JP6632914B2 - 複室容器 - Google Patents

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Description

本発明は、複室容器に関し、さらに詳しくは、複数の収容室同士を連通させることができる複室容器に関する。
内容物を収容する複数の収容室が設けられ、必要に応じて収容室同士を連通させることができる複室容器が知られている。複室容器は、例えば、対向する2つの部材の周囲を相対的に高い強度でシールすると共に、収容室と収容室とを分けている部分を相対的に低い強度でシールすることによって構成されている。こうした構造の複室容器は、これまでに様々な形態が提案されている。
特許文献1により提案されている複室容器は、凹んで形成された二つの収容空間を有するフィルム材からなるフィルム室と、このフィルム室に被せる被せシートとにより構成されている。この複室容器において、フィルム室と被せシートとは、二つの収容空間の周りでシールされている。また、複室容器には、一方の収容空間が他方の収容空間に向かって次第に縮小する流動経路が設けられている。この流動経路の末端部には、二つの収容空間に近い場所で強度の弱い剥離接着部が形成されている。
具体的に、一方の収容空間は、その外形が円形をなすドーム状に形成されており、内部に固形物が収容される。他方の収容空間は、その外形が一方の収容空間に向かって先細り状をなす曲面により形成され、液体が収容される。
特許文献2により提案されている複室容器は、容器本体が軟質材により形成されている。この複室容器は、容器本体に形成された第1の液体収容室及び第2の液体収容室を備えている。第1の液体収容室と第2の液体収容室との間には、除去可能に設けられ、第1の液体収容室と第2の液体収容室とを区画する区画部が設けられている。また、第1の液体収容室には第1の液体が封入され、第2の液体収容室には第1の液体に対して適正な混合比となる液量の第2の液体が封入されている。
この複室容器は、区画部を除去して第1の液体収容室と第2の液体収容室とを連通させて第1の液体と第2の液体とを混合して二液性液体を生成し、区画部の位置を切断してこの二液性液体を取り出し得るように構成されている。
実用新案登録第3119760号公報 特開2000−272674号公報
しかしながら、特許文献1で提案されている複室容器は、固形物と液体とを混ぜ合わせるための容器であり、複雑な形状をなしている。そのため、各収容空間に収容された内容物を混ぜ合わせ、混ぜ合わせた混合物を排出する場合、一方の収容空間と他方の収容空間とが接続される部分の近傍に混合物が残存するおそれがある。また、この複室容器では、収容空間が曲面で構成されているため、混ぜ合わせた液体を排出するときに、収容空間にシワが発生し内容物が残存してしまう。
特許文献2で提案されている複室容器は、平坦な軟質材を貼り合わせて形成されている。この複室容器についても、各収容室に収容された内容物を混ぜ合わせ、混ぜ合わせた液体を排出する場合、収容室の周縁部分に内容物が残存してしまう。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、各収容室内の内容物を混ぜ合わされてなる混合物が排出された後に収容室に残存する混合物の量を大幅に減らすることができる複室容器を提供することにある。
上記課題を解決するための本発明に係る複室容器は、基材層とバリア層とをそれぞれ含む2枚のシート材がシールされてなり、2枚の前記シート材のうち、少なくとも一方のシート材は、その一面側から他面側に突出されてなる複数の収容室が形成された容器本体として構成され、他方のシート材は、前記一方のシート材の前記一面側に被せられ、複数の前記収容室を閉じている蓋材として構成され、前記収容室の外側には、前記容器本体と前記蓋材とが相対的に高い強度でシールされた高強度シール部が形成され、前記収容室同士の間には、前記容器本体と前記蓋材とが相対的に低い強度でシールされ、前記容器本体と前記蓋材とが剥離されて前記収容室同士を連通させる低強度シール部が形成され、前記蓋材には、前記容器本体の前記一面側に接する面にシーラント層が設けられ、前記収容室の底面には、該底面を折り曲げるための折れ線が、前記収容室が連なる方向に延びていることを特徴とする。
この発明によれば、収容室の外側には、容器本体と蓋材とが相対的に高い強度でシールされた高強度シール部が形成され、収容室同士の間には、容器本体と蓋材とが相対的に低い強度でシールされ、容器本体と蓋材とが剥離されて収容室同士を連通させる低強度シール部が形成されているので、複室容器を押しつぶしたりして圧力を加えることによって、低強度シール部の位置でのみ容器本体と蓋材とを剥離させ、収容室同士を連通させることができ、複数の収容室にそれぞれ収容された内容物を混ぜ合わせることができる。内容物を混ぜ合わせて生成された混合物を排出するに当たり、底面を折り曲げるための折れ線が、収容室が連なる方向に延びているので、折れ線が外側に突出するように収容室を折り曲げて、蓋材と重ね折りした形態にすることができる。その結果、混合物が収容室内に残留することを抑制し、混合物を効果的に排出させることができる。
本発明に係る複室容器において、前記蓋材を平坦なシート材により構成するとよい。
この発明によれば、一面側から他面側に突出されてなる複数の凸部が形成された蓋材を用いた場合に比べて、容器本体と蓋材とで閉じられた収容室の容積を小さくすることができる。そのため、少量の内容物の収容に適した複室容器にすることができる。
本発明に係る複室容器において、前記収容室は、複数の平面からなり、隣り合う平面同士で形成される角度が直角乃至鈍角とするとよい。
この発明によれば、収容室を形成する複数の平面からなり、隣り合う平面同士の角度を直角乃至鈍角とすることで、重ね折り時に収容室のシート材にシワが入ることを防ぐことができ、内容物の残留量を大幅に減少させることができる。
本発明に係る複室容器において、前記収容室の容積が、1cm以上30cm以下である。
この発明によれば、1cm以上30cm以下と容量が少ない内容物を収容させ、内容物を混合して生成される容量の少ない混合物の容量についても、収容室に残存する混合物の量を減少させることができる。
本発明に係る複室容器において、前記容器本体の前記基材層は、ポリオレフィン樹脂であり、前記容器本体の前記バリア層は、ポリクロロトリフルオロエチレン又はポリ塩化ビニリデンであり、前記容器本体の厚さが400μm以下である。
この発明によれば、容器本体の厚さが400μm以下であるので、容器本体を柔軟にすることができる。そのため、容器本体でしごき易くすることができ、内容物を混ぜ合わせ、容器を容易に引き裂くことができ、かつ、生成される混合物を容易に排出させることができる。さらに、この構成により、容量が少ない内容物であっても成分や水分を長期間減量させずに保管することができる。
本発明に係る複室容器において、当該複室容器の周縁には、該複室容器の周縁と前記低強度シール部とをつなぐ形態又は該複室容器の周縁と前記収容室とをつなぐ形態で該複室容器を切り裂いて開封させる開封開始部が形成されている。
この発明によれば、開封開始部が形成されているので、複室容器を切り裂いて開封することができる。そのため、容器本体から蓋材を剥離させずに、内容物を混ぜ合わせてなる混合物を排出させることができる。
本発明によれば、各収容室内の内容物を混ぜ合わされてなる混合物が排出された後に収容室に残存する混合物の量を大幅に減らすることができ、各収容室に収容された内容物を効率よく使い切ることができる。
本発明に係る一実施形態の複室容器の斜視図である。 図1に示す複室容器の縦断面図である。 収容室の横断面図である。 複室容器の平面図である。 収容室を深絞りにより成形する工程を説明するための説明図である。 低強度シール部の剥離を説明するための説明図である。 複室容器を折り畳んで混合物を排出する場合の形態を示す断面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、本発明の技術的範囲は、以下の記載や図面にのみ限定されるものではない。
[全体構成]
本発明に係る複室容器1は、図1から図3に示すように、対向する2枚のシート材がシールされることにより構成されている。2枚のシート材のうち少なくとも一方のシート材は、その一面側から他面側に突出されてなる複数の収容室11が形成された容器本体10として構成され、他方のシート材は、容器本体10として構成された一方のシート材の一面側に被せられ、複数の収容室11を閉じている蓋材20として構成されている。図1から図3に示した複室容器1は、蓋材20として構成されている他方のシート材が平坦なシート材により構成されている。「平坦」とは、シート材の厚さ方向に凸部や凹部が存在しないことを意味する。
ただし、複室容器1は、図1から図3に示した形態の他に、一面側から他面側に突出されてなる収容室11が形成された蓋材20を用いた形態がある。すなわち、複室容器1は、収容室11が容器本体10にだけ設けられた形態と、収容室11が容器本体10及び蓋材20の両方に設けられた形態との2形態がある。
収容室11の外側には、容器本体10と蓋材20とが相対的に高い強度でシールされた高強度シール部31が形成されている。「相対的に高い強度でシールされた」とは、収容室11同士の間の部分で容器本体10と蓋材20とがシールされた強度に対し、収容室11同士の間の部分を除く領域で容器本体10と蓋材20とがシールされた強度が高いことを意味する。また、収容室11同士の間には、容器本体10と蓋材20とが相対的に低い強度でシールされ、容器本体10と蓋材20とが剥離されて収容室11同士を連通させる低強度シール部32が形成されている。「相対的に低い強度でシールされた」とは、収容室11同士の間の部分を除く領域で容器本体10と蓋材20とがシールされた強度に対し、収容室11同士の間の部分で容器本体10と蓋材20とがシールされた強度が低いことを意味する。また、ここでいう「連通」とは、低強度シール部によって隔離された収容室が低強度シール部の位置で容器本体10と蓋体20とが剥離されることにより形成される空間を介して連続した状態になることを意味する。収容室11の周縁の高強度シール部31に対応する部分には、蓋材20に対して垂直をなすか又は略垂直をなす周面15が形成されている。
また、複室容器1は、図1に示すように、低強度シール部32に対応する部分の幅が収容室11に対応する部分の幅よりも狭く形成されている。さらに、複室容器1の側部の低強度シール部32に対応する位置には、開封開始部40が形成されている。
この複室容器1は、必要なときに、低強度シール部32の位置で、容器本体10と蓋材20とを剥離させて、収容室11同士を連通させる。次いで各収容室11に収容された内容物を混ぜ合わせて混合物を生成する。その後、低強度シール部32の位置にて、複室容器1の側縁と低強度シール部32とをつなぐ形態で複室容器1の幅方向に複室容器1を切り裂いて開封し、開封された位置から混合物を外部に排出させる。そのため、複室容器1を低強度シール部32の位置で開封しやすくするために、図1に示すように、開封開始部40が低強度シール部32に対応する部分に形成されていると共に、開封開始部40が形成された低強度シール部32に対応する部分の幅が狭く形成されている。ただし、開封開始部40が形成された部分の幅を狭くすることは必須ではなく、低強度シール部32に対応する部分の幅と収容室11に対応する部分の幅とを同じ幅に形成してもよい。
また、開封開始部40は、低強度シール部32に対応する位置に設けることは必須ではない。開封開始部40は、例えば、収容室11に対応する部分の側部に設けたり、複室容器1の長手方向の端部に設けたりして、複室容器1の周縁と収容室11とをつなぐ形態で切り裂くようにしてもよい。
開封開始部40としては、Iノッチ、Vノッチ又はUノッチ等のノッチや、微細な穴の群からなる粗面加工部等を挙げることができる。
各収容室11には、液体をそれぞれ収容したり、一の収容室11には液体を収容し、他の収容室11には、粉体を収容したりして、この複室容器1は用いられる。また、各収容室11内の内容物を混ぜ合わせて生成される混合物は、液体やゼリー状の物質である。
本発明に係る複室容器1によれば、各収容室11内の内容物を混ぜ合わされてなる混合物が排出された後に収容室11に残存する混合物の量を大幅に減らすることができ、各収容室11に収容された内容物を効率よく使い切ることができるという特有の効果を奏する。とりわけ、この複室容器1は、内容物を混ぜ合わせて生成される混合物が、粘度の高い液体やゼリー状の物質である場合に、混合物が収容室11に残存することを効果的に抑制することができる。
以下、本発明に係る複室容器1の各構成について具体的に説明する。
[容器本体]
容器本体10は、図1から図3に示すように、複数の収容室11を備えている。図1及び図2は複室容器1の一例を示しており、この複室容器1の容器本体10は2つの収容室11を備えている。この容器本体10部は、容器本体10の一面側から他面側に向けて突出してなる2つの収容室11と、収容室11の外側にて容器本体10の外側に向けて張り出す平坦なフランジ部13とを有している。また、容器本体10部は、2つの収容室11の間に形成された平坦面12を有している。フランジ部13は、後述する蓋材20に相対的に高い強度でシールされる高強度シール部31として構成され、収容室11の間に形成された平坦面12は、蓋材20に相対的に低い強度でシールされる低強度シール部32として構成されている。
収容室11は、図2に示すように、シート材の一部を一面側から他面側に向かって突出した形状をなしている。換言すると、シート材の断面の形状は、片側の面(一面側)が凹状をなし、片側の面の反対側の面(他面側)が凸状をなしている。突出した部分の一面側には空間が形成され、この空間には内容物が収容される。
各収容室11を構成する底面16には、この底面16を折り曲げるための折れ線18が、収容室11が連なる方向にそれぞれ延びている。この折れ線18は、収容室11の内部に収容された内容物を排出する際に、底面16を折り込むための構成である。
折れ線18は、図1、図3及び図4に示すように、収容室11が連なる方向において、各収容室11の外側の端部と複室容器1の中心側の端部とを結ぶようにして形成されている。図1、図3及び図4に示した複室容器1の例では、複室容器1の幅方向の中央の位置に折れ線18がそれぞれ形成されている。複室容器1の幅方向とは、収容室11が連なる方向に直交する方向である。
底面16は、図3に示すように、折れ線18の位置が最も外側に位置しており、折れ線18と周面15との間が傾斜した面として構成されている。換言すると、底面16は、折れ線18の位置で折り曲げられて、折れ線18の位置が底面16の頂部をなしている。
また、図1、図3及び図4に示した複室容器1の例では、各収容室11の底面16に加えて傾斜面17にも折れ線18が形成されている。傾斜面17は、各収容室11の底面16よりも複室容器1の中心側に設けられている傾斜した面である。各傾斜面17に形成されている折れ線18は、複室容器1の幅方向において、各底面16に形成された折れ線18と一直線をなす位置に形成されている。具体的に、傾斜面17の折れ線18は、複室容器1の幅方向の中央の位置にて、収容室11の底面16と複室容器1の中心に設けられている平坦面12とを結んでいる。この傾斜面17に形成された折れ線18も、底面16に形成された折れ線18と同様に、収容室11の内部に収容された内容物を排出する際に、傾斜面17を、この折れ線18の位置で折り込むための構成である。
収容室11は、金型を用いて、深絞りすることによって形成される。深絞りの方法としては、例えば、図5に示した雄型の金型51と雌型の金型52とを用いて多層シート10aをプレスする方法や、雌型の金型52を用い、多層シート10aを雌型に吸引する方法等を挙げることができる。雄型の金型51と雌型の金型52とを用いて多層シート10aをプレスする場合、例えば、図5に示すようにして深絞りが行われる。すなわち、多層シート10aが、雄型の金型51によって、一面側から雌型の金型52が配置された他面側にプレスされて収容室11は形成される。
雄型の金型51と雌型の金型52とを用いて多層シート10aをプレスして収容室11を形成するとき、収容室11の底面16及び傾斜面17の折れ線18も同時に形成される。雄型の金型51は、図5に示すように、先端部の中央51aが外側に向けて突出しており、この中央51aの両側が傾斜されて構成されている。一方、雌型の金型52は、底部の中央52aが窪んでおり、この中央52aの両側が傾斜されている。
こうした雄型の金型51と雌型の金型52とで多層シート10aをプレスした場合、雄型の金型51の中央51aと雌型の金型52の中央52aとが位置合わせされることによって、多層シート10aに折れ線18が形成される。
収容室11の容積は特に限定はなく、収容室11に収容される内容物の容量に応じて収容室11は形成される。ただし、内容物の絶対的な容量が少ない場合、各収容室11に収容された内容物を混ぜ合わせてなる混合物の一定量が複室容器1から排出されず収容室11に残存してしまうと、混合物の全体の量に対する残存する量の割合が大きくなる。そのため、内容物の容量が相対的に少ない場合には、内容物の容量が相対的に多い場合よりも、残存する量を少なくすることがより重要である。この実施形態の容器本体10では、収容室11の容積が内容物の少ない容量に適用させて形成されている。具体的に、収容室11の容積は、1cm以上、30cm以下である。
上記の容器本体10は、収容室は複数の平面によって構成されており、隣り合う平面同士で形成される角度が直角乃至鈍角をなしている。
具体的に、図2に示すように、周面15の後部とその外側をなす高強度シール部31とにより形成される角度θ、周面15の後部と底面16とにより形成される角度θ、底面16と傾斜面17とにより形成される角度θ、及び傾斜面17と低強度シール部32とにより形成される角度θは、直角乃至鈍角をなしている。同様に、図3に示すように、周面15の側部とその外側をなす高強度シール部31とに形成される角度θ、及び周面15の側部と底面16とにより形成される角度θは、直角乃至鈍角をなしている。さらに、折れ線18の両側をなす底面の16がなす折り曲げ角θも直角乃至鈍角をなしている。
上記の角度θが鈍角の場合、その角度の大きさに、特に限定なない。とりわけ、折り曲げ角θは、例えば、180度よりも小さく、170度以下の範囲に形成するとよい。ただし、折り曲げ角θは、170度よりも小さくなるように形成してもよい。
以上に説明した上記の構成を有する容器本体10は、基材層及びバリア層を含む多層シートにより構成されている。
基材層は、通常の用途において必要とされる引張り強度、衝撃強度、耐擦傷性等の機械的強度を有していることが好ましい。基材層は、こうした性質を有していれば、単層構造のフィルム材又はシート材でも、多層構造のフィルム材又はシート材であってもよい。基材層の材料としては、例えば、鎖状ポリオレフィンや環状ポリオレフィン等のポリオレフィンが用いられる。ポリオレフィンとしては、ポリエチレン又はポリプロピレン等を挙げることができる。
バリア層は、酸素バリア性及び水蒸気バリア性を有している。バリア層の材料としては、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステルやポリアミド等の延伸シートやエチレンービニルアルコール共重合体やポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)等の有機材料を用いることができる。また、バリア層の材料としては、アルミ箔や蒸着シリカ等の無機材料を用いることもできる。とりわけ、容器本体10の多層シートに用いるバリア層としては、PVDC又はPCTFEを用いることが好ましい。
多層シートは、例えば、樹脂層として構成される樹脂同士の間にバリア層として構成される材料を挟み込み、共押出しすることにより形成される。
なお、容器本体10を構成する多層シートは、樹脂層及びバリア層の他に、未延伸ナイロンの層を設けることができる。未延伸ナイロンの層を設けることによって、多層シートの延伸性を向上させることができる。
多層シートで構成された容器本体10は、収容室11の部分の厚さが400μm以下であることが好ましい。収容室11は、上述したように、多層シートを深絞りして形成される。深絞りされることによって形成された収容室11の部分は、多層シートの他の部分に比べて厚さが若干薄くなる。そのため、多層シート自体の厚さが400μmを超えていても、深絞りを行って形成された後に、収容室11の部分の厚さが400μm以下であればよい。なお、厚さの下限値は限定されないが、100μm以上であることが好ましい。
容器本体10の収容室11の部分の厚さが400μmを超える場合、収容室11の柔軟性が若干低下してしまう。そのため、収容室11を指で押し、押しつぶした状態で指を一方の収容室11から他方の収容室11に向けてスライドさせることが困難になる。換言すると、収容室11を指でしごきにくくなる。これに対し、容器本体10の収容室11の部分の厚さが400μm以下である場合、収容室11が柔軟に形成される。そのため、各収容室11に収容された内容物同士を混合させるときに、収容室11を指で容易に押しつぶすことができると共に、押しつぶした状態で指を一方の収容室11から他方の収容室11に向けて容易にスライドさせることができる。換言すると、収容室11を指で容易にしごくことができる。
[蓋材]
蓋材20は、基材層、バリア層及びシーラント層を含む多層シートによって構成されている。
基材層は、樹脂フィルムにより構成されている。樹脂フィルムとしては、例えば、2軸延伸ポリエチレンテレフタレート(O−PET)フィルム、2軸延伸ナイロン(O−Ny)フィルム、2軸延伸ポリプロピレン(O−PP)フィルム等を挙げることができる。また、基材層は、樹脂フィルムの他に、紙にポリオレフィン等を積層したものを用いることもできる。
バリア層は、酸素バリア性及び水蒸気バリア性を有している。バリア層としては、例えば、金属箔や蒸着層を用いることができる。金属箔としては、アルミニウム箔を好ましく用いることができる。また、蒸着層としては、アルミニウムや無機酸化物の蒸着層を好ましく用いることができる。バリア層としては、金属箔や蒸着層の他に、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、塩化ビニリデン等を用いることができる。
シーラント層は、イージーピール層として構成されている。イージーピール層を構成する材料は、例えば、ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂とポリエチレン樹脂との混合樹脂を用いることができる。
[容器本体と蓋材とのシール]
容器本体10と蓋材20とは、ヒートシールすることによってシールされる。シール強度が相対的に高い高強度シール部31と、シール強度が相対的に低い低強度シール部32とを形成する方法は、特に限定されない。例えば、容器本体10と蓋材20とをシールする際に、シール手段によって容器本体10と蓋材20とを押し付けて圧着する圧力を変えたり、圧着する温度を変えたり、又は圧着する回数を変えたりすることによって、高強度シール部31及び低強度シール部32はそれぞれ形成される。すなわち、高強度シール部31は、低強度シール部32よりも、高い圧力で容器本体10と蓋材20とを圧着したり、高い温度の下で圧着したり、圧着する回数を多くしたりすることによって形成される。
高強度シール部31のシール強度は、例えば、10N/15mm以上、さらには15N/15mm以上が望ましく、低強度シール部32のシール強度は例えば5N/15mm以下、さらには2N/15mm以下が望ましい。
容器本体10と蓋材20とは、ヒートシールすることによってシールされるため、シールする形状を自由に設定することができ、図4の符号Hで示した低強度シール部32の幅を所望の寸法に形成することができる。シールの形状の設定は、ヒートシールに用いるローラの幅やシールバーの形状を変化させることによって行われる。
[複室容器の作用]
この複室容器1では、各収容室11に収容された内容物を混ぜ合わせて混合物を生成し、生成された混合物を複室容器1から外部に排出する。
各収容室11の内容物同士を混ぜ合わせる場合、収容室11の一方又は両方を手で圧縮し、収容室11の内圧を上昇させる。収容室11の内圧が上昇すると、容器本体10と蓋材20とが引き離される方向に力が加わる。収容室11と収容室11との間に設けられた低強度シール部32は、シール強度が高強度シール部31に比べて低いので、容器本体10と蓋材20とが低強度シール部32で剥離する。すなわち、収容室11の内圧が上昇する前には、図6(A)に示すように、容器本体10と蓋材20とは低強度シール部32でシールされている。収容室11の内圧が上昇すると、図6(B)に示すように、容器本体10と蓋材20とは、低強度シール部32で剥離し、引き離される。一方、高強度シール部31では、容器本体10と蓋材20とのシール状態が維持される。そのため、収容室11と収容室11とは、低強度シール部32の部分で連通される。
収容室11同士が低強度シール部32の位置で連通された後、一方の収容室11を指で押さえながら他方の収容室11に向けて指をスライドさせ、各収容室11内の内容物を混ぜ合わせる。
その後、低強度シール部32の位置で低強度シール部32を横切るようにして複室容器1を切断して複室容器1を開封する。開封後、生成された混合物は、切断された低強度シール部32の位置から外部に排出される。この複室容器1では、開封開始部40が複室容器1の周縁に設けられており、この開封開始部40から複室容器1を切り裂いて開封することができるので、蓋材20を容器本体10から剥離させずに開封することができる。
複室容器1から混合物を排出する場合、収容室の底面16や傾斜面17に折れ線18が形成されている形態の複室容器1では、次のようにして混合物は排出される。
折れ線18が形成されている複室容器1では、図7に示すように、折れ線18が外側に突出するように収容室11を折れ線18の位置で折り曲げる。収容室11を折れ線18の位置で折り曲げたとき、蓋材20は、折れ線18に対応する位置21が内側に折り込まれる。その結果、蓋材20の内面と、収容部11の内面とが相互に対抗するか又は重ね合わされた形態になる。また、折れ線18とこの折れ線18に対応する位置21とは、複室容器1の厚さ方向の相対的な位置が移動するだけであり、両者の幅方向の位置はそのまま維持される。折り曲げられた収容室11を手で押しつぶし、収容室11の端部側から切断された低強度シール部32に向けて手を移動させることにより、切断された低強度シール部32の位置から混合物を排出させることができる。
1 複室容器
10 容器本体
10a 容器本体を構成する多層シート
11 収容室
12 平坦面
13 フランジ部
15 周面
16 底面
17 傾斜面
18 折れ線
20 蓋材
31 高強度シール部
32 低強度シール部
40 開封開始部

Claims (6)

  1. 基材層とバリア層とをそれぞれ含む2枚のシート材がシールされてなり、
    2枚の前記シート材のうち、少なくとも一方のシート材は、その一面側から他面側に突出されてなる複数の収容室が形成された容器本体として構成され、他方のシート材は、前記一方のシート材の前記一面側に被せられ、複数の前記収容室を閉じている蓋材として構成され、
    前記収容室の外側には、前記容器本体と前記蓋材とが相対的に高い強度でシールされた高強度シール部が形成され、
    前記収容室同士の間には、前記容器本体と前記蓋材とが相対的に低い強度でシールされ、前記容器本体と前記蓋材とが剥離されて前記収容室同士を連通させる低強度シール部が形成され、
    前記蓋材には、前記容器本体の前記一面側に接する面にシーラント層が設けられ、
    前記収容室の底面には、該底面を折り曲げるための折れ線が、前記収容室が連なる方向に延びていることを特徴とする複室容器。
  2. 前記蓋材が平坦なシート材により構成されている、請求項1に記載の複室容器。
  3. 前記収容室は複数の平面からなり、隣り合う平面どうしで形成される角度が直角乃至鈍角である、請求項1又は2に記載の複室容器。
  4. 前記収容室の容積が、1cm以上30cm以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の複室容器。
  5. 前記容器本体の前記基材層は、ポリオレフィン樹脂であり、前記容器本体の前記バリア層は、ポリクロロトリフルオロエチレン又はポリ塩化ビニリデンであり、前記容器本体の厚さが400μm以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の複室容器。
  6. 当該複室容器の周縁には、該複室容器の周縁と前記低強度シール部とをつなぐ形態又は該複室容器の周縁と前記収容室とをつなぐ形態で該複室容器を切り裂いて開封させる開封開始部が形成されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の複室容器。
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