JP2020020267A - タペット構造 - Google Patents

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ホンチョン ウーン
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【課題】汎用性を向上させることが可能なタペット構造を提供する。【解決手段】タペット構造は、プッシュロッド10と、ラッシュアジャスタ20と、ラッシュアジャスタ20が上方から組み込まれるタペットケース40とを備える。ラッシュアジャスタ20は、ボディ油孔33を有しているボディ21と、導油孔25及びプランジャ油孔32を有し、ボディ21に往復変位可能に挿入されるプランジャ22とを有している。タペットケース40は、ラッシュアジャスタ20が嵌合状態で挿入される組付孔44を有し、組付孔44の内周面に、ボディ21の外周面に対し周方向に沿って当接する当接領域53を有している。ラッシュアジャスタ20が組付孔44に挿入された状態で、導油孔25が組付孔44より上方に位置し且つ当接領域53がボディ油孔33より上方に位置している。【選択図】図2

Description

本発明は、タペット構造に関する。
特許文献1に開示のタペット構造は、上端部から下端部にかけて延びるプッシュロッドと、内底部にプッシュロッドの下端部が当接するカップ状のタペットとを備えている。プッシュロッドの上端部は、ロッカアームの一端部に当接している。タペットの最下面は、カムに摺接する摺接面とされている。カムが回転すると、タペットがタペット孔内をプッシュロッドとともに往復変位し、それに伴ってロッカアームが揺動してバルブの開閉がなされる。
また、特許文献2に開示のタペット構造は、タペットがプッシュロッドを直接支持するのではなく、タペットに油圧式のラッシュアジャスタが組み込まれており、ラッシュアジャスタの頂部がプッシュロッドの下端部に当接することで、タペットがラッシュアジャスタを介して間接的に支持する構造になっている。これによれば、ラッシュアジャスタの油圧によってロッカアームの揺動支点位置が適正に調整され、バルブクリアランスをなくすことができる。
特開平10−169415号公報 国際公開第2015/067252号
ところで、特許文献2のようにラッシュアジャスタがタペットに組み込まれたタペット構造においては、ラッシュアジャスタの油圧室に作動油を供給する構造を設けることが必要となる。特許文献2の場合は、タペットの周壁に横孔が設けられ、シリンダブロック等のエンジン部品側から横方向に放出した作動油を、横孔からボディ孔を通して油圧室に導入する構造をとっている。しかし、これは、エンジン部品側に新たな給油路を設けなければならないため、エンジン部品側の設計変更が煩雑になり、汎用性に欠け、コスト的にも不利であるという問題がある。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、汎用性を向上させることが可能なタペット構造を提供することを目的とする。
本発明のタペット構造は、上端部から下端部にかけて延びるプッシュロッドと、前記下端部に当接して前記プッシュロッドを支持する頂部を有し且つ内側に油圧室を有している油圧式のラッシュアジャスタと、前記ラッシュアジャスタが上方から組み込まれ、下方に設置されたカムの回転に応じて往復変位するタペットケースと、を備え、前記ラッシュアジャスタは、ボディ油孔を有しているボディと、前記頂部、導油孔及びプランジャ油孔を有し、前記ボディに往復変位可能に挿入されるプランジャとを有し、前記導油孔が前記油圧室に作動油を導入可能に連通し、前記ボディ油孔が前記プランジャ油孔を介して前記油圧室に連通しており、前記タペットケースは、前記ラッシュアジャスタが嵌合状態で挿入される組付孔を有し、前記組付孔の内周面に、前記ボディの外周面に対し周方向に沿って当接する当接領域を有しており、前記ラッシュアジャスタが前記組付孔に挿入された状態で、前記導油孔が前記組付孔より上方に位置し且つ前記当接領域が前記ボディ油孔より上方に位置しているところに特徴を有する。
作動油は、組付孔より上方に位置する導油孔を通して油圧室に導入される。このため、作動油を上方から供給することができ、シリンダブロック等のエンジン部品側に、油圧室に作動油を供給するための給油構造を設ける必要がない。
また、上記構成によれば、頂部、ボディ油孔、プランジャ油孔及び油圧室を有する既存のラッシュアジャスタを流用することができる。したがって、特別な構造のラッシュアジャスタを用意する必要がない。
既存のラッシュアジャスタの場合、ボディ油孔及びプランジャ油孔を有することになるため、油圧室に貯留された作動油はプランジャ油孔からボディ油孔を経て外部に流出する懸念がある。しかるに上記構成によれば、ボディ油孔から流出する作動油を当接領域においてせき止めることができるため、油圧室に十分な量の作動油を貯留することができ、ラッシュアジャスタの動作を保証することができる。
本発明の実施例1のタペット構造を含む動弁装置の全体図である。 タペット構造の下部の断面図である。 タペットケースの断面図である。 タペットケースの正面図である。 タペットケースの斜視図である。
本発明の好ましい実施形態を以下に示す。
(1)前記タペットケースは、前記組付孔の内周面で且つ前記当接領域より下方に、前記ボディの外周面に対し周方向に沿って当接する下側の当接領域を有し、前記組付孔の内周面で且つ前記当接領域と前記下側の当接領域との間に、前記ボディの外周面から離間する方向に凹む凹部を有しており、前記ラッシュアジャスタが前記組付孔に挿入された状態で、前記ボディ油孔が前記凹部に連通して配置される。これによれば、作動油がボディ油孔から凹部に流入しさらに凹部からタペットケースの組付孔の内周面とボディの外周面との間の隙間に入り込み、両面間を潤滑することができる。このため、タペットケースとラッシュアジャスタとの間のフリクションを低減することができる。さらに、凹部によってタペットケースの軽量化を図ることができる。
(2)前記タペットケースは、前記ラッシュアジャスタが組み込まれた状態で、前記組付孔より上方に、内面から外面にかけて貫通する油排出孔を有している。これによれば、タペットケース内の作動油が油排出孔を通して外部に排出されてカム側に落下し、カムとタペットケースとの間を潤滑することができる。
(3)前記タペットケースは、外周面における上下に間隔をあけた位置に、前記カムの回転に応じてガイド孔の内周面に摺接する摺接領域を有し、外周面における上下夫々の前記摺接領域の間に、前記ガイド孔の内周面から離間する方向に凹む凹所を有し、前記油排出孔が、前記凹所の奥面における上端寄りの位置に開口している。これによれば、上下夫々の摺接領域によってタペットケースがガイド孔を傾くことなく安定して往復変位することができる。また、油排出孔が凹所の奥面における上端寄りの位置に開口しているから、タペットケース内に十分な量の作動油を貯留することができる。さらに、凹所によってタペットケースの軽量化を図ることができる。
(4)前記導油孔が前記頂部に設けられ、前記プッシュロッドは、軸方向に貫通する通油孔を有し、前記通油孔は、前記上端部に開口する油導入口と、前記下端部に開口して前記導油孔に連通可能な油導出口と、を有している。これによれば、作動油がプッシュロッドの油導入口から通油孔に導入され、さらに油導出口から頂部の導油孔を経て油圧室に至ることができる。したがって、比較的簡単な構造で油圧室に作動油を安定して供給することができる。
<実施例1>
以下、実施例1を図1〜図5に基づいて説明する。実施例1のタペット構造は、OHV型エンジンのバルブリフタを例示するものであり、図1に示すように、プッシュロッド10と、油圧式のラッシュアジャスタ20と、タペットケース40と、を備えている。
プッシュロッド10は、上端部から下端部にかけて全体として上下方向に延びる棒状の形態とされている。プッシュロッド10の上端部は、ロッカアーム80の一端部を支持している。なお、この場合の上下方向は、プッシュロッド10の軸方向であって、厳密な鉛直方向(重力方向)に限らず、図1に示すように、鉛直方向に対して傾いた向きを含む。
図1に示すように、ロッカアーム80は、一端部から他端部にかけて前後方向に延びるアーム本体81と、アーム本体81の一端部に組み付けられるアジャストスクリュ82と、アジャストスクリュ82に螺合されるナット83とを備えている。
アーム本体81は、長さ方向の中間部に、シャフト孔84を有している。アーム本体81は、シャフト孔84に挿通されたロッカシャフト90に、揺動可能に支持されている。ロッカシャフト90は、左右方向(ロッカシャフト90の軸方向)に延びるシャフト油孔91と、アーム本体81と対応する部位においてロッカシャフト90の径方向に延び、シャフト油孔91とロッカシャフト90の外周面とに開口するシャフト連絡油孔92とを有している。
アーム本体81は、一端部側に、上下方向に貫通して後述するアジャストスクリュ82を装着可能な装着孔85と、後述する中継油孔88からアーム本体81の一端部の外端面にかけて前後方向に貫通し、途中で装着孔85に交差連通するアーム連絡油孔86とを有している。アーム連絡油孔86は、一端部の外端面側において、このアーム連絡油孔86に内嵌される球状の閉塞材87によって閉塞されている。また、アーム本体81は、シャフト孔84に臨む内周面に、周方向に沿う弧状の中継油孔88を有している。
ロッカシャフト90のシャフト油孔91にはオイル(作動油)が流れる。上記のシャフト連絡油孔92、中継油孔88、アーム連絡油孔86は、作動油をラッシュアジャスタ20側に供給するための通路として構成される。ここで、中継油孔88は、ロッカアーム80がロッカシャフト90を中心として揺動したときにシャフト連絡油孔92との連通状態を維持可能なように、ロッカアーム80の傾動範囲をカバーするように形成されている。
アーム本体81の他端部は、バルブステム93の上端部に当接している。バルブステム93は、シリンダヘッド94のバルブガイド孔95に挿通されている。バルブステム93の下端部は、拡径形状のバルブ本体96に連結されている。バルブ本体96は、シリンダヘッド94の吸気又は排気ポート97に臨むように配置される。このバルブ本体96は、バルブスプリング98の付勢力を受けて吸気又は排気ポート97を閉じる閉弁状態と、バルブステム93がバルブスプリング98の付勢力に抗してアーム本体81の他端部で押し下げられる開弁状態とに変位可能とされる。
アジャストスクリュ82は、外周面に雄ねじ部99を有し、アーム本体81の装着孔85に軸心を上下方向(軸方向)に向けて装着されている。アジャストスクリュ82の上端部は、アーム本体81の上面から上方に突出し、アジャストスクリュ82の下端部は、アーム本体81の下面から下方に突出している。アジャストスクリュ82は、上端部にナット83が螺合される。アジャスタスクリュ82がアーム本体81の装着孔85にねじ込まれ、そのねじ込み量が決定された後、アジャスタスクリュ82の上端部にナット83が締め付け固定される。
アジャストスクリュ82は、径方向に延びてアーム連絡油孔86に連通する横孔部分と、その横孔部分に交差連通し、軸方向に延びて下端に開口する縦孔部分とからなるスクリュ連絡油孔79を有している。
プッシュロッド10は、上端部に、上方へラッパ状に拡径する断面円弧状の摺動部11を有し、下端部に、下方へラッパ状に拡径する断面円弧状の摺動部12を有している。両摺動部11、12は、互いに同一形状をなしている。上側の摺動部11は、アジャストスクリュ82の下端部に当接してロッカアーム80の一端部を支持する。
プッシュロッド10は、軸方向に貫通する通油孔13を有している。通油孔13は、プッシュロッド10の外周面と同様の断面円形状をなし、プッシュロッド10の軸中心に同心状に形成されている。通油孔13の上端部は、上側の摺動部11の凹曲上面の中心に開口する油導入口14とされ、アジャストスクリュ82のスクリュ連絡油孔79に連通可能に配置される。図2に示すように、通油孔13の下端部は、下側の摺動部12の凹曲下面の中心に開口する油導出口15とされ、ラッシュアジャスタ20の後述する導油孔25に連通可能に配置される。なお、プッシュロッド10は、シリンダヘッド94に設けられた図示しないロッド挿通孔内に往復変位可能に遊挿されている。
図2に示すように、ラッシュアジャスタ20は、既存のものであって、有底筒状のボディ21と、ボディ21に上下方向(軸方向)に往復移動可能に挿入される有底筒状のプランジャ22とを有している。プランジャ22は、底壁部分に弁孔23を有し、周壁部分の上端部に半球状の頂部24を有している。頂部24は、中心に、上下方向に貫通する導油孔25を有している。導油孔25は上方に向けて拡径する形態になっている。頂部24は、下側の摺動部12に摺動可能に当接し、プッシュロッド10を支持する。
プランジャ22は、内側に、低圧室26を有している。ボディ21は、内側下部において、プランジャ22の底壁部分を挟んで低圧室26とは反対側に、高圧室27を有している。低圧室26には、プッシュロッド10の通油孔13から導油孔25を介して作動油が導入されて貯留される。高圧室27には、低圧室26の作動油が弁孔23を通して充填される。低圧室26及び高圧室27は、油圧室として構成される。
高圧室27には、球形の弁体28、籠状のリテーナ29、第1ばね30及び第2ばね31が収容されている。弁体28は、リテーナ29に収容され、弁孔23を開閉可能に配置されている。第1ばね30は、リテーナ29に収容され、弁体28を上方に付勢する。これにより、弁体28が弁孔23を閉じる状態が形成される。第2ばね31は、リテーナ29の開口端部に当接してリテーナ29を上方に付勢する。これにより、リテーナ29がプランジャ22の底壁部分に押し当てられる状態が維持される。
プランジャ22は、周壁部分に、径方向に貫通する断面円形のプランジャ油孔32を有している。ボディ21は、周壁部分に、プランジャ油孔32に連通しつつ径方向に貫通する断面円形のボディ油孔33を有している。作動油は、低圧室26からプランジャ油孔32及びボディ油孔33を経てラッシュアジャスタ20の外部に排出可能とされている。
タペットケース40は、全体としてカップ状をなし、外側の円周面を構成する上下方向に沿った外周面部41と、下面を構成する径方向に沿った下面部42とを有している。タペットケース40は、シリンダブロック78に設けられたガイド孔77に挿入され、上下方向(軸方向)に摺動変位可能とされている。タペットケース40の下面部42は、下方に設置されたカム76に接触する平坦面になっている。
図3に示すように、タペットケース40の下部58は、上部59よりも径方向に厚肉に形成されている。下部58は、タペットケース40の内側において、上部59に対して段差状に連なる径方向に沿った周面部43を有している。そして、下部58は、上下方向に延び、上端が周面部43の径方向中心部に開口する断面円形の組付孔44を有している。図2に示すように、タペットケース40の組付孔44には、上方からラッシュアジャスタ20が嵌合状態で挿入される。
タペットケース40の上部59は、内側に、組付孔44と連通する受容空間45を有している。受容空間45は、ラッシュアジャスタ20が組付孔44に挿入されたときに、プランジャ22によって区画され、プランジャ22、周面部43及び上部59の間において上方に開放されている。
タペットケース40の外周面部41は、上下方向に間隔をあけた複数位置に、シリンダブロック78のガイド孔77の内周面に摺動可能な上側及び下側の摺接領域46、47を有している。上側の摺接領域46は、外周面部41の上端部に設けられ、下側の摺接領域47は、外周面部41の上下方向途中に設けられている。
タペットケース40の外周面部41は、下端部に、上側及び下側の摺接領域46、47と同心の円周面状をなす拡張領域48を有している。タペットケース40の下面部42は、拡張領域48に連なり、拡張領域48と同じ径寸法を有している。
タペットケース40の外周面部41は、上側及び下側の摺接領域46、47の間、及び下側の摺接領域47と拡張領域48との間に、上下夫々の凹所49、50を有している。各凹所49、50の奥面は、周方向に円周面状をなし、上下方向に沿って配置されている。上側の凹所49の下端面は、下側の摺接領域47の上端面であって、下向きに拡径し、下側の凹所50の上端面は、下側の摺接領域47の下端面であって、上向きに拡径して配置されている。
図4及び図5に示すように、タペットケース40の外周面部41は、下側の摺接領域47に、上下方向に延びて、上端が上側の凹所49の下端面に開口するとともに下端が下側の凹所50の上端面に開口する溝状の縦油路51を有している。縦油路51は、水平断面(タペットケース40の径方向に沿う断面)形状が角凹状であって(図5を参照)、図3に示すように、下側の摺接領域47の径方向両端に対をなして配置されている。
また、タペットケース40は、上部59に、内外を貫通し、内周面に開口して受容空間45に連通するとともに、上側の凹所49の奥面における上端面寄りの位置に開口する油排出孔52を有している。図5に示すように、油排出孔52は、断面円形であって、タペットケース40の上部59の径方向両端に対をなして配置されている。図4に示すように、油排出孔52と縦油路51とは、タペットケース40の周方向における同一位置に配置されている。タペットケース40の受容空間45に貯留された作動油は、油排出孔52を通して外部に排出されるようになっている。
図3に示すように、タペットケース40は、下部58における組付孔44の内周面に、当接領域53とその下側に位置する下側の当接領域54とを有し、さらに、当接領域53及び下側の当接領域54の間に、径方向外側に凹む凹部55を有している。当接領域53は、組付孔44の上端部に上下方向に沿って配置され、下側の当接領域54は、組付孔44の上下方向途中に配置されている。また、当接領域53は、上下方向で下側の摺接領域47とオーバーラップする位置に配置されている。また、タペットケース40は、下側の当接領域54の下方で且つ下部58における組付孔44の内周面の下端部に、凹部55と同様、径方向外側に凹む凹陥部56を有している。
凹部55の奥面は、円周面状をなし、上下方向に沿って配置されている。凹部55の下端面は、下側の当接領域54の上端面であって、下向きに縮径し、凹部55の上端面は、当接領域53の下端面であって、上向きに縮径して配置されている。
図2に示すように、ラッシュアジャスタ20がタペットケース40の組付孔44に正規深さで挿入されると、ボディ21の下面が組付孔44の奥底面に当接し、ボディ21の上端が周面部43とほぼ同じ高さ位置に配置される。このとき、ボディ21の外周面はタペットケース40の当接領域53及び下側の当接領域54に対し周方向に沿って面接触状態で当接し、ボディ油孔33は凹部55に連通して臨む。当接領域53がボディ油孔33よりも上方で且つボディ21の外周面に周方向に沿って当接することにより、ボディ油孔33から凹部55に流入した作動油が受容空間45側に漏れ出るのが規制され、低圧室26に作動油を十分に溜めることが可能となっている。
また、図3に示すように、タペットケース40は、下部58における組付孔44の内周面に、軸周りに螺旋状に刻設されたエア抜き溝57を有している。エア抜き溝57は、深さの浅い細溝であって、当接領域53及び下側の当接領域54に形成され、凹部55及び凹陥部56には形成されていない。当接領域53及び下側の当接領域54は、ボディ21の外周面に対しエア抜き溝57の形成領域を除く全域にわたって当接するように構成されている。ラッシュアジャスタ20がタペットケース40の組付孔44に挿入される際に、組付孔44内に存する空気をエア抜き溝57を通して上方に抜くことができるようになっている。そして、エア抜き溝57が螺旋状の浅溝であることにより、凹部55に流入した作動油が受容空間45に過度に漏れ出るのが抑えられ、加工の容易性も担保されている。
次に、動弁機構について説明する。エンジンの駆動によりカム76が回転すると、カム76と接触するタペットケース40がガイド孔77内を上下方向に往復摺動し、それとともにプッシュロッド10がラッシュアジャスタ20を介して図示しないロッド挿通孔内を上下方向に往復変位する。プッシュロッド10が往復変位するのに伴い、ロッカアーム80の一端部がプッシュロッド10の動きに応じて昇降し、ロッカアーム80がロッカシャフト90を中心としてシーソ状に揺動変位する。こうしてロッカアーム80の他端部が上下動することにより、バルブステム93がバルブスプリング98の付勢力を受けつつ上下方向に往復変位し、バルブ本体96が開弁状態と閉弁状態とに変位する。
上記において、タペットケース40が上昇し、プッシュロッド10がプランジャ22を下向きに押圧すると、弁体28が弁孔23を閉じて、プランジャ22及びボディ21が剛体化し、プランジャ22の下降が規制される。タペットケース40が下降し、プランジャ22に作用する押圧力が減退すると、第2ばね31がプランジャ22を押し上げ、それとともに弁体28が第1ばね30の付勢力に抗して下降して弁孔23を開き、低圧室26に貯留された作動油が弁孔23を通して高圧室27に移行する。そして、プランジャ22がカム76の動きに応じて上下動することにより、カム76のリフト力がプッシュロッド10を介してロッカアーム80に減衰して伝わり、バルブクリアランスが自動調整される。
ラッシュアジャスタ20の上記動作は低圧室26に供給される作動油の油圧に基づいてなされる。作動油は、シャフト油孔91、中継油孔88、アーム連絡油孔86、スクリュ連絡油孔79、通油孔13及び導油孔25を順次経て、低圧室26に供給され、さらに弁孔23を通して高圧室27に充填される。ここで、作動油は、スクリュ連絡油孔79から通油孔13に移行する際にアジャストスクリュ82の下端部と上側の摺動部11との間を潤滑し、油導入口14から通油孔13に導入される。そして、作動油は、通油孔13に圧送されるか、圧送されない場合は通油孔13を自重落下して、下側の摺動部12と頂部24の外周面との間を潤滑し、油導出口15から導油孔25に導入される。こうしてラッシュアジャスタ20の低圧室26及び高圧室27(油圧室)に作動油が満たされる。
プランジャ22の低圧室26に貯留された作動油は、プランジャ油孔32からボディ油孔33を経て凹部55内に入り込む。また、ラッシュアジャスタ20の動作過程で、高圧室27からボディ21の内周面とプランジャ22の外周面との間の隙間を通して凹部55に作動油が入り込むこともある。ここで、凹部55は当接領域53と下側の当接領域54とボディ21の外周面との間で実質的に密閉されたシール空間になっている。このため、凹部55内の作動油が外部に流出するのが防止され、ひいてはラッシュアジャスタ20の低圧室26及び高圧室27(油圧室)から作動油が流出するのが防止される。その結果、作動油が低圧室26の全体に貯留され、さらに導油孔25にも満たされた状態が維持される。また、凹部55内の作動油は、ボディ21の外周面と、当接領域53及び下側の当接領域54との間の隙間に進入し、ボディ21とタペットケース40との組付領域間のフリクションを低減するように作用する。
上記において、作動油の一部は、下側の摺動部12と頂部24の外周面との間を潤滑したあとタペットケース40の周面部43上に溜り、タペットケース40の受容空間45に貯留される。タペットケース40の受容空間45には、プッシュロッド10の外周面を伝わり落ちる作動油やラッシュアジャスタ20のエア抜き溝57を通して組付孔44側から上昇する作動油も貯留される。
図2に示すように、作動油は、タペットケース40の受容空間45において、油排出孔52の下端の高さ位置まで貯留される。ラッシュアジャスタ20がタペットケース40の組付孔44に正規深さで挿入された場合に、プランジャ22の頂部24と油排出孔52とはそれぞれほぼ同じ高さ位置に配置される。したがって、受容空間45には十分な量の作動油が貯留される。
また、作動油は、タペットケース40の受容空間45から油排出孔52を通してタペットケース40の上側の凹所49に移行し、さらに上側の凹所49から縦油路51を経て下側の凹所50に至る。そして、作動油は、油排出孔52からタペットケース40の外周面部41に沿って自重落下し、下面部42に回り込んでタペットケース40とカム76との間を潤滑することができる。
以上説明したように、本実施例1によれば、ラッシュアジャスタ20が組付孔44に嵌合挿入されることでタペットケース40に安定して保持される。本実施例1の場合、ラッシュアジャスタ20は、ボディ油孔33を有するボディ21と、頂部24、導油孔25及びプランジャ油孔32を有するプランジャ22とを備えた既存のものである。このため、専用のラッシュアジャスタ20を用意する必要がなく、汎用性に優れる。
作動油は、上方から導油孔25を通して低圧室26に導入される。シリンダブロック78等のエンジン部品側には、ラッシュアジャスタ20に作動油を供給するための給油構造を設けていないため、エンジン部品側の煩雑な設計変更を伴うことがなく、汎用性に富み、コストの上昇を抑えることができる。低圧室26に貯留された作動油は、プランジャ油孔32からボディ油孔33を経て凹部55に流入するが、当接領域53に封止されることで、上方(外部)に流出するのが規制される。したがって、既存のラッシュアジャスタ20を用いても、作動油が低圧室26から不用意に流出することがなく、低圧室26に十分な量の作動油を貯留させることができ、ラッシュアジャスタ20の動作を保証することができる。
さらに、タペットケース40が組付孔44の内周面で且つ当接領域53より下方にボディ21の外周面に対し周方向に沿って当接する下側の当接領域54を有し、組付孔44の内周面で且つ当接領域53と下側の当接領域54との間に、ボディ21の外周面から離間する方向に凹む凹部55を有しており、ラッシュアジャスタ20が組付孔44に挿入された状態で、ボディ油孔33が凹部55に連通して配置されるため、作動油がボディ油孔33から凹部55に流入しさらに凹部55からタペットケース40の組付孔44の内周面とボディ21の外周面との間に入り込み、両面間の潤滑性を確保することができる。このため、タペットケース40とラッシュアジャスタ20との間のフリクションを低減することができる。さらに、凹部55によってタペットケース40の軽量化を図ることができる。
そして、タペットケース40は、組付孔44にラッシュアジャスタ20が挿入された状態で、組付孔44より上方に、内面から外面にかけて貫通する油排出孔52を有している。このため、作動油がタペットケース40の受容空間45から油排出孔52を通して外部に排出されてカム76側に落下し、カム76とタペットケース40との間を潤滑することができる。また、タペットケース40は、外周面における上下に間隔をあけた位置に、カム76の回転に応じてシリンダブロック78のガイド孔77の内周面に摺接する摺接領域46、47を有し、外周面における上下夫々の摺接領域46、47の間に、ガイド孔77の内周面から離間する方向に凹む上側の凹所49を有し、油排出孔52が、凹所49の奥面における上端寄りの位置に開口している。これにより、上下夫々の摺接領域46、47によってタペットケース40がガイド孔77を傾くことなく安定して往復変位することができる。また、油排出孔52が凹所49の奥面における上端寄りの位置に開口しているから、タペットケース40内に十分な量の作動油を貯留することができる。さらに、凹所49によってタペットケース40のさらなる軽量化を図ることができる。
また、作動油がプッシュロッド10の油導入口14から通油孔13に導入され、さらに油導出口15から頂部24の導油孔25を経て低圧室26に至ることができる。このため、低圧室26に作動油を安定して供給することができる。この場合に、プッシュロッド10の径方向の肉厚が、通油孔13の形成分、減ぜられるものの、通油孔13はプッシュロッド10の軸中心部にプッシュロッド10の外周面と同心の円形断面で形成されているため、プッシュロッド10の所定の強度を確保することができる。
<他の実施例>
以下、他の実施例を簡単に説明する。
(1)ラッシュアジャスタは既存のものに若干の追加・変更を加えて構成されるものであってもよい。例えば、導油孔は、頂部に設けられず、プランジャにおけるプッシュロッドが摺動しない領域に設けられるものであってもよい。導油孔が頂部に設けられない場合、プッシュロッドは、通油孔を有さず、中実棒状に形成されるものであってもよい。
(2)ロッカアームは、一端部にアジャストスクリュを有さず、アーム本体がプッシュロッドの上端部に直接当接する構成であってもよい。
10…プッシュロッド
13…通油孔
14…油導入口
15…油導出口
20…ラッシュアジャスタ
21…ボディ
22…プランジャ
24…頂部
25…導油孔
32…プランジャ油孔
33…ボディ油孔
40…タペットケース
44…組付孔
46…上側の摺接領域
47…下側の摺接領域
49…上側の凹所
52…油排出孔
53…当接領域
55…凹部
76…カム
77…ガイド孔
78…シリンダブロック

Claims (5)

  1. 上端部から下端部にかけて延びるプッシュロッドと、
    前記下端部に当接して前記プッシュロッドを支持する頂部を有し且つ内側に油圧室を有している油圧式のラッシュアジャスタと、
    前記ラッシュアジャスタが上方から組み込まれ、下方に設置されたカムの回転に応じて往復変位するタペットケースと、を備え、
    前記ラッシュアジャスタは、ボディ油孔を有しているボディと、前記頂部、導油孔及びプランジャ油孔を有し、前記ボディに往復変位可能に挿入されるプランジャとを有し、前記導油孔が前記油圧室に作動油を導入可能に連通し、前記ボディ油孔が前記プランジャ油孔を介して前記油圧室に連通しており、
    前記タペットケースは、前記ラッシュアジャスタが嵌合状態で挿入される組付孔を有し、前記組付孔の内周面に、前記ボディの外周面に対し周方向に沿って当接する当接領域を有しており、
    前記ラッシュアジャスタが前記組付孔に挿入された状態で、前記導油孔が前記組付孔より上方に位置し且つ前記当接領域が前記ボディ油孔より上方に位置しているタペット構造。
  2. 前記タペットケースは、前記組付孔の内周面で且つ前記当接領域より下方に、前記ボディの外周面に対し周方向に沿って当接する下側の当接領域を有し、前記組付孔の内周面で且つ前記当接領域と前記下側の当接領域との間に、前記ボディの外周面から離間する方向に凹む凹部を有しており、
    前記ラッシュアジャスタが前記組付孔に挿入された状態で、前記ボディ油孔が前記凹部に連通して配置される請求項1に記載のタペット構造。
  3. 前記タペットケースは、前記ラッシュアジャスタが組み込まれた状態で、前記組付孔より上方に、内面から外面にかけて貫通する油排出孔を有している請求項1又は請求項2に記載のタペット構造。
  4. 前記タペットケースは、外周面における上下に間隔をあけた位置に、前記カムの回転に応じてガイド孔の内周面に摺接する摺接領域を有し、外周面における上下夫々の前記摺接領域の間に、前記ガイド孔の内周面から離間する方向に凹む凹所を有し、前記油排出孔が、前記凹所の奥面における上端寄りの位置に開口している請求項3に記載のタペット構造。
  5. 前記導油孔が前記頂部に設けられ、前記プッシュロッドは、軸方向に貫通する通油孔を有し、前記通油孔は、前記上端部に開口する油導入口と、前記下端部に開口して前記導油孔に連通可能な油導出口と、を有している請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のタペット構造。
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