本発明の実施の形態にかかるヘアーアイロンは、第1毛髪挟持面を有する第1毛髪挟持部と、前記第1毛髪挟持面に対向可能な第2毛髪挟持面を有する第2毛髪挟持部と、を備えている。このヘアーアイロンは、前記第1毛髪挟持面と前記第2毛髪挟持面とを対向させた状態で毛髪が狭持されるものである。
また、前記第1毛髪挟持部内にはイオンを生成する放電装置が配置されており、前記第1毛髪挟持部には前記放電装置で生成されたイオンを外部に放出するイオン放出口が形成されている。
また、前記放電装置は、放電極を有する第1電極を備えており、前記第1電極は、略板状に形成された電極本体部を備えている。
そして、前記電極本体部を板厚方向から視た状態で、前記電極本体部の一端側の辺部に前記放電極が複数形成されており、前記複数の放電極が、互いに形状の異なる二種類の放電極を有するものである。
このように、略板状の電極本体部の一端側の辺部に放電極が形成されるようにすれば、第1毛髪挟持部内における放電装置の配置スペースを極力小さくすることが可能となって、ヘアーアイロンのスリム化を図ることができるようになる。さらに、複数の放電極が、互いに形状の異なる二種類の放電極を有するようにすれば、二種類の放電極の主な働きを異ならせることができるようになるため、髪ケア効果をより向上させることができるようになる。
このように、上記ヘアーアイロンによれば、髪ケア効果を高めつつスリム化を図ることができるようになる。
また、前記放電装置が、前記放電極とは離間配置され、当該放電極との間で放電を行う対極を有する第2電極を備えるようにすることができる。
そして、前記辺部を前記一端側から視た状態で、前記辺部の少なくとも二方を囲うように前記対極が配置されるようにすることができる。
このように、略板状の電極本体部の一端側の辺部に放電極が形成されるようにするとともに、放電極との間で放電を行う対極を放電極が形成された辺部の少なくとも二方を囲うように配置すれば、対極側における電解集中を緩和させることができるようになる。その結果、放電極と対極との間でアーク放電が発生してしまうのを抑制することができるようになるため、対極を放電極により近づけることができるようになって、第1毛髪挟持部内における放電装置の配置スペースを極力小さくすることが可能となる。
また、本発明の実施の形態にかかるヘアーアイロンは、第1毛髪挟持面を有する第1毛髪挟持部と、前記第1毛髪挟持面に対向可能な第2毛髪挟持面を有する第2毛髪挟持部と、を備えている。このヘアーアイロンも、前記第1毛髪挟持面と前記第2毛髪挟持面とを対向させた状態で毛髪が狭持されるものである。
また、前記第1毛髪挟持部内にはイオンを生成する放電装置が配置されており、前記第1毛髪挟持部には前記放電装置で生成されたイオンを外部に放出するイオン放出口が形成されている。
また、前記放電装置は、放電極を有する第1電極と、前記放電極とは離間配置され、当該放電極との間で放電を行う対極を有する第2電極と、を備えており、前記第1電極は、略板状に形成された電極本体部を備えている。
そして、このようなヘアーアイロンにおいて、前記電極本体部を板厚方向から視た状態で、前記電極本体部の一端側の辺部に前記放電極が形成されており、前記辺部を前記一端側から視た状態で、前記辺部の少なくとも二方を囲うように前記対極が配置されるようにすることができる。
このように、略板状の電極本体部の一端側の辺部に放電極が形成されるようにするとともに、放電極との間で放電を行う対極を放電極が形成された辺部の少なくとも二方を囲うように配置すれば、対極側における電解集中を緩和させることができるようになる。その結果、放電極と対極との間でアーク放電が発生してしまうのを抑制することができるようになるため、対極を放電極により近づけることができるようになって、第1毛髪挟持部内における放電装置の配置スペースを極力小さくすることが可能となる。
このように、髪ケア効果を向上させるための放電装置の配置スペースを極力小さくできるようにすることで、髪ケア効果を高めつつスリム化を図ることのできるヘアーアイロンを得ることができるようになる。
また、前記対極が枠状に形成されており、前記辺部を前記一端側から視た状態で、前記辺部の四方を囲うように配置されるようにすることができる。
こうすれば、対極側における電解集中をより緩和させることができるようになるため、対極を放電極により近づけることができるようになる。その結果、第1毛髪挟持部内における放電装置の配置スペースをより小さくすることが可能となる。
また、前記第1毛髪挟持部内に、液体吸入口を有し、前記放電極に液体を供給する液体通路が形成されるようにすることができる。
こうすれば、放電装置自体に液体供給機構を設けることなく、放電装置にて液体を帯電微粒子化させることができるようになる。
また、前記第1毛髪挟持部内に、前記電極本体部を保持する電極保持部を形成するとともに、前記電極保持部における前記放電極の近傍に、前記液体通路の一部を構成する貫通孔を形成することもできる。
こうすれば、液体通路の省スペース化を図ることが可能となる上、液体吸入口から導入された液体をより効率よく放電極に供給することができるようになる。
また、前記第1毛髪挟持面に前記液体吸入口が形成されるようにすることもできる。
このように、第1毛髪挟持面の中に液体吸入口が形成されるようにすれば、第1毛髪挟持面の外側に液体吸入口の形成位置を確保する必要がなくなるため、ヘアーアイロンのより一層のスリム化を図ることができるようになる。
また、前記液体吸入口が前記第1毛髪挟持面の端部に形成されるようにすることもできる。
こうすれば、第1毛髪挟持面における毛髪を挟持する部分が液体吸入口によって分断されてしまうのを抑制することができるようになる。その結果、毛髪への施術効果が損なわれてしまうのを抑制しつつ、ヘアーアイロンのより一層のスリム化を図ることができるようになる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細を説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
また、以下の説明では、第1毛髪狭持面と第2毛髪狭持面とを近づける(第1毛髪挟持部と第2毛髪挟持部とを閉じる)とともに、第1毛髪狭持面が上を向いた状態におけるヘアーアイロンを基準として上下方向を規定する。また、ヘアーアイロンの毛髪挟持部側を前方、把持部側を後方として説明する。
さらに、上記基準における前後方向(第1毛髪挟持面および第2毛髪挟持面の長手方向)をX方向、幅方向(第1毛髪挟持面および第2毛髪挟持面の短手方向)をY方向、上下方向(上記基準における第1毛髪挟持部および第2毛髪挟持部の厚さ方向)をZ方向として説明する。
(実施の形態1)
本実施の形態1にかかるヘアーアイロン10は、図1〜図3に示すように、回動連結部110を介して略V字状に拡開可能に連結された第1アーム部(上側アーム部)20Aおよび第2アーム部(下側アーム部)20Bを備えている。そして、第1アーム部20Aと第2アーム部20Bとを回動連結部110を介して相対回動させることで、第1アーム部20Aおよび第2アーム部20Bの先端同士を接離できるようにしている。
すなわち、本実施の形態1では、第1アーム部20Aと第2アーム部20Bとの相対回動に伴って、後述する第1毛髪挟持面560Aと第2毛髪挟持面560Bとを互いに近づけたり遠ざけたりすることができるようにしている。
また、本実施の形態1では、図3および図4に示すように、ヘアーアイロン10には、当該ヘアーアイロン10を閉じる際や開く際に、第1アーム部20Aと第2アーム部20BとがY方向(幅方向)にずれてしまうのを抑制する位置ずれ抑制部150が形成されている。具体的には、第1アーム部20Aにおける回動連結部110の近傍に、下方に開口した筒部331Aを設けるとともに、第2アーム部20Bにおける回動連結部110の近傍に、上方に開口して、筒部331A内に挿入可能な筒部331Bを設けている。
そして、筒部331Bを筒部331A内に挿入させた状態で、ヘアーアイロン10を閉じたり開いたりさせるようにしている。このように、本実施の形態1では、筒部331Aと筒部331Bとで、位置ずれ抑制部150を構成している。
さらに、本実施の形態1では、筒部331Aと筒部331Bとで形成された空間部には、コイルスプリング160が収容されており、このコイルスプリング160によって、第1アーム部20Aと第2アーム部20Bとを互いに拡開するように付勢している。なお、本実施の形態1では、図示せぬストッパによって、第1アーム部20Aと第2アーム部20Bの拡開方向への回動が規制されている。
また、ヘアーアイロン10の後端部10aには、ロックボタン120が形成されており、ロックボタン120を操作(押圧)することで、第1アーム部20Aと第2アーム部20Bとを閉じた状態で保持できるようになっている。
すなわち、ヘアーアイロン10は、コイルスプリング160の付勢力によって第1アーム部20Aと第2アーム部20Bとが互いに拡開してしまうのを、ロックボタン120の操作によって規制できるようになっている。
また、第1アーム部20Aおよび第2アーム部20Bの回動連結部110側(ヘアーアイロン10のX方向後側)には、第1把持部(上側把持部)30Aおよび第2把持部(下側把持部)30Bがそれぞれ設けられている。そして、第1アーム部20Aおよび第2アーム部20Bの先端側(ヘアーアイロン10のX方向前側)には、第1毛髪挟持部(上側毛髪挟持部)40Aおよび第2毛髪挟持部(下側毛髪挟持部)40Bがそれぞれ設けられている。
また、第1毛髪挟持部40Aおよび第2毛髪挟持部40Bは、それぞれ、第1アーム部20Aおよび第2アーム部20Bを相対的に回動させた際に、互いに近づいたり遠ざかったりすることが可能な(対向させることが可能な)第1毛髪挟持面(上側毛髪挟持面)560Aおよび第2毛髪挟持面(下側毛髪挟持面)560Bを有している。
また、本実施の形態1では、各毛髪挟持部40A,40Bは、図5に示すように、それぞれの外表面420aA,420aBが湾曲状に形成されており、この外表面(外表面420aAや外表面420aB)に毛髪を巻き付けることで、毛髪にカール状の癖付けを施すことができるようになっている。
なお、本実施の形態1では、第1毛髪挟持部40Aの外表面とは、第1毛髪挟持部40Aの外面のうち、第1毛髪挟持面560Aの背面側に存在する面のことをいう。また、第2毛髪挟持部40Bの外表面とは、第2毛髪挟持部40Bの外面のうち、第2毛髪挟持面560Bの背面側に存在する面のことをいう。
すなわち、図5において、第1毛髪挟持部40Aの外面のうち下面以外の面、第2毛髪挟持部40Bの外面のうち上面以外の面が、それぞれ第1毛髪挟持部40Aの外表面、第2毛髪挟持部40Bの外表面に相当する。
さらに、本実施の形態1では、第1毛髪挟持部40Aおよび第2毛髪挟持部40Bには、図5に示すように、発熱部としてのヒータ530Aおよびヒータ530Bが設けられている。
また、ヘアーアイロン10の後端部10aには、回転コネクタ130を介して電源コード140が取り付けられており、この電源コード140が、リード線581Bを介してヒータ(ヒータ530Aやヒータ530B)を制御する制御装置(電気部品)340Bに電気的に接続されている。
さらに、ヘアーアイロン10には、図示省略した操作スイッチが設けられており、この操作スイッチを操作することで、ヒータ(ヒータ530Aやヒータ530B)に対する通電のオン・オフを切り換えることができるようになっている。
このようなヘアーアイロン10を用い、第1毛髪挟持面560Aと第2毛髪挟持面560Bとで毛髪を挟み込み、ヒータ530Aおよびヒータ530Bで発生させた熱を第1毛髪挟持面560Aおよび第2毛髪挟持面560Bを介して毛髪に加えるようにすれば、毛髪にカール状やストレート状の癖付けを施すことができるようになる。
例えば、毛髪へのカール状の癖付けは、以下のようにして行われる。まず、加熱した第1毛髪挟持部40Aおよび第2毛髪挟持部40Bを互いに対向させる。そして、第1毛髪挟持部40Aと第2毛髪挟持部40Bとの間に、第1毛髪挟持部40Aおよび第2毛髪挟持部40Bの幅方向(Y方向)に延在するように毛髪を配置した状態で、第1毛髪挟持面560Aと第2毛髪挟持面560Bとで毛髪を挟み込む。
次に、毛髪を挟み込んだ状態でヘアーアイロン10を回転させて、第1毛髪挟持面560Aと第2毛髪挟持面560Bとで挟み込まれていない根元側の毛髪を外表面420aAまたは外表面420aBに押し当てる。そして、毛髪を外表面420aAまたは外表面420aBに押し当てた状態で、ヘアーアイロン10を、毛髪に沿って滑らせながら毛先に向けて引き下ろすことで、毛髪にカール状の癖付けが施される。
なお、毛髪へのストレート状の癖付けは、第1毛髪挟持面560Aと第2毛髪挟持面560Bとで毛髪を挟み込んだヘアーアイロン10を回転させずに、毛髪に沿って滑らせながら毛先に向けて引き下ろすことで行われる。
このように、本実施の形態1にかかるヘアーアイロン10は、毛髪に熱による癖付けを施すことで整髪を行うものである。
上述した第1アーム部20Aは、主に外壁をなす第1ケース210Aを備えており、この第1ケース210Aの回動連結部110側(ヘアーアイロン10のX方向後側)が、第1把持部30Aの外壁をなす第1把持部側ケース310Aとなっている。また、第1ケース210Aの先端側(ヘアーアイロン10のX方向前側)が、第1毛髪挟持部40Aの外壁をなす第1毛髪挟持部側ケース410Aとなっている。
本実施の形態1では、第1ケース210Aは、下方に開口した上側ハウジング220Aの開口部分を下側ハウジング230Aで覆うことで中空状に形成されている。
具体的には、下方に開口した第1把持部の上側ハウジング320Aの開口部分をカバー330Aで覆うことで、第1把持部側ケース310Aが中空状に形成されている。また、下方に開口した第1毛髪挟持部の上側ハウジング420Aの開口部分を第1毛髪挟持部材50Aで覆うことで、第1毛髪挟持部側ケース410Aが形成されている。
このように、本実施の形態1では、上側ハウジング220Aは、第1把持部の上側ハウジング320Aと第1毛髪挟持部の上側ハウジング420Aとで形成されており、下側ハウジング230Aは、カバー330Aと第1毛髪挟持部材50Aとで形成されている。
なお、本実施の形態1では、第1把持部の上側ハウジング320Aと第1毛髪挟持部の上側ハウジング420Aとが一体に形成されている。すなわち、上側ハウジング220Aの回動連結部110側が第1把持部の上側ハウジング320Aとなっており、上側ハウジング220Aの先端側が第1毛髪挟持部の上側ハウジング420Aとなっている。
また、カバー330Aと第1毛髪挟持部材50Aとは別体に形成されており、上側ハウジング220Aの開口部分を覆うようにそれぞれの部材を取り付けた際に、下側ハウジング230Aが形成されるようになっている。
さらに、本実施の形態1では、第1ケース210A内の中空部S1が仕切り壁240Aによって第1把持部側の中空部S2と第1毛髪挟持部側の中空部S3とに仕切られている。
この仕切り壁240Aは、上側ハウジング220AのX方向(長手方向:前後方向)における中央部の内側(下面側)からZ方向の下側に向けて突出する壁部221Aを備えている。また、仕切り壁240Aは、カバー330AにおけるX方向前側の内側(上面側)からZ方向の上側に向けて突出する壁部333Aを備えている。さらに、仕切り壁240Aは、パッキン250Aを備えており、壁部221Aと壁部333Aとでパッキン250Aを挟持することで、仕切り壁240Aが形成されている。
そして、第1把持部側の中空部S2および第1毛髪挟持部側の中空部S3には、各種の電気部品が収容されている。
本実施の形態1では、第1把持部側の中空部S2には高出力回路340A等の電子部品(電気部品)が収容されており、第1毛髪挟持部側の中空部S3には放電装置(電気部品)600が収容されている。この高出力回路340Aと放電装置(電気部品)600とは、パッキン250Aに形成された挿通孔251Aに挿通されたリード線581Aによって電気的に接続されている。
こうすることで、第1把持部側の中空部S2に収容された高出力回路340A等の電子部品(電気部品)の防水効果を高めることができるようになる。
また、本実施の形態1では、上側ハウジング220Aの先端部(X方向前側の端部)222Aを、下側(第1毛髪挟持面560A側)に向けて湾曲させている。このように先端部222Aを湾曲させることで、ヘアーアイロン10の使用時に、使用者が先端部222Aをつまむ際につまみやすくなるようにしている。さらに、先端部222Aには突部222aAが形成されており、この突部222aAを、先端部222Aをつまむ際の滑り止めとして機能させている。なお、突部222aAは、ヒータ530Aから先端部(使用者がつまむつまみ部)222Aに伝わる熱を放熱する機能も有している。
また、カバー330Aの回動連結部110側(X方向後側)には、上述した筒部331Aが形成されており、カバー330Aの壁部333A側(X方向前側:第1毛髪挟持部材50A側)には、下方(第2アーム部20B側)に向けて突出するストッパ突起332Aが形成されている。
下側ハウジング230Aの一部を構成する第1毛髪挟持部材50Aは、プレート部材510Aを備えており、このプレート部材510Aは、例えば、銅やアルミニウムなど熱伝導性の高い材料で形成されている。また、第1毛髪挟持部材50Aは、第1毛髪挟持部の上側ハウジング420Aに支持されてプレート部材510Aを保持する保持部材520Aと、プレート部材510Aに熱的に接続されてプレート部材510Aに熱を伝達するヒータ530Aと、を備えている。
プレート部材510Aは、略板状のプレート部540Aを備えており、このプレート部540Aの表面(下面)に、略平坦状の第1毛髪挟持面560Aが形成されている。本実施の形態1では、第1毛髪挟持面560Aは、平面視(下側から視た状態)で、第1ケース210Aの長手方向に細長い略長方形状に形成されている。
さらに、プレート部540Aは、Y方向(幅方向:第1毛髪挟持部40Aの幅方向と同一の方向)の両端部が、第1ケース210Aの内側に向けて屈曲している。そして、第1毛髪挟持面560AのY方向(幅方向)の両端には、図5に示すように、幅方向断面(幅方向に沿った面で切断した面)視で、斜め外側に向けて凸となる湾曲面562Aが形成されている。
すなわち、第1毛髪挟持面560Aは、幅方向中央部の平坦面(平坦部)561Aと、当該平坦面561Aの幅方向両端に形成される湾曲面562Aとで構成されている。
さらに、プレート部材510Aは、プレート部540Aの背面側(上側)に内側(上側)を向くように連設された一対の脚部550Aを備えており、この一対の脚部550Aを保持部材520Aに保持させることで、プレート部材510Aが保持部材520Aに保持されるようにしている。そして、一対の脚部550Aの間に形成された収容部570Aに、ヒータ530Aが収容されている。このとき、収容部570Aに収容したヒータ530Aが、プレート部540Aの内面に当接するようにしている。
なお、本実施の形態1では、ヒータ530AとしてPTCヒータ(Positive Temperature Coefficient ヒータ)を用いている。このように、PTCヒータを用いれば、連続的な温度制御を行うことが可能となる。ただし、加熱手段としてPTCヒータを用いる必要はなく、ニクロム線ヒータやその他の加熱手段を用いるようにしてもよい。
保持部材520Aは、下側に開口した形状をしており、天壁部521Aと、天壁部521AのY方向両端に連設されて下方に延在する側壁部522A,522Aと、を備えている。
天壁部521Aは、幅方向断面視で上方に突出する略山型に形成されており、この天壁部521Aの上方(天壁部521Aと第1毛髪挟持部の上側ハウジング420Aとの間)には、放電装置600が配置される空間部(中空部S3)が形成されている。
天壁部521Aは、Y方向(幅方向)の中央部に位置するとともに、最も上側に位置する上側平坦部521aAを備えている。また、天壁部521Aは、上側平坦部521aAのY方向(幅方向)の両端にそれぞれ連設されて、Y方向外側かつ下方に延在する上側傾斜部521bA,521bAを備えている。また、天壁部521Aは、各上側傾斜部521bA,521bAの両端にそれぞれ連設されて、Y方向外側に向けて水平に延在する中間平坦部521cA,521cAを備えている。また、天壁部521Aは、各中間平坦部521cA,521cAの両端にそれぞれ連設されて、Y方向外側かつ下方に延在する下側傾斜部521dA,521dAを備えている。さらに、天壁部521Aは、各下側傾斜部521dA,521dAの両端にそれぞれ連設されて、Y方向外側に向けて水平に延在する下側平坦部521eA,521eAを備えている。そして、各下側平坦部521eA,521eAのY方向の両端に、上述した側壁部522Aが連設されている。
また、第2アーム部20Bは、主に外壁をなす第2ケース210Bを備えており、この第2ケース210Bの回動連結部110側(ヘアーアイロン10のX方向後側)が、第2把持部30Bの外壁をなす第2把持部側ケース310Bとなっている。また、第2ケース210Bの先端側(ヘアーアイロン10のX方向前側)が、第2毛髪挟持部40Bの外壁をなす第2毛髪挟持部側ケース410Bとなっている。
本実施の形態1では、第2ケース210Bは、上方に開口した下側ハウジング220Bの開口部分を上側ハウジング230Bで覆うことで中空状に形成されている。
具体的には、上方に開口した第2把持部の下側ハウジング320Bの開口部分をカバー330Bで覆うことで、第2把持部側ケース310Bが中空状に形成されている。また、上方に開口した第2毛髪挟持部の下側ハウジング420Bの開口部分を第2毛髪挟持部材50Bで覆うことで、第2毛髪挟持部側ケース410Bが形成されている。
このように、本実施の形態1では、下側ハウジング220Bは、第2把持部の下側ハウジング320Bと第2毛髪挟持部の下側ハウジング420Bとで形成されており、上側ハウジング230Bは、カバー330Bと第2毛髪挟持部材50Bとで形成されている。
なお、本実施の形態1では、第2把持部の下側ハウジング320Bと第2毛髪挟持部の下側ハウジング420Bとが一体に形成されている。すなわち、下側ハウジング220Bの回動連結部110側が第2把持部の下側ハウジング320Bとなっており、下側ハウジング220Bの先端側が第2毛髪挟持部の下側ハウジング420Bとなっている。
また、カバー330Bと第2毛髪挟持部材50Bとは別体に形成されており、下側ハウジング220Bの開口部分を覆うようにそれぞれの部材を取り付けた際に、上側ハウジング230Bが形成されるようになっている。
さらに、本実施の形態1では、第2ケース210B内の中空部S4が仕切り壁240Bによって第2把持部側の中空部S5と第2毛髪挟持部側の中空部S6とに仕切られている。
この仕切り壁240Bは、下側ハウジング220BのX方向(長手方向:前後方向)における中央部の内側(上面側)からZ方向の上側に向けて突出する壁部221Bを備えている。また、仕切り壁240Bは、カバー330BにおけるX方向前側の内側(下面側)からZ方向の下側に向けて突出する壁部333Bを備えている。さらに、仕切り壁240Bは、パッキン250Bを備えており、壁部221Bと壁部333Bとでパッキン250Bを挟持することで、仕切り壁240Bが形成されている。
そして、第2把持部側の中空部S5および第2毛髪挟持部側の中空部S6には、各種の電気部品が収容されている。
本実施の形態1では、第2把持部側の中空部S5には、ヒータ(ヒータ530Aやヒータ530B)を制御する制御装置340B等の電子部品(電気部品)が収容されている。一方、第2毛髪挟持部側の中空部S6には、ヒューズ582Bやサーミスタ583B等の電気部品が収容されている。この制御装置340Bは、パッキン250Bに形成された挿通孔251Bに挿通されたリード線581Bによって、ヒューズ582Bやサーミスタ583B等の電気部品に電気的に接続されている。
こうすることで、第2把持部側の中空部S5に収容された制御装置340B等の電子部品(電気部品)の防水効果を高めることができるようになる。
また、本実施の形態1では、下側ハウジング220Bの先端部(X方向前側の端部)222Bを、上側(第2毛髪挟持面560B側)に向けて湾曲させている。このように先端部222Bを湾曲させることで、ヘアーアイロン10の使用時に、使用者が先端部222Bをつまむ際につまみやすくなるようにしている。さらに、先端部222Bには突部222aBが形成されており、この突部222aBを、先端部222Bをつまむ際の滑り止めとして機能させている。なお、突部222aBは、ヒータ530Bから先端部(使用者がつまむつまみ部)222Bに伝わる熱を放熱する機能も有している。
また、カバー330Bの回動連結部110側(X方向後側)には、上述した筒部331Bが形成されており、カバー330Bの壁部333B側(X方向前側:第2毛髪挟持部材50B側)には、下方(第2アーム部20B側)に凹むストッパ溝部332Bが形成されている。この筒部331Bは、上述したように、筒部331Aとともに位置ずれ抑制部150を構成するものである。
一方、ストッパ溝部332Bは、ストッパ突起332Aとともに、第1毛髪挟持部40Aの第2毛髪挟持部40B側への相対移動を規制する規制部170を構成するものである。具体的には、第1ケース210Aの第1把持部30A側の下部に、下方に向けて突出するストッパ突起332Aを設けるとともに、第2ケース210Bの第2把持部30B側の上部に下方に向けて凹むストッパ溝部332Bを設け、ストッパ突起332Aの先端をストッパ溝部332Bの底面に当接させることで、第1アーム部20Aと第2アーム部20Bとの閉じる方向への回動が規制されるようにしている。
また、上側ハウジング230Bの一部を構成する第2毛髪挟持部材50Bは、プレート部材510Bを備えており、このプレート部材510Bも、例えば、銅やアルミニウムなど熱伝導性の高い材料で形成されている。また、第2毛髪挟持部材50Bは、第2毛髪挟持部の下側ハウジング420Bに支持されてプレート部材510Bを保持する保持部材520Bと、プレート部材510Bに熱的に接続されてプレート部材510Bに熱を伝達するヒータ530Bと、を備えている。
プレート部材510Bは、略板状のプレート部540Bを備えており、このプレート部540Bの表面(上面)に、略平坦状の第2毛髪挟持面560Bが形成されている。本実施の形態1では、第2毛髪挟持面560Bは、平面視(下側から視た状態)で、第2ケース210Bの長手方向に細長い略長方形状に形成されている。
さらに、プレート部540Bは、Y方向(幅方向:第2毛髪挟持部40Bの幅方向と同一の方向)の両端部が、第2ケース210Bの内側に向けて屈曲している。そして、第2毛髪挟持面560BのY方向(幅方向)の両端には、図5に示すように、幅方向断面視で、斜め外側に向けて凸となる湾曲面562Bが形成されている。
すなわち、第2毛髪挟持面560Bは、幅方向中央部の平坦面(平坦部)561Bと、当該平坦面561Bの幅方向両端に形成される湾曲面562Bとで構成されている。
さらに、プレート部材510Bは、プレート部540Bの背面側(下側)に内側(下側)を向くように連設された一対の脚部550Bを備えており、この一対の脚部550Bを保持部材520Bに保持させることで、プレート部材510Bが保持部材520Bに保持されるようにしている。そして、一対の脚部550Bの間に形成された収容部570Bに、ヒータ530Bが収容されている。このとき、収容部570Bに収容したヒータ530Bが、プレート部540Bの内面に当接するようにしている。
さらに、収容部570Bにおけるヒータ530Bの背面側(下側)には、ヒューズ582Bやサーミスタ583B等の電気部品が収容されている。ここで、本実施の形態1では、収容部570Bは、第2毛髪挟持部側の中空部S6の一部を構成している。したがって、ヒューズ582Bやサーミスタ583B等の電気部品は、中空部S6の一部である収容部570Bに収容されている。
また、本実施の形態1では、ヒータ530BとしてPTCヒータ(Positive Temperature Coefficient ヒータ)を用いている。このように、PTCヒータを用いれば、連続的な温度制御を行うことが可能となる。ただし、加熱手段としてPTCヒータを用いる必要はなく、ニクロム線ヒータやその他の加熱手段を用いるようにしてもよい。
なお、ヒータ(発熱部)は、第1毛髪挟持部40Aおよび第2毛髪挟持部40Bのいずれか一方のみに設けられるようにしてもよい。
また、上述したように、本実施の形態1では、第2把持部側の中空部S5に、ヒータ(ヒータ530Aやヒータ530B)を制御する制御装置340Bが収容されている。そして、この制御装置340Bによって、第1毛髪挟持面560Aおよび第2毛髪挟持面560Bの温度を段階的に設定できるようにしている。
具体的には、プレート部540Bの背面に、制御装置340Bに電気的に接続されたサーミスタ583Bを取り付けている。そして、このサーミスタ583Bの抵抗値、具体的には、ヒータ530Bの温度変化に伴って変化するサーミスタ583Bの抵抗値を利用して、制御装置340Bが、ヒータ(ヒータ530Aやヒータ530B)の温度を制御するようにしている。
なお、本実施の形態1では、プレート部540Bの背面には、ヒューズ582Bが設けられており、制御装置340Bの破損等により第1毛髪挟持面560Aや第2毛髪挟持面560Bの温度が所定の温度を超えてしまった場合に、ヒータ(ヒータ530Aやヒータ530B)への通電が遮断されるようにしている。このようなヒューズは、プレート部540Aの背面にも設けるようにするのが好ましい。
また、第1毛髪挟持部40Aおよび第2毛髪挟持部40Bのうち少なくともいずれか一方は、毛髪挟持部のハウジング(第1毛髪挟持部の上側ハウジング420A,第2毛髪挟持部の下側ハウジング420B)に対して上下方向(毛髪挟持面の法線方向)に相対的に往復移動可能に支持されるようにするのが好ましい。
本実施の形態1では、第2毛髪挟持部材50Bの4隅を、第2毛髪挟持部の下側ハウジング420B内に配置された4個のフロートばね584Bにて支持することで、第2毛髪挟持部材50Bを第2毛髪挟持部の下側ハウジング420Bに対して上下移動できるようにしている。
こうすれば、第1毛髪挟持面560Aと第2毛髪挟持面560Bとの間に挟み込まれた毛髪に過度の負荷がかかってしまうのが抑制され、毛髪へのダメージを抑制することができるようになる。
さらに、本実施の形態1では、第1アーム部20Aと第2アーム部20Bとを閉じた状態において、第1毛髪挟持面560Aと第2毛髪挟持面560Bとの間に所定の間隔dが形成されるようにしている。
具体的には、ストッパ突起332Aの先端をストッパ溝部332Bの底面に当接させた状態において、第1毛髪挟持面560Aと第2毛髪挟持面560Bとの間に所定の間隔dが形成されるようにしている。さらに、第1毛髪挟持面560Aの全面と第2毛髪挟持面560Bの全面との間に所定の間隔dが形成されるようにしている。
また、上述したように、第1毛髪挟持部側の中空部S3内には、放電装置600が設けられている(図5および図7参照)。
本実施の形態1では、この放電装置600は、放電極830を有する第1電極800と、放電極830とは離間配置され、当該放電極830との間で放電を行う対極(放電極830と対になる電極)910を有する第2電極900と、を備えている。
さらに、放電装置600は、第1電極800を保持する電極保持部材700を備えている。本実施の形態1では、電極保持部材700が第1電極800だけでなく第2電極900も保持されるようにしている。そして、この電極保持部材700は、第1毛髪挟持部材50Aの上部に載置されている(図8参照)。
第1電極800は、例えば、金属等により形成することができ、本実施の形態1では、略矩形板状の部材の両端側を同一の方向に折り曲げた形状をしている。そして、幅方向両端の折り曲げられた部位が、略矩形板状の電極本体部810,810となっており、2つの電極本体部810,810を連結する中央の略矩形板状の部位が連結部820となっている。
また、電極本体部810を板厚方向から視た状態で、当該電極本体部810の一端側(連結部820側とは反対側)の辺部811に放電極830が形成されるようにしている。
本実施の形態1では、辺部811に複数のスリットを設けることで、一端側に向けて突出する放電極830をこの辺部811に複数形成している。
したがって、この辺部811を一端側(放電極830が突出している方向)から視ると、一方向に細長い(板厚方向が短手方向となる)長方形状をしている(図11参照)。
さらに、本実施の形態1では、複数の放電極830が、互いに形状の異なる二種類の放電極831,832を有するようにしている。
具体的には、複数の放電極830のうち少なくとも1つの放電極830を、電極本体部810を板厚方向から視た状態で、幅狭、かつ、一端側に向けて尖った状態で突出する(先端が略針状となる)針状放電極831としている。
また、複数の放電極830のうち少なくとも1つの放電極830を、電極本体部810を板厚方向から視た状態で、幅広、かつ、先端が平坦状となる板状放電極832としている。
本実施の形態1では、各電極本体部810,810に、1つの針状放電極831と2つの板状放電極832,832とがそれぞれ形成されるようにしている。
一方、第2電極900は、対極910を備えており、例えば、金属等の略板状の部材をプレス成形することで形成することができる。本実施の形態1では、この第2電極900は、長手方向(ヘアーアイロン10を組み付けた状態では、X方向)の中央部に設けられた対極910と、対極910の長手方向(ヘアーアイロン10を組み付けた状態におけるX方向)の両端に連設される一対の取付部920,920と、を備えている。
さらに、本実施の形態1では、対極910の中央部にX方向に細長い貫通孔911が形成されており、対極910が略枠状に形成されている。
また、各取付部920,920の短手方向の一端には、同一の方向に屈曲させた屈曲片921,921がそれぞれ形成されている。
なお、本実施の形態1では、略同一形状をした第2電極900が2つ配置されており、1つの第2電極900の対極910と一方側の電極本体部810に形成された放電極830との間で放電を行うとともに、他の第2電極900の対極910と他方側の電極本体部810に形成された放電極830との間で放電を行うようにしている。
これらの放電極830や対極910は、581Aを介して高出力回路340Aに電気的に接続されており、放電極830の針状放電極831と対極910との間、板状放電極832と対極910との間に高電圧を印加して放電(コロナ放電等)を生じさせることができるようになっている。
そして、第1電極800と2つの第2電極900が、電極保持部材700に保持された状態で、第1毛髪挟持部側の中空部S3内に配置されている。
電極保持部材700は、第1電極800を保持する基台部710を備えている。そして、この基台部710は、Y方向(幅方向)の中央部で略水平に延在する平坦部730と、平坦部730のY方向(幅方向)の両端にそれぞれ連設されて、Y方向外側かつ下方に延在する傾斜部740,740と、を備えている。なお、傾斜部740,740は、第1電極800を取り付けた際に、電極本体部810,810が略平行に対向するように形成されている。
また、本実施の形態1では、平坦部730の中央上部に、上方に突出する保持台731が設けられており、この保持台731の上部に第1電極800の連結部820を取り付けることで、第1電極800が電極保持部材700に保持されるようにしている。
具体的には、保持台731の上部には上方に突出する2つの位置決め突起731a,731aが形成されている(図9参照)。そして、この位置決め突起731a,731aを連結部820に形成された挿通孔821,821にそれぞれ挿通させた状態で、連結部820を保持台731に固定することで、第1電極800が電極保持部材700に保持されるようにしている。このとき、連結部820のY方向両側に形成された各放電極830,830は、それぞれ、Y方向外側かつ下方に突出した状態で配置されることとなる。
また、位置決め突起731a,731aは、先端が連結部820よりも上方に位置するように形成されており、第1電極800は、第1毛髪挟持部の上側ハウジング420Aから離間した状態で配置されるようになっている。
さらに、保持台731の下部には、図9に示すように、下方に突出する脚部732が4つ形成されている。そして、この4つの脚部732を上側平坦部521aA上に載置させている(図5および図8参照)。
また、電極保持部材700は、第2電極900を保持する第2電極保持部720を備えている。本実施の形態1では、この第2電極保持部720は、平坦部730の4隅に設けられており、各第2電極保持部720が、平坦部730にそれぞれ一体に設けられている。
本実施の形態1では、各第2電極保持部720は、下方に突出する脚部750と、Y方向外側に略水平に延在する延設部760と、下方に向けて略垂直に延在する延設部770と、を備えている。
そして、Y方向一方側にX方向に並ぶように形成された2つの脚部750,750の下面751,751には、1つの第2電極900に形成された屈曲片921,921がそれぞれ取り付けられている。
また、各延設部760の先端には係合爪761がそれぞれ設けられており、Y方向一方側にX方向に並ぶように形成された2つの係合爪761,761に、1つの第2電極900に形成された取付部920,920の端部920a,920aを係合させている。
また、各延設部770の先端には係合爪771がそれぞれ設けられており、Y方向一方側にX方向に並ぶように形成された2つの係合爪771,771に、1つの第2電極900に形成された取付部920,920の屈曲片921,921を係合させている。
こうすることで、第2電極900を第2電極保持部720に保持させている。
なお、各延設部770は、各脚部750の下面751よりも下方に突出するように形成されており、この4つの延設部770の下端を、中間平坦部521cA,521cA上に載置させている(図5および図8参照)。
このように、下面751よりも下方に突出させた延設部770の下端を中間平坦部521cA,521cA上に載置させるようにすることで、第2電極900が、保持部材520Aから離間した状態で配置されるようにしている。
また、もう1つの第2電極900も同様の方法で、Y方向他方側の第2電極保持部720,720に保持されている。
そして、本実施の形態1では、第1電極800および第2電極900を電極保持部材700に保持した状態で、対極910が、放電極830の突出方向に略直交する方向に延在するようにしている。
さらに、放電極830が形成された辺部811を、放電極830の突出方向から視た際に、この辺部811が、対極910に形成された貫通孔911の略中央に位置するようにしている(図11参照)。すなわち、枠状に形成された対極910が、辺部811を一端側から視た状態で、辺部811の四方を囲うように(X方向に細長い長方形状の4辺の全てに沿うように)配置されるようにしている。
なお、対極910は枠状に形成する必要はなく、辺部811の少なくとも二方を囲うように配置されていればよい。例えば、2本の直線状の対極を、辺部811の2つの長辺に沿うように配置させることもできるし、略L字状をした対極を、辺部811の長辺および短辺に沿うように配置させることもできる。
なお、本実施の形態1では、第2電極保持部720は、絶縁壁780をさらに備えており、この絶縁壁780によって、放電極830と取付部920,920との間で放電が生じてしまうのが抑制されるようにしている。
このような放電装置600としては、例えば、帯電微粒子液体(例えば、ミストなど)を生成する帯電微粒子発生装置や金属微粒子を生成する金属微粒子発生装置を用いることができる。
そして、このような放電装置(帯電微粒子発生装置や金属微粒子発生装置)600で生成されたイオン(ミストなどの帯電微粒子液体や金属微粒子)が、イオン放出口421Aから外部に放出されるようにしている。こうすることで、放電装置600で生成されたイオンが、イオン放出口421Aを通って毛髪に供給されるようにし、髪ケア効果をより向上させることができるようにしている。
本実施の形態1では、第1毛髪挟持部の上側ハウジング420AのY方向両側に、イオン放出口421A,421Aが、それぞれ第1毛髪挟持部側の中空部S3と連通するように形成されている。
そして、放電極830が形成された辺部811が、このイオン放出口421A,421Aに臨むように配置されている。すなわち、イオン放出口421A,421Aは、放電極830の突出方向に位置するように、第1毛髪挟持部の上側ハウジング420Aに形成されている。
さらに、本実施の形態1では、第1毛髪挟持部40A内に、放電極830に水等の液体を供給するための液体通路440Aが形成されている。そして、この液体通路440Aの上流端には液体を液体通路440A内に導入するための液体吸入口563Aが形成されている。
本実施の形態1では、液体吸入口563Aは、第1毛髪挟持面560AのY方向の両端に形成されている。具体的には、第1毛髪挟持面560AのY方向の一端側に、X方向に並ぶように複数の液体吸入口563Aが並設されており、第1毛髪挟持面560AのY方向の他端側に、X方向に並ぶように複数の液体吸入口563Aが並設されている(図6参照)。
そして、本実施の形態1では、この液体吸入口563Aは、プレート部540Aに形成された貫通孔541Aの下端に形成されている。
このように、本実施の形態1では、プレート部540Aに形成された貫通孔541Aが液体通路440Aの一部を構成している。
また、図5に示すように、側壁部522Aには窓部522aAが形成されており、この窓部522aAも、液体通路440Aの一部を構成している。
そして、第1電極800(電極本体部810)を保持する電極保持部材(電極保持部)700における放電極830の下方(近傍)にも貫通孔700aが形成されており、この貫通孔700aも液体通路440Aの一部を構成している。
このように、本実施の形態1では、液体通路440Aは、液体吸入口563Aを有する貫通孔541Aと、脚部550Aと側壁部522Aとの間の空間と、窓部522aAと、を有している。また、液体通路440Aは、側壁部522Aと第1毛髪挟持部の上側ハウジング420Aとの間の空間と、保持部材520Aの天壁部521Aと電極保持部材700の基台部710との間の空間と、貫通孔700aと、を有している。
なお、上述したように、液体吸入口563Aは、第1毛髪挟持面560Aおよび第2毛髪挟持面560Bで挟まれた毛髪が保持する水分などの液体(その他の例としては、毛髪用トリートメント剤などがあげられる)を液体通路440A内に導入するために形成されている。
一方、イオン放出口421Aは、針状放電極831(放電極830)と対極910との間、板状放電極832(放電極830)と対極910との間で放電を生じさせて生成されたイオン(マイナスイオンやプラスイオン)や帯電微粒子液体を、第1毛髪挟持部側の中空部S3の外部に放出して毛髪に供給できるようにするために形成されている。
したがって、ヘアーアイロン10の使用時には、第1毛髪挟持面560Aおよび第2毛髪挟持面560Bで挟まれた毛髪が保持する水分などの液体が液体吸入口563Aから液体通路440A内に導入されることとなる。
そして、液体通路440A内に導入された水分などの液体は、針状放電極831(放電極830)や板状放電極832(放電極830)に接触して結露することとなる。このとき、放電極830として板状放電極832を用いることで、電極の露出面積が大きくなり、水分などの液体をより効率的に結露させることができる。
さらに、複数の放電極830は、対極910側に、対極910と対向するように、複数のスリットによってX方向に分離された状態で形成されている。したがって、電極本体部810の一端側の辺部811における対極910と対向する部位に仮想の針が複数形成されることとなり、高電圧を印加した際には、この仮想の針部分に電界集中を生じさせることができるようになる。その結果、より効率的に放電を行うことが可能となる。
なお、水分などの液体を結露させない状態で、放電を行い、イオンのみ生成するようにしてもよい。
また、放電を生じさせる際には、電極間にマイナス電圧を印加してマイナスイオンを発生させるようにしてもよいし、電極間にプラス電圧を印加してプラスイオンを発生させるようにしてもよい。
また、マイナス電圧とプラス電圧を交互に印加して、マイナスイオンとプラスイオンを交互に発生させるようにしてもよいし、複数の電極のいずれかにマイナス電圧を印加し、その他の電極のいずれかにプラス電圧を印加することで、マイナスイオンとプラスイオンを同時に発生させるようにしてもよい。
ここで、上記構成のヘアーアイロン10を用いた場合の作用の一例を説明する。
まず、ヘアーアイロン10に設けられた図示せぬ操作スイッチを操作することで、ヒータ(ヒータ530Aやヒータ530B)を通電させる。こうすることで、ヒータ(ヒータ530Aやヒータ530B)が発熱し、発熱したヒータ(ヒータ530Aやヒータ530B)からプレート部540Aおよびプレート部540Bに熱が伝達される。こうすることで、プレート部540Aおよびプレート部540Bが加熱される。
そして、第1毛髪挟持面560Aと第2毛髪挟持面560Bとを所定温度(例えば、170℃)となるように加熱する。
このとき、針状放電極831と対極910との間に高電圧が印加され、放電(コロナ放電等)が生じ、主にイオン(マイナスイオンやプラスイオン)が生成される。一方、板状放電極832と対極910との間に高電圧が印加され、放電(コロナ放電等)が生じ、主に帯電微粒子液体が生成される。そして、生成されたイオン(マイナスイオンやプラスイオン)や帯電微粒子液体がイオン放出口421Aから放出される。
そして、第1毛髪挟持面560Aおよび第2毛髪挟持面560Bを加熱しつつ、イオン(マイナスイオンやプラスイオン)や帯電微粒子液体をイオン放出口421Aから放出させた状態で、毛髪を第1毛髪挟持面560Aと第2毛髪挟持面560Bとの間に挟み込む。
その後、カール状の癖付けを施す場合には、毛髪を挟んだ状態でヘアーアイロン10を半回転以上させて、第1毛髪挟持面560Aと第2毛髪挟持面560Bとで挟み込まれていない部位の毛髪を外表面(外表面420aAや外表面420aB)に螺旋状に巻き付ける。
そして、毛髪を外表面(外表面420aAや外表面420aB)に押し当てた状態で、ヘアーアイロン10を、毛髪に沿って滑らせながら毛先に向けて引き下ろすことで、毛髪にカール状の癖付けが施される。
一方、ストレート状の癖付けを施す場合には、毛髪を第1毛髪挟持面560Aと第2毛髪挟持面560Bとの間に挟み込んだ状態で、ヘアーアイロン10を回転させずに、毛髪に沿って滑らせながら毛先に向けて引き下ろす。こうすることで、毛髪にストレート状の癖付けが施される。
このとき、毛髪は、生成されたイオン(マイナスイオンやプラスイオン)や帯電微粒子液体が供給されながらカール状やストレート状の癖付けが施されることとなる。例えば、ミストを生成する帯電微粒子発生装置を配置すれば、コロナ放電等の放電作用によって結露水が微粒化されることとなって、ナノメータサイズの非常に細かいミスト(マイナスイオンを含むマイナスに帯電されたミスト)が生成されて、当該ミストが毛髪に供給されることとなる。
また、金属微粒子発生装置を配置すれば、コロナ放電等の放電作用によって放電極830や対極910等から金属微粒子(金属の分子やイオン等)を放出させて、当該金属微粒子が毛髪に供給されることとなる。
この金属微粒子発生装置の放電極や対極は、遷移金属(例えば、金、銀、銅、白金、亜鉛、チタン、ロジウム、パラジウム、イリジウム、ルテニウム、オスミウム等)の単体、合金、あるいは遷移金属をメッキ処理した部材等で構成することが可能である。
ここで、放電部で生成され放出された金属の微粒子に、金や、銀、銅、亜鉛等が含まれている場合には、当該金属の微粒子によって抗菌作用を生じさせることができる。また、金属の微粒子に、白金、亜鉛、チタン等が含まれている場合には、当該金属の微粒子によって抗酸化作用を生じさせることができる。
なお、白金の微粒子は、抗酸化作用が極めて高いことが判明している。また、金属微粒子の放出をさせない部分(例えば、グランド電極として機能させる電極等)は、ステンレススチールや、タングステン等を用いて構成することができる。
また、放電部は、放電作用によってイオン(例えばマイナスイオン、例えばNO2 −、NO3 −等)を生じさせ、このイオンを、放電極や、対極、他の金属材料や金属成分を含む部材等に衝突させることで、金属微粒子を生成するものであってもよい。すなわち、対極や上記他の部材を、上記遷移金属を含む材料によって構成し、これらから金属微粒子を放出させるようにしてもよい。
こうすることで、ヘアーアイロン10を用いて毛髪を施術した際に、毛髪が施術により傷んでしまうのを抑制することができるようになる。
以上説明したように、本実施の形態1にかかるヘアーアイロン10は、第1毛髪挟持面560Aを有する第1毛髪挟持部40Aと、第1毛髪挟持面560Aに対向可能な第2毛髪挟持面560Bを有する第2毛髪挟持部40Bと、を備えている。このヘアーアイロン10は、第1毛髪挟持面560Aと第2毛髪挟持面560Bとを対向させた状態で毛髪が狭持されるものである。
また、第1毛髪挟持部40A内にはイオンを生成する放電装置600が配置されており、第1毛髪挟持部40Aには放電装置600で生成されたイオンを外部に放出するイオン放出口421Aが形成されている。
また、放電装置600は、放電極830を有する第1電極800を備えており、第1電極800は、略板状に形成された電極本体部810を備えている。
そして、電極本体部810を板厚方向から視た状態で、電極本体部810の一端側の辺部811に放電極830が複数形成されており、複数の放電極830が、互いに形状の異なる二種類の放電極831,832を有するものである。
このように、略板状の電極本体部810の一端側の辺部811に放電極830が形成されるようにすれば、第1毛髪挟持部40A内における放電装置600の配置スペースを極力小さくすることが可能となって、ヘアーアイロン10のスリム化を図ることができるようになる。さらに、複数の放電極830が、互いに形状の異なる二種類の放電極831,832を有するようにすれば、二種類の放電極831,832の主な働きを異ならせることができるようになるため、髪ケア効果をより向上させることができるようになる。
このように、本実施の形態1にかかるヘアーアイロン10によれば、髪ケア効果を高めつつスリム化を図ることができるようになる。
また、本実施の形態1では、放電装置600が、放電極830とは離間配置され、当該放電極830との間で放電を行う対極910を有する第2電極900を備えている。
そして、辺部811を一端側から視た状態で、対極910が、辺部811の少なくとも二方を囲うように配置されている。
このように、略板状の電極本体部810の一端側の辺部811に放電極830が形成されるようにするとともに、放電極830との間で放電を行う対極910を放電極830が形成された辺部811の少なくとも二方を囲うように配置すれば、対極910側における電解集中を緩和させることができるようになる。その結果、放電極830と対極910との間でアーク放電が発生してしまうのを抑制することができるようになるため、対極910を放電極830により近づけることができるようになって、第1毛髪挟持部40A内における放電装置600の配置スペースを極力小さくすることが可能となる。
また、本実施の形態1では、対極910が枠状に形成されており、辺部811を一端側から視た状態で、辺部811の四方を囲うように配置されている。
こうすれば、対極910側における電解集中をより緩和させることができるようになるため、対極910を放電極830により近づけることができるようになる。その結果、第1毛髪挟持部40A内における放電装置600の配置スペースをより小さくすることが可能となる。
また、本実施の形態1では、第1毛髪挟持部40A内に、液体吸入口563Aを有し、放電極830に液体を供給する液体通路440Aが形成されている。
こうすれば、放電装置600自体に液体供給機構を設けることなく、放電装置600にて液体を帯電微粒子化させることができるようになる。
また、本実施の形態1では、第1毛髪挟持部40A内に、電極本体部810を保持する電極保持部材(電極保持部)700を形成するとともに、電極保持部材(電極保持部)700における放電極830の下方(近傍)に、液体通路440Aの一部を構成する貫通孔700aが形成されている。
こうすれば、液体通路440Aの省スペース化を図ることが可能となる上、液体吸入口563Aから導入された液体をより効率よく放電極830に供給することができるようになる。
また、電極保持部材(電極保持部)700における放電極830の下方に、液体通路440Aの一部を構成する貫通孔700aを形成すれば、液体通路440Aが、Y方向に延在するイオンの放出通路と干渉してしまうのを抑制することができるようになる。さらに、放電極830の下方に貫通孔700aを形成することで、放電極830と対極910との間の電解集中バランスがよくなり、より安定して放電を行うことができるようになる。
また、本実施の形態1では、第1毛髪挟持面560Aに液体吸入口563Aが形成されている。
このように、第1毛髪挟持面560Aの中に液体吸入口563Aが形成されるようにすれば、第1毛髪挟持面560Aの外側に液体吸入口の形成位置を確保する必要がなくなるため、ヘアーアイロン10のより一層のスリム化を図ることができるようになる。
また、本実施の形態1では、液体吸入口563Aが第1毛髪挟持面560Aの端部に形成されている。
こうすれば、第1毛髪挟持面560Aにおける毛髪を挟持する部分が液体吸入口563Aによって分断されてしまうのを抑制することができるようになる。その結果、毛髪への施術効果が損なわれてしまうのを抑制しつつ、ヘアーアイロン10のより一層のスリム化を図ることができるようになる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施の形態には限定されず、種々の変形が可能である。
例えば、第1毛髪挟持面と第2毛髪挟持面とが当接可能なヘアーアイロンに放電装置600を適用することも可能である。
また、辺部に形成される複数の放電極が同一形状をしていてもよいし、辺部に1つの放電極が形成されていてもよい。
また、対極を板状放電極や針状放電極に対向させないようにすることも可能である。
また、対極を設けず、放電極とその近傍にある構成部材との間で放電を行うようにしてもよい。
また、上側毛髪挟持部側だけでなく下側毛髪挟持部にも放電装置を設けるようにしてもよいし、下側毛髪挟持部のみに放電極を設けるようにしてもよい。なお、下側毛髪挟持部のみに放電極を設けた場合、下側毛髪挟持部が第1毛髪挟持部、上側毛髪挟持部が第2毛髪挟持部となる。
また、把持部や毛髪挟持部、その他細部のスペック(形状、大きさ、レイアウト等)も適宜に変更可能である。