JP2018178871A - ラッシュアジャスタ - Google Patents

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Abstract

【課題】温度変化に対して適切なリークダウン値を確保することが可能なラッシュアジャスタを提供する。【解決手段】ラッシュアジャスタ10は、筒状のボディ11と、ボディ11内に摺動可能に配置されるプランジャ12とを備える。ボディ11とプランジャ12との間には高圧室34が設けられ、プランジャ12内には低圧室20が設けられる。プランジャ12の外周側とボディ11の内周側との間には高圧室34に充填された作動油がリークするリーク通路が区画される。プランジャ12の外周側のリーク通路を区画する部分は、ボディ11の内周側のリーク通路を区画する部分よりも線膨張係数の大きい材質で構成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、ラッシュアジャスタに関する。
特許文献1には、内燃機関の動弁機構に設けられ、バルブクリアランスを自動的に調整する油圧式のラッシュアジャスタが開示されている。このラッシュアジャスタは、筒状のアジャスタボディと、アジャスタボディ内に摺動可能に配置される筒状のプランジャとを備えている。アジャスタボディとプランジャとの間には油圧室が設けられ、プランジャ内にはリザーバ室が設けられている。プランジャの下端部には、リザーバ室と油圧室とを連通する連通口が設けられている。また、油圧室には、プランジャを上方に付勢するプランジャスプリングと、連通口を開閉するためのチェックボールとが設けられている。プランジャの上端部は、半円球状をなし、ロッカアームと当接するように構成される。ロッカアームは、プランジャの上端部と当接する側とは反対側の部分でバルブの上端部に当接している。
上記において、アジャスタボディの内周面とプランジャの外周面との間には径方向のクリアランスを有するリーク通路が区画されており、ロッカアームからの力がプランジャに継続的に加わると、油圧室に充填された作動油がリーク通路を通って流出し、プランジャが下がる、つまりリークダウンが生じるようになっている。
特開2014−9644号公報
ところで、内燃機関の排気ポートには、排気中に含まれる炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)、窒化酸化物(NOx)を浄化する三元触媒が設けられ、エンジン始動時に、三元触媒を早期に活性化させるため、急速暖機制御を行うことが多い。こうした暖機制御が行われると、バルブは多少なりとも熱影響で伸び上がるように変形することになる。しかし、エンジン始動時には、バルブの伸び上がりに応じてラッシュアジャスタ側が追従変形し難く、低温状況下で粘性の高い作動油がリーク通路を円滑に通過することができないことがある。そうすると、プランジャの沈み込みが阻止され、バルブの閉じ渋りが生じるという問題がある。
これに対し、リーク通路の路幅(クリアランス)をあらかじめ大きく確保しておくことにより、バルブの伸び上がりに応じてプランジャが沈み込み、エンジン始動時における閉じ渋りの問題を解消することが可能となる。しかし、エンジン運転継続によって高温状態になると、作動油の粘性が低下するため、プランジャの沈み込み量(リークダウン値)が大きくなり過ぎるという事情がある。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、温度変化に対して適切なリークダウン値を確保することが可能なラッシュアジャスタを提供することを目的とする。
本発明は、筒状のボディと、前記ボディ内に摺動可能に配置される筒状のプランジャとを備え、前記ボディと前記プランジャとの間には高圧室が設けられ、前記プランジャ内には低圧室が設けられ、前記プランジャの底部には前記高圧室と前記低圧室とを連通する弁孔が設けられ、前記プランジャの外周側と前記ボディの内周側との間には前記高圧室に充填された作動油がリークするリーク通路が区画されるラッシュアジャスタであって、前記プランジャの外周側の前記リーク通路を区画する部分は、前記ボディの内周側の前記リーク通路を区画する部分よりも線膨張係数の大きい材質で構成されているところに特徴を有する。
上記構成によれば、プランジャの外周側のリーク通路を区画する部分がボディの内周側のリーク通路を区画する部分に対して温度変化に対する変形量が大きくなり、温度上昇に従ってリーク通路が次第に縮幅(縮径)される。その結果、作動油の粘性が温度上昇に起因して低下しても、リーク通路を流れる作動油の単位時間あたりの通過流量を一定に維持することができ、温度が変化しても所定のリークダウン値を確保することができる。
本発明の実施例1のラッシュアジャスタの断面図である。 ラッシュアジャスタを含む動弁装置の概略図である。 線膨張係数が異なる材質の特性を示すグラフである。 温度上昇によってリーク通路が変化する組み合わせ態様を示すグラフである。 温度上昇によってリークダウン時間の割合が変化する組み合わせ態様を示すグラフである。 本発明の実施例2のラッシュアジャスタの要部を拡大した断面図である。 本発明の実施例3のラッシュアジャスタの要部を拡大した断面図である。 本発明の実施例4のラッシュアジャスタの要部を拡大した断面図である。
本発明の好ましい形態を以下に示す。
前記プランジャの頂部には荷重を受ける支承部が設けられ、前記プランジャの外周側の前記リーク通路を区画する部分が前記支承部とは異なる材質で構成されているとよい。これによれば、高い強度が必要とされる支承部の材質を、プランジャの外周側のリーク通路を区画する部分の材質に依らずに選択することができ、材料選択の幅を広げることができる。その結果、支承部の強度を確保することできる。
前記プランジャの底部は前記高圧室に設けられる部材と当接可能とされ、前記プランジャの外周側の前記リーク通路を区画する部分が前記底部とは異なる材質で構成されているとよい。これによれば、高い強度が必要とされる底部の材質を、プランジャの外周側のリーク通路を区画する部分の材質に依らずに選択することができ、材料選択の幅を広げることができる。その結果、底部の強度を確保することができる。
前記プランジャの外周側の前記リーク通路を区画する部分が、前記プランジャとは別体の部材で構成されているとよい。これによれば、プランジャを従来と同じ材質で構成することができるとともに、プランジャの形状を大きく変更させずに済む。
<実施例1>
本発明の実施例1を図1〜図5に基づいて説明する。本実施例1のラッシュアジャスタ10は、自動車の内燃機関(エンジン)の動弁装置に設けられる。
図2に示すように、動弁装置は、シリンダヘッド90の吸気又は排気ポート91を開閉するバルブ80と、バルブ80を動作させるためのカム70と、カム70の動きをバルブ80に伝達するロッカアーム60とを備えている。ラッシュアジャスタ10は、シリンダヘッド90の取付孔94に内嵌され、バルブクリアランス(カム70とロッカアーム60との間のクリアランス)を油圧で自動調整する役割をはたす。
バルブ80は、バルブステム81を有し、バルブステム81は、シリンダヘッド90のバルブガイド92に摺動可能に挿通される。バルブ80の下端部は、吸気又は排気ポート91に臨む円盤状のバルブ本体82とされている。バルブステム81の周囲にはバルブスプリング85が設けられている。バルブ80は、バルブスプリング85によってバルブ本体82が吸気又は排気ポート91を閉じる方向に付勢されている。
ロッカアーム60は、一端部がラッシュアジャスタ10の後述する支承部24に支持され、他端部がバルブステム81の上端部に当接して配置され、一端部と他端部との間に、上方に設置されたカム70と接触するローラ61が回転可能に設けられている。
図1に示すように、ラッシュアジャスタ10は、円筒状のボディ11と、ボディ11内に上下方向(軸方向)に摺動可能に配置される円筒状のプランジャ12とを備えている。ボディ11は、円板状の底壁13と、底壁13の外周から立ち上がる周壁14とから一体に形成され、上面が開放されている。
周壁14の上端部寄りの位置には、周壁14の内周面から外周面にかけて径方向に貫通するボディ側油孔15が設けられている。ボディ側油孔15は、内側が周壁14の内周面に全周にわたって凹設された内周凹部16に開口し、外側が周壁14の外周面に全周にわたって凹設された外周凹部17に開口している。ボディ11の上端部には、プランジャ12の脱落を規制する別体のリング50が取り付けられている。
プランジャ12は、円板状の底部(後述する第3部材18)と、底部の外周から立ち上がる周部19とからなる。プランジャ12の内部は、低圧室20とされ、作動油の貯留空間として構成される。周部19の下部は、周部19の上部及び底部と異なる材質で構成される。このため、周部19の下部、周部19の上部及び底部は、それぞれ分割可能な別々の部材で構成される。なお、以下の説明においては、周部19の下部を第1部材21、周部19の上部を第2部材22、底部を第3部材18と称する。
第2部材22は、下面が開放された円筒状に形成されている。第2部材22の下端部の厚み方向途中には、第2段差部23が全周にわたって設けられている。第2部材22の下端部は、第2段差部23を介することで厚み方向外側の部分が内側の部分より一段落ちた段付き状の形態になっている。
第2部材22の上部は、半球状に窄まる形態の支承部24とされている。支承部24は、ロッカアーム60の一端部と摺動可能に当接し、ロッカアーム60の揺動支点を構成する。支承部24の中央(径方向中心部)には、頂上孔25が軸方向に貫通して設けられている。
第2部材22における支承部24の下方位置には、周部19の内周面から外周面にかけて径方向に貫通するプランジャ側油孔26が設けられている。プランジャ側油孔26は、外側が周部19の外周面に全周にわたって凹設された周回凹部27に開口している。
第1部材21は、上下両面が開放された円筒状に形成されている。第1部材21の上下端部の厚み方向途中には、それぞれ、第1段差部28U、28Lが全周にわたって設けられている。第1部材21の上下端部は、第1段差部28U、28Lを介することで厚み方向外側の部分が内側の部分より一段落ちた段付き状の形態になっている。
第1部材21の外径は、第2部材22及び第3部材18の外径よりも少し大きく、ボディ11の周壁14の下部(ボディ11の内周凹部16より下側の部分)の内径より僅かに小さくされている。プランジャ12がボディ11に挿入された状態では、第1部材21の外周面と、周壁14の下部の内周面との間に、径方向の隙間が区画され、この隙間によってリーク通路29が構成される。リーク通路29は、周部19の周方向の全周にわたって延出するとともに、上下方向に細長く延出し、下端が後述する高圧室34に開口し、上端が周回凹部27及び内周凹部16に開口する形態になっている。
第3部材18は、実質的にプランジャ12の底部となる円板部分のみで構成される。第3部材18の外周部は、上方へ向けて少しだけ突出し、その上端部の厚み方向途中に、第3段差部31が全周にわたって設けられている。第3部材18の外周部の上端部は、第3段差部31を介することで厚み方向外側の部分が内側の部分より一段落ちた段付き状の形態になっている。
第3部材18の中央(径方向中止部)には、弁孔32が軸方向に貫通して設けられている。弁孔32は、頂上孔25と同軸上の位置に配置されている。また、第3部材18の下面外周部には、円環リブ状の突条部33が全周にわたって下向きに張り出すように設けられている。
組み付けに際し、第1部材21の上端部と第2部材22の下端部とは、上側の第1段差部28Uと第2段差部23とを介して互いに凹凸嵌合され、これによって、第1部材21と第2部材22とが周方向に位置決め保持される。また、第1部材21の下端部と第3部材18の外周部の上端部とは、下側の第1段差部28Lと第3段差部31とを介して互いに凹凸嵌合され、これによって第1部材21と第3部材18とが周方向に位置決め保持される。ラッシュアジャスタ10が動弁装置に設置されると、第1部材21、第2部材22及び第3部材18は、シリンダヘッド90とカム70との間に軸方向(上下方向)に挟持され、軸方向に位置決めされた状態になる。
ボディ11とプランジャ12との間において、第3部材18で区画されるボディ11の内部は、高圧室34とされ、ここに作動油が充填される。高圧室34には、プランジャ12を上方に付勢する圧縮コイルばねからなる付勢部材35と、弁孔32を開閉する球形の弁体36と、弁体36を上方(弁孔32を閉じる方向)に付勢する圧縮コイルばねからなるばね材49と、弁体36を収容する籠状のリテーナ37とが、それぞれ設けられている。
付勢部材35は、下端部がボディ11の底壁13に当接し、上端部がリテーナ37の上端部に張り出し形成されたフランジ部38に当接している。ばね材49は、下端部がリテーナ37の底面部に当接し、上端部が弁体36に当接している。また、リテーナ37のフランジ部38は、第3部材18の突条部33の内側に嵌合保持される。弁体36は、高圧室34と低圧室20との圧力差を解消するように、ばね材49の付勢力に抗して下降して弁孔32から離間する開弁位置と、ばね材49の付勢力及び油圧により上昇して弁孔32を閉塞する閉弁位置とに、上下方向に移動可能とされている。第3部材18の下面は、弁体36が衝突し、且つリテーナ37が嵌合状態で当接する当接領域39として構成される。
ラッシュアジャスタ10を受ける取付孔94は、シリンダヘッド90の送油路97(オイルギャラリー)に連通している。送油路97を流れる作動油は、取付孔94からボディ側油孔15及びプランジャ側油孔26を経て低圧室20に流入し、さらに弁孔32を通して高圧室34に流入する。この場合に、取付孔94内でラッシュアジャスタ10が軸周りに回転し、送油路97の開口とボディ側油孔15とが周方向に位置ずれしても、作動油は外周凹部17を介して送油路97からボディ側油孔15へと流れることができる。また、ボディ11内でプランジャ12が軸周りに回転し、ボディ側油孔15とプランジャ側油孔26とが周方向に位置ずれしても、作動油は内周凹部16及び周回凹部27を介してボディ側油孔15からプランジャ側油孔26へと流れることができる。
次に、ラッシュアジャスタ10の基本動作について説明する。カム70が回転し、カム70のノーズ部71がローラ61から退避する方向に変位し、バルブ80が閉弁される際には、プランジャ12に付勢部材35からロッカアーム60側に進出する方向の力が作用し、支承部24がロッカアーム60の一端部と当接した状態を維持し、且つ、ロッカアーム60がカム70に押し付けられる。また、プランジャ12がロッカアーム60側に進出すると、高圧室34の容積が拡大されるが、弁体36が開弁位置に変位することで、低圧室20の作動油が高圧室34に流入する。これにより、高圧室34と低圧室20との圧力均衡が維持され、弁体36が再び閉弁位置に戻って弁孔32が閉塞される。
さらにカム70が回転し、カム70のノーズ部71がローラ61を押圧し、バルブ80が開弁される際には、支承部24がロッカアーム60の一端部に押圧され、プランジャ12に、ボディ11に沈み込む方向への力が作用する。このとき、弁孔32が弁体36で閉塞されていることから、プランジャ12の沈み込みは規制されるものの、高圧室34が圧縮方向の力を受け、作動油が高圧室34からリーク通路29を伝って流出する。これにより、高圧室34の容積が減少し、プランジャ12が沈み込んで(リークダウン)、ラッシュアジャスタ10の全長が短縮させられる。その状態で、ボディ11とプランジャ12とが剛体化し、ロッカアーム60がラッシュアジャスタ10に安定して支持される。なお、作動油は、リーク通路29からボディ側油孔15を通して外部に漏れ出る部分と、リーク通路29からプランジャ側油孔26を通して低圧室20に戻る部分と、さらに低圧室20から頂上孔25を通して外部に漏れ出てロッカアーム60の一端部を潤滑する部分とに、分流される。
さて、本実施例1の場合、触媒の急速暖機制御を行うことに起因してバルブステム81の伸び上がりが生じるが、これに対して、ラッシュアジャスタ10が追従できるように、リーク通路29の路幅(径方向の開口幅)が可変となるように構成されている。具体的には、エンジン始動時の低温状況下においては、バルブステム81の伸び上がりに対応できるように、リーク通路29の路幅(径方向の開口幅)が相対的に大きくなり、一方、エンジン運転継続時の高温状況下においては、作動油の粘性低下に対応できるように、リーク通路29の路幅が相対的に小さくなるように構成される。このようにリーク通路29の路幅が変更可能となるように、リーク通路29を区画する第1部材21は、同じくリーク通路29を区画するボディ11の周壁14の下部に対して線膨張係数の大きい材質で構成される。ボディ11の周壁14の下部はボディ11の他の部分に一体化されているから、要は、第1部材21がボディ11よりも線膨張係数の大きい材質で構成されることになる。
ボディ11は、鉄材、例えば、SCM15などの鉄鋼材、又は窒化ケイ素などのセラミックス材で形成される。プランジャ12の第2部材22及び第3部材18は、ボディ11と同一材質で構成される。
一方、第1部材21は、アルミ材、例えば、A5052などのアルミニウム合金材で形成される。図3のグラフに示すように、A5052は、窒化ケイ素などに対して、線膨張率(熱膨張率)が大きく、温度上昇に対応してプランジャ12の直径が変化する割合が大きいのである。
もっとも、第1部材21とボディ11とは、温度上昇に応じてリーク通路29が作動油を通過させるのに適当な路幅に変更される材質で構成されていればよく、上記に限定されるわけではない。
図4は、プランジャ12側(本実施例1の場合は第1部材21に相当する部分)及びボディ11側の材質の組み合わせとリーク通路29の路幅(図4においては「クリアランス」と表記)との関係を示すグラフである。これによれば、プランジャ12側がA5052からなり、ボディ11側がSCM15からなるもの(実施態様1)が、他のものと比べ、温度上昇に対応するリーク通路29の路幅の減少率(減少割合)が大きいことが分かる。実施態様1によってラッシュアジャスタ10が構成されると、エンジン始動時の低温状況下ではリーク通路29の路幅を大きくしてバルブ80の伸び上がりに対応することができ、エンジン運転継続時の高温状況下ではリーク通路29の路幅を小さくして作動油の粘性低下に対応することができ、好ましい。
もっとも、プランジャ12側がS15などの鉄鋼材からなり、ボディ11側が窒化ケイ素からなるもの(実施態様2)やプランジャ12側がSUS304などのステンレス鋼材からなり、ボディ11側が窒化ケイ素からなるもの(実施態様3)も、リーク通路29の路幅の減少率が比較的大きくされ、有効である。これら材質の組み合わせは、原料コストなどを考慮して適宜選択されるとよい。
図5は、実際に温度変化に対してプランジャ12の沈み込みが適正になされるかを検証した結果を示す。縦軸のリークダウン時間の比率は、従来品(プランジャ12側がS15からなり、ボディ11側がSCM15からなるもの)の−30℃におけるリークダウン時間(プランジャが荷重を受けて所定長さ沈むのに要する時間であって、従来品の場合は15.2sec/mm)を、100としたときの実施態様1〜3の比較値をあらわす。図5によれば、実施態様1〜3は、いずれも温度上昇してもリークダウン時間の比率がほぼ一定に保たれており、つまり、プランジャ12の沈み込みが温度上昇に関わらず所定のリークダウン値に維持されていることが分かる。
以上のように、プランジャ12側がボディ11側よりも線膨張係数の大きい材質で構成されていることにより、リーク通路29の路幅が温度上昇に応じて可変となり、リークダウン値がほぼ一定に維持されるため、ラッシュアジャスタ10のバルブクリアランス調整機能が適正に発揮され、ひいてはバルブ80の開閉動作が適正になされる。
特に、本実施例1の場合、プランジャ12がリーク通路29を区画する第1部材21と支承部24を有する第2部材22とを有し、第1部材21と第2部材22とが互いに異なる材質で構成されるため、ロッカアーム60から荷重を受けて摺動領域となる第2部材22を、第1部材21に依存させることなく、鉄材などの第1部材21よりも高い強度の材質にすることができる。
また、プランジャ12がリーク通路29を区画する第1部材21と当接領域39を有する第3部材18とを有し、第1部材21と第3部材18とが互いに異なる材質で構成されるため、高圧室34に設けられた弁体36及びリテーナ37と当接する第3部材18を、第1部材21に依存させることなく、鉄材などの第1部材21よりも高い強度の材質にすることができる。
<実施例2>
図6は、本発明の実施例2を示す。実施例2は、実施例1における第3部材18が第1部材21Aに一体的に統一され、第3部材18に相当する部分も第1部材21Aに対応した線膨張係数の大きい材質で構成される。
第1部材21Aは、底部18Aと、底部18Aの外周から立ち上がる下側周部19Aとから一体に形成され、下側周部19Aの上端部に第1段差部28UAを有して段付き状の形態になっている。第2部材22は、実施例1と同様の形態であり、第1段差部28UA及び第2段差部23を介して、第1部材21Aに凹凸嵌合して連結される。第1部材21Aとボディ11の材質は、実施例1と同様であり、実施態様1〜3に対応する。
これによれば、実施例1と同様、支承部24を有する第2部材22の強度を確保することができる。また、部品点数を実施例1よりも減少させることができ、部品管理の煩雑さを軽減することができる。
<実施例3>
図7は、本発明の実施例3を示す。実施例3は、プランジャ12Bの周部19Bの外周面と、ボディ11の周壁14の内周面との間に、プランジャ12B及びボディ11とは別体の介装部材40が設けられており、この点で、実施例1、2とは異なる。
プランジャ12Bは、底部18Bと、底部18Bの外周から立ち上がり、上端部が窄まる形態の周部19Bとから一体に形成され、実施例1と違って、第1部材21、第2部材22及び第3部材18の区別なく構成される。周部19Bの下部の外周面には、介装部材40が装着される浅溝状の嵌着溝41が全周にわたって設けられている。
介装部材40は、プランジャ12Bの嵌着溝41に嵌着される薄肉の円筒状をなし、プランジャ12Bと一体に動作するように構成される。具体的には、介装部材40は、上下方向の全長にわたって一定径で延出して上下両面が開放された形態とされ、組み付け時にリーク通路29Bを隔ててボディ11の周壁14の内周面と対向し、プランジャ12Bの外周側のリーク通路29Bを区画する部分となる。
ボディ11は、実施例1と同様の形態であり、介装部材40の外周面とほぼ平行に対向してリーク通路29Bを区画する内周面を有する。ボディ11とプランジャ12Bとは、互いに同一の材質で構成され、鉄材、例えば、SCM15や窒化ケイ素などの線膨張係数の小さい材質で構成される。一方、介装部材40は、全体が実施例1の第1部材21と同様の材質で構成され、アルミ材、例えば、A5052などの線膨張係数の大きい材質で構成される。端的には、介装部材40は、プランジャ12B側の部材としてボディ11との間に実施態様1〜3の関係を構築する。
実施例3によれば、プランジャ12Bの外周側のリーク通路29Bを区画する部分がプランジャ12Bとは別体の介装部材40として構成されるため、プランジャ12Bを従来と同じ材質で構成することができるとともに、プランジャ12Bの形状を大きく変更させずに済み、構成の簡素化を図ることができる。
<実施例4>
図8は、本発明の実施例4を示す。実施例4は、実施例3と同様、プランジャ12Cの周部19Cの外周面と、ボディ11の周壁14の内周面との間に、プランジャ12C及びボディ11とは別体の介装部材40Cが設けられている。プランジャ12C及びボディ11は、実施例3と同様の形態である。
介装部材40Cは、実施例3と違って、リテーナ37Cと一体化されている。具体的には、介装部材40Cは、リテーナ37Cの上端部に張り出して設けられたフランジ部38Cが底部18Cの突条部33Cに沿ってU字形に屈曲され、その屈曲先端部から立ち上がる形態の介装本体部45を有している。介装本体部45は、実施例3の介装部材40と同様、薄肉の円筒状をなし、プランジャ12Cの嵌着溝41Cに装着される。このため、介装本体部45はプランジャ12Cの外周側のリーク通路29Cを区画する部分となり、介装部材40Cはプランジャ12Cと一体に動作する。また、介装部材40Cがプランジャ12C側の部材としてボディ11との間に実施態様1〜3の関係を構築する点も、実施例3と同様である。
実施例4によれば、介装部材40Cがリテーナ37Cと一体になっているため、従来のラッシュアジャスタ10に対して部品点数の増加を招くことがなく、部品管理の煩わしさが解消される。
<他の実施例>
以下、他の実施例を簡単に説明する。
(1)実施例1においては、第2部材と第3部材とを互いに異なる材質のものとしてもよい。
(2)実施例1においては、第2部材が第1部材に一体的に統一され、第2部材に相当する部分も第1部材に対応した線膨張係数の大きい材質で構成されるものであってもよい。
(3)実施例1においては、第1部材、第2部材及び第3部材が溶接などして連結されるものであってもよい。同様に、実施例2においては、第1部材及び第2部材が溶接などして連結されるものであってもよい。
(4)実施例1、2のプランジャのように、ボディも分割可能な複数の部材で構成されるものであってもよい。
(5)プランジャが全体として一体に設けられ、プランジャの外周面とボディの内周面との間にリーク通路が区画されるものであってもよい。この場合に、プランジャの全体がボディよりも線膨張係数の大きい材質で構成されていればよい。
(6)本発明は、温度上昇に応じてリーク通路の路幅を小さくする必要がある場合に好適に適用され、必ずしも、触媒の急速暖機制御を行う場合のみに適用されるわけではない。
10…ラッシュアジャスタ
11…ボディ
12、12A、12B、12C…プランジャ
20…低圧室
24…支承部
29、29B、29C…リーク通路
32…弁孔
34…高圧室
40、40C…介装部材(別体の部材)
80…バルブ

Claims (4)

  1. 筒状のボディと、前記ボディ内に摺動可能に配置される筒状のプランジャとを備え、前記ボディと前記プランジャとの間には高圧室が設けられ、前記プランジャ内には低圧室が設けられ、前記プランジャの底部には前記高圧室と前記低圧室とを連通する弁孔が設けられ、前記プランジャの外周側と前記ボディの内周側との間には前記高圧室に充填された作動油がリークするリーク通路が区画されるラッシュアジャスタであって、
    前記プランジャの外周側の前記リーク通路を区画する部分は、前記ボディの内周側の前記リーク通路を区画する部分よりも線膨張係数の大きい材質で構成されていることを特徴とするラッシュアジャスタ。
  2. 前記プランジャの頂部には荷重を受ける支承部が設けられ、前記プランジャの外周側の前記リーク通路を区画する部分が前記支承部とは異なる材質で構成されている請求項1記載のラッシュアジャスタ。
  3. 前記プランジャの底部は前記高圧室に設けられる部材と当接可能とされ、前記プランジャの外周側の前記リーク通路を区画する部分が前記底部とは異なる材質で構成されている請求項1又は2記載のラッシュアジャスタ。
  4. 前記プランジャの外周側の前記リーク通路を区画する部分が、前記プランジャとは別体の部材で構成されている請求項1記載のラッシュアジャスタ。
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