添付の図面を参照し、本発明を説明する。重複する説明は、適宜簡略化或いは省略する。各図において、同一の符号は同一の部分又は相当する部分を示す。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1におけるエレベータ装置の例を示す図である。エレベータ装置は、例えばかご1及びつり合いおもり2を備える。かご1は、昇降路3を上下に移動する。つり合いおもり2は、昇降路3を上下に移動する。かご1及びつり合いおもり2は、主ロープ4によって昇降路3に吊り下げられる。かご1及びつり合いおもり2を吊り下げるためのローピングの方式は、図1に示す例に限定されない。
主ロープ4は、巻上機5の駆動綱車6に巻き掛けられる。巻上機5は、制御装置7によって制御される。即ち、制御装置7は、駆動綱車6の回転及び停止を制御する。図1は、制御装置7が機械室8に設けられる例を示す。制御装置7は、昇降路3に設けられても良い。
駆動綱車6が回転すると、駆動綱車6が回転した方向に応じた方向に主ロープ4が移動する。主ロープ4が移動する方向に応じてかご1は上昇或いは下降する。かご1の移動は、ガイドレール9によって案内される。ガイドレール9は、例えば一対のガイドレール9a及び9bからなる。以下においては、ガイドレール9a及び9bに共通する事項を説明する場合にガイドレール9と表記する。
図2は、図1のA−A方向からエレベータ装置を見た図である。図3は、図2のB−B断面を示す図である。図4は、図2のC−C断面を示す図である。図5は、エレベータ装置の構成例を示す図である。ガイドレール9は、鉛直方向に一直線状に設けられる。ガイドレール9は、昇降路3のピット3aから昇降路3の頂部に亘って配置される。ピット3aは、昇降路3のうち最下階の乗場10より下方に形成された空間である。かご1は、ガイドレール9a及び9bの間に配置される。
ガイドレール9は、例えばフランジ部11とガイド部12とを備える。フランジ部11に、昇降路3の固定体にガイドレール9を固定するためのブラケット(図示せず)が固定される。ガイド部12は、フランジ部11からかご1側に突出する。ガイドレール9bのガイド部12は、ガイドレール9aのガイド部12に一定の間隔を空けて対向する。
かご1は、例えばガイドシュー13を備える。図2に示す例では、かご1は4つのガイドシュー13を備える。ガイドシュー13は、ガイドレール9に対向する。例えば、ガイドシュー13は、ガイドレール9のガイド部12に3方向から対向する。ガイドシュー13がガイド部12に対向することにより、かご1の移動がガイドレール9によって案内される。
本実施の形態は、かご1がガイドシュー13を備える例を示す。かご1は、ガイドシュー13の代わりにガイドローラを備えても良い。ガイドローラは、例えばガイドレール9のガイド部12に3方向から対向するローラを備える。
つり合いおもり2は、かご1が移動する方向とは反対の方向に移動する。つり合いおもり2の移動は、ガイドレール14によって案内される。ガイドレール14は、例えば一対のガイドレール14a及び14bからなる。以下においては、ガイドレール14a及び14bに共通する事項を説明する場合にガイドレール14と表記する。
ガイドレール14は、鉛直方向に一直線状に設けられる。ガイドレール14は、昇降路3のピット3aから昇降路3の頂部に亘って配置される。つり合いおもり2は、ガイドレール14a及び14bの間に配置される。
ガイドレール14の形状は、ガイドレール9の形状と同様である。ガイドレール14は、例えばフランジ部15とガイド部16とを備える。フランジ部15に、昇降路3の固定体にガイドレール14を固定するためのブラケット(図示せず)が固定される。ガイド部16は、フランジ部15からつり合いおもり2側に突出する。ガイドレール14bのガイド部16は、ガイドレール14aのガイド部16に一定の間隔を空けて対向する。
つり合いおもり2は、例えばガイドシュー17を備える。つり合いおもり2は、例えばかご1と同様に4つのガイドシュー17を備える。ガイドシュー17は、ガイドレール14に対向する。例えば、ガイドシュー17は、ガイドレール14のガイド部16に3方向から対向する。ガイドシュー17がガイド部16に対向することにより、つり合いおもり2の移動がガイドレール14によって案内される。
本実施の形態は、つり合いおもり2がガイドシュー17を備える例を示す。つり合いおもり2は、ガイドシュー17の代わりにガイドローラを備えても良い。ガイドローラは、例えばガイドレール14のガイド部16に3方向から対向するローラを備える。
制御装置7は、乗場10の位置に合わせてかご1を停止させる。図1は、かご1が中間階の乗場10に停止した状態を示す。各階の乗場10に乗場ドア装置18が設けられる。かご1にかごドア装置19が備えられる。
乗場ドア装置18は、例えば乗場ドア20及び乗場側連動装置21を備える。乗場ドア20は、例えばかご1が停止する乗場10に設けられる。乗場ドア20は、乗場10の出入口を開閉する。乗場側連動装置21は、乗場ドア20に設けられる。乗場側連動装置21は、乗場ドア20の裏面から突出する。乗場ドア20の裏面は、昇降路3の内部側を向く面である。本実施の形態は、乗場側連動装置21がローラを備える例を示す。
かごドア装置19は、例えばかごドア22、かご側連動装置23及び駆動装置24を備える。かごドア22は、かご1の出入口を開閉する。かご側連動装置23は、かごドア22に設けられる。かご側連動装置23は、かごドア22の裏面から突出する。かごドア22の裏面は、乗場10側を向く面である。本実施の形態は、かご側連動装置23が一対のプレートである例を示す。かご1が乗場10に停止すると、上記一対のプレートの間に乗場側連動装置21の一部が配置される。
駆動装置24は、かごドア22を開閉させるための駆動力を発生させる。即ち、かごドア22は、駆動装置24によって駆動される。制御装置7は、駆動装置24を制御する。乗場ドア装置18は、乗場ドア20を駆動するための駆動装置を備えていない。乗場ドア20は、かごドア装置19に備えられた駆動装置24によって駆動される。乗場側連動装置21及びかご側連動装置23は、乗場ドア20をかごドア22に連動させるための装置である。
かご1が乗場10に停止すると、図3に示すように乗場側連動装置21の先端部の両側にかご側連動装置23が配置される。この状態からかごドア22が開方向に移動すると、かご側連動装置23を構成する一方のプレートが乗場側連動装置21に接触する。その後、かごドア22が更に開方向に移動すると、乗場側連動装置21が上記一方のプレートに押されて乗場ドア20が開方向に移動する。即ち、乗場ドア20がかごドア22に連動して開放される。また、かごドア22が閉方向に移動すると、かご側連動装置23を構成するもう一方のプレートが乗場側連動装置21に接触する。その状態から乗場側連動装置21がかご側連動装置23に更に押されることにより、乗場ドア20がかごドア22に連動して閉じられる。
また、かご1はかご側着床装置25を備える。かご側着床装置25は、かご1の停止位置を乗場10の位置に合わせるための装置である。昇降路3の固定体に、乗場側着床装置26が設けられる。乗場側着床装置26は、かご1が停止する位置に合わせて配置される。本実施の形態は、乗場側着床装置26がガイドレール9bに固定されたプレートである例を示す。乗場側着床装置26は、例えば先端部がかご1側に突出するように折り曲げられる。かご側着床装置25は、乗場側着床装置26の存在を検出する。かご側着床装置25は、かご1が乗場10に停止すると、乗場側着床装置26と同じ高さに配置される。かご側着床装置25は、かご1が乗場10に停止すると、乗場側着床装置26の先端部を挟むように配置される。
かご1に、非常止め27が設けられる。非常止め27は、かご1の下降を強制的に止めるための装置である。非常止め27は、例えば、強力な力でガイドレール9を挟み込むことにより、かご1の下降を停止させる。
調速機28は、かご1の下降速度が基準速度を超えると、非常止め27を動作させてかご1を停止させる。調速機28は、例えば、調速ロープ29及び停止装置30を備える。調速ロープ29は、例えば無端状である。調速ロープ29は、かご1に連動して移動する。調速ロープ29は、昇降路3のピット3aから機械室8に亘って配置される。停止装置30は、かご1の下降速度が基準速度を超えたことを検出する。停止装置30は、かご1の下降速度が基準速度を超えると、移動している調速ロープ29を停止させる。調速ロープ29は、連結腕(図示せず)を介して非常止め27に連結される。調速ロープ29の移動が停止装置30に止められると、上記連結腕を介して非常止め27が動作される。これにより、かご1の下降が強制的に止められる。
コンペンロープ31は、巻上機5から見たかご1側の重量とつり合いおもり2側の重量との不均衡を補正するためのロープである。コンペンロープ31は、一方の端部がかご1の下部に連結される。コンペンロープ31は、かご1から吊り下げられる。昇降路3のピット3aに、返し車32が回転可能に設けられる。コンペンロープ31は、返し車32に巻き掛けられる。コンペンロープ31は、もう一方の端部がつり合いおもり2の下部に連結される。コンペンロープ31は、つり合いおもり2から吊り下げられる。
制御ケーブル33は、かご1と制御装置7とを電気的に接続する。制御ケーブル33の一方の端部は、かご1の下部に連結される。制御ケーブル33は、かご1から吊り下げられる。制御ケーブル33のもう一方の端部は、制御装置7に連結される。
異常検出装置34は、エレベータ装置に発生した異常を検出するための装置である。異常検出装置34は、例えば移動体35、ローラ36a、ローラ36b、保持装置37及び検出器38を備える。
移動体35は、少なくとも一部がガイドレール9a及び9bの間に配置される。移動体35にローラ36a及びローラ36bが回転可能に設けられる。ローラ36aは、ガイドレール9aに接触する。ローラ36bは、ガイドレール9bに接触する。移動体35は、上下の移動が可能である。移動体35が移動する時、ローラ36aはガイドレール9aに接触しながら回転する。ローラ36bはガイドレール9bに接触しながら回転する。即ち、移動体35の移動は、ガイドレール9a及び9bに案内される。
移動体35に、異常が発生し易い機器に対向する複数の対向部が備えられる。移動体35は、例えば対向部39a及び対向部39bを備える。対向部39aは、ガイドレール9aに対向する。例えば、対向部39aは、ガイドシュー13と同様にガイドレール9aのガイド部12に3方向から対向する。対向部39aとガイドレール9aとの間には隙間が形成される。対向部39bは、ガイドレール9bに対向する。例えば、対向部39bは、ガイドシュー13と同様にガイドレール9bのガイド部12に3方向から対向する。対向部39bとガイドレール9bとの間には隙間が形成される。
移動体35は、例えば対向部40を備える。対向部40は、主ロープ4に対向する。図4は、移動体35に形成された長孔を主ロープ4が通過する例を示す。図4に示す例では、移動体35のうち長孔を形成する縁の部分が対向部40である。エレベータ装置が複数本の主ロープ4を備える場合、主ロープ4の本数と同数の貫通孔を移動体35に形成しても良い。かかる場合、1つの貫通孔に1本の主ロープ4が通される。
保持装置37は、移動体35を保持する。異常検出装置34を用いた異常検出は、移動体35を上方から下降させることによって行われる。異常検出装置34は、かご1より上方で発生した異常を検出するための装置である。このため、保持装置37は、かご1の上方で移動体35を保持する。図2は、保持装置37が昇降路3の頂部で移動体35を保持する例を示す。保持装置37は、制御装置7によって制御される。制御装置7は、異常検出を開始するための条件が成立すると、保持装置37を制御して移動体35を下降させる。
検出器38は、かご1の上に設定された検出位置に移動体35が存在することを検出する。移動体35が保持装置37に保持されている場合、検出器38は、移動体35が検出位置に存在することを検出しない。検出器38は、かご1の上部に設けられる。本実施の形態に示す例では、検出位置はかご1の直上に設定される。例えば、移動体35は、下方に突出する突出部41を備える。検出器38は、上面に突出部41の下面が対向することにより、検出位置に移動体35が存在することを検出する。検出器38は、突出部41が接触したことを検出しても良い。検出器38の検出方法は上記例に限定されない。検出器38として赤外線センサ等を用いても良い。
異常検出装置34を用いた異常検出は、例えば地震が発生した後に行われる。かかる場合、例えば機械室8等に地震検知器42が設置される。地震検知器42は、昇降路3のピット3aに設置しても良い。地震検知器42は、地震の発生を検知する。地震検知器42は、地震の発生を検知すると、地震発生情報を制御装置7に送信する。なお、異常検出装置34を用いた異常検出は、定期的に行われても良い。以下に、図6及び図7も参照し、エレベータ装置が行う動作について具体的に説明する。図6は、この発明の実施の形態1におけるエレベータ装置の動作例を示すフローチャートである。
制御装置7は、地震が発生したか否かを判定する(S101)。上述したように、地震の発生は地震検知器42によって検知される。制御装置7は、地震検知器42から地震発生情報を受信すると、地震が発生したことを判定する。制御装置7は、地震検知器42が地震の発生を検知すると、地震時管制運転を行う。地震時管制運転は、地震が発生した後に利用者をかご1から降ろすための運転である。例えば、制御装置7は、地震検知器42が地震の発生を検知すると、かご1を最寄り階に停止させる。制御装置7は、かご1を最寄り階に停止させるとかごドア22及び乗場ドア20を開放させる。制御装置7は、かごドア22及び乗場ドア20を開放させた後、一定時間が経過するとかごドア22及び乗場ドア20を閉じる。その後にかご1に利用者がいないことが検出されると、地震時管制運転が終了する(S102のYes)。
地震時管制運転が終了すると、制御装置7は、地震検知器42が地震の発生を検知することなく一定時間が経過したか否かを判定する(S103)。制御装置7は、地震時管制運転を行った後に地震検知器42が地震の発生を検知することなく一定時間が経過すると、異常検出装置34を用いた異常検出を開始する(S104)。具体的に、制御装置7は、保持装置37の保持機能を解除し、保持装置37から移動体35を下降させる。
保持装置37の保持機能が解除されると、移動体35は、ガイドレール9a及び9bに案内されて下方に移動する。移動体35は、対向部39a、対向部39b及び対向部40を備える。このため、ガイドレール9aに異常が発生していると、対向部39aがガイドレール9aに接触して移動体35が停止する。例えば、地震の揺れによってガイドレール9aが湾曲したり接続部分に段差ができたりすると、移動体35は検出器38の検出位置に到達することなく途中で止まる。同様に、主ロープ4に異常が発生していると、対向部40が主ロープ4に接触して移動体35が停止する。例えば、地震の揺れによって主ロープ4が昇降路3に設置された機器に引っ掛かると、移動体35は検出器38の検出位置に到達することなく途中で止まる。
制御装置7は、保持装置37の保持機能を解除した後、検出位置に移動体35が存在することが検出器38によって検出されない場合に異常が発生したことを判定する(S105のYes)。制御装置7は、保持装置37の保持機能を解除してから基準時間が経過しても検出器38が移動体35の存在を検出できない場合に、異常が発生したことを判定しても良い。上記基準時間は、かご1の位置に応じて演算によって求めても良い。上記基準時間としてかご1の位置に関わらず同じ値を使用しても良い。例えば、移動体35が昇降路3の頂部からピット3aに移動するのに掛かる時間を基準時間として採用しても良い。制御装置7は、異常が発生したことを判定すると、かご1を停止させておく(S106)。制御装置7は、異常が発生したことを外部に発報しても良い。
ガイドレール9及び主ロープ4に異常が発生していなければ、移動体35は、保持装置37の保持機能が解除されると検出器38の検出位置まで下降する。これにより、検出位置に移動体35が存在することが検出器38によって検出される。図7は、移動体35が検出器38の検出位置まで下降した状態を示す図である。制御装置7は、例えば検出位置に移動体35が存在することが検出器38によって検出されると、異常が発生していないことを判定する(S105のNo)。制御装置7は、S105で異常が発生していないことを判定すると、復旧動作を開始する(S107)。復旧動作は、異常検出装置34を元の状態、即ち地震が発生する前の状態に戻すための動作である。
例えば、制御装置7は、検出位置に移動体35が存在することが検出器38によって検出されると、かご1を上方に移動させる。かご1が上方に移動すると、かご1に押されて移動体35が上方に移動する。制御装置7は、保持装置37が移動体35を保持できる高さまでかご1を移動させると、保持装置37に移動体35を保持させる。これにより、復旧動作が終了する。制御装置7は、復旧動作が終了すると、通常運転を開始する(S108)。
本実施の形態に示すエレベータ装置であれば、かご1より上方で発生した特定の異常を検出できる。また、移動体35が検出器38の検出位置まで下降した後に復旧動作が行われ、異常検出装置34が元の状態に戻される。移動体35を保持装置37に保持させるために保守員が現場まで赴く必要はない。このため、保守員の負担を軽減できる。
本実施の形態に示す例では、検出器38は、上面に突出部41の下面が対向することによって検出位置に移動体35が存在することを検出する。このような構成であれば、例えば、ガイドシュー13がガイドレール9から外れてしまった場合に検出器38によって移動体35の存在を検出できなくなる。即ち、異常検出装置34によって脱レールを検出することが可能になる。
エレベータ装置は、異常検出装置43を備えても良い。図8は、図1のD−D方向からエレベータ装置を見た図である。異常検出装置43は、エレベータ装置に発生した異常を検出するための装置である。異常検出装置34がかご1より上方で発生した異常を検出するための装置であるのに対し、異常検出装置43は、つり合いおもり2より上方で発生した異常を検出するための装置である。異常検出装置43の機能は、異常検出装置34の機能と同様である。異常検出装置43は、例えば移動体44、ローラ45a、ローラ45b、保持装置46及び検出器47を備える。
移動体44は、少なくとも一部がガイドレール14a及び14bの間に配置される。移動体44にローラ45a及びローラ45bが回転可能に設けられる。ローラ45aは、ガイドレール14aに接触する。ローラ45bは、ガイドレール14bに接触する。移動体44は、上下の移動が可能である。移動体44が移動する時、ローラ45aはガイドレール14aに接触しながら回転する。ローラ45bはガイドレール14bに接触しながら回転する。即ち、移動体44の移動は、ガイドレール14a及び14bに案内される。
移動体44に、異常が発生し易い機器に対向する複数の対向部が備えられる。移動体44は、例えば対向部48a及び対向部48bを備える。対向部48aは、ガイドレール14aに対向する。例えば、対向部48aは、ガイドシュー17と同様にガイドレール14aのガイド部16に3方向から対向する。対向部48aとガイドレール14aとの間には隙間が形成される。対向部48bは、ガイドレール14bに対向する。例えば、対向部48bは、ガイドシュー17と同様にガイドレール14bのガイド部16に3方向から対向する。対向部48bとガイドレール14bとの間には隙間が形成される。
移動体44は、例えば対向部49を備える。対向部49は、主ロープ4に対向する。図4は、移動体44に形成された長孔を主ロープ4が通過する例を示す。図4に示す例では、移動体44のうち長孔を形成する縁の部分が対向部49である。エレベータ装置が複数本の主ロープ4を備える場合、主ロープ4の本数と同数の貫通孔を移動体44に形成しても良い。かかる場合、1つの貫通孔に1本の主ロープ4が通される。
保持装置46は、移動体44を保持する。異常検出装置43を用いた異常検出は、移動体44を上方から下降させることによって行われる。上述したように、異常検出装置43は、つり合いおもり2より上方で発生した異常を検出する。このため、保持装置46は、つり合いおもり2の上方で移動体44を保持する。図8は、保持装置46が昇降路3の頂部で移動体44を保持する例を示す。保持装置46は、制御装置7によって制御される。制御装置7は、異常検出を開始するための条件が成立すると、保持装置46を制御して移動体44を下降させる。
検出器47は、つり合いおもり2の上に設定された検出位置に移動体44が存在することを検出する。移動体44が保持装置46に保持されている場合、検出器47は、移動体44が検出位置に存在することを検出しない。検出器47は、つり合いおもり2の上部に設けられる。本実施の形態に示す例では、検出位置はつり合いおもり2の直上に設定される。例えば、移動体44は、下方に突出する突出部50を備える。検出器47は、上面に突出部50の下面が対向することにより、検出位置に移動体44が存在することを検出する。検出器47は、突出部50が接触したことを検出しても良い。検出器47の検出方法は上記例に限定されない。検出器47として赤外線センサ等を用いても良い。
異常検出装置34を用いた異常検出は、例えば地震が発生した後に行われる。異常検出装置34を用いた異常検出は、定期的に行われても良い。地震検知器42が地震の発生を検知した後の動作は、例えば図6に示す動作と同様である。制御装置7は、S104において異常検出装置43を用いた異常検出を開始する。例えば、制御装置7は、保持装置46の保持機能を解除し、保持装置46から移動体44を下降させる。
保持装置46の保持機能が解除されると、移動体44は、ガイドレール14a及び14bに案内されて下方に移動する。例えば、地震の揺れによってガイドレール14aに異常が発生すると、対向部48aがガイドレール14aに接触して移動体44が停止する。主ロープ4に異常が発生していると、対向部49が主ロープ4に接触して移動体44が停止する。制御装置7は、保持装置46の保持機能を解除した後、検出位置に移動体44が存在することが検出器47によって検出されない場合に異常が発生したことを判定する(S105のYes)。制御装置7は、保持装置46の保持機能を解除してから基準時間が経過しても検出器47が移動体44の存在を検出できない場合に、異常が発生したことを判定しても良い。
ガイドレール14及び主ロープ4に異常が発生していなければ、移動体44は、保持装置46の保持機能が解除されると検出器47の検出位置まで下降する。これにより、検出位置に移動体44が存在することが検出器47によって検出される。制御装置7は、例えば検出位置に移動体44が存在することが検出器47によって検出されると、異常が発生していないことを判定する(S105のNo)。制御装置7は、S105で異常が発生していないことを判定すると、復旧動作を開始する(S107)。復旧動作は、異常検出装置43を元の状態、即ち地震が発生する前の状態に戻すための動作である。
例えば、制御装置7は、検出位置に移動体44が存在することが検出器47によって検出されると、つり合いおもり2を上方に移動させる。つり合いおもり2が上方に移動すると、つり合いおもり2に押されて移動体44が上方に移動する。制御装置7は、保持装置46が移動体44を保持できる高さまでつり合いおもり2を移動させると、保持装置46に移動体44を保持させる。これにより、復旧動作が終了する。制御装置7は、復旧動作が終了すると、通常運転を開始する(S108)。
図9は、この発明の実施の形態1におけるエレベータ装置の他の例を示す図である。図9は、図2のC−C断面に相当する図である。図9に示す例は、移動体35が他の対向部を備える点で図4等に示す例と相違する。移動体35は、例えば対向部51を備える。対向部51は、乗場側連動装置21に対向するように設けられる。即ち、乗場側連動装置21が設置された高さを移動体35が通過する際に、対向部51が乗場側連動装置21に対向する。乗場側連動装置21が設置された高さに移動体35が配置されると、かご側連動装置23と同様に、乗場側連動装置21の先端部の両側に対向部51が配置される。
例えば、地震の揺れによって主ロープ4が揺れると、主ロープ4が乗場側連動装置21に接触する。これにより乗場側連動装置21の位置が変わると、対向部51が乗場側連動装置21に接触して移動体35が停止する。移動体35が対向部51を備えることにより、乗場側連動装置21に発生した異常を検出することができる。
移動体35は、例えば対向部52を備える。対向部52は、乗場側着床装置26に対向するように設けられる。即ち、乗場側着床装置26が設置された高さを移動体35が通過する際に、対向部52が乗場側着床装置26に対向する。乗場側着床装置26が設置された高さに移動体35が配置されると、かご側着床装置25と同様に、乗場側着床装置26の先端部を挟むように対向部52が配置される。
例えば、地震の揺れによって主ロープ4が揺れると、主ロープ4が乗場側着床装置26に接触する。これにより乗場側着床装置26の位置が変わると、対向部52が乗場側着床装置26に接触して移動体35が停止する。移動体35が対向部52を備えることにより、乗場側着床装置26に発生した異常を検出することができる。
移動体35は、例えば対向部53を備える。対向部53は、調速ロープ29に対向する。図9は、移動体35に形成された貫通孔を調速ロープ29が通過する例を示す。図9に示す例では、移動体35のうち上記貫通孔を形成する縁が対向部53である。対向部53は、対向部40と同様に長孔を形成する縁であっても良い。
例えば、地震の揺れによって調速ロープ29が揺れると、調速ロープ29が昇降路3に設置された機器に引っ掛かる。この状態で移動体35が下降すると、対向部53が調速ロープ29に接触して移動体35が停止する。移動体35が対向部53を備えることにより、調速ロープ29に発生した異常を検出することができる。
実施の形態2.
実施の形態1では、かご1より上方で発生した異常或いはつり合いおもり2より上方で発生した異常を検出する例について説明した。本実施の形態では、かご1より下方で発生した異常或いはつり合いおもり2より下方で発生した異常を検出する例について説明する。図10は、この発明の実施の形態2におけるエレベータ装置の例を示す図である。図10は、図1のA−A方向と同じ方向からエレベータ装置を見た図である。図11は、図10のE−E断面を示す図である。本実施の形態におけるエレベータ装置の基本的な構成は、実施の形態1で開示した構成と同様である。本実施の形態におけるエレベータ装置は、異常検出装置54を備える。本実施の形態におけるエレベータ装置は、異常検出装置34及び異常検出装置43を備えても良い。
異常検出装置54は、エレベータ装置に発生した異常を検出するための装置である。異常検出装置54は、例えば移動体55、ローラ56a、ローラ56b、保持装置57及び検出器58を備える。
移動体55は、少なくとも一部がガイドレール9a及び9bの間に配置される。移動体55にローラ56a及びローラ56bが回転可能に設けられる。ローラ56aは、ガイドレール9aに接触する。ローラ56bは、ガイドレール9bに接触する。移動体55は、上下の移動が可能である。移動体55が移動する時、ローラ56aはガイドレール9aに接触しながら回転する。ローラ56bはガイドレール9bに接触しながら回転する。即ち、移動体55の移動は、ガイドレール9a及び9bに案内される。
移動体55に、異常が発生し易い機器に対向する複数の対向部が備えられる。移動体55は、例えば対向部59a及び対向部59bを備える。対向部59aは、ガイドレール9aに対向する。例えば、対向部59aは、ガイドシュー13と同様にガイドレール9aのガイド部12に3方向から対向する。対向部59aとガイドレール9aとの間には隙間が形成される。対向部59bは、ガイドレール9bに対向する。例えば、対向部59bは、ガイドシュー13と同様にガイドレール9bのガイド部12に3方向から対向する。対向部59bとガイドレール9bとの間には隙間が形成される。
移動体55は、例えば対向部60を備える。対向部60は、コンペンロープ31に対向する。図11は、移動体55に形成された長孔をコンペンロープ31が通過する例を示す。図11に示す例では、移動体55のうち長孔を形成する縁の部分が対向部60である。エレベータ装置が複数本のコンペンロープ31を備える場合、コンペンロープ31の本数と同数の貫通孔を移動体55に形成しても良い。かかる場合、1つの貫通孔に1本のコンペンロープ31が通される。
保持装置57は、移動体55を保持する。異常検出装置54を用いた異常検出は、移動体55をかご1の下から下降させることによって行われる。異常検出装置54は、かご1より下方で発生した異常を検出するための装置である。このため、保持装置57は、かご1の下で移動体55を保持する。図12は、図10のF−F断面を示す図である。図12は、保持装置57がかご1の下部に設けられる例を示す。保持装置57は、制御装置7によって制御される。制御装置7は、異常検出を開始するための条件が成立すると、保持装置57を制御して移動体55を下降させる。
検出器58は、昇降路3のピット3aに設定された検出位置に移動体55が存在することを検出する。移動体55が保持装置57に保持されている場合、検出器58は、移動体55が検出位置に存在することを検出しない。検出器58は、昇降路3のピット3aに設けられる。本実施の形態に示す例では、検出器58は緩衝器61の先端に設けられる。緩衝器61は、かご1が落下した際の衝撃を緩和させるための装置である。例えば、移動体55は、下方に突出する突出部62を備える。検出器58は、上面に突出部62の下面が対向することにより、検出位置に移動体55が存在することを検出する。検出器58は、突出部62が接触したことを検出しても良い。検出器58の検出方法は上記例に限定されない。検出器58として赤外線センサ等を用いても良い。また、検出器58の設置方法は上記例に限定されない。例えば、取付板等を用いて検出器58を昇降路3のピット3aに配置しても良い。
異常検出装置54を用いた異常検出は、例えば地震が発生した後に行われる。異常検出装置54を用いた異常検出は、定期的に行われても良い。地震検知器42が地震の発生を検知した後の動作は、例えば図6に示す動作と同様である。制御装置7は、S104において異常検出装置54を用いた異常検出を開始する。例えば、制御装置7は、保持装置57の保持機能を解除し、保持装置57から移動体55を下降させる。
保持装置57の保持機能が解除されると、移動体55は、ガイドレール9a及び9bに案内されて下方に移動する。移動体55は、対向部59a、対向部59b及び対向部60を備える。このため、ガイドレール9aに異常が発生していると、対向部59aがガイドレール9aに接触して移動体55が停止する。例えば、地震の揺れによってガイドレール9aが湾曲したり接続部分に段差ができたりすると、移動体55は検出器58の検出位置に到達することなく途中で止まる。同様に、コンペンロープ31に異常が発生していると、対向部60がコンペンロープ31に接触して移動体55が停止する。例えば、地震の揺れによってコンペンロープ31が昇降路3に設置された機器に引っ掛かると、移動体55は検出器58の検出位置に到達することなく途中で止まる。
制御装置7は、保持装置57の保持機能を解除した後、検出位置に移動体55が存在することが検出器58によって検出されない場合に異常が発生したことを判定する(S105のYes)。制御装置7は、保持装置57の保持機能を解除してから基準時間が経過しても検出器58が移動体55の存在を検出できない場合に、異常が発生したことを判定しても良い。制御装置7は、異常が発生したことを判定すると、かご1を停止させておく(S106)。制御装置7は、異常が発生したことを外部に発報しても良い。
ガイドレール9及びコンペンロープ31に異常が発生していなければ、移動体35は、保持装置57の保持機能が解除されると検出器58の検出位置まで下降する。これにより、検出位置に移動体55が存在することが検出器58によって検出される。図13は、移動体55が検出器58の検出位置まで下降した状態を示す図である。制御装置7は、例えば検出位置に移動体55が存在することが検出器58によって検出されると、異常が発生していないことを判定する(S105のNo)。制御装置7は、S105で異常が発生していないことを判定すると、復旧動作を開始する(S107)。復旧動作は、異常検出装置54を元の状態、即ち地震が発生する前の状態に戻すための動作である。
例えば、制御装置7は、検出位置に移動体55が存在することが検出器58によって検出されると、かご1を下方に移動させる。制御装置7は、保持装置57が移動体55を保持できる高さまでかご1を移動させると、保持装置57に移動体55を保持させる。これにより、復旧動作が終了する。制御装置7は、復旧動作が終了すると、通常運転を開始する(S108)。
本実施の形態に示すエレベータ装置であっても、実施の形態1で開示した効果と同様の効果が期待できる。即ち、本実施の形態に示すエレベータ装置であれば、かご1より下方で発生した特定の異常を検出できる。また、移動体55が検出器58の検出位置まで下降した後、復旧動作が行われて異常検出装置54が元の状態に戻される。移動体55を保持装置57に保持させるために保守員が現場まで赴く必要はない。このため、保守員の負担を軽減できる。
エレベータ装置は、異常検出装置63を備えても良い。図14は、図1のD−D方向と同じ方向からエレベータ装置を見た図である。異常検出装置63は、エレベータ装置に発生した異常を検出するための装置である。異常検出装置54がかご1より下方で発生した異常を検出するための装置であるのに対し、異常検出装置63は、つり合いおもり2より下方で発生した異常を検出するための装置である。異常検出装置63の機能は、異常検出装置54の機能と同様である。異常検出装置63は、例えば移動体64、ローラ65a、ローラ65b、保持装置66及び検出器67を備える。
移動体64は、少なくとも一部がガイドレール14a及び14bの間に配置される。移動体64にローラ65a及びローラ65bが回転可能に設けられる。ローラ65aは、ガイドレール14aに接触する。ローラ65bは、ガイドレール14bに接触する。移動体64は、上下の移動が可能である。移動体64が移動する時、ローラ65aはガイドレール14aに接触しながら回転する。ローラ65bはガイドレール14bに接触しながら回転する。即ち、移動体64の移動は、ガイドレール14a及び14bに案内される。
移動体64に、異常が発生し易い機器に対向する複数の対向部が備えられる。移動体64は、例えば対向部68a及び対向部68bを備える。対向部68aは、ガイドレール14aに対向する。例えば、対向部68aは、ガイドシュー17と同様にガイドレール14aのガイド部16に3方向から対向する。対向部68aとガイドレール14aとの間には隙間が形成される。対向部68bは、ガイドレール14bに対向する。例えば、対向部68bは、ガイドシュー17と同様にガイドレール14bのガイド部16に3方向から対向する。対向部68bとガイドレール14bとの間には隙間が形成される。
移動体64は、例えば対向部69を備える。対向部69は、コンペンロープ31に対向する。図11は、移動体64に形成された長孔をコンペンロープ31が通過する例を示す。図11に示す例では、移動体64のうち長孔を形成する縁の部分が対向部69である。エレベータ装置が複数本のコンペンロープ31を備える場合、コンペンロープ31の本数と同数の貫通孔を移動体64に形成しても良い。かかる場合、1つの貫通孔に1本のコンペンロープ31が通される。
保持装置66は、移動体64を保持する。異常検出装置63を用いた異常検出は、移動体64をつり合いおもり2の下から下降させることによって行われる。上述したように、異常検出装置63は、つり合いおもり2より下方で発生した異常を検出する。このため、保持装置66は、つり合いおもり2の下で移動体64を保持する。図14は、保持装置66がつり合いおもり2の下部に設けられる例を示す。保持装置66は、制御装置7によって制御される。制御装置7は、異常検出を開始するための条件が成立すると、保持装置66を制御して移動体64を下降させる。
検出器67は、昇降路3のピット3aに設定された検出位置に移動体64が存在することを検出する。移動体64が保持装置66に保持されている場合、検出器67は、移動体64が検出位置に存在することを検出しない。検出器67は、昇降路3のピット3aに設けられる。本実施の形態に示す例では、検出器67は緩衝器70の先端に設けられる。緩衝器70は、つり合いおもり2が落下した際の衝撃を緩和させるための装置である。例えば、移動体64は、下方に突出する突出部71を備える。検出器67は、上面に突出部71の下面が対向することにより、検出位置に移動体64が存在することを検出する。検出器67は、突出部71が接触したことを検出しても良い。検出器67の検出方法は上記例に限定されない。検出器67として赤外線センサ等を用いても良い。また、検出器67の設置方法は上記例に限定されない。例えば、取付板等を用いて検出器67を昇降路3のピット3aに配置しても良い。
異常検出装置63を用いた異常検出は、例えば地震が発生した後に行われる。異常検出装置63を用いた異常検出は、定期的に行われても良い。地震検知器42が地震の発生を検知した後の動作は、例えば図6に示す動作と同様である。制御装置7は、S104において異常検出装置63を用いた異常検出を開始する。例えば、制御装置7は、保持装置66の保持機能を解除し、保持装置66から移動体64を下降させる。
保持装置66の保持機能が解除されると、移動体64は、ガイドレール14a及び14bに案内されて下方に移動する。例えば、地震の揺れによってガイドレール14aに異常が発生すると、対向部68aがガイドレール14aに接触して移動体64が停止する。コンペンロープ31に異常が発生していると、対向部69がコンペンロープ31に接触して移動体64が停止する。制御装置7は、保持装置66の保持機能を解除した後、検出位置に移動体64が存在することが検出器67によって検出されない場合に、異常が発生したことを判定する(S105のYes)。制御装置7は、保持装置66の保持機能を解除してから基準時間が経過しても検出器67が移動体64の存在を検出できない場合に、異常が発生したことを判定しても良い。
ガイドレール14及びコンペンロープ31に異常が発生していなければ、移動体64は、保持装置66の保持機能が解除されると検出器67の検出位置まで下降する。これにより、検出位置に移動体64が存在することが検出器67によって検出される。制御装置7は、例えば検出位置に移動体64が存在することが検出器67によって検出されると、異常が発生していないことを判定する(S105のNo)。制御装置7は、S105で異常が発生していないことを判定すると、復旧動作を開始する(S107)。復旧動作は、異常検出装置63を元の状態、即ち地震が発生する前の状態に戻すための動作である。
例えば、制御装置7は、検出位置に移動体64が存在することが検出器67によって検出されると、つり合いおもり2を下方に移動させる。制御装置7は、保持装置66が移動体64を保持できる高さまでつり合いおもり2を移動させると、保持装置66に移動体64を保持させる。これにより、復旧動作が終了する。制御装置7は、復旧動作が終了すると、通常運転を開始する(S108)。
図15は、この発明の実施の形態2におけるエレベータ装置の他の例を示す図である。図15は、図10のE−E断面に相当する図である。図15に示す例は、移動体55が他の対向部を備える点で図11等に示す例と相違する。移動体55は、例えば対向部72を備える。対向部72は、制御ケーブル33に対向する。例えば、地震の揺れによって制御ケーブル33が揺れると、制御ケーブル33が昇降路3に配置された機器に引っ掛かる。この状態で移動体55が下降すると、対向部72が制御ケーブル33に接触して移動体55が停止する。移動体55が対向部72を備えることにより、制御ケーブル33に発生した異常を検出することができる。
移動体55は、対向部51、対向部52及び対向部53に相当する対向部を備えても良い。
実施の形態1及び2では、異常検出装置の移動体が検出器の検出位置に到達するか否かによって異常の有無を判定する例について説明した。各異常検出装置に加速度計を追加し、加速度計によって検出された加速度に基づいて異常の有無を判定しても良い。
図16は、異常検出装置34の構成例を示す図である。異常検出装置34は、実施の形態1で開示した構成に加え、例えば加速度計73、メモリ74、送信器75及び受信器76を備える。
加速度計73は、移動体35に設けられる。加速度計73は、移動体35の加速度を検出する。メモリ74は、移動体35に設けられる。メモリ74は、加速度計73によって検出された加速度の情報を記憶する。送信器75は、移動体35に設けられる。送信器75は、メモリ74に記憶された加速度の情報を受信器76に送信する。受信器76は、例えばかご1に設けられる。送信器75は、受信器76との間で無線通信を行っても良い。また、図7に示すように、エレベータ装置に異常が発生していなければ、突出部41が検出器38に接触する。受信器76を検出器38に設けても良い。例えば、受信器76は、検出位置に存在する移動体35に接触することにより、メモリ74に記憶された加速度の情報を送信器75から受信しても良い。
実施の形態1及び2で開示した何れか一つの異常検出装置がエレベータ装置に備えられることにより、一定の効果が期待できる。エレベータ装置は、実施の形態1及び2で開示した複数の異常検出装置を備えても良い。
制御装置7は、ハードウェア資源として、例えばプロセッサ77とメモリ78とを含む処理回路を備える。制御装置7は、メモリ78に記憶されたプログラムをプロセッサ77によって実行することにより、実施の形態1及び2で開示した各機能を実現する。制御装置7が有する各機能の一部又は全部をハードウェアによって実現しても良い。