JP6633264B1 - スクロール部品、その製造方法及びスクロール圧縮機 - Google Patents

スクロール部品、その製造方法及びスクロール圧縮機 Download PDF

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Abstract

アルミニウム合金からなる固定スクロールとアルミニウム合金からなる揺動スクロールとを備えるスクロール部品であって、前記固定スクロール及び前記揺動スクロールの少なくとも一方は、その摺動面に形成され且つリン酸亜鉛粒子を含むリン酸亜鉛層と、前記リン酸亜鉛層の表面に形成され且つバインダー及び鱗片状固体潤滑剤粒子を含む固体潤滑層とを備え、前記リン酸亜鉛層と前記固体潤滑層との界面において、前記リン酸亜鉛粒子と前記鱗片状固体潤滑剤粒子とが交錯して存在することを特徴とするスクロール部品である。

Description

本発明は、空調機等のスクロール圧縮機に使用されるスクロール部品、その製造方法及びスクロール圧縮機に関する。
スクロール流体機械の1つであるスクロール圧縮機は、他の形態の圧縮機に比べて、高効率、高信頼性、静音などの優位性を備えている。そのため、スクロール圧縮機は、冷凍機器、空調機器等の様々な分野で広く利用されている。このようなスクロール圧縮機は、フレームに固定された固定スクロールと、この固定スクロールに対向配置された揺動スクロールとを備えている。スクロール圧縮機は、スクロールの回転運動で冷媒ガスを圧縮する方式であり、スクロールの回転数を上げることで高出力化が可能となる。しかしながら、回転数を上げることで、スクロールに印加される遠心力が増大し、機械的な変形が生じる等の問題が発生する。そのため、スクロールの軽量化策として、材質を鋳鉄から比重の軽いアルミニウム合金に変更する検討が盛んに行われている。しかし、アルミニウム合金は、融点が低く且つ表面硬度も低いことから、運転動作時に摺動面の焼き付きが発生してしまう。そのため、アルミニウム合金製のスクロールにおいては、摺動性の向上(焼き付き防止)が課題となっている。
そこで、特許文献1では、アルミニウム合金製基材の少なくとも一面に、樹脂粉末と固体潤滑剤粉末とを含む摺動層が形成された摺動部材において、摺動層の基材側における固体潤滑剤粉末の体積割合を反基材側よりも低くすることで、耐焼き付き性及び耐摩耗性を向上させることが開示されている。
特開2005−337129号公報
しかしながら、特許文献1で開示される摺動部材では、アルミニウム合金製基材と摺動層との密着力が弱く、圧縮機運転時の摩擦により、摺動層が剥がれるという課題があった。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、アルミニウム合金からなるスクロールの摺動面に摺動性及び密着性に優れる層が形成されたスクロール部品及びその製造方法を提供することを目的とする。また、本発明は、圧縮機運転時のアルミニウム合金からなるスクロールの摺動面の焼き付きを防止することのできるスクロール圧縮機を提供することを目的とする。
アルミニウム合金は、一般的な摺動部品に使用される鉄系金属と比較して、融点が低く且つ硬度が低いため、摺動時の摩擦熱により、摺動面が焼き付き易い傾向がある。そのため、焼き付きを防止するためには、アルミニウム合金の表面に、潤滑性の高い材料を用いて層を形成することが必要である。また、アルミニウム合金の表面に形成される層には、部材同士の摺動時に多大な応力が印加される。そのため、潤滑性の高い材料を用いて形成した層とアルミニウム合金との界面は、摺動時に剥がれが生じない程度に強固な密着性を有することが求められる。
そこで、本発明者らは、上記の問題を解決すべく鋭意研究した結果、(1)アルミニウム合金の表面に、リン酸亜鉛粒子を含むリン酸亜鉛層を形成し、リン酸亜鉛層の上に、バインダー及び鱗片状固体潤滑剤粒子を含む固体潤滑層を形成することで、アルミニウム合金の表面の摺動性が向上すること、及び(2)リン酸亜鉛層と固体潤滑層との界面において、リン酸亜鉛粒子と鱗片状固体潤滑剤粒子とが交錯して存在することで、アンカー効果が働き、固体潤滑層の密着性が向上すること、を見出し本発明に至った。
すなわち、本発明は、アルミニウム合金からなる固定スクロールとアルミニウム合金からなる揺動スクロールとを備えるスクロール部品であって、前記固定スクロール及び前記揺動スクロールの少なくとも一方は、その摺動面に形成され且つリン酸亜鉛粒子を含むリン酸亜鉛層と、前記リン酸亜鉛層の表面に形成され且つバインダー及び鱗片状固体潤滑剤粒子を含む固体潤滑層とを備え、前記リン酸亜鉛層と前記固体潤滑層との界面において、前記リン酸亜鉛粒子と前記鱗片状固体潤滑剤粒子とが交錯して存在することを特徴とするスクロール部品である。
また、本発明は、密閉容器と、前記密閉容器に収容され、前記密閉容器内に流入する流体を圧縮する圧縮機構部と、回転力を発生する電動機と、前記電動機により発生する回転力を前記圧縮機構部に伝える駆動軸とを備えるスクロール圧縮機において、前記圧縮機構部が、前記スクロール部品を含むことを特徴とするスクロール圧縮機である。
さらに、本発明は、アルミニウム合金からなる固定スクロールとアルミニウム合金からなる揺動スクロールとを備えるスクロール部品の製造方法であって、前記固定スクロール及び前記揺動スクロールの少なくとも一方の摺動面を、リン酸亜鉛処理液に浸漬し、前記摺動面に、リン酸亜鉛粒子を含むリン酸亜鉛層を形成する工程と、前記リン酸亜鉛層の表面に、バインダー、鱗片状固体潤滑剤粒子及び溶媒を含む固体潤滑剤ペーストを塗布する工程と、前記溶媒が蒸発する温度に加熱し、前記溶媒を除去する工程と、前記バインダーが硬化する温度に加熱し、前記リン酸亜鉛層の表面に固体潤滑層を形成する工程とを含むことを特徴とするスクロール部品の製造方法である。
本発明によれば、アルミニウム合金からなるスクロールの摺動面に摺動性及び密着性に優れる層が形成されたスクロール部品を提供することができる。また、本発明によれば、圧縮機運転時のアルミニウム合金からなるスクロールの摺動面の焼き付きを防止することのできるスクロール圧縮機を提供することができる。さらに、本発明によれば、アルミニウム合金からなるスクロールの摺動面に摺動性及び密着性に優れる層が形成されたスクロール部品を高い生産性で製造する方法を提供することができる。
実施の形態1に係るスクロール部品を構成する揺動スクロール及び固定スクロールの断面模式図である。 実施の形態1に係るスクロール部品の摺動面の断面模式図である。 実施の形態1に係るスクロール部品の摺動面に形成されたリン酸亜鉛層と固体潤滑層との界面近傍の断面模式図である。 実施の形態1に係るスクロール部品の摺動面に形成されたリン酸亜鉛層と固体潤滑層との界面近傍の断面模式図である。 実施の形態1に係るスクロール部品を構成する固定スクロール及び揺動スクロールの両方の摺動面にリン酸亜鉛層及び固体潤滑層が形成された状態を示す断面模式図である。 実施の形態1に係るスクロール部品を構成する一方のスクロールの摺動面にリン酸亜鉛層及び固体潤滑層が形成された状態を示す断面模式図である。 実施の形態2に係るスクロール圧縮機の断面模式図である。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係るスクロール部品を構成する揺動スクロール及び固定スクロールの断面模式図である。図1において、スクロール部品1は、揺動スクロール2と固定スクロール3とを備える。スクロール部品1は、揺動スクロール2及び固定スクロール3が互いに擦れ合う摺動面1aを有している。図2は、実施の形態1に係るスクロール部品の摺動面の断面模式図である。図3は、実施の形態1に係るスクロール部品の摺動面に形成されたリン酸亜鉛層と固体潤滑層との界面近傍の断面模式図である(以下、リン酸亜鉛層及び固体潤滑層を併せてコーティング層と呼ぶことがある)。図2に示されるように、スクロールを構成するアルミニウム合金5の表面に、リン酸亜鉛層6が形成されており、リン酸亜鉛層6の表面に、バインダー及び鱗片状固体潤滑剤粒子を含む固体潤滑層7が形成されている。このように、摺動性に優れる固体潤滑層7を摺動面1aに配置することで、アルミニウム合金5の表面の摺動性を向上させることができる。また、図3に示されるように、リン酸亜鉛層6と固体潤滑層7との界面において、リン酸亜鉛粒子10と鱗片状固体潤滑剤粒子11とが交錯して存在することで、アンカー効果が発生し、アルミニウム合金5に対するコーティング層の密着性を向上させることができる。
本実施の形態のスクロール部品1におけるリン酸亜鉛層6は、リン酸亜鉛粒子10が互いに固着して構成される。リン酸亜鉛粒子10の形状は、特に限定されないが、鱗片状であることが好ましい。リン酸亜鉛層6の表面が平滑であると、リン酸亜鉛層6と固体潤滑層7との界面において、リン酸亜鉛粒子10と鱗片状固体潤滑剤粒子11とが交錯し難くなり、アンカー効果が十分に得られない場合がある。よって、リン酸亜鉛層6と固体潤滑層7との密着性を向上させる観点から、リン酸亜鉛層6の表面からリン酸亜鉛粒子10が突き出た状態となっていることが好ましい。また、リン酸亜鉛層6は、緻密であってもポーラスであっても同様の密着性が得られる。リン酸亜鉛層6を構成するリン酸亜鉛粒子10の長径は、特に限定されないが、好ましくは2μm以上15μm以下であり、より好ましくは3μm以上10μm以下である。リン酸亜鉛粒子10の長径が2μm未満であると、リン酸亜鉛層6の表面からのリン酸亜鉛粒子10の突き出しが小さく、上述のアンカー効果が得られ難くなる。一方、リン酸亜鉛粒子10の長径が15μmを超えると、リン酸亜鉛層6の強度が低下し、固体潤滑層7との密着性が低下する場合がある。リン酸亜鉛層6の厚さは、特に限定されないが、好ましくは2μm以上10μm以下であり、より好ましくは3μm以上6μm以下である。リン酸亜鉛層6の厚さが2μm未満であると、厚さのバラツキが生じた際に、アルミニウム合金5の表面全体を被覆することが困難となり、アルミニウム合金5の表面が露出する場合がある。一方、リン酸亜鉛層6の厚さが10μmを超えると、リン酸亜鉛層6の内部に掛かるせん断力により、剥がれが生じる場合がある。
本実施の形態のスクロール部品1における固体潤滑層7は、鱗片状固体潤滑剤粒子11と、バインダー12とを主成分としている。鱗片状固体潤滑剤粒子11は、バインダー12中に分散されると共にバインダー12によって固定されている。鱗片状固体潤滑剤粒子11は、固体潤滑層7に対して、20体積%以上70体積%以下で含まれることが好ましく、30体積%以上60体積%以下で含まれることがより好ましい。鱗片状固体潤滑剤粒子11の量が20体積%未満であると、固体潤滑層7の表面に露出する鱗片状固体潤滑剤粒子11の量が少なくなるため、十分な摺動性が得られない場合がある。一方、鱗片状固体潤滑剤粒子11の量が70体積%を超えると、固体潤滑層7が脆くなり、固体潤滑層7の耐久性が低下する場合がある。固体潤滑層7の厚さは、特に限定されないが、好ましくは5μm以上60μm以下であり、より好ましくは10μm以上40μm以下である。固体潤滑層7の厚さが5μm未満であると、厚さのバラツキが生じた際に、リン酸亜鉛層6の表面全体を被覆することが困難となり、リン酸亜鉛層6の表面が露出する場合がある。一方、固体潤滑層7の厚さが60μmを超えると、厚さのバラツキが大きくなり、スクロール部品1の摺動面1aに生じた隙間から冷媒の漏れが発生する場合がある。鱗片状固体潤滑剤粒子11は、ミクロな結晶構造を見ると、共有結合した2次元結晶の層が、互いにファンデルワールス結合で積み重なった層状構造を有している。鱗片状固体潤滑剤粒子11は、摺動時に2次元結晶の層が剥離することにより、優れた潤滑性を発揮する。また、リン酸亜鉛層6と固体潤滑層7との界面において、リン酸亜鉛粒子10と鱗片状固体潤滑剤粒子11とが交錯して存在することで、リン酸亜鉛層6と固体潤滑層7との密着性が向上するだけでなく、アルミニウム合金5に対するコーティング層の密着性も向上する。ここで、リン酸亜鉛粒子10と鱗片状固体潤滑剤粒子11とが交錯して存在する状態とは、コーティング層の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で7000倍に拡大して撮影した写真において、アルミニウム合金5上のリン酸亜鉛層6が形成された面と平行な直線を、アルミニウム合金5の表面から固体潤滑層7の表面まで、リン酸亜鉛層6及び固体潤滑層7の厚さ方向に動かした際に、前記直線上にリン酸亜鉛粒子10と鱗片状固体潤滑剤粒子11とが共存する状態を言う。また、リン酸亜鉛粒子10の長径と鱗片状固体潤滑剤粒子11の長径との比を適切に調整することで、アンカー効果がより働き易くなり、アルミニウム合金5に対するコーティング層の密着性をより向上させることができる。具体的には、リン酸亜鉛粒子10の長径(d1)と鱗片状固体潤滑剤粒子11の長径(d2)との比(d1/d2)が、0.5以上2以下(0.5≦d1/d2≦2)であると、アルミニウム合金5に対するコーティング層の密着性がより向上するので好ましい。ここで、リン酸亜鉛粒子10の長径(d1)及び鱗片状固体潤滑剤粒子11の長径(d2)とは、コーティング膜の断面を電子顕微鏡(SEM)で数千倍に拡大した写真を数枚撮影した後、任意に30個のリン酸亜鉛粒子10及び鱗片状固体潤滑剤粒子11をそれぞれ抽出し、それらの長径を実際にそれぞれ測定し、その測定値を算術平均することによって求めることができる。
本実施の形態のスクロール部品における固体潤滑層7は、図3に示されるように1層構造であっても優れた摺動性及び密着性が得られるが、図4に示されるようにリン酸亜鉛層6の表面に形成された第1固体潤滑層7aと第1固体潤滑層7aの表面に形成された第2固体潤滑層7bとからなる二層構造とすることで、摺動性及び密着性をより向上させることができる。第1固体潤滑層7a中の鱗片状固体潤滑剤粒子11のc面配向は、第2固体潤滑層7b中の鱗片状固体潤滑剤粒子11のc面配向よりも小さいことが好ましい。さらに、第1固体潤滑層7a中の鱗片状固体潤滑剤粒子11のc面配向が50%以下であり且つ第2固体潤滑層7b中の鱗片状固体潤滑剤粒子11のc面配向が70%以上であることがより好ましく、第1固体潤滑層7a中の鱗片状固体潤滑剤粒子11のc面配向が35%以上50%以下であり且つ第2固体潤滑層7b中の鱗片状固体潤滑剤粒子11のc面配向が70%以上85%以下であることがさらにより好ましい。このような構成とすることで、摺動面1aの近傍では、摺動面1aと平行な状態の鱗片状固体潤滑剤粒子11の存在割合が多くなるため、摺動時に鱗片状固体潤滑剤粒子11の2次元結晶の層が剥離し易くなり、摺動性がより向上する。一方、リン酸亜鉛層6の近傍では、第1固体潤滑層7aの厚さ方向と平行な状態の鱗片状固体潤滑剤粒子11の存在割合が多くなるため、リン酸亜鉛粒子10と鱗片状固体潤滑剤粒子11とが交錯し易くなり、アンカー効果によって密着性がより向上する。ここで、鱗片状固体潤滑剤粒子11のc面配向は、第1固体潤滑層7a及び第2固体潤滑層7bのX線回折パターンを測定することによって求めることができる。具体的には、第1固体潤滑層7a及び第2固体潤滑層7bの厚さ方向にX線を照射して得られるX線回折パターンの各ピークを結晶構造のミラー指数(hkl)で指数付けし、下記式1に従ってc軸に垂直な面(c面)のピーク強度の和(ΣI(00l))と全てのピーク強度の和(Σ(hkl))との比を算出すればよい。摺動面1aと平行な状態の鱗片状固体潤滑剤粒子11の存在割合が多くなるほどc面配向(%)の値が大きくなり、全ての鱗片状固体潤滑剤粒子11が摺動面1aと平行な状態で存在している場合には100%となる。
c面配向(%)=ΣI(00l)÷ΣI(hkl)×100 (式1)
第1固体潤滑層7a及び第2固体潤滑層7bの厚さは、特に限定されないが、第1固体潤滑層7aの厚さと第2固体潤滑層7bの厚さとを合計して上述した固体潤滑層7の厚さの範囲内とすればよい。また、摺動面の焼き付き防止効果を向上させる観点から、第2固体潤滑層7bの厚さを第1固体潤滑層7aの厚さよりも厚くすることが好ましい。
鱗片状固体潤滑剤粒子11は、鱗片状の形状を有し且つ六方晶系の結晶構造を有する粒子が摺動性を向上させる観点から好ましい。このような鱗片状固体潤滑剤粒子11を用いることで、摺動時に鱗片状固体潤滑剤粒子11の2次元結晶の層が剥離し、優れた摺動性が得られる。鱗片状固体潤滑剤粒子11としては、特に限定されないが、例えば、二硫化モリブデン(MoS2)、二硫化タングステン(WS2)、六方晶窒化ホウ素(h−BN)、グラファイト等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。さらに、公知の固体潤滑剤粒子であるポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粒子、フッ化カルシウム(CaF2)粒子、シリカ(SiO2)粒子などを、鱗片状固体潤滑剤粒子11と併用してもよい。
バインダー12は、鱗片状固体潤滑剤粒子11を分散させると共に固定化する機能を有していればよく、有機系バインダー及び無機系バインダーから適宜選定される。バインダー12を選定する際の一つの指標としては、耐熱性が挙げられる。具体的には、スクロール部品が使用される温度に応じて、その温度に耐え得る耐熱性を有するバインダー12を適宜選定すればよい。また、別の観点での指標としては、摺動時に固体潤滑層7に印加される荷重が挙げられる。具体的には、摺動時に固体潤滑層7に印加される荷重が低い場合、硬度の低いバインダー12を選定すればよい。一方、摺動時に固体潤滑層7に印加される荷重が高い場合、硬度の高いバインダー12を選定すればよい。このように、摺動時に固体潤滑層7に印加される荷重に応じて、バインダー12を適宜選定することで、鱗片状固体潤滑剤粒子11の潤滑効果がより得やすくなる。
有機系バインダーとしては、特に限定されないが、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂等の熱硬化性樹脂が挙げられる。これらの中でも、エポキシ樹脂は、接着性に優れているので好ましい。エポキシ樹脂の具体例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族型エポキシ樹脂、グリシジル−アミノフェノール型エポキシ樹脂等が挙げられる。これらの有機系バインダーは、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を用いる場合、硬化剤を併用することが好ましい。硬化剤の具体例としては、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水ハイミック酸等の脂環式酸無水物;ドデセニル無水コハク酸等の脂肪族酸無水物;無水フタル酸、無水トリメリット酸等の芳香族酸無水物;ジシアンジアミド、アジピン酸ジヒドラジド等の有機ジヒドラジド;トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール;ジメチルベンジルアミン;1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン及びその誘導体;2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール等のイミダゾール類等が挙げられる。これらの硬化剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
硬化剤の配合量は、熱硬化性樹脂及び硬化剤の種類等に応じて適宜設定する必要があるが、一般的に100質量部の熱硬化性樹脂に対して0.1質量部以上200質量部以下である。
本実施の形態のスクロール部品における固体潤滑層7は、鱗片状固体潤滑剤粒子11と熱硬化性樹脂の硬化物との界面の接着力を向上させる観点から、カップリング剤を含むことが好ましい。カップリング剤の具体例としては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。これらのカップリング剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
カップリング剤の配合量は、鱗片状固体潤滑剤粒子11、熱硬化性樹脂及びカップリング剤の種類等に応じて適宜設定する必要があるが、一般的に100質量部の熱硬化性樹脂に対して0.01質量部以上1質量部以下である。
無機系バインダーとしては、鱗片状固体潤滑剤粒子11との馴染みが良く、均一分散が可能な液状のバインダーであることが好ましい。また、無機系バインダーは、有機系バインダーと比較して硬化温度が高いことが多い。しかし、熱処理によるアルミニウム合金5の結晶組織の変質及びリン酸亜鉛層6の耐熱性の観点から、好ましくは250℃以下、より好ましくは200℃以下、さらにより好ましくは180℃以下の硬化温度を有する無機系バインダーを選定することが好ましい。このような無機系バインダーを用いることで、アルミニウム合金5の強度低下及びリン酸亜鉛層6の熱劣化を発生させずに固体潤滑層7を形成することができる。無機系バインダーの具体例としては、特に限定されないが、ゾルゲルガラス、有機無機ハイブリッドガラス、水ガラス、一液性の無機接着剤、二液性の無機接着剤等が挙げられる。これらの無機系バインダーは、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
スクロール部品1の摺動面1aに形成されたコーティング層の厚さは、冷媒ガスのシール性を向上させる観点から、均一であることが好ましい。スクロール部品1の摺動面1aの凸部のコーティング層の厚さと凹部のコーティング層の厚さとが不均一であると、揺動スクロール2と固定スクロール3とを組み合わせた際に摺動面1aに隙間が生じ、冷媒ガスのシール性が悪化する。そのため、スクロール部品1の摺動面1aの凸部のコーティング層の厚さと凹部のコーティング層の厚さとの差は、好ましくは5μm以下であり、より好ましくは3μm以下である。厚さの差が5μm以下であれば、摺動面1aに隙間が生じても、潤滑油の油膜がパッキンの代わりになり、シール性の悪化を抑制することができる。
本実施の形態のスクロール部品1には、摺動時に強い機械的応力が印加される。そのため、スクロール部品1には、印加される機械的応力で歪みが発生しない程度の機械強度を有することが求められる。そのため、本実施の形態のスクロール部品1の引張試験における0.2%耐力が、150MPa以上であることが好ましく、200MPa以上であることがより好ましく、300MPa以上であることがさらにより好ましい。スクロール部品1の引張試験における0.2%耐力が150MPa以上であれば、摺動時に歪みが発生せず、摺動部材として信頼性の高いものとなる。なお、本明細書において、引張試験における0.2%耐力は、JIS Z2411に記載の方法で評価した値を用いる。
本実施の形態のスクロール部品1は、摺動面1aのエッジ部に加工を施していなくても、摺動性及びコーティング層の密着性に悪影響はない。しかし、コーティング層の平滑性の観点から、曲面(R)加工又はテーパー加工が施されていることが好ましい。摺動面1aのエッジ部に曲面(R)加工又はテーパー加工を施すことで、スクロール部品の製造時に発生するエッジ部のバリが除去され、コーティング層の平滑性が向上し、冷媒ガスのシール性が向上する。曲面(R)加工は、R0.5mm以上R3mm以下であることが好ましい。また、テーパー加工は、C0.5mm以上C3mm以下であることが好ましい。なお、本明細書において、Rは曲面の半径を意味し、Cはエッジ部からの距離を意味する。R及びCが0.5mm未満であると、エッジ部のバリの除去が十分でない場合があり、コーティング層の平滑性を阻害する場合がある。一方、R及びCが3mmを超えると、摺動面1aの面積が小さくなり、摺動時に印加される圧力が増大してしまう。
本実施の形態のスクロール部品1の摺動面1aの拡大図を図5及び図6に示す。図5では、揺動スクロール2及び固定スクロール3の各々の摺動面1aに、リン酸亜鉛層6及び固体潤滑層7を形成している。一方、図6では、揺動スクロール2及び固定スクロール3の一方の摺動面1aのみに、リン酸亜鉛層6及び固体潤滑層7を形成している。スクロール部品1を構成する両方のスクロールの摺動面1aに、リン酸亜鉛層6及び固体潤滑層7を形成するか、スクロール部品1を構成する一方のスクロールの摺動面1aに、リン酸亜鉛層6及び固体潤滑層7を形成するかは、スクロール部品1に要求される摺動性に応じて適宜選択すればよい。例えば、圧縮機のスクロールの回転数を高速化する必要がある場合には、高い摺動性が要求されるため、両方のスクロールの摺動面1aに、リン酸亜鉛層6及び固体潤滑層7を形成することが好ましい。
本実施の形態のスクロール部品1におけるアルミニウム合金5は、摺動時に印加される機械的応力による変形を抑制する観点から、70GPa以上のヤング率を有することが好ましい。アルミニウム合金5の材質は、特に限定されず、当該技術分野で公知の鋳造用アルミニウム合金、鍛造用アルミニウム合金、ダイカスト用アルミニウム合金等を用いることができる。アルミニウム合金の具体例としては、Al−Cu−Mg系合金、Al−Cu−Si系合金、Al−Si系合金、Al−Si−Mg系合金、Al−Si−Cu系合金、Al−Si−Mg系合金、Al−Si−Cu−Mg系合金、Al−Cu−Ni−Mg系合金、Al−Mg系合金、Al−Si−Cu−Ni−Mg系合金、Al−Si−Fe−Cu系合金等が挙げられる。
本実施の形態のスクロール部品1の製造方法について説明する。
まず、アルミニウム合金5をスクロール形状に加工する。ここで、アルミニウム合金5で固定スクロール及び揺動スクロールを形成する方法は、特に限定されず、鋳造法、鍛造法、ダイカスト法を用いることができる。また、後工程として、表面研削処理を施してもよい。表面研削処理を施すことで、表面の平滑性及び寸法精度を向上させることができる。次に、スクロール形状に加工したアルミニウム合金5の表面を、アルカリ洗浄剤等を用いて脱脂処理し、脱脂処理後に水で洗浄することによって、アルミニウム合金5の表面を清浄にする。
清浄にしたアルミニウム合金5の少なくとも摺動面1aを、リン酸亜鉛処理液に浸漬することによって、リン酸亜鉛粒子10を結晶として析出させ、その後、水洗及び乾燥することによって、アルミニウム合金5の表面にリン酸亜鉛粒子10を含むリン酸亜鉛層6を形成する(S1工程)。リン酸亜鉛処理液としては、特に限定されず、市販品を用いることができる。リン酸亜鉛処理液への浸漬時間は、所望のリン酸亜鉛層6の厚さ及びリン酸亜鉛粒子10の長径(d1)が得られるように適宜調整すればよく、例としては、1分〜10分程度である。リン酸亜鉛処理液の温度は、60℃〜80℃程度である。リン酸亜鉛処理液の温度が低すぎると、リン酸亜鉛粒子10の析出反応が促進されない。一方、リン酸亜鉛処理液の温度が高すぎると、処理液中にリン酸亜鉛粒子10が析出してしまい、アルミニウム合金5の表面へのリン酸亜鉛層6の形成が阻害される。
次に、溶媒で希釈したバインダー12に鱗片状固体潤滑剤粒子11を所定の比率で配合し、混合分散させることで固体潤滑剤ペーストを調製する。鱗片状固体潤滑剤粒子11を混合分散させる方法は、特に限定されないが、例えば、ニーダー、ボールミル、遊星ボールミル、混練ミキサー、ビーズミル等を用いた方法が挙げられる。ここで用いるバインダー12は、後述する硬化処理温度を考慮して適宜選定することが好ましい。ここで用いる鱗片状固体潤滑剤粒子11は、S1工程で得られたリン酸亜鉛粒子10の長径(d1)と、鱗片状固体潤滑剤粒子11の長径(d2)との比(d1/d2)が、0.5以上2以下の範囲内となるように適宜選択される。さらに、固体潤滑剤ペーストの粘度は、リン酸亜鉛層6の表面に固体潤滑剤ペーストを塗布する際に、鱗片状固体潤滑剤粒子11が流動又は沈降し、リン酸亜鉛粒子10と交錯した状態が形成される程度の粘度であることが好ましい。具体的には、固体潤滑剤ペーストは10Pa・s以下の粘度を有することが好ましく、5Pa・s以下の粘度を有することがより好ましい。ここで用いる溶媒としては、特に限定されないが、例えば、クレゾール等のフェノール類、N−メチル−2−ピロリドン、N,N’−ジメチルホルムアミド、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、4−モルホリンカルボアルデヒド等の極性溶媒、キシレン、トルエン等の芳香族炭化水素、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン等のケトン類などが挙げられる。次に、固体潤滑剤ペーストを、アルミニウム合金5の表面に形成したリン酸亜鉛層6の表面に均一な厚さとなるように塗布する(S2工程)。固体潤滑剤ペーストを塗布する方法は、特に限定されないが、例えば、スプレー法、浸漬法、刷毛塗法、スクリーン印刷法、転写法等が挙げられる。塗布膜の厚さは、固体潤滑剤ペーストの乾燥収縮率及び硬化収縮率から逆算し、乾燥及び硬化後の固体潤滑層7の厚さが所望の厚さとなるように適宜調整すればよい。
次に、S2工程で得られた塗布膜を、溶媒が蒸発する温度に加熱することによって、溶媒を除去する(S3工程)。加熱する方法は、特に限定されないが、乾燥オーブン、ホットプレート、熱風送風機、電気炉、高周波加熱炉等を用いた方法が挙げられる。また、加熱温度は、使用した溶媒の沸点を考慮して適宜調整すればよく、例えば、沸点よりも数十℃低い温度に加熱することが好ましい。溶媒の沸点を超える温度に加熱した場合には、溶媒が急激に蒸発し、塗布膜にクレーター状の穴が発生し、厚さも不均一になり易い。さらに、塗布膜の内部から生じた溶媒蒸気の上昇気流によって、塗布膜の表面近傍において、塗布膜の厚さ方向と平行な状態の鱗片状固体潤滑剤粒子11の存在割合が多くなるため、摺動性を低下させる要因となる。一方、溶媒の沸点よりも極端に低い温度に加熱した場合には、溶媒を除去するまでに長時間を要し、生産性が低下する。
次に、S3工程で溶媒が除去された塗布膜を、バインダー12が硬化する温度に加熱することによって、リン酸亜鉛層6の表面に、バインダー12及び鱗片状固体潤滑剤粒子11を含む固体潤滑層7を形成する(S4工程)。加熱する方法は、特に限定されないが、乾燥オーブン、ホットプレート、熱風送風機、電気炉、高周波加熱炉等を用いた方法が挙げられる。また、硬化処理温度は、使用したバインダー12の硬化温度を考慮して適宜調整すればよい。熱処理によるアルミニウム合金5の結晶組織の変質及びリン酸亜鉛層6の耐熱性の観点から、バインダー12を硬化させる際の温度は、好ましくは250℃以下、より好ましくは200℃以下、さらにより好ましくは180℃以下である。
なお、固体潤滑層7を二層構造とする場合には、S2工程及びS3工程を2回繰り返した後、S4工程を1回行えばよい。また、S2工程〜S4工程を2回繰り返すことによって、固体潤滑層7を二層構造としてもよい。
実施の形態1によれば、アルミニウム合金からなるスクロールの摺動面に摺動性及び密着性に優れる層が形成されたスクロール部品及びその製造方法を提供することができる。
実施の形態2.
図7は、実施の形態2に係るスクロール圧縮機の断面模式図である。図7において、スクロール圧縮機14は、いわゆる縦型のスクロール圧縮機であって、例えば冷媒ガス等の流体を圧縮し吐出するものである。スクロール圧縮機14は、密閉容器15と、密閉容器15に収容され、密閉容器15内に流入する流体を圧縮する圧縮機構部17と、回転力を発生する電動機20と、電動機20により発生する回転力を圧縮機構部17に伝える駆動軸21とを備える。密閉容器15は、例えば円筒形状に形成されており、耐圧性を有している。密閉容器15の側面には、流体を密閉容器15内に取り込むための吸入配管22が接続されており、他の側面には圧縮した流体を密閉容器15の外へと放出する吐出配管23が接続されている。圧縮機構部17は、揺動スクロール2と、固定スクロール3と、揺動スクロール2の自転を防止するオルダム機構16とから構成される。電動機20は、固定子18と、回転子19とを備えている。駆動軸21は、固定フレーム24及び補助フレーム25によって支持される。
本実施の形態のスクロール圧縮機14では、圧縮機構部17に、実施の形態1に係るスクロール部品1が組み込まれている。実施の形態1に係るスクロール部品1を組み込むことで、圧縮機運転時にスクロールに印加される遠心力が軽減される。また、アルミニウム合金5の表面に施したコーティング層により、摺動性が向上する。そのため、スクロール部品の回転数を上げることができ、冷媒ガスの圧縮効率が向上し、スクロール圧縮機の高出力化が可能となる。スクロール圧縮機にスクロール部品を組み込む方法としては、特に限定されることはなく、公知の方法に従って行うことができる。
実施の形態2によれば、圧縮機運転時のアルミニウム合金からなるスクロールの摺動面の焼き付きを防止することのできるスクロール圧縮機を提供することができる。
以下、実施例及び比較例により本発明のスクロール部品の摺動性及び密着性向上の効果を検証するための模擬試験について説明するが、これらによって本発明が限定されるものではない。なお、本模擬試験では、本発明のスクロール部品の摺動面に形成したリン酸亜鉛層及び固体潤滑層と同様の層を形成した試験片を作製し、評価を実施した。
[実施例1]
Al−Si−Cu−Mg系アルミニウム合金(ADC14、ヤング率:80GPa)をリン酸亜鉛処理液に浸漬することにより、Al−Si−Cu−Mg系アルミニウム合金の表面に、リン酸亜鉛層を約3μmの厚さとなるように形成した。このとき、リン酸亜鉛粒子の長径が4.5μmになるように、処理条件を調整した。次に、リン酸亜鉛層の表面に、長径5μmの鱗片状固体潤滑剤粒子(MoS2粒子)が60体積%の割合でエポキシ樹脂中に分散された固体潤滑層を約10μmの厚さとなるように形成して、実施例1の試験片を得た。このとき、固体潤滑層中のエポキシ樹脂の硬化条件は180℃で2時間とした。得られた試験片のリン酸亜鉛層及び固体潤滑層の断面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、リン酸亜鉛層と固体潤滑層との界面において、リン酸亜鉛粒子と鱗片状固体潤滑剤粒子とが交錯して存在することが確認された。
[実施例2]
リン酸亜鉛粒子の長径が4μmになるように処理条件を調整し、長径5μmの鱗片状固体潤滑剤粒子(MoS2粒子)の代わりに長径8μmの鱗片状固体潤滑剤粒子(MoS2粒子)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2の試験片を得た。得られた試験片のリン酸亜鉛層及び固体潤滑層の断面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、リン酸亜鉛層と固体潤滑層との界面において、リン酸亜鉛粒子と鱗片状固体潤滑剤粒子とが交錯して存在することが確認された。
[実施例3]
リン酸亜鉛粒子の長径が6μmになるように処理条件を調整し、長径5μmの鱗片状固体潤滑剤粒子(MoS2粒子)の代わりに3μmの鱗片状固体潤滑剤粒子(MoS2粒子)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例3の試験片を得た。得られた試験片のリン酸亜鉛層及び固体潤滑層の断面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、リン酸亜鉛層と固体潤滑層との界面において、リン酸亜鉛粒子と鱗片状固体潤滑剤粒子とが交錯して存在することが確認された。
[実施例4]
リン酸亜鉛粒子の長径が5μmになるように処理条件を調整し、長径5μmの鱗片状固体潤滑剤粒子(MoS2粒子)の代わりに6μmの鱗片状固体潤滑剤粒子(MoS2粒子)を用い、固体潤滑層を第1固体潤滑層と第2固体潤滑層とからなる二層構造にしたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例4の試験片を得た。このとき、第1固体潤滑層中のMoS2粒子のc面配向が48%、第2固体潤滑層中のMoS2粒子のc面配向が73%となるように条件を調整した。得られた試験片のリン酸亜鉛層、第1固体潤滑層及び第2固体潤滑層の断面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、リン酸亜鉛層と第1固体潤滑層との界面において、リン酸亜鉛粒子と鱗片状固体潤滑剤粒子とが交錯して存在することが確認された。
[実施例5]
リン酸亜鉛粒子の長径が3μmになるように処理条件を調整し、長径5μmの鱗片状固体潤滑剤粒子(MoS2粒子)の代わりに7.5μmの鱗片状固体潤滑剤粒子(MoS2粒子)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例5の試験片を得た。得られた試験片のリン酸亜鉛層及び固体潤滑層の断面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、リン酸亜鉛層と固体潤滑層との界面において、リン酸亜鉛粒子と鱗片状固体潤滑剤粒子とが交錯して存在することが確認された。
[実施例6]
リン酸亜鉛粒子の長径が6μmになるように処理条件を調整し、長径5μmの鱗片状固体潤滑剤粒子(MoS2粒子)の代わりに2.5μmの鱗片状固体潤滑剤粒子(MoS2粒子)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例6の試験片を得た。得られた試験片のリン酸亜鉛層及び固体潤滑層の断面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、リン酸亜鉛層と固体潤滑層との界面において、リン酸亜鉛粒子と鱗片状固体潤滑剤粒子とが交錯して存在することが確認された。
[比較例1]
Al−Si−Cu−Mg系アルミニウム合金(ADC14)そのものを比較例1の試験片とした。
[比較例2]
Al−Si−Cu−Mg系アルミニウム合金(ADC14)の表面に、リン酸亜鉛層を形成せずに、固体潤滑層を形成したこと以外は、実施例1と同様にして、比較例2の試験片を得た。
[比較例3]
Al−Si−Cu−Mg系アルミニウム合金(ADC14)をリン酸亜鉛処理液に浸漬することにより、Al−Si−Cu−Mg系アルミニウム合金の表面に、リン酸亜鉛層を約3μmの厚さとなるように形成した。このとき、リン酸亜鉛粒子の長径が3.5μmになるように、処理条件を調整した。次に、リン酸亜鉛層の表面を研磨により平滑にした。次に、リン酸亜鉛層の平滑化表面に、長径4.5μmの鱗片状固体潤滑剤粒子(MoS2粒子)が60体積%の割合でエポキシ樹脂中に分散された固体潤滑層を約10μmの厚さとなるように形成して、比較例3の試験片を得た。このとき、固体潤滑層中のエポキシ樹脂の硬化条件は180℃で2時間とした。得られた試験片のリン酸亜鉛層及び固体潤滑層の断面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、リン酸亜鉛層と固体潤滑層との界面において、リン酸亜鉛粒子と鱗片状固体潤滑剤粒子とが交錯していないことが確認された。
上記の実施例及び比較例で得た試験片について、摺動性の評価を実施した。摺動性は、ピンオンディスク法による焼き付き耐力を評価した。焼き付き耐力の評価結果は、実施例1の試験片で得られた焼き付き耐力の評価結果を基準とし、各実施例又は各比較例の試験片で得られた焼き付き耐力の評価結果が、実施例1の評価結果よりも優れる場合を◎、同等の場合を〇、若干劣るが許容範囲内の場合を△、かなり劣り許容範囲外の場合を×として表1に示す。
また、上記の実施例及び比較例で得た試験片について、コーティング層の密着性の評価を実施した。密着性は、サイカス法によるコーティング層の剥離強度を測定した。この剥離強度の評価結果は、実施例1の試験片で得られた剥離強度の評価結果を基準とし、各実施例又は各比較例の試験片で得られた剥離強度の評価結果が、実施例1の評価結果よりも優れる場合を◎、同等の場合を〇、若干劣るが許容範囲内の場合を△、かなり劣り許容範囲外の場合を×として表1に示す。
Figure 0006633264
表1に示されているように、リン酸亜鉛層と固体潤滑層との界面において、リン酸亜鉛粒子とMoS2粒子とが交錯して存在している実施例1〜6の試験片は、焼き付き耐力が非常に高く、摺動性が優れることが分かる。また、実施例1〜6の試験片は、剥離強度が高く、コーティング層の密着性が優れることが分かる。特に、リン酸亜鉛粒子の長径(d1)とMoS2粒子の長径(d2)との比(d1/d2)を0.5以上2以下とした実施例1〜4の試験片は、剥離強度が非常に高く、コーティング層の密着性が非常に優れることが分かる。さらに、実施例4のように、固体潤滑層を二層構造とし、第1固体潤滑層中のMoS2粒子のc面配向が、第2固体潤滑層中のMoS2粒子のc面配向よりも小さい構成とした試験片では、摺動性及びコーティング層の密着性がより向上している。一方、比較例1の試験片及び比較例2の試験片は、焼き付き耐力が非常に低く、摺動性が非常に悪い。さらに、比較例2は、固体潤滑層の密着性が非常に悪い。また、比較例3のように、リン酸亜鉛層と固体潤滑層との界面において、リン酸亜鉛粒子とMoS2粒子とが交錯していない構成とした試験片では、コーティング層の密着性が著しく悪く、焼き付き耐力も若干低下している。
以上の結果からわかるように、本発明によれば、アルミニウム合金からなるスクロールの摺動面に摺動性及び密着性に優れる層が形成されたスクロール部品を提供することができる。また、本発明によれば、圧縮機運転時のアルミニウム合金からなるスクロールの摺動面の焼き付きを防止することのできるスクロール圧縮機を提供することができる。
1 スクロール部品、1a 摺動面、2 揺動スクロール、3 固定スクロール、5 アルミニウム合金、6 リン酸亜鉛層、7 固体潤滑層、7a 第1固体潤滑層、7b 第2固体潤滑層、10 リン酸亜鉛粒子、11 鱗片状固体潤滑剤粒子、12 バインダー、14 スクロール圧縮機、15 密閉容器、16 オルダム機構、17 圧縮機構部、18 固定子、19 回転子、20 電動機、21 駆動軸、22 吸入配管、23 吐出配管、24 固定フレーム、25 補助フレーム

Claims (9)

  1. アルミニウム合金からなる固定スクロールとアルミニウム合金からなる揺動スクロールとを備えるスクロール部品であって、
    前記固定スクロール及び前記揺動スクロールの少なくとも一方は、その摺動面に形成され且つリン酸亜鉛粒子を含むリン酸亜鉛層と、前記リン酸亜鉛層の表面に形成され且つバインダー及び鱗片状固体潤滑剤粒子を含む固体潤滑層とを備え、
    前記リン酸亜鉛層と前記固体潤滑層との界面において、前記リン酸亜鉛粒子と前記鱗片状固体潤滑剤粒子とが交錯して存在することを特徴とするスクロール部品。
  2. 前記リン酸亜鉛粒子の長径(d1)と前記鱗片状固体潤滑剤粒子の長径(d2)との比(d1/d2)が0.5以上2以下であることを特徴とする請求項1に記載のスクロール部品。
  3. 前記固体潤滑層が、前記リン酸亜鉛層の表面に形成された第1固体潤滑層と、前記第1固体潤滑層の表面に形成された第2固体潤滑層とからなる二層構造であり、前記第1固体潤滑層中の鱗片状固体潤滑剤粒子のc面配向が、前記第2固体潤滑層中の鱗片状固体潤滑剤粒子のc面配向よりも小さいことを特徴とする請求項1又は2に記載のスクロール部品。
  4. 前記第1固体潤滑層中の鱗片状固体潤滑剤粒子のc面配向が50%以下であり且つ前記第2固体潤滑層中の鱗片状固体潤滑剤粒子のc面配向が70%以上であることを特徴とする請求項3に記載のスクロール部品。
  5. 前記鱗片状固体潤滑剤粒子が、二硫化モリブデン(MoS2)、二硫化タングステン(WS2)、六方晶窒化ホウ素(h−BN)及びグラファイトからなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のスクロール部品。
  6. 前記バインダーが、熱硬化性樹脂であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のスクロール部品。
  7. 密閉容器と、前記密閉容器に収容され、前記密閉容器内に流入する流体を圧縮する圧縮機構部と、回転力を発生する電動機と、前記電動機により発生する回転力を前記圧縮機構部に伝える駆動軸とを備えるスクロール圧縮機において、
    前記圧縮機構部が、請求項1〜6のいずれか一項に記載のスクロール部品を含むことを特徴とするスクロール圧縮機。
  8. アルミニウム合金からなる固定スクロールとアルミニウム合金からなる揺動スクロールとを備えるスクロール部品の製造方法であって、
    前記固定スクロール及び前記揺動スクロールの少なくとも一方の摺動面を、リン酸亜鉛処理液に浸漬し、前記摺動面に、リン酸亜鉛粒子を含むリン酸亜鉛層を形成する工程と、
    前記リン酸亜鉛層の表面に、バインダー、鱗片状固体潤滑剤粒子及び溶媒を含む固体潤滑剤ペーストを塗布する工程と、
    前記溶媒が蒸発する温度に加熱し、前記溶媒を除去する工程と、
    前記バインダーが硬化する温度に加熱し、前記リン酸亜鉛層の表面に固体潤滑層を形成する工程と
    を含むことを特徴とするスクロール部品の製造方法。
  9. 前記リン酸亜鉛粒子の長径(d1)と前記鱗片状固体潤滑剤粒子の長径(d2)との比(d1/d2)が0.5以上2以下であることを特徴とする請求項8に記載のスクロール部品の製造方法。
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