JP6626546B2 - 緩み防止のための脱着型ワッシャ - Google Patents

Description

本発明は、緩み防止のための脱着型ワッシャに係り、さらに詳細には、ワッシャの内外面で締結手段の緩み回転を二重に抑制し、被締結物における振動発生時、締結手段が容易に緩むことを防止することができるようにした緩み防止のための脱着型ワッシャに関する。

一般的に、ボルト及びナットは、通常２個以上に分離される物体を、単一体に締結組み立てる用途として、自動車部品組み立て、電子部品組み立て、家具組み立てなどの多様な分野に幅広く使用されている。かような従来のボルト及びナットの締結構造は、締結対象である被締結物に差し込まれるボルトと、ボルトに螺合締結されるナットとからなる。そして、ボルト及びナットの締結力を向上させ、外部の衝撃及び振動によって緩むことを防止するために、ボルト及びナットの内側には、ワッシャが嵌め込み密着される。

かようなボルト及びナットの締結構造として、締結対象である被締結物を締結するためには、まず、被締結物に形成された嵌め込み孔を介してボルトを貫通させた後、ボルトのねじ部にナットを締結させれば、ボルトにナットが螺合締結される。これにより、被締結物は、ボルト及びナットによって固定される。このとき、ボルト及びナットにワッシャを挿入させることにより、外部の衝撃及び振動による緩みを防止することになる。

しかし、かようなボルト及びナットの結合構造は、外部の衝撃及び振動により、ボルトからナットの締結力が容易に解除されることにより、被締結物に対する締結力が弱化されたり喪失されたりする問題点が生じ、それを解決するために、ワッシャを挿入させ、ボルト及びナットの締結力を維持したが、その場合にも、長期間後には、締結力が緩んでしまい、ボルト及びナットの締結力を完璧に維持させるのには無理があった。

かような問題を解決するために、最近では、ボルト及びナットが締結された後、緩むことが防止されるようにした多様な技術が開発されている。

一例として、「大韓民国公開特許１９９９−０１９８９６：ボルトと溝付きナットとの緩み防止構造」は、ボルト本体の先端には、多数の固定足が形成され、溝付きナットには、前記多数の固定足が嵌め込み結合されるように固定溝が形成されることにより、ボルトと溝付きナットとが締結された後、前記固定足を曲げて固定することになれば、固定足がナットの分離を拘束し、ボルトとナットとの間で緩むことが防止されるのである。

しかし、前述の従来のボルト及びナットの緩み防止構造は、構成が複雑であり、ボルト及びナットの締結及び緩みのための一連の過程が非常に煩わしいという問題があった。

かような問題を解消するために、図１に図示されているように、ボルトヘッド部１０にワッシャ２０を一体で形成し、ワッシャ２０に磁石３０を嵌め込み固定することにより、締結過程において、ボルトが締結しようとする物体に付着した状態で作業がなされる。

しかし、先行文献のように、ボルトのヘッド部１０にワッシャ２０を一体で形成する場合、次のような問題点があった。

第一に、ボルトのヘッド部１０とワッシャ２０とを一体で形成すれば、サイズごとに金型をそれぞれ別途に製作しなければならないので、金型製作に必要となるコストが増加し、全体的な製作単価が増大するという問題点がある。

第二に、物体を締結する過程において、物体の表面平坦度により、ワッシャ２０の損傷がもたらされるが、ボルトのヘッド部１０とワッシャ２０とが一体に形成されており、ボルト全体を交換しなければならないので、効率性の落ちるという問題点があった。

本発明は、前述のような問題点を解決するために案出されたものであり、本発明の目的は、磁力による付着力と、多角溝部の構成とを介する締結手段の回転抑制を介し、被締結物に振動が発生しても、締結手段が容易に緩まないようにした緩み防止のための脱着型ワッシャを提供するものである。

本発明の他の目的は、磁力を介する締結手段との脱着を介し、汎用締結手段に容易に適用されて使用されるようにし、容易な交替作業を介して、維持補修の便宜性向上及びコスト節減がなされるようにした緩み防止のための脱着型ワッシャを提供するものである。

本発明は、前述のような目的を果たすために、被締結物に、ボルトまたはナットの緩み防止のためのワッシャが提供され、前記ワッシャは、ナットまたはボルトヘッド部と、被締結物との間に介在され、中央には貫通ホールが形成された本体と、前記本体に設置され、本体の両側面に向けて磁力を発生させる磁石と、を含み、前記本体の一面には、ボルトのヘッド部またはナットに対応する多角形の多角溝部が形成されたことを特徴とする緩み防止のための脱着型ワッシャを提供する。

このとき、前記磁石は、本体のエッジに沿って複数設置されたことが望ましい。

このとき、前記多角溝部において、各頂点部位ごとに本体の両側に貫通された磁石孔が形成され、前記磁石は、磁石孔に嵌め込み設置されたことが望ましい。

また、前記本体は、金属、または射出成形された樹脂物でもある。

本発明による緩み防止のための脱着型ワッシャは、次のような効果がある。

第一に、磁力を利用して、ボルトまたはナットなどの締結手段を被締結物に付着させることにより、被締結物に振動が発生しても、前記締結手段が緩み方向に回転されることを最大限抑制させることができる。それにより、締結手段の緩み防止力を最大化させることができる効果がある。

第二に、磁力を介して被締結物への付着力を高めることができることにより、ワッシャを射出成形して製作することができることになる。すなわち、ワッシャの材質を樹脂物で製作しても、磁石の磁力により、締結手段が容易に緩むことを防止し、締結力を高めることができるのである。それにより、使用先を多様に増やすことができ、製作コストを節減することができるので、ワッシャの原価を低めることができる効果がある。

第三に、ボルトまたはナットの製作時、ワッシャと一体で製作する必要がないために、ボルト及びナットのサイズごとに、それぞれ金型を別途に製作する必要がなくなる。すなわち、ワッシャが汎用締結手段に、脱着を介して使用されるので、ボルト及びナットの製作コストを節減することができるのである。それにより、経済性を高めることができる効果がある。

第四に、維持補修コストを節減することができる効果がある。ワッシャの破損時、ボルト及びナットの全体を交替させる必要なしに、ワッシャだけ交替して使用することができるので、維持補修コスト節減を介して、経済性を高めることができる。

磁石が設置されたワッシャが、ボルトヘッド部に一体に形成されているところを、底面で示した従来技術によるボルトの底面斜視図である。 本発明の望ましい実施形態による緩み防止のための脱着型ワッシャとナットとを示した斜視図である。 本発明の望ましい実施形態による緩み防止のための脱着型ワッシャにナットが結合された状態を示した底面斜視図である。 図４は本発明の望ましい実施形態による緩み防止のための脱着型ワッシャがナットに結合された後、被締結物に付着された状態を示した断面図である。 本発明の望ましい実施形態による緩み防止のためのワッシャがナットに結合された後、被締結物に、ボルトが結合された状態を示した断面図である。 本発明の他の実施形態による緩み防止のための脱着型ワッシャがボルトに提供されて使用される状態を示した斜視図である。 本発明の他の実施形態による緩み防止のための脱着型ワッシャがボルトに提供されて使用される状態を示した断面図である。

本明細書及び特許請求の範囲に使用された用語や単語は、一般的であったり辞書的であったりする意味に限定解釈されるものではなく、本発明者は、自身の発明を最も最善の方法で説明するために、用語の概念を適切に定義することができるという原則に則り、本発明の技術的思想に符合する意味及び概念に解釈されなければならない。

以下、添付された図１ないし図５を参照し、本発明の望ましい実施形態による緩み防止のためのワッシャについて説明する。

緩み防止のための脱着型ワッシャは、磁石を設置し、締結手段に脱着／付着がなされるようにし、被締結物にも、磁力によって付着されるので、前記被締結物に振動が発生しても、締結手段であるボルト及びナットが、緩み方向に回転されることを抑制することができる技術的特徴がある。

このとき、該ワッシャは、ボルトのヘッド部またはナットが収容される多角溝部を形成し、ボルトまたはナットが、ワッシャ上で容易に回転されることを防止することになる。

緩み防止のための脱着型ワッシャは、図２に図示されているように、本体１００と、磁石２００と、多角溝部３００と、を含んで構成される。

本体１００は、ワッシャの外観を構成し、円形に形成されることが望ましい。

すなわち、本体１００は、通常のワッシャ外観を形成するのである。

前記本体１００は、金属で提供されることが望ましく、本体１００の中央には、貫通ホール１１０が形成される。

前記貫通ホール１１０は、ボルト及びナットの締結時、ボルトのねじ部が通過する通路である。

一方、前記本体１００には、本体１００のエッジに沿って、複数の磁石孔１２０が形成される。

磁石孔１２０は、後述する磁石２００が嵌め込み固定されるための構成であり、後述する多角溝部３００において、上下方向に貫通形成される。

このとき、磁石孔１２０の一部は、本体１００に遮蔽されるが、それに係わる詳細な説明は、後述する。

次に、磁石２００は、ワッシャの本体１００を被締結物に付着させる磁力と共に、締結手段をワッシャの本体１００に付着させる磁力を発生させる。

磁石２００は、本体１００の磁石孔１２０に嵌め込み固定される。

このとき、磁石２００は、磁石孔１２０に対応する形態によってなり、磁石孔１２０の一側一部は、本体１００に遮蔽されて形成されているが、磁石２００は、本体１００の磁石孔１２０他側を介して嵌め込まれて設置される。

このように、磁石孔１２０の一側一部は、図２に図示されているように、本体１００に遮蔽されているために、磁石２００が、本体１００の磁石孔１２０他側を介して嵌め込まれる過程において、前記磁石２００の端部は、本体１００に干渉されるので、ストッパ機能が遂行されることにより、磁石２００の位置が容易にガイドされることになる。

もし磁石孔１２０が多角溝部３００に対して、上下方向に貫通形成されているならば、磁石２００を前記磁石孔１２０に嵌め込む過程において、磁石２００の嵌め込み高さが一律的ではないことになる。

すなわち、複数の磁石２００は、多角溝部３００上において、高さが均一に提供されないので、多角溝部３００にナットを収容させたとき、ナットの嵌め込み均衡も崩れることになるのである。

それにより、前述のように、磁石孔１２０の一側一部が本体１００に塞がれており、かような構成がストッパの役目を提供することになるので、磁石２００の設置時、容易であって均一にバランスを維持させることができることになる。

次に、多角溝部３００は、ワッシャ上にナットを収容させる役割を行い、本体１００の貫通ホール１１０を基準に、本体１００のエッジに沿って、凹溝状に形成される。

ナット、及びボルトのヘッド部は、通常多角形に形成されているが、多角溝部３００は、それに対応する多角形に形成される。

このとき、該ナットは、主に六角形に提供されるので、多角溝部３００も、図２を介して分かるように、六角形に形成される。

このとき、多角溝部３００は、前述のように、本体１００の磁石孔１２０一側一部を横切りながら、本体１００から下方に段差になって形成される。

このとき、磁石孔１２０は、多角溝部３００の各頂点ごとに形成されることが望ましく、それにより、磁石１２０は、多角溝部３００の頂点に対応して設置される。

一方、図示されていないが、前記磁石２００は、本体１００に環形に設置されもする。

すなわち、磁石２００が複数の個別体でなる代わりに、リングタイプの一体に形成され、本体１００に設置されることも可能である。

以下、前述のような構成によってなる緩み防止のためのワッシャの使用について説明する。

ワッシャがナットに適用される場合の例を挙げて説明する。

ナットを多角溝部３００に収容させる。

このとき、磁石孔１２０上で磁力を発生させている磁石２００により、該ナットは、多角溝部３００上に付着され、図３に図示されているように、ワッシャと一体になる。

次に、該ナットが結合されたワッシャを被締結物に付着させる。

このとき、磁石２００の磁力によってワッシャは、被締結物に付着が容易になされ、ワッシャの貫通ホール１１０は、被締結物の通孔に対応する。

次に、図５に図示されているように、ボルト及びナットを締結し、被締結物に締結する。

このとき、該ボルト及び該ナットは、螺合締結を介して、被締結物に締結力を提供すると共に、図５を介して分かるように、ワッシャに結合された磁石２００が被締結物に磁力で付着しているので、被締結物に対するボルト及びナットの締結力は極大化される。

一方、前述のように、ボルト及びナットが締結された状態で、被締結物に振動が発生しても、該ボルト及び該ナットの緩みは、容易に発生しない。

被締結物に振動が持続的に発生する場合、ナットは、緩み方向に回転してしまうが、ナットが結合されたワッシャは、被締結物に磁力で付着しているので、ナットの緩み回転を抑制させることができ、該ボルト及び該ナットの緩みを最大限抑制することができるのである。

それだけでなく、ナットは、ワッシャの多角溝部３００に嵌め込まれているので、該ナットは、多角溝部３００上で干渉され、回転が抑制される。

すなわち、ナットに緩み方向に回転力が発生しても、該ナットは、それと同一多角形の多角溝部３００上に閉じ込められており、該ナットが容易に回転しないのである。

それを介して分かるように、該ナットは、ワッシャの内外面で回転が抑制され、被締結物からの緩みが防止されるのである。

すなわち、ワッシャの磁石２００が被締結物に付着し、一次的に、ナットの回転抑止力を提供し、六角形のナットがワッシャの多角溝部３００に噛み合っており、二次的にナットの回転抑止力を提供することにより、被締結物に振動が発生しても、該ナットの緩み回転が最大限抑制されるのである。

それにより、緩み防止のための脱着型ワッシャを介して、ボルト及びナットの締結力が容易に解除されることを防止することができる。

一方、緩み防止のための脱着型ワッシャは、ナットだけではなく、ボルトのヘッド部に付着して使用されもし、その材質は、射出成形物から製作された樹脂物でも提供される。

それについて、本発明の他の実施形態で提示し、添付された図６及び図７を参照して説明する。

該説明に先立ち、望ましい実施形態と同一構成については、符号を併記し、詳細な説明は、省略する。

図６及び図７に図示されているように、緩み防止のための脱着型ワッシャは、プラスチックでも提供され、ボルトのヘッド部に付着しても使用される。

すなわち、緩み防止のための脱着型ワッシャは、磁石２００の設置により、被締結物に付着力を高め、設置剛性を高めることができ、被締結物に振動が発生しても、磁力によってワッシャの回転が抑制されるので、ボルトの緩み方向への回転を防止することができるのである。

もし磁石２００がない状態で、単にプラスチック材質のワッシャが提供されるのであるならば、小さな振動にも容易に回転し、ボルトが容易に緩んでしまうので、磁石２００がないプラスチックワッシャは、製作され難いのである。

しかし、磁石２００付着を介して、プラスチック材質のワッシャが提供されるので、ワッシャの製作単価を低減させ、使用先を多様化させることができるのである。

以上で説明したように、本発明による緩み防止のための脱着型ワッシャは、磁石２００と、多角溝部３００との構成を介して、ボルトまたはナットが被締結物から緩み方向に回転することを最大限抑制させるという技術的特徴がある。

すなわち、磁石付着を介して、ボルトまたはナットの緩み回転を一次的に抑制し、多角溝部に噛み合っているボルトまたはナットの緩み回転を二次的に抑制することにより、被締結物からのボルト及びナットの緩み防止力を極大化させることができるのである。

特に、被締結物に振動が発生しても、ワッシャにより、ボルト及びナットが緩み方向に回転することが抑制されるので、ボルト及びナットの緩みが容易に発生しなくなる。

それにより、ユーザの満足度を高め、使用先を多様化させることが可能になる。

以上、本発明は、記載された具体例について詳細に説明されたが、本発明の技術思想範囲内において、多様な変形及び修正が可能であるということは、当業者において明白なことであり、かような変形及び修正は、特許請求の範囲に属するということは言うまでもないのである。

本発明の、緩み防止のための脱着型ワッシャは、例えば、締結関連の技術分野に効果的に適用可能である。

１０ ボルトヘッド部
２０ ワッシャ
３０，２００ 磁石
１００ 本体
１１０ 貫通ホール
１２０ 磁石孔
３００ 多角溝部

Claims (2)

1. 被締結物に、ボルトまたはナットの緩み防止のためのワッシャが提供され、
   前記ワッシャは、
   ナットまたはボルトヘッド部と、被締結物との間に介在され、中央には、貫通ホールが形成された本体と、
   前記本体に設置され、本体の両側面に向けて磁力を発生させる磁石と、を含み、
   前記本体の一面には、ボルトのヘッド部またはナットに対応する多角形の多角溝部が形成されており、
   前記磁石は、
   本体のエッジに沿って複数設置されており、
   前記多角溝部において、各頂点部位ごとに本体の両側に貫通された磁石孔が形成され、前記磁石は、磁石孔に嵌め込み設置されており、
   磁石孔の一側一部は、本体に遮蔽されていることを特徴とする緩み防止のための脱着型ワッシャ。
2. 前記本体は、金属、または射出成形された樹脂物であることを特徴とする請求項１に記載の緩み防止のためのワッシャ。
   

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