JP6624412B1 - 免震装置用架台における鉄筋棒の芯出し工法及び芯出し設置治具 - Google Patents
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Abstract
Description
一方、上記特許文献1に記載の柱鉄筋先組用治具は、柱鉄筋Aの根元部分に柱鉄筋支持架台1が位置せず、その柱鉄筋Aの根元部分における芯出し作業を現場で行う必要があり、やはり手間がかかる欠点が認められる。
(a)前記上部芯出し金具2は、ベース部20の先端に開口された支持枠23を形成し、前記ベース部20に雌ネジ部21と係止突起部22を形成すると共に、前記下部芯出し金具3は、左片部30と右片部31に2分割し、その合体された中央に鉄筋棒7を挟み込む形状に切欠された左片切欠部32と右片切欠部33を各々形成する工程と、
(b)前記上部芯出し金具2の係止突起部22を、鉄筋棒支持体1の上面板5の係止孔51に下方から挿通して係止しつつ、上面板5の貫通孔50に鉄筋棒7を挿通し、その挿通した鉄筋棒7の頭部70を前記支持枠23で抱持し、当該上部芯出し金具2を所望位置でベース部20の雌ネジ部21に上方からネジ24で止め、鉄筋棒7を芯出しした状態で支持する一方、下面板6の貫通孔60に挿通した前記鉄筋棒7の下部71を、下部芯出し金具3の左片部30の左片切欠部32と右片部31の右片切欠部33により拘束して、当該鉄筋棒7を上下で芯出しする工程と、
(c)前記鉄筋棒7を芯出しした状態で固定した芯出し設置治具を施工現場に搬入する工程と、
(d)適正位置Pに設置された前記鉄筋棒7を基礎Aに固定した後、上部芯出し金具2と下部芯出し金具3を解体して鉄筋棒支持体1を搬出する工程と、
より成ることを特徴とする。
前記上部芯出し部材2は、前記鉄筋棒支持体1の係止手段51に係止しつつ、上面板5の貫通孔50に挿通される鉄筋棒7の上部70を支持して芯出し自在であると共に、前記下部芯出し部材3は、前記鉄筋棒支持体1の下面板6の貫通孔60に挿通される鉄筋棒7の下部71を固定して芯出し自在に構成されていること、
前記上部芯出し部材2及び下部芯出し部材3が、堅固な金具で製作されていること、
前記鉄筋棒支持体1の上面板5において、異形鉄筋等の鉄筋棒7が適正位置Pで挿通される貫通孔50の近傍に前記係止孔51が穿設され、その係止孔51に前記上部芯出し部材2が係止自在に構成されていること、
前記上部芯出し部材2が、ベース部20につづいて先端が開口された支持枠23が形成され、前記ベース部20には雌ネジ部21と上向きの係止突起部22が形成されて成り、前記係止突起部22が、前記鉄筋棒支持体1の上面板5の係止孔51に下方から挿通されて係止され、前記上面板5の貫通孔50に挿通された鉄筋棒7の頭部70が前記支持枠23によって支持され、当該上部芯出し部材2は所望位置でベース部20の前記雌ネジ部21に上方からネジ24で止めされて、鉄筋棒7が芯出し状態で支持されること、
前記下部芯出し部材3が、半割状の左片部30と右片部31に2分割され、前記左片部30と右片部31の合体された中央に、異形鉄筋等の鉄筋棒7を挟み込む大きさ・形状に切欠された左片切欠部32と右片切欠部33を各々形成されて成り、鉄筋棒支持体1の下面板6の貫通孔60に挿通された鉄筋棒7の下部71が、前記下部芯出し部材3の左片部30と右片部31により両側から挟み込まれ、鉄筋棒7が芯出し状態で支持されること、
より成ることを特徴とする。
この芯出し設置治具は、鉄製の鉄筋棒支持体1と、鉄製の上部芯出し部材2及び下部芯出し部材3とで構成されている(図1、図3参照)。上部芯出し部材2と下部芯出し部材3は、堅固な金具で製作されている。図5に示した免震装置Cを設置する目的で、基礎Aの上に構築される架台B(図4参照)の強度を増す鉄筋棒7を、図3に示したように、芯出しして適正位置Pに設置するために使用される。当該鉄筋棒7の設置後、当該芯出し設置治具は何度も再利用が可能である。
なお、本実施例における鉄筋棒7は、上部に非調質高強度鋼の頭部70(φ=80mm、高さ=23mm)を有し、表面に凹凸状のリブが設けられたφ=38mmの棒状で鉄製の異形鉄筋(全長は約1200mm程度、但しこの長さの限りでない)が好適に実施される。但し、この種類の限りではない。
前記中央切欠部52近傍の外周に、30°毎の放射状配置で貫通孔50が12個形成されている。また、当該上面板5の四隅にも、それぞれ貫通孔50が3箇所ずつの直角状配置で形成されている。よって、この上部芯出し部材2には、貫通孔50が合計24箇所形成されている。各貫通孔50は、φ=82mmで打ち抜かれている。
この上面板5の貫通孔50の近傍に、後述する上部芯出し部材2を係止する係止手段の係止孔51がそれぞれ穿設されている。係止孔51は、やはり30°毎の放射状配置で貫通孔50から28mm後方(背後)で、幅11mm、長さ105mmの長円形状に穿設されている。但し、上面板5の四隅に最も近い貫通孔50の近傍の貫通孔50(4箇所)は、その貫通孔50の手前に当該係止孔51が形成されている。
厚さは、上面板5より薄く2.3mmである。貫通孔60は、上記貫通孔50と同じ12箇所が同じ位置に穿設して形成されている。また、中央切欠部62も同様に形成されている。しかし、係止孔51がこの下面板6には存在しない。
よって、上下に位置する貫通孔50と貫通孔60は上下同じ位置に形成されているので、上記の鉄筋棒7をそのような上下で位置を共通する貫通孔50、60に垂直方向に挿通することができる(図1)。
詳しくは、最大幅=80mm、長さ=50mmの平坦なベース部20につづいて、約25mm下方に位置するように折れ曲げられて前方に80.5mm延設されている。その先端は、56mmの幅寸でU字状に開口された支持枠23が形成されている。前記ベース部20には、上方からネジ締め可能な雌ネジ部21と、上向きの係止突起部22が形成されている。係止突起部22は、ベース部20の基端部で上方へ19mm折り曲げられた垂直部20a(幅寸=8.8mm)と、同垂直部20aの先端で軸方向に対し直角方向に20mm延設された水平係止部20bとにより全体形状がT字状に形成されている。
よって、前記係止突起部22が、前記鉄筋棒支持体1の上面板5の係止孔51に下方から挿通されて係止された状態で、前記上面板5の貫通孔50に挿通された鉄筋棒7の頭部70が前記支持枠23によって支持され、所望位置でベース部20の前記雌ネジ部21に上方から、ワッシャー25を介してネジ24で締付け固定することにより、鉄筋棒7が芯出し状態で支持される(図7〜図9参照)。
詳しくは、図13に示したように、半割状の左片部30と右片部31に2分割され、前記左片部30と右片部31の合体された中央に、鉄筋棒7を挟み込む大きさ・形状に切欠された左片切欠部32と右片切欠部33が各々形成されている。つまり、直径=100mm、板厚=2.3mmの円盤の中央部にφ=38mmの円形が打ち抜かれ、直径線状で半分に2分割されて、前記の左片部30と右片部31が形成されている。よって、この2つの左片切欠部32と右片切欠部33が合わさると、中央にφ=38mmの円形状の開口部35が形成され、この開口部35に同径の鉄筋棒7(φ=38mm)がぴったりと拘束される。
そして、この左片部30と右片部31には、芯出しする鉄筋棒7を拘束するガイドパイプ34が各々備え付けられている。すなわち、左片部30と右片部31の各左片切欠部32と右片切欠部33の内周に沿う配置で、各3箇所に、垂直方向に貫通するφ=21.8mmのガイドパイプ34が嵌め込まれる貫通孔が形成され(図示は省略)、そこにφ=21.8mm、長さ40mmのガイドパイプ34が、左片部30と右片部31の下方に5mm突き出した状態で嵌め込んで備え付けられている。
図1と図9に示したように、芯出し設置治具の鉄筋棒支持体1の上面板5の係止孔51に、上部芯出し部材2の係止突起部22の水平係止部22bを下から挿通した後、回転させて係止しておく。
上下に位置を同じくする貫通孔50と貫通孔60に、上方から鉄筋棒7を挿通する。その鉄筋棒7の頭部70の下面に、前記上部芯出し部材2の支持枠23を挿し込んで抱持し(図8)、芯出しの適正位置Pが定まったら、ワッシャー25を介してネジ24で雌ネジ部21に当該上部芯出し部材2を締め付け固定する(図7、図1)。
一方、下面板6の貫通孔60に挿通された鉄筋棒7の下部71では、下部芯出し部材3の左片部30と右片部31を左右から挟み込んで合体する(図13、図7、図8、図1)。そのようにして鉄筋棒7を挟んだ左片部30と右片部31の各ガイドパイプ34の外周に、紐やワイヤー等の線材(図示は省略)を回し掛けておくと、鉄筋棒7の芯出しがより万全となる。
前記のように、予め上下で芯出しされた複数の鉄筋棒7がしっかり支持・固定された芯出し設置治具(図1)を施工現場に搬入する。そうすると、鉄筋棒7は、そのまま適正位置Pにピンポイントで設置できる。
しかる後、上部芯出し部材2と下部芯出し部材3を難なく解体して取り除いて、鉄筋棒支持体1を搬出する。
したがって、図3に示したように、適正位置Pに設置された鉄筋棒7を基礎Aに固着したら、プレキャストコンクリート(PCa)架台Bを鉄筋棒7の外周に設置して図4に示した架台Bを構築する。なお、架台Bの構築は場所打ちコンクリートで施工してもよい。
かくして、図5に図示したように、架台Bの上に積層ゴムの免震装置Cを定位置にしっかりと設置することができる。しかる後、図6に示した如く、当該免震装置Cの上に上部構造の躯体Dが構築される。
なお、取り外した当該芯出し設置治具(鉄筋棒支持体1及び上部芯出し部材2と下部芯出し部材3)は、繰り返して再利用に供される。
B 架台
C 免震装置
P 適正位置
1 鉄筋棒支持体
2 上部芯出し部材(金具)
20 ベース部
21 雌ネジ部
21a 垂直部
21b 水平係止部
22 係止突起部
23 支持枠
24 ネジ
25 ワッシャー
3 下部芯出し部材(金具)
30 左片部
31 右片部
32 左片切欠部
33 右片切欠部
34 ガイドパイプ
34a 下端部
35 開口部
4 柱部
5 上面板
50 貫通孔
51 係止手段(係止孔)
6 下面板
60 貫通孔
60a 内端
7 鉄筋棒
70 上部(頭部)
71 下部
Claims (3)
- 柱部で上下に接続する上面板と下面板の同位置に異形鉄筋等の鉄筋棒の適正位置となる貫通孔を複数穿設し、上面板には更に上部芯出し金具を係止自在な係止孔を穿設した鉄筋棒支持体、及び前記上部芯出し金具並びに下部芯出し金具とより成る芯出し設置治具を用いて、免震装置を設置するために基礎上に構築する架台を補強する鉄筋棒を、予め芯出しして適正位置に設置する工法であって、
(a)前記上部芯出し金具は、ベース部の先端に開口された支持枠を形成し、前記ベース部に雌ネジ部と係止突起部を形成すると共に、前記下部芯出し金具は、左片部と右片部に2分割し、その合体された中央に鉄筋棒を挟み込む形状に切欠された左片切欠部と右片切欠部を各々形成する工程と、
(b)前記上部芯出し金具の係止突起部を、鉄筋棒支持体の上面板の係止孔に下方から挿通して係止しつつ、上面板の貫通孔に鉄筋棒を挿通し、その挿通した鉄筋棒の頭部を前記支持枠で抱持し、当該上部芯出し金具を所望位置でベース部の雌ネジ部に上方からネジ止めし、鉄筋棒を芯出しした状態で支持する一方、下面板の貫通孔に挿通した前記鉄筋棒の下部を、下部芯出し金具の左片部の左片切欠部と右片部の右片切欠部により拘束して、当該鉄筋棒を上下で芯出しする工程と、
(c)前記鉄筋棒を芯出しした状態で固定した芯出し設置治具を施工現場に搬入する工程と、
(d)適正位置に設置された前記鉄筋棒を基礎に固定した後、上部芯出し金具と下部芯出し金具を解体して鉄筋棒支持体を搬出する工程と、
より成ることを特徴とする、免震装置用架台における鉄筋棒の芯出し設置工法。 - 柱部で接続する上面板と下面板に鉄筋棒の適正位置となる貫通孔を複数穿設し、上面板には更に上部芯出し部材を係止自在な係止孔を備えた鉄筋棒支持体、及び前記上面板に着脱自在な上部芯出し部材並びに下部芯出し部材とより成る芯出し設置治具であって、
前記上部芯出し部材は、前記鉄筋棒支持体の係止孔に係止しつつ、上面板の貫通孔に挿通される鉄筋棒の上部を支持して芯出し自在であると共に、前記下部芯出し部材は、前記鉄筋棒支持体の下面板の貫通孔に挿通される鉄筋棒の下部を固定して芯出し自在に構成されていること、
前記上部芯出し部材及び下部芯出し部材は、堅固な金具で製作されていること、
前記鉄筋棒支持体の上面板において、異形鉄筋等の鉄筋棒が適正位置で挿通される貫通孔の近傍に前記係止孔が穿設され、その係止孔に前記上部芯出し部材が係止自在に構成されていること、
前記上部芯出し部材は、ベース部につづいて先端が開口された支持枠が形成され、前記ベース部には雌ネジ部と上向きの係止突起部が形成されて成り、前記係止突起部が、前記鉄筋棒支持体の上面板の係止孔に下方から挿通されて係止され、前記上面板の貫通孔に挿通された鉄筋棒の頭部が前記支持枠によって支持され、当該上部芯出し部材が所望位置でベース部の前記雌ネジ部に上方からネジ止めされて、鉄筋棒が芯出し状態で支持されること、
前記下部芯出し部材は、半割状の左片部と右片部に2分割され、前記左片部と右片部の合体された中央に、異形鉄筋等の鉄筋棒を挟み込む大きさ・形状に切欠された左片切欠部と右片切欠部を各々形成されて成り、鉄筋棒支持体の下面板の貫通孔に挿通された鉄筋棒の下部が、前記下部芯出し部材の左片部と右片部により両側から挟み込まれ、鉄筋棒が芯出し状態で支持されること、
より成ることを特徴とする、免震装置用架台における鉄筋棒の芯出し設置治具。 - 前記下部芯出し部材をなす左片部と右片部の各左片切欠部と右片切欠部に沿う配置で、垂直方向に貫通するガイドパイプが左片部と右片部に各々備え付けられており、鉄筋棒支持体の下面板の貫通孔に挿通された鉄筋棒が前記ガイドパイプによって拘束されつつ、当該ガイドパイプの下端部が前記下面板の貫通孔の内端に当接して当該左片部と右片部が位置決め固定されることを特徴とする、請求項2に記載した免震装置用架台における鉄筋棒の芯出し設置治具。
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