JP6630165B2 - 自動販売機 - Google Patents
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Description
このヒートポンプ式の加温冷却装置を備えた自動販売機の一例として、特許文献1に記載された自動販売機が知られている。この自動販売機は、ペットボトルなどの容器に入った飲料(以下「容器入り飲料」という)を冷却又は加温して販売するものである。そして、この自動販売機は、内部の商品収納庫が隔壁によって三つの庫室に区画され、左庫室及び中庫室が加温庫と冷却庫とに切替可能に構成され、右庫室が冷却専用庫として構成されている。各庫室(左庫室、中庫室、右庫室)の冷却は、冷却用の庫内熱交換器(蒸発器)における吸熱により冷却された空気を循環させることにより実施されている。そして、左庫室の加温は、主に加温用の庫内熱交換器(凝縮器)における放熱により加温された空気を循環させることにより実施され、中庫室の加温は、電熱ヒータにより加温された空気を循環させることにより実施されている。
このように、他の庫室に比べて著しく小さい庫室(以下「最小庫室」という)が存在するという条件下において、この最小庫室に加温用の庫内熱交換器(凝縮器)を設けると共に、この庫内熱交換器に圧縮機を接続して、最小庫室内を前記加温用の庫内熱交換器における放熱により加温可能なヒートポンプ式の加温冷却装置を構成することも考えられる。しかし、この構成の場合、最小庫室に設ける加温用の庫内熱交換器の熱容量が著しく小さくなるため、市販の圧縮機のうちの最小能力の圧縮機により冷媒を循環させて前記加温用の庫内熱交換器で熱交換させようとしても、圧縮機の能力が過剰となる。その結果、この構成のヒートポンプ式の加温冷却装置により、最小庫室内を加温させた場合、圧縮機の過剰能力分(余剰能力分)について効率(COP)が悪くなるおそれがある。そのため、一般的に、最小庫室になり得る中庫室については、特許文献1に記載された自動販売機のように、電熱ヒータによって加温している。
しかしながら、この種の自動販売機においては、庫内加温に要するエネルギー(消費電力)の更なる抑制が望まれている。また、最小庫室について、その加温に限らず、冷却についても、上記最小庫室の加温と同様の理由から、最小庫室を単独でヒートポンプ式の加温冷却装置により冷却した場合、圧縮機の能力が過剰となり、効率(COP)が悪くなるおそれがある。
さらに、前記ヒートポンプ式の加温冷却装置は、最小庫室内を冷却する場合には、圧縮機から送出された冷媒を、最小庫室冷却用冷媒流路により、最小庫室に配置された冷却用庫内熱交換器と、最小庫室以外の少なくとも一つの庫室に配置された冷却用庫内熱交換器とに連続的に流している。このため、最小庫室冷却用冷媒流路によって、最小庫室を含む少なくとも二つの庫室に配置された少なくとも二つの冷却用庫内熱交換器が互いに直列的に接続されることになり、最小庫室内を冷却する際には、この少なくとも二つの冷却用庫内熱交換器を一つの大きな冷却用庫内熱交換器とみなすことができる。したがって、最小庫室の冷却用庫内熱交換器の熱容量が著しく小さい場合であっても、適切な能力の圧縮機を採用することができるため、冷却に要するエネルギーを抑制することができる。
このようにして、ヒートポンプ式の加温冷却装置を有する自動販売機であって、最小庫室内の加温又は冷却のいずれにおいても、その加温又は冷却に要するエネルギーを抑制することのできる自動販売機を提供することができる。
図1は、本発明が適用された自動販売機の第1実施形態の概略構成を示す図である。本実施形態による自動販売機1は、容器入り飲料を冷却又は加温して販売可能に構成されており、内部に断熱構造の商品収納庫2を有する。商品収納庫2は、断熱壁(隔壁)3によって三つの庫室(左庫室4、中庫室5、及び右庫室6)に区画され、当該三つの庫室4〜6は自動販売機1の幅方向に連続的に並んで配置されている。本実施形態においては、三つの庫室4〜6のうち中庫室5の容積が最も小さいものとする。つまり、本実施形態においては、庫室は三つ設けられ、この三つの庫室のうちの左庫室4と右庫室6との間に、容積が最も小さい中庫室5が配置される場合を一例として説明する。
なお、この中庫室5が本発明に係る「最小庫室」に相当する。また、本実施形態において、左庫室4が本発明に係る「第1庫室」に相当し、右庫室6が本発明に係る「第2庫室」に相当するものとする。
本実施形態では、加温冷却装置30は、左庫室4、中庫室5、右庫室6の順に、加温、加温、冷却(HHCモード)、加温、冷却、冷却(HCCモード)、冷却、冷却、冷却(CCCモード)の運転を実行可能である。また、以下では、前記HHCモードを通常の運転モードとした場合を一例に挙げて説明する。
上述のように、加温冷却装置30は、左庫室4に設置された第1庫内ユニット7、中庫室5に設置された第2庫内ユニット8、右庫室6に設置された第3庫内ユニット9、機械室10に配置された庫外ユニット11、及び第1〜第3庫内ユニット7〜9と庫外ユニット11とを接続する冷媒配管20を含む。そして、加温冷却装置30において、冷媒が冷媒配管20を介して前記第1〜第3庫内ユニット7〜9を選択的に経由して循環することによって、左庫室4内、中庫室5内のそれぞれが冷却又は加温されると共に、右庫室6内が冷却される。つまり、加温冷却装置30は、後述する圧縮機31から送出された冷媒を、冷媒配管20を介して循環させ、冷媒への吸熱により庫室(冷却庫としての各庫室4〜6)内を冷却可能とすると共に、冷媒からの放熱により庫室(加温庫としての左庫室4、中庫室5)内を加温可能とするように構成されている。
前記第2庫内ユニット8は、第2庫内凝縮器(加温用庫内熱交換器)81と、第2庫内凝縮器81に送風する第2庫内凝縮器ファン(加温用ファン)82と、第2庫内蒸発器(冷却用庫内熱交換器)83と、第2庫内蒸発器83に送風する第2庫内蒸発器ファン(冷却用ファン)84とを有する。
前記第3庫内ユニット9は、第3庫内蒸発器(冷却用庫内熱交換器)91と、第3庫内蒸発器91に送風する第3庫内蒸発器ファン(冷却用ファン)92とを有する。
つまり、本実施形態では、加温用庫内熱交換器は左庫室4と中庫室5にそれぞれ配置され、冷却用庫内熱交換器は左庫室4と中庫室5と右庫室6にそれぞれ配置され、加温用ファンが各加温用庫内熱交換器に隣接してそれぞれ配置され、冷却用ファンが各加温用庫内熱交換器に隣接してそれぞれ配置されている。
各庫内凝縮器71,81は、前記冷媒と対応する庫室4,5内の空気とを熱交換させることによって、対応する庫室4,5内を加温する。そして、各庫内蒸発器73,83,91は、前記冷媒と対応する庫室4〜6内の空気とを熱交換させることによって、対応する庫室4〜6内を冷却する。また、庫内凝縮器71,81及び庫内蒸発器73,83,91における熱交換は、それぞれに対応するファン72,74,82,84,92による送風により促進される。なお、冷媒が庫内凝縮器71,81内を通過していれば、それぞれに対応する加温用ファン72,82が停止していても、庫内凝縮器71,81内の冷媒の熱が庫室4,5内へ自然放熱され得る。また、冷媒が庫内蒸発器73,83,91内を通過していれば、それぞれに対応する冷却用ファン74,84,92が停止していても、庫室4,5,6内の空気の熱が庫内蒸発器73,83,91内の冷媒に自然吸熱され得る。
前記圧縮機31は冷媒を圧縮する(高温高圧のガス冷媒とする)。庫外中間凝縮器32及び庫外メイン凝縮器34は冷媒を凝縮させて冷却する。前記膨張機構は庫外中間凝縮器32や庫外メイン凝縮器34で冷却された冷媒を膨張させて低温低圧化する。
なお、本実施形態において、庫外中間凝縮器32が本発明に係る「庫外熱交換器」に相当する。つまり、本実施形態では、圧縮機は一つ設けられ、加温冷却装置30は、冷媒を凝縮させる庫外熱交換器(庫外中間凝縮器32)及び冷媒を膨張させる膨張機構(第1キャピラリチューブ36、第2キャピラリチューブ37、第3キャピラリチューブ38、電子膨張弁39)を更に含む。また、前記膨張機構として各キャピラリチューブ36〜38に加えて電子膨張弁39が設けられているが、電子膨張弁39を設けなくてもよい。
前記第1冷媒流路L1は、冷媒を圧縮機31、第1庫内凝縮器71、第2庫内凝縮器81、庫外中間凝縮器32、電子膨張弁39、第3キャピラリチューブ38及び第3庫内蒸発器91の順に流して循環させるための流路(後述する図3において太線で示した部分)である。圧縮機31から送出された冷媒が、第1冷媒流路L1(詳しくは後述する最小庫室加温用冷媒流路20a)を介して第1庫内凝縮器71と第2庫内凝縮器81とに連続して流れた後に、庫外中間凝縮器32及び第3庫内蒸発器91を経由して圧縮機31に還流することにより、左庫室4内及び中庫室5内が加温されると共に、右庫室6内が冷却される。これにより、前記HHCモードの運転が行われる。
なお、本実施形態においては、この第1冷媒流路L1のうちの第1庫内凝縮器71と第2庫内凝縮器81との間を直列に接続している部分が本発明に係る「最小庫室加温用冷媒流路」に相当し、この部分を以下において最小庫室加温用冷媒流路20aという。
なお、本実施形態においては、第1冷媒流路L1及び第3冷媒流路L3のうちの第2庫内蒸発器83と第3庫内蒸発器91との間を直列に接続している部分が本発明に係る「最小庫室冷却用冷媒流路」に相当し、この部分を以下において最小庫室冷却用冷媒流路20bという。
前記制御装置は、自動販売機1のHHCモードでの起動時(再起動時を含む)においては、左庫室4及び中庫室5の庫内温度を、容器入り飲料をホット飲料として飲み頃の温度に加温可能な第1設定温度(例えば、50〜60℃程度)まで上昇させ、右庫室6の庫内温度を、容器入り飲料をコールド飲料として飲み頃の温度に冷却可能な第2設定温度(例えば、3〜8℃程度)まで低下させるように、加温冷却装置30の動作を制御する。
このように、加温冷却装置30は、図3に示すように、中庫室5内を加温する場合には、圧縮機31から送出された冷媒を、最小庫室加温用冷媒流路20aを介して第1庫内凝縮器71及び第2庫内凝縮器81に連続して流した後に、庫外中間凝縮器32、膨張機構(電子膨張弁39、第3キャピラリチューブ38)及び第3庫内蒸発器91を経由して圧縮機31に還流させる。
前記制御装置は、自動販売機1のHCCモードでの起動時(再起動時を含む)においては、左庫室4の庫内温度を前記第1設定温度まで上昇させ、中庫室5及び右庫室6の庫内温度を前記第2設定温度まで低下させるように、加温冷却装置30の動作を制御する。
このように、加温冷却装置30は、図4に示すように、中庫室5内を冷却する場合には、圧縮機31から送出された冷媒を、第1庫内凝縮器71、庫外中間凝縮器32及び膨張機構(電子膨張弁39、第2キャピラリチューブ37)に流した後に、最小庫室冷却用冷媒流路20bを介して第2庫内蒸発器83及び第3庫内蒸発器91を経由して圧縮機31に還流させる。
なお、加温冷却装置30は、CCCモードの運転も実行可能である。前記制御装置は、CCCモードの場合、例えば、冷媒循環経路の切替により、左庫室4及び右庫室6の冷却と、中庫室5及び右庫室6の冷却とを個別に実行させる。前記制御装置は、左庫室4及び右庫室6の冷却の際には、圧縮機31、庫外メイン凝縮器ファン35、第1庫内蒸発器ファン74、第3庫内蒸発器ファン92を起動させ、第3流路切替弁V3及び第4流路切替弁V4をONする(V1及びV2はOFF)。すると、図示を省略するが、冷媒は、圧縮機31、庫外メイン凝縮器34、第1キャピラリチューブ36、第1庫内蒸発器73及び第3庫内蒸発器91の順に循環し、これにより、左庫室4及び右庫室6の庫内温度が低下する。そして、前記制御装置は、中庫室5及び右庫室6の冷却の際には、圧縮機31、庫外メイン凝縮器ファン35、第2庫内蒸発器ファン84、第3庫内蒸発器ファン92を起動させ、第2流路切替弁V2及び第3流路切替弁V3をONする(V1及びV4はOFF)。すると、図示を省略するが、冷媒は、圧縮機31、庫外メイン凝縮器34、第2キャピラリチューブ37、第2庫内蒸発器83及び第3庫内蒸発器91の順に循環し、これにより、中庫室5及び右庫室6の庫内温度が低下する。
さらに、加温冷却装置30は、中庫室5内を冷却する場合には、圧縮機31から送出された冷媒を、最小庫室冷却用冷媒流路20bにより、中庫室5に配置された第2庫内蒸発器83と、右庫室6に配置された第3庫内蒸発器91とに連続的に流している。このため、最小庫室冷却用冷媒流路20bによって、中庫室5及び右庫室6に配置された二つの冷却用庫内熱交換器83,91が互いに直列的に接続されることになり、中庫室5内を冷却する際には、この二つの冷却用庫内熱交換器83,91を一つの大きな冷却用庫内熱交換器とみなすことができる。したがって、中庫室5の第2庫内蒸発器83の熱容量が著しく小さい場合であっても、適切な能力の圧縮機31を採用することができるため、冷却に要するエネルギーを抑制することができる。
このようにして、ヒートポンプ式の加温冷却装置30を有する自動販売機1であって、中庫室5内の加温又は冷却のいずれにおいても、その加温又は冷却に要するエネルギーを抑制することのできる自動販売機1を提供することができる。
一方、HHCモードにおいて、第1庫内凝縮器ファン72と第2庫内凝縮器ファン82のいずれか一方だけ作動している際には、ファンが作動している方の庫室(左庫室4又は中庫室5)の加温が促進される。この場合、ファンが停止している方の庫室(左庫室4又は中庫室5)では、対応する庫内凝縮器(71又は81)に冷媒が通過するだけでも冷媒から自然放熱するので、その自然放熱分で庫室下部(販売間近の下部商品)の温度低下を防いで加温状態が維持され得る。したがって、HHCモードにおいて、例えば、第1庫内凝縮器ファン72を停止させ、第2庫内凝縮器ファン82を作動させ、実質的に中庫室5のみを加温(つまり、中庫室5を実質的に単独で加温)する場合もある。この場合であっても、圧縮機31から送出された冷媒は、最小庫室加温用冷媒流路20aを介して第1庫内凝縮器71及び第2庫内凝縮器81に連続して流れるため、第2庫内凝縮器81で放熱しきれない分を、第1庫内凝縮器71で自然放熱させることができる。その結果、第2庫内凝縮器81で放熱しきれない分を、左庫室4の温度低下の防止のために有効に用いることができる。これにより、実質的に中庫室5のみを加温する場合であっても、過剰能力を発生させることなく、加温冷却装置30を運転することができ、加温に要するエネルギーを抑制することができる。
一方、HCCモードにおいて、第2庫内蒸発器ファン84と第3庫内蒸発器ファン92のいずれか一方だけ作動している際には、ファンが作動している方の庫室(中庫室5又は右庫室6)の冷却が促進される。この場合、ファンが停止している方の庫室(中庫室5又は右庫室6)では、対応する庫内蒸発器(83又は91)に冷媒が通過するだけでも冷媒に自然吸熱されるので、その自然吸熱分で庫室下部(販売間近の下部商品)の温度上昇を防いで冷却状態が維持され得る。したがって、HCCモードにおいて、例えば、第2庫内蒸発器ファン84を作動させ、第3庫内蒸発器ファン92を停止させ、実質的に中庫室5のみを冷却(中庫室5を実質的に単独で冷却)する場合もある。この場合、圧縮機31から送出された冷媒は、最小庫室冷却用冷媒流路20bを介して第2庫内蒸発器83及び第3庫内蒸発器91に連続して流れるため、第2庫内蒸発器83で吸熱しきれない分を、第3庫内蒸発器91で自然吸熱させて、右庫室6の温度上昇を防止する。これにより、実質的に中庫室5のみを冷却する場合であっても、過剰能力を発生させることなく、加温冷却装置30を運転することができ、冷却に要するエネルギーを抑制することができる。
つまり、本実施形態では、圧縮機は加温用と冷却用にそれぞれ設けられ、加温冷却装置50は、冷媒を蒸発させる第1庫外熱交換器(庫外蒸発器53)と、冷媒を凝縮させる第2庫外熱交換器(庫外凝縮器55)と、冷媒を膨張させる第1膨張機構(電子膨張弁57)及び第2膨張機構(第4キャピラリチューブ58、第5キャピラリチューブ59、第6キャピラリチューブ60)とを含む。
前記第6冷媒流路L6は、冷媒を圧縮機51、第1庫内凝縮器71、第2庫内凝縮器81、電子膨張弁57、庫外蒸発器53の順に流して循環させるための流路(後述する図6において太線で示した部分)である。圧縮機51から送出された冷媒が、第6冷媒流路L6(詳しくは最小庫室加温用冷媒流路20a)を介して第1庫内凝縮器71と第2庫内凝縮器81とに連続して流れた後に、電子膨張弁57及び庫外蒸発器53を経由して圧縮機51に還流することにより、左庫室4内及び中庫室5内が加温される。
なお、本実施形態においては、この第6冷媒流路L6のうちの第1庫内凝縮器71と第2庫内凝縮器81との間を直列に接続している部分が最小庫室加温用冷媒流路20aに相当する。
このように、冷媒が第6冷媒流路L6を介して循環することにより、左庫室4内及び中庫室5内が加温され、冷媒が第7冷媒流路L7を介して循環することにより、右庫室6内が冷却される。これにより、前記HHCモードの運転が行われる。
なお、本実施形態においては、第7冷媒流路L7及び第9冷媒流路L9のうちの第2庫内蒸発器83と第3庫内蒸発器91との間を直列に接続している部分が本発明に係る「最小庫室冷却用冷媒流路」に相当し、この部分を以下において最小庫室冷却用冷媒流路20bという。
図6は、左庫室4内と中庫室5内を加温すると共に右庫室6内を冷却する場合の加温冷却装置50の状態(冷媒循環経路)を示している。前記制御装置は、HHCモードの場合、各圧縮機51,52、庫外蒸発器ファン54、庫外凝縮器ファン56、第1庫内凝縮器ファン72、第2庫内凝縮器ファン82、及び第3庫内蒸発器ファン92を起動させる(V5〜V7はOFF)。すると、図6に示すように、冷媒は、第6冷媒流路L6を介して、圧縮機51、第1庫内凝縮器71、第2庫内凝縮器81、電子膨張弁57、及び庫外蒸発器53の順に循環すると共に、第7冷媒流路L7を介して、圧縮機52、庫外凝縮器55、第6キャピラリチューブ60、及び第3庫内蒸発器91の順に循環する。これにより、左庫室4及び中庫室5の庫内温度が上昇すると共に、右庫室6の庫内温度が低下する。
このように、加温冷却装置50は、図6に示すように、中庫室5内を加温する場合には、加温用の圧縮機51から送出された冷媒を、最小庫室加温用冷媒流路20aを介して第1庫内凝縮器71及び第2庫内凝縮器81に連続して流した後に、第1膨張機構(電子膨張弁57)及び第1庫外熱交換器(庫外蒸発器53)を経由して圧縮機51に還流させると共に、冷却用の圧縮機52から送出された冷媒を、第2庫外熱交換器(庫外凝縮器55)、第2膨張機構(詳しくは第6キャピラリチューブ60)及び第3庫内蒸発器91を経由して圧縮機52に還流させる。
そして、前記制御装置は、第1実施形態と同様にして、左庫室4の庫内温度と中庫室5の庫内温度との温度差が所定の第1閾値以下に維持されるように第1庫内凝縮器ファン72と第2庫内凝縮器ファン82を作動させ、左庫室4及び中庫室5の庫内温度を前記第1設定温度に保持し、右庫室6の庫内温度を前記第2設定温度に保持する。
図7は、左庫室4内を加温すると共に中庫室5内と右庫室6内を冷却する場合の加温冷却装置50の状態(冷媒循環経路)を示している。前記制御装置は、HCCモードの場合、各圧縮機51,52、庫外蒸発器ファン54、庫外凝縮器ファン56、第1庫内凝縮器ファン72、第2庫内蒸発器ファン84、及び第3庫内蒸発器ファン92を起動させ、第5流路切替弁V5及び第6流路切替弁V6をONする(V7はOFF)。すると、図7に示すように、冷媒は、第6冷媒流路L6及び第8冷媒流路L8を介して、圧縮機51、第1庫内凝縮器71、電子膨張弁57、及び庫外蒸発器53の順に循環すると共に、第7冷媒流路L7及び第9冷媒流路L9を介して、圧縮機52、庫外凝縮器55、第5キャピラリチューブ59、第2庫内蒸発器83及び第3庫内蒸発器91の順に循環する。これにより、左庫室4の庫内温度が上昇すると共に中庫室5及び右庫室6の庫内温度が低下する。
このように、加温冷却装置50は、図7に示すように、中庫室5内を冷却する場合には、加温用の圧縮機51から送出された冷媒を、第1庫内凝縮器71に流した後に、第1膨張機構(電子膨張弁57)及び第1庫外熱交換器(庫外蒸発器53)を経由して圧縮機51に還流させると共に、冷却用の圧縮機52から送出された冷媒を、第2庫外熱交換器(庫外凝縮器55)及び第2膨張機構(詳しくは第5キャピラリチューブ59)に流した後に、最小庫室冷却用冷媒流路20bを介して第2庫内蒸発器83及び第3庫内蒸発器91を経由して圧縮機52に還流させる。
そして、前記制御装置は、第1実施形態と同様にして、中庫室5の庫内温度と右庫室6の庫内温度との温度差が所定の第2閾値以下に維持されるように第2庫内蒸発器ファン84と第3庫内蒸発器ファン92を作動させ、左庫室4の庫内温度を前記第1設定温度に保持し、中庫室5及び右庫室6の庫内温度を前記第2設定温度に保持する。
加温冷却装置30,50は、少なくとも三つの庫室のうちの最小庫室内を加温する場合に、圧縮機31,51から送出された冷媒を、最小庫室に配置された加温用庫内熱交換器(第2庫内凝縮器81)と、前記少なくとも三つの庫室のうちの前記最小庫室以外の少なくとも一つの庫室に配置された加温用庫内熱交換器とに連続して流すための最小庫室加温用冷媒流路20aと、前記最小庫室内を冷却する場合に、前記圧縮機31,52から送出された冷媒を、前記最小庫室に配置された冷却用庫内熱交換器(第2庫内蒸発器83)と、前記少なくとも三つの庫室のうちの前記最小庫室以外の少なくとも一つの庫室に配置された冷却用庫内熱交換器とに連続して流すための最小庫室冷却用冷媒流路20bと、を含んで構成されていればよい。言い換えると、自動販売機1は、少なくとも三つの庫室のうちの最小庫室内を加温庫と冷却庫とに切替えて運転可能な加温冷却装置30,50であって、最小庫室内を加温する場合には、最小庫室に配置された庫内熱交換器(庫内凝縮器)と最小庫室以外の少なくとも一つの庫室に配置された庫内熱交換器(庫内凝縮器)とを直列に接続する最小庫室加温用冷媒流路20aにより、圧縮機31,51から送出された冷媒を、最小庫室に配置された前記庫内熱交換器と前記最小庫室以外の少なくとも一つの庫室に配置された前記庫内熱交換器とに連続して流し、最小庫室内を冷却する場合には、最小庫室に配置された庫内熱交換器(庫内蒸発器)と最小庫室以外の少なくとも一つの庫室に配置された庫内熱交換器(庫内蒸発器)とを直列に接続する最小庫室冷却用冷媒流路20bにより、圧縮機31,52から送出された冷媒を、最小庫室に配置された前記庫内熱交換器と前記最小庫室以外の少なくとも一つの庫室に配置された前記庫内熱交換器とに連続して流す加温冷却装置30,50を備えて構成されていればよい。
Claims (5)
- それぞれが隔壁によって区画される少なくとも三つの商品収納用の庫室と、冷媒を圧縮する圧縮機を有し該圧縮機から送出された冷媒を循環させ、該冷媒への吸熱により前記庫室内を冷却可能とすると共に前記冷媒からの放熱により前記庫室内を加温可能とするヒートポンプ式の加温冷却装置とを備えた自動販売機であって、
前記加温冷却装置は、
前記少なくとも三つの庫室のうちの最小庫室内を加温する場合に、前記圧縮機から送出された冷媒を、前記最小庫室に配置された加温用庫内熱交換器と、前記少なくとも三つの庫室のうちの前記最小庫室以外の少なくとも一つの庫室に配置された加温用庫内熱交換器とに連続して流すための最小庫室加温用冷媒流路と、
前記最小庫室内を冷却する場合に、前記圧縮機から送出された冷媒を、前記最小庫室に配置された冷却用庫内熱交換器と、前記少なくとも三つの庫室のうちの前記最小庫室以外の少なくとも一つの庫室に配置された冷却用庫内熱交換器とに連続して流すための最小庫室冷却用冷媒流路と、
を含む、自動販売機。 - 前記圧縮機は一つ設けられる構成とし、
前記加温冷却装置は、
前記冷媒を凝縮させる庫外熱交換器及び前記冷媒を膨張させる膨張機構を更に含み、
前記最小庫室内を加温する場合には、前記圧縮機から送出された冷媒を、前記最小庫室加温用冷媒流路を介して各加温用庫内熱交換器のうちの前記最小庫室の加温用庫内熱交換器を含む少なくとも二つの加温用庫内熱交換器に連続して流した後に、前記庫外熱交換器、前記膨張機構及び少なくとも一つの残りの庫室に配置された冷却用庫内熱交換器を経由して前記圧縮機に還流させ、
前記最小庫室内を冷却する場合には、前記圧縮機から送出された冷媒を、各加温用庫内熱交換器のうちの前記最小庫室の加温用庫内熱交換器以外の少なくとも一つの加温用庫内熱交換器、前記庫外熱交換器及び前記膨張機構に流した後に、前記最小庫室冷却用冷媒流路を介して前記最小庫室を含む残りの庫室に配置された少なくとも二つの冷却用庫内熱交換器を経由して前記圧縮機に還流させる、請求項1に記載の自動販売機。 - 前記圧縮機は加温用と冷却用にそれぞれ設けられる構成とし、
前記加温冷却装置は、
前記冷媒を蒸発させる第1庫外熱交換器、前記冷媒を凝縮させる第2庫外熱交換器、前記冷媒を膨張させる第1膨張機構及び前記冷媒を膨張させる第2膨張機構を更に含み、
前記最小庫室内を加温する場合には、前記加温用の圧縮機から送出された冷媒を、前記最小庫室加温用冷媒流路を介して前記加温用庫内熱交換器のうちの前記最小庫室の加温用庫内熱交換器を含む少なくとも二つの加温用庫内熱交換器に連続して流した後に、前記第1膨張機構及び前記第1庫外熱交換器を経由して前記加温用の圧縮機に還流させると共に、前記冷却用の圧縮機から送出された冷媒を、前記第2庫外熱交換器、前記第2膨張機構及び少なくとも一つの残りの庫室に配置された冷却用庫内熱交換器を経由して前記冷却用の圧縮機に還流させ、
前記最小庫室内を冷却する場合には、前記加温用の圧縮機から送出された冷媒を、前記加温用庫内熱交換器のうちの前記最小庫室の加温用庫内熱交換器以外の少なくとも一つの加温用庫内熱交換器に流した後に、前記第1膨張機構、及び、前記第1庫外熱交換器を経由して前記加温用の圧縮機に還流させると共に、前記冷却用の圧縮機から送出された冷媒を、前記第2庫外熱交換器及び前記第2膨張機構に流した後に、前記最小庫室冷却用冷媒流路を介して前記最小庫室を含む残りの庫室に配置された少なくとも二つの冷却用庫内熱交換器を経由して前記冷却用の圧縮機に還流させる、請求項1に記載の自動販売機。 - 前記庫室は三つ設けられる構成とし、
前記最小庫室は、三つの庫室のうちの第1庫室と第2庫室との間に配置され、
前記加温用庫内熱交換器は、前記第1庫室と前記最小庫室にそれぞれ配置され、
前記冷却用庫内熱交換器は、前記第1庫室と前記最小庫室と前記第2庫室にそれぞれ配置される、請求項1〜3のいずれか一つに記載の自動販売機。 - 前記加温冷却装置は、各加温用庫内熱交換器に隣接してそれぞれ配置される加温用ファンと、各冷却用庫内熱交換器に隣接してそれぞれ配置される冷却用ファンとを更に含み、
前記第1庫室内と前記最小庫室内を加温する場合には、前記第1庫室の庫内温度と前記最小庫室の庫内温度との温度差が所定の第1閾値以下に維持されるように前記加温用ファンを作動させ、
前記最小庫室内と前記第2庫室内を冷却する場合には、前記最小庫室の庫内温度と前記第2庫室の庫内温度との温度差が所定の第2閾値以下に維持されるように前記冷却用ファンを作動させる、請求項4に記載の自動販売機。
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