JP6627578B2 - 建具用ランナー - Google Patents

建具用ランナー Download PDF

Info

Publication number
JP6627578B2
JP6627578B2 JP2016041786A JP2016041786A JP6627578B2 JP 6627578 B2 JP6627578 B2 JP 6627578B2 JP 2016041786 A JP2016041786 A JP 2016041786A JP 2016041786 A JP2016041786 A JP 2016041786A JP 6627578 B2 JP6627578 B2 JP 6627578B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wheel
runner
bearing
wheels
bearing bush
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016041786A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017155535A (ja
Inventor
崇宏 辻
崇宏 辻
暁 大谷
暁 大谷
伸一 細井
伸一 細井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nakanishi Metal Works Co Ltd
Original Assignee
Nakanishi Metal Works Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nakanishi Metal Works Co Ltd filed Critical Nakanishi Metal Works Co Ltd
Priority to JP2016041786A priority Critical patent/JP6627578B2/ja
Publication of JP2017155535A publication Critical patent/JP2017155535A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6627578B2 publication Critical patent/JP6627578B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Support Devices For Sliding Doors (AREA)

Description

本発明は、建具のレールに沿って走行する、複数の車輪を備えた建具用ランナーに関する。
複数の車輪を備えた建具用ランナーとして、引違い、片引き又は両引き(引分け)の引き形式のサッシ窓又は引戸に使用する戸車(例えば、特許文献1及び2参照)、及び、引戸、折戸又は可動間仕切等に使用する吊車(例えば、特許文献3及び4参照)がある。
これらに用いる車輪の軸受には、摩擦抵抗が小さく、寸法や精度が標準化されているとともに寿命計算等が容易で設計しやすい転がり軸受(例えば、特許文献1の図1(C)参照)を使用することが多い。
また、回転が円滑に行われ、かつ構造簡単で組立の容易な戸車を提供するために、戸車に用いる車輪の軸受として、内周面に潤滑剤溜りとなる溝が形成された軸受ブッシュを用いるものがある(例えば、特許文献5参照)。
特開2005−325646号公報 特開2011−149254号公報 特開2008−169686号公報 特開2009−052196号公報 実開昭59−185384号公報
近年、引き形式のサッシ窓において、断熱性能の向上及び結露の防止を図るために、ガラス間に空気やガスを封入した複層ガラスや三層ガラス入りの重量の大きい障子が普及している。障子の重量が大きい場合、障子を開閉する際の操作性や障子を閉じる際の慣性力による惰走が問題になる。
ここで、障子を開閉する操作のしやすさや慣性力による惰走量は、建具のレールに沿って走行する建具用ランナーの摩擦抵抗によって変動する。よって、建具用ランナーの摩擦抵抗は、障子の重量が大きい場合に特に重要な、製品価値を決める要素である。
また、障子を開閉する操作のしやすさは、製品の使いやすさの観点から重要であるので、建具用ランナーの摩擦抵抗は、障子の重量の大小にかかわらず、製品価値を決める重要な要素であると言える。このような観点からも、建具用ランナーの車輪の軸受として、摩擦抵抗が小さい転がり軸受を用いることが多い。
しかしながら、従来の建具用ランナーでは、上記のように製品価値を決める重要な要素である摩擦抵抗を、建具の要求仕様に合わせて調整することが困難であった。
さらに、建具用ランナーの製造コストは、建具の製品価格に繋がるので、製品価値を決める重要な要素である。
しかしながら、従来の建具用ランナーでは、上記のように製品価値を決める重要な要素である製造コストを、建具の要求仕様に合わせて調整することが困難であった。
そこで本発明が前述の状況に鑑み、解決しようとする課題は、戸車や吊車である建具用ランナーにおいて、その摩擦抵抗や製造コストを建具の要求仕様に合わせて調整しやすくする点にある。
本発明に係る建具用ランナーは、前記課題解決のために、建具のレールに沿って走行する、複数の車輪を備えた建具用ランナーであって、前記車輪の全数の中の一部の車輪の軸受を転がり軸受とし、残りの車輪の軸受を軸受ブッシュとしたことを特徴とする(請求項1)。
このような構成によれば、建具用ランナーの複数の車輪の一部の軸受が摩擦抵抗の小さい転がり軸受であり、残りの車輪の軸受が摩擦抵抗の大きい軸受ブッシュであるので、複数の車輪の軸受の全数が転がり軸受である場合(以下において「全数転がり軸受タイプ」という。)よりも建具用ランナーの摩擦抵抗が大きくなり、複数の車輪の軸受の全数が軸受ブッシュである場合(以下において「全数軸受ブッシュタイプ」という。)よりも建具用ランナーの摩擦抵抗が小さくなる。
よって、障子の重量が大きい場合であっても、操作性をあまり低下させることなく、慣性力による障子の惰走量を小さくできる。
その上、全数転がり軸受タイプ及び全数軸受ブッシュタイプの建具用ランナーでは摩擦抵抗を調整して障子の操作力を調整することが困難であるのに対し、建具用ランナーが3個以上の車輪を備えたものである場合には、転がり軸受を備えた車輪の数と軸受ブッシュを備えた車輪の数の構成比を変えることにより建具用ランナーの摩擦抵抗を調整できるので、障子の操作力を調整できる。
また、転がり軸受を備えた車輪よりも軸受ブッシュを備えた車輪の方が製造コストが小さいので、前記の特性を備えながら、全数転がり軸受タイプよりも製造コストを低減できる。
ここで、前記建具用ランナーが二連式戸車であり、前後の車輪を支持する支持部材に掛かる荷重の位置を、前後の車軸間の中央から前方又は後方へオフセットしてなるように構成してもよい(請求項2)。
このような構成によれば、摩擦抵抗が小さい転がり軸受と摩擦抵抗が大きい軸受ブッシュとが分担する荷重を変えることができるので、障子の操作力を調整できる。
また、前記建具用ランナーが二連式戸車であり、前後の車輪の径を異ならせてなるように構成してもよい(請求項3)。
このような構成によれば、大径の車輪は操作力が小さく、小径の車輪は操作力が大きいので、障子の操作力を調整できる。
さらに、前記建具用ランナーが、前後2本の車軸の左右両端に車輪を取り付けた4輪構成の吊車であり、
前側の車軸の左端部の車輪及び後側の車軸の右端部の車輪の軸受を転がり軸受とし、残りの車輪の軸受を軸受ブッシュとし、
又は、前側の車軸の右端部の車輪及び後側の車軸の左端部の車輪の軸受を転がり軸受とし、残りの車輪の軸受を軸受ブッシュとし、
前記転がり軸受を備えた車輪の径を、前記軸受ブッシュを備えた車輪の径よりも大きくしてなるのが好ましい(請求項4)。
このような構成によれば、大径の摩擦抵抗が小さい転がり軸受を備えた前後の車輪が主に障子の荷重を受け持ち、小径の摩擦抵抗が大きい軸受ブッシュを備えた前後の車輪が主に障子の揺れを防止するように作用する。
よって、転がり軸受を備えた車輪及び軸受ブッシュを備えた車輪の径が同じ4輪構成の吊車を用いた建具よりも障子の操作力を低減できる。
また、前側の車軸の左端部の車輪及び後側の車軸の右端部の車輪の軸受を転がり軸受とし、残りの車輪の軸受を軸受ブッシュとし、又は、前側の車軸の右端部の車輪及び後側の車軸の左端部の車輪の軸受を転がり軸受とし、残りの車輪の軸受を軸受ブッシュとしている。このように、左側前後の車輪及び右側前後の車輪が、両方とも、大径の摩擦抵抗が小さい転がり軸受を備えた車輪1個及び小径の摩擦抵抗が大きい軸受ブッシュを備えた車輪1個により構成される。
よって、左側前後の車輪の摩擦抵抗と右側前後の車輪の摩擦抵抗とが同等になるので、吊車の傾きを防止できるとともに、吊車の直進性を保持できる。
さらにまた、前記軸受ブッシュを備えた車輪が前記軸受ブッシュと別体であり、前記軸受ブッシュを備えた車輪の内周面に環状溝を形成し、合成樹脂製の前記軸受ブッシュの外周面に前記環状溝に係合する環状突起を形成するとともに、車軸が挿通される前記軸受ブッシュの内周面に潤滑剤溜りとなる溝を形成してなるのが一層好ましい(請求項5)。
このような構成によれば、車輪の内周面に軸受ブッシュの外周面を沿わせるように車輪に対して軸受ブッシュを嵌合すると、車輪の環状溝に軸受ブッシュの環状突起が係合するので、車輪への軸受ブッシュの組付けが容易であり、その組付けにより軸受ブッシュの脱落を防止できる。
その上、合成樹脂製のブッシュの構造が簡単であるとともに車輪への組付けが容易であるので、製造コストを低減できる。
また、前記軸受ブッシュを備えた車輪が前記軸受ブッシュと一体の合成樹脂製であり、車軸が挿通される内周面に潤滑剤溜りとなる溝を形成してなるのがより一層好ましい(請求項6)。
このような構成によれば、車輪が軸受ブッシュと一体の合成樹脂製であることから、射出成形等により量産が可能であるとともに車輪への軸受ブッシュの組付け作業が不要であるので、製造コストを大幅に低減できる。
以上の構成の発明に係る建具用ランナーによれば、複数の車輪を備えた建具用ランナーにおいて、前記車輪の全数の中の一部の車輪の軸受を転がり軸受とし、残りの車輪の軸受を軸受ブッシュとしており、摩擦抵抗が小さくて製造コストが大きい転がり軸受を用いた車輪と、摩擦抵抗が大きくて製造コストが小さい軸受ブッシュを用いた車輪とを併用するようにしたので、戸車や吊車である建具用ランナーにおいて、その摩擦抵抗や製造コストを建具の要求仕様に合わせて調整しやすくなる。
本発明の実施の形態に係る建具用ランナーである戸車を障子の下框に取り付けた使用状態を示す前方から見た縦断面図である。 (a)は本発明の実施の形態に係る建具用ランナーである戸車の正面図、(b)は(a)の矢視X1−X1断面図、(c)は(a)の矢視X2−X2断面図である。 本発明の実施の形態に係る建具用ランナーである戸車の分解斜視図である。 戸車の変形例の要部のみを示す概略正面図であり、(a)は四連式戸車、(b)は前後の車輪の径を異ならせた二連式戸車、(c)は前後の車輪を支持する支持部材に掛かる荷重の位置を前後の車軸間の中央位置よりも後方へオフセットした二連式戸車を示している。 本発明の実施の形態に係る建具用ランナーである吊車を示す斜視図である。
本願の発明者らは、建具用ランナーである戸車及び吊車について、様々な構造のものを試作し、建具に取り付けて評価を行った。評価項目は、操作性、安全性、耐久性、及び製造コストとした。
ここで、転がり軸受は、深溝玉軸受を用いた。また、軸受ブッシュ(すべり軸受)は、建具用に適した、特許文献5のような内周面に潤滑剤溜りとなる溝が形成された、合成樹脂製のものを用いた。
先ず、引き形式のサッシ窓において、断熱性能の向上及び結露の防止を図るために、ガラス間に空気やガスを封入した複層ガラスや三層ガラス入りの重量の大きい障子が普及していることに着目し、重量の大きい障子の戸車の軸受として転がり軸受及び軸受ブッシュの評価を行った。
<全数転がり軸受タイプの戸車の評価結果>
(操作性)
戸車の軸受に転がり軸受を用いた場合、摩擦抵抗が小さいことから障子の開閉操作力が小さくなるので操作性が良い。
(安全性)
慣性力で障子が惰走して窓枠との間に身体等が挟まれて危険な場合がある。
(耐久性)
転がり軸受は、寸法や精度が標準化されているとともに寿命計算等が容易で設計しやすいことから、十分な耐久性を持たせることが容易である。建具用ランナーの使用態様に対して軸受の寿命が過剰になることが多い。
(製造コスト)
車輪に購入した転がり軸受を組み込むため、製造コストが高い。
<全数軸受ブッシュタイプの戸車の評価結果>
(操作性)
戸車の軸受に軸受ブッシュを用いた場合、摩擦抵抗が大きいことから障子の開閉操作力が大きくなるので操作性が悪い。
(安全性)
慣性力で障子が惰走することがないので、安全性が高まる。
(耐久性)
軸受ブッシュは、合成樹脂製であるとともに戸車に組み込める大きさにする必要があることから、十分な耐久性試験を行って潤滑剤溜りとなる溝の形状や大きさ等の諸元を決定する必要がある。建具用ランナーの使用態様に対して軸受の寿命が過剰になることは少ない。
(製造コスト)
車輪に射出成形により製造した軸受ブッシュを組み込むことにより、製造コストを低減できる。
次に、引戸、折戸又は可動間仕切等の建具に使用する吊車についても同様の評価を行った。
全数転がり軸受タイプの吊車、及び全数軸受ブッシュタイプの吊車の評価結果において、吊車が使用される建具の障子の重量は比較的小さいので、全数転がり軸受タイプであっても全数転がり軸受タイプの戸車のような前記安全性の問題はない。それ以外の評価結果は、全数転がり軸受タイプの戸車及び全数軸受ブッシュタイプの戸車の評価結果と同様であった。
本願の発明者らは、上記評価結果に基づき、複数の車輪を備えた建具用ランナーにおいて、摩擦抵抗が小さくて製造コストが大きい転がり軸受を用いた車輪と、摩擦抵抗が大きくて製造コストが小さい軸受ブッシュを用いた車輪とを併用するという着想を得、このような着想に基づく戸車及び吊車の試作評価を行うことにより本発明を完成するに至った。
次に本発明の実施の形態を添付図面に基づき詳細に説明する。
本明細書における戸車については、レールに沿って障子が移動する図2(a)、図3、及び図4中の矢印Fに示す方向を前方とし、左右は前方に向かっていい、左方から見た図を正面図とする。また、本明細書における吊車については、図5中の矢印Fに示す方向を前方とし、左右は前方に向かっていうものとする。
<建具用ランナーが戸車である場合の実施の形態>
図1の縦断面図、図2(a)の正面図、並びに図3の分解斜視図に示すように、本発明の実施の形態に係る建具用ランナー1である戸車1Aは、二連式調整戸車である。
戸車1Aは、引き違いサッシ等の引き形式の建具Aにおいて、下枠CのレールRに沿う前後の車輪11,12を支持する支持部材2を操作部材である枠体(内枠3)により操作して車輪11,12の障子Dに対する高さを調整する高さ調整機構を備えており、障子Dの下框Eの前後端部に取り付けて使用される。
前後の車輪11,12は、支持部材2の前後の通孔2a,2a及び2b,2bに嵌入される前後の車軸G1,G2を介して、支持部材2に装着され、車輪11,12の全周に形成された周溝11a,12aが下枠CのレールRに係合する。
戸車1Aは、下端縁から略上方へ延びるガイド用上下長孔8,8が左右側壁4A,4Aに形成された外枠4、外枠4の左右側壁4A,4Aの左右方向内側に位置し、外枠4の前端下部の左右方向軸Hまわりに揺動可能に支持され、下端縁から左右方向軸Hに近づくにしたがって上方へ傾斜(前上がり傾斜)するガイド用傾斜長孔7,7が左右側壁3A,3Aに形成された内枠3、内枠3の左右側壁3A,3Aの左右方向内側に位置し、左右方向外側へ突出する環状部5,5が左右側壁2A,2Aに形成され、ガイド用上下長孔8,8及びガイド用傾斜長孔7,7に環状部5,5を係合させた支持部材2、並びに、外枠4の前壁4Bの上部に形成された前後方向の螺孔4aに雄ねじ部10aが螺合するとともに、その後端である先端10Aが内枠3の前壁3Bに当接する調整ねじ10等からなる。
外枠4の左右側壁4A,4Aの前端下部には下端縁から上方に切欠部9,9が形成されており、左右の切欠部9,9には、内枠3の左右側壁3A,3Aの前端下部に形成された左右方向外側へ突出する環状部6,6が係合するため、内枠3は、外枠4の前端下部の左右方向軸Hまわりに揺動可能に支持される。
内枠3の左右側壁3A,3Aには左右方向外側へ突出する凸部3aが、該凸部3aに対応する位置の外枠4の左右側壁4A,4Aには開口部4bが形成されており、図2(a)に示す組立後の状態では、内枠3の凸部3aが外枠4の開口部4b内へ突出するため、障子DをレールR(下枠C)へ取り付ける際又は障子DをレールR(下枠C)から取り外した際に、内枠3が外枠2から落下することがない。
また、図2(a)に示すように、内枠3のガイド用傾斜長孔7及び外枠4のガイド用上下長孔8の両方に係合する支持部材2の環状部5に対して、重なった状態の両長孔7及び8の環状部5の下側部分が環状部5の直径よりも小さくなるように、すなわちガイド用傾斜長孔7の前側の内壁部とガイド用上下長孔8の後側の内壁部とにより、環状部5の下方への移動が規制されるため、支持部材2が内枠3から落下することがない。
車輪11は、図2(b)の断面図に示すように、その内周面15に転がり軸受B1が嵌合され、転がり軸受B1の内輪に挿通される車軸G1を介して支持部材2に装着される。
また、車輪12は、図2(c)の断面図に示すように、その内周面16に、合成樹脂製の軸受ブッシュB2が嵌合され、軸受ブッシュB2の内周面19Bに沿うように挿通される車軸G2を介して支持部材2に装着される。
軸受ブッシュB2の車軸G2が挿通される内周面19Bに、潤滑剤Lを保持する潤滑剤溜りとなる溝20を形成していることから、軸受ブッシュB2と車軸G2との間に潤滑剤Lが供給されるので、摩擦が低減される。
なお、以上の戸車1Aの構成では、前側の車輪11の軸受を転がり軸受B1とし、後側の車輪12の軸受を軸受ブッシュB2としたが、これらの車輪を入れ替えてもよい。
車輪12の内周面16には、その軸方向の中央に環状溝17が形成されており、軸受ブッシュB2の外周面19Aには、環状溝17に係合する環状突起18が形成されている。
よって、車輪12の内周面16に軸受ブッシュB2の外周面19Aを沿わせるように車輪12に対して軸受ブッシュB2を嵌合すると、車輪12の環状溝17に軸受ブッシュB2の環状突起18が係合するので、車輪12への軸受ブッシュB2の組付けが容易であり、その組付けにより軸受ブッシュB2の脱落を防止できる。
その上、合成樹脂製のブッシュB2の構造が簡単であるとともに車輪12への組付けが容易であるので、製造コストを低減できる。
図2(c)の断面図に示す車輪12は軸受ブッシュB2と別体であるが、車輪12を軸受ブッシュB2と一体の合成樹脂製としてもよい。その場合は、軸受ブッシュB2と一体の車輪12の、車軸G2が挿通される内周面に、潤滑剤Lを保持する潤滑剤溜りとなる溝20を形成する。
このような軸受ブッシュと一体の合成樹脂製車輪にすることにより、射出成形等により量産が可能であるとともに車輪への軸受ブッシュの組付け作業が不要であるので、製造コストを大幅に低減できる。
以上のような構成の戸車1Aによれば、2つの車輪11,12において、車輪11の軸受が摩擦抵抗の小さい転がり軸受B1であり、車輪12の軸受が摩擦抵抗の大きい軸受ブッシュB2であるので、2つの車輪11,12の軸受が両方とも転がり軸受B1である場合よりも戸車1Aの摩擦抵抗が大きくなり、2つの車輪11,12の軸受が両方とも軸受ブッシュB2である場合よりも戸車1Aの摩擦抵抗が小さくなる。
よって、障子Dの重量が大きい場合であっても、操作性をあまり低下させることなく、慣性力による障子Dの惰走量を小さくできる。
また、転がり軸受B1を備えた車輪11よりも軸受ブッシュB2を備えた車輪12の方が製造コストが小さいので、前記の特性を備えながら、2つの車輪11,12の軸受が両方とも転がり軸受B1である場合よりも製造コストを低減できる。
その上、戸車1Aの使用態様に対して寿命が過剰になることが多い転がり軸受B1と、戸車1Aの使用態様に対して寿命が過剰になることが少ない軸受ブッシュB2とを組み合わせて、所要の耐久性を確保しながら寿命が過剰にならないように設計することにより、戸車1Aの製造コストをさらに低減できる。
図2(a)の正面図に示すような二連式戸車ではなく、車輪の数を3個以上にしてもよい。このような構成の例として、図4(a)の概略正面図は、車輪を4個備えた四連式戸車の例を示している。
図4(a)において、車輪11,12は、車軸G1,G2を介して前側の支持部材2に支持され、車輪13,14は、車軸G3,G4を介して後側の支持部材2に支持される。
そして、支持板2,2は、連結部材21により内枠に連結される。
このように車輪を4個備えた戸車において、(1)1個の車輪の軸受を転がり軸受にして残りの車輪の軸受を軸受ブッシュにする構成、(2)2個の車輪の軸受を転がり軸受にして残りの車輪の軸受を軸受ブッシュにする構成、(3)3個の車輪の軸受を転がり軸受にして残りの車輪の軸受を軸受ブッシュにする構成の3つの中の何れかを選択すること、すなわち転がり軸受を備えた車輪の数と軸受ブッシュを備えた車輪の数の構成比を変えることにより、戸車の摩擦抵抗を調整できるので、障子の操作力を調整できる。
このような、転がり軸受を備えた車輪の数と軸受ブッシュを備えた車輪の数の構成比を変えることによる戸車の摩擦抵抗の調整は、車輪の数が3個以上であれば可能である。
また、図4(b)の概略正面図に示すように、前後の車輪11,12の径を異ならせるように構成してもよく、そのように構成することにより、大径の車輪12は操作力が小さく、小径の車輪11は操作力が大きいので、障子の操作力を調整できる。
さらに、図4(c)の概略正面図に示すように、前後の車輪11,12を支持する支持部材2に掛かる荷重の位置Iを前後の車軸G1,G2間の中央から後方へオフセットさせるように構成してもよい。それにより、荷重の位置Iから遠い車輪11に掛かる荷重が小さく、荷重の位置Iに近い車輪12に掛かる荷重が大きくなる。よって、摩擦抵抗が小さい転がり軸受と摩擦抵抗が大きい軸受ブッシュとが分担する荷重を変えることができるので、障子の操作力を調整できる。なお、支持部材2に掛かる荷重の位置Iを前後の車軸G1,G2間の中央から前方へオフセットさせてもよい。
<建具用ランナーが吊車である場合の実施の形態>
図5の斜視図に示すように、本発明の実施の形態に係る建具用ランナー1である吊車1Bは、ランナー本体22により支持する前後2本の車軸G1,G2の左右両端に車輪を取り付けた4輪構成の吊車である。図5において、図2と同一符号は同一又は相当する部品を示している。
吊車1Bにおいて、前側の車軸G1の左端部の車輪11A及び後側の車軸G2の右端部の車輪12Bの軸受を転がり軸受B1とし、前側の車軸G1の右端部の車輪11B及び後側の車軸G2の左端部の車輪12Aの軸受を軸受ブッシュB2とし、転がり軸受B1を備えた車輪の径を、軸受ブッシュB2を備えた車輪の径よりも大きくしている。
ここで、前側の車軸G1の右端部の車輪11B及び後側の車軸G2の左端部の車輪12Aの軸受を転がり軸受B1とし、前側の車軸G1の左端部の車輪11A及び後側の車軸G2の右端部の車輪12Bの軸受を軸受ブッシュB2とし、転がり軸受B1を備えた車輪の径を、軸受ブッシュB2を備えた車輪の径よりも大きくしてもよい。
このような構成の吊車1Bによれば、大径の摩擦抵抗が小さい転がり軸受B1を備えた前後の車輪が主に障子の荷重を受け持ち、小径の摩擦抵抗が大きい軸受ブッシュB2を備えた前後の車輪が主に障子の揺れを防止するように作用する。
よって、転がり軸受B1を備えた車輪及び軸受ブッシュB2を備えた車輪の径が同じ4輪構成の吊車を用いた建具よりも障子の操作力を低減できる。
また、前側の車軸G1の左端部の車輪11A及び後側の車軸G2の右端部の車輪12Bの軸受を転がり軸受B1とし、残りの車輪11B,12Aの軸受を軸受ブッシュB2とし、又は、前側の車軸G1の右端部の車輪11B及び後側の車軸G2の左端部の車輪12Aの軸受を転がり軸受B1とし、残りの車輪11A,12Bの軸受を軸受ブッシュとしている。
したがって、左側前後の車輪11A,12A及び右側前後の車輪11B,12Bが、両方とも、大径の摩擦抵抗が小さい転がり軸受B1を備えた車輪1個及び小径の摩擦抵抗が大きい軸受ブッシュB2を備えた車輪1個により構成される。
よって、左側前後の車輪11A,12Aの摩擦抵抗と右側前後の車輪11B,12Bの摩擦抵抗とが同等になるので、吊車1Bの傾きを防止できるとともに、吊車1Bの直進性を保持できる。
なお、本発明が適用される吊車は、特許文献4のような、前側の車軸の左端部及び後側の車軸の右端部、又は前側の車軸の右端部及び後側の車軸の左端部にのみ車輪を取り付けた2輪構成の吊車であってもよく、その場合は、一方の車輪の軸受を転がり軸受B1にし、他方の車輪の軸受を軸受ブッシュB2にすればよい。
以上のとおり、本発明に係る、建具のレールに沿って走行する、複数の車輪を備えた
建具用ランナーでは、前記車輪の全数の中の一部の車輪の軸受を転がり軸受とし、残りの車輪の軸受を軸受ブッシュとしており、摩擦抵抗が小さくて製造コストが大きい転がり軸受を用いた車輪と、摩擦抵抗が大きくて製造コストが小さい軸受ブッシュを用いた車輪とを併用するようにしたので、戸車や吊車である建具用ランナーにおいて、その摩擦抵抗や製造コストを建具の要求仕様に合わせて調整しやすくなる。
A 建具 B1 転がり軸受
B2 軸受ブッシュ C 下枠
D 障子 E 下框
F 前方 G1,G2,G3,G4 車軸
H 左右方向軸 I 支持部材に掛かる荷重の位置
L 潤滑剤 R レール
1 建具用ランナー 1A 戸車
1B 吊車 2 支持部材
2A 側壁 2a,2b 通孔
3 内枠(操作部材) 3A 側壁
3a 凸部 3B 前壁
4 外枠 4A 側壁
4a 螺孔 4B 前壁
4b 開口部 5,6 環状部
7 ガイド用傾斜長孔 8 ガイド用上下長孔
9 切欠部 10 調整ねじ
10A 先端 10a 雄ねじ部
11,12,13,14 車輪 11A,11B,12A,12B 車輪
11a,12a 周溝 15,16 車輪の内周面
17 環状溝 18 環状突起
19A 軸受ブッシュの外周面 19B 軸受ブッシュの内周面
20 潤滑剤溜りとなる溝 21 支持部材と内枠との連結部材
22 ランナー本体

Claims (6)

  1. 建具のレールに沿って走行する、複数の車輪を備えた建具用ランナーであって、
    前記車輪の全数の中の一部の車輪の軸受を転がり軸受とし、残りの車輪の軸受を軸受ブッシュとしたことを特徴とする建具用ランナー。
  2. 前記建具用ランナーが二連式戸車であり、前後の車輪を支持する支持部材に掛かる荷重の位置を、前後の車軸間の中央から前方又は後方へオフセットしてなる請求項1記載の建具用ランナー。
  3. 前記建具用ランナーが二連式戸車であり、前後の車輪の径を異ならせてなる請求項1又は2記載の建具用ランナー。
  4. 前記建具用ランナーが、前後2本の車軸の左右両端に車輪を取り付けた4輪構成の吊車であり、
    前側の車軸の左端部の車輪及び後側の車軸の右端部の車輪の軸受を転がり軸受とし、残りの車輪の軸受を軸受ブッシュとし、
    又は、前側の車軸の右端部の車輪及び後側の車軸の左端部の車輪の軸受を転がり軸受とし、残りの車輪の軸受を軸受ブッシュとし、
    前記転がり軸受を備えた車輪の径を、前記軸受ブッシュを備えた車輪の径よりも大きくしてなる請求項1記載の建具用ランナー。
  5. 前記軸受ブッシュを備えた車輪が前記軸受ブッシュと別体であり、前記軸受ブッシュを備えた車輪の内周面に環状溝を形成し、合成樹脂製の前記軸受ブッシュの外周面に前記環状溝に係合する環状突起を形成するとともに、車軸が挿通される前記軸受ブッシュの内周面に潤滑剤溜りとなる溝を形成してなる請求項1〜4の何れか1項に記載の建具用ランナー。
  6. 前記軸受ブッシュを備えた車輪が前記軸受ブッシュと一体の合成樹脂製であり、車軸が挿通される内周面に潤滑剤溜りとなる溝を形成してなる請求項1〜4の何れか1項に記載の建具用ランナー。
JP2016041786A 2016-03-04 2016-03-04 建具用ランナー Active JP6627578B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016041786A JP6627578B2 (ja) 2016-03-04 2016-03-04 建具用ランナー

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016041786A JP6627578B2 (ja) 2016-03-04 2016-03-04 建具用ランナー

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017155535A JP2017155535A (ja) 2017-09-07
JP6627578B2 true JP6627578B2 (ja) 2020-01-08

Family

ID=59808394

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016041786A Active JP6627578B2 (ja) 2016-03-04 2016-03-04 建具用ランナー

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6627578B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7274281B2 (ja) * 2018-12-03 2023-05-16 株式会社Lixil 防火用建具

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017155535A (ja) 2017-09-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN111002884B (zh) 车辆座椅
BR112015017647B1 (pt) mancal deslizante produzido a partir de resina sintética
JP6627578B2 (ja) 建具用ランナー
US7698781B2 (en) Sliding wheels for drapery
JPS61222875A (ja) スポイラ−装置
US20070175004A1 (en) Bottom weight device of a roller blind
US4642844A (en) Trolley hanger for sliding door
US5907890A (en) Guiding device for sliding doors
BRPI0810056B1 (pt) Mancal de deslizamento de empuxo e mecanismo de combinação de mancal de deslizamento de empuxo e uma haste de pistão
ITUB20159678A1 (it) Forcella anteriore di motoveicolo, avantreno di motoveicolo e relativo motoveicolo
JP2011162969A (ja) 引き戸の吊下げ走行装置
JP5771107B2 (ja) 軸箱支持装置
CN101734543A (zh) 一种自动扶梯扶手带运转装置
JP4449061B2 (ja) 吊戸装置
JP5373254B2 (ja) 吊戸装置
JP5586998B2 (ja) 上吊式引戸装置
CN206530263U (zh) 一种卷帘门尾插的结构
KR102264507B1 (ko) 창문의 측방 가동 호차
JP2009052196A (ja) 吊車装置
JP4122016B2 (ja) 引戸装置
CN209761140U (zh) 用于塞拉门的吊轨机构和车辆
CN220076048U (zh) 减震万向轮
US1170068A (en) Roller for window-shades, sash-balances, and the like.
CN212172273U (zh) 一种防推车翻倒的支撑装置
JP7091932B2 (ja) 吊車

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20181218

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20191016

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20191105

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20191118

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6627578

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250