JP6626632B2 - 電動工具 - Google Patents

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Description

本発明は、ブラシレスモータを用いたドライバドリル等の電動工具に関する。
ドライバドリル等の電動工具においては、コンパクト性や耐久性の点から駆動源としてブラシレスモータを用いたものが知られている。このブラシレスモータは、例えば特許文献1に開示されるように、複数の鋼板を積層してなるステータコアの内側にスロットを介して複数(例えば6つ)のティースを突設し、各ティースに各相を形成するコイルをそれぞれ巻回したステータと、ステータを貫通して回転軸を有すると共に、永久磁石を組み込んだロータとからなり、ステータには、ロータに設けられた永久磁石の位置を検出する磁気センサ(ホールIC等)を備えた円盤状のセンサ回路基板が取り付けられる。
特開2015−56953号公報
上記ブラシレスモータにおいては、各相のコイルへ励磁電流を供給する通電タイミングを、磁気センサの出力信号の立ち上がり時点(正転時)や立ち下がり時点(逆転時)に合わせて制御しているが、この通電タイミングを磁気センサの出力信号の立ち上がり時点や立ち下がり時点よりも進める進み位相制御を行えば、損失を抑えてモータ効率を上げることができる。そこで、磁気センサの位置をティースの中心から例えば電気角で30°回転方向にずらして進み位相制御を行うことが考えられるが、この場合、デルタ結線で各相のコイルを直列に接続したブラシレスモータであると、磁気センサが検出するセンサ磁束がステータ磁束の影響を受け、ロータの回転位置がずれて検出されるおそれがある。
そこで、本発明は、各相のコイルが直列でデルタ結線されるブラシレスモータであっても、ステータ磁束の影響を受けることなく進み位相制御が行え、モータ効率の向上が可能となる電動工具を提供すること目的としたものである。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、内側へ突出する6つのティース間にスロットを有するステータコアと、ステータコアの軸方向の両端部にそれぞれ保持されるインシュレータと、インシュレータを介して各ティースにそれぞれ巻回されるコイルとを有し、各相のコイルが直列巻きでデルタ結線されるステータと、
ロータコアと、ロータコアに保持される4つの磁石とを有してステータの内部で回転可能なロータと、
ステータに固定され、ロータの回転を検出する3つの磁気センサを有してインシュレータに固定されるセンサ回路基板と、を備え、
3つの磁気センサを、ロータの回転方向で隣り合う3つのスロットの略中心に対応する位置にそれぞれ設けて、ロータの正逆何れの回転方向においても、各相のコイルへの通電タイミングを所定の進角で進める進み位相制御を実行可能とする一方、
全てのコイルは、一本のワイヤを順番に、対角に位置する2つのティースを一相分としてそれぞれ一相分ずつ巻回することで形成されて、一方のインシュレータ側で一相分のコイルの間のワイヤがそれぞれ三相の電源線と接続されると共に、各相のコイル間を繋ぐ渡り線となる全てのワイヤは、他方のインシュレータ側でその半周分ずつそれぞれ引き回して配線されていることを特徴とするものである。
上記目的を達成するために、請求項2に記載の発明は、内側へ突出する複数のティース間にスロットを有するステータコアと、ステータコアの軸方向の両端部にそれぞれ保持されるインシュレータと、各インシュレータを介して各ティースにそれぞれ巻回されるコイルとを有し、各相のコイルが直列巻きでデルタ結線されるステータと、
磁石を有してステータの内部で回転可能なロータと、
ステータに固定され、ロータの回転を検出する磁気センサと、外周から中心に向けて形成され、ステータの軸方向でスロットに重なる複数の切欠部と、切欠部の間に形成されて放射方向に突出する固定片と、を有し、固定片は、ステータの周方向で、インシュレータへのネジ止めと、インシュレータに設けたボスが差し込まれる位置決めとに交互に使用されるセンサ回路基板と、を備え、
磁気センサを、ロータの回転方向でスロットの略中心に対応する位置であって、切欠部の径方向内側に設けて、ロータの正逆何れの回転方向においても、各相のコイルへの通電タイミングを所定の進角で進める進み位相制御を実行可能としたことを特徴とするものである。
上記目的を達成するために、請求項3に記載の発明は、内側へ突出する複数のティース間にスロットを有するステータコアと、ステータコアの軸方向の両端部にそれぞれ保持されるインシュレータと、各インシュレータを介して各ティースにそれぞれ巻回されるコイルとを有し、各相のコイルが直列巻きでデルタ結線されるステータと、
磁石を有してステータの内部で回転可能なロータと、
ステータに固定され、ロータの回転を検出する磁気センサと、外周から中心に向けて形成される複数の切欠部と、切欠部の間に形成されて放射方向に突出する固定片と、を有し、一方の面に磁気センサが、他方の面で切欠部の間にリード線の接続部がそれぞれ設けられて、固定片は、ステータの周方向で、インシュレータへのネジ止めと、インシュレータに設けたボスが差し込まれる位置決めとに交互に使用されるセンサ回路基板と、を備え、
磁気センサを、ロータの回転方向でスロットの略中心に対応する位置に設けて、ロータの正逆何れの回転方向においても、各相のコイルへの通電タイミングを所定の進角で進める進み位相制御を実行可能としたことを特徴とするものである。
なお、本発明において、「スロットの略中心」とは、厳密に中心に位置する場合を含むが、ステータ磁束の影響を受けない位置であれば当該中心からロータの回転方向へ多少ずれる場合も許容する趣旨である。
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3の構成において、ロータは、磁石が固定されるロータコアを有し、ロータコアの外形は非円形であり、磁気センサは、非円形のロータコアの外形における最外周部が位置する円周上に配置されることを特徴とするものである。
本発明によれば、磁気センサを、ロータの回転方向でスロットの略中心に対応する位置に設けたことで、各相のコイルが直列でデルタ結線されるブラシレスモータであっても、ステータ磁束の影響を受けることなく進み位相制御が行え、モータ効率の向上が可能となる。
震動ドライバドリルの側面図である。 震動ドライバドリルの背面図である。 震動ドライバドリルの縦断面図である。 本体部分の拡大図である。 ステータの斜視図である。 ステータの平面図である。 図6のA矢視図である。 図6のB矢視図である。 ステータの横断面模式図である。 ヒュージング部分の拡大図である。 ワイヤの巻き方法を示す模式図で、(A)が結線側、(B)が反結線側をそれぞれ示す。 コイルの結線状態を示す説明図である。 (A)は放熱部材を用いたステータの平面図、(B)は側面図である。 (A)は放熱部材を用いたステータの底面図、(B)は側面図である。 (A)は図14のA−A線断面図、(B)はB−B線断面図である。 (A)は小径のセンサ回路基板を用いたステータの平面図、(B)は底面図である。 (A)は小径のセンサ回路基板を用いたステータの側面図、(B)はC−C線断面図である。 変更例の前インシュレータの斜視図である。 (A)は変更例の前インシュレータの平面図、(B)はD−D線断面図、(C)はE−E線断面図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、電動工具の一例を示す震動ドライバドリルの側面図、図2は背面図、図3は縦断面図、図4は本体部分の拡大断面図である。震動ドライバドリル1は、前後方向に延びる本体2からハンドル3を下方へ突出させてなり、本体2の前端には、先端でビットを把持可能な先端工具保持部としてのドリルチャック4が設けられる一方、ハンドル3の下端には、電源となるバッテリーパック5が装着されている。ここでのハウジング6は、本体2の後半部分とハンドル3とが連設される左右の半割ハウジング6a,6bを、左右方向のネジ7,7・・によって組み付けて形成される。
本体2内において、後部には、筒状のステータ9とステータ9の内部に配置されるロータ10とからなり、ロータ10に回転軸11を備えたインナロータ型のブラシレスモータ8が収容されている。ブラシレスモータ8の前方には、ハウジング6から前方へ突出するスピンドル13を備えたギヤアッセンブリ12が組み付けられて、回転軸11の回転を減速してスピンドル13に伝達可能となっている。ドリルチャック4はスピンドル13の前端に取り付けられている。本体2の下方でハンドル3の上部には、スイッチ14が収容されて、トリガ15を前方へ突出させている。スイッチ14の上方にはモータの正逆切替ボタン16が設けられて、その前方には、ドリルチャック4の前方を照射するLED17が斜め上向きに収容されている。
ハンドル3の下端には、バッテリーパック5が前方からスライド装着される装着部18が形成され、装着部18には、バッテリーパック5が電気的に接続される端子19aを備えた端子台19と、ブラシレスモータ8を制御するマイコンや6つのスイッチング素子等を備えてスイッチ14やブラシレスモータ8のステータ9と電気的に接続されるコントローラ20とが収容されている。21はネジボスを利用して装着部18の後面に設けられたストラップ係止部、22,22は、吊り下げ用のフック取付部である。バッテリーパック5において、23は充電池(ここでは3本の充電池(セル)を備えた10.8V)、24は端子、25は抜け止め用のフックで、前面のボタン26によってフック25の解除操作が可能となっている。
ギヤアッセンブリ12は、ブラシレスモータ8の前方に位置する筒状の第1ギヤケース27と、その第1ギヤケース27の前方に組み付けられ、大径部29と小径部30との二段筒形状を有する第2ギヤケース28とから形成されている。第1ギヤケース27は、回転軸11を軸受31を介して支持してピニオン32が取り付けられる回転軸11の先端をギヤアッセンブリ12内に突出させている。
ギヤアッセンブリ12の内部には、インターナルギヤ34A〜34C内で公転する複数の遊星ギヤ36A〜36Cを支持するキャリア35A〜35Cを、軸方向に三段配置してなる遊星歯車減速機構33が収容されて、回転軸11のピニオン32が一段目の遊星ギヤ36Aに噛合している。このうち二段目のインターナルギヤ34Bは、回転可能且つ軸方向へ前後移動可能となっており、前進位置では、大径部29内に保持された結合リング37と噛合可能となっている。
このインターナルギヤ34Bには、連結部材38を介して、ハウジング6に前後へスライド可能に設けられた速度切替レバー39が連結されている。この速度切替レバー39を後方へスライドさせると、連結部材38を介してインターナルギヤ34Bが後退し、二段目の遊星ギヤ36Bとの噛合を保ったまま一段目のキャリア35Aの外周に噛合する。よって、二段目の減速がキャンセルされる高速モードとなる。逆に速度切替レバー39を前方へスライドさせると、連結部材38を介してインターナルギヤ34Bがキャリア35Aから離れて前進し、二段目の遊星ギヤ35Bとの噛合を保ったまま、結合リング37と噛合して回転規制される。よって、二段目の減速が機能する低速モードとなる。
そして、ここでは第2ギヤケース28の小径部30の内側に、スピンドル13に軸方向への震動を付与する震動機構が設けられ、小径部30の外側に、スピンドル13への所定の負荷でスピンドル13へのトルク伝達を遮断するクラッチ機構が設けられて、後述する切替操作により、スピンドル13が回転しながら震動する震動ドリルモード、スピンドル13が回転のみ行うドリルモード、所定の負荷でスピンドル13へのトルク伝達を遮断するクラッチモード(ドライバモード)がそれぞれ選択可能となっている。以下、各機構について説明する。
震動機構において、スピンドル13は、小径部30内で前後の軸受40,41によって軸支されると共に、その後端が三段目のキャリア35Cにスプライン結合されている。スピンドル13における軸受40,41間には、前方からリング状の第1カム42、第2カム43が夫々同軸で外装されている。第1カム42は、後面にカム歯を有してスピンドル13にスプライン結合されている。第2カム43は、前面にカム歯を形成してスピンドル13に遊挿されて、小径部30内で回転不能に配置されている。
さらに、第1カム42の前方で軸受40との間には、リング状の受け板44によって複数のスチールボール45,45・・が保持されて、スチールボール45と第1カム42との間には、カム板46が設けられている。このカム板46から後方へ延びるアーム47が、ハウジング6の前方で大径部29へ回転可能に組み付けられるモード切替リング48に、連結板49を介して連結されて、モード切替リング48の回転操作に伴う連結板49の回転により、カム板46を介して第1カム42を後方へスライドさせて第2カム43と噛合させるようになっている。
クラッチ機構において、モード切替リング48の前方で小径部30には、クラッチリング50が回転可能に外装されている。クラッチリング50の内側には、小径部30の外周に形成したネジ部に螺合するネジ送り板51が、クラッチリング50と一体回転可能且つ軸方向へ移動可能に設けられて、ネジ送り板51の後方に、小径部30に回転規制された状態で軸方向に前後移動可能な前受け板52が設けられている。この前受け板52の後方には、大径部29と小径部30との間の閉塞部53の前面に当接する押圧板54と、その前方の後受け板55とが設けられて、前受け板52と後受け板55との間に、複数のコイルバネ56,56・・が周方向へ等間隔をおいて配置されている。
また、押圧板54の後方で閉塞部53には、複数のスチールボール57,57が周方向へ等間隔に保持されて、回転可能に設けられた三段目のインターナルギヤ34Cの前面に当接し、インターナルギヤ34Cの前面に突設された図示しないクラッチカムと周方向で係合可能となっている。このスチールボール57及び押圧板54、後受け板55を介してコイルバネ56,56の付勢力がインターナルギヤ34Cへ伝わることで、インターナルギヤ34Cは回転規制される。クラッチリング50を回転操作してネジ送り板51及び前受け板52を軸方向にネジ送りしてコイルバネ56の軸長を変化させることで、インターナルギヤ34Cへの押圧力が変更可能となる。
次に、各動作モードを説明する。まずカム板46が第1カム42を後方へスライドさせない位相となるモード切替リング48の第一の回転位置では、第1カム42は第2カム43より前方にあって第2カム43とは噛合しない。よって、クラッチリング50の回転操作によってインターナルギヤ34Cへの押圧力が変更可能なクラッチモードとなる。
このクラッチモードでトリガ15を押し込み操作してブラシレスモータ8を駆動させると、回転軸11が回転し、遊星歯車減速機構33を介してスピンドル13が回転し、ドリルチャック4に装着したドライバビットでネジ締め等を行うことができる。ネジ締めが進んでスピンドル13への負荷が、インターナルギヤ34Cを固定するコイルバネ56の押圧力を超えると、インターナルギヤ34Cのクラッチカムがスチールボール57及び押圧板54、後受け板55を前方へ押し出してインターナルギヤ34Cを空転させ、ネジ締めを終了させる(クラッチ作動)。
次に、クラッチモードからモード切替リング48を所定角度回転させた第二の回転位置では、モード切替リング48に設けた規制リング58が後受け板55に係合して後受け板55の前進を規制する。よって、コイルバネ56の押圧力の大小にかかわらず押圧板54の前方への移動が常に規制されるドリルモードとなる。
このドリルモードでスピンドル13を回転させると、スピンドル13への負荷にかかわらず、スチールボール57がインターナルギヤ34Cのクラッチカムを乗り越えることがないため、インターナルギヤ34Cの固定状態は変わらず、スピンドル13の回転は継続する。なお、このときも第1カム42は後方へスライドしないため、スピンドル13に震動は発生しない。
そして、ドリルモードからモード切替リング48をさらに所定角度回転させた第三の回転位置では、カム板46は第1カム42を後方へスライドさせる。一方、規制リング58と後受け板55との係合は変わらない。よって、第1カム42と第2カム43とが噛合する震動モードとなる。
この震動モードでスピンドル13を回転させた場合、スピンドル13と一体回転する第1カム42が、小径部30内で固定される第2カム43と噛合するため、スピンドル13に震動が発生する。なお、規制リング58による押圧板54の固定状態は変わらないため、スピンドル13への負荷にかかわらずスピンドル13の回転は継続することになる。
そして、三相のブラシレスモータ8のステータ9は、半割ハウジング6a,6bの内面に形成されたリブ59,59によって前後方向を軸として保持されている。このステータ9は、複数の鋼板を積層してなるステータコア60の前後の端面に、電気絶縁部材であるリング状の前インシュレータ61及び後インシュレータ62を組み付けて、ステータコア60の内側に突設した6つのティース63,63・・に、それぞれコイル64,64・・を巻回したもので、前インシュレータ61の前面には、ロータ10に設けた永久磁石68の位置を検出するホールIC等の磁気センサ66,66・・を搭載したセンサ回路基板65がネジ止めされている。
なお、センサ回路基板65上には、温度検出素子を配置してその温度検出信号をコントローラ20に入力し、当該信号を監視するコントローラ20が所定温度でブラシレスモータ8の制御を停止させるようにしてもよい。これによって温度上昇が起きやすい10.8Vの震動ドライバドリル1のブラシレスモータ8の温度上昇を効果的に抑制可能となる。
ロータ10は、回転軸11の周囲に配置され、複数の鋼板を積層してなる略円筒状のロータコア67と、ロータコア67の内部に固定される4つの板状の永久磁石(焼結磁石)68,68・・とを有する。この永久磁石68は、ロータコア67の横断面で回転軸11を中心とした正方形の四辺にそれぞれ位置するように形成された貫通孔に挿入されて接着剤及び/又は圧入によって固定される。
回転軸11の後端は、ハウジング6の後部に保持された軸受69に軸支され、軸受69の前方部位には、遠心ファン70が取り付けられている。71,71・・は、遠心ファン70の位置でハウジング6の左右の側面に形成された排気口で、ステータ9の外側に当たるハウジング6の側面には吸気口72,72が設けられている(図1)。
さらに、ロータコア67と遠心ファン70との間には、後ストッパ73が設けられている。この後ストッパ73は、真鍮製でロータコア67と同じ外径を有する円板で、ロータコア67と同軸で回転軸11に固着されている。一方、ロータコア67と前側の軸受31との間でセンサ回路基板65の内側には、前ストッパ74が設けられている。この前ストッパ74は、真鍮製でロータコア67よりも小さい外径を有する円板で、ロータコア67と同軸で且つロータコア67との間に隙間を空けた状態で回転軸11に固着されている。但し、前ストッパ74の外径は、4つの永久磁石68,68・・で囲まれる内側円よりも大径となって、各永久磁石68の前方に前ストッパ74が位置するようになっている。
ここで、ステータ9の構造を図5〜9に基づいて詳述する。但し、図5〜図8に示す単独のステータ9においては、前インシュレータ61側を上方、後インシュレータ62側を下方として説明する。
ステータコア60の外周でティース63の延長上には、凹みとなる軸方向の溝75,75・・が、周方向に等間隔で6つ形成されて、各溝75の端部に、前インシュレータ61と後インシュレータ62とから軸方向へ一体形成された嵌合片76,76・・が嵌合(圧入)している。この嵌合片76の圧入により、前後インシュレータ61,62の歪みに抵抗してステータコア60と前後インシュレータ61,62とを強固に一体化することができる。
また、前インシュレータ61の側面には、ハウジング6の内面に設けた図示しない突起が係止する係止凹部77が設けられて、ステータ9の回り止め及び前後方向の位置決めが可能となっている。
前インシュレータ61において、ティース63,63・・間に形成される6つのスロット78,78・・のうち、半周部分で隣接する3つのスロット78,78・・の外側には、一相分の2つのコイル64,64のワイヤ79と各相の電源線80とをヒュージングするヒュージング端子81の保持部82,82・・が上向きに突設されている。この保持部82は、平面視がコ字状となる一対の突起83,83を、互いに対向する向きで前インシュレータ61の周方向に並べて、前インシュレータ61のリング状の上端面61aよりも上方へ突出する高さで突設してなり、3つの保持部82,82・・の間で各ティース63の外側には、電源線80を保持するための側面視L字状のフック84が突設されている。3つの電源線80のうちの2つは、ステータ9寄りの位置でテープ109によって束ねられている。
また、保持部82,82の間に位置する1つのティース63の外側と、そのティース63から周方向に一つおいて位置する2つのティース63,63の外側と(正三角形の頂点位置)には、センサ回路基板65をネジ止めするための3つのネジボス85,85・・が、保持部82よりも低く、且つ前インシュレータ61の上端面61aよりも上方へ突出する高さで突設されている。ネジボス85,85の間に位置するティース63,63の外側には、ネジボス85と同じ高さの受け面87を有し、その受け面87よりも上方へ突出するボス88A,88Bを設けた段付きボス86A,86Bが突設されている。この段付きボス86Aのボス88Aは、ネジボス85の同心円よりもやや小さい同心円上に配置されて、ボス88Bの方がボス88Aよりも小径となっている。
後インシュレータ62では、各スロット78の外側に、周方向の案内リブ89,89・・をそれぞれ同心円上で立設している。
センサ回路基板65は、中心に設けた回転軸11の貫通孔90に向けて湾曲する切欠部91を、周方向に等間隔で6つ形成することで、各切欠部91,91間に、放射方向に突出する固定片92,92・・を、周方向に等間隔で6つ形成したもので、各切欠部91は、ステータコア60の内周を越えて、平面視で各スロット78と重なる位置まで湾曲している。また、固定片92の先端は、ステータコア60の外周を僅かに越えており、このうち隣接する2つの固定片92(以下、区別する際には92A,92Bと表記する。)は、他の4つの固定片92よりも長く形成されている。
この6つの固定片92のうち、1つの長い固定片92Bを含む正三角形の頂点に位置する3つの固定片92,92・・は、ティース63の延長上に位置するネジボス85にネジ93によってそれぞれ固定され、ネジ固定される固定片92,92の間の固定片92には、段付きボス86A,86Bのボス88A,88Bがそれぞれ差し込まれる。残りの1つの固定片92Aの上面には、3つの磁気センサ66の検出信号を出力する6本のリード線95A,95A・・の接続部94が設けられている。このリード線95Aの先には、コネクタ96Aが設けられて、コントローラ20から引き出されるリード線95Bに設けたコネクタ96Bとの結合により、リード線95A,95B同士が接続されるようになっている。
3つの磁気センサ66は、センサ回路基板65の下面で貫通孔90の周りに所定間隔をおいて配置されるが、ここでは図9に示すように、矢印で示す回転方向において、横断面の外形が非円形であるロータ10の最外周部が位置する円C1の円周上(ロータ10の外形における最内周部が位置する円C2よりも外側)で、周方向でスロット78の中央(ティース63の中心線から30°ずれた位相)に位置するように配置されている。
図9において、ステータ外径S1はφ38(単位mm、以下同じ)、ステータ内径S2はφ21、ティース幅S3は4.0、バックヨーク幅S4は2.0、スロット開口幅S5は4.5、ロータ外径S6はφ20となっている。
なお、ステータ内径S2は、φ20〜φ22の範囲(ステータ外径を1とした場合の比率0.53〜0.58)、ティース幅S3は4.0〜4.4の範囲(同比率0.11〜0.12)、バックヨーク幅S4は2.0〜2.2(同比率0.05〜0.06)、スロット開口幅S5は2.5〜4.5(同比率0.07〜0.12)、ロータ外径S6はφ19〜φ21(同比率0.50〜0.55)で変更することができる。このようにIPM方式のロータにおいてステータ外径を基準にして磁路を設計すれば、出力密度を高めることができ、バッテリ電圧が10.8Vやステータ外径が40mm以下であってもロータの回転数を24000rpm以上の高回転とすることができる。但し、バッテリ電圧が14.4V、18V、36Vであれば、30000rpm〜40000rpmの高回転も可能である。
ヒュージング端子81は、帯状の金属板を二つ折りにして、一方の板部97Aの両側にL字状の羽根片98,98をそれぞれ形成し、他方の板部97Bの先端を外側へ折り返してなり、二つ折り部分を下にして羽根片98,98を保持部82の両突起83,83にそれぞれ上方から差し込むことで、図10に示すように板部97Bが外側に位置して上方へV字状に開いた姿勢で保持される。ここでは二つ折り部分の内側に電源線80が収まるカール部99が形成され、その上側で板部97Bに、コイル64のワイヤ79が挟持される折曲部100が形成される。100aは板部97Bの折り返し部である。こうして各ヒュージング端子81は、保持部82によって平面視でステータ9の半周側に集まって配置されることになる。
電源線80は、絶縁被覆の先端80aを残してヒュージング端子81にヒュージングされる撚り線80b部分のみを皮剥ぎしている。こうして先端80aを残すことで、撚り線80bをばらけさせることがない。この撚り線ばらけ防止手段としては、絶縁被覆の先端を残す以外に、熱収縮チューブを用いて撚り線80bの先端を被覆したり、スプライス端子で先端をかしめたり、ハンダや溶接、熱硬化性樹脂で先端を固めたりすることでも達成できる。
また、ステータ9から引き出される電源線80の先には、ギボシ端子101が設けられて、コントローラ20から引き出される図示しない電源線に設けたギボシ端子との結合により、電源線同士が接続されるようになっている。
ここでの6つのコイル64,64・・は、一本のワイヤ79を各ティース63へ順番に巻回して形成されて一相分のコイル64,64がそれぞれヒュージング端子81に結線されるが、対角に位置する一相分のコイル64,64間を繋ぐ渡り線102は、前インシュレータ61側でなく、後インシュレータ62側で配線されている。以下、コイル64の巻き方法について説明するが、U,V,Wの三相を区別する必要がある場合は、各構成部の符号にU,V,Wの符号を付し、各相で対になるティース63やコイル64を区別する場合は、63U1,63U2、64U1,64U2等の数字をさらに付して説明を行う。
図11は、巻き方法を示す模式図で、(A)が結線側(前インシュレータ61側)、(B)が反結線側(後インシュレータ62側)となっている。81U,81V,81Wはヒュージング端子で、丸内に+字を付した記号は紙面と直交する奥側へ巻かれるワイヤを、丸内に黒丸を付した記号は紙面と直交する手前側へ巻かれるワイヤをそれぞれ示す。また、結線側及び反結線側において、左回り方向を左、右回り方向を右として説明する。
まず、結線側において、U相の電源線80Uを仮固定したヒュージング端子81Uにワイヤ79の始端79aを仮固定し、その左側に位置するティース63U1に右側から巻回してコイル64U1を形成した後、反結線側でティース63U1の左側に引き出し、案内リブ89の外側で実線矢印で示す渡り線102Uを右回りで略半周分引き回した後、対角のティース63U2に右側から巻回してコイル64U2を形成する。そして、結線側でワイヤ79をティース63U2の左側から引き出して、W相の電源線80Wを仮固定したヒュージング端子81Wに仮固定する。
次に、ヒュージング端子81Wの左側に隣接するティース63W1に右側から巻回してコイル64W1を形成した後、反結線側でティース63W1の左側に引き出し、案内リブ89の外側で点線で示す渡り線102Wを右回りで略半周分引き回した後、対角のティース63W2に右側から巻回してコイル64W2を形成する。その後、同じ反結線側でティース63W2の左側に引き出して案内リブ89の外側で渡り線102Wを右回りで略半周分引き回した後、結線側で対角のティース63W1の左側に引き出して、V相の電源線80Vを仮固定したヒュージング端子81Vに仮固定する。つまり、W相のコイル64W1,64W2を形成するワイヤ79は、後インシュレータ62側でティース63W1,63W2間を右回りで略半周分ずつ渡って配線される。
次に、ヒュージング端子81Vの左側に隣接するティース63V1に右側から巻回してコイル64V1を形成した後、反結線側でティース63V1の左側に引き出し、案内リブ89の外側で一点鎖線で示す渡り線102Vを右回りで略半周分引き回した後、対角のティース63V2に右側から巻回してコイル64V2を形成する。その後、同じ反結線側でティース63V2の左側に引き出して案内リブ89の外側で渡り線102Vを右回りで略半周分引き回した後、結線側で対角のティース63V1の左側に引き出して、左側に隣接するヒュージング端子81Uに終端79bを仮固定する。つまり、V相のコイル64V1,64V2を形成するワイヤ79も、後インシュレータ62側でティース63V1,63V2間を左回りで略半周分ずつ渡って配線される。実際には図7,8のように、各渡り線102は案内リブ89の外側で軸方向に重なって配線される。
最後に各ヒュージング端子81において電源線80とワイヤ79とをヒュージングすれば、図12に示すように、直列巻きされた各相のコイル64,64がデルタ結線されたステータ9が得られる。
こうして結線が完了してセンサ回路基板65を取り付けたステータ9において、センサ回路基板65は、ネジボス85の上面及び段付きボス86A,86Bの受け面87により、前インシュレータ61の上端面61aよりも上方位置でステータ9の軸線と直交状に支持される。このとき、フック84の先端も長い固定片92A,92Bの下面に当接して固定片92A,92Bを支持する。ここでは各相のコイル64,64間の渡り線102は反結線側で配線されるので、前インシュレータ61とセンサ回路基板65との間には、十分な隙間が形成される。また、センサ回路基板65の固定状態で、各保持部82及びヒュージング端子81はセンサ回路基板65の切欠部91を貫通してセンサ回路基板65よりも上方へ突出し、平面視で各ティース63,63間のスロット78は、センサ回路基板65の切欠部91内に露出している(図6)。
ここでは電源線80がフック84と固定片92とで保持されているため、電源線80が移動しにくくなり、配線の際のガイドにもなる。また、磁気センサ66のリード線95Aが接続される固定片92Aは、フック84により支持されるため、リード線95Aが断線しにくくなる。さらに、ブラシレスモータ8の軸心からボス88Aの中心までの半径方向の距離は、当該軸心からネジ93の中心までの半径方向の距離よりも小さいため、センサ回路基板65の振動が小さくなる。
さらに、センサ回路基板65はネジ93によって取り付けられているため、センサ回路基板65とステータ9との一方が故障等しても、センサ回路基板65を取り外すことで個別に修理対応可能となる。
このステータ9は、ヒュージング端子81,81・・がステータ9の下半分側に位置する位相でハウジング6内に組み込まれる。これにより、ヒュージング端子81に接続される各相の電源線80は、ステータ9の左右の外側を通過することなく、最短距離でコントローラ20側へ配線される。よって,ハウジング6が径方向に大きくなることがなく、コンパクト化が維持できると共に、配線の長さも短くて済む。また、電源線80及び磁気センサ66のリード線95Aは、コネクタ96Aやギボシ端子101によってコントローラ20側と分離できるので、ステータ9とコントローラ20とを個別に修理や交換等可能となり、コストが抑えられる。なお、リード線同士や電源線同士の接続には他の端子やコネクタも採用できる。
以上の如く構成された震動ドライバドリル1においては、トリガ15を押し込み操作してスイッチ14をONさせると、コントローラ20のマイコンが、センサ回路基板65の磁気センサ66から出力されるロータ10の永久磁石68の位置を示す回転検出信号を得てロータ10の回転状態を取得し、取得した回転状態に応じて各スイッチング素子のON/OFFを制御し、ステータ9の各相のコイル64,64に対し順番に励磁電流を流すことでロータ10を回転させる。よって、回転軸11が回転して遊星歯車減速機構33を介してスピンドル13を回転させるため、ドリルチャック4に把持した先端工具により選択した動作モードでの使用が可能となる。
ここで、磁気センサ66は、ステータ9のスロット78の中央に配置されているので、正逆何れの回転方向においても、コントローラ20から各相のコイル64へ励磁電流を供給する通電タイミングを進角30°で早める進み位相制御を実行することができる。この磁気センサ66の配置により、センサ磁束がステータ磁束の影響を受け難くなるため、ロータ10のセンシング精度が低下することはない。
回転軸11の回転に伴って遠心ファン70が回転すると、ハウジング6の側面の吸気口72から外気が吸い込まれ、ステータ9の外側及び内側(ロータ10との間)を通って排気口71から排出されることでブラシレスモータ8を冷却する。このとき、ステータ9では、センサ回路基板65の切欠部91によってスロット78が前面視で露出している上、センサ回路基板65と前インシュレータ61との間にも渡り線102が配線されないので、ステータ9の内側を通る空気は、センサ回路基板65に阻害されることなく各コイル64の両側でスムーズにスロット78を通過することができる。よって、各コイル64も効果的に冷却される。また、各ヒュージング端子81は固定片92の間に位置しているので、切欠部91を通過する空気によって各ヒュージング端子81も効果的に冷却される。
一方、ロータ10では、前後に前ストッパ74と後ストッパ73とが設けられているため、各永久磁石68の前後方向の移動が規制され、ロータコア67からの脱落が効果的に防止される。
このように、上記形態の震動ドライバドリル1によれば、磁気センサ66を、ロータ10の回転方向でスロット78の中心に対応する位置に設けたことで、各相のコイル64,64が直列でデルタ結線されるブラシレスモータ8であっても、ステータ磁束の影響を受けることなく、且つソフトウェア上での進角制御を行うことなく進角30°の進み位相制御が行える。よって、モータ効率の向上が可能となる。
また、センサ回路基板65を、ステータ9の端面に設けた前インシュレータ61に取り付けたことで、前インシュレータ61を用いてセンサ回路基板65を適正な位置に容易に取り付け可能となる。
なお、上記形態では、磁気センサ66をスロット78の中央に配置して進角30°を得るようにしているが、厳密にスロット78の中央である必要はなく、例えば正転方向で進角25°とする等、多少中央からずれるようにしてもよい。但し、この場合、逆転方向ではコントローラ20により進角25°となるようにソフトウェア上で補正制御を行う必要がある。また、磁気センサ66はステータ9と反対側の面に配置することもできるし、コイル64はデルタ結線の並列巻きとしてもよい。
一方、先述のようにロータ10の回転数を24000rpm以上とすると、コイル64への通電量が増加して温度が上昇するため、コイル64に放熱部材を設けることもできる。この放熱部材としては、図13〜15に示すステータ9Aのように、センサ回路基板65と各コイル64との間に、磁気センサ66の配置領域よりも径の大きい内径を有する金属製の放熱リング103を採用し、この放熱リング103を、熱伝導性且つ絶縁性を有する接着剤によって各コイル64の上端面にそれぞれ接着する構造が考えられる。103a,103a・・は、各スロット78の位置で放熱リング103に設けた透孔で、この透孔103aにより、スロット78を通過する空気の流れを確保すると共に、放熱リング103と空気との接触面積を増やして放熱効果を向上を図っている。
このようにコイル64に間接的に接触する放熱リング103を設ければ、ロータ10を高回転化してもコイル64の温度上昇を抑えることができる。
なお、この放熱部材は、リング状でなく、複数のコイルに跨がる円弧状のものを複数個設けたり、スロットを避けてコイル毎に個別に設けたり、表面にフィンを立設したり凹凸を設けたりして表面積をさらに増やしたりすることもできる。ステータの前側でなく後側に設けてもよい。
また、センサ回路基板は、前インシュレータと略同じ大きさとする必要はなく、図16,17に示すステータ9Bのように、コイル64の内側まで外径を小さくしたリング状のセンサ回路基板65Aとすることもできる。前インシュレータ61には、各ティース63の前面に沿ってそれぞれ軸心側へ突出してティース63の前面を覆う根元部105と、根元部105の先端から周方向及び上方へ広がってコイル64の内側への傾倒を防ぐストッパ部106とからなる絶縁ティース104,104・・が突設されており、各ストッパ部106の内周下端には、センサ回路基板65Aの外周を受ける舌片状の内側部107がそれぞれ突設されている。よって、センサ回路基板65Aは、各ストッパ部106の内側に嵌合するように上方から押し込んで外周を内側部107に当接させた状態で、圧入や接着剤による接着、ネジ止め等によって固定することができる。この場合も磁気センサ66はスロット78の略中央に配置すればよいが、リード線はセンサ回路基板65Aの上側や下側からスロット78を介して外部へ引き出して電源線80と同じ方向に配線等すればよい。
このように、前インシュレータ61より小径のセンサ回路基板65Aをコイル64よりも内側に配置したことで、磁気センサ66の検出精度が向上し、ブラシレスモータ8の軸長や径方向の寸法が小さくなってコンパクト化が期待できる。
なお、内側部は全てのストッパ部に設ける必要はなく、センサ回路基板の固定が可能であれば、例えば一つおきのストッパ部に設けることもできるし、形状も適宜変更可能である。
また、上記形態や図13〜17の変更例では、前インシュレータ61にセンサ回路基板65,65Aを設けているが、後インシュレータ62にセンサ回路基板65,65Aを設けて渡り線102を前インシュレータ61側で配線することも可能である。
そして、前インシュレータの形態も図18,19に示すような変更が可能である。先に説明した前インシュレータ61のような形状では、絶縁ティース104のストッパ部106が、コイル64を巻回した際に発生する応力によって内側へ変形し、ロータ10と干渉するおそれがある。そこで、この前インシュレータ61Aにおいて、各絶縁ティース104のストッパ部106には、突出側端面の中央部を軸方向にえぐる格好で凹部108を形成して、ストッパ部106を、軸方向で見て中央部よりもロータ回転方向の前後両端が内側(軸心側)に突出するコ字状として、ストッパ部106の補強を図っている。
このように上記形態の震動ドライバドリル1によれば、ステータ9の前インシュレータ61に、ストッパ部106を補強する補強手段を備えたことで、ストッパ部106の強度が高まり、コイル巻回時の応力によって内側へ変形するおそれが低減される。また、例え変形しても、凹部108によってロータ10との距離が確保されているので、ロータ10と干渉しにくくなる。
特に、補強手段として、ストッパ部106を両端が内側へ突出するコ字状に形成しているので、補強が容易に行える。
なお、補強手段は、ストッパ部106をコ字状に形成する他、ティース63に沿って延びる根元部105をステータ9の軸方向で肉厚にする構成としてもよい。この場合、半径方向に亘って同じ肉厚とする以外に、中心側へ行くに従って徐々に或いは段階的に肉厚としたりすることもできる。勿論コ字状との組み合わせも可能である。
また、ここでは、6つのスロット78を有するステータコア60と、ステータコア60に固定され、コイル64,64間の複数の渡り線102,102・・をステータコア60の軸方向に重ねて保持する後インシュレータ62と、渡り線102を、コイル64の巻回方向と逆方向へガイドする案内リブ89と、を有するステータ9と、ステータ9の内側に配置されるロータ10と、ロータ10により駆動するドリルチャック4と、を備えてなることで、案内リブ89によって渡り線102をがたつきなく配線することができる。
さらに、コイル64は、ティース63に対して、ステータコア60の周方向の一方側から巻き始められ、他方側で巻き終わるようにしているので、コイル64と渡り線102とをスムーズに繋げることができる。
なお、上記形態では、前インシュレータの側面に設けた係止凹部に、ハウジングの内面に設けた突起を係止させて、ステータの回り止め及び前後方向の位置決めを行っているが、これに代えて、或いはこれに加えて、ステータコアの外面に突起部を設けて、ハウジングの内面に設けた凹み部に突起部を係合させることでステータの回り止め及び前後方向の位置決めを行ってもよい。
さらに、磁気センサのリード線は、ステータの径方向でティースの延長上に接続する場合に限らず、スロットの延長上に接続することもできる。
加えて、磁気センサは、ティースの先端と軸方向で重なる位置(図9の位置よりも外側)に配置することもできる。
そして、上記形態では、センサ回路基板に磁気センサのみを搭載しているが、インバータ回路を形成するスイッチング素子を設けてもよい。この場合、スイッチング素子は、軸方向で磁気センサと重なる位置と重ならない位置との何れにも配置できる。
その他、電動工具は震動ドライバドリルに限らず、ブラシレスモータを駆動源とするものであれば、インパクトドライバやグラインダ等の他の機種にも本発明は適用可能である。ハウジング内でのモータの位置や向きも適宜変更できる。また、上記形態では一本のワイヤ(巻線)でコイルを形成しているが、2本や3本等の複数の巻線でコイルを形成することも可能である。ブラシレスモータも、極数やスロットの増減は可能であるし、磁石を回転方向に沿って湾曲させたり、磁石をロータの表面に組み込むSPM方式としたりしても本発明は採用可能である。
そして、ここでは以下の発明も把握できる。
(1)駆動源となるブラシレスモータの回転数が30000rpmから40000rpmである電動工具。
(2)電源となるバッテリ電圧が10.8Vであってモータの回転数が24000rpm以上である電動工具。
(3)駆動源となるブラシレスモータのステータの外径が40mm以下であって回転数が24000rpm以上の電動工具。
(4)ステータコアと、
前記ステータコアに固定される電気絶縁部材(上記形態では前インシュレータ61,61A)と、
前記電気絶縁部材を介して前記ステータコアに巻回されるコイルと、を有し、
前記電気絶縁部材は、前記コイルよりも内側に配置される突出部(上記形態ではストッパ部106)を有し、
前記突出部にセンサ回路基板がネジ止めされる電動工具。
(5)ステータコアと、
前記ステータコアに固定される電気絶縁部材(前インシュレータ)と、
前記電気絶縁部材を介して前記ステータコアに巻回されるコイルと、を有し、
前記電気絶縁部材は、前記コイルよりも内側に配置される突出部を有し、
前記突出部より内側にセンサ回路基板が配置される電動工具。
(6)ステータコアと、
前記ステータコアに固定される電気絶縁部材(前後インシュレータ)と、
前記電気絶縁部材を介して前記ステータコアに巻回されるコイルと、を有し、
前記電気絶縁部材は、前記コイルよりも内側に配置される突出部を有し、
前記突出部より内側に電材部品が配置される電動工具。
この電材部品としては、センサ回路基板の他、渡り線、ヒュージング端子、リード線、スイッチング端子、短絡部材、コンデンサ、温度センサ等が考えられ、これらのうちの複数を突出部より内側に配置することもできる。
また、磁気センサをスロットの略中心に配置する発明以外の発明は、Y結線のステータであっても適用可能である。
1・・震動ドライバドリル、2・・本体、3・・ハンドル、4・・ドリルチャック、5・・バッテリーパック、6・・ハウジング、8・・ブラシレスモータ、9,9A,9B・・ステータ、10・・ロータ、11・・回転軸、12・・ギヤアッセンブリ、13・・スピンドル、20・・コントローラ、33・・遊星歯車減速機構、60・・ステータコア、61,61A・・前インシュレータ、62・・後インシュレータ、63・・ティース、64・・コイル、65,65A・・センサ回路基板、66・・磁気センサ、67・・ロータコア、68・・永久磁石、70・・遠心ファン、71・・排気口、72・・吸気口、75・・溝、76・・嵌合片、78・・スロット、79・・ワイヤ、80・・電源線、81・・ヒュージング端子、82・・保持部、89・・案内リブ、95A,95B・・リード線、96A,96B・・コネクタ、101・・ギボシ端子、103・・放熱リング、104・・絶縁ティース、105・・根元部、106・・ストッパ部、107・・内側部、108・・凹部。

Claims (4)

  1. 内側へ突出する6つのティース間にスロットを有するステータコアと、前記ステータコアの軸方向の両端部にそれぞれ保持されるインシュレータと、前記インシュレータを介して各前記ティースにそれぞれ巻回されるコイルとを有し、各相の前記コイルが直列巻きでデルタ結線されるステータと、
    ロータコアと、前記ロータコアに保持される4つの磁石とを有して前記ステータの内部で回転可能なロータと、
    前記ステータに固定され、前記ロータの回転を検出する3つの磁気センサを有して前記インシュレータに固定されるセンサ回路基板と、を備え、
    前記3つの磁気センサを、前記ロータの回転方向で隣り合う3つの前記スロットの略中心に対応する位置にそれぞれ設けて、
    前記ロータの正逆何れの回転方向においても、各相の前記コイルへの通電タイミングを所定の進角で進める進み位相制御を実行可能とする一方、
    全ての前記コイルは、一本のワイヤを順番に、対角に位置する2つの前記ティースを一相分としてそれぞれ前記一相分ずつ巻回することで形成されて、一方の前記インシュレータ側で前記一相分の前記コイルの間の前記ワイヤがそれぞれ三相の電源線と接続されると共に、各相の前記コイル間を繋ぐ渡り線となる全てのワイヤは、他方の前記インシュレータ側でその半周分ずつそれぞれ引き回して配線されていることを特徴とする電動工具。
  2. 内側へ突出する複数のティース間にスロットを有するステータコアと、前記ステータコアの軸方向の両端部にそれぞれ保持されるインシュレータと、各前記インシュレータを介して各前記ティースにそれぞれ巻回されるコイルとを有し、各相の前記コイルが直列巻きでデルタ結線されるステータと、
    磁石を有して前記ステータの内部で回転可能なロータと、
    前記ステータに固定され、前記ロータの回転を検出する磁気センサと、外周から中心に向けて形成され、前記ステータの軸方向で前記スロットに重なる複数の切欠部と、前記切欠部の間に形成されて放射方向に突出する固定片と、を有し、前記固定片は、前記ステータの周方向で、前記インシュレータへのネジ止めと、前記インシュレータに設けたボスが差し込まれる位置決めとに交互に使用されるセンサ回路基板と、を備え、
    前記磁気センサを、前記ロータの回転方向で前記スロットの略中心に対応する位置であって、前記切欠部の径方向内側に設けて、
    前記ロータの正逆何れの回転方向においても、各相の前記コイルへの通電タイミングを所定の進角で進める進み位相制御を実行可能としたことを特徴とする電動工具。
  3. 内側へ突出する複数のティース間にスロットを有するステータコアと、前記ステータコアの軸方向の両端部にそれぞれ保持されるインシュレータと、各前記インシュレータを介して各前記ティースにそれぞれ巻回されるコイルとを有し、各相の前記コイルが直列巻きでデルタ結線されるステータと、
    磁石を有して前記ステータの内部で回転可能なロータと、
    前記ステータに固定され、前記ロータの回転を検出する磁気センサと、外周から中心に向けて形成される複数の切欠部と、前記切欠部の間に形成されて放射方向に突出する固定片と、を有し、一方の面に前記磁気センサが、他方の面で前記切欠部の間にリード線の接続部がそれぞれ設けられて、前記固定片は、前記ステータの周方向で、前記インシュレータへのネジ止めと、前記インシュレータに設けたボスが差し込まれる位置決めとに交互に使用されるセンサ回路基板と、を備え、
    前記磁気センサを、前記ロータの回転方向で前記スロットの略中心に対応する位置に設けて、
    前記ロータの正逆何れの回転方向においても、各相の前記コイルへの通電タイミングを所定の進角で進める進み位相制御を実行可能としたことを特徴とする電動工具。
  4. 前記ロータは、前記磁石が固定されるロータコアを有し、
    前記ロータコアの外形は非円形であり、
    前記磁気センサは、前記非円形の前記ロータコアの外形における最外周部が位置する円周上に配置されることを特徴とする請求項2又は3に記載の電動工具。
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