JP6632121B2 - 点間ベクトル計算装置、受信装置、およびチップ - Google Patents

点間ベクトル計算装置、受信装置、およびチップ Download PDF

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Description

本発明は、点間ベクトル計算装置、受信装置、およびチップに関する。
デジタル無線通信システムにおいて、複数の送信アンテナを用いて複数の送信系統の信号を伝送する技術は、伝送容量を拡大する有効な手段として注目されている。MIMO(Multiple Input Multiple Output)技術やMISO(Multiple Input Single Output)技術がこれに該当し、空間多重により伝送容量の拡大を図るものである。空間で多重された信号を分離するための検出手段としては、MLD(Maximum Likelihood Detection,最尤検出)が最適な方法として知られている。
このような信号検出のシンプルな例は、2つの送信系統の信号を1つの受信機で検出するシステムである。当該システムにおいて、第1送信系統(以下、Tx1)は送信コンスタレーションXの中の1つを送信信号xとして送信し、第2送信系統(以下Tx2)は送信コンスタレーションXの中の1つを送信信号xとして送信する。送信コンスタレーションの各信号点は、振幅と位相により定まるものであり、複素平面上の点(即ち、複素数)で表わすことができる。送信機側から送信された信号は、伝搬路において位相回転と振幅変動を受ける。その伝送路応答を、それぞれH、Hで表わすことができる。また、受信機で印加される雑音を複素数nとすると、受信信号yは、y=H+H+n と表わすことができる。
MLDでは、送信信号の組み合わせの全パターンを計算し、受信信号のレプリカを生成する。つまり、MLDでは、各送信系統の送信コンスタレーションのそれぞれに対して伝送路応答を作用させ、各送信系統で求めたレプリカを合成して、受信信号のレプリカ(以下、合成レプリカ)を生成する。この合成レプリカをY合成とすると、Y合成=H+H である。なお、伝送路応答H,Hとしては、通常、パイロット信号等を用いて推定された値が用いられる。MLDは、上記のようにして求められたすべてのY合成の中から、受信信号yとの距離が最も小さいY合成を探索し、検出結果とする。
最尤点の探索のために用いられる距離を、メトリックと呼ぶ。最も正しい検出結果を与えるとされるメトリックは2乗ユークリッド距離であるが、この2乗ユークリッド距離を用いる場合には、計算量の増大が懸念される。具体的には、2乗ユークリッド距離を求めるためには、受信信号yと上記Y合成との間の点間ベクトルM合成=y−Y合成の絶対値の2乗を求める。そのための一つの方法は、複素数M合成とその共役複素数との積を求めることであり、複素乗算を必要とする。例えば、X,Xともにコンスタレーションポイント数が16の16QAMとした場合、合成レプリカは256通り(=16×16)存在し、少なくとも256回の複素乗算を必要とする。送信系統数や送信コンスタレーションポイント数がさらに増加した場合には、それに伴って、合成レプリカの数は指数関数的に増加する。このような計算量の増加は、ハードウェア規模の増加を招き実装困難となる要因である。
特許文献1では、メトリックとして2乗ユークリッド距離ではなくマンハッタン距離を用いることによって計算量を削減する技術が記載されている。マンハッタン距離は、点間ベクトルの実部の絶対値と虚部の絶対値とを加算して得られる距離である。つまり、特許文献1に記載されている技術は、マンハッタン距離を求めるために複素乗算を必要とせず、加減算のみによってメトリックを求めることにより、計算量を削減している。
特開2015−015588号公報
しかしながら、伝送容量をより一層拡大するためには、さらなる計算量の削減が求められる。例えば、高品質の動画像をMIMOシステムによって無線伝送し、MLDで復号するためには、特許文献1に記載の技術を用いてもなお、ハードウェアとしての実装が困難であるという知見を、本願発明者らは得るに至った。
また、特許文献1に記載の技術は、メトリックを算出するために必要な複素乗算を複素加減算に置き換えることによって計算量を削減するものであるが、その基となる点間ベクトルを求めるために必要な計算量を削減するものではなかった。
本発明は、上記の課題認識に基づいて行なわれたものであり、MLDにおける計算量をより一層削減できる、点間ベクトル計算装置、受信装置、およびチップを提供しようとするものである。
[1]上記の課題を解決するため、本発明の一態様による点間ベクトル計算装置は、複数の送信系統に含まれる複数のコンスタレーション点それぞれに対応する受信レプリカを取得して、送信系統内における代表の前記受信レプリカと当該送信系統内における前記代表以外の前記受信レプリカとの差を表す相対点間ベクトルを計算する相対点間ベクトル計算部と、前記送信系統ごとの代表の前記受信レプリカを基に、前記複数の送信系統それぞれの代表の受信レプリカを合成して得られる代表合成レプリカと、外部から与えられる受信信号に対応する点との差を表す、代表の点間ベクトルを計算する代表点間ベクトル計算部と、ある送信系統について前記相対点間ベクトル計算部によって計算された前記相対点間ベクトルに基づき、前記代表の点間ベクトルに基づいて得られる点間ベクトルであって少なくとも当該送信系統に関しては代表の前記受信レプリカに対応する点間ベクトルからの相対的な変位を求めることによって、当該送信系統に関する代表以外の受信レプリカに対応する点間ベクトルを計算する点間ベクトル計算部と、前記代表点間ベクトル計算部と前記点間ベクトル計算部とによって計算された前記点間ベクトルを出力する出力部と、を具備することを特徴とする。
[2]また、本発明の一態様は、上記の点間ベクトル計算装置において、複数の送信系統に含まれる複数のコンスタレーション点を取得するとともに、当該送信系統に関する伝送路応答を取得することによって、当該送信系統の各コンスタレーション点に対応する受信レプリカを生成する受信レプリカ生成部、をさらに具備し、前記相対点間ベクトル計算部と前記代表点間ベクトル計算部とは、前記受信レプリカ生成部が生成した前記受信レプリカを取得する、ことを特徴とする。
[3]また、本発明の一態様は、上記の点間ベクトル計算装置において、前記送信系統の数は、N(ただし、Nは2以上の整数)であり、前記点間ベクトル計算部は、第1から第Nまでの点間ベクトル計算部で構成され、第1の点間ベクトル計算部は、前記代表点間ベクトル計算部が計算した代表の点間ベクトルを基に、第1の送信系統に関する前記相対点間ベクトルが表す相対的な変位を求めることによって、第1の送信系統に関する代表以外の前記受信レプリカにも対応する前記点間ベクトルを計算して出力し、第n(ただし、2≦n≦N)の点間ベクトル計算部は、第(n−1)の点間ベクトル計算部が出力した前記点間ベクトルを基に、第nの送信系統に関する前記相対点間ベクトルが表す相対的な変位を求めることによって、第nの送信系統に関する代表以外の前記受信レプリカにも対応する前記点間ベクトルを計算して出力する、ことを特徴とする。
[4]また、本発明の一態様による受信装置は、受信した受信信号およびパイロット信号を出力する受信部と、前記受信部が受信した前記パイロット信号に基づいて伝送路応答を推定する伝送路応答推定部と、複数の送信系統に含まれる複数のコンスタレーション点を記憶する送信信号記憶部と、上記のいずれかの点間ベクトル計算装置と、前記点間ベクトル計算装置から出力される点間ベクトルに基づくメトリックを計算することにより前記受信信号に対応する送信信号を最尤判定する判定部と、を具備する受信装置であって、前記受信装置が具備する前記相対点間ベクトル計算部は、前記送信信号記憶部が記憶する前記コンスタレーション点と、前記伝送路応答推定部が推定した前記伝送路応答とに基づく前記受信レプリカを取得するものであり、前記受信装置が具備する前記代表点間ベクトル計算部は、前記送信信号記憶部が記憶する前記コンスタレーション点と前記伝送路応答推定部が推定した前記伝送路応答とに基づく前記受信レプリカに基づいて、前記代表の点間ベクトルを計算するものである、ことを特徴とする。
[5]また、本発明の一態様によるチップは、複数の送信系統からの信号の受信レプリカの合成と、受信される受信信号との差を表す点間ベクトルを計算するチップであって、複数の送信系統に含まれる複数のコンスタレーション点それぞれに対応する受信レプリカを取得して、送信系統内における代表の前記受信レプリカと当該送信系統内における前記代表以外の前記受信レプリカとの差を表す相対点間ベクトルを計算する相対点間ベクトル計算部と、前記送信系統ごとの代表の前記受信レプリカを基に、前記複数の送信系統それぞれの代表の受信レプリカを合成して得られる代表合成レプリカと、外部から与えられる受信信号に対応する点との差を表す、代表の点間ベクトルを計算する代表点間ベクトル計算部と、ある送信系統について前記相対点間ベクトル計算部によって計算された前記相対点間ベクトルに基づき、前記代表の点間ベクトルに基づいて得られる点間ベクトルであって少なくとも当該送信系統に関しては代表の前記受信レプリカに対応する点間ベクトルからの相対的な変位を求めることによって、当該送信系統に関する代表以外の受信レプリカに対応する点間ベクトルを計算する点間ベクトル計算部と、前記代表点間ベクトル計算部と前記点間ベクトル計算部とによって計算された前記点間ベクトルを出力する出力部と、を具備することを特徴とする。
本発明によれば、より少ない計算量で、点間ベクトルを計算することができる。つまり、点間ベクトルの計算を半導体集積回路等で実現する場合には、回路規模を小さくすることができる。また、点間ベクトルの計算をコンピュータープログラム等によって逐次的に行う場合には、計算に要する時間を少なくすることができる。
また、本発明により、受信装置において、受信信号の判定(MLD判定等)のために要する計算量を少なくすることができる。
本発明の第1実施形態による点間ベクトル計算装置と、その点間ベクトル計算装置を用いて構成した受信装置の、概略機能構成を示すブロック図である。 同実施形態による受信装置を含んだ無線送受信システムの構成の概要を示す概略図である。 同実施形態による第1送信系統および第2送信系統の送信コンスタレーションを示す概略図である。 同実施形態による第1送信系統および第2送信系統の受信レプリカと、受信信号と合成レプリカとの間の点間ベクトルを示す概略図である。 同実施形態による第1送信系統および第2送信系統それぞれの、受信レプリカ内での相対点間ベクトルの概略を示す概略図である。 第2実施形態による点間ベクトル計算装置と、その点間ベクトル計算装置を用いて構成した受信装置の、概略機能構成を示すブロック図である。
次に、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。以下で説明する各実施形態およびその変形例は、MIMOやMISOなど、複数の送信系統からの送信信号が伝送路に入力されるシステムにおいて、受信装置側での信号の判定のために用いられる装置等である。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態による点間ベクトル計算装置と、その点間ベクトル計算装置を用いて構成した受信装置の、概略機能構成を示すブロック図である。図示するように、受信装置10は、点間ベクトル計算装置1と、受信部51と、伝送路応答推定部52と、送信信号記憶部53と、MLD判定部61とを含んで構成される。また、点間ベクトル計算装置1は、受信レプリカ生成部21と、代表合成レプリカ計算部22と、相対点間ベクトル計算部23と、代表点間ベクトル計算部31と、点間ベクトル計算部32−1および32−2と、出力部33とを含んで構成される。
なお、代表合成レプリカ計算部22と代表点間ベクトル計算部31の機能を合わせて代表点間ベクトル計算部31と呼ぶことがある。
まず、受信装置10を構成する各部の機能について説明する。なお、以下の説明において、「点」あるいは「ポイント」とは、振幅と位相角とによって定まる信号の、複素平面上における位置を表すものである。また、「ベクトル」とは、上記の複素平面上における長さ(絶対値)と方向とを有する値(複素数)を表すものである。
点間ベクトル計算装置1は、点間ベクトルを計算して出力する。点間ベクトルとは、受信信号から合成レプリカ(複数の送信系統の受信レプリカを合成したもの)を減じて得られるベクトルであり、MLD判定の基になる値である。
受信部51は、受信した受信信号およびパイロット信号を出力する。具体的には、受信部51は、複数の送信機から送信される信号を受信し、点間ベクトル計算装置1と、伝送路応答推定部52とに供給する。具体的には、受信部51は、周波数分割多重化および時分割多重化された無線信号を受信し、その無線信号における所定のリソースから受信信号を取り出す。ここで、リソースとは、所定の時間且つ所定の周波数域を占める領域である。受信信号には、通常の信号(伝送されるべきデータに対応した信号)と、パイロット信号とが含まれる。受信部51は、通常の信号を点間ベクトル計算装置1に供給し、パイロット信号を伝送路応答推定部52に供給する。なお、パイロット信号は、時間と周波数との2次元のリソースにおいて、適宜、所定の間隔で配置される。パイロット信号の配置パターンは、予め受信装置10側でもわかっている。
なお、ここで説明した伝送方式(OFDM等)は一例であり、受信部51が受信する受信信号の伝送方式は上記の例に限られない。いずれの伝送方式においても、受信装置1は、信号の振幅および位相に基づいて復調を行う。
伝送路応答推定部52は、受信部51が受信した信号のうちのパイロット信号に基づいて、伝送路応答を推定する。パイロット信号は、既知の信号である。例えば、送信側におけるパイロット信号をXとし、伝送路を通して受信したパイロット信号をYとし、伝送路応答がHであるとき、Y=HXの関係が成り立つ。そして、Xが既知であるため、Yを受信部51から受け取ると、伝送路応答推定部52は、これらの情報から伝送路応答Hを推定することができる。また、パイロット信号は、時間方向および周波数方向にそれぞれ所定の間隔ごとに設けられる。伝送路応答推定部52は、複数のパイロット信号に基づいて、時間方向および周波数方向それぞれの補間処理を行うことにより、パイロット信号が設けられていないリソース(時間および周波数の組み合わせにより特定される領域)の伝送路応答をも推定する。
送信信号記憶部53は、複数の送信系統の各々のコンスタレーションポイントを記憶する。送信信号記憶部53は、各コンスタレーションポイントの振幅と位相角の組み合わせを記憶する。あるいは、送信信号記憶部53は、複素平面上における各コンスタレーションポイントの実部および虚部の数値の組み合わせを記憶するようにしても良い。
MLD判定部61は、点間ベクトル計算装置1から出力される点間ベクトルに基づくメトリックを計算することにより受信信号に対応する送信信号を最尤判定する。具体的には、MLD判定部61は、点間ベクトル計算装置1によって計算され供給される点間ベクトルを受け取り、各点間ベクトルに対応するメトリックを計算する。点間ベクトルは、実際に受信した信号から、レプリカ(合成レプリカ)を減じた値である。MLD判定部61は、メトリックとして例えばマンハッタン距離を計算する。そして、MLD判定部61は、求めた距離が最も短い、即ち最も尤度が高いレプリカに相当する情報が、送信側から送信された最尤情報であると判定する。なお、MLD判定部61がマンハッタン距離の代わりに他の距離(例えば、2乗ユークリッド距離などであるがこれに限定されない)を用いて尤度を求めるようにしても良い。
以上の各部の機能により、受信装置10は、受信した信号を復号する。
次に、点間ベクトル計算装置1を構成する各部の機能について説明する。なお、この点間ベクトル計算装置1は、送信系統数が2の場合における点間ベクトルを計算する構成を有している。
受信レプリカ生成部21は、複数の送信系統に含まれる複数のコンスタレーション点を取得するとともに、送信系統に関する伝送路応答を取得することによって、その送信系統の各コンスタレーション点に対応する受信レプリカを生成する。具体的には、受信レプリカ生成部21は、送信信号記憶部53が記憶している送信信号を読み出し、また伝送路応答推定部52によって推定された伝送路応答を用いて、送信信号のレプリカを生成する。なお、受信レプリカ生成部21は、複数の送信系統からの信号の合成である合成レプリカを生成するものではなく、各送信系統単独でのレプリカのみを生成するものである。受信レプリカ生成部21による処理の詳細な事項については、後述する。
相対点間ベクトル計算部23は、複数の送信系統(第1送信系統および第2送信系統)にそれぞれ含まれる複数のコンスタレーション点それぞれに対応する受信レプリカを取得して、送信系統内における代表の受信レプリカと当該送信系統内における代表以外の受信レプリカとの差を表す相対点間ベクトルを計算する。なお、送信系統内における代表の受信レプリカとは、後述するように、送信系統内においてインデックス値として1が付与される受信レプリカである。代表以外の受信レプリカとは、送信系統内においてインデックス値として1以外が付与される受信レプリカである。相対点間ベクトル計算部23は、受信レプリカ生成部21から、前記の受信レプリカを取得する。相対点間ベクトル計算部23による処理のさらなる詳細な事項については、後述する。
代表合成レプリカ計算部22は、送信系統ごとの代表の受信レプリカを基に、それらの受信レプリカを合成した代表合成レプリカを生成する。代表合成レプリカ計算部22による処理の詳細な事項については、後述する。
代表点間ベクトル計算部31は、代表合成レプリカ計算部22が生成した代表合成レプリカと、点間ベクトル計算装置1の外部に存在する受信部51から与えられる受信信号に対応する点との差を表す代表点間ベクトルを計算する。代表点間ベクトルとは、多くの点間ベクトルの中の代表の点間ベクトルである。つまり、代表点間ベクトル計算部31は、送信系統ごとの代表の受信レプリカを基に、複数の送信系統それぞれの代表の受信レプリカを合成して得られる代表合成レプリカと、外部から与えられる受信信号に対応する点との差を表す、代表の点間ベクトルを計算するものである。代表点間ベクトル計算部31による処理の詳細な事項については、後述する。
点間ベクトル計算部32−1,32−2は、ある送信系統について相対点間ベクトル計算部23によって計算された相対点間ベクトルに基づき、代表点間ベクトルに基づいて得られる点間ベクトルであって少なくとも当該送信系統に関しては代表の受信レプリカに対応する点間ベクトルからの相対的な変位を求めることによって、当該送信系統に関する代表以外の受信レプリカに対応する点間ベクトルを計算する。点間ベクトル計算部32−1および32−2は、それぞれ、第1の点間ベクトル計算部および第2の点間ベクトル計算部とも呼ばれる。点間ベクトル計算部32−1および32−2が、段階的に順次処理を行うことにより、最終的には、すべての合成レプリカに対応する点間ベクトルを算出する。点間ベクトル計算部32−1,32−2がこのような手順で点間ベクトルを算出することにより、従来技術と比べて、計算量を削減することができる。なお、点間ベクトル計算部32−1,32−2による処理のさらなる詳細な事項については、後述する。
出力部33は、代表点間ベクトル計算部31と点間ベクトル計算部32−1,32−2とによって計算された点間ベクトルを出力する。
図2は、受信装置10を含んだ無線送受信システムの構成の概要を示す概略図である。図示する無線送受信システムは、MIMOまたはMISOを構成するシステムであり、2系統の送信装置(送信系統)が存在する場合を例示している。また、同システムにおいては、少なくとも1台の受信装置10が存在する。第1送信系統(Tx1)および第2送信系統(Tx2)は、それぞれ、送信アンテナ1および送信アンテナ2から、信号xおよび信号xを送信する。第1送信系統(Tx1)および第2送信系統(Tx2)から受信装置10への伝搬路(伝送路)応答を、それぞれ、HおよびHと表す。
図3は、第1送信系統および第2送信系統の送信コンスタレーションを示す概略図である。同図(a)は第1送信系統(Tx1)の送信コンスタレーションを示し、同図(b)は第2送信系統(Tx2)の送信コンスタレーションを示す。本実施形態では、第1送信系統および第2送信系統は、それぞれ16個のコンスタレーションポイントを有する。同図(a)および(b)は、それぞれ、複素平面を示している。そして、複素平面上に示した丸印(白丸)の位置が、コンスタレーションポイントである。原点からコンスタレーションポイントの位置までの距離が、信号(送信記号)の振幅に対応する。そして、原点とコンスタレーションポイントとを結んだ線と、実軸(正側)とが為す角θ(0≦θ<2π)が、信号の位相に対応する。
図4は、第1送信系統および第2送信系統の受信レプリカと、受信信号yと合成レプリカとの間の点間ベクトルを示す概略図である。
図4(a)は、第1送信系統(Tx1)の受信レプリカを示し、これら16種類のレプリカは、図3(a)に示した16個のコンスタレーションポイントに対応している。図4(a)において、各受信レプリカに便宜的にインデックスを付して示している。そのインデックスは、i=1,2,・・・,16である。図4(b)は、第2送信系統(Tx2)の受信レプリカを示し、これら16種類のレプリカは、図3(b)に示した16個のコンスタレーションポイントに対応している。図4(b)においても、各受信レプリカに便宜的にインデックスを付して示している。そのインデックスは、i=1,2,・・・,16である。なお、図4(a)および(b)のいずれにおいても、右上の位置の受信レプリカにインデックス値1を付与し、その左側に順に値2,3,4を付与し、第2行目以後は同様に順に値5,6,7,・・・を付与しているが、インデックス値の付け方は任意であり、どのような付け方をしても同じ出力結果が得られる。
図4(a)に示す受信レプリカを、上記のインデックスiを用いて、Y(i)と表す。同じインデックスiを用いて、送信コンスタレーションをX(i)と表すと、これら両者の関係は、下の式(1)で表される。
(i)=H(i) ・・・(1)
図4(b)に示す受信レプリカを、上記のインデックスiを用いて、Y(i)と表す。受信レプリカY(i)と送信コンスタレーションX(i)との関係は、同様に、下の式(2)で表される。
(i)=H(i) ・・・(2)
なお、HとHは、それぞれの伝送路応答である。
図4(c)は、第1送信系統および第2送信系統の受信レプリカを合成して得られる合成レプリカと、受信信号yとの間の点間ベクトル(の一部のみ)を示す。合成レプリカは、インデックスiとiのすべての組み合わせについて存在し得るものであり、Y合成(i,i)と表される。合成レプリカY合成(i,i)は、下の式(3)で表される。
合成(i,i
=Y(i)+Y(i
=H(i)+H(i) ・・・(3)
図4(c)は、256通り(=16×16)の合成レプリカY合成(i,i)の一部を、複素平面上に表している。同図において、「×」印で示したyが受信信号である。受信信号yと合成レプリカY合成(i,i)との間の点間ベクトルM合成(i,i)は、下の式(4)で表される。なお、図4(c)においてyの位置に向かう矢印線は、これら256種類の点間ベクトルM合成(i,i)のうちの一部を示すものである。
合成(i,i)=y−Y合成(i,i) ・・・(4)
図5は、第1送信系統(Tx1)および第2送信系統(Tx2)それぞれの、受信レプリカ内での相対点間ベクトルの概略を示す概略図である。同図(a)は第1送信系統の受信レプリカ内の相対点間ベクトルを示し、同図(b)は第2送信系統の受信レプリカ内の相対点間ベクトルを示す。同図(a)において、複素平面上に配置されている16個の丸印が、それぞれ受信レプリカである。各受信レプリカには、インデックスiとして、1から16までの値が付されている。ここで、i=1が付与されている受信レプリカが、第1送信系統における代表の受信レプリカである。ここでは、最も右上に位置する受信レプリカを代表の受信レプリカ(i=1)としているが、どの受信レプリカを代表とするかは任意であり、またインデックスの値をどのように付与するかも任意である。相対点間ベクトルは、代表の受信レプリカ(i=1)を起点として各受信レプリカを終点とするベクトルである。つまり、第1送信系統における相対点間ベクトルは、Y(i)−Y(1)と表される。なお、代表の受信レプリカ自身(i=1)に対応する相対点間ベクトルは、ゼロベクトルである。第2送信系統においても同様であり、同図(b)において、複素平面上に配置されている16個の丸印が、それぞれ受信レプリカである。各受信レプリカには、インデックスiとして、1から16までの値が付されている。ここで、i=1が付与されている受信レプリカが、第2送信系統における代表の受信レプリカである。ここでは、最も右上に位置する受信レプリカを代表の受信レプリカ(i=1)としているが、どの受信レプリカを代表とするかは任意であり、またインデックスの値をどのように付与するかも任意である。相対点間ベクトルは、代表の受信レプリカ(i=1)を起点として各受信レプリカを終点とするベクトルである。
次に、本実施形態による点間ベクトルの計算方法を以下に説明する。
[1−1]レプリカの生成
まず、受信レプリカ生成部21がレプリカを生成する。つまり、受信レプリカ生成部21は、第1送信系統(Tx1)および第2送信系統(Tx2)のそれぞれに対応する受信レプリカを生成する。具体的には、受信レプリカ生成部21は、式(1)による計算を行い、Y(i)を生成する。ただし、iの値は16通りであり、i=1,2,・・・,16である。また、受信レプリカ生成部21は、式(2)による計算を行い、Y(i)を生成する。ただし、iの値は16通りであり、i=1,2,・・・,16である。受信レプリカ生成部21は、レプリカを生成する際に、各送信系統の送信コンスタレーションの情報を、送信信号記憶部53から読み出す。また、受信レプリカ生成部21は、現在検出しようとする受信信号に対応する伝送路応答HおよびHの情報を、伝送路応答推定部52から受け取る。
なお、受信レプリカ生成部21は、送信系統ごとのレプリカを生成するのみである。受信レプリカ生成部21が合成レプリカを生成することはない。
[1−2]相対点間ベクトルを計算
受信レプリカ生成部21がレプリカを生成した後、相対点間ベクトル計算部23が、相対点間ベクトルを計算する。この相対点間ベクトルとは、各送信系統内において、代表である受信レプリカを基準として、その他の受信レプリカの位置を表すベクトルである。
第1送信系統(Tx1)に関して、i=1で指標される受信レプリカを第1送信系統の代表レプリカとする。相対点間ベクトル計算部23は、第1送信系統の相対点間ベクトルM(i)を、下の式(5)によって計算する。
(i)=Y(i)−Y(1) ・・・(5)
式(5)において、i=1,2,・・・,16であるが、i=1のときの相対点間ベクトルは明らかにM(1)=0(ゼロベクトル)であり、計算は不要である。つまり、相対点間ベクトル計算部23は、i=2,・・・,16の場合の15通りのM(i)を、式(5)によって計算する。即ち、相対点間ベクトル計算部23は、15回の複素数の減算を行うことにより、第1送信系統の相対点間ベクトルを計算する。
なお、ここでi=1を代表レプリカとしたが、第1送信系統の他の受信レプリカを代表レプリカとした場合にも、同様の計算を行える。
第2送信系統(Tx2)についても、上記の第1送信系統と同様である。つまり、第2送信系統(Tx2)に関して、i=1で指標される受信レプリカを第2送信系統の代表レプリカとする。相対点間ベクトル計算部23は、第2送信系統の相対点間ベクトルM(i)を、下の式(6)によって計算する。
(i)=Y(i)−Y(1) ・・・(6)
式(6)において、i=1,2,・・・,16であるが、i=1のときの相対点間ベクトルは明らかにM(1)=0であり、計算は不要である。つまり、相対点間ベクトル計算部23は、i=2,・・・,16の場合の15通りのM(i)を、式(6)によって計算する。即ち、相対点間ベクトル計算部23は、15回の複素数の減算を行うことにより、第2送信系統の相対点間ベクトルを計算する。
なお、ここでi=1を代表レプリカとしたが、第2送信系統の他の受信レプリカを代表レプリカとした場合にも、同様の計算を行える。
[1−3]代表合成レプリカを計算
受信レプリカ生成部21がレプリカを生成した後、代表合成レプリカ計算部22が、代表合成レプリカを計算する。代表合成レプリカは、各送信系統の代表である受信レプリカを合成したものである。つまり、代表合成レプリカ計算部22は、下の式(7)によって代表合成レプリカY合成(1,1)を計算する。
合成(1,1)=Y(1)+Y(1) ・・・(7)
つまり、代表合成レプリカ計算部22は、代表合成レプリカY合成(1,1)を求めるために複素数の加算を1回行う。
[1−4]代表点間ベクトルを計算
代表合成レプリカ計算部22が代表合成レプリカを計算した後、代表点間ベクトル計算部31が、代表点間ベクトルを計算する。この代表点間ベクトルとは、上記の代表合成レプリカY合成(1,1)と受信信号との点間ベクトルである。つまり、代表点間ベクトル計算部31は、下の式(8)によって代表点間ベクトルを計算する。
代表=y−Y合成(1,1) ・・・(8)
つまり、代表点間ベクトル計算部31は、代表点間ベクトルM代表を求めるために複素数の減算を1回行う。
なお、代表点間ベクトル計算部31は、受信信号yを受信部51から受け取る。また、代表点間ベクトル計算部31は、Y合成(1,1)を代表合成レプリカ計算部22から受け取る。
代表点間ベクトル計算部31が計算した代表点間ベクトルM代表は言うまでもなく、i=i=1の場合についての点間ベクトル、即ち、M合成(1,1)である。
代表=M合成(1,1) ・・・(9)
代表点間ベクトル計算部31は、求められたM代表(即ち、M合成(1,1))を出力部33に渡すとともに、点間ベクトル計算部32−1にも渡す。
[1−5]点間ベクトルを計算
次に、点間ベクトル計算部32−1および32−2が、点間ベクトルを計算する。以下に、その第1段階および第2段階について、それぞれ説明する。
[1−5−1]点間ベクトルを計算(第1段階)
その第1段階では、点間ベクトル計算部32−1が、i=1の場合の点間ベクトルM合成(i,i)を計算する。つまり、点間ベクトル計算部32−1が、i=2,・・・,16の15通りの場合について、M合成(i,1)を計算する。点間ベクトル計算部32−1は、下の式(10)により、これらのM合成(i,1)を計算する。
合成(i,1)=M代表−M(i) ・・・(10)
なお、式(10)は式(4)を以下のように変形して得られる。
合成(i,i)=y−Y合成(i,i
=y−Y合成(1,1)−{Y合成(i,i)−Y合成(1,1)} ・・・(11)
ここで、式(11)の最右辺第1項と第2項は式(8)の右辺そのものであり、M代表と置き換えることができる。その結果は下の式(12)の通りである。
合成(i,i)=M代表−{Y合成(i,i)−Y合成(1,1)} ・・・(12)
また、式(12)の右辺中括弧内を式(3)と式(7)を用いて変形すると、下の式(13)が得られる。
合成(i,i)=M代表−{(Y(i)−Y(1))+(Y(i)−Y(1))} ・・・(13)
そして、式(13)の右辺中括弧内の第1括弧内は式(5)の右辺そのものであり、また、第2括弧内は式(6)の右辺そのものであるので、それぞれ、M(i)、M(i)と置き換えることができる。その結果は下の式(14)の通りである。
合成(i,i)=M代表−M(i)−M(i) ・・・(14)
第1段階ではi=1であるため、下の式(15)が得られる。
合成(i,1)=M代表−M(i)−M(1) ・・・(15)
したがって、式(6)の定義よりM(1)=0であることを式(15)に代入して、上記の式(10)が得られる。
つまり、点間ベクトル計算部32−1は、式(10)を用いて、15回の複素数の減算によって、i=2,・・・,16のそれぞれに対するM合成(i,1)を計算する。
そして、点間ベクトル計算部32−1は、求められたM合成(i,1)(i=2,・・・,16)を出力部33に渡す。また、点間ベクトル計算部32−1は、これらのM合成(i,1)(i=2,・・・,16)と、代表点間ベクトル計算部31から渡されたM合成(1,1)とを、点間ベクトル計算部32−2に渡す。
[1−5−2]点間ベクトルを計算(第2段階)
第2段階では、点間ベクトル計算部32−2が、残りのM合成(i,i)を計算する。なおこのとき、点間ベクトル計算部32−2は、点間ベクトル計算部32−1から渡されたM合成(i,1)(i=1,2,・・・,16)を利用する。具体的には、点間ベクトル計算部32−2は、下の式(16)により、残りのM合成(i,i)を計算する。
合成(i,i)=M合成(i,1)−M(i) ・・・(16)
なお、式(16)は、式(14)を変形して得られる。式(14)の右辺第1項と第2項は、式(10)の右辺そのものであるため、M合成(i,1)と置き換えて、下の式(17)が得られる。
合成(i,i)=M代表−M(i)−M(i
=M合成(i,1)−M(i) ・・・(17)
つまり、上記の式(16)が得られる。
つまり、点間ベクトル計算部32−2は、式(16)を用いて、i=2,・・・,16のそれぞれに対してM合成(i,i)を算出する。即ち、点間ベクトル計算部32−2は、式(16)を用いて、15通りのiそれぞれに対する16通りのiについて、M合成(i,i)を算出する。つまり、点間ベクトル計算部32−2は、240(=15×16)回の複素数の減算を行うことによって、残っていたすべてのM合成(i,i)を求める。
そして、点間ベクトル計算部32−2は、求められたM合成(i,i)(i=1,2,・・・,16、そして、i=2,・・・,16)を出力部33に渡す。
そして、出力部33は、代表点間ベクトル計算部31と点間ベクトル計算部32−1および32−2とから渡された、合計256個の点間ベクトルM合成(i,i)(1≦i≦16,1≦i≦16)を出力する。
本実施形態による計算手順において必要とされる計算量と、従来技術において必要とされる計算量とを、ここで比較する。送信系統ごとの受信レプリカであるY(i)およびY(i)(1≦i≦16,1≦i≦16)を生成するまでに必要な計算量は、従来技術においても、本実施形態による手順においても、同等である。よって、送信系統ごとの受信レプリカが求められた後における両者の計算量を比較する。
(a)合成レプリカを生成(従来技術による場合)
従来技術においては、まず、256通りの合成レプリカY合成(i,i)(1≦i≦16,1≦i≦16)を計算するために、計256回の複素加算が必要とされる。つまり、iとiのすべての組み合わせについて、各送信系統の受信レプリカであるY(i)とY(i)とを加算する。
(b)受信信号と合成レプリカとの点間ベクトルを計算(従来技術による場合)
従来技術においては、次に、受信信号yから、上で生成した各合成レプリカY合成(i,i)を減算することにより、256通りの点間ベクトルM合成(i,i)を計算する。そのために、計256回の複素減算が必要とされる。
(c)計算回数の合計(従来技術による場合)
従来技術による場合、上記の(a)および(b)の合計として、計512回の複素加減算が必要とされる。
(d)各送信系統内で相対点間ベクトルを計算(本実施形態による場合)
本実施形態では、相対点間ベクトル計算部23が、送信系統内でレプリカ間の相対点間ベクトルを計算する。M(1)およびM(1)は、ゼロベクトルであることがわかっており、計算不要である。そして、本実施形態は、15通りのM(i)(2≦i≦16)を計算するために15回の複素減算を必要とし、また15通りのM(i)(2≦i≦16)を計算するために15回の複素減算を必要とする。つまり、本実施形態は、第1送信系統および第2送信系統の計30個の相対点間ベクトルを計算するために、計30回の複素減算を必要とする。
(e)合成レプリカの代表点を生成(本実施形態による場合)
本実施形態では、代表合成レプリカ計算部22が、代表合成レプリカY合成(1,1)を計算するために、Y(1)とY(1)とを加算する。つまり、このために1回の複素加算を必要とする。
(f)代表点間ベクトルを計算(本実施形態による場合)
本実施形態では、代表点間ベクトル計算部31が、受信信号yから上記の代表合成レプリカY合成(1,1)を減算し、代表の点間ベクトルM代表を計算する。つまり、このために1回の複素減算を必要とする。
(g)i=1について点間ベクトルを計算(本実施形態による場合)
本実施形態では、点間ベクトル計算部32−1が、i=1の場合についての点間ベクトルを計算する。つまり、点間ベクトル計算部32−1は、15通りの点間ベクトルM合成(i,1)(2≦i≦16)を計算する。各々の点間ベクトルM合成(i,1)は、代表点間ベクトルM代表から相対点間ベクトルM(i)を減算することにより求められる。つまり、このために計15回の複素減算を必要とする。
(h)i=2,・・・,16について点間ベクトルを計算(本実施形態による場合)
本実施形態では、点間ベクトル計算部32−2が、i=2,・・・,16の場合についての点間ベクトルを計算する。つまり、点間ベクトル計算部32−2は、合計で240通りの点間ベクトルM合成(i,i)(1≦i≦16,2≦i≦16)を計算する。各々の点間ベクトルM合成(i,i)は、M合成(i,1)から相対点間ベクトルM(i)を減算することにより求められる。つまり、このために計240(=16×15)回の複素減算を必要とする。
(i)計算回数の合計(本実施形態による場合)
本実施形態の技術による場合、上記の(d)から(h)までの合計として、計287(=30+1+1+15+240)回の複素加減算が必要とされる。
つまり、送信系統数が2で、各送信系統におけるコンスタレーションポイント数が16である場合、本実施形態の方法によれば、従来技術の56.1%(=287/512)の計算量で、計256(=16×16)個の点間ベクトルを求めることが可能となる。つまり、計算量を大幅に削減することができる。つまり、計算に要する時間を短くしたり、計算のためのハードウェアの規模を小さくしたりすることができる。
本実施形態で計算量を削減することができるのは次の理由による。即ち、従来技術による方法では、第1送信系統の受信レプリカと、第2送信系統の受信レプリカの、すべての組み合わせによる合成レプリカを生成してから、受信信号と各合成レプリカとの差である点間ベクトルを計算していた。ところが、第1送信系統における代表の受信レプリカと第1送信系統における代表以外の受信レプリカとの間の差(相対点間ベクトル)は、第2送信系統におけるどの受信レプリカと合成するかにかかわらず一定であるという特徴がある。逆も同様で、第2送信系統における代表の受信レプリカと第2送信系統における代表以外の受信レプリカとの間の差(相対点間ベクトル)は、第1送信系統におけるどの受信レプリカと合成するかにかかわらず一定であるという特徴がある。つまり、従来技術による方法は、この特徴を利用せず、冗長な計算を行っていた。本実施形態は、上記の相対点間ベクトルに相当する情報を点間ベクトル計算装置内(実際には、半導体チップ内のメモリ上)に一時的に記憶することにより、従来技術が行っていた上記の冗長な計算を回避する構成とした。つまり、相対点間ベクトルに相当する情報は、所望のすべての点間ベクトルを得るための計算過程の情報である。本実施形態による手順では、この計算過程の情報を利用することにより、計算量を大幅に削減することができた。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態を説明する。なお以下において、第1実施形態と同様の事項については説明を省略し、本実施形態に特有の事項を中心に説明する。
図6は、第2実施形態による点間ベクトル計算装置と、その点間ベクトル計算装置を用いて構成した受信装置の、概略機能構成を示すブロック図である。図示するように、受信装置11は、点間ベクトル計算装置2と、受信部51と、伝送路応答推定部52と、送信信号記憶部53と、MLD判定部61とを有する。また、点間ベクトル計算部2は、受信レプリカ生成部121と、代表合成レプリカ計算部122と、相対点間ベクトル計算部123と、代表点間ベクトル計算部131と、点間ベクトル計算部132−1,132−2,・・・,132−Nと、出力部33とを含んで構成される。
なお、代表合成レプリカ計算部22と代表点間ベクトル計算部31の機能を合わせて代表点間ベクトル計算部31と呼ぶことがある。
受信部51と、伝送路応答推定部52と、送信信号記憶部53と、MLD判定部61とは、それぞれ、第1実施形態におけるそれらと同様の機能を有するものである。また、点間ベクトル計算装置2もまた、第1実施形態における点間ベクトル計算装置1と類似の計算過程により点間ベクトルを計算する。ただし、第1実施形態の場合と異なり、本実施形態における送信系統数はNである。
また、本実施形態に関する各種数値等を、下記の通り定義する。なお、以下において説明する制約の範囲内で、これらの具体的な数値を任意に設定して良い。
送信系統数Nは、2以上の整数である。
送信系統に付与する番号をnとする。つまり、n=1,2,・・・,Nである。言い換えれば、第1送信系統(Tx1)から第N送信系統(TxN)までの各送信機(または送信アンテナ)から送信される信号を受信装置11は受信する。
第n送信系統におけるコンスタレーションの点数を、Cとする。Cは、2以上の整数である。例えば、BPSK(Binary Phase Shift Keying)を用いる場合のコンスタレーション点数は2である。また、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)を用いる場合のコンスタレーション点数は4である。また、16QAM、32QAM、256QAMを用いる場合のコンスタレーション点数は、それぞれ、16、32、256である。
第n送信系統におけるコンスタレーションに付与するインデックスを、i=1,2,・・・,Cとする。
第n送信系統の第i番目のコンスタレーションに対応する、受信装置側での受信レプリカをY(i)とする。
第n送信系統の受信レプリカ内での相対点間ベクトルを、M(i)とする。ただし、M(i)=Y(i)−Y(1)である。
受信信号を、yとする。
第1送信系統から第N送信系統までの合成レプリカをY合成(i,i,・・・,iNt)とする。ただし、1≦i≦Cであり、1≦i≦Cであり、以下同様である。そして、Y合成(i,i,・・・,iNt)=Y(i)+Y(i)+・・・+YNt(iNt)である。
受信信号点と合成レプリカとの点間ベクトルを、M合成(i,i,・・・,iNt)とする。ただし、M合成(i,i,・・・,iNt)=y−Y合成(i,i,・・・,iNt)である。点間ベクトル計算装置2は、i,i,・・・,iNtのすべての組み合わせについて、点間ベクトルを計算して出力する。つまり、MLD判定のために点間ベクトル計算装置2が求めるべき点間ベクトルの個数は、C×C×・・・×CNtである。
本実施形態は、第1実施形態を一般化したものであるとも言える。即ち、本実施形態は、求めるべき(C×C×・・・×CNt)個の点間ベクトルが、下の式(18)で表されることを利用する。
合成(i,i,・・・,iNt
=y−Y合成(i,i,・・・,iNt
=y−Y合成(1,1,・・・,1)−{Y合成(i,i,・・・,iNt)−Y合成(1,1,・・・,1)}
=y−Y合成(1,1,・・・,1)−{Y(i)−Y(1)+Y(i)−Y(1)+・・・+YNt(iNt)−YNt(1)}
=y−Y合成(1,1,・・・,1)−M(i)−M(i)−・・・−MNt(iNt) ・・・(18)
なお、式(18)の最右辺におけるy−Y合成(1,1,・・・,1)は、代表点間ベクトルM代表に相当するものである。また、式(18)の最右辺におけるM(i),M(i),・・・,MNt(iNt)は、それぞれ、各送信系統の受信レプリカ内の相対点間ベクトルに相当するものである。
本実施形態における装置の動作は、次の通りである。
第n送信系統(1≦n≦N)は、C個のコンスタレーションポイントのうちの1つの信号を送信する。
受信部51は、N個の送信系統から送信されてくる信号(合成された信号)yを受信し、代表点間ベクトル計算部131に渡す。受信部51は、また、パイロット信号を受信し、伝送路応答推定部52に渡す。
伝送路応答推定部52は、受信部51から渡されたパイロット信号に基づいて、伝送路応答を推定する。伝送路応答推定部52は、推定された伝送路応答を受信レプリカ生成部121に渡す。
送信信号記憶部53は、第1送信系統から第N送信系統までの各々から送信される信号のコンスタレーションポイントをすべて記憶している。
受信レプリカ生成部121は、送信信号記憶部53が記憶している送信信号を読み出し、また伝送路応答推定部52によって推定された伝送路応答を用いて、送信信号のレプリカを生成する。なお、受信レプリカ生成部121は、各送信系統単独でのレプリカのみを生成するものである。具体的には、受信レプリカ生成部121は、第n送信系統(n=1,2,・・・,N)に関して、下の式(19)により、レプリカを生成する。
(i)=H(i) ・・・(19)
ただし、iは、第n送信系統に関するコンスタレーションのインデックスである。また、X(i)は、第n送信系統のコンスタレーションポイントである。また、Hは、第n送信系統に関して推定された伝送路応答である。また、X(i)は、受信レプリカ生成部121によって生成される受信レプリカである。
相対点間ベクトル計算部123は、各送信系統における受信レプリカの中での相対点間ベクトルを計算する。具体的には、相対点間ベクトル計算部123は、第n送信系統における第i番目の相対点間ベクトルM(i)を、下の式(20)によって計算する。
(i)=Y(i)−Y(1) ・・・(20)
なお、Y(1)は、第n送信系統における代表の受信レプリカである。式(20)より、M(1)は明らかにゼロベクトルであるので、計算によって求める必要はない。
つまり、相対点間ベクトル計算部123は、第n送信系統に関して(C−1)回の複素減算を行う。即ち、相対点間ベクトル計算部123が第1送信系統から第N送信系統までにおいて必要とする複素減算の回数は、下の式(21)で与えられる通りである。
(C−1)+(C−1)+・・・+(CNt−1)
=(C+C+・・・+CNt)-N ・・・(21)
代表合成レプリカ計算部122は、受信レプリカ生成部121が生成した各送信系統の受信レプリカに基づいて、合成レプリカの代表点を計算する。具体的には、代表合成レプリカ計算部122は、合成レプリカの代表点Y合成(1,1,・・・,1)を、下の式(22)により計算する。
合成(1,1,・・・,1)=Y(1)+Y(1)+・・・+YNt(1) ・・・(22)
つまり、代表合成レプリカ計算部122は、合成レプリカの代表点Y合成(1,1,・・・,1)を計算するために、(N−1)回の複素加算を行う。
代表点間ベクトル計算部131および点間ベクトル計算部132−1,132−2,・・・,132−Nは、下記のように点間ベクトルを計算する。
代表点間ベクトル計算部131は、代表である点間ベクトルM合成(1,1,・・・,1)を計算する。
点間ベクトル計算部132−1は、第1送信系統についての相対点間ベクトルM(i)を用いて、既に計算されているM合成(1,1,・・・,1)から、i≧2における点間ベクトルM合成(i,1,・・・,1)を計算する。なお点間ベクトル計算部132−1での計算において、M合成(1,1,・・・,1)は、少なくとも第1送信系統に関しては代表の受信レプリカ(Y(1))に対応する点間ベクトルである。
点間ベクトル計算部132−2は、第2送信系統についての相対点間ベクトルM(i)を用いて、既に計算されているM合成(i,1,・・・,1)から、i≧2における点間ベクトルM合成(i,i,・・・,1)を計算する。なお点間ベクトル計算部132−2での計算において、M合成(i,1,・・・,1)は、少なくとも第2送信系統に関しては代表の受信レプリカ(Y(1))に対応する点間ベクトルである。
以下同様に処理を続け、最終段である点間ベクトル計算部132−Nは、第N送信系統についての相対点間ベクトルMN(iNt)を用いて、既に計算されているM合成(i,i,・・・,i(Nt−1),1)から、iNt≧2における点間ベクトルM合成(i,i,・・・,iNt)を計算する。なお点間ベクトル計算部132−Nでの計算において、M合成(i,i,・・・,i(Nt−1),1)は、少なくとも第N送信系統に関しては代表の受信レプリカ(YNt(1))に対応する点間ベクトルである。
この点間ベクトルの計算の詳細について、次に説明する。
代表点間ベクトル計算部131は、受信部51から渡される受信信号と代表合成レプリカ計算部122が計算した合成レプリカの代表点とに基づいて、代表点間ベクトルを計算する。具体的には、代表点間ベクトル計算部131は、下の式(23)によって、代表点間ベクトルM代表を計算する。
代表=y−Y合成(1,1,・・・,1) ・・・(23)
つまり、代表点間ベクトル計算部131は、代表点間ベクトルM代表を求めるために複素減算を1回行う。
なお、得られた代表点間ベクトルM代表は、求めるべき点間ベクトルの一つであり、M合成(1,1,・・・,1)である。そして、代表点間ベクトル計算部131は、得られた代表点間ベクトルM代表を点間ベクトル計算部132−1に渡す。また、代表点間ベクトル計算部131は、代表点間ベクトルM代表を出力部33に渡す。
点間ベクトル計算部132−1,132−2,・・・,132−Nは、既に計算された相対点間ベクトルおよび代表点間ベクトルに基づいて、順次、点間ベクトルを計算する。Nは、前述の通り送信系統の数であり、2以上の整数である。
点間ベクトル計算部132−1,132−2,・・・,132−Nは、それぞれ、第1の点間ベクトル計算部、第2の点間ベクトル計算部、・・・、第Nの点間ベクトル計算部とも呼ばれる。また、点間ベクトル計算部132−1,132−2,・・・,132−Nを総称して単に「点間ベクトル計算部」とも呼ぶ。言い換えれば、点間ベクトル計算部は、第1から第Nまでの点間ベクトル計算部で構成される。
第1の点間ベクトル計算部は、代表点間ベクトル計算部31が計算した代表の点間ベクトルを基に、第1の送信系統に関する相対点間ベクトルが表す相対的な変位を求めることによって、第1の送信系統に関する代表以外の受信レプリカにも対応する点間ベクトルを計算して出力する。
第n(ただし、2≦n≦N)の点間ベクトル計算部は、第(n−1)の点間ベクトル計算部が出力した点間ベクトルを基に、第nの送信系統に関する相対点間ベクトルが表す相対的な変位を求めることによって、第nの送信系統に関する代表以外の受信レプリカにも対応する点間ベクトルを計算して出力する。
最初に計算される代表点間ベクトルを基に、第1の点間ベクトル計算部、第2の点間ベクトル計算部、・・・、第Nの点間ベクトル計算部が、順次、各送信系統についての代表以外の点間ベクトルを計算していく。その具体的手順については、後述する。
なお、ある送信系統の代表の受信レプリカとは、インデックス値として1が付与された受信レプリカである。また、ある送信系統の代表以外の受信レプリカとは、インデックス値として1以外が付与された受信レプリカである。
まず、点間ベクトル計算部132−1が、i=i=・・・=iNt=1とした場合の第i番目の点間ベクトルM合成(i,1,・・・,1)(ただし、2≦i≦C)を計算する。具体的には、点間ベクトル計算部132−1は、次の式(24)によって、点間ベクトルM合成(i,1,・・・,1)を計算する。
合成(i,1,・・・,1)
=y−Y合成(1,1,・・・,1)−M(i
=M合成(1,1,・・・,1)−M(i) ・・・(24)
点間ベクトル計算部132−1は、計算して得られた点間ベクトルM合成(i,1,・・・,1)(ただし、2≦i≦C)を、次段の点間ベクトル計算部132−2に渡すとともに、出力部133にも渡す。また、点間ベクトル計算部132−1は、前段(代表点間ベクトル計算部131)から渡された点間ベクトルM合成(1,1,・・・,1)を、次段の点間ベクトル計算部132−2に渡す。
なお、点間ベクトル計算部132−1が(C−1)通りの点間ベクトルM合成(i,1,・・・,1)を計算するために必要とする複素減算の回数は、(C−1)回である。
次に、点間ベクトル計算部132−2が、既に計算された点間ベクトルM合成(i,1,・・・,1)(1≦i≦C)を用いて、点間ベクトルM合成(i,i,1,・・・,1)(ただし、2≦i≦C)を計算する。具体的には、点間ベクトル計算部132−2は、次の式(25)によって、点間ベクトルM合成(i,i,1,・・・,1)を計算する。
合成(i,i,1,・・・,1)
=y−Y合成(1,1,・・・,1)−M(i)−M(i
=M合成(i,1,・・・,1)−M(i) ・・・(25)
点間ベクトル計算部132−2は、計算して得られた点間ベクトルM合成(i,i,1,・・・,1)(ただし、2≦i≦C)を、次段の点間ベクトル計算部132−3に渡すとともに、出力部133にも渡す。また、点間ベクトル計算部132−2は、前段(点間ベクトル計算部132−1)から渡された点間ベクトルM合成(i,1,・・・,1)を、次段の点間ベクトル計算部132−3に渡す。
つまり、点間ベクトル計算部132−2は、C通りのM合成(i,1,・・・,1)と、(C−1)通りのM(i)との組み合わせにより、点間ベクトルM合成(i,i,1,・・・,1)を計算する。
即ち、点間ベクトル計算部132−2がC×(C−1)通りの点間ベクトルM合成(i,i,1,・・・,1)を計算するために必要とする複素減算の回数は、C×(C−1)回である。
ここまでにおいて、点間ベクトル計算部132−1,132−2による計算処理を説明したが、その後、点間ベクトル計算部132−3,132−4,・・・,132−Nが順次、前段から渡される情報を用いて、点間ベクトルを計算していく。
一般化すると、第n段階(1≦n≦N)の点間ベクトル計算部132−nは、次の計算を行う。即ち、点間ベクトル計算部132−nは、前段から、既に計算された点間ベクトルM合成(i,・・・,in−1,1,・・・,1)(1≦i≦C,1≦i≦C,・・・,1≦in−1≦Cn−1)を受け取る。そして、点間ベクトル計算部132−nは、下の式(26)により、点間ベクトルM合成(i,・・・,i,1,・・・,1)を計算する。ただし、2≦i≦Cである。
合成(i,・・・,i,1,・・・,1)
=y−Y合成(1,1,・・・,1)−M(i)−M(i)−・・・−M(i
=M合成(i,・・・,in−1,1,・・・,1)−M(i) ・・・(26)
つまり、点間ベクトル計算部132−n(1≦n≦N)は、上の式(26)により、C×・・・×Cn−1×(C−1)通りのM合成(i,・・・,i,1,・・・,1)を計算する。
点間ベクトル計算部132−nは、計算結果であるM合成(i,・・・,i,1,・・・,1)を、出力部133に渡す。そして、n<Nである場合においては、点間ベクトル計算部132−nは、前段から渡された点間ベクトルも含めて、点間ベクトルM合成(i,・・・,i,1,・・・,1)を次段の点間ベクトル計算部132−(n+1)に渡す。
つまり、点間ベクトル計算部132−nは、C×・・・×Cn−1×(C−1)回の複素減算を行う。
同様にして、最終段の点間ベクトル計算部132−Nは、下の式(27)により、点間ベクトルM合成(i,・・・,iNt)(2≦iNt≦CNt)を計算する。
合成(i,・・・,iNt
=y−Y合成(1,1,・・・,1)−M(i)−M(i)−・・・−MNt(iNt
=M合成(i,・・・,iNt−1,1)−MNt(iNt) ・・・(27)
つまり、点間ベクトル計算部132−Nは、C×・・・×CNt−1×(CNt−1)回の複素減算を行う。
出力部133は、代表点間ベクトル計算部131と、点間ベクトル計算部132−1,132−2,・・・,132−n,・・・,132−Nとから受け取ったすべての点間ベクトルM合成(i,・・・,iNt)を、MLD判定部61に渡す。これらの点間ベクトルは、(C×C×・・・×CNt)通りである。
MLD判定部61は、第1実施形態と同様に、点間ベクトル計算装置2から出力される点間ベクトルを受け取り、各点間ベクトルに対応するメトリックを計算する。そして、そのメトリックを用いてMLD判定を行う。
ここで、本実施形態による計算手順において必要とされる計算量と、従来技術において必要とされる計算量とを比較する。送信系統ごとのレプリカであるY(i),Y(i),・・・,YNt(iNt)(1≦i≦C,1≦i≦C,・・・,1≦iNt≦CNt)を生成するまでに必要な計算量は、従来技術においても、本実施形態による手順においても、同等である。よって、送信系統ごとのレプリカが求められた後における両者の計算量を比較する。
(a)合成レプリカを生成(従来技術による場合)
従来技術においては、まず、すべての合成レプリカY合成(i,i,・・・,iNt)(1≦i≦C,1≦i≦C,・・・,1≦iNt≦CNt)を計算する。つまり、i,i,・・・,iNtのすべての組み合わせについて、合成レプリカを計算する。
そのために必要とされる複素加算の回数は、(C×C×・・・×CNt)回である。
(b)受信信号と合成レプリカとの点間ベクトルを計算(従来技術による場合)
従来技術においては、次に、受信信号yから、上で生成した各合成レプリカY合成(i,i,・・・,iNt)を減算することにより、(C×C×・・・×CNt)通りの点間ベクトルM合成(i,i,・・・,iNt)を計算する。そのために、計(C×C×・・・×CNt)回の複素減算が必要とされる。
(c)計算回数の合計(従来技術による場合)
従来技術による場合、上記の(a)および(b)の合計として、2×(C×C×・・・×CNt)回の複素加減算が必要とされる。
(d)各送信系統内で相対点間ベクトルを計算(本実施形態による場合)
本実施形態では、相対点間ベクトル計算部123が、送信系統内でレプリカ間の相対点間ベクトルを計算する。M(1),M(1),・・・,MNt(1)は、それぞれ、計算するまでもなくゼロベクトルであり、計算不要である。そして、相対点間ベクトル計算部123は、式(21)にも示した通り、{(C+C+・・・+CNt)-N}回の複素加減算を必要とする。
(e)合成レプリカの代表点を生成(本実施形態による場合)
本実施形態では、代表合成レプリカ計算部122が、代表合成レプリカY合成(1,1,・・・,1)を計算するために、Y(1),Y(1),・・・,YNt(1)を加算する。つまり、このためにN−1回の複素加算を必要とする。
(f)代表点間ベクトルを計算(本実施形態による場合)
本実施形態では、代表点間ベクトル計算部131が、受信信号yから上記の代表合成レプリカY合成(1,1,・・・,1)を減算し、代表の点間ベクトルM代表を計算する。つまり、このために1回の複素減算を必要とする。
(g)点間ベクトルを計算(本実施形態による場合)
本実施形態では、点間ベクトル計算部132−1が、i=i=・・・=iNt=1の場合についての点間ベクトルを計算する。つまり、点間ベクトル計算部132−1は、(C−1)通りの点間ベクトルM合成(i,1,・・・,1)(2≦i≦C)を計算する。このために(C−1)回の複素減算を必要とする。
また、点間ベクトル計算部132−2が、i=・・・=iNt=1の場合についての点間ベクトルを計算する。つまり、点間ベクトル計算部132−2は、{C×(C−1)}通りの点間ベクトルM合成(i,i,1,・・・,1)(2≦i≦C)を計算する。このために{C×(C−1)}回の複素減算を必要とする。
以下同様であり、一般化すると、点間ベクトル計算部132−n(1≦n≦N)が、in+1=・・・=iNt=1の場合についての点間ベクトルを計算する。つまり、点間ベクトル計算部132−nは、{C×・・・×Cn−1×(C−1)}通りの点間ベクトルM合成(i,・・・,i,1,・・・,1)(2≦i≦C)を計算する。このために{C×・・・×Cn−1×(C−1)}回の複素減算を必要とする。
(h)計算回数の合計(本実施形態による場合)
つまり、本実施形態の技術による場合、上記の(d)から(g)までの合計で必要とされる複素加減算の回数は、次の通りである。
(d):{(C+C+・・・+CNt)-N}回
(e):N−1回
(f):1回
(g):(C−1)+{C×(C−1)}+{C×C×(C−1)}+・・・+{C×C×・・・×Cn−1×(C−1)}+・・・+{C×C×・・・×CNt−1×(CNt−1)}回
つまり、これら(d)から(g)までの合計で必要とされる複素加減算の回数は、{(C+C+・・・+CNt)+(C×C×・・・×CNt)−1}回である。
,C,・・・,CNtはそれぞれ2以上であるため、(C+C+・・・+CNt)≦(C×C×・・・×CNt)である。通常の通信においては、C,C,・・・,CNtはそれぞれ2よりもかなり大きい値であり、したがって、(C+C+・・・+CNt)は、(C×C×・・・×CNt)よりもかなり小さい値である。つまり、従来技術を用いる場合に2×(C×C×・・・×CNt)回の複素加減算を必要とするのに比べると、本実施形態の場合には{(C+C+・・・+CNt)+(C×C×・・・×CNt)−1}回の複素加減算で、MLD判定に必要とされるすべての点間ベクトルM合成(i,i,・・・,iNt)を計算することができる。第1実施形態においては必要とされる計算量が従来技術の56.1%(=287/512)であることを既に述べたが、Nの値が大きくなるほど、またC,C,・・・,CNtの値が大きくなるほど、このパーセンテージは下がり、漸近的に50%に近付く。つまり、本実施形態においてもまた、従来技術と比べて、計算に要する時間を短くしたり計算のためのハードウェアの規模を小さくしたりすることができる。
計算量削減効果の具体例は、次の通りである。
ケース1:N=2,C=4,C=4のとき、従来技術において必要とされる複素加減算の回数は32回であり、本実施形態において必要とされる複素加減算の回数は23回である。つまり、本実施形態では、従来技術の71.9%の計算量で済む。
ケース2:N=2,C=16,C=16のとき、従来技術において必要とされる複素加減算の回数は512回であり、本実施形態において必要とされる複素加減算の回数は287回である。つまり、本実施形態では、従来技術の56.1%の計算量で済む。
ケース3:N=2,C=64,C=64のとき、従来技術において必要とされる複素加減算の回数は8192回であり、本実施形態において必要とされる複素加減算の回数は4223回である。つまり、本実施形態では、従来技術の51.6%の計算量で済む。
ケース4:N=4,C=4,C=4,C=4,C=4のとき、従来技術において必要とされる複素加減算の回数は512回であり、本実施形態において必要とされる複素加減算の回数は271回である。つまり、本実施形態では、従来技術の52.9%の計算量で済む。
ケース5:N=4,C=4,C=4,C=16,C=16のとき、従来技術において必要とされる複素加減算の回数は8192回であり、本実施形態において必要とされる複素加減算の回数は4135回である。つまり、本実施形態では、従来技術の50.5%の計算量で済む。
ケース6:N=4,C=16,C=16,C=16,C=16のとき、従来技術において必要とされる複素加減算の回数は131072回であり、本実施形態において必要とされる複素加減算の回数は65599回である。つまり、本実施形態では、従来技術の50.0%の計算量で済む。
なお、上記のいずれのケースにおいても有効数字3桁でパーセンテージを算出している。
本実施形態で計算量を削減することができるのも、第1実施形態と同様の理由による。即ち、従来技術による方法では、第1送信系統から第N送信系統までの各々の受信レプリカの、すべての組み合わせによる合成レプリカを生成してから、受信信号と各合成レプリカとの差である点間ベクトルを計算していた。ところが、各送信系統内における代表の受信レプリカとその送信系統における代表以外の受信レプリカとの間の差(相対点間ベクトル)は、他の送信系統のどの受信レプリカと合成するかにかかわらず一定であるという特徴がある。本実施形態は、上記の相対点間ベクトルに相当する情報を点間ベクトル計算装置内に一時的に記憶することにより、従来技術が行っていた上記の冗長な計算を回避する構成とした。これにより、従来技術の方法と比べて、計算量を大幅に削減することができた。
なお、上述した実施形態における点間ベクトル計算装置を、半導体集積回路のチップとして実装しても良い。
また、半導体集積回路のチップを実現する手法の一つとして、FPGA(フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ,Field Programmable Gate Array)を用いて、上述した機能を設定するようにしても良い。
また、上述した実施形態における点間ベクトル計算装置、受信装置の機能(またはその一部)をコンピューターで実現するようにしても良い。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピューター読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピューターシステムに読み込ませ、実行することによって実現しても良い。なお、ここでいう「コンピューターシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピューター読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピューターシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピューター読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバーやクライアントとなるコンピューターシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでも良い。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピューターシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
以上、複数の実施形態を説明したが、本発明はさらに次のような変形例でも実施することが可能である。
[変形例1]第1実施形態の変形例として、受信レプリカ生成部21が点間ベクトル計算装置1の外に存在していても良い。
[変形例2]第2実施形態の変形例として、受信レプリカ生成部121が点間ベクトル計算装置2の外に存在していても良い。
[変形例3]第1実施形態の変形例として、代表合成レプリカ計算部22と代表点間ベクトル計算部31の機能を合わせて、代表点間ベクトル計算部31としてもよい。第1実施形態においては、代表合成レプリカ計算部22が前記の式(7)により代表合成レプリカY合成(1,1)を計算し、代表点間ベクトル計算部31が前記の式(8)により代表点間ベクトルM代表を計算した。これに対して、本変形例では、代表点間ベクトル計算部31が下の式(28)によって代表点間ベクトルM代表を計算する。
代表=y−Y(1)−Y(1) ・・・(28)
なお、この変形例で実施した場合にも、必要とされる複素加減算の合計回数は変わらない。
[変形例4]第2実施形態の変形例として、代表合成レプリカ計算部122と代表点間ベクトル計算部131の機能を合わせて、代表点間ベクトル計算部131としてもよい。第2実施形態においては、代表合成レプリカ計算部122が前記の式(22)により代表合成レプリカY合成(1,1,・・・,1)を計算し、代表点間ベクトル計算部131が前記の式(23)により代表点間ベクトルM代表を計算した。これに対して、本変形例では、代表点間ベクトル計算部131が下の式(29)によって代表点間ベクトルM代表を計算する。
代表=y−Y(1)−Y(1)−・・・−YNt(1) ・・・(29)
なお、この変形例で実施した場合も、必要とされる複素加減算の合計回数は変わらない。
[変形例5]第1実施形態および第2実施形態では、単独の受信装置が受信信号の判定を行う構成としていたが、変形例として、複数の受信装置が協調して受信信号の判定を行うようにしても良い。このときも、複数の受信装置の各々の中において点間ベクトルを計算するための方法・手順は、第1実施形態および第2実施形態で述べたとおりである。
[変形例6]第1実施形態および第2実施形態では、代表合成レプリカを1つだけ計算し、代表点間ベクトルを1つだけ計算していた。本変形例では、複数の代表点間ベクトルを求めて、それらの代表点間ベクトルを基に、他の点間ベクトルを計算していくようにする。この変形例による方法は、第1実施形態および第2実施形態で説明した方法よりは多くの計算量を必要とするが、従来技術による方法よりは少ない計算量で済む。
以上、この発明の実施形態およびその変形例について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
本発明は、例えば、無線デジタル信号を伝送するための機器に利用することができる。
1,2 点間ベクトル計算装置(チップ)
10,11 受信装置
21,121 受信レプリカ生成部
22,122 代表合成レプリカ計算部
23,123 相対点間ベクトル計算部
31,131 代表点間ベクトル計算部
32−1,32−2,132−1,132−2,・・・,132−N 点間ベクトル計算部
33,133 出力部
51 受信部
52 伝送路応答推定部
53 送信信号記憶部
61 MLD判定部

Claims (5)

  1. 複数の送信系統に含まれる複数のコンスタレーション点それぞれに対応する受信レプリカを取得して、送信系統内における代表の前記受信レプリカと当該送信系統内における前記代表以外の前記受信レプリカとの差を表す相対点間ベクトルを計算する相対点間ベクトル計算部と、
    信系統ごとの代表の前記受信レプリカを基に、前記複数の送信系統それぞれの代表の受信レプリカを合成して得られる代表合成レプリカと、外部から与えられる受信信号に対応する点との差を表す、代表の点間ベクトルを計算する代表点間ベクトル計算部と、
    ある送信系統について前記相対点間ベクトル計算部によって計算された前記相対点間ベクトルと、前記代表の点間ベクトルに基づいて得られる点間ベクトルであって少なくとも当該送信系統に関しては代表の前記受信レプリカに対応する点間ベクトルと、に基づき、当該送信系統に関する代表以外の受信レプリカに対応する点間ベクトルを計算する点間ベクトル計算部と、
    前記代表点間ベクトル計算部によって計算された前記代表の点間ベクトル前記点間ベクトル計算部よって計算されたすべての前記点間ベクトルと、を出力する出力部と、
    を具備することを特徴とする点間ベクトル計算装置。
  2. 複数の送信系統に含まれる複数のコンスタレーション点を取得するとともに、当該送信系統に関する伝送路応答を取得することによって、当該送信系統の各コンスタレーション点に対応する受信レプリカを生成する受信レプリカ生成部、
    をさらに具備し、
    前記相対点間ベクトル計算部と前記代表点間ベクトル計算部とは、前記受信レプリカ生成部が生成した前記受信レプリカを取得する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の点間ベクトル計算装置。
  3. 前記送信系統の数は、N(ただし、Nは2以上の整数)であり、
    前記点間ベクトル計算部は、第1から第Nまでの点間ベクトル計算部で構成され、
    第1の点間ベクトル計算部は、前記代表点間ベクトル計算部が計算した前記代表の点間ベクトルと、第1の送信系統に関する前記相対点間ベクトルとに基づき、第1の送信系統に関する代表以外の前記受信レプリカにも対応する前記点間ベクトルを計算して出力し、
    第n(ただし、2≦n≦N)の点間ベクトル計算部は、第(n−1)の点間ベクトル計算部が出力した前記点間ベクトルと、第nの送信系統に関する前記相対点間ベクトルとに基づき、第nの送信系統に関する代表以外の前記受信レプリカにも対応する前記点間ベクトルを計算して出力する、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の点間ベクトル計算装置。
  4. 受信した受信信号およびパイロット信号を出力する受信部と、
    前記受信部が受信した前記パイロット信号に基づいて伝送路応答を推定する伝送路応答推定部と、
    複数の送信系統に含まれる複数のコンスタレーション点を記憶する送信信号記憶部と、
    請求項1から3までのいずれか一項に記載の点間ベクトル計算装置と、
    前記点間ベクトル計算装置から出力される点間ベクトルに基づくメトリックを計算することにより前記受信信号に対応する送信信号を最尤判定する判定部と、
    を具備する受信装置であって、
    前記受信装置が具備する前記相対点間ベクトル計算部は、前記送信信号記憶部が記憶する前記コンスタレーション点と、前記伝送路応答推定部が推定した前記伝送路応答とに基づく前記受信レプリカを取得するものであり、
    前記受信装置が具備する前記代表点間ベクトル計算部は、前記送信信号記憶部が記憶す
    る前記コンスタレーション点と前記伝送路応答推定部が推定した前記伝送路応答とに基づく前記受信レプリカに基づいて、前記代表の点間ベクトルを計算するものである、
    ことを特徴とする受信装置。
  5. 複数の送信系統からの信号の受信レプリカの合成と、受信される受信信号との差を表す点間ベクトルを計算するチップであって、
    複数の送信系統に含まれる複数のコンスタレーション点それぞれに対応する受信レプリカを取得して、送信系統内における代表の前記受信レプリカと当該送信系統内における前記代表以外の前記受信レプリカとの差を表す相対点間ベクトルを計算する相対点間ベクトル計算部と、
    信系統ごとの代表の前記受信レプリカを基に、前記複数の送信系統それぞれの代表の受信レプリカを合成して得られる代表合成レプリカと、外部から与えられる受信信号に対応する点との差を表す、代表の点間ベクトルを計算する代表点間ベクトル計算部と、
    ある送信系統について前記相対点間ベクトル計算部によって計算された前記相対点間ベクトルと、前記代表の点間ベクトルに基づいて得られる点間ベクトルであって少なくとも当該送信系統に関しては代表の前記受信レプリカに対応する点間ベクトルと、に基づき、当該送信系統に関する代表以外の受信レプリカに対応する点間ベクトルを計算する点間ベクトル計算部と、
    前記代表点間ベクトル計算部によって計算された前記代表の点間ベクトル前記点間ベクトル計算部よって計算されたすべての前記点間ベクトルと、を出力する出力部と、
    を具備することを特徴とするチップ。
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