上記の通り、業務システムにおけるクライアント端末として、携帯情報端末を利用する事は既に実施されている。そして、携帯情報端末が実装しているオペレーティングシステム(以下、「OS」とも言う)に起因する問題も認識されており、この問題を解決する技術として、特許文献1などが提案されている。
しかしながら、前記特許文献1は仲介サーバの構築が必要となり、仲介サーバは業務システムに応じた設計が必要になってしまい、業務システムの開発とは別に、仲介サーバ用のアプリケーション開発が必要になる。その結果、新たな業務システムを開発する際には、システム開発の工数が増加してしまい、開発期間が長くかかるとともに開発コストが嵩むという問題があった。
そこで本発明は、サーバ装置側のアプリケーションを実行できないオペレーティングシステムを実装しているクライアント端末であっても、仲介サーバを経由することなく、サーバ装置と連携できるようにしたデータ収集装置及びこれを使用したデータ収集・照会システムを提供する事を第1の課題とする。
また、本発明ではサーバ装置との間でデータの送受信を行うクライアント端末として携帯情報端末を使用する際に、サーバ装置とは異なるプラットフォーム(オペレーティングシステムを含む)からなる携帯情報端末であっても、サーバ装置側に設けられたアプリケーションの仕様通りの表示画面を携帯情報端末に表示させることのできるようにした、データ収集装置及びこれを使用したデータ収集・照会システムを提供する事を第二の課題とする。
更に従前においては、サーバ装置側に設けられたデータベースに対して、クライアント端末からのデータを入力しようとする場合でも、サーバ装置とクライアント端末とにおけるプラットフォームの違いを考慮し、この問題を克服したアプリケーションの開発が必要であった。
そこで本発明は、それぞれのプラットフォームに依存することなく、データの送受信を実現し、サーバ装置側にクライアント端末から各種の情報を登録できるようにした、データ収集装置及びこれを使用したデータ収集・照会システムを提供する事を第三の課題とする。
上記課題の少なくとも何れかを解決する為に、本発明では、android端末などの様に、プラットフォームが異なる端末においても正確に表示できる画面を、簡易に作成できるようにしたクライアント端末用画面作成装置を提供するものである。
即ち本発明では、前記課題を解決する為に、第1に、ネットワークを介して接続されたクライアント端末に表示する為の画面を作成するクライアント端末用画面作成装置であって、クライアント端末から入力される複数の入力領域を備えたドキュメントを、当該クライアント端末の画面に表示する為のレイアウト情報をパラメータ化するレイアウト作成手段と、前記ドキュメントにおける複数の入力領域の夫々について識別記号を付与すると共に、各識別記号について、入力領域の属性情報をパラメータ化して設定する入力領域属性設定手段とを具備し、前記レイアウト作成手段でパラメータ化したレイアウト情報、及び入力領域属性設定手段でパラメータ化して設定した属性情報を、当該ドキュメントごとに記憶手段に保持するようにしたクライアント端末用画面作成装置を提供する。
上記クライアント端末から入力される複数の入力領域を備えたドキュメントは、各種のアプリケーションで作成したドキュメントであって、少なくとも文字、数字及び図形の少なくとも何れかを入力できるように構成されたファイルである。例えば、表計算ソフトで編集可能なドキュメントである他、系統立てて各種のデータを保存するデータベースソフトで編集可能なドキュメント、或いは文書作成ソフトで編集可能なドキュメントであってよい。
また、前記クライアント端末は、上記本発明にかかるクライアント端末用画面作成装置が実装しているオペレーティングシステムとは異なるオペレーティングシステムを実装している端末であって良い。例えば、上記本発明にかかるクライアント端末用画面作成装置のオペレーティングシステムがマイクロソフト社のWindows(登録商標)である場合、前記クライアント端末のオペレーティングシステムは、android(登録商標)やiOS(登録商標)であって良い。特に、上記クライアント装置が、携帯電話やタブレット型パーソナルコンピュータ(以下「タブレットPC」)等の携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistant)であって、入力手段としてタッチパネルを備える場合には、携帯性や操作性において望ましいものとなる。
即ち、クライアント端末用画面作成装置であれば、正常に動作するアプリケーションであっても、オペレーティングシステム等のプラットフォームが異なる装置(即ち、クライアント端末)においては、正常に表示及び動作しない場合もある。そこで本発明にかかるクライアント端末用画面作成装置では、このようなアプリケーションであっても、クライアント端末において正確に画面表示させることができ、かつ動作できるようにするものである。
したがって上記本発明にかかるクライアント端末用画面作成装置では、前記レイアウト情報及び属性情報は、当該クライアント端末用画面作成装置のオペレーティングシステムとは異なるオペレーティングシステムを実装しているクライアント端末の画面に表示させる為に設計されているのが望ましい。具体的には、上記レイアウト作成手段におけるレイアウト情報のパラメータ化、及び入力領域属性設定手段における入力領域の属性情報のパラメータ化は、当該入力画面を表示させるクライアント端末の画面に表示でき、更に望ましくはクライアント端末用画面作成装置で設計した通りに動作するようにパラメータ化する事が望ましい。
但し、上記本発明にかかるクライアント端末用画面作成装置で作成するレイアウト情報及び属性情報は、当該クライアント端末用画面作成装置(サーバ装置)のオペレーティングシステムと同じオペレーティングシステムを実装しているクライアント端末の画面に表示させる為に設計されていても良い。クライアント端末が装備するデバイスに応じた動作コマンドや、表示装置の解像度などに適合させるためである。
したがって、本発明にかかるクライアント端末用画面作成装置では、クライアント端末が実装する様々なオペレーティングシステムに対応した表示画面を、文書マスターとして作成する事ができる。そして、クライアント端末側には、それぞれのオペレーティングシステムに応じて、クライアント端末用画面作成装置が作成した文書マスターを正確に表示し、かつ動作するように関連付けたクライアント側プログラムを導入しておく。これにより、実際の業務に使用する帳票や伝票を、本発明にかかるクライアント端末用画面作成装置で作成し、これをサーバ装置として機能するクライアント端末用画面作成装置に保存しておくことにより、オペレーティングシステムが異なる様々なクライアント端末からアクセスし、サーバ装置に対してデータを送信したり、或いはサーバ装置のデータを照会することもできる。
本発明のクライアント端末用画面作成装置によれば、クライアント端末で正確に表示する為の画面を簡易な操作で作成でき、且つ設計通りに動作させる事ができるのであるから、業務システムごと、或いはマスターファイルごとにクライアント端末用のプログラムを設計・作成する必要が無くなり、ネットワークシステム開発の作業工数等を大幅に減じる事ができる。即ち、新たな文書マスターを作成する際にも、上記処理により、レイアウト情報及び属性情報を設定するだけで、クライアント端末用プログラムの開発を不要としながらも、クライアント端末に正確に表示させ、入力または呼び出し処理を実行する事ができる。
特に上記本発明にかかるクライアント端末用画面作成装置において、電子化するドキュメントは、表形式ドキュメント、ワープロ形式ドキュメント、画像形式ドキュメント等の各種のドキュメントであって良い。但し本発明においては、前記入力領域はセル形式であって、前記ドキュメントは表形式で作成されているのが望ましい。タブレット型パーソナルコンピュータ等における操作性が向上し、業務システムとの連携を図りやすいためである。
ここで、セルとは、入力画面上に、集計用紙のように並んで表示される格子状のマス目であり、表形式とは、当該セルが複数設けられている形式である。そして、このセル毎にデータを入力することで表を作成することができ、このセルには、単に数値や文字列だけでなく数式を入力することができることから、個々のセルを指定して、それぞれに対する計算式を設定する事ができる。この表形式のデータはスプレッドシートまたは単にシートとも呼ばれている。このような表形式のドキュメントは、数値データの集計・分析に用いられるアプリケーションソフトウェアによって作成・編集可能であり、例えばマイクロソフト社のエクセルによって作成・編集する事ができる。
そして、上記の様にドキュメントが表形式で作成されている場合には、前記レイアウト作成手段がパラメータ化するレイアウト情報は、ドキュメントにおける入力対象のセルの大きさに関する情報を含み、前記入力領域属性設定手段がパラメータ化して設定する入力領域の属性情報が、入力対象のセルに入力した値に基づいた、演算式、並びに外部データベースとの間における情報の読み出し及び書き出しの少なくとも何れかを指示するコマンド情報を含んでいる事が望ましい。
特に、前記入力領域の属性情報が前記コマンド情報を含んでいる場合には、当該コマンドの実行により様々な演算や外部データの読み込み、又は外部データへの書き出しを行う事が可能になる。したがって、外部のデータベースや業務システムとの連携を実現する事ができる。
上記の様に、ドキュメントが表形式で形成されている場合には、従前においては紙で作成されていた伝票類をデータ化することができ、これによりペーパレス化を図る事ができる。したがって、製造、物流或いは医療などの場面において使用されていた各種の書面、例えば生産管理票、在庫管理票、出荷指示書、カルテなどをペーパレス化することができ、データを集約することができ、更にこれら書面の紛失の問題などを解消する事ができる。
また本発明では、前記課題の少なくとも何れかを解決する為に、前記クライアント端末用画面作成装置をサーバ装置として使用し、当該サーバ装置にネットワークを介して接続されたクライアント端末からデータを取得又は送信するように構成したデータ収集・照会システムを提供する。かかるデータ収集・照会システムは、クライアント端末として使用するタブレットPC等の携帯情報端末における入力データを収集し、入力されたデータを指定の出力イメージ通りにサーバ装置に変換して保存すると共に、印刷媒体や画面等に出力することができ、望ましくは更に携帯情報端末からの操作で、サーバ装置内に保存されているデータを当該携帯情報端末に読み出す事ができるシステムとして定義する事ができる。
即ち、データ収集装置として機能するサーバ装置と、当該サーバ装置に対してデータを送信するか又はサーバ装置に保存されているデータを照会するクライアント端末とからなるデータ収集・照会システムであって、前記サーバ装置は、クライアント端末に表示する為の画面を作成する、前記本発明のクライアント端末用画面作成装置であり、前記クライアント端末は、前記サーバ装置におけるパラメータ化されたレイアウト情報及び属性情報に基づいて、表示画面を作成する画面出力手段を具備しているデータ収集・照会システムである。
かかるデータ収集・照会システムによれば、サーバ装置は前記したクライアント端末用画面作成装置で構成されていることから、クライアント端末で表示する為の画面を簡易に形成する事ができる。しかも、この画面は、クライアント端末用画面作成装置とは異なるオペレーティングシステムを搭載しているクライアント装置でも、画面設計通りに正確に表示し、動作するように構成している事から、例えばandroidを搭載しているタブレット端末であっても、クライアント端末用画面作成装置で設計した画面を正確に表示させ、かつ動作させることができる。よって、サーバ装置側のアプリケーションを開発するたびに、クライアント端末のアプリケーションを開発する必要がなくなり、アプリケーション開発のコストを削減し、期間を短縮する事ができる。
また、上記データ収集・照会システムにおいて、前記クライアント端末は、前記画面出力手段が出力した画面における入力を受け付けると共に、当該入力された情報を保存するデータベースを具備するものとして構築する事ができる。このように入力情報をクライアント端末内に保存する事により、例えばネットワーク環境が整っていない所で入力したデータであっても、そのままローカル環境でクライアント端末内のデータベースに保存する事ができる。そしてこの保存したデータは、ネットワークを利用できる環境に移動した段階で、前記サーバ装置にアップロードする事ができる。
そして上記本発明にかかるデータ収集・照会システムでは、此れを構成する前記サーバ装置は、前記クライアント端末における入力項目に対する入力情報を取得すると共に、当該取得した入力情報の少なくとも何れかを積算する集計手段を備える事が望ましい。例えば複数のクライアント端末から送信されたデータの内、加工数量データや発送数量データなどを積算することにより、現在の作業量を集計する事ができ、また現在完了している作業量から、当日の作業量を予測したり、或いは作業終了時刻を予測する事もできる。
上記サーバ装置とクライアント端末とからなるデータ収集システムにおいて、そのネットワーク構成は、ローカルエリアネットワークである他、インターネットなどの様なワイドエリアネットワークであって良い。また当該サーバ装置がインターネット上に設けられているクラウドサーバ装置であってよく、この場合にはSaaS(Software as a Service)やPaaS(Platform as a Service)等を通じて、上記のクライアント端末用の画面作成処理を実施する事ができる。
また、このデータ収集システムがローカルエリアネットワークで構成される場合には、サーバ装置に対するクライアント端末のアクセスの許可はルーティング装置によって管理する事ができ、更にパスワード等によるアクセス認証によって管理する事もできる。またインターネットなどを介してクライアント端末がサーバ装置にアクセスする場合には、ユーザIDやパスワードの入力を要求する等、アクセス管理手段を設ける事が望ましい。
上記本発明にかかるクライアント端末用画面作成装置やデータ収集・照会システムによれば、クライアント端末用画面作成装置によって、オペレーティングシステムが異なるシステムでも正確に表示できる画面を簡易に設計できる事から、サーバ装置側のアプリケーションを実行できないオペレーティングシステムを実装しているクライアント端末であっても、仲介サーバを経由することなく、サーバ装置と連携できるようにしたデータ収集装置及びこれを使用したデータ収集・照会システムを提供する事ができる。これによりアプリケーションの開発工数や期間を短縮する事ができる。
また、本発明ではサーバ装置との間でデータの送受信を行うクライアント端末として携帯情報端末、特にサーバ装置とは異なるプラットフォームからなる携帯情報端末を使用した場合であっても、サーバ装置側に設けられたアプリケーションの仕様通りの表示画面を携帯情報端末に表示させることのできることから、様々な業務において、簡易にペーパレス化を推進する事ができる。
更に本発明によれば、プラットフォームが異なる端末でも設計通りに動作させることができる事から、オペレーティングシステムが異なる様々な端末との間でデータの送受信を実現し、サーバ装置側にクライアント端末から各種の情報を登録できる。
以下、図面を参照しながら本実施の形態にかかるクライアント端末用画面作成装置10及びデータ収集・照会システム50を具体的に説明する。特に本実施の形態では、クライアント端末20に表示させる画面の設計はマイクロソフト社のエクセルを用いて構成した例を示している。
図1は本実施の形態にかかるデータ収集・照会システム50の全体構成を示すシステム構成図であり、図2は写真撮影及び入力画面であり、図3は当該データ収集・照会システム50における各構成要素の内部処理を示すフローチャートであり、図4はクライアント端末用画面作成装置10の機能を示す略図であり、図5〜7はクライアント端末20に表示させる画面を規定した文書ファイルを作成する際の設定画面を示す略図である。
図1に示す様に、本実施の形態にかかるデータ収集・照会システム50は、データを収集する為のサーバ装置11と、このサーバ装置11に対してデータを送受信するクライアント端末20と、クライアント端末20の表示画面をサーバ装置11に作成する画面作成端末12と、サーバ装置11に蓄積されたデータを利用する外部処理装置30とで構成されている。
上記サーバ装置11には、クライアント端末20で表示する為の画面を作成する為のソフトウエアとして、文書作成ツールが導入されており、当該文書作成ツールは、前記画面作成端末12の操作によって処理・実行されるように構成されている。即ち、画面作成端末12を操作する事により、製造記録書、機器保守点検記録書、発送指示書などのような文章をExcel形式で作成し、レイアウト及び属性を設定してコード化した上で、入力画面(文書マスター)としてサーバ装置11に保存する。この入力画面の作成に際しては、入力場所、レイアウト及び書式のみならず、入力されたデータに基づいた演算や外部データの読み込みや書き出しなどのコマンドを指定する事ができる。よって、この画面作成端末12は、サーバ装置11に接続されると共に、通信装置、入出力装置、表示装置、および中央処理装置(CPU)を具えて構成される。
また、このサーバ装置11が実装する文書作成ツールでは、セルの種類乃至は入力項目として、文字・数字・日付・時間・画像などの区別の他、表示のみの設定を行う事ができる。またセルの種類乃至は入力項目としてチェックボックス、リストボックス、ボタンなどを設定する事もできる。また、セルの幅、高さ、統合、色などを自由に設定でき、文字の大きさや色についても設定する事ができ、罫線の種類や幅なども設定する事ができる。
更にクライアント端末20がカメラなどの撮影手段を備える場合には、入力項目として、撮影手段で撮影した画像を自動的に貼り付けるように設定する事ができる。図2(A)は、写真の撮影及び画像の取り込みを行う入力欄を表示した画面21を示している。この図に示す様に、任意のセル22にカメラ撮影を実行するコマンドを設定し、他のセル23には、図2(B)に示す様に、当該コマンドの実行により撮影された画像が、自動的に取り込まれ、これをサーバ装置11に送信するように構成する事ができる。また同じように、バーコード等の二次元又はQRコード(登録商標)などの三次元コードの読み取りを可能にすることができ、画面に表示させた読み取りボタンを操作する等によって、クライアント端末20が具える撮影手段(カメラなど)を動作させて、二次元又は三次元コードを読み取り、読み取ったデータを取り込むことができる。
上記クライアント端末20がタッチパネルを備える場合、入力項目としてペン入力を設定する事もできる。例えば、作成する文書マスターが電子カルテなどの場合には、診断結果の場所を画面上にペン入力できる事が望ましい場合もあるためである。かかるペン入力の項目については、当該ペン入力情報をイメージデータとして保存するように属性情報を設定する事ができる。具体的には、当該セルの選択などにより、PHPコマンドを実行して、ペン入力待機画面を表示させ、入力されたイメージデータを保存することができる。
各セルに対する入力項目としては、入力文字数、入力・表示書式、入力許容範囲、承認の確認、アクセス時のセキュリティー項目などを設定する事ができ、更にExcel関数などの計算機能を設定する事もできる。そしてタブレットPC20に表示している画面には、サーバ装置11に保存されている画像などのデータを読み出して表示させることもでき、更に入力されたデータやサーバ装置に蓄積されているデータに基づいたグラフを表示させることもできる。そして蓄積したデータの利用の点においては、各種アプリケーションで使用できるようにcsv形式に変換して出力したり、入力表のイメージで印刷する事ができ、また運送会社に対する送り状等を作成する為または上位システムとの連携を実現する為に、任意のデータを出力することもできる。
上記画面作成端末で入力画面を作成した際には、これを実際に運用するか否かについて、別途承認操作を付加する事もできる。即ち、作成した入力画面が使用者の設計に合致しており、設計通りに動作するか否かを検証した上で、この検証に問題が無ければサーバ装置11に、クライアント端末20からアクセス可能な状態に登録して運用する事ができる。
上記サーバ装置11は、ネットワークを介して、クライアント端末20に対して入力画面を送信し、クライアント端末20の操作によって入力されたデータを受付け、これを保存するように構成する。したがってこのサーバ装置11は、前記画面作成端末12の操作で作成した文書データと、クライアント端末20の操作で取得した入力データと、この入力データを上位システムと連携する為に保持する中間テーブルとをそれぞれ保存するデータ保存手段を備える。このサーバ装置11に、出力用形式のExcel(文書マスターデータ)を登録することにより、収集したデータの連携を図り、その様式で出力することも可能となる。
上記クライアント端末20は、タブレットPC20等の携帯情報端末を用いて構成する事ができる。かかるタブレットPC20は、タッチパネルを備えており、データの入力の簡素化を図る事ができると共に、可搬性が優れている事から作業現場において持ち運びながらデータを入力し、必要な情報を取得する事ができる。かかるクライアント端末20は、サーバ装置11内に保存されている文書データにアクセスして、当該文書データによって規定されている入力画面データを表示画面に表示させ、データの入力操作を受け付ける事ができる。そして入力されたデータは、サーバ装置11に送信すると共に、当該クライアント端末20が任意に具備するSDカードなどのメモリ装置に保存する事もできる。また、当該クライアント端末20に保存する際には、入力項目に対してコマンドを規定し、SQLite等のデータベースに保存するように構成する事ができる。
かかるクライアント端末20は、前述の様にタブレットPC20を用いて構成する事が望ましく、更に、サーバ装置11に対してデータの送受信を実現する為のWi-Fi通信装置、カメラなどの撮影手段、マイクなどの音声入力装置を伴っている事が望ましい。特に、撮影手段を具備する事により、当該クライアント端末20における入力データとして、撮影画像を含める事ができる為である。
そして上記サーバ装置11とクライアント端末20とは、オペレーティングシステムが異なっていても良い。即ち、サーバ装置11がWindows(OS)を搭載し、クライアント端末20はandroid(OS)を搭載していても良い。このような場合であっても、前記サーバ装置11は、android端末でも正確に表示でき且つ実行できる形式で文書データを保持できる為である。即ち、サーバ装置11は、このような形式で文書データを作成する為に、文書作成ツールを実装している。
上記外部処理装置30は、サーバ装置11に蓄積されたデータを利用する外部処理装置30であり、基幹システム等の他、様々なアプリケーションを実装している外部装置で構成する事ができる。かかる外部処理装置30で、サーバ装置11が収集したデータを活用する為に、当該サーバ装置11は前記中間テーブルを具えている。
次に、図3を参照しながら、クライアント端末用画面作成装置10として機能するサーバ装置11における入力文書の作成・登録手順、タブレットPC20で構成されたクライアント端末20における処理内容および、クライアント端末20から送信されたデータの保存・活用処理を説明する。
先ず図3(A)の「入力文書の作成・登録処理」に示す様に、サーバ装置11に保管する文書データは、検査書等、紙に印刷されている伝票や帳票の様式に沿って作成する。即ち、クライアント端末用画面作成装置10において文書作成ツールを実行し、表計算ソフト(Excel等)のアプリケーションで表形式シートを作成する(A31)。そしてこの作成した表形式シートを使用して、クライアント端末20に出力する際のレイアウトを設定する(A32)。そしてこのレイアウトにおける夫々の入力領域(入力セル)に対して、アドレスを設定し、このアドレスについて入力領域に対する属性を設定する(A33)。その後、当該文書作成ツールにより、クライアント端末20における表示及び処理内容が、当該クライアント端末用画面作成装置10における表示及び処理内容と同じにする為に、表形式シートにおけるセル情報をパラメータ化して、クライアント端末20がアクセス可能な状態に記憶手段に保存する(A34)。この時、パラメータ化する内容としては、セルの幅、高さ、色、文字、罫線、セルのタイプ(文字、数字等)、コマンド等を含むことができ、これらの情報をパラメータ化する事ができる。またこのように作成した文書マスターデータは、クライアント端末用画面作成装置10(特に、サーバ装置11)が実装するMySQLやSKサーバ(オラクル社)等のデータベースに登録する事ができる(A35)。かかるデータベースは、既存のものを使用する事ができ、そのデータモデルは、階層型、カード型、ネットワーク型、リレーショナル、オブジェクト指向等、データの使用目的や用途に応じて適宜選択する事ができる。
次に、図3(B)の「文書呼び出し処理」を参照しながら、クライアント端末用画面作成装置10(サーバ装置11)に保存された文書ファイル(文書マスターデータ)を、クライアント端末20側で呼び出す処理を説明する。クライアント端末20側には、予めサーバ装置11内に保存されている文書ファイルを正確に読み出すためのクライアント側プログラムがインストールされている。このプログラムは、パラメータ化された値を読み出して、android(OS)の環境下において、文書ファイルを正確に表示し、且つ動作するように構成されている。この文書ファイルの読み出しは、PHP(Hypertext Preprocessor)等の言語で規定されたスクリプトによって実行する事ができる(B31)。そしてサーバ装置11からダウンロードされた文書ファイルは、前記クライアント側プログラムによって、パラメータ化された画面レイアウト設定や属性設定などが解析されて(B32)、解析された画面を表示させる。表示された入力画面は、それぞれの入力セルごとにパラメータが解析され、パラメータ化されたレイアウト設定情報を解析して画面表示レイアウトを決定し、タブレットPC20の表示装置に入力画面を表示させる。そしてパラメータ化されたセルごとの属性設定情報を解析し、この属性設定情報により、入力、編集、関数の実行、コマンドの実行などを制御して、入力項目に対してデータの入力を可能としている(B33)。
次に図3(C)の「データ入出力処理」を参照しながら、クライアント端末20におけるデータの入出力処理の流れを説明する。この処理に際しては、予め入力画面がタブレットPC20に表示されている事が必要である。そしてタブレットPC20の画面に表示されている入力項目に対して所定のデータを入力すると、その値はクライアント側プログラムによって、サーバ装置11内に規定されているデータベースに書き出される(C31)。そして書き出された値は、PHP等のスクリプトに渡されて、リレーショナルデータベース(例えばMySQL)等のデータベースに書き出す事ができる(C32)。そしてデータベースに保存されたデータは、入力レコードのイメージのcsv形式にして出力する他、プリントイメージのExcel形式にして出力する事ができ、更に特定のデータだけを各種帳票に出力するように構成しても良い(C33)。よってリレーショナルデータベース(例えばMySQL)等のデータベースに登録したデータは、その後に外部処理装置30で利用できるように構成している。また、リレーショナルデータベース(例えばMySQL)等のデータベースに書き出した値は、複数のオペレーティングシステムに対応したランタイム等を使用して進捗状況のグラフなどとして出力する事もできる(C34)。
以上のような処理により、図4に示す様に、従来紙形式で作成された帳票などの文書41を、様式をそのままにして電子化し、サーバ装置11に保存する事ができる。そしてこのサーバ装置11に保存されている文書データ42は、クライアント端末20(タブレットPC等)で読み出して、その画面に表示させる事ができ、当該画面上でデータを入力することで、従前において紙形式で伝達・保存していた情報を管理する事ができる。
次にクライアント端末20に表示させる画面を規定した文書ファイルを作成する際の流れを、図5〜7に示す各設定画面を参照しながら説明する。この文書ファイルの作成に際しては、最初に文書情報を登録し(図5)、登録した文書について画面デザインを設計し(図6)、この画面デザインにおける入力項目について属性を設定(図7)する流れとなる。
図5は、文書情報を登録する為の設定画面である。この処理では、作成する画面デザイン及び属性シートに対して、設定項目などを登録することになる。画面デザイン及び属性シートは任意のシート名で登録する事ができ、登録した文書登録情報によってドキュメントライフサイクル等を管理する事ができる。この文書登録の設定画面では、第1に当該文書データにアクセスする端末情報51と文書情報52を登録し、第2にクライアント端末20に表示するシート情報53を登録する。
前記端末情報51としては、端末装置の幅画素数、縦画素数及び文字サイズ等の端末装置に関する情報を登録し、文書情報52としては、文書版番号、文書名や説明などの記述、改版番号、文書データのリリース日等の文書に関する情報、文書グループの管理番号や文書グループ名などの文書データの分類情報、文書をクローズした後の認証に使用する職制などの職制区分及び文書クローズ後の動作を規定するPHPファイル名などのパラメータ等の文書クローズ後認証情報を登録する事ができる。
また前記シート情報53の登録では、画面デザインを規定しているシート名と、当該シートに対応する属性シートのシート名を登録する。そしてクライアント端末20において画面名として表示する名称を規定する記述、また表示画面上に入力属性のセルが規定されている場合には、入力を開始したいセルについて連続番号のアドレス値を設定する開始アドレス、入力画面を表示した時に、画面上に入力用のキーボードを表示させるか否かの規定、クライアント端末20に表示する際の画面の向きが縦置きか横置きかについての規定、定形か否か等の文書タイプの規定、画面に表示する際の罫線の色についての規定、画面描画時にセルの角の丸み表示の有無についての規定、セルの角に丸みを付ける場合において線幅や丸みの半径についての規定、入力値の表示位置をセル内にするかキーボード上の表示部にするかに関する入力値表示の規定、印刷時における用紙の幅、高さ、上下左右の余白、ヘッダを頁ごとに印刷するか先頭頁にのみ印刷するか等の印刷様式についての規定をそれぞれ設定する事ができる。
そして、上記のような各設定項目について設定が完了した後に、当該登録した文書について画面デザインを設計する。図6は、この画面デザインの設計状態を示す画面である。この図6に示す画面デザイン設計画面60において、文書(表示画面)の設計を行う。この画面デザイン設計画面60において、入力や表示を行う箇所(セル)61には、連続番号からなるアドレスなどの識別記号を指定する。そして固定表示項目は、クライアント端末20で表示する内容で画面を設定する。また入力セル61において、コマンドの実行の際に、データを保管する変数を使用する箇所には、特定の識別記号(図では「%」)から始まる変数名を指定する。そしてこのように設計した画面61において、固定表示項目のセル62については、その大きさや書式、色、並びに罫線、セルの連結、及び選択や入力を行わない状態における文字の大きさや色、背景、文字寄せなどは、そのままパラメータ化されて文書データとして承継される。
この画面デザイン設計画面60において、1行目のセル63には連続番号を指示しており、連続番号を記入している個所までを画面範囲と認識するように設定する事ができる。またこの画面デザイン設計画面において、1列目のセル64は、行の属性を識別する為のセルとして使用しており、図面では記号「H」をタイトル欄、記号「D」を入力欄として設定している。そしてこの記号が未表記になるまでを画面の範囲として認識するように設定する事ができる。更にこの画面デザイン設計画面において、2列目のセル65は画面表示や印刷の区分を設定する欄として使用する事ができる。本実施の形態では、無指定の場合には画面表示対象且つ印刷対象とし、記号「P」を指定している場合には印刷のみの対象とし、記号「D」を指定している場合には画面表示のみの対象とし、記号「F」を指定している場合には当該行以降を改頁するように規定している。改頁を設定する事により、タブレットPC等の様にタッチパネルを搭載するクライアント端末20では、横スクロールによって画面を改頁する事ができる。
上記の様に画面デザインを設計した後においては、各入力項目について属性を設定する。図7は各入力項目(セル)について属性を設定する為の属性設定画面70を示している。この属性設定画面70では、前記画面デザイン設計画面60で、入力や表示を行う箇所(セル)61に登録したアドレス値に対して属性を設定する。本実施の形態では属性設定画面70に表示されている行の順でフォーカスを移動させるように設定しており、よって前記アドレス値に関係なく、入力順(フォーカスの移動順)を設定する事ができる。
この属性設定画面70において、タイトル行の「セルタイプ」とはセルの形式を指定する項目欄71であり、画面への表示又は入力内容により、任意の記号を指定する事ができる。本実施の形態では、数字入力セルには記号「N」、コード及びバーコード入力セルには記号「C」、日付入力セルには記号「D」、時間入力セルには記号「T」、ボタンを設置するセルには記号「B」、チェックボックスを設置するセルには記号「X」、トグルボタンを設置するセルには記号「G」、リスト表示を設定するセルには記号「L」、キーボード文字変更入力セルには記号「K」、備考などの様に日本語を入力するセルには記号「J」、文字や画像などを差し込んで表示するセルには記号「A」、従業員認証を行うセルには記号「E」を設定するように作成している。
このセルタイプ欄71で設定したセルの形式に応じて、「書式編集」の欄において、入力値の書式を設定する事ができる。即ちセルタイプ欄71の設定が「N」(数字入力)である場合には、入力値に対して、「#」「0」「,」等の記号を用いた表示形式を指定する「書式編集」、及び四捨五入、切り上げ、切り捨て等の「まるめ方法」を設定する事ができ、セルタイプ欄71の設定が「T」(時間入力)である場合には、入力値に対する表示書式を設定する事ができる。例えば「HH時MM分」の書式を設定した場合には、入力値「1132」に対して「11時32分」の表示が行われる。同様にセルタイプの設定が「D」(日付入力)の場合にも、入力値に対する表示書式(MM月DD日等)を設定する事ができる。
そしてセルタイプ欄71の設定が「A」(差し込み表示)である場合には、差し込み表示する値の内容に従い、セルタイプを先頭に表記した上で、表示書式を設定する。例えば数字を読み込んで表示する場合には、「"N","###,###"」と設定する事により、差し込む値が「2000」である場合には「2,000」の表示が行われる。
また、「データ(固定値)」の欄は、セルタイプ欄71に「B」(ボタン)又は「G」(トグルボタン)が設定されている場合に、ボタンに表示する文字を指定するものである。またセルタイプ欄に「C」(コード入力)が設定されている場合には、この「データ(固定値)」の欄に登録したテキストが入力セルに表示される事になる、
そして上記セルタイプ欄71の設定に応じて、「パラメータ」欄に各処理内容をパラメータで規定する。例えばセルタイプ欄71の設定が「L」(リスト表示)の場合には、表示するテキストを登録する事ができ、例えばダブルコーテーションで囲んで、カンマ区切りで表示テキストを設定する事ができる。また、表示テキストは外部データベースから読み込んで表示する事もでき、この場合には、例えば「php:」で始まるパラメータ値の場合には、キー値を条件にPHPファイルを実行し、データベースを参照して表示するテキストを取得してリストに表示することができる。またセルタイプ欄71の設定が「X」(チェックボックス)の場合にはチェックボックスの色を指定し、当該設定が「K」(キーボード文字変更入力)の場合には、適用する数字と変更する文字をコロンで繋いで登録する事ができる。また当該設定が「B」(ボタン)の場合で、前記シート情報の登録で角に丸みをつける事を選択した場合には、ボタンの枠線の太さや色を指定する事ができる。更にセルタイプ欄71の設定が「E」(従業員認証)の場合には、認証処理を行う職制区分と、処理を規定したPHPファイル名を指定し、従業員テーブルなどのデータベースから認証するデータを参照し、認証結果によりテキストを登録する様に設定できる。このPHPファイルでは、指定した従業員コードとパスワードを条件にデータベースから職制、従業員名を取得するように構成できる。
また「記述」の欄には、セルに入力する値の記述や内容などの説明を設定する。当該入力画面をタブレットPC20に表示させて入力する際に、キーボードの入力欄にこの値を表示させることができる。
「アドレス値」の欄には、前記画面デザイン設計画面で指定したアドレス値であって、表示や入力を行う対象のセルについて付与したアドレス値を登録する。本実施の形態において、アドレス値は記号「@」から始まる小文字列で構成するものとし、1入力画面中で重複しないように規定する。
また「フォーカス時」の欄には、指定のセルがアクティブ(入力可能状態)になった時に、キーボードを表示させるか否かをon/offで指定する「キーボード」の指定欄、セルがアクティブになった時のセルの背景色を指定する「背景色」の指定欄、及びセルがアクティブになった時のセル内に表示する文字の色を指定する「文字色」の指定欄を設け、入力画面においてアクティブになったセルの表示形式を規定する。
また「入力時」の欄には、セルに入力値が有る場合のセルの背景を指定する「背景色」の指定欄、セルに入力値が有る場合のセル内に表示する文字色を指定する「文字色」の指定欄を設け、入力画面での入力時におけるセルの表示形式を規定する。
「社内規格範囲」の欄には、社内で定めている規格の下限値及び上限値を、それぞれ「下限値」欄及び「上限値」欄に、数字、変数、アドレスによって設定する。そして「不等号」欄には、夫々の「下限値」欄及び「上限値」欄と比較する記号(「<」,「<=」,「=<」,「>」,「>=」,「=>」等)を指定する。例えば入力値の下限値が「40以上」の場合には、下限値に「40」、不等号に「<=」を設定し、上限値が「70以上」の場合には、上限値に「70」、不等号に「>=」を設定する。
「社内規格外」の欄には、入力値が上記社内規格値から外れた際の入力セルの背景色を指定する「背景色」の設定欄、及び入力値が当該社内規格値から外れた際の入力セルに表示する文字色を指定する「文字色」の設定欄を設け、入力時において社内規格外の値が入力された際の注意喚起を行うようにしている。
また「承認規格範囲」の欄は、承認規格の範囲の上限値および下限値や、これらの値と比較する記号を規定する欄であり、これは前記「社内規格範囲」と同じように規定することができる。そして「承認規格外」の欄は、入力値が別途設定する承認規格値から外れた際の入力セルの背景色や文字色を、前記「社内規格外」の欄と同様に設定し、入力者の注意喚起を行うようにしている。
「余白」の欄には、セルに入力および表示する文字について、セル内の右端又は左端からの余白をピクセルで指定するものであり、見易さの向上を図る事ができる。なお、中央寄せの場合には、この余白の指定は無効化される事になる。また「入力可能文字数」の欄には、セルに入力可能な文字数を指定する。
「データ連携」の欄では、外部データベースにデータを保管する際のテーブルに記述したフィールド名、キー項目の場合は「K」、データの場合は「D」等のフィールド属性、及びデータ連携フィールドを用いてPHPファイルを実行する際に、コマンドで使用するフィールド名をグループ化する認識文字であるグループ化IDを規定する事ができる。かかる「データ連携」の欄に所定の設定を行う事により、クライアント端末20から取得したデータをデータベースに保存する事ができる。
「コマンド実行」の欄は、テキストの設定や画面の表示などの機能を規定し、実行キーの押鍵により画面描画時、画面消去時に実行するコマンドを記述するものである。即ち、入力セル、チェックボックス、トグルボタンで実行キーを押鍵又はチェック操作時に実行するコマンドを記述する「エンターキー押し下げ時」の処理を規定し、同様に「画面描画時」及び「画面消去時」の処理を夫々の欄に規定することができる。
以上の様な画面操作により、各入力項目についての属性を設定することができる。そして、各入力項目について書式や規則、或いはコマンドを設定した後においては、作成した文書データを可搬式の記憶手段や、サーバ装置11上のデータベースに登録する事ができる。サーバ装置11上のデータベースに登録する場合には、ヘッダーファイル、明細ファイルを作成するフォルダを指定し、また文書マスタアップロードプログラムが保存されているフォルダを指定する事ができる。
本実施の形態にかかるクライアント端末用画面作成装置10及び此れを用いたデータ収集・照会システム50では、従来、紙形式で作成されていた各種の帳票や伝票を電子化する事ができ、情報処理の迅速性や確実性を向上させることができる。
図8は、上記実施の形態にかかるデータ収集・照会システム50を実際の業務システム80に適応した時の構成図である。この実施の形態にかかる業務システム80では、カタログ販売業務における荷揃え作業及び包装加工作業において、データ収集・照会システム50を適用している。具体的には、クライアント端末20として、荷揃え用端末81と、包装・加工用端末82を用意し、これらの端末で入力したデータをサーバ装置11として機能するタブレットシステムデータベースに送信するように構成している。この包装・加工指示データは、既存の業務システム80から取得するように構成しており、当該既存の業務システム80は、受注受付情報を入力する受注受付装置83と、この受注受付装置83で入力したデータを取得して、データベースに保存する業務システムデータベース装置84で構成されている。この業務システムデータベース装置84は、タブレットシステムデータベース(11)に送信する包装・加工指示データを作成し、これがデータ収集・照会システム50(特にサーバ装置11)に渡される事になる。
この実施の形態にかかるデータ収集・照会システム50では、取得した包装・加工指示データを荷揃え用端末81で参照しながら、出荷する商品を揃える。また、包装・加工用端末82では、包装・加工指示データを参照しながら、出荷する商品について包装やメッセージカードの添付などの加工を行う。この時、包装・加工用端末82の画面には、タブレットシステムデータベース(11)又は業務システムデータベース(以下、「外部のデータベース」)に保存されている包装紙のイメージデータを読み出し、実際に商品を包装する包装紙と対比しながら作業を進める事もできる。このような外部データベースの照会に際しては、例えば包装紙参照等のボタンを包装・加工用端末82の画面上に設置し、当該ボタンの選択によりコマンドを実行し、包装紙として指定されたイメージデータを外部のデータベースから参照する事ができる。これにより、多数存在する包装紙から、受注時に指定されている包装紙を間違えることなく選択する事ができる。
また、このデータ収集・照会システム50では、包装・加工用端末82における作業の完了又は出荷指示により、印刷装置85が送り状を印刷するように構成しており、これにより包装・加工後の商品について、迅速に送り状を貼付することができる。また、包装・加工作業の完了又は送り状の出力後のタイミングで、これらの情報が実績データとして、サーバ装置11の記憶手段86に保存されるように構成されている。したがって、この実績データを積算する事により、図9に示すような作業完了実績グラフ90を出力する事ができる。かかる作業完了実績グラフ90では、包装・加工指示データに基づいて、その日の作業計画を策定して画面上に表示させると共に、当該作業計画に対する実績から、その日の作業完了時間を予想して表示させることもできる。そして、かかる作業完了実績グラフ90は、各作業員が操作するタブレットPC等のクライアント端末20に表示させることができる事から、作業員自ら作業の進捗状況を把握し、作業を進める事ができる。
図10は、上記実施の形態にかかるデータ収集・照会システム50を、他の業務システムに適応した(A)操作画面101、(B)表示画面102を示している。この実施の形態では、クライアント端末20における操作により、タブレットシステムデータベース(サーバ装置11)又は業務システムデータベースを検索して、その検索を表示するように構成したデータ照会装置として構成した例を示している。特に本実施の形態において、前記したクライアント端末用画面作成装置10では、この検索画面を簡易に作成する事ができ、また検索結果を表示する画面も、表形式によって簡易に設計・作成する事ができる。
本実施の形態におけるデータ照会装置は、特に住宅の電子カタログビューアとして構成されており、クライアント端末用画面作成装置10で作成した検索画面101では、検索キーワードによって検索できる検索キーワード入力欄103を設ける他、洋風・和風・モダンなどの区別、坪数、世帯数、階数、バルコニーなどを画面に作成された選択ボタン104を選択することによって条件を指定して検索する事ができ、その検索場所もネットワークで接続された外部システムか、或いはクライアント端末20の記憶手段に設けられたフォルダかを指定する事ができる。これらの選択の為のボタンは、クライアント端末用画面作成装置10において、任意のセルについて形状や属性情報を設定する事により、簡易に作成する事ができる。
図11は、本実施の形態に係るクライアント端末用画面作成装置を構成するコンピュータのハードウエア構成の例を示している。ただし、図11のコンピュータ500は、クライアント端末用画面作成装置の代表的な構成を例示したに過ぎず、上記した処理を実行する演算装置やメモリ及びプログラムを備える限りにおいて、専用の装置として構成しても良い。
この図11に示すコンピュータ500は、CPU501、メモリ502、音声出力装置503、ネットワークインタフェース504、ディスプレイコントローラ505、ディスプレイ506、入力機器インタフェース507、キーボード508、マウス509、外部記憶装置510、外部記録媒体駆動装置511、およびこれらの構成要素を互いに接続するバス512を含んで構成されている。
CPU501は、コンピュータ500の各構成要素の動作を制御し、OSの制御下で、上記枝豆選別システムの各処理の実行をコントロールし、その動作を制御する。メモリ502は通常、不揮発性メモリであるROM(Read Only Memory)、および揮発性メモリであるRAM(Random Access Memory)から構成され、記憶部に相当する。ROMには、コンピュータ500の起動時に実行されるクライアント端末用画面作成装置(サーバ装置)で実行されるプログラム等が格納される。RAMには、CPU501で実行され、文書作成ツール等のアプリケーションプログラムや、データベースプログラム、それらのプログラムが実行中に使用するデータ(たとえば、データベースやファイルシステムから読み出されたデータやスクリプト)が一時的に格納される。
音声出力装置503は、スピーカ等の、音声を出力する機器であり、ネットワークインタフェース504は、各種の機器と情報交換する為のネットワーク520に接続するためのインタフェースである。ディスプレイコントローラ505は、CPU501が発する描画命令を実際に処理するための専用コントローラである。ディスプレイコントローラ505で処理された描画データは、一旦グラフィックメモリに書き込まれ、その後、表示部としてのディスプレイ506に出力される。かかるディスプレイ506は、LCD等で構成される表示装置である。
入力機器インタフェース507は、キーボード508やマウス509、或いはタッチパッドなどの入出力デバイスから入力された信号を受信して、その信号パターンに応じて所定の指令をCPU501に提供する。キーボード508やマウス509は、プログラムの実行や設定などの操作を行う場合に必要となる。
外部記憶装置510も本明細書における記憶手段の範疇に含まれる。かかる外部記憶装置510は、たとえばハードディスクドライブ(HDD)のような記憶装置で構成することができる。この装置内には上述したプログラムやデータが記録され、実行時に、必要に応じてそこからメモリ502のRAMにロードされる。
外部記録媒体駆動装置511は、CD(Compact Disc)、MO(Magnet−Optical Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)などの可搬型の外部記録媒体530の記録面にアクセスして、そこに記録されているデータを読み取る装置である。