部材を防草用シートなどの農業用資材の部材として使用した例について説明する。
溶融ポリマーとして生分解性プラスチックに用いるポリエチレンを使用し、これをナノファイバー発生手段によりナノファイバーを生成し、シート状の基材の上に厚み20μmの通気層のナノファイバー接着層を得た。このナノファイバー接着層は防水効果に優れ、且つ通気性があるにもかかわらずろ過性があり、適度の耐水性がありバクテリアの侵入を防ぐ効果を有するため、このナノファイバー接着層にナノファイバー層またはナノ粒子を固定一体化して積層したナノファイバーシート部材は光劣化性があり経時的にもろくなり廃棄し易い構成の防草用シートなどの農業用資材の部材として最適な機能を得た。
なお、本発明は前記実施形態そのままに限定されるものでなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化でき、また前記実施可能である。
また、実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の変更が可能である。
本発明者は種々の研究の末、ESD方式(電界紡糸法)のような高電圧を使用せず、溶融ポリマーを吐出する噴出ノズルと、高速高温エアーを吹き出すエアーノズルとからなり、エアーノズルから吹き出した高速高温エアーで吐出した溶融ポリマーを延伸しナノファイバー化するようにしたナノファイバー発生手段を開発したことから、基材上に接着力が強く均一な薄いナノファイバー接着層を形成し、このナノファイバー接着層にナノファイバー層あるいはナノ粒子を強固に固定化して積層したナノファイバーシート部材を得ることができ、このナノファイバーシート部材を用いて各種用途の製品を製作したことから本発明は産業上極めて利用価値の高いものである。
1・・・ナノファイバー発生手段 2・・・噴出ノズル
3・・・エアーノズル 4・・・ガイドボックス
5・・・ナノファイバー 6・・・吸引ボックス 7・・・ファン
8・・・基材供給ロール 9・・・シート状の基材 10・・・繰出しロール
11、12・・・切り欠き 13・・・開口部
14・・・ナノファイバー接着層
15・・・別に設けたナノファイバー発生手段噴出ノズル
16・・・噴出ノズル 17・・・エアーノズル
18・・・ナノファイバーまたはナノ粒子
19・・・熱圧着ローラ 20・・・ナノファイバーシート部材
21・・・基材巻き取りロール 22・・・搬送ベルト供給ロール
23・・・搬送ベルト 24・・・繰出しロール
25・・・固体の基材シート 26・・・熱圧着装置
27・・・ナノファイバーシート部材

Claims (3)

  1. 溶融ポリマーを吐出する噴出ノズルと、高速高温エアーを吹き出すエアーノズルとからなり、エアーノズルから吹き出した高速高温エアーで吐出した溶融ポリマーを延伸しナノファイバー化するようにしたナノファイバー発生手段と、ナノファイバーが拡散することを防ぐガイドボックスと、噴出ノズルと対向してガイドボックスの直近後方に配置した基材と、を備えたナノファイバー発生装置を用いて、ナノファイバーシート部材を製造する方法であって、
    接着機能を有する溶融ポリマーを用いてナノファイバー発生手段より発生したナノファイバーを基材表面に添着してナノファイバー接着層を形成し、このナノファイバー接着層にナノファイバー層またはナノ粒子を固定一体化して形成したことを特徴とするナノファイバーシート部材の製造方法。
  2. 接着機能を有する溶融ポリマーは低密度ポリエチレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ乳酸などの低融点の樹脂あるいはポリプロピレン、ポリオレフイン、ポリオレフイン変性樹脂、エチレン―酢酸ビニル共重合樹脂、熱可塑性ポリアミド系樹脂、ポリエステル、ポリウレタンなどのホットメルト樹脂の中から1つあるいは組み合わせて使用したことを特徴とする請求項1のナノファイバーシート部材の製造方法。
  3. 基材はポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリエチレン繊維、レーヨン、ポリプロピレン繊維その他の合成繊維やガラス繊維、パルプ繊維これらの単独あるいは2種類以上から構成される不織布あるいは織布からなるシートまたはフイルムまたはガラス板または金網またはナイロンネットまたは焼結金属または3次元の物体の中から選択されることを特徴とする請求項1のナノファイバーシート部材の製造方法。
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