JP6629620B2 - 回転コネクタ - Google Patents
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Description
スタータとロータとを回転可能に同軸配置し、これらステータを構成する外筒体とロータを構成する内筒体との間に画成される収納空間内にフラットケーブルを収納・巻回したものであり、自動車のステアリング装置のように回転数が有限であるハンドルに装着されたエアバッグ・インフレータ等の電気的接続手段として使用されている。
従来では、ロータの係合部は、ロータに一体的に成形された突出部であり、当該突出部がステアリングシャフト等の回転体に形成された凹部に挿入されている。
ロータとステータとは、回転中心が一致するように、ロータとステータとの外周面を位置決めして結合されており、ロータの回転動作に偏心が生じる。そして、回転体の回転に偏心が生じると、突出部が弾性変形することで偏心に対応している。
また、ロータの部材を強度という観点から選択し、回転体保持部の金属部材を耐久性、弾性変形性及び高温保存性(高温保存で塑性変形し難い特性)などのロータの部材とは異なる観点から選択できる。
これにより、回転体を保持する機構の耐久性および高温保存性を高めることができる。
この構成によれば、前記回転体を前記回転体保持部に挿着する際に、前記回転体が前記回転体保持部より先に前記ロータに形成された前記案内部に当接し、当該案内部により前記回転体保持部の前記保持位置に案内される。そのため、前記回転体を挿着する際において前記回転体保持部に加わる衝撃・負荷を軽減できると共に、前記回転体を前記保持位置に確実に位置させることができる。
この構成によれば、前記回転体保持部の前記金属部材を前記回転体の挿入向きと逆向きに凸となるように湾曲した板バネで形成したことで、限られた空間内で梁を長く取ることがで、弾性係数を大きくできると共に、局所的に負荷がかかることを回避できる。
この構成によれば、前記回転体保持部材に2つの前記金属部材を設けたことで、これらを一体としてロータに装着でき、製造工程における組み立て性がよいと共に位置決め精度を高めることができる。
この構成によれば、スナップイン機構に比べて、簡単な構成で且つ部品点数を増やすことなく、小スペースで、前記回転体保持部を前記ロータに安定して固定できる。
この構成によれば、前記ステータと前記ロータとの間に前記フラットケーブルを収容可能な前記環状空間を形成できる。
この構成によれば、前記ロータとして強度の観点から樹脂を選択し、前記樹脂部材を摺動性の観点から選択できる。
図1は、本発明の実施形態に係る回転コネクタ1の全体構成図である。図2は、図1に示す回転コネクタ1の分解斜視図である。図3は、図1に示す回転コネクタ1の回転体保持部61付近の拡大図である。
カバー33の中央にはステアリングシャフト55が回転可能な状態で挿通される挿通孔33aが形成されている。
また、外筒体35には、ステアリングシャフト55が回転可能な状態で挿通される円形の挿通孔35aが形成されている。
カバー33と外筒体35とはスナップ結合等により連結・一体化される。
内筒体43は、ステアリングシャフト55が回転可能な状態で挿通される円形の挿通孔43bを有する。
ステアリングシャフト55の先端には、図8に示すハンドル71の回転体71aが嵌め込まれる。回転体71aの内周には凸部71a1が形成されている。
また、カバー33および外筒体35には、一体となって固定側コネクタを形成するコネクタ33c,35cが設けられている。固定側コネクタは、フレキシブルフラットケーブル51の一端と電気接続されている。(図示せず)
フレキシブルフラットケーブル51は、絶縁フィルムに導体を担持した帯状体である。
ロータ本体45の挿通孔45a付近には、図3および図4に示すように、回転体保持部61を装着する装着部47が形成されている。
装着部47は、ロータ本体45の図1及び図2中Z1側の端面からZ2方向に挿通孔45aに沿って形成されている。ロータ本体45のZ1側の端面側からZ2方向に向けて回転体保持部61を移動することで、装着部47に回転体保持部61が装着される。
案内部45dは、回転体保持部61よりもZ1側に突出しており、凸部71a1をZ2方向に移動して挿入する際に、回転体保持部61より先に凸部71a1と当接し、凸部71a1を回転体保持部61による保持位置に案内(ガイド)する。これにより、凸部71a1を挿着する際において回転体保持部61に直接加わる衝撃・負荷を軽減できると共に、凸部71a1をその保持位置に確実に位置させることができる。
内筒体43とロータ本体45とはスナップ結合等により連結・一体化される。
ロータ本体45は、例えば、高い強度を持つ、PBT(ポリブチレンテレフタレート)等の樹脂が用いられる。
回転体保持部61は、金属部材611および樹脂部材672,673を有する。
金属部材611は、弾性変形可能であり、細長い断面矩形の板状金属板の両端を同一長で直角に同一側に折り曲げて形成されている。図6,図7A,図7B,図7Cに示すように、金属部材611は、第1の金属板621、第2の金属板622および第3の金属板623とで構成されている。第1の金属板621の一端が第2の金属板622の一端となり、第1の金属板621の他端が第3の金属板623の一端となる。第1の金属板621と第2の金属板622とは直角であり、第1の金属板621と第3の金属板623とは直角である。
また、第3の金属板623の他端には、Z1方向に凸となるように第2の金属板622側に向けて湾曲した板バネ633が一体成形されている。板バネ633の第3の金属板623側とは反対の端部には樹脂部材673が固定されている。
また、回転体71aの凸部71a1と当接する樹脂部材672,673を、金属部材611とは別に構成したことで、樹脂部材672,673を耐摩耗性、摺動性、高温保存性など観点から選択できる。これにより、回転体保持部61の耐久性および高温保存性を高めることができる。
板バネ632,633は、樹脂部材672,673の間に図8に示す回転体71aの凸部71a1を保持位置に挿入する際に弾性変形し、図9に示すように、保持位置において弾性変形した状態となる。そのため、回転体保持部61をロータ本体45と同じ部材で形成した場合に比べて、高耐久性を得ることができ、ハンドル71と一体となって回転体71aが回転する際に板バネ632,633が繰り返し変形しても長寿命とすることができる。また、金属部材611を、ロータ本体45とは別に、耐久性、弾性変形性及び高温保存性(高温保存で塑性変形し難い特性)の観点から選択できる。
回転体保持部61は、図5に示すロータ本体45の装着部47内の内面に、リブ651、652、653、655を圧接することで安定して固定される。
金属部材611は、例えば、強度が高く、曲げ・絞り加工性に優れたリン青銅等を用いて形成される。
樹脂部材672,673は、は、板バネ632,633の先端にインサート成形により安定して固定される。
この過程で、回転体保持部61の樹脂部材672,673のZ1側の面が凸部71a1によってZ2に向けて押圧され、板バネ632,633が弾性変形して、樹脂部材672,673が図7Bに示す矢印Aの向きに移動する。そして、樹脂部材672,673が、それぞれ凸部71a1に向けて付勢された状態で凸部71a1に当接して、凸部71a1を保持する。これにより、ハンドル71の凸部71a1が、X1−X2方向の両側から樹脂部材672,673によって挟み込まれて安定して保持される。
[ロータ本体45への回転体保持部61の装着]
X1−X2およびY1−Y2方向において、保持部61をロータ本体45の装着部47に回転体保持部61を位置合わせし、板バネ632,633をZ1側に位置させた姿勢で、回転体保持部61をZ1からZ2方向に移動する。
X1−X2およびY1−Y2方向において、ステアリングシャフト55の端部にハンドル71の回転体71aの中空部を位置合わせし、ハンドル71をZ1からZ2方向に移動する。
この移動過程で、ステアリングシャフト55の端部が回転体71aの中空部に嵌合されると共に、回転体71aの凸部71a1が、回転体保持部61の樹脂部材672,673とに当接し、樹脂部材672,673をそれぞれX1,X2の方向に移動させて保持位置に達する。
比較的高温で塑性変形し易いロータ本体45とは別体として回転体保持部61を構成し、回転体保持部61の板バネ632、633として弾性変形可能で高温にて塑性変形し難い金属を選択したことで、図9に示すように回転体保持部61でハンドル71の凸部71a1を保持した状態で船舶内などで高温保存した場合でも、金属部材611は塑性変形する箇所がなく、出荷後に凸部71a1の保持機能を適切に発揮できる。
以下、ステータ31の自動車への取り付け精度や部品精度等により、ロータ41の回転とステアリングシャフト55および回転体71aの回転とに偏心が生じたときの回転体保持部61および凸部71a1の動作について説明する。
図10は、回転体保持部61に対して回転体71aにY1方向の偏心が生じた場合に、回転体保持部61と回転体71aの凸部71a1との位置関係をZ1からZ2に見た方向から説明するための図である。図11は、回転体保持部61に対して回転体71aにY2方向の偏心が生じた場合に、回転体保持部61と回転体71aの凸部71a1との位置関係をZ1からZ2に見た方向から説明するための図である。図12は、回転体保持部61に対して回転体71aにX2方向の偏心が生じた場合に、回転体保持部61と回転体71aの凸部71a1との位置関係をZ1からZ2に見た方向から説明するための図である。図13は、回転体保持部61に対して回転体71aにX1方向の偏心が生じた場合に、回転体保持部61と回転体71aの凸部71a1との位置関係をZ1からZ2に見た方向から説明するための図である。
また、図10に示すように、ステアリングシャフト55および回転体71aがY1方向に偏心した場合には、回転体保持部61への凸部71a1のY1方向の挿入量が増加する。
また、ロータ41の部材を強度という観点から選択し、回転体保持部61の金属部材611を耐久性、弾性変形性及び高温保存性(高温保存で塑性変形し難い特性)などのロータ41の部材とは異なる観点から選択できる。これにより、十分な強度、耐久性、優れた高温保存特性を持つ回転コネクタ1を得ることができる。
すなわち、当業者は、本発明の技術的範囲またはその均等の範囲内において、上述した実施形態の構成要素に関し、様々な変更、コンビネーション、サブコンビネーション、並びに代替を行ってもよい。
上述した実施形態では、ステアリングシャフト55と一体となって回転するハンドル71の回転体71aに凸部71a1を設けて保持する場合を例示したが、ステアリングシャフト55に係合部を設けて、当該係合部を回転体保持部61で保持するように構成してもよい。
31…ステータ
33…カバー
35…外筒体
41…ロータ
43…内筒体
43a…円筒部
43b…挿通孔
45c…回転側コネクタ
45d…案内部
51…フレキシブルフラットケーブル
55…ステアリングシャフト
61…回転体保持部
611…金属部材
621…第1の金属板
622…第2の金属板
623…第3の金属板
632,633…板バネ
672,673…樹脂部材
71…ハンドル
71a…回転体
71a1…凸部
Claims (9)
- ステータと、
前記ステータに対して相対的に回転可能に配置されたロータと、
前記ステータと前記ロータとの間の環状空間内に収納され、その両端が前記ステータと前記ロータにそれぞれ固定されたフラットケーブルと、
前記ロータに設けられ、回転体を保持した状態で弾性変形する金属部材を備えた回転体保持部とを有し、
前記回転体保持部は、前記金属部材に固定され、前記回転体と当接する樹脂部材を有する
回転コネクタ。 - 前記回転体保持部の前記金属部材は、一端が前記ロータに固定され、前記回転体の挿入向きと逆向きに凸となるように湾曲した板バネであり、
前記金属部材の他端に前記樹脂部材が固定されている
請求項1に記載の回転コネクタ。 - 前記回転体保持部は、前記回転体の一部を両側から挟み込んで保持する2つの前記金属部材と2つの前記樹脂部材とを有する請求項1または請求項2に記載の回転コネクタ。
- 前記ロータは樹脂で形成されており、
前記樹脂部材は、ロータを構成する樹脂より摺動性が高い
請求項1〜3のいずれかに記載の回転コネクタ。 - 前記ロータは、前記回転体を前記回転体保持部による保持位置に挿入する際に、前記回転体を前記保持位置に案内する案内部を有する
請求項1〜4のいずれかに記載の回転コネクタ。 - ステータと、
前記ステータに対して相対的に回転可能に配置されたロータと、
前記ステータと前記ロータとの間の環状空間内に収納され、その両端が前記ステータと前記ロータにそれぞれ固定されたフラットケーブルと、
前記ロータに設けられ、回転体を保持した状態で弾性変形する金属部材を備えた回転体保持部とを有し、
前記ロータは、前記回転体を前記回転体保持部による保持位置に挿入する際に、前記回転体を前記保持位置に案内する案内部を有する
回転コネクタ。 - 前記回転体保持部は、リブにより前記ロータに固定されている
を有する請求項1〜6のいずれかに記載の回転コネクタ。 - 前記ステータは、外筒体を有し、
前記ロータは、前記外筒体に対向する内筒体を有して前記ステータと軸線が同一となるように配置されており、
前記フラットケーブルは、前記外筒体と前記内筒体との間の前記環状空間内に収納されている
請請求項1〜7のいずれかに記載の回転コネクタ。 - 前記回転体は、ステアリングシャフト、あるいは前記ステアリングシャフトと一体となって回転するハンドルの一部である
請求項1〜8のいずれかに記載の回転コネクタ。
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