JP6630222B2 - 転写フィルム、加飾材料、タッチパネルおよび加飾材料の製造方法 - Google Patents

転写フィルム、加飾材料、タッチパネルおよび加飾材料の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、転写フィルム、加飾材料、加飾材料を備えるタッチパネルおよび加飾材料の製造方法に関する。
陰極管表示装置、プラズマディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイ、蛍光表示ディスプレイ、フィールドエミッションディスプレイや液晶表示装置(Liquid Crystal Display;LCD)のような画像表示装置、或いは、タッチパネルを搭載したスマートフォンやタブレット端末等の各種ディスプレイでは、本体に配置された配線を隠蔽する等、各種の意匠を施す目的で、ディスプレイの表面に、基板上に加飾層を有する加飾材料を設けることが行なわれている。例えば、画像表示装置の表面には、配線を隠蔽する目的で、周縁部に黒色顔料を含む黒色樹脂硬化層である加飾層を設けた加飾材料が広く用いられている。
タッチパネルを搭載した小型端末は、蛍光灯、LED(発光ダイオード:light emitting diode)照明を備える室内のみならず、屋外の自然光のもとで使用されるなど、さまざまな波長の光の下で使用されることがある。
遮光性が高い黒色の遮光膜を形成し得るとして、アルカリ可溶性樹脂、光重合性モノマー、光重合開始剤、遮光材、有機顔料または染料、および溶剤を、それぞれ特定量で含有する遮光膜用黒色感光性樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、黒色樹脂膜として、黒色顔料、アルカリ可溶性高分子化合物、エチレン性不飽和結合含有化合物および光重合開始剤を含み、240℃80分の加熱を行った後、さらに300℃30分の加熱を行った後のバルク強度が100N/1.6mmφ(φは直径)以上である黒色樹脂膜が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特許文献2には、黒色樹脂膜の製造方法として、黒色顔料、アルカリ可溶性高分子化合物、エチレン性不飽和結合含有化合物および光重合開始剤を含む感光性樹脂組成物を基材上に適用する工程と、基材上の感光性樹脂組成物を露光する工程と、露光された感光性樹脂組成物を現像する工程と、現像工程後にポスト露光を行う工程と、を含み、下記条件(A)または条件(B)を満たす黒色樹脂膜の製造方法が記載されている。
条件(A):光重合開始剤がα−アミノアルキルフェノン系化合物またはα−ヒドロキシアルキルフェノン系化合物である。
条件(B):現像工程後のポスト露光を、感光性樹脂組成物の基材と接している側の表面方向と透明基材と接していない側の表面方向の両面から行う。
特開2015−180932号公報 特開2013−228695号公報
本発明者らの検討によれば、ディスプレイに表示された画面を直接目視するに際し、使用環境における波長によっては、本来、広い波長域を吸収しるため隠蔽性が高く、黒色に視認される加飾層において、所望されない光の反射、散乱等が生じ、加飾層がぎらついて見えることがあり、外観が低下する懸念があることが判明した。
特許文献1に記載の黒色観光性樹脂組成物は、主として黒色の色味に着目し、遮光材である黒色顔料に、遮光材と同系色の色度を持つ有機顔料または染料を組み合わせることで、反射光として黒色の色特性を有するカラーフィルターのブラックマトリックスを形成することを目的としている。しかし、カラーフィルターの如き裏面からの露光ではなく、タッチパネルの加飾層の如く広い面積に形成された黒色樹脂硬化層における、目視する側から光が当る場合の所望されない光反射、光散乱については、検討はなされていない。
本発明者らの検討によれば、特許文献1に記載の技術では、目視する側から光が当たる場合におけるぎらつきを抑制するには至っておらず、なかでも、加飾層の均一性を向上させる目的で、転写法を用いて黒色樹脂層を形成した場合、目視による加飾層のぎらつきがより顕著となることが判明した。
また、特許文献2には、タッチパネルの前面板側に加飾層用の黒色樹脂膜を、240℃80分の加熱を行なって形成することが記載されてはいる。しかし、例えば、基材に樹脂基板を用い、樹脂基材上に黒色樹脂硬化層を形成する場合には、130℃〜170℃程度の低温加熱しかできないため、特許文献2に記載の条件で加熱を行うという方法は樹脂基材を用いた加飾フィルムの製造に適用することが困難であった。また、特許文献2に記載の技術により形成された遮光膜は、目視側から見た反射による加飾層のぎらつきの抑制について、なお改良の余地がある。
本発明の一実施形態が解決しようとする課題は、タッチパネルなどの表面に加飾層として備えられる黒色樹脂硬化層を形成するための転写フィルムであって、光学濃度が高く、所望されない反射によるぎらつきが抑制された黒色樹脂硬化層を形成しうる転写フィルムを提供することである。
本発明の別の実施形態が解決しようとする課題は、光学濃度が高く、反射によるぎらつきが抑制された黒色樹脂硬化層を有する加飾材料、加飾材料を備えたタッチパネル、および加飾材料の製造方法を提供することにある。
本発明は以下の実施形態を含む。
[1] 仮支持体と、仮支持体上に設けられ、(A)黒色顔料、(B)染料、(C)アルカリ可溶性樹脂、(D)エチレン性不飽和基含有化合物、および(E)光重合開始剤を含む黒色樹脂層と、を有する転写フィルム。
[2] (A)黒色顔料は、カーボンブラックである[1]に記載の転写フィルム。
[3] カーボンブラックは、表面が樹脂で被覆されたカーボンブラックである[2]に記載の転写フィルム。
[4] (B)染料は、青色の染料である[1]〜[3]のいずれか一つに記載の転写フィルム。
[5] (B)染料は、アントラキノン染料である[1]〜[4]のいずれか一つに記載の転写フィルム。
[6] 仮支持体と、黒色樹脂層との間に、熱可塑性樹脂層を有する[1]〜[5]のいずれか一つに記載の転写フィルム。
[7] 黒色樹脂層と、熱可塑性樹脂層との間に、中間層を有する[6]に記載の転写フィルム。
[8] ガラス基材および樹脂基材からなる群より選ばれる基材上に、[1]〜[7]のいずれか一つに記載の転写フィルムにおける黒色樹脂層により形成されたパターン状黒色樹脂硬化層を有する加飾材料。
[9] [8]に記載の加飾材料を備えるタッチパネル。
[10] ガラス基材および樹脂基材からなる群より選ばれる基材上に、[1]〜[7]のいずれか一つに記載の転写フィルムの黒色樹脂層を転写する工程と、転写された黒色樹脂層をフォトグラフィー法によりパターニングして、パターン状黒色樹脂層を形成する工程と、形成されたパターン状黒色樹脂層にエネルギーを付与してパターン状黒色樹脂硬化層を形成する工程と、を含む加飾材料の製造方法。
本発明の一実施形態によれば、タッチパネルなどの表面に加飾層を形成するための転写フィルムであって、光学濃度が高く、所望されない反射によるぎらつきが抑制された黒色樹脂硬化層を形成しうる転写フィルムを提供することができる。
本発明の別の実施形態によれば、光学濃度が高く、所望されない反射による加飾層のぎらつきが抑制された黒色樹脂硬化層を有する加飾材料、加飾材料を備えるタッチパネル、および加飾材料の製造方法を提供することができる。
本実施形態の転写フィルムの構成の一例を示す概略断面図である。 パターン状黒色樹脂硬化層が形成された加飾材料を備えるタッチパネルの一例を示す概略平面図である。
以下、本発明の転写フィルム、転写フィルムを用いて得られた加飾材料、加飾材料の製造方法、および加飾材料を備えるタッチパネルについて説明する。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様や具体例に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様や具体例に限定されない。
なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
本明細書において組成物中の各成分の量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけでなく、他の工程と明確に区別できない場合であっても工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
[転写フィルム]
本実施形態の転写フィルムは、仮支持体と、仮支持体上に設けられ、(A)黒色顔料、(B)染料、(C)アルカリ可溶性樹脂、(D)エチレン性不飽和基含有化合物、および(E)光重合開始剤を含む黒色樹脂層と、を有する。
転写フィルムは、仮支持体および黒色樹脂層以外の他の層を有していてもよく、他の層としては、例えば、中間層、熱可塑性樹脂層、保護剥離層などが挙げられる。
本実施形態の転写フィルムは、タッチパネル等の画像表示装置の少なくとも一方の表面に加飾層を形成するために用いることができる。
本実施形態の転写フィルムにより形成されたパターン状黒色樹脂硬化層である加飾層は、光学濃度が高く、所望されない光の反射によるぎらつきが抑制され、遮光性および外観が良好である。
以下、本実施形態の転写フィルムの構成について説明する。
<構成>
図1は、本実施形態の転写フィルムの構成の一例を示す概略断面図である。
図1に示す転写フィルム10は、仮支持体12、黒色樹脂層14および保護剥離層(以下、保護フィルムと称することがある)16をこの順で有する。図1では、仮支持体12、黒色樹脂層14および保護フィルム16が互いに隣接して積層された態様を示すが、本実施形態はこれに限定されず、後述するように、仮支持体12と、黒色樹脂層14との間に、さらに熱可塑性樹脂層(図示せず)を有していてもよく、黒色樹脂層18と、任意に設けられる熱可塑性樹脂層との間に、さらに中間層(図示せず)を有する態様をとることができる。
本実施形態の転写フィルム10は、例えば、タッチパネルの如き画像表示装置の一方の表面に加飾層、即ち、パターン状黒色樹脂硬化層を形成するための転写フィルムとして用いることができる。
本実施形態の転写フィルム10を用いて基材上に黒色樹脂層14を転写し、加飾材料を製造する方法については後述する。
本実施形態の作用効果は明確ではないが、以下のように考えている。
アルカリ可溶性樹脂、エチレン性不飽和基含有化合物などを含む樹脂マトリックス中に分散された黒色顔料は、画像表示装置の光源であるバックライトからの光は遮断し得るが、目視側からの入射光は、顔料表面、樹脂層表面などにおいて所望されない光の反射、散乱などが生じ、黒色樹脂層を目視する際にぎらつきを感じることがある。
本実施形態では、黒色樹脂層に、(A)黒色顔料と(B)染料とが、樹脂マトリックス中に共存することで、(B)染料が、黒色樹脂層中における(A)黒色顔料表面にて反射、或いは散乱された光を吸収し、また、黒色樹脂層への入射光の一部も吸収することから、所望されない反射光、散乱光などの黒色樹脂層表面への透過が抑制され、目視にて感じるぎらつきが抑制され、漆黒感が高い黒色樹脂層となると推定される。
なお、黒色樹脂層を塗布法により形成する場合には、膜厚均一性向上のために添加される界面活性剤などの黒色樹脂層形成用組成物の低分子量成分が形成された層の表面に偏在し、光入射時の透過、散乱は、ある程度抑制される。転写フィルムを使用して転写法で形成された黒色樹脂層では、塗布時の低分子量成分は、仮支持体側、即ち、目視する側とは反対側に偏在することになり、塗布法で形成した黒色樹脂層に比較して、光入射時の透過、散乱の抑制効果が十分に得られず、従って、ぎらつきをより強く感じることになる。このため、本実施形態の効果は、転写フィルムにより形成された黒色樹脂層において顕著であると考えられる。
なお、本実施形態は、上記推定機構には何ら制限されない。
<黒色樹脂層>
本実施形態の転写フィルムは、(A)黒色顔料、(B)染料、(C)アルカリ可溶性樹脂、(D)エチレン性不飽和基含有化合物、および(E)光重合開始剤を含む黒色樹脂層を有する。
(A)黒色顔料
本実施形態における黒色樹脂層に用いることができる黒色顔料には、形成される黒色樹脂硬化層において必要な遮光性を発現しうる限り特に制限はない。
黒色顔料としては、公知の黒色顔料、例えば、有機顔料、および無機顔料から選ばれる黒色顔料を好適に用いることができる。無機顔料は金属顔料、金属酸化物顔料などの金属化合物を含む顔料を包含する。
形成される黒色樹脂層の光学濃度が良好であるという観点から、黒色顔料としては、例えば、カーボンブラック、チタンカーボン、酸化鉄、チタンブラックなどの酸化チタン顔料、黒鉛などが挙げられ、中でも、カーボンブラックが好ましい。
カーボンブラックは、市販品としても入手可能であり、例えば、東京インキ社製、黒顔料分散物 FDK−911〔商品名:FDK−911〕などが挙げられる。
本実施形態の転写フィルムに用い得るカーボンブラックは、表面が樹脂で被覆されたカーボンブラック(以下、樹脂被覆カーボンブラックと称することがある)であることが、黒色樹脂層におけるカーボンブラックの均一分散性がより良好となるという点で好ましい。なお、樹脂によるカーボンブラックの被覆は、カーボンブラックの表面の少なくとも一部が被覆されていればよく、表面全体が被覆されていてもよい。
樹脂被覆カーボンブラックは、例えば、特許5320652号公報の段落番号〔0036〕〜〔0042〕に記載の方法で作製することができる。また、市販品としても入手可能であり、例えば、山陽色素社製のSF Black GB4051などが挙げられる。
黒色顔料の粒径は、分散安定性の観点から、数平均粒径で0.001μm〜0.3μmが好ましく、0.01μm〜0.2μmがより好ましい。なお、ここで言う「粒径」とは粒子の電子顕微鏡写真画像を同面積の円とした時の直径を指し、また「数平均粒径」とは、任意の100個の粒子について粒径を求め、この粒径の平均値をいう。
なお、本実施形態の転写フィルムに用いられる顔料の数平均粒径は、黒色顔料を含む黒色樹脂層を透過型電子顕微鏡(JEOL)により、300,000倍で撮影した写真を用いて、視野角に含まれる任意の100個の粒子について、粒子径を測定し、測定した値の平均値として算出することができる。
黒色樹脂層中の黒色顔料の含有量、即ち、黒色樹脂層形成用組成物における全固形分に対する黒色顔料の含有量は、10質量%〜70質量%であることが好ましく、20質量%〜60質量%であることがより好ましく、30質量%〜55質量%であることがさらに好ましい。
黒色顔料の含有量が10質量%以上であることで、膜厚を薄く保ったまま黒色樹脂硬化層の光学濃度を高めることができる。黒色顔料の含有量が70質量%以下であることで、黒色樹脂層をパターニングする際の硬化感度が良好となる。
黒色樹脂層形成用組成物における全固形分とは、組成物に含まれる溶媒を除いた不揮発成分の総質量を意味する。
黒色顔料は、分散液として黒色樹脂層形成用組成物に用いることが望ましい。分散液は、黒色顔料と顔料分散剤とを予め混合して得られる組成物を、後述する有機溶媒またはビヒクルに添加して分散させることによって調製することができる。ビヒクルとは、黒色樹脂層形成用組成物が液体状態にある時に顔料を分散させている媒質の部分をいい、液状であって黒色顔料と結合して黒色樹脂層を形成する成分(例えば、バインダー)と、これを溶解希釈する有機溶媒の如き媒体とを含む。
黒色顔料を分散させる際に使用する分散機としては、特に制限はなく、例えば、朝倉邦造著、「顔料の事典」、第一版、朝倉書店、2000年、438頁に記載されているニーダー、ロールミル、アトライター、スーパーミル、ディゾルバ、ホモミキサー、サンドミル等の公知の分散機が挙げられる。さらに、当該文献の310頁に記載される機械的摩砕により、分散質である黒色顔料を、摩擦力を利用し微粉砕してもよい。
なお、顔料分散剤は、黒色樹脂層形成用組成物に含まれる顔料および溶媒に応じて選択すればよく、例えば市販の分散剤を使用することができる。
(B)染料
本実施形態における黒色樹脂層に用いることができる染料には、特に制限はない。公知の染料、例えば、「染料便覧」(有機合成化学協会編集、昭和45年刊)等の文献に記載されている公知の染料、或いは、市販品として入手可能な染料を適宜選択して使用することができる。
染料としては、具体的には、アゾ染料、金属錯塩アゾ染料、ピラゾロンアゾ染料、ナフトキノン染料、アントラキノン染料、フタロシアニン染料、カルボニウム染料、キノンイミン染料、メチン染料、シアニン染料、スクアリリウム色素、ピリリウム塩、金属チオレート錯体等の染料が挙げられる。
以下に、本実施形態に使用しうる染料を列記するが、本実施形態はこれらに制限されない。
黄色染料としては、C.I.ダイレクトイエロー1、C.I.ダイレクトイエロー11、C.I.ダイレクトイエロー12、C.I.ダイレクトイエロー28、C.I.アシッドイエロー1、C.I.アシッドイエロー3、C.I.アシッドイエロー11、C.I.アシッドイエロー17、C.I.アシッドイエロー23、C.I.アシッドイエロー38、C.I.アシッドイエロー40、C.I.アシッドイエロー42、C.I.アシッドイエロー76、C.I.アシッドイエロー98、C.I.ベイシックイエロー1、C.I.ディスパースイエロー3、C.I.ディスパースイエロー4、C.I.ディスパースイエロー7、C.I.ディスパースイエロー31、C.I.ディスパースイエロー61、C.I.ソルベントイエロー2、C.I.ソルベントイエロー14、C.I.ソルベントイエロー15、C.I.ソルベントイエロー16、C.I.ソルベントイエロー21、C.I.ソルベントイエロー33、C.I.ソルベントイエロー56等が挙げられる。
橙色染料としては、C.I.アシッドオレンジ1、C.I.アシッドオレンジ7、C.I.アシッドオレンジ8、C.I.アシッドオレンジ10、C.I.アシッドオレンジ20、C.I.アシッドオレンジ24、C.I.アシッドオレンジ28、C.I.アシッドオレンジ33、C.I.アシッドオレンジ56、C.I.アシッドオレンジ74、C.I.ダイレクトオレンジ1、C.I.ディスパースオレンジ5、C.I.ソルベントオレンジ1、C.I.ソルベントオレンジ2、C.I.ソルベントオレンジ5、C.I.ソルベントオレンジ6、C.I.ソルベントオレンジ45等が挙げられる。
赤色染料としては、C.I.ダイレクトレッド20、C.I.ダイレクトレッド37、C.I.ダイレクトレッド39、C.I.ダイレクトレッド44、C.I.アシッドレッド6、C.I.アシッドレッド8、C.I.アシッドレッド9、C.I.アシッドレッド13、C.I.アシッドレッド14、C.I.アシッドレッド18、C.I.アシッドレッド26、C.I.アシッドレッド27、C.I.アシッドレッド51、C.I.アシッドレッド52、C.I.アシッドレッド87、C.I.アシッドレッド88、C.I.アシッドレッド89、C.I.アシッドレッド92、C.I.アシッドレッド94、C.I.アシッドレッド97、C.I.アシッドレッド111、C.I.アシッドレッド114、C.I.アシッドレッド115、C.I.アシッドレッド134、C.I.アシッドレッド145、C.I.アシッドレッド154、C.I.アシッドレッド180、C.I.アシッドレッド183、C.I.アシッドレッド184、C.I.アシッドレッド186、C.I.アシッドレッド198、C.I.ベイシックレッド12、C.I.ベイシックレッド13、C.I.ディスパースレッド5、C.I.ディスパースレッド7、C.I.ディスパースレッド13、C.I.ディスパースレッド17、C.I.ディスパースレッド58、C.I.ソルベントレッド1、C.I.ソルベントレッド3、C.I.ソルベントレッド8、C.I.ソルベントレッド23、C.I.ソルベントレッド24、C.I.ソルベントレッド25、C.I.ソルベントレッド27、C.I.ソルベントレッド30、C.I.ソルベントレッド49、C.I.ソルベントレッド100等が挙げられる。
紫色染料としては、C.I.ダイレクトバイオレット22、C.I.アシッドバイオレット49、C.I.ベイシックバイオレット2、C.I.ベイシックバイオレット7、C.I.ベイシックバイオレット10、C.I.ディスパーバイオレット24等が挙げられる。
青色染料としては、C.I.ダイレクトブルー25、C.I.ダイレクトブルー86、C.I.ダイレクトブルー90、C.I.ダイレクトブルー108、C.I.アシッドブルー1、C.I.アシッドブルー7、C.I.アシッドブルー9、C.I.アシッドブルー15、C.I.アシッドブルー103、C.I.アシッドブルー104、C.I.アシッドブルー158、C.I.アシッドブルー161、C.I.ベイシックブルー1、C.I.ベイシックブルー3、C.I.ベイシックブルー9、C.I.ベイシックブルー25、C.I.ソルベントブルー5、C.I.ソルベントブルー35、C.I.ソルベントブルー67、C.I.ソルベントブルー70等が挙げられる。
緑色染料としては、C.I.アシッドグリーン3、C.I.アシッドグリーン9、C.I.アシッドグリーン16、C.I.ベイシックグリーン1、C.I.ベイシックグリーン4等が挙げられる。
茶色染料としては、C.I.ダイレクトブラウン6、C.I.ダイレクトブラウン58、C.I.ダイレクトブラウン95、C.I.ダイレクトブラウン101、C.I.ダイレクトブラウン173、C.I.アシッドブラウン14等が挙げられる。
なかでも、形成されるパターン状黒色樹脂硬化層の反射によるぎらつきの抑制効果の観点からは、青色染料が好ましい。
より具体的には、波長500nm〜700nmに極大吸収波長を有する青色染料が好ましい。青色染料のなかでも、色相がより黒に近いという観点から、アントラキノン染料が好ましい。
黒色樹脂層中の染料の含有量は、反射防止能をより効果的に発現するという観点からは、黒色顔料100質量部に対して、1質量部〜40質量部であることが好ましく、1質量部〜20質量部であることがより好ましい。染料の含有量が上記範囲であることで、形成された黒色樹脂硬化層における反射防止効果、即ち、目視によるぎらつき抑制効果がより良好となる。
(C)アルカリ可溶性樹脂
黒色樹脂層は、アルカリ可溶性樹脂(以下、バインダーと称することがある)を含む。アルカリ可溶性樹脂は、アルカリ性溶媒との接触により少なくとも一部が溶解しうる樹脂であれば特に制限は無く、公知の樹脂から適宜選択することができる。
アルカリ可溶性樹脂としては、例えば、特開2011−95716号公報の段落番号〔0025〕、特開2010−237589号公報の段落〔0033〕〜〔0052〕に記載された樹脂を用いることができる。
本実施形態の転写フィルムにおける黒色樹脂層は、パターン形成性がより良好であるという観点から、カルボキシル基を有するバインダーを含有することが好ましい。カルボキシル基を有するバインダーを含有することで、形成されたパターン端部の直線性がより良好となり、所謂エッジラフネスが良化する傾向がある。
バインダーの酸価は、50mgKOH/g以上であることが、パターン形成時の未露光部のアルカリ可溶性がより良好となり、既述のエッジラフネスが良化する観点から好ましい。バインダーの酸価は、60mgKOH/g以上であることがより好ましく、65mgKOH/g以上であることがさらに好ましい。
バインダーの酸価は、例えば、以下の方法で測定することができる。
(1)固形分濃度(x(%))の樹脂溶液(y(g))をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートによって希釈し、固形分濃度が1質量%〜10質量%の試料溶液を作製する。
(2)上記試料溶液に対して、電位差測定装置(平沼産業社製、装置名「平沼自動滴定装置COM−550」)を用いて、0.1mol/L水酸化カリウム・エタノール溶液(力価a)で滴定を行い、滴定終点までに必要な水酸化カリウム・エタノール溶液の量(b(mL))を測定する。
(3)また、水に対して(2)と同様の方法で滴定を行い、滴定終点までに必要な水酸化カリウム・エタノール溶液の量(c(mL))を測定する。
(4)下記式で計算することにより、樹脂エマルジョンの固形分酸価を決定する。
固形分酸価(mgKOH/g)={5.611×(b−c)×a}/{(x/100)×y}
本実施形態における黒色樹脂層に用いられるバインダーとしては、より具体的には、ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸のランダム共重合体、ベンジル(メタ)アクリレート/アクリル酸のランダム共重合体、シクロヘキシル(メタ)アクリレート(a)/メチル(メタ)アクリレート(b)/(メタ)アクリル酸共重合体(c)のグリシジル(メタ)アクリレート付加物、アリル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸の共重合体、ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートの共重合体を用いることができる。
なお、本明細書における(メタ)アクリレートとは、アクリレートおよびメタクリレートの一方または双方を指す意味で、(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸およびメタクリル酸の一方または双方を指す意味で、それぞれ用いられる。
黒色樹脂層に含まれるアルカリ可溶性樹脂の含有量は、黒色樹脂層における全固形分に対し、1質量%〜70質量%の範囲であることが好ましく、5質量%〜60質量%の範囲であることがより好ましく、10質量%〜50質量%の範囲であることがさらに好ましい。
(D)エチレン性不飽和基含有化合物
黒色樹脂層は、エチレン性不飽和基含有化合物(以下、重合性化合物と称することがある)を含む。本実施形態に用いられる重合性化合物としては、光重合性化合物が好ましい。
光重合性化合物は、光重合性基としてエチレン性不飽和基を有する。
エチレン性不飽和基含有化合物としては、(メタ)アクリロイル基を有する化合物を含むことがより好ましい。なお、本明細書における(メタ)アクリロイル基とは、アクリロイル基、およびメタクリロイル基の一方または双方を指す意味で用いられる。
本実施形態に好適に使用しうるエチレン性不飽和基含有化合物としては、例えば、特許第4098550号の段落番号〔0023〕〜〔0024〕に記載の重合性化合物、トリシクロデカンジオールジメタノールジアクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジアクリレートなどの2官能の重合性化合物等が挙げられる。
重合性化合物としては、既述の単官能、或いは2官能の化合物のみならず、例えば、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(以下、DPHAと称することがある)、ジペンタエリスリトール(ペンタ/ヘキサ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタアクリレートなど、少なくとも5つのエチレン性不飽和基を有する重合性化合物も、目的に応じて好ましく用いることができる。
また、ウレタン(メタ)アクリレート化合物などのウレタン系モノマーも好ましく用いることができる。
黒色樹脂層が、少なくとも5つのエチレン性不飽和基を有する重合性化合物を含むことにより、パターン形成時の感度および形成されたパターン状黒色樹脂硬化層の強度がより向上するという観点から好ましい。
重合性化合物は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、重合性化合物を2種以上組み合わせて用いることが、パターン形成時の感度がより向上するという観点から好ましい。
黒色樹脂層に、2種以上の重合性化合物を用いる場合、少なくとも5つのエチレン性不飽和基を有する重合性化合物と2官能の重合性化合物とを組みあわせて使用することが好ましい。2官能の重合性化合物は、黒色樹脂層に含まれる全重合性化合物の総含有量に対し、10質量%〜90質量%の範囲で使用することが好ましく、20質量%〜85質量%の範囲で使用することがより好ましく、30質量%〜80質量%の範囲で使用することがさらに好ましい。少なくとも5つのエチレン性不飽和基を有する重合性化合物は、全重合性化合物の総含有量に対して10質量%〜90質量%の範囲で使用することが好ましく、15質量%〜80質量%の範囲で使用することがより好ましく、20質量%〜70質量%の範囲で使用することがさらに好ましい。
重合性化合物は、平均分子量が200〜3000であることが好ましく、250〜2600であることがより好ましく、280〜2200であることが特に好ましい。
黒色樹脂層中、(D)重合性化合物の(C)バインダーに対する含有割合((D)重合性化合物の含有量/(C)バインダーの含有量)は、質量比で0.1倍〜2倍であることが好ましく、0.2倍〜1.5倍であることがより好ましく、0.3倍〜1倍であることが特に好ましい。
黒色樹脂層に含まれる重合性化合物の含有量は、黒色樹脂層における全固形分に対し、5質量%〜50質量%の範囲であることが好ましく、10質量%〜40質量%の範囲であることがより好ましく、10質量%〜30質量%の範囲であることがさらに好ましい。
(E)光重合開始剤
本実施形態における黒色樹脂層は、光重合開始剤を含む。
黒色樹脂層の形成に用いられる光重合開始剤としては、特開2011−95716号公報の段落番号〔0031〕〜〔0042〕に記載の重合開始剤、特開2015−014783号公報の段落番号〔0064〕〜〔0081〕に記載のオキシム系重合開始剤が挙げられる。
光重合開始剤は、市販品を使用することができる。市販品としては、例えば、1,2−オクタンジオン−1−[4−(フェニルチオ)−2−(O−ベンゾイルオキシム)](商品名:IRGACURE OXE−01、BASF製)、エタン−1−オン,[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(0−アセチルオキシム)商品名:IRGACURE OXE−02、BASF製)、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン(商品名:IRGACURE 379EG、BASF製)、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン(商品名:IRGACURE 907、BASF製)、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン(商品名:IRGACURE 127、BASF製)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1(商品名:IRGACURE 369、BASF製)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(商品名:IRGACURE 1173、BASF製)、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(商品名:IRGACURE 184、BASF製)、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(商品名:IRGACURE 651、BASF製)、オキシムエステル系の商品名:Lunar 6(DKSHジャパン株式会社製)、2,4−ジエチルチオキサントン(日本化薬社製「カヤキュアDETX−S」)、フルオレンオキシム系重合開始剤であるDFI−091、DFI−020(ともにダイトーケミックス社製)などが好ましく挙げられる。
なかでも、カラーフィルター材料などに用いられるトリクロロメチルトリアジン系化合物などのハロゲン含有重合開始剤以外の他の開始剤を用いることが感度を高める観点から好ましく、α−アミノアルキルフェノン系化合物、α−ヒドロキシアルキルフェノン系化合物、オキシムエステル系化合物などのオキシム系重合開始剤がより好ましく、パターン形成時の感度をより向上させるという観点から、前述のオキシム系重合開始剤を含むことが特に好ましい。
黒色樹脂層における、(E)光重合開始剤の含有量は、既述の(D)エチレン性不飽和基含有化合物に対する質量比〔(E)光重合開始剤/(D)エチレン性不飽和基含有化合物〕が、0.05〜0.50であることが、形成されたパターン状黒色樹脂硬化層のテーパー角が矩形により近くなり、黒色樹脂層からの(E)光重合開始剤の析出が、より効果的に抑制されるという観点から好ましく、0.07〜0.30であることがより好ましい。
(F)黒色樹脂層に含まれる他の成分
本実施形態の転写フィルムにおける黒色樹脂層には、既述の(A)〜(E)成分に加え、本実施形態の効果を損なわない範囲において、目的に応じて、既述の(A)〜(E)成分以外の種々の化合物〔以下、他の成分と称することがある)を含むことができる。
他の成分としては、(A)黒色顔料以外の他の粒子、チオール化合物、溶剤等が挙げられるがこれらに限られない。
(F−1)チオール化合物
本実施形態における黒色樹脂層は、チオール化合物を含有することが、パターン形成時の感度をより高める観点から好ましい。
チオール化合物としては、チオール基(メルカプト基とも言われる)の数である官能数が1官能であっても2官能以上であってもよい。
黒色樹脂層がチオール化合物を含有する場合、チオール化合物は2官能以上の化合物であることが感度をより高める観点から好ましく、2官能〜4官能化合物であることがより好ましく、2官能〜3官能化合物であることが特に好ましい。
黒色樹脂層が含むことができる1官能のチオール化合物としては、N−フェニルメルカプトベンゾイミダゾールが挙げられる。
黒色樹脂層が含むことができる2官能以上のチオール化合物としては、1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン(カレンズMT BD1 昭和電工製)、1,3,5−トリス(3−メルカプトブチリルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン(カレンズMT NR1 昭和電工製)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)(カレンズMT PE1 昭和電工製)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)(堺化学工業社製「PEMP」)等が挙げられる。
(F−2)添加剤
黒色樹脂層は、添加剤を含有してもよい。添加剤としては、例えば、特許第4502784号公報の段落番号〔0017〕、特開2009−237362号公報の段落番号〔0060〕〜〔0071〕に記載の界面活性剤や、特許第4502784号公報の段落番号〔0018〕に記載の熱重合防止剤(重合禁止剤とも言う。好ましくはフェノチアジン)、さらに、特開2000−310706号公報の段落番号〔0058〕〜〔0071〕に記載のその他の添加剤が挙げられる。
界面活性剤としては、黒色樹脂層塗布形成時における膜性改良の観点から、フッ素含有界面活性剤、例えば、DIC(株)製 メガファック(登録商標)F−780などを用いることが好ましい。
(F−3)溶剤
黒色樹脂層は、さらに溶剤を含むことが好ましい。
黒色樹脂層を塗布により製造した場合に含まれていてもよい溶剤としては、以下の溶剤を挙げることができる。
溶剤としては、通常用いられる溶剤を特に制限なく用いることができる。溶剤としては、具体的には例えば、エステル、エーテル、ケトン、芳香族炭化水素等が挙げられる。
また、US2005/282073A1号明細書の段落番号〔0054〕、〔0055〕に記載のSolventと同様、メチルエチルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下、PEGMEAと称することがある)、シクロヘキサノン、シクロヘキサノール、メチルイソブチルケトン、乳酸エチル、乳酸メチル等は、黒色樹脂層に、好適に用いることができる。
既述の溶剤のうち、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エチルセロソルブアセテート、乳酸エチル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(エチルカルビトールアセテート)、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート(ブチルカルビトールアセテート)、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、およびメチルエチルケトン等が溶剤として好ましく用いられる。
黒色樹脂層が溶剤を含有する場合、溶剤は1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
溶剤として、必要に応じて沸点が180℃〜250℃である有機溶剤(高沸点溶剤)を使用することができる。
(膜厚)
本実施形態の転写フィルムにおける黒色樹脂層は、前述の各成分を含む黒色樹脂層形成用組成物を用いて形成することができる。
得られた黒色樹脂層の膜厚は、0.5μm〜10.0μmであることが、加飾材料として使用した際の意匠性の観点から好ましく、1.0μm〜8.0μmであることがより好ましく、1.5μm〜5.0μmであることがさらに好ましい。
<仮支持体>
本実施形態の転写フィルムは、仮支持体を有する。
仮支持体の形成には、可撓性を有する材料を用いることができる。
本実施形態の転写フィルムに用いうる仮支持体の例として、シクロオレフィンコポリマーフィルム、ポリエチレンテレフタレート(以下、「PET」と称することがある)フィルム、トリ酢酸セルロースフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム等が挙げられ、なかでも、PETフィルムがハンドリングの観点から特に好ましい。
仮支持体は透明でもよいし、染料化ケイ素、アルミナゾル、クロム塩、ジルコニウム塩などを含有して、着色されていてもよい。
仮支持体には、特開2005−221726号公報に記載の方法などにより、導電性を付与することができ、導電性を付与した仮支持体も、本実施形態の転写フィルムに好適に用いられる。
<その他の層>
本実施形態の転写フィルムは、仮支持体および既述の黒色樹脂層との間に、特許4502784号の段落番号〔0026〕に記載の熱可塑性樹脂層を有していてもよい。
さらに、既述の黒色樹脂層と、熱可塑性樹脂層との間に、さらに中間層を有してもよい。
中間層としては、例えば、特許4502784号の段落番号〔0027〕に記載の中間層が挙げられる。
本実施形態の転写フィルムは、既述の黒色樹脂層の表面に、さらに、保護フィルムなどを更に設けることが好ましい。保護フィルムとしては、特開2006−259138号公報の段落番号〔0083〕〜〔0087〕および〔0093〕に記載の保護フィルムを適宜使用することができる。
なお、既述の本実施形態の転写フィルムは、特開2006−259138号公報の段落番号〔0094〕〜〔0098〕に記載の硬化性転写材料の作製方法に準じて作製することができる。
即ち、転写フィルムの製造方法は、仮支持体上に、黒色樹脂層を形成する工程を含む。さらに、仮支持体上に前述の黒色樹脂層を形成する前に、さらに熱可塑性樹脂層を形成する工程を含むことが好ましい。
転写フィルムの製造方法は、既述の熱可塑性樹脂層を形成する工程の後に、熱可塑性樹脂層と着色組成物層の間に中間層を形成する工程を含むことが好ましい。
中間層を有する転写フィルムを形成する場合には、仮支持体上に、熱可塑性の有機高分子と、所望により併用する添加剤と、を溶解した溶解液(熱可塑性樹脂層用塗布液)を塗布し、乾燥させて熱可塑性樹脂層を設けた後、設けられた熱可塑性樹脂層上に熱可塑性樹脂層を溶解しない溶剤に樹脂および添加剤を加えて調製した中間層用塗布液を塗布し、乾燥させて中間層を積層し、積層された中間層上に、さらに、中間層を溶解しない溶剤を用いて調製した黒色樹脂層形成用組成物を塗布し、乾燥させて黒色樹脂層を形成することによって、好適に作製することができる。
なお、黒色樹脂層形成用組成物に含まれる成分は、既述の黒色樹脂層に含まれる各成分と、溶剤とを含む塗布液組成物であることが好ましい。
<加飾材料>
本実施形態の加飾材料は、ガラス基材および樹脂基材からなる群より選ばれる基材上に、既述の本実施形態の転写フィルムにおける黒色樹脂層により形成されたパターン状黒色樹脂硬化層を有する。得られたパターン状黒色樹脂硬化層が、加飾材料における加飾層に該当する。
また、本実施形態の転写フィルムを用いて作製された本実施形態の加飾材料は、以下の加飾材料の製造方法によって製造されることが好ましい。
<加飾材料の製造方法>
本実施形態の加飾材料の製造方法は、ガラス基材および樹脂基材からなる群より選ばれる基材上に、既述の本実施形態の転写フィルムの黒色樹脂層を転写する工程と、転写された黒色樹脂層をフォトグラフィー法によりパターニングして、パターン状黒色樹脂層を形成する工程と、形成されたパターン状黒色樹脂層にエネルギーを付与してパターン状黒色樹脂硬化層を形成する工程と、を含む。
(基材)
加飾材料における基材は、光学的に歪みがなく、透明度が高い材料を用いることが好ましい。
そのような観点からは、ガラス基材、樹脂基材であって透明性の高い基材が好ましい。
なかでも、軽量であり、破損しにくいという観点からは樹脂基材が好ましい。樹脂基材としては、具体的には、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート(PC)、トリアセチルセルロース(TAC)、シクロオレフィンポリマー(COP)等の樹脂からなる基材を挙げることができる。
基材は、屈折率が1.6〜1.78であり、膜厚が50μm〜200μmであることが、表示画像の視認性をより改善する観点から好ましい。
基材は、単層構造であっても、2層以上の積層構造であってもよい。基材が2層以上の積層構造である場合、屈折率とは、基材全層の屈折率を意味する。
このような屈折率の範囲を満たす限りにおいて、基材を形成する材料は特に制限されない。
なお、基材の厚みは、2層以上の積層構造である場合、全層の合計厚みを意味する。
基材の表面に前述の転写フィルムにおける黒色樹脂層を転写し、パターン露光する露光工程、および未露光部の現像を行なう現像工程を実施する。
基材上に転写された黒色樹脂層の露光工程、現像工程、およびその他の工程の例としては、特開2006−23696号公報の段落番号〔0035〕〜〔0051〕に記載の方法を本発明においても好適に用いることができる。
露光工程は、基材上に転写された黒色樹脂層を露光する工程である。
具体的には、基材上に転写された黒色樹脂層の上方、即ち、黒色樹脂層と露光光源との間に所定パターンが形成されたマスクを配置し、その後、マスクと、仮支持体とを介してマスク上方から黒色樹脂層を露光する方法が挙げられる。
露光光源は、黒色樹脂層を硬化しうる波長域の光(例えば、365nm、405nmなど)を照射できれば、適宜選定して用いることができる。具体的には、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプ等が挙げられる。露光量としては、通常、5J/cm2〜200mJ/cm2程度であり、好ましくは、10J/cm2〜100mJ/cm2程度である。
パターン露光は、仮支持体を剥離してから行ってもよいし、仮支持体を剥離する前に露光し、その後、仮支持体を剥離してもよい。パターン露光はパターン状のマスクを介した露光でもよいし、レーザー等を用いた走査露光(デジタル露光)でもよい。
既述の工程を経て、基材上にパターン状黒色樹脂硬化層である加飾層が形成された加飾材料が製造される。
図2は、パターン状黒色樹脂硬化層(加飾層)20が形成された加飾材料を備えるタッチパネル18の一例を示す概略平面図である。図2において、黒色で表示された領域が加飾層20の形成領域を示す。加飾材料が、図2に示す如き形状の加飾層20を備えることで、タッチパネル18の本体に配置された配線を隠蔽することができる。
現像工程は、露光された黒色樹脂層中を現像する工程である。
本発明では、パターン露光された黒色樹脂層における未露光部を現像液によって現像除去し、パターン状黒色樹脂層を形成する狭義の意味の現像工程である。
現像は、現像液を用いて行うことができる。現像液としては、特に制約はなく、特開平5−72724号公報に記載の現像液など、公知の現像液を使用することができる。なお、現像液は未露光の黒色樹脂層を溶解しうる現像液が好ましく、例えば、pKa=7〜13の化合物を0.05〜5mol/Lの濃度で含む現像液が好ましい。
現像液には、更に水と混和性を有する有機溶剤を少量添加してもよい。水と混和性を有する有機溶剤としては、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−プロパノール、ブタノール、ジアセトンアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ベンジルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、ε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホルアミド、乳酸エチル、乳酸メチル、ε−カプロラクタム、N−メチルピロリドン等を挙げることができる。有機溶剤の濃度は0.1質量%〜30質量%が好ましい。
また、現像液には、更に公知の界面活性剤を添加することができる。界面活性剤の濃度は0.01質量%〜10質量%が好ましい。
前述の現像の方式としては、パドル現像、シャワー現像、シャワー現像+スピン現像、ディップ現像等のいずれの方式でもよい。ここで、シャワー現像について説明すると、露光後の黒色樹脂層に現像液をシャワーにより吹き付けることにより、未硬化部分を除去することで、パターン状黒色樹脂層を形成することができる。また、現像の後に、洗浄剤などをシャワーにより吹き付け、ブラシなどで擦りながら、現像残渣を除去することが好ましい。現像液の液温度は20℃〜40℃が好ましく、また、現像液のpHは8〜13が好ましい。
<熱処理>
加飾材料の製造方法は、黒色樹脂硬化層を転写する工程の後に、130℃〜170℃で熱処理する工程(ポストベーク工程)を含むことが好ましい。このような温度で熱処理することによって、基材にあらかじめ電極パターンや引き回し配線や遮光性導電膜やオーバーコート層などの他の部材が形成された後に加飾層を形成する加飾材料の製造方法においても、他の部材に悪影響を与えずに熱処理をすることができる。
熱処理する工程の温度は、140℃〜160℃であることがより好ましく、140℃〜150℃であることが特に好ましい。
熱処理する工程の時間は、1分〜60分であることが好ましく、10分〜60分であることがより好ましく、20分〜50分であることがさらに好ましい。
加飾材料の製造方法は、パターン状黒色樹脂層に、エネルギーを付与して、さらに硬化を促進させ、パターン状黒色樹脂硬化層を形成する工程を有していてもよい。エネルギー付与により、パターン状黒色樹脂層の架橋密度が向上し、作製されたパターン状黒色樹脂硬化層の強度がより向上する。エネルギー付与は、加熱、活性光線の照射、例えば、紫外線による全面露光などから適宜選択することができる。効果と工程の簡易性の観点から、エネルギー付与は、加熱が好ましい。
[タッチパネル]
本実施形態に係るタッチパネルは、本実施形態に係る加飾材料を備える。加飾材料は、タッチパネルの最表面に配置されている。
本実施形態に係る加飾材料を適用することができるタッチパネルには特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、表面型静電容量式タッチパネル、投影型静電容量式タッチパネル、抵抗膜式タッチパネル等が挙げられる。詳細については、本実施形態に係る抵抗膜式タッチパネルおよび本実施形態に係る静電容量式タッチパネルとして後述する。
なお、タッチパネルとは、いわゆるタッチセンサおよびタッチパッドを含む。タッチパネルにおけるタッチパネルセンサー電極部の層構成が、2枚の透明電極を貼合する貼合方式、1枚の基板の両面に透明電極を具備する方式、片面ジャンパー若しくはスルーホール方式、または片面積層方式のいずれでもよい。また投影型静電容量式タッチパネルは、DC(direct current)駆動よりAC(alternating current)駆動が好ましく、電極への電圧印加時間が少ない駆動方式がより好ましい。
(抵抗膜式タッチパネル)
本実施形態に係る抵抗膜式タッチパネルは、本実施形態に係る加飾材料を含む、抵抗膜式タッチパネルである。
抵抗膜式タッチパネルは、導電性膜を有する上下一対の基板の導電性膜同士が対向する位置でスペーサーを介して配置された基本構成からなる。なお抵抗膜式タッチパネルの構成は公知であり、本実施形態では公知技術を何ら制限なく適用することができる。
(静電容量式タッチパネル)
本実施形態に係る静電容量式タッチパネルは、本実施形態に係る加飾材料を含む、静電容量式タッチパネルである。
静電容量式タッチパネルの方式としては、表面型静電容量式、投影型静電容量式等が挙げられる。投影型の静電容量式タッチパネルは、X軸電極(以下、X電極とも称する)と、X電極と直交するY軸電極(以下、Y電極とも称する)とを、絶縁体を介して配置した基本構成からなる。具体的態様としては、X電極およびY電極が、1枚の基板上の別々の面に形成される態様、1枚の基板上にX電極、絶縁体層、Y電極をこの順で形成する態様、1枚の基板上にX電極を形成し、別の基板上にY電極を形成する態様(この態様では、2枚の基板を貼り合わせた構成が上記基本構成となる)等が挙げられる。なお静電容量式タッチパネルの構成は公知であり、本実施形態では公知技術を何ら制限なく適用することができる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されない。
[実施例1〜実施例5、比較例1]
<黒色樹脂層形成用組成物の調製>
下記表1に記載の処方に従い、これらの成分を十分に撹拌混合することで、黒色樹脂層形成用組成物を調製した。
表1に記載の化合物の詳細は以下に示すとおりである。なお、表1では、それぞれ〔〕内に記載の略称で記載している。
(A)黒色顔料
・山陽色素社製、SF Black GB4051(商品名:樹脂被覆カーボンブラック分散物)〔SF Black GB4051〕
・東京インキ社製、黒顔料分散物 FDK−911〔商品名:FDK−911〕
・K顔料分散物1
以下のK顔料分散物1の組成となるようにカーボンブラック、分散剤、ポリマーおよび溶剤を混合し、3本ロールとビーズミルを用いてK顔料分散物1を得た。
(K顔料分散物1)
・特許5320652号公報段落番号〔0036〕〜〔0042〕の記載に従って作製した樹脂被覆カーボンブラック 13.1質量%
・分散剤1〔下記構造〕 0.65質量%
・ポリマー 6.72質量%
(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=72/28モル比のランダム共重合体物、重量平均分子量3.7万)
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 79.53質量%

(B)染料
・染料(A−1)下記構造
・染料(B−1)下記構造
・染料 オイル ブルー 613(Orient Corporation of America製)〔表1には、Oil Blue 613〕
・染料 バリファスト ブルー 2606(Orient Corporation of America製)〔Valifast Blue 2606〕
(C)アルカリ可溶性樹脂
・ベンジルメタクリレート/メタクリル酸の共重合体〔質量基準共重合比:82/18〕
(D)エチレン性不飽和基含有化合物
・新中村化学工業社製A−NOD−N(商品名)〔A-NOD-N〕
・新中村化学工業社製A−DCP(商品名)〔A-DCP〕
・新中村化学工業社製A−BPE−10(商品名)〔A-BPE-10〕
・新中村化学工業社製UA−32P(商品名)〔UA-32P〕
・日本化薬(株)製、KAYARAD(登録商標) DPHA(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの75質量%PGMEA溶液)〔KAYARAD DPHAのPGMEA溶液〕
・大成ファインケミカルズ社製、8UX−015A(商品名)〔8UX-015A〕
(E)光重合開始剤
・BASF社製 イルガキュア(登録商標)OXE02〔イルガキュアOXE02〕
・BASF社製 イルガキュア907〔イルガキュア907〕
・ダイトーケミックス社製 DFI−020〔DFI-020〕
(界面活性剤)
・DIC(株)製 メガファック(登録商標)F−780〔メガファックF-780F〕
<転写フィルムの作製>
厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルム仮支持体の上に、スリット状ノズルを用いて、下記処方H1からなる熱可塑性樹脂層用塗布液を塗布、乾燥させた。次に、下記処方P1からなる中間層用塗布液を塗布、乾燥させた。更に、前述の黒色樹脂層形成用組成物を塗布、乾燥させた。既述の方法により、仮支持体の上に乾燥膜厚が15.1μmの熱可塑性樹脂層と、乾燥膜厚が1.6μmの中間層と、乾燥膜厚が2.0μmの黒色樹脂層を設け、最後に保護フィルム(厚さ12μmポリプロピレンフィルム)を圧着した。こうして仮支持体と熱可塑性樹脂層と中間層(酸素遮断膜)と黒色樹脂層と保護フィルムとを有する実施例1〜実施例5および比較例1の転写フィルムを作製した。
(熱可塑性樹脂層用塗布液:処方H1)
・メタノール 11.1質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 6.36質量部
・メチルエチルケトン 52.4質量部
・メチルメタクリレート/2−エチルヘキシルアクリレート/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(共重合組成比(モル比)=55/11.7/4.5/28.8、分子量=10万、Tg≒70℃) 5.83質量部
・スチレン/アクリル酸共重合体(共重合組成比(モル比)=63/37、
重量平均分子量=1万、Tg≒100℃) 13.6質量部
・2,2−ビス[4−(メタクリロキシポリエトキシ)フェニル]プロパン
(新中村化学工業(株)製) 9.1質量部
・フッ素系ポリマー 0.54質量部
(C613CH2CH2OCOCH=CH2 40部と H(OCH(CH3)CH2OCOCH=CH2 55部と H(OCHCH27OCOCH=CH2 5部との共重合体、重量平均分子量3万、メチルエチルケトン30質量%溶液、DIC製、商品名:メガファックF780F)
(中間層用塗布液:処方P1)
・PVA205 32.2質量部
(ポリビニルアルコール、(株)クラレ製、鹸化度=88%、重合度550)
・ポリビニルピロリドン 14.9質量部
(アイエスピー・ジャパン社製、K−30)
・蒸留水 524質量部
・メタノール 429質量部
<反射率の測定>
得られた実施例1〜実施例5および比較例1の転写フィルムから保護フィルムを除去し、除去後に露出した黒色樹脂層の表面と、ガラス基材(コーニング社製、イーグルXG)とを、透明接着テープ(3M社製、OCAテープ8171CL:商品名)を介して貼り合わせ、加飾材料を形成した。
得られた加飾材料について、黒色樹脂層が形成された側から、積分球反射計(日本分光(株)製 V570)を用いて波長550nmにおける反射率を測定した。結果を、表1に併記した。反射率が5.0%未満であることで、目視によるぎらつきの抑制が確認できると評価する。
<黒色樹脂層(加飾層)の目視による官能評価>
三波長蛍光灯を点灯した室内で、照明に対する角度を変えながら観察し、加飾層の黒味について、以下の基準で評価した。
5名が評価し、最も数の多い評価結果を採用した。
A:加飾層の漆黒感が高く、濁りが確認されない。
B:加飾層の漆黒感が低く、やや濁りが感じられた。
C:加飾層の漆黒感が非常に低く、濁りがある。
表1の結果より、各実施例の転写フィルムにより形成された黒色樹脂層は、比較例1の転写フィルムにより形成された黒色樹脂層に対して、反射率が低く、黒色顔料に起因する所望されない反射が抑制されていることがわかる。また、目視による官能評価においても、光反射に起因するぎらつきが抑制され、漆黒感が高く外観が良好な黒色樹脂層であった。他方、比較例1の転写フィルムにより形成された黒色樹脂層は、所望されない反射によるぎらつきに起因して、漆黒感が非常に低く、濁りが感じられ、外観に劣っていた。
10 転写フィルム
12 仮支持体
14 黒色樹脂層
16 保護剥離層(保護フィルム)
18 タッチパネル
20 パターン状黒色樹脂硬化層(加飾層)

Claims (11)

  1. 仮支持体と、前記仮支持体上に設けられ、(A)黒色顔料、(B)染料、(C)アルカリ可溶性樹脂、(D)エチレン性不飽和基含有化合物、および(E)光重合開始剤を含み、(A)黒色顔料100質量部に対する(B)染料の含有量が1質量部〜40質量部である黒色樹脂層と、を有する転写フィルム。
  2. 前記(A)黒色顔料は、カーボンブラックである請求項1に記載の転写フィルム。
  3. 前記カーボンブラックは、表面が樹脂で被覆されたカーボンブラックである請求項2に記載の転写フィルム。
  4. 前記(B)染料は、青色の染料である請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の転写フィルム。
  5. 前記青色の染料は、波長500nm〜700nmに極大吸収波長を有する染料である請求項4に記載の転写フィルム。
  6. 前記(B)染料は、アントラキノン染料である請求項1〜請求項のいずれか一項に記載の転写フィルム。
  7. 前記仮支持体と、前記黒色樹脂層との間に、熱可塑性樹脂層を有する請求項1〜請求項のいずれか一項に記載の転写フィルム。
  8. 前記黒色樹脂層と、前記熱可塑性樹脂層との間に、中間層を有する請求項に記載の転写フィルム。
  9. ガラス基材および樹脂基材からなる群より選ばれる基材上に、請求項1〜請求項のいずれか一項に記載の転写フィルムにおける前記黒色樹脂層により形成されたパターン状黒色樹脂硬化層を有する加飾材料。
  10. 請求項に記載の加飾材料を備えるタッチパネル。
  11. ガラス基材および樹脂基材からなる群より選ばれる基材上に、請求項1〜請求項のいずれか一項に記載の転写フィルムの前記黒色樹脂層を転写する工程と、
    転写された前記黒色樹脂層をフォトグラフィー法によりパターニングして、パターン状黒色樹脂層を形成する工程と、
    形成された前記パターン状黒色樹脂層にエネルギーを付与してパターン状黒色樹脂硬化層を形成する工程と、
    を含む、加飾材料の製造方法。
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