JP6633444B2 - ラッシュアジャスタ - Google Patents

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本発明は、ラッシュアジャスタに関する。
特許文献1に開示のラッシュアジャスタは、シリンダ(ボディ)と、シリンダ内に収容され、シリンダからの突出量が可変とされるプランジャと、プランジャの内部に圧入して固定される円筒状の隔壁とを備えている。プランジャの内部は、隔壁によって、給油孔から作動油が供給される第1油室と、第2チェック弁を介してボディ内の圧力室に連通する第2油室とに分画されている。隔壁の頂部には、第1油室と第2油室とを連通する連通孔が形成されている。連通孔には、第1油室から第2油室への作動油の流通を許容するがその逆方向の流通を規制する第1チェック弁が設けられている。
上記構成によれば、仮に、ラッシュアジャスタが連通孔を下向きに開口させる姿勢をとっていても、第2チェック弁によって連通孔を介した第2油室からの作動油の流出が規制されるため、第2油室に十分な量の作動油を貯留することができる。その結果、第2油室に存するエアが圧力室に入り込むのを抑制することができ、ラッシュアジャスタの配置の自由度を高めることができるとともに、小型化を図ることができるようになっている。
特開2006−322438号公報
上記の場合、プランジャの内部(第2油室)に十分な量の作動油を貯留することができる点にメリットを有するものの、プランジャの内部に隔壁を組み込む作業が煩雑で、かつ組み付け精度を上げるのが難しいという問題がある。また、部品点数が多くなるという事情もある。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、エンジン停止時にプランジャの内部に十分な量の作動油を容易に貯留することができるラッシュアジャスタを提供することを目的とする。
本発明の第1は、筒状のボディと、前記ボディ内に配置され、前記ボディからの突出量が可変とされる筒状のプランジャとを備え、前記プランジャが底壁とこの底壁から立ち上がる周壁とを有し、前記底壁には前記ボディ内に臨む弁孔が貫通するとともに、前記周壁の周部にはオイルギャラリーに臨む給油孔が貫通し、かつ前記周壁の頂部には通油孔が貫通しているラッシュアジャスタである。前記プランジャが、前記周壁の周部に一体化され、内部を前記底壁側の第1室と前記頂部側の第2室とに分ける隔壁を備え、前記第1室が前記給油孔及び前記弁孔に連通し、前記第2室が前記通油孔に連通し、前記隔壁には前記第1室から前記第2室にかけて連通孔が貫通しており、前記プランジャの前記第2室には前記通油孔の通油を許容しつつ前記第1室と前記第2室との差圧に応じて前記連通孔を開閉する弁体が配置され、前記通油孔と前記連通孔とが前記第2室の軸心に沿う治具挿通路を介して同軸上に配置されており、前記弁体が前記第2室における前記治具挿通路を除く空間部に収容可能なサイズで構成されているところに特徴を有する。
本発明の第2は、筒状のボディと、前記ボディ内に配置され、前記ボディからの突出量が可変とされる筒状のプランジャとを備え、前記プランジャが底壁とこの底壁から立ち上がる周壁とを有し、前記底壁には前記ボディ内に臨む弁孔が貫通するとともに、前記周壁の周部にはオイルギャラリーに臨む給油孔が貫通し、かつ前記周壁の頂部には通油孔が貫通しているラッシュアジャスタであって、前記プランジャが、前記周壁の周部に一体化され、内部を前記底壁側の第1室と前記頂部側の第2室とに分ける隔壁を備え、前記第1室が前記給油孔及び前記弁孔に連通し、前記第2室が前記通油孔に連通し、前記隔壁には前記第1室から前記第2室にかけて連通孔が貫通しており、前記プランジャの前記第2室には前記通油孔の通油を許容しつつ前記第1室と前記第2室との差圧に応じて前記連通孔を開閉する弁体が配置され、前記プランジャの前記通油孔又は前記第2室には、通油溝を有する別体の取付部材が配置されているところに特徴を有する。
エンジン作動時は、作動油が給油孔から第1室に流入して第1室が所定圧に維持されることから、第2室に配置された弁体が連通孔を閉じる向きに移動するのが規制され、連通孔が開いた状態に保たれる。この場合に、通油孔の通油が許容されているため、作動油が第1室から連通孔及び第2室を経て通油孔を通過し、プランジャの頂部に支持されるロッカアーム等の被支持部材を潤滑することができる。
一方、エンジン停止時は、第1室内の作動油が給油孔からオイルギャラリー側に吸い込まれようとするため、第1室が負圧になり、第2室に配置された弁体が連通孔を閉じる向きに移動し、連通孔が閉じた状態になる。連通孔が閉じるに伴い、第1室の空間と大気との連通が断たれるため、作動油のオイルギャラリー側への流出が規制される。その結果、第1室に十分な量の作動油を貯留することができ、第1室のエアが弁孔を介してボディ内(高圧室)に入り込むのを抑制することができる。
とくに、上記構成によれば、隔壁が周壁の周部に一体化されているため、上述した特許文献1と比較して部品点数を減らすことができ、また、プランジャの隔壁を組み込む作業を行わなくて済むから、組み付け作業性の向上を図ることができる。
本発明の第1によれば、第2室に弁体が配置されるという事情があっても、通油孔から連通孔に向けて治具挿通路を通る棒状の治具を第2室から第1室へと差し込むことができ、さらに治具の先端部でボディ内(高圧室)のチェック弁を押圧して、ボディ内のエア抜きを行うことができる。
本発明の第2によれば、プランジャの頂部に通油溝と対応するものを加工する必要がなく、プランジャの構造が複雑になるのを回避することができ、プランジャの加工性を向上させることができる。
本発明の実施例1に係るラッシュアジャスタの断面図である。 ラッシュアジャスタの部分拡大断面図である。 プランジャの平面図である。 プランジャを第2室で横断した断面図である。 プランジャの成形工程を説明するための概念図である。 ラッシュアジャスタが組み込まれた動弁装置の概念図である。 本発明の実施例2に係るラッシュアジャスタの部分拡大断面図である。 取付部材の断面図である。 本発明の実施例3に係るラッシュアジャスタの部分拡大断面図である。 本発明の実施例4に係るラッシュアジャスタの部分拡大断面図である。
本発明の好ましい形態を以下に示す
前記頂部における前記通油孔の前記第2室側の開口縁部が前記弁体の当接領域になっており、前記頂部には前記通油孔に沿って副孔が貫通し、前記副孔が前記頂部の前記当接領域の外側に開口する部分を有している。これによれば、弁体が頂部の当接領域に当接しても、副孔を介することで、通油孔の通油を確保することができる。
前記隔壁における前記連通孔の前記第2室側の開口縁部が、前記弁体が嵌り込む凹面になっている。これによれば、エンジン停止時に弁体が連通孔の開口を閉じた状態を良好に維持することができる。
前記隔壁の前記第2室側に臨む面が、前記凹面に向けて傾斜する案内面を有している。これによれば、エンジン停止時に、弁体が案内面に誘導されて凹面に円滑かつ迅速に至ることができる。
本発明の第2において、前記取付部材が径方向に弾性的に拡縮可能になっている。これによれば、プランジャの通油孔又は第2室に取付部材を容易に組み付けることができる。
<実施例1>
本発明の実施例1を図1〜図6によって説明する。まず、実施例1に係るラッシュアジャスタ10を組み込んだ自動車の動弁装置90について説明する。図6に示すように、動弁装置90は、ラッシュアジャスタ10と、ロッカアーム60と、カム70と、バルブ80と、シリンダヘッド91とを備えている。
シリンダヘッド91には、通気路92(吸気ポート又は排気ポート)が設けられている。シリンダヘッド91の外面には、通気路92と連通するステム孔93が開口して設けられている。シリンダヘッド91のステム孔93には、バルブ80のステム81が挿入されている。バルブ80は、バルブスプリング82によって閉弁方向に付勢されている。
シリンダヘッド91の外面には、ラッシュアジャスタ10を取り付けるための取付穴94が開口して設けられている。取付穴94は、深さ方向の軸線を上下方向に対して所定角度傾斜して配置され、シリンダヘッド91の内部を通るオイルギャラリー95に開口している。
ロッカアーム60は、長さ方向一端部がラッシュアジャスタ10に支持されるとともに、長さ方向他端部がバルブ80のステム81に支持され、長さ方向中間部がラッシュアジャスタ10及びバルブ80によって支持される側とは反対側からカム70により押圧された状態で配置されている。カム70は、ロッカアーム60に設けられたローラ61と接触し、ローラ61を介してロッカアーム60に押圧力を伝える。カム70の回転に伴い、ローラ61が従動回転すると、ロッカアーム60がラッシュアジャスタ10の後述する頂部22を支点としてシーソ状に揺動し、バルブ80が開閉されるようになっている。
図1に示すように、ラッシュアジャスタ10は、ボディ11と、プランジャ12とを備えている。ボディ11は、全体として有底筒状をなし、円盤状の底壁部13と、底壁部13の外周から立ち上がる円筒状の周壁部14とを有している。ボディ11は、シリンダヘッド91の取付穴94に挿入されて保持される。このため、ラッシュアジャスタ10は、上下方向に対して所定角度傾斜した姿勢で配置される(図6を参照)。
周壁部14には1つの外側給油孔15が壁厚方向に貫通して設けられている。周壁部14の外周面には、外側環状溝16が全周にわたって凹設されている。外側給油孔15は、周壁部14の外側環状溝16の奥面に開口しており、ボディ11が取付穴94で回転しても、外側環状溝16を介してオイルギャラリー95と連通する状態を維持することが可能となっている。
プランジャ12は、全体として有底筒状をなし、円盤状の底壁17と、底壁17の外周から立ち上がる円筒状の周壁18とを有している。このプランジャ12は、底壁17が底壁部13と向き合うようにしてボディ11内に挿入される。底壁17の中心部には、弁孔19が貫通して設けられている。プランジャ12の内部は、弁孔19を介してボディ11の内底部(後述する高圧室37)と連通している。
また、周壁18は、底壁17から立ち上がる周部21と、周部21から頂点部にかけて縮径方向に漸次絞られてなる半球状の頂部22とから一体に構成されている。
周部21には、給油孔24が壁厚方向に貫通して設けられている。給油孔24は、周方向に間隔をあけて複数配置され、本実施例1の場合、周方向に180度の間隔をあけた径方向両端の同一高さ位置に配置されている。周部21の外周面には、環状溝25が全周にわたって凹設されている。給油孔24は、周部21の環状溝25の奥面に開口しており、プランジャ12がボディ11内で回転しても、環状溝25を介して外側給油孔15と連通する状態を維持することが可能となっている。
また、周部21の外周面には、円環帯状のシール部26が周設されている。環状溝25の上端は、シール部26によって仕切られている。シール部26の外周面は、プランジャ12の軸心周りの円周面になっており、ボディ11の内周面に全周にわたって当接し、作動油のシール部26からの液漏れを防止する役割を担っている。
頂部22の外面となる半球面には、ロッカアーム60の長さ方向一端部に設けられた凹球面状の支持受部62が摺動可能に接触している。頂部22の頂点部(中心部)には、断面円形の通油孔23が壁厚方向に貫通して設けられている。
また、頂部22には、副孔27が通油孔23に沿って設けられている。図3に示すように、副孔27は、平面視において通油孔23から放射状に延出するスリット状をなし、周方向に90度の等間隔をあけて複数配置されている。
さて、プランジャ12は、図1及び図2に示すように、周壁18の周部21と一体化され、内部を底壁17側の第1室28と頂部22側の第2室29とに分画する隔壁31を備えている。具端的には、隔壁31は、周部21における頂部22との連結部位から径方向内側に張り出し、張り出し端となる中心部に、壁厚方向に貫通する断面円形の連通孔32を有する形態になっている。第1室28は、連通孔32に加えて周部21の給油孔24及び底壁17の弁孔19と連通し、第2室29は、連通孔32に加えて頂部22の通油孔23及び副孔27と連通している。
連通孔32は、貫通方向の中央部が最小径となり、貫通方向の中央部から第1室28及び第2室29に向けてラッパ状に拡径する曲面状の孔面を有している。また、連通孔32は、通油孔23とほぼ同一の開口径を有し、プランジャ12の軸心(中心)に沿って通油孔23と同軸上に配置されている。図4に示すように、プランジャ12の第2室29の軸心には、通油孔23と連通孔32とを同軸で貫通する断面円形の棒状治具(径寸法が通油孔23よりやや小さい)の通路となる治具挿通路33が配置されている。
また、プランジャ12の第2室29には、球形の弁体34が収容して配置されている。図4に示すように、弁体34は、連通孔32の最小径より大きい直径を有し、第2室29のうちの治具挿通路33を除いた残余の空間部47に収容可能なサイズで構成されている。この弁体34は、セラミックなどの軽量な材質からなり、第1室28と第2室29との差圧に応じて軸方向に移動可能となるように第2室29にフリー状態で配置されている。
図2に示すように、頂部22の内周面における通油孔23の開口縁部には、上昇した弁体34が当接する当接領域36が形成される。副孔27は、頂部22の内周面において当接領域36の外側に開口する部分を有している。
図1に示すように、ボディ11の内底部には、プランジャ12の底壁17との間に高圧室37が区画されている。高圧室37には、球形のチェックボール38が収容して配置されている。チェックボール38は、ケージ状のリテーナ39に収容され、第1バネ41によって弁孔19を閉じる方向に付勢されている。また、高圧室37には、ボディ11の底壁部13とリテーナ39の縁部との間に、第2バネ42が収容して配置されている。プランジャ12は、第2バネ42によって上方に付勢されている。
次に、本実施例1に係るラッシュアジャスタ10の特徴的な製造方法及び動作機構について説明する。
プランジャ12の製造に際し、図5に概念的に示すように、底壁17の外周からほぼ垂直に立ち上がる円筒部44が鋳造、鍛造又は切削加工により成形される。円筒部44の上端部は、ほぼ垂直な立上端部45と径方向外側に張り出す鍔部46とにより断面略L字形をなしている。続いて、円筒部44の上端部がプレス加工で径方向内側(図5の矢印方向)に傾倒させられる。すると、鍔部46が窄まって頂部22となり、立上端部45がほぼ水平に倒れて隔壁31となる。プレス加工を行う際には、弁体34が頂部22と隔壁31との間に介在するように組み込まれる。かかる製造方法によれば、隔壁31を成形する際に、複雑な金型構造が必要になることがなく、加工性に優れる。
ラッシュアジャスタ10への給油に際し、作動油が第1室28から弁孔19を経て高圧室37に充填される。この場合に、高圧室37のエア抜きを行う必要があり、エア抜き用の棒状治具(図4に示す治具挿通路33に対応したハッチングを参照)が通油孔23から第2室29の治具挿通路33、連通孔32、第1室28を経て弁孔19に差し込まれる。弁孔19を貫通した棒状治具が高圧室37に配置されたチェックボール38をその先端部で押圧することにより、弁孔19からチェックボール38が離れ、弁孔19が開いた状態になる。これにより、高圧室37に混入したエアが弁孔19を通して大気に放出される。棒状治具が第2室29の治具挿通路33を通過するとき、弁体34が棒状治具の先端と干渉して第2室29における治具挿通路33の外側の空間部47に退避し、もって棒状治具の連通孔32への挿通が可能となる(図4を参照)。したがって、第2室29に弁体34が配置されるという事情があっても、高圧室37のエア抜きを支障なく行うことができる。
こうして作動油が高圧室37に充填されるとともに第1室28に貯留された状態で、エンジンが作動し、プランジャ12に対してロッカアーム60側から押圧力が付与されると、チェックボール38が弁孔19を閉じて高圧室37が密閉され、高圧室37の油圧による減衰力が発生してプランジャ12の沈み込みが抑制される。次いで、ロッカアーム60側からの押圧力の減少に伴い、プランジャ12がボディ11から突き出て高圧室37の容積が増大すると、チェックボール38が弁孔19から離れて弁孔19が開いた状態になり、作動油が第1室28から弁孔19を通して高圧室37に流入する。プランジャ12の上昇が停止すると、チェックボール38が第1バネ41に付勢されて弁孔19を閉じ、高圧室37が再び密閉された状態になる。このようにプランジャ12がボディ11からの突出量を変化させることにより、ロッカアーム60が適正位置に支持され、バルブクリアランスが自動調整される。
上記エンジン作動時には、オイルギャラリー95から給油孔24を経て第2室29に作動油が供給されるため、第1室28が負圧にならず、弁体34が第1室28と第2室29との差圧により上昇して頂部22の当接領域36に当接し、通油孔23が閉じた状態になる。弁体34が当接領域36に当接しても副孔27が頂部22の内周面に開口して第2室29に臨むため、第2室29の作動油が副孔27から通油孔23を経てロッカアーム60の支持受部62に接触し、支持受部62と頂部22との間を潤滑することができる(図2の矢線を参照)。なお、給油孔24が複数(本実施例1の場合は2つ)設けられることにより、1つ当たりの給油孔24の孔径を小さくすることができるため、給油孔24の下限位置を上方に位置させて、第1室28に貯留される作動油の油量を増量することができる。
一方、エンジン停止時には、第1室28への給油が停止され、第1室28が負圧になるため、弁体34が第1室28と第2室29との差圧により下降して隔壁31の第2室29側の内周面における連通孔32の曲面状の開口縁部に当接し、連通孔32が閉じた状態になる。これにより、第1室28が連通孔32を介して大気と連通していた状態が遮断され、第1室28に貯留された作動油の液面レベルがそれ以上低下するのが阻止される。このため、作動油の液面レベルが給油孔24よりも上位に維持され、ラッシュアジャスタ10が傾斜姿勢をとっていても、第1室28に十分な量の作動油を貯留させることができる。したがって、その後のエンジン始動時に、第1室28のエアが弁孔19を介して高圧室37に入り込む事態、いわゆるエア噛みの発生を回避することができ、ラッシュアジャスタ10の正常な動作が担保される。また、第1室28に給油孔24の高さ位置を超える液面レベルの作動油を貯留することができるため、ラッシュアジャスタ10の小型化に寄与することができる。
以上説明したように、本実施例1によれば、エンジン停止時に弁体34が隔壁31の連通孔32を閉じることにより、第1室28に十分な量の作動油を貯留することができる。この場合に、隔壁31が周壁18の周部21に一体化されているため、既述した特許文献1と比較して部品点数を減らすことができ、また、プランジャ12の隔壁31を組み込む作業を行わなくて済む分、組み付け作業性の向上を図ることができる。
さらに、通油孔23と連通孔32とが第2室29の軸心に沿う治具挿通路33を介して同軸上に配置されており、弁体34が第2室29における治具挿通路33を除く空間部47に収容可能なサイズで構成されているため、通油孔23から連通孔32に向けて治具挿通路33を通るエア抜き用の棒状治具を第2室29から第1室28へと差し込むことができる。
さらにまた、頂部22における通油孔23の第2室29側の開口縁部が弁体34の当接領域36になっており、頂部22には通油孔23に沿って副孔27が貫通し、副孔27が頂部22の当接領域36の外側に開口する部分を有しているため、弁体34が頂部22の当接領域36に当接しても、副孔27を介することで、通油孔23の通油を確保することができる。
<実施例2>
図7及び図8は、本発明の実施例2に係るラッシュアジャスタ10Aの要部を示す。実施例2は、プランジャ12の頂部22A及び隔壁31Aの形態が実施例1とは異なり、さらに実施例1に対して取付部材50が付加されている点で実施例1とは異なる。その他は、実施例1と同様である。
隔壁31Aは、実施例1より厚肉に形成されている。隔壁31Aの第2室29側の内周面は、周部21の内周面に連なる外周縁から中心部の連通孔32へ向けて次第に下り勾配となる案内面48と、連通孔32の開口縁部において案内面48の径方向内端から凹球面状に凹む形態の凹面49とからなる。凹面49は、弁体34の略下半部の外周面にほぼ沿った形状になっている。なお、プランジャ12の頂部22Aは、実施例1の副孔27に相当する部分を有していない。
取付部材50は、下向きに開口するキャップ状をなし、下端側の開口部51がラッパ状に拡開している。また、取付部材50は、周方向に間隔をあけて複数の通油溝52を有するとともに、上端側の平坦部53に1つの頂上孔54を有する形態になっている。通油溝52は、上下方向に延出して取付部材50の開口部51の下端に開口する割溝状に形成されている。頂上孔54は、平坦部53を壁厚方向に貫通する断面円形状に形成されている。取付部材50は、通油溝52を介して拡縮方向に撓み変形可能とされ、頂部22Aの通油孔23に嵌合可能なサイズで構成されている。
ここで、取付部材50は、頂部22Aの通油孔23に外側から挿入される。取付部材50の挿入過程では、開口部51が通油孔23の内周面を摺動し、取付部材50が弾性的に縮径変形させられる。取付部材50の取付完了時には、開口部51が弾性的に拡開して頂部22Aの内周面における通油孔23の開口縁部に掛け止められる。これにより、取付部材50が頂部22Aに脱着可能に保持される。なお、高圧室37のエア抜きは、取付部材50が頂部22Aに取り付けられていない状態で行うことができる。
使用に際し、エンジン作動時は、弁体34が取付部材50の開口部51に当接して受け止められるとともに、第2室29の作動油が通油溝52から頂上孔54を経てロッカアーム60の支持受部62に接触し、支持受部62と頂部22Aとの間を潤滑する。一方、エンジン停止時は、第1室28が負圧となり、弁体34が案内面48に誘導されつつ凹面49に嵌り込む。
このように、弁体34が凹面49に嵌り込むことにより、隔壁31Aと弁体34との間がシールされ、エンジン停止時に第1室28の密閉状態が良好に維持される。また、隔壁31Aの第2室29側に臨む面が凹面49に向けて傾斜する案内面48を有しているため、弁体34が凹面49に至るまでの移動動作が円滑かつ迅速になされ、応答性に優れる。
さらに、プランジャ12の通油孔23に通油溝52を有する別体の取付部材50が配置されているため、プランジャ12の頂部22Aに副孔27などを加工する必要がなく、プランジャ12の構造が複雑になるのを回避することができる。しかも、取付部材50が径方向に弾性的に拡縮可能になっているため、プランジャ12の通油孔23に取付部材50をワンタッチで容易に組み付けることができる。
<実施例3>
図9は、本発明の実施例3に係るラッシュアジャスタ10Bの要部を示す。実施例3は、取付部材50Bの形態が実施例2とは異なるが、その他は実施例2と同様である。
取付部材50Bは、下向きに開口するキャップ状をなし、周方向に間隔をあけて複数の割溝状の通油溝52Bを有し、通油溝52Bを介して拡縮方向に撓み変形可能となっている。この点は、実施例2と同様である。一方、取付部材50Bは、実施例2より軸方向に細長い周壁部分55を有し、周壁部分55が頂部22Aの通油孔23から第2室29にかけて深く挿入される。取付部材50Bの周壁部分55の上端側には、段差状の肩部56が全周にわたって形成されている。肩部56は、実施例2の開口部51に対応した下向き拡開形状になっている。取付部材50Bの周壁部分55のうち肩部56よりも下方の部分は、弁体34の外径より少し大きく、かつ軸方向にほぼ一定の内径を有するガイド壁57として構成される。
取付部材50Bが実施例2と同様の手順で頂部22Aの通油孔23に挿入されると、肩部56が頂部22Aの内周面における通油孔23の開口縁部に掛け止め可能に配置されるとともに、取付部材50Bの周壁部分55の下端が隔壁31Aの第2室29側の内周面(案内面48)に当接ないし近接して配置される。また、弁体34は、ガイド壁57の内側に収容して配置される。
実施例3の場合、弁体34は、取付部材50Bのガイド壁57に沿って軸方向に移動し、エンジン作動時は上昇して肩部56に当接し、エンジン停止時は下降して隔壁31Aの凹面49に嵌り込んで当接することになる。このため、弁体34の移動動作の応答性が良好となる。また、通油溝52Bを介して通油孔23の通油も確保される。
<実施例4>
図10は、本発明の実施例4に係るラッシュアジャスタ10Cの要部を示す。実施例4は、実施例1に対して付勢部材100が付加され、頂部22が副孔27を有しない点で実施例1とは異なるが、その他は実施例1と同様である。
付勢部材100は、弁体34を連通孔32を閉じる向きに付勢するバネ材、例えば、スプリングバネによって構成され、一端(図示上端)が頂部22の内周面における連通孔32の開口縁部に当接し、他端が弁体34の外周面に当接している。
エンジン作動時は、第1室28と第2室29との差圧に応じて弁体34が付勢部材100の付勢力に抗して上昇するものの、頂部22の内周面には当接せず、通油孔23が開いた状態に維持される。これは、バネ材のバネ力(バネ定数)を調整することで対応可能となっている。一方、エンジン停止時は、第1室28が負圧になるに伴い、弁体34が付勢部材100に付勢されて隔壁31の第2室29側の内周面における連通孔32の開口縁部に当接し、連通孔32が閉じた状態になる。このため、弁体34の移動動作の応答性が極めて良好となる。
<他の実施例>
以下、他の実施例を簡単に説明する。
(1)本発明は、ラッシュアジャスタが上下方向に沿って直立した姿勢でシリンダヘッドに組み付けられる場合も適用可能である。このような場合も、例えば、自動車が坂道で停車したときに、プランジャ内の作動油の流出を規制する必要があるため、本発明を適用するメリットが大きい。
(2)弁体とチェックボールとを同一の形状及び材質で構成して共用可能としてもよい。これによれば、弁体とチェックボールとを区別する必要がなく、部品管理の煩雑さを解消することができる。
(3)リテーナと取付部材とを同一の形状及び材質で構成して共用可能としてもよい。これによれば、リテーナと取付部材とを区別する必要がなく、部品管理の煩雑さを解消することができる。
(4)給油孔は、プランジャの周壁の周部に一つだけ設けられるものであってもよい。
(5)実施例2では、取付部材の全体が通油孔から第2室に入り込むように組み込まれてもよい。
10、10A、10B、10C…ラッシュアジャスタ
11…ボディ
12…プランジャ
17…底壁
18…周壁
19…弁孔
21…周部
22、22A…頂部
23…通油孔
24…給油孔
27…副孔
28…第1室
29…第2室
31、31A…隔壁
32…連通孔
33…治具挿通路
34…弁体
36…当接領域
37…高圧室
47…空間部
48…案内面
49…凹面
50、50B…取付部材
52、52B…通油溝
91…シリンダヘッド
95…オイルギャラリー

Claims (6)

  1. 筒状のボディと、前記ボディ内に配置され、前記ボディからの突出量が可変とされる筒状のプランジャとを備え、前記プランジャが底壁とこの底壁から立ち上がる周壁とを有し、前記底壁には前記ボディ内に臨む弁孔が貫通するとともに、前記周壁の周部にはオイルギャラリーに臨む給油孔が貫通し、かつ前記周壁の頂部には通油孔が貫通しているラッシュアジャスタであって、
    前記プランジャが、前記周壁の周部に一体化され、内部を前記底壁側の第1室と前記頂部側の第2室とに分ける隔壁を備え、前記第1室が前記給油孔及び前記弁孔に連通し、前記第2室が前記通油孔に連通し、前記隔壁には前記第1室から前記第2室にかけて連通孔が貫通しており、
    前記プランジャの前記第2室には前記通油孔の通油を許容しつつ前記第1室と前記第2室との差圧に応じて前記連通孔を開閉する弁体が配置され
    前記通油孔と前記連通孔とが前記第2室の軸心に沿う治具挿通路を介して同軸上に配置されており、前記弁体が前記第2室における前記治具挿通路を除く空間部に収容可能なサイズで構成されているラッシュアジャスタ。
  2. 筒状のボディと、前記ボディ内に配置され、前記ボディからの突出量が可変とされる筒状のプランジャとを備え、前記プランジャが底壁とこの底壁から立ち上がる周壁とを有し、前記底壁には前記ボディ内に臨む弁孔が貫通するとともに、前記周壁の周部にはオイルギャラリーに臨む給油孔が貫通し、かつ前記周壁の頂部には通油孔が貫通しているラッシュアジャスタであって、
    前記プランジャが、前記周壁の周部に一体化され、内部を前記底壁側の第1室と前記頂部側の第2室とに分ける隔壁を備え、前記第1室が前記給油孔及び前記弁孔に連通し、前記第2室が前記通油孔に連通し、前記隔壁には前記第1室から前記第2室にかけて連通孔が貫通しており、
    前記プランジャの前記第2室には前記通油孔の通油を許容しつつ前記第1室と前記第2室との差圧に応じて前記連通孔を開閉する弁体が配置され、
    前記プランジャの前記通油孔又は前記第2室には、通油溝を有する別体の取付部材が配置されているラッシュアジャスタ。
  3. 前記頂部における前記通油孔の前記第2室側の開口縁部が前記弁体の当接領域になっており、前記頂部には前記通油孔に沿って副孔が貫通し、前記副孔が前記頂部の前記当接領域の外側に開口する部分を有している請求項1又は2記載のラッシュアジャスタ。
  4. 前記隔壁における前記連通孔の前記第2室側の開口縁部が、前記弁体が嵌り込む凹面になっている請求項1ないし3のいずれか1項記載のラッシュアジャスタ。
  5. 前記隔壁の前記第2室側に臨む面が、前記凹面に向けて傾斜する案内面を有している請求項4記載のラッシュアジャスタ。
  6. 前記取付部材が径方向に弾性的に拡縮可能になっている請求項2記載のラッシュアジャスタ。
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