JP6627711B2 - 燃料電池 - Google Patents

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Description

本発明は、複数のセルが積層されてなる燃料電池に関するものである。
固体高分子型の燃料電池の発電セルは、イオン交換膜からなる電解質膜を一対の電極で挟む構造の膜電極接合体(いわゆるMEA)と、膜電極接合体を挟む一対のセパレータとを備えている。そして、一方のセパレータと膜電極接合体との間のガス流路に燃料ガス(例えば水素ガス)が供給され、他方のセパレータと膜電極接合体との間のガス流路に酸化ガス(例えば空気)が供給される。
通常、燃料電池は複数の発電セルが積層された構造になっている。そして、燃料電池の内部には、各発電セルのガス流路に発電用ガスを分配して導入する導入路や、各ガス流路を通過した後の発電用ガスを合流させて排出する排出路が設けられている。
特許文献1では、そうした燃料電池が、複数の発電セルの積層方向の端部に設けられたエンドセルを有している。エンドセルは例えば、プレートと同プレートを挟む一対のセパレータとからなる。そして、プレートと各セパレータの間には、上記導入路と排出路とを連通して発電用ガスの流れをバイパスするバイパス流路が区画形成されている。
このエンドセルは、発電しない構造であり、複数の発電セルの積層方向の端部において断熱効果を発揮する。こうしたエンドセルにより、積層方向の端部に配置された発電セルの温度が低くなることが抑えられて、同発電セルの内部での結露等による水の発生が抑えられるようになる。
特開2009−164051号公報
ここで、結露などによる水の発生は、発電セルの内部に限らず、燃料電池の外部から内部に発電用ガスを供給するガス供給路内でも起こりうる。そして、そうしたガス供給路内の水がガス流れによって押し流される等して発電セルに侵入して滞留すると、膜電極接合体へのガス供給量の低下を招いて、発電効率の低下を招くおそれがある。
本発明は、そうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、発電セルへの水の流入を抑えることのできる燃料電池を提供することにある。
上記課題を解決するための燃料電池は、膜電極接合体と同膜電極接合体を挟む一対のセパレータとを備えた発電セルが積層されてなるとともに、発電しない構造のエンドセルが前記発電セルの積層方向における両端のうちの少なくとも一方に設けられた燃料電池であって、前記発電セルの内部に形成されて発電用ガスが通過するガス流路と、前記積層された前記発電セルの前記ガス流路に発電用ガスを分配して導入する導入路と、前記ガス流路を通過した後の発電用ガスを合流させて排出する排出路と、前記エンドセルの内部に形成されて前記導入路と前記排出路とを連通するバイパス流路と、を有する燃料電池において、前記エンドセルは、前記バイパス流路が前記導入路に各別に連通される複数の並列路からなるとともに、同複数の並列路のうちの下方側の並列路の圧力損失が上方側の並列路の圧力損失よりも小さくなっている。
上記構成によれば、外部で発生して燃料電池の内部(導入路)に侵入した水を、導入路からエンドセル(バイパス流路)に流入する発電用ガスの流れによって同エンドセル内に吸引することができる。これにより、発電セルへの水の流入を抑えることができる。
ここで、バイパス流路に水が流入した場合に、同バイパス流路内において水が滞留すると、その分だけバイパス流路の流路断面積が小さくなってしまい、バイパス流路に流入する発電用ガスの流れが滞るようになって、導入路からバイパス流路への水の吸引を適正に行うことができなくなるおそれがある。
上記構成では、複数の並列路のうちの、水が流入し易い下方側の並列路の圧力損失が、水が流入しにくい上方側の並列路の圧力損失よりも小さくなっている。そのため、上方側の並列路に流入する発電用ガスの量を少量に抑える一方で、下方側の並列路に流入する発電用ガスの量を多くすることができる。これにより、下方側の並列路内に水が吸引されて流入した場合に、その流入した水が並列路内に流入する比較的多量のガス流れによって押し流され易くなるため、並列路内での水の滞留を抑えることができ、バイパス流路に水を吸引する機能を維持することができる。
上記燃料電池において、前記下方側の並列路における前記導入路側の端部の上端が、前記導入路に流入する水の最大水位よりも上方になっていることが好ましい。
上記構成によれば、導入路に流入した水がエンドセルの配設部分(バイパス流路と導入路との連通部分)に到達した場合に、その水が、バイパス流路を構成する複数の並列路のうちの上方側の並列路の端部ではなく、下方側の並列路の端部に位置するようになる。そのため、導入路から下方側の並列路に流入するガス流れを利用して、導入路内の水をバイパス流路に好適に吸入することができる。
上記燃料電池において、前記積層方向における一方の端部に配置される前記エンドセルは、前記導入路の外部から内部に発電用ガスを流入させるガス供給路が接続されており、前記下方側の並列路と前記上方側の並列路とを有している。
上記構成によれば、ガス供給路から導入路に水が流入した場合に、その水を、発電セルに到達する前にエンドセルのバイパス流路の内部に吸引することができる。これにより、発電セルに到達する水の量を抑えることができるため、同発電セルへの水の流入を的確に抑えることができる。
上記燃料電池において、前記並列路は、前記導入路に連通される導入流路と前記導入流路から分岐して延びる分岐路とを有しており、前記エンドセルは、1本の前記導入流路が発電用ガスの分配対象とする前記分岐路の本数が、前記上方側の並列路よりも前記下方側の並列路において多くなっている。
上記構成によれば、上方側の並列路における分岐路の流路断面積の積算値と比較して、下方側の並列路における分岐路の流路断面積の積算値を大きくすることができる。これにより、上方側の並列路の圧力損失と比較して、下方側の並列路の圧力損失を小さくすることができる。
上記燃料電池において、前記ガス流路は、前記導入路に各別に連通される複数の並列路からなるとともに、同複数の並列路のうちの下方側の並列路の圧力損失と上方側の並列路の圧力損失とが等しくなっている。
上記構成によれば、発電セルのガス流路には、発電用ガスが、流入量の偏りが抑えられた状態で満遍なく流入するようになる。その一方で、上述したようにエンドセルのバイパス流路には、上方側の並列路への流入量を少量に抑えることによって下方側の並列路への流入量が多くなる態様で、発電用ガスが流入するようになる。こうしたことから、燃料電池内部において導入路から発電用ガスが流入する部分(具体的には、発電セルのガス流路、エンドセルの下方側の並列路、および上方側の並列路)の中でも、エンドセルの下方側の並列路に流入する発電用ガスの量を最も多くすることができる。これにより、導入路内の水がエンドセルに吸引され易くなるため、発電セルへの水の流入を好適に抑えることができる。
本発明の燃料電池によれば、発電セルへの水の流入を抑えることができる。
一実施形態の燃料電池の分解構造を概略的に示す略図。 発電セルの第1セパレータの平面図。 発電セルのフレームプレートの平面図。 発電セルの第2セパレータの平面図。 エンドセルの第3セパレータの平面図。 エンドセルのフレームプレートの平面図。 第3セパレータの一部を拡大して示す平面図。 エンドセル内での水素ガスの流通態様とともに示す第3セパレータの平面図。 発電セル内での水素ガスの流通態様とともに示す第1セパレータの平面図。
以下、燃料電池の一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
先ず、燃料電池の概略構成について説明する。
図1に示すように、燃料電池は、積層された複数(本実施形態では、330個)の発電セル10と、それら発電セル10をその積層方向D(図1の左右方向)において挟む位置に設けられた一対のエンドセル11とを備えている。なお本実施形態の燃料電池は、電気自動車に電力源として搭載されている。
燃料電池の内部には、各発電セル10や各エンドセル11に対して、水素ガスを分配して導入する水素ガス導入路12と、空気を分配して導入する空気導入路13とが設けられている。また、燃料電池の内部には、各発電セル10や各エンドセル11を通過した後の水素ガスを合流させて排出する水素ガス排出路14と、発電セル10やエンドセル11を通過した後の空気を合流させて排出する空気排出路15とが設けられている。さらに、燃料電池の内部には、隣り合う発電セル10の間や発電セル10とエンドセル11との間に冷却水を導入する冷却水導入路(図示略)と、冷却水を合流させて排出する冷却水排出路(図示略)とが設けられている。
一対のエンドセル11の一方(図1の左側)には、積層方向Dにおける外方側の端面を覆うように、スタックマニホールド16が取り付けられている。このスタックマニホールド16には、水素ガスを給排する水素ガス配管17と、酸素ガス(具体的には空気)を給排する空気配管18と、冷却水を給排する冷却水配管19とが接続されている。燃料電池では、上記スタックマニホールド16を介して、水素ガス導入路12への水素ガスの供給や、空気導入路13への空気の供給、水素ガス排出路14からの水素ガスの排出、空気排出路15からの空気の排出、冷却水導入路への冷却水の供給、冷却水排出路からの冷却水の排出が行われる。なお、水素ガス配管17には、上記スタックマニホールド16よりも上流側に、水素ガスを加湿する加湿器20が設けられている。本実施形態では、スタックマニホールド16および水素ガス配管17が、水素ガス導入路12の外部から内部に水素ガスを流入させるガス供給路に相当する。
一対のエンドセル11の他方(図1の右側)には、積層方向Dにおける外方側の端面を覆うように、エンドプレート21が取り付けられている。このエンドプレート21により、エンドセル11の端面に配置された各流体流路(水素ガス導入路12、空気導入路13、水素ガス排出路14、空気排出路15、冷却水導入路、および冷却水排出路)の開口が塞がれている。
次に、発電セル10の構造について説明する。
発電セル10は膜電極接合体10Aを有している。この膜電極接合体10Aは、固体高分子膜である電解質膜と、同電解質膜を挟む一対の電極と、それら電解質膜および電極を挟むカーボンシートからなる一対のガス拡散層とを備えた5層構造になっている。各発電セル10は、第1セパレータ30と第2セパレータ50との間に平板形状のフレームプレート10Bが挟まれた構造になっている。フレームプレート10Bは、中央部分が上記膜電極接合体10Aをなすとともにそれ以外の部分が絶縁体によって構成されている。
図2に示すように、第1セパレータ30は、金属製の薄板状部材に対してプレス加工によって凹凸が付与されたものである。この凹凸は、発電セル10の内部に水素ガスを通過させる水素ガス流路10Cを区画したり、隣り合う発電セル10の間に冷却水を流通させる冷却水流路を区画したりする役割がある。なお図2は、フレームプレート10B(図1参照)に対向する面が手前になる状態の第1セパレータ30を示している。
第1セパレータ30は貫通孔31〜36を有している。貫通孔31は第1セパレータ30の長手方向(図1の左右方向)における一方の縁部の上方部分(図2の左上)に設けられて、前記水素ガス導入路12の一部を構成している。貫通孔32は第1セパレータ30の長手方向における他方の縁部の下方部分(図2の右下)に設けられて、前記水素ガス排出路14の一部を構成している。貫通孔33は第1セパレータ30の長手方向における一方の縁部の上方部分(図2の右上)に設けられて、前記空気導入路13の一部を構成している。貫通孔34は第1セパレータ30の長手方向における他方の縁部の下方部分(図2の左下)に設けられて、前記空気排出路15の一部を構成している。貫通孔35は第1セパレータ30の長手方向における一方(図2の左側)の縁部に設けられて、前記冷却水流路に冷却水を分配して導入する冷却水導入路22の一部を構成している。貫通孔36は第1セパレータ30の長手方向における他方(図2の右側)の縁部に設けられて、冷却水流路を通過した後の冷却水を合流させて排出する冷却水排出路23の一部を構成している。なお、各貫通孔31,32,33,34,35,36の内周縁は、フレームプレート10Bから離間する方向に向けて窪んだ凹部31A,32A,33A,34A,35A,36Aになっている。
第1セパレータ30の長手方向における中央部分には凹部37が形成されている。この凹部37の形成範囲は、膜電極接合体10Aに隣接する部分(図2中に破線で示す部分)を含んでいる。発電セル10の内部では、第1セパレータ30と上記フレームプレート10B(図1参照)とが密着している。これにより、第1セパレータ30とフレームプレート10Bとの間には、凹部37によって、水素ガスが通過する水素ガス流路10Cの一部になる空間が区画形成されている。
上記凹部37の底部には、複数の流路凸部38が形成されている。これら流路凸部38は細長い形状に形成されて並列に延びている。そして、これら流路凸部38によって、水素ガス流路10Cが、水素ガス導入路12(貫通孔31)と水素ガス排出路14(貫通孔32)との間を各別に連通する複数(本実施形態では10本)の並列路40に区画されている。詳しくは、それら並列路40は、水素ガス導入路12に各別に接続される複数(同10本)の導入流路41と、導入流路41を複数本(同8本)に分岐する分配流路42と、それら分配流路42に各別に接続されて平行に延びる複数(同80本)の主流路43とを有している。また、複数の並列路40は、主流路43を合流させて複数(同10本)の流路に収束させる収束流路44と、収束させた収束流路44を水素ガス排出路14に各別に接続する複数の排出流路45とを有している。本実施形態では、1本の並列路40に流入した水素ガスが8本の主流路43に分配されるように、分配流路42および収束流路44の形状が定められている。なお本実施形態では、分配流路42および主流路43が分岐路に相当する。
図3に示すように、フレームプレート10Bは、各流体流路(水素ガス導入路12、空気導入路13、水素ガス排出路14、空気排出路15、冷却水導入路22、および冷却水排出路23)の一部を構成する貫通孔を有している。発電セル10の内部では、それら貫通孔の周縁において、フレームプレート10Bと第1セパレータ30(図2参照)とが密着している。これにより、フレームプレート10Bと第1セパレータ30との対向面間において、水素ガス導入路12や、空気導入路13、水素ガス排出路14、空気排出路15、冷却水導入路22、冷却水排出路23がその外部に対してシールされている。
ただし、図2または図3に示すように、フレームプレート10Bには、貫通孔31(詳しくは、凹部31A)に隣接する位置から凹部37に隣接する位置まで延びる長孔10Eが複数(本実施形態では10本)形成されている。これら長孔10Eは、第1セパレータ30と第2セパレータ50との間において、水素ガス導入路12(詳しくは、貫通孔31)と凹部37の内部とを連通する隙間になる。本実施形態では、各長孔10Eが、水素ガス流路10Cの一部(具体的には、各導入流路41の上記水素ガス導入路12側の部分)を構成する。
また、フレームプレート10Bには、貫通孔32(詳しくは、凹部32A)に隣接する位置から凹部37に隣接する位置まで延びる長孔10Fが複数(同10本)形成されている。これら長孔10Fは、第1セパレータ30と第2セパレータ50との間において、水素ガス排出路14(詳しくは、貫通孔32)と凹部37の内部とを連通する隙間になる。本実施形態では、各長孔10Fが、水素ガス流路10Cの一部(具体的には、各排出流路45の上記水素ガス排出路14側の部分)を構成する。
図4に示すように、第2セパレータ50は、金属製の薄板状部材にプレス加工により凹凸が付与されたものである。この凹凸は、発電セル10の内部に空気を通過させるガス流路(空気流路10D)を区画したり、前記冷却水流路を区画したりする役割がある。上記第2セパレータ50の形状は、基本的には、第1セパレータ30(図2参照)の形状の鏡像になっている。なお図4はフレームプレート10B(図1参照)に対向する面が手前になる状態の第2セパレータ50を示している。
第2セパレータ50は貫通孔51〜56を有している。貫通孔51は第2セパレータ50の長手方向における一方の縁部の上方部分(図4の右上)に設けられて、前記水素ガス導入路12の一部を構成している。貫通孔52は第2セパレータ50の長手方向における他方の縁部の下方部分(図4の左下)に設けられて、前記水素ガス排出路14の一部を構成している。貫通孔53は第2セパレータ50の長手方向における一方の縁部の上方部分(図2の左上)に設けられて、前記空気導入路13の一部を構成している。貫通孔54は第2セパレータ50の長手方向における他方の縁部の下方部分(図4の右下)に設けられて、前記空気排出路15の一部を構成している。貫通孔55は第2セパレータ50の長手方向における一方(図4の右側)の縁部に設けられて、前記冷却水導入路22の一部を構成している。貫通孔56は第2セパレータ50の長手方向における他方(図4の左側)の縁部に設けられて、前記冷却水排出路23の一部を構成している。なお、各貫通孔51,52,53,54,55,56の内周縁は、フレームプレート10Bから離間する方向に向けて窪んだ凹部51A,52A,53A,54A,55A,56Aになっている。
第2セパレータ50の長手方向における中央部分には凹部57が形成されている。この凹部57の形成範囲は、膜電極接合体10Aに隣接する部分(図4中に破線で示す部分)を含んでいる。発電セル10の内部では、第2セパレータ50と上記フレームプレート10B(図1参照)とが密着している。これにより、第2セパレータ50とフレームプレート10Bとの間には、凹部57によって、空気が通過する空気流路10Dの一部になる空間が区画形成されている。
上記凹部57の底部には、複数の流路凸部58が形成されている。これら流路凸部58は細長い形状に形成されて並列に延びている。そして、これら流路凸部58によって、空気流路10Dが、空気導入路13(貫通孔53)と空気排出路15(貫通孔54)との間を各別に連通する複数(本実施形態では10本)の並列路60に区画されている。詳しくは、それら並列路60は、空気導入路13に各別に接続される複数(同10本)の導入流路61と、導入流路61を複数本(同8本)に分岐する分配流路62と、それら分配流路62に各別に接続されて並列に延びる複数(同80本)の主流路63とを有している。また、複数の並列路60は、主流路63を合流させて複数(同10本)の流路に収束させる収束流路64と、収束させた収束流路64を空気排出路15に各別に接続する複数の排出流路65とを有している。そして、本実施形態では、1本の並列路60に流入した空気が8本の主流路63に分配されるように、分配流路62および収束流路64の形状が定められている。これにより、各並列路60の圧力損失がほぼ同一になっている。なお、第1セパレータ30の主流路43(図2参照)は直線状の流路が等間隔で平行に延びているのに対して、第2セパレータ50の主流路63は波状の流路が等間隔で並列に延びている。
発電セル10の内部では、フレームプレート10B(図3)の各貫通孔の周縁において、同フレームプレート10Bと第2セパレータ50(図4参照)とが密着している。これにより、フレームプレート10Bと第2セパレータ50との対向面間において、水素ガス導入路12や、空気導入路13、水素ガス排出路14、空気排出路15、冷却水導入路22、冷却水排出路23がその外部に対してシールされている。
ただし、図3または図4に示すように、フレームプレート10Bには、貫通孔53(詳しくは、凹部53A)に隣接する位置から凹部57に隣接する位置まで延びる長孔10Gが複数(本実施形態では10本)形成されている。これら長孔10Gは、第1セパレータ30と第2セパレータ50との間において、空気導入路13(詳しくは、貫通孔53)と凹部57の内部とを連通する隙間になる。本実施形態では、各長孔10Gが、空気流路10Dの一部(具体的には、各導入流路61の上記空気導入路13側の部分)を構成する。
また、フレームプレート10Bには、貫通孔54(詳しくは、凹部54A)に隣接する位置から凹部57に隣接する位置まで延びる長孔10Hが複数(同10本)形成されている。これら長孔10Hは、第1セパレータ30と第2セパレータ50との間において、空気排出路15(詳しくは、貫通孔54)と凹部57の内部とを連通する隙間になる。本実施形態では、各長孔10Hが、空気流路10Dの一部(具体的には、各排出流路65の上記空気排出路15側の部分)を構成する。
燃料電池の内部において隣り合う一対の発電セル10(図1)の間には、前記冷却水流路が、一方の発電セル10の第1セパレータ30外面と他方の発電セル10の第2セパレータ50外面とによって区画形成されている。また、一方(図1の左側)のエンドセル11と発電セル10との間には、エンドセル11の第4セパレータ90外面と発電セル10の第1セパレータ30外面とによって、冷却水流路が区画形成されている。さらに、他方(図1の右側)のエンドセル11と発電セル10との間には、エンドセル11の第3セパレータ70外面と発電セル10の第2セパレータ50外面とによって、冷却水流路が区画形成されている。そして、これら冷却水流路には、冷却水導入路22と冷却水排出路23とが連通されている。
次に、エンドセル11の構造について説明する。
図1に示すように、エンドセル11は、第3セパレータ70と第4セパレータ90との間にフレームプレート11Aが挟まれた構造になっている。第4セパレータ90は、第2セパレータ50(図4参照)と同一の構造である。
図5に示すように、第3セパレータ70の基本構造は、第1セパレータ30(図2参照)と同様である。ただし、第1セパレータ30と第3セパレータ70とは、水素ガス流路の一部を構成する分配流路および収束流路の形状が大きく異なる。以下、この相違点を中心に第3セパレータ70の構造を説明する。なお、分配流路および収束流路以外の構成は第1セパレータ30と第3セパレータ70とで同一であるため、同一の符号を付して示し、以下での詳細な説明は割愛する。なお図5はフレームプレート11A(図1参照)に対向する面が手前になる状態の第3セパレータ70を示している。
第3セパレータ70の凹部37の底部には、複数の流路凸部88が形成されている。これら流路凸部88によって、貫通孔31(水素ガス導入路12)と貫通孔32(水素ガス排出路14)とを連通して水素ガスを通過させる水素ガス流路(以下、バイパス流路11B)が複数(本実施形態では10本)の並列路80に区画されている。そして、それら並列路80のうちの上方側に配置される複数(同5本)の並列路80は、流入した水素ガスが4本の主流路43に分配されるように、分配流路82および収束流路84の形状が定められている。一方、全ての並列路80のうちの下方側に配置される複数(同5本)の並列路80は、流入した水素ガスが12本の主流路43に分配されるように、分配流路82および収束流路84の形状が定められている。
図6に示すように、フレームプレート11Aの基本構造は、フレームプレート10B(図3参照)と同様である。フレームプレート11Aは、膜電極接合体10Aの代わりにプレート11Dを有している点がフレームプレート10Bと異なる。具体的には、フレームプレート11Aは、中央部分が上記プレート11Dをなすとともにそれ以外の部分が絶縁体によって構成されている。プレート11Dは、非通気性の電気伝導体(本実施形態では、金属板)からなるプレート本体と同プレート本体を挟む一対のカーボンシートとを備えた3層構造である。このプレート11Dは、第3セパレータ70と第4セパレータ90とに接触しており、それら第3セパレータ70および第4セパレータ90を導通している。なお、各エンドセル11は膜電極接合体10A(図1参照)を備えていないため、水素ガスおよび空気が通過するとはいえ、発電しない構造になっている。
以下、フレームプレート11Aの具体構造について詳しく説明する。なお、図6において、フレームプレート10Bと同一形状の構成は同一の符号を付して示し、以下での詳細な説明は割愛する。
フレームプレート11Aは、各流体流路(水素ガス導入路12、空気導入路13、水素ガス排出路14、空気排出路15、冷却水導入路22、および冷却水排出路23)の一部を構成する貫通孔を有している。エンドセル11の内部では、それら貫通孔の周縁において、フレームプレート11Aと第3セパレータ70(図5参照)とが密着するとともに、フレームプレート11Aと第2セパレータ50(図4参照)とが密着している。これにより、水素ガス導入路12や、空気導入路13、水素ガス排出路14、空気排出路15、冷却水導入路22、冷却水排出路23がその外部に対してシールされている。
ただし、図5または図6に示すように、フレームプレート11Aには、貫通孔31(詳しくは、凹部31A)に隣接する位置から凹部37に隣接する位置まで延びる長孔10Eが複数形成されている。これら長孔10Eは、第3セパレータ70と第4セパレータ90との間において、水素ガス導入路12(詳しくは、貫通孔31)と凹部37の内部とを連通する隙間になる。本実施形態では、各長孔10Eが、バイパス流路11Bにおける各導入流路41の上記水素ガス導入路12側の部分を構成する。
また、フレームプレート11Aには、貫通孔32(詳しくは、凹部32A)に隣接する位置から凹部37に隣接する位置まで延びる長孔10Fが複数形成されている。これら長孔10Fは、第3セパレータ70と第4セパレータ90との間において、水素ガス排出路14(詳しくは、貫通孔32)と凹部37の内部とを連通する隙間になる。本実施形態では、各長孔10Fが、バイパス流路11Bにおける各排出流路45の上記水素ガス排出路14側の部分を構成する。
フレームプレート11Aには、貫通孔53(詳しくは、凹部53A)に隣接する位置から凹部57に隣接する位置まで延びる長孔10Gが複数形成されている。これら長孔10Gは、第3セパレータ70と第4セパレータ90との間において、空気導入路13(詳しくは、貫通孔53)と凹部57の内部とを連通する隙間になる。本実施形態では、各長孔10Gが、空気導入路13と空気排出路15とを連通するバイパス流路11C(図1参照)の一部(具体的には、各導入流路61の上記空気導入路13側の部分)を構成する。
また、フレームプレート11Aには、貫通孔54(詳しくは、凹部54A)に隣接する位置から凹部57に隣接する位置まで延びる長孔10Hが複数形成されている。これら長孔10Hは、第3セパレータ70と第4セパレータ90との間において、空気排出路15(詳しくは、貫通孔54)と凹部57の内部とを連通する隙間になる。本実施形態では、各長孔10Hが、バイパス流路11Cにおける各排出流路65の上記空気排出路15側の部分を構成する。
図7に示す線Wは、静止状態の燃料電池において、想定範囲における最大の流量で水素ガス導入路12に水が流入した場合における水位(以下、最大水位)を示している。なお、この最大水位Wは、発明者等による各種の実験やシミュレーションの結果から求められた水位を示している。図7に示すように、第3セパレータ70では、下方側の並列路80の中で最も上方側に配置される並列路80の上記水素ガス導入路12側の端部上端(図中に矢印Eで示す部分)が最大水位Wよりも上方になるように、各並列路80の形状が定められている。なお図7中の一点鎖線は、下方側の並列路80と上方側の並列路80との境界を示している。
以下、第3セパレータ70を有するエンドセル11を採用することによる作用効果について説明する。
エンドセル11の内部には、水素ガス導入路12と水素ガス排出路14とを連通するバイパス流路11Bが形成されている。そのため、水素ガス配管17や加湿器20で発生して燃料電池の内部(水素ガス導入路12)に侵入した水を、水素ガス導入路12からエンドセル11(詳しくは、バイパス流路11B)に流入する水素ガスの流れによって同エンドセル11の内部に吸引することができる。これにより、発電セル10への水の流入を抑えることができるようになる。
ここで、エンドセル11のバイパス流路11Bに水が流入した場合に、同バイパス流路11B内において水が滞留すると、その分だけバイパス流路11B(詳しくは、水が流入した並列路80)の流路断面積が小さくなってしまい、バイパス流路11Bに流入する水素ガスの流れが滞るようになるおそれがある。そして、この場合には水素ガス導入路12からバイパス流路11Bへの水の吸引を適正に行うことができなくなる。
図5に示すように、エンドセル11のバイパス流路11Bでは、1本の並列路80が水素ガスの分配対象とする主流路43の本数(詳しくは、1本の並列路40に接続される主流路43の本数)が、上方側の並列路80よりも下方側の並列路80において多くなっている。これにより、上方側の並列路80における主流路43の流路断面積の積算値(4本分)と比較して、下方側の並列路80における主流路43の流路断面積の積算値(12本分)が大きくなっている。そのため、バイパス流路11Bを構成する複数の並列路80のうちの、水が流入し難い上方側の並列路80の圧力損失と比較して、水が流入し易い下方側の並列路80の圧力損失を小さくすることができる。
したがって、図8に模式的に示すように、上方側の並列路80に流入する水素ガスの量を少量に抑える一方で、下方側の並列路80に流入する水素ガスの量を多くすることができる。これにより、下方側の並列路80内に水が吸引されて流入した場合に、その流入した水が並列路80内に流入する比較的多量のガス流れによって押し流され易くなるため、並列路80内での水の滞留を抑えることができ、バイパス流路11Bに水を吸引する機能を維持することができる。なお図8中の一点鎖線は、下方側の並列路80と上方側の並列路80との境界を示している。
また図4に示すように、発電セル10の水素ガス流路10Cでは、1本の並列路40が水素ガスの分配対象とする主流路43の本数が各並列路40において同一(8本)になっている。そのため、各並列路40における主流路43の流路断面積の積算値(8本分)も同一になっており、それら並列路40の圧力損失がほぼ等しくなっている。
したがって、図9に模式的に示すように、発電セル10の水素ガス流路10C(各並列路40)には、水素ガスが、流入量の偏りが抑えられた状態で満遍なく流入するようになる。その一方で、上述したようにエンドセル11のバイパス流路11B(図8)には、上方側の並列路80への流入量を少量に抑えることによって下方側の並列路80への流入量が多くなる態様で、水素ガスが流入するようになる。こうしたことから、燃料電池の内部において水素ガス導入路12から水素ガスが流入する部分(具体的には、発電セル10の各並列路40、エンドセル11の下方側の並列路80、および上方側の並列路80)の中でも、エンドセル11の下方側の並列路80に流入する水素ガスの量を最も多くすることができる。これにより、水素ガス導入路12内の水がエンドセル11に吸引され易くなるため、発電セル10への水の流入を好適に抑えることができる。
図7に示すように、エンドセル11の下方側の5本の並列路80における水素ガス導入路12側(図7の左側)の端部の上端E(詳しくは、並列路80と貫通孔31との連通部分の上端)が前記最大水位Wよりも上方になっている。そのため、水素ガス導入路12に流入した水がエンドセル11の配設部分(詳しくは、水素ガス導入路12とバイパス流路11Bとの連通部分)に到達した場合に、その水が、上方側の並列路80の端部ではなく、水素ガスの流入量が多いために流入速度が速い下方側の並列路80の端部に位置するようになる。したがって、水素ガス導入路12から下方側の並列路80に流入する水素ガスの流れを利用して、水素ガス導入路12内の水をバイパス流路11Bに好適に吸入することができる。
本実施形態の燃料電池では、積層方向Dにおける一方(図1の左側)の端部に配置されたエンドセル11に、スタックマニホールド16を介して水素ガス配管17が接続されている。これにより、水素ガス配管17やスタックマニホールド16から水素ガス導入路12に水が流入した場合に、その水が発電セル10に到達する前にエンドセル11によって吸引されるようになるため、発電セル10に到達する水の量を抑えることができる。また、電気自動車の走行時における揺れや旋回などによって、水素ガス導入路12に流入した水が発電セル10の配設部分を通過して前記スタックマニホールド16から遠い側(図1の右側)のエンドセル11の配設位置まで到達する場合がある。こうした場合に、エンドセル11の配設位置に到達した水を同エンドセル11のバイパス流路11Bの内部に吸引させることができる。本実施形態の燃料電池によれば、このようにして発電セル10への水の流入を的確に抑えることができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、以下に記載する効果が得られる。
(1)水素ガス配管17や加湿器20で発生して水素ガス導入路12に侵入した水を、水素ガス導入路12からエンドセル11のバイパス流路11Bに流入する水素ガスの流れによって同バイパス流路11Bの内部に吸引することができる。そのため、発電セル10への水の流入を抑えることができる。また、バイパス流路11Bを構成する複数の並列路80のうちの、水が流入し難い上方側の並列路80の圧力損失と比較して、水が流入し易い下方側の並列路80の圧力損失を小さくした。そのため、下方側の並列路80内に水が吸引されて流入した場合に、その流入した水が並列路80内に流入する比較的多量のガス流れによって押し流され易くなるため、並列路80内での水の滞留を抑えることができ、バイパス流路11Bに水を吸引する機能を維持することができる。
(2)下方側の並列路80の中で最も上方側に配置される並列路80における水素ガス導入路12側の端部の上端を、前記最大水位Wよりも上方にした。そのため、水素ガス導入路12から下方側の並列路80に流入する水素ガスの流れを利用して、水素ガス導入路12内の水をバイパス流路11Bに好適に吸入することができる。
(3)積層方向Dにおける一方の端部に配置されるエンドセル11に水素ガス配管17が接続されている。これにより、水素ガス配管17から水素ガス導入路12に水が流入した場合に、その水が発電セル10に到達する前にエンドセル11のバイパス流路11Bの内部に吸引されるようになるため、発電セル10への水の流入を的確に抑えることができる。
(4)エンドセル11のバイパス流路11Bにおいて、1本の並列路80が水素ガスの分配対象とする主流路43の本数を、上方側の並列路80よりも下方側の並列路80において多くした。そのため、バイパス流路11Bを構成する複数の並列路80のうちの、水が流入し難い上方側の並列路80の圧力損失と比較して、水が流入し易い下方側の並列路80の圧力損失を小さくすることができる。
(5)発電セル10の水素ガス流路10Cにおいて、1本の並列路40が水素ガスの分配対象とする主流路43の本数を各並列路40において同一にした。これにより、燃料電池の内部において水素ガス導入路12から水素ガスが流入する部分の中でも、エンドセル11の下方側の並列路80に流入する水素ガスの量を最も多くすることができる。そのため、水素ガス導入路12内の水がエンドセル11に吸引され易くなり、発電セル10への水の流入を好適に抑えることができる。
<変形例>
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・第1セパレータ30や第3セパレータ70の主流路43を波状の流路が並列に延びる形状にしたり、第2セパレータ50や第4セパレータ90の主流路63を直線状の流路が平行に延びる形状にしたりしてもよい。
・バイパス流路11Bの一部を構成する複数の主流路43の通路幅や通路高さを互いに相異させる等して各主流路43の流路断面積を相異させることによって、複数の並列路80の圧力損失を互いに相異させるようにしてもよい。
・第3セパレータ70と第4セパレータ90との間に、プレート11Dが挟み込まれた構造のエンドセル11を採用にすることに限らず、多孔質材料からなるプレートやシート(例えばガス拡散層と同一構造のカーボンシート)が挟み込まれた構造のエンドセルを採用することもできる。この場合、1つのエンドセルに水素ガスと空気とを共に通過させるようにすると、エンドセルの内部において水素ガスの流れと空気の流れとが干渉して、エンドセル内部への水の吸引やエンドセル外部への水の排出をうまく行うことができなくなるおそれがある。そのため、こうした場合には、水素ガスのみが通過する構造のエンドセルと空気のみが通過する構造のエンドセルとからなる一対のエンドセルを、複数の発電セル10の積層方向Dの両端に設けることが好ましい。
・下方側の並列路80の上記水素ガス導入路12側の端部上端を前記最大水位Wよりも下方にしてもよい。
・エンドセルの第4セパレータとして、基本構造が第3セパレータ70の形状の鏡像となるものを採用することができる。例えばエンドセルの第4セパレータの複数の並列路のうちの、上方側の並列路の圧力損失と比較して、下方側の並列路の圧力損失を小さくするようにしてもよい。こうした構成によれば、空気配管から空気導入路に水が侵入するおそれのある燃料電池において、その侵入した水を空気導入路からバイパス流路に流入する空気の流れによって同バイパス流路の内部に吸引することができ、発電セルへの水の流入を抑えることができる。しかも、エンドセルの下方側の並列路内に水が吸引されて流入した場合に、その流入した水が同並列路内に流入する比較的多量のガス流れによって押し流され易くなるため、並列路内での水の滞留を抑えることができ、バイパス流路に水を吸引する機能を維持することができる。
・上記実施形態の燃料電池は、水素ガス配管17に加湿器20が設けられていない燃料電池にも適用することができる。
・複数の発電セル10の積層方向Dの両端に、エンドセル11を1つずつ設けることに限らず、複数のエンドセルを設けるようにしてもよい。
・発電セル10の積層方向Dにおける両端のうちの一方のみにエンドセルが設けられる燃料電池にも、上記実施形態の燃料電池は適用することができる。
・上記実施形態の燃料電池は、電気自動車に搭載される燃料電池に限らず、住宅用の燃料電池など、地面に対して移動不能に固定される燃料電池にも適用可能である。
10…発電セル、10A…膜電極接合体、10B,11A…フレームプレート、10C…水素ガス流路、10D…空気流路、10E〜10H…長孔、11…エンドセル、11D…プレート、11B,11C…バイパス流路、12…水素ガス導入路、13…空気導入路、14…水素ガス排出路、15…空気排出路、16…スタックマニホールド、17…水素ガス配管、18…空気配管、19…冷却水配管、20…加湿器、21…エンドプレート、22…冷却水導入路、23…冷却水排出路、30…第1セパレータ、31〜36,51〜56…貫通孔、31A〜36A,51A〜56A…凹部、37,57…凹部、38,58,88…流路凸部、40,60,80…並列路、41,61…導入流路、42,62,82…分配流路、43,63…主流路、44,64,84…収束流路、45,65…排出流路、50…第2セパレータ、70…第3セパレータ、90…第4セパレータ。

Claims (5)

  1. 膜電極接合体と同膜電極接合体を挟む一対のセパレータとを備えた発電セルが積層されてなるとともに、発電しない構造のエンドセルが前記発電セルの積層方向における両端のうちの少なくとも一方に設けられた燃料電池であって、前記発電セルの内部に形成されて発電用ガスが通過するガス流路と、前記積層された前記発電セルの前記ガス流路に発電用ガスを分配して導入する導入路と、前記ガス流路を通過した後の発電用ガスを合流させて排出する排出路と、前記エンドセルの内部に形成されて前記導入路と前記排出路とを連通するバイパス流路と、を有する燃料電池において、
    前記エンドセルは、前記バイパス流路が前記導入路に各別に連通される複数の並列路からなるとともに、同複数の並列路のうちの下方側の並列路の圧力損失が上方側の並列路の圧力損失よりも小さくなっている
    ことを特徴とする燃料電池。
  2. 請求項1に記載の燃料電池において、
    前記下方側の並列路における前記導入路側の端部の上端が、前記導入路に流入する水の最大水位よりも上方になっている
    ことを特徴とする燃料電池。
  3. 請求項1または2に記載の燃料電池において、
    前記積層方向における一方の端部に配置される前記エンドセルは、前記導入路の外部から内部に発電用ガスを流入させるガス供給路が接続されており、前記下方側の並列路と前記上方側の並列路とを有している
    ことを特徴とする燃料電池。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の燃料電池において、
    前記並列路は、前記導入路に連通される導入流路と前記導入流路から分岐して延びる分岐路とを有しており、
    前記エンドセルは、1本の前記導入流路が発電用ガスの分配対象とする前記分岐路の本数が、前記上方側の並列路よりも前記下方側の並列路において多くなっている
    ことを特徴とする燃料電池。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の燃料電池において、
    前記ガス流路は、前記導入路に各別に連通される複数の並列路からなるとともに、同複数の並列路のうちの下方側の並列路の圧力損失と上方側の並列路の圧力損失とが等しくなっている
    ことを特徴とする燃料電池。
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