JP6623847B2 - 光源装置及びこれを備えた露光装置 - Google Patents

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Description

本発明は、光源装置に関し、特に、複数のLED素子を備えた光源装置に関する。また、本発明は、このような光源装置を含む露光装置に関する。
従来、光を活用した光処理技術が多様な分野で利用されている。例えば、光を用いた微細加工に露光装置が利用されている。近年では、露光技術は種々の分野で展開されており、微細加工の中でも比較的大きなパターンの作製や三次元的な微細加工に利用されている。より具体的には、例えばLEDの電極パターンの作製や、加速度センサーに代表されるMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)の製造工程などに露光技術が利用されている。
これらの光処理技術において、光源としては、以前から輝度の高い放電ランプが用いられていた。しかし、近年の固体光源技術の進歩に伴い、複数のLED素子が配置されたものを光源として利用することが検討されている。このような技術として、例えば特許文献1には、複数のLED素子からなるユニットを光源とし、この光源とマスクの間にフライアイレンズが配置された露光装置が開示されている。
特開2004−335937号公報
上述したように、従来は露光装置用の光源として、輝度の高い放電ランプが用いられていた。このような放電ランプの一例として、超高圧水銀ランプが挙げられる。図1は、超高圧水銀ランプから放射される光のスペクトル分布の一例を示したグラフである。図1において、横軸は波長を示し、縦軸は光に含まれる波長別の相対的な強度を示している。図1に示されるように、超高圧水銀ランプから放射される光には、多くの波長成分が含まれている。
図1によれば、g線(波長436nmの光)、i線(波長365nmの光)、及びh線(波長405nmの光)について、相対的な強度が高いことが示されている。よって、このような放電ランプから放射された光を、露光用の光として用いる場合には、これらの波長の光が混在した形で利用されることがある。
露光装置は、例えばフォトリソグラフィ工程に利用される。具体的には、加工したい対象物の上面に塗布されたフォトレジストと呼ばれる感光性材料に対して、目的とする加工形状に応じたマスクを介して露光装置から光を照射させる。これにより、マスクで覆われていない領域に存在していたフォトレジストが変質する。フォトレジストがポジ型レジストであれば、現像後に当該変質箇所が除去される。一方、フォトレジストがネガ型レジストであれば、現像後に当該変質箇所以外が除去される。いずれにしても、目的とする加工形状に合ったフォトレジストが加工対象物の上面に残存するため、このフォトレジストを基準として加工対象物を加工することで、所望の形状に加工することができる。
フォトレジストは、露光装置から放射された光が照射されることで、当該照射箇所の化学的性質を変化させる。このため、上述したリソグラフィ工程に露光装置を利用することを鑑みた場合には、所定の領域内のフォトレジストを変質させるのに十分な光量の光を、フォトレジストに照射させることが重要となる。
図1を参照して上述したように、放電ランプからの放射光には、複数の波長の光が含まれている。よって、従来この複数の波長の光を利用して、フォトレジストに対する露光処理が行われることがあった。このような工程に用いられている露光用光源として、放電ランプからLED素子に置き換えることを検討した場合には、複数波長の光を射出する複数のLED素子を光源として配置することが必要となる。
本発明は、複数波長の光を射出する複数のLED素子を露光装置の光源として用いた場合において、簡易な方法によって露光の精度を高めることを目的とする。
本発明者は、露光装置用の光源を、従来用いられていた放電ランプから、複数のLED素子に置き換えた場合に、以下の理由により、露光の精度にばらつきが生じるおそれがあることを見出した。
LED素子は、上述したように環境温度の影響を受けて出力が変動する。本発明者は、発光波長に応じて、LED出力の変動の態様が異なることに着目した。図2は、2種類のLED素子を連続点灯させた場合における、各LED素子からの光出力の経時的な変化の一例をグラフに示したものである。図2において、横軸は点灯を開始してからの時間であり、縦軸は光出力である。縦軸の値は、波長毎に、点灯を開始した直後の光出力に対する相対的な値として示されている。
具体的には、放電ランプのスペクトル線として代表的なh線及びi線とそれぞれ波長が等しい光、すなわち、波長405nmの光、及び波長365nmの光を、LED素子から連続的に射出させて、その変化を測定した。
図2によれば、波長405nmの光に比べて、波長365nmの光は出力の低下傾向が速いことが分かる。つまり、図2によれば、点灯を開始した直後の光に含まれる波長分布と、点灯を開始してから所定時間経過後の光に含まれる波長分布とが異なることになる。
放電ランプは、点灯を開始してから最大出力に達するための時間(立ち上がり時間)が長い。このため、従来、放電ランプを用いて連続的に露光処理を行う場合には、一つのワークが終了してから次のワークを開始させるまでの間、放電ランプの点灯を継続しつつ、アパーチャ等で光を遮るという処理が行われることがあった。
ところで、LED素子の場合、放電ランプに比べると、点灯を開始してから最大出力に達するための時間(立ち上がり時間)が極めて短い。このため、ワークに対して連続的に露光処理を行う場合において、一つのワークが終了してから次のワークを開始させるまでの間にいったんLED素子を消灯させるという制御を行うことも事実上は可能である。しかし、このような制御を行ったとしても、各ワークに対する露光処理中に、各LED素子の出力が常に同じように変化する保障はない。なぜなら、LED素子の光出力は、温度等の外部環境因子に敏感であるためである。
本発明者は、上記の考察を経て、複数波長の光を射出する複数のLED素子を露光装置の光源として用いた場合であっても、簡易な方法によって露光の精度を高めることのできる光源装置を実現することを検討した。
本発明に係る光源装置は、第一波長の光を射出する複数のLED素子を含む第一光放射領域と、前記第一波長とは異なる第二波長の光を射出する複数のLED素子を含む第二光放射領域とを有した光源部と、
前記光源部の後段に配置され、前記第一波長の光の強度を検出する光検出部と、
前記第一光放射領域及び前記第二光放射領域に対して、それぞれ個別に、通電のオンオフ制御を行うことが可能に構成された制御部とを備え、
前記制御部は、
前記第一波長の光の目標積算光量である第一目標積算光量に関する情報を記憶した記憶部を有し、
前記光検出部で検知された前記第一波長の光の強度に基づいて算出された積算光量が、前記第一目標積算光量に達すると、前記第二光放射領域に対する通電の制御とは独立して、前記第一光放射領域に対する通電を停止する制御を行うことを特徴とする。
この光源装置によれば、第一波長の光については、目標とする積算光量に達すると制御部からの制御によって射出が停止される。このため、仮に第一波長の光を生成するLED素子が、外部環境に対する光出力への影響が高い素子で構成されていたとしても、光源装置から照射される第一波長の光の積算光量に対するばらつきを抑制することができる。
上記の光源装置が備える制御部は、単に、予め定められた第一目標積算光量に達した時点で、第一波長の光を射出する第一光放射領域に対する通電を停止するという制御を行う。ここで、LED素子から射出される光出力を変化させる別の制御態様として、LED素子に対して供給される電流量を変化させるという方法も考えられる。この方法は、単位時間あたりの光出力については供給される電流量を制御することで調整しつつ、積算光量については点灯時間を制御することで調整するという方法である。
しかし、検知された光量に応じて光出力を変化させるという制御は、制御内容が上記と比べて複雑になる一方で、必ずしも高い追随性が得られるという保障はない。つまり、光量を検知してから、電流量を変化させて光出力を変化させるまでに要する時間と、一定電流量の下で外部環境に応じて光出力が変化する速度との関係によっては、正しくフィードバック制御をしているにもかかわらず、目標とする積算光量に達しない場合が起こり得る。
上記の構成によれば、外部環境による光出力の影響が大きい波長の光を射出するLED素子からの光であっても、簡易な制御内容で、目標とする積算光量を照射させることが可能である。
前記制御部は、前記第二光放射領域に対する通電を開始してから、所定の時間が経過した後に、前記第一光放射領域に対する通電の制御とは独立して、前記第二光放射領域に対する通電を停止する制御を行うものとしても構わない。
波長によっては、外部環境による光出力への影響が小さい光も存在する。図2に示した例であれば、波長405nmの光がこれに対応する。このような光については、単位時間あたりの光出力がほぼ変化しないため、ある場所に照射された光を検知することなく、単に照射時間を調整するのみで積算光量を精度よく調整することができる。よって、第二波長の光を発するLED素子が、外部環境に対する影響の小さい素子である場合には、上記のような制御を行うことで、第一波長の光と、第二波長の光の双方に関して、所望する積算光量を精度よく実現することができる。
また、
前記光検出部は、前記第二波長の光の強度の検出が可能な構成であり、
前記記憶部は、前記第二波長の光の目標積算光量である第二目標積算光量に関する情報が記憶されており、
前記制御部は、前記光検出部で検知された前記第二波長の光の強度に基づいて算出された積算光量が、前記第二目標積算光量に達すると、前記第一光放射領域に対する通電の制御とは独立して、前記第二光放射領域に対する通電を停止する制御を行うものとしても構わない。
上記の構成によれば、第二波長の光を発するLED素子が、外部環境に対する影響を受けやすい素子である場合であっても、第一波長の光と、第二波長の光の双方に関して、所望する積算光量を精度よく実現することができる。
前記光源装置は、
前記光源部から射出された光をコリメートする第一光学系と、
前記第一光学系から射出された光を集光する第二光学系とを有し、
前記光検出部は、前記第二光学系よりも後段に配置されているものとすることができる。
一つのLED素子から射出される光は、ランプに比べて輝度が小さい。このため、例えば露光装置など、多くの光を必要とする用途の光源に利用されることを想定した場合には、なるべく輝度を落とすことなく、多くのLED素子の光を集めることが重要となる。上記構成によれば、複数のLED素子から射出された光を、第一光学系においてコリメートした後に、集光している。これにより、各LED素子からの射出光を、集光位置で結像させることができる。また、各LED素子からの射出光は、コリメートレンズ(第一光学系)の配置を調整することで射出された光束同士の間隔を狭めることができ、非発光領域の少ない光源が構成される。これにより、輝度の高い光源装置が実現される。
そして、光検出部は、第二光学系よりも後段に配置されることで、概ね、光源部に含まれる各LED素子から射出された光を入射させる構成とすることができる。これにより、光検出部で検出される光量の値の精度を高めることができる。
また、前記光源装置は、
前記第二光学系の後段に配置され、入射された光の一部を分光する第三光学系を備え、
前記光検出部は、前記第三光学系によって分光された光が入射される構成とすることができる。
このとき、第三光学系から分光された光のうち、光検出部に向かわない光が、目的とする用途に用いられるものとして構わない。
また、前記光源装置は、
入射面が前記第二光学系の焦点位置に配置されたインテグレータ光学系を備え、
前記光検出部は、前記インテグレータ光学系の後段、又は前記第二光学系と前記インテグレータ光学系との間に配置されているものとしても構わない。
前記インテグレータ光学系は、前記入射面から入射された光を、内側面で反射を繰り返させながら射出面へと導く導光部材で構成されるものとしても構わない。この構成によれば、導光部材の入射面に対して、放射強度の高い光が集光されるため、導光部材の射出面から、輝度が高く照度分布が均一化された光を射出することができる。なお、導光部材としては、例えばロッドインテグレータやライトトンネルで構成することができる。
また、前記インテグレータ光学系は、複数のレンズがマトリクス状に配置されたフライアイレンズで構成されるものとしても構わない。フライアイレンズによって、照射面における照度分布を均一化させることができる。これにより、輝度が高く照度分布が均一化された光源装置が実現できる。
また、本発明に係る露光装置は、
前記光源装置と、前記光源装置から射出された光を前記マスクに照射して、前記マスクのパターン像を前記感光性基板上に投影する投影光学系とを備えたことを特徴とする。
上記の構成によれば、目標とする積算光量を精度よく実現することができるため、各感光性基板に対して投影されるパターン像のばらつきが抑制される。
前記露光装置は、前記第一目標積算光量に関する情報を入力する入力部を備え、
前記入力部から入力された前記第一目標積算光量に関する情報が、前記記憶部に記憶される構成としても構わない。
本発明によれば、複数波長の光を射出する複数のLED素子を露光装置の光源として用いた場合において、簡易な方法によって露光の精度を高めることができる。
超高圧水銀ランプから放射される光のスペクトル分布の一例を示すグラフである。 h線及びi線とそれぞれ波長が等しい光をLED素子から連続的に射出させた場合における、各LED素子からの光出力の経時的な変化の一例を示すグラフである。 第一実施形態の光源装置の構成の一例を模式的に示す図面である。 第一実施形態の光源装置が備える光源部の構成を模式的に示す図面である。 第一実施形態の光源装置が備える制御部の構成を模式的に示すブロック図である。 第一実施形態の光源装置が備える制御部の別の構成を模式的に示すブロック図である。 第一実施形態の光源装置が備える制御部の別の構成を模式的に示すブロック図である。 第二実施形態の光源装置の構成の一例を模式的に示す図面である。 第二実施形態の光源装置が備える光源部の構成を模式的に示す図面である。 第三実施形態の光源装置の構成の一例を模式的に示す図面である。 第三実施形態の光源装置が備える制御部の構成を模式的に示すブロック図である。 第四実施形態の露光装置の構成の一例を模式的に示す図面である。 別実施形態の光源装置の構成の一例を模式的に示す図面である。
以下、本発明の光源装置及び露光装置につき、図面を参照して説明する。なお、各図における寸法比は、実際の寸法比と必ずしも一致していない。
[第一実施形態]
図3は、第一実施形態の光源装置の構成の一例を模式的に示す図面である。
本実施形態の光源装置1は、2つの光放射領域(2a,2b)を備えている。以下、これらの光放射領域(2a,2b)を「光源部2」と総称することがある。
光放射領域2aは、複数のLED素子3aを含む。光放射領域2bは、複数のLED素子3bを含む。LED素子3aとLED素子3bは、発光波長が異なっている。一例として、LED素子3aの発光波長を365nmとし、LED素子3bの発光波長を405nmとすることができるが、各LED素子(3a,3b)の発光波長はこの値に限定されるものではない。
図4は、上記光放射領域2a及び2bを模式的に示した図面である。光放射領域2aに含まれるLED素子3aと、光放射領域2bに含まれるLED素子3bとが、発光波長が異なっていることを示すために、LED素子3aは白地の矩形で表示されており、LED素子3bはハッチングが施された矩形で表示されている。
以下、これらのLED素子(3a,3b)を「LED素子3」と総称することがある。一例として複数のLED素子3は、所定の平面上に配置されているものとすることができる。ただし、本発明において、複数のLED素子3の配置態様は、どのようなものであっても構わない。
図3に戻り、光源装置1は制御部11aと制御部11bとを備える。制御部11aは、LED素子3aの発光を制御し、制御部11bは、LED素子3bの発光を制御する。以下、これらの制御部(11a,11b)を「制御部11」と総称することがある。制御部11は、各LED素子3に対して通電を行うか否かを制御することで、各LED素子の点灯/消灯の制御を行う。
光源装置1は、第一光学系(5a,5b)を備えている。第一光学系5aは、複数のLED素子3aから射出された光をそれぞれコリメートする光学系であり、各LED素子3aに対応して複数のコリメートレンズ6aが配置されて構成されている。同様に、第一光学系5bは、複数のLED素子3bから射出された光をそれぞれコリメートする光学系であり、各LED素子3bに対応して複数のコリメートレンズ6bが配置されて構成されている。以下、第一光学系(5a,5b)を「第一光学系5」と総称し、コリメートレンズ(6a,6b)を「コリメートレンズ6」と総称することがある。
光源装置1は、第二光学系(7a,7b)及び合成光学系21を備えている。合成光学系21は、LED素子3aの発光波長の光を透過し、LED素子3bの発光波長の光を反射するように構成されている。第二光学系7aは、第一光学系5aから射出された光を、第二光学系7aの焦点7fに集光する光学系である。第二光学系7bは、第二光学系5bから射出された光を、合成光学系21を介して、前記焦点7fに集光する光学系である。つまり、本実施形態において、焦点7fは、第二光学系7aの焦点であり、且つ、第二光学系7bの焦点でもある。以下、第二光学系(7a,7b)を「第二光学系7」と総称することがある。
光源装置1は、インテグレータ光学系8を備えている。図3に示されるように、本実施形態では、インテグレータ光学系8がロッドインテグレータ9によって構成されている。ロッドインテグレータ9は、その光入射面9aが、第二光学系7の焦点7fの位置になるように配置されている。ただし、本明細書では、「焦点位置に配置する」とは、完全に焦点の位置に一致する場合の他、焦点距離に対して光軸10に平行な方向に±10%の距離だけ移動した位置を含む概念であるものとする。なお、図3における光軸10とは、インテグレータ光学系8の光入射面、すなわちロッドインテグレータ9の光入射面9aに対して直交する軸としている。
ロッドインテグレータ9は、光入射面9aに入射された光を、側面で全反射を繰り返させながら光射出面9bへと導くことで、光射出面9bにおける光の照度分布を均一化する機能を有する導光部材(光ガイド)の一例である。このような導光部材は、例えば、ガラスや樹脂などの光透過性の材料からなる柱状部材、内面が反射鏡で構成された中空部材等で構成される。後者の構成のものは、特にライトトンネルと称されることがある。なお、導光部材は、その内部において、光軸に平行な方向に複数の光路が分割されて構成されていても構わない。
光源装置1は、インテグレータ光学系8の後段に、第三光学系22を備えている。本実施形態において、第三光学系22は、インテグレータ光学系8から射出された光のうちの、大半の光(一例として入射光量の90%以上99.99%以下)を透過させ、ごく一部の光(一例として入射光量の0.01%以上10%以下)を反射させる光学系であり、例えばビームスプリッタ等で構成される。
光源装置1は、第三光学系22に入射された光のうち、分光された光を受光する光検出部31aを有する。なお、図3に示すように、必要に応じて、光源装置1が光検出部31aに対して効率的に受光させるための光学系23を備えていても構わない。
図3に示される光検出部31aは、LED素子3aの発光波長の光を受光するように構成されている。すなわち、光検出部31aが、LED素子3aの発光波長の光を透過し、LED素子3bの発光波長の光を遮断するようなフィルタを内蔵しているものとしても構わない。
なお、別の態様として、第三光学系22が、インテグレータ光学系8から射出された光のうち、LED素子3aの発光波長の光のごく一部を反射し、LED素子3aの発光波長の大半の光、及びLED素子3bの発光波長のすべての光を透過する構成としても構わない。このような場合には、必ずしも光検出部31aがフィルタを内蔵していなくても、光検出部31aには、LED素子3aの発光波長の光のみが検出される。
光検出部31aは、例えばフォトダイオード等で構成され、受光した光の照度を計測する。光検出部31aは、この計測結果を制御部11aに出力する。なお、光検出部31aは、必要に応じて増幅器を備えていても構わない。
第三光学系22を透過した光は、光源装置1の利用用途に応じて構成された、後段の光学系60に入射される。
上述したように、光放射領域2aは制御部11aによって点灯制御が行われ、光放射領域2bは制御部11bによって点灯制御が行われる。図5は、これらの制御部11の構成の一例を模式的に示すブロック図である。図5(a)が制御部11aの構成に対応し、図5(b)が制御部11bの構成に対応する。
制御部11aは、第一入力受付部41a、第二入力受付部42a、記憶部43a、比較部44a、積算光量演算部45a、及び消灯指示部46aを備えている。また、制御部11bは、第一入力受付部41b、目標時間設定部47b、時間評価部48b、及び消灯指示部46bを備えている。
第一入力受付部41aは、LED素子3aの発光波長の光の目標積算光量(「第一目標積算光量」)に対応する情報の入力を受け付ける。例えば、光源装置1が露光装置に利用される場合に、ワークに対して確実に露光処理を実現するために必要な、LED素子3aの発光波長の光の積算光量に関する情報が、第一入力受付部41aから入力される。この入力された情報は、記憶部43aに記憶される。
第二入力受付部42aは、光検出部31aで受光した光の照度に関する情報の入力を受け付ける。積算光量演算部45aは、LED素子3aが発光を開始してからの、光検出部31aで受光した光の照度の積算値を算出することで、積算光量を算定する。算定された積算光量の値が比較部44aに出力される。
比較部44aは、記憶部43aに記憶されている目標積算光量の値と、積算光量演算部45aから入力された積算光量の値とを比較する。そして、積算光量演算部45aから入力された積算光量の値が目標積算光量の値に達すると、消灯指示部46aに対して信号を出力する。消灯指示部46aは、比較部44aからの信号に基づき、光放射領域2aに対する通電を停止する制御を行う。これにより、複数のLED素子3aの発光が自動的に停止される。
一方、第一入力受付部41bは、LED素子3bの発光波長の光の目標積算光量に対応する情報の入力を受け付ける。ここで、LED素子3bとしては、図2においてh線として示されているような、時間に応じて出力があまり変化しない発光波長の素子を想定している。この場合、LED素子3bから射出される光の照度がほぼ一定であるとみなすことができる。目標時間設定部47bは、例えば目標積算光量を前記一定とみなされた照度で除することで、目標時間を算定する。
時間評価部48bは、LED素子3bが発光を開始してからの経過時間を計測する。そして、時間評価部48bは、前記経過時間が目標時間に達すると、消灯指示部46bに対して信号を出力する。消灯指示部46bは、時間評価部48bからの信号に基づき、光放射領域2bに対する通電を停止する制御を行う。これにより、複数のLED素子3bの発光が自動的に停止される。
上記の構成によれば、複数の波長の光を混在させながらも、波長毎に、目標とする積算光量に達した時点で各光放射領域(2a,2b)からの発光が自動的に停止される。特に、LED素子3aが外部環境の影響を受けやすい素子である場合であっても、光検出部31aで実際に検出された照度に基づいて算定された積算光量によって停止制御が行われるため、外部環境の影響にかかわらず目標とする積算光量を実現することができる。また、LED素子3bのように、外部環境の影響をうけにくい素子を有している場合には、単に時間による制御で目標とする積算光量を実現したタイミングを認識することができる。
上記の構成によれば、単に各LED素子3に対する通電を停止する制御を行うのみであり、電流量を多段階で調整するといった複雑な制御を必要としない。このため、応答性が高く、精度の高い制御が可能となる。
なお、上記の構成では、光検出部31aから入力される情報に基づいて、制御部11a内で積算光量を演算するものとしたが、光検出部31aが積算光量を算定する機能を有していても構わない。この場合、光検出部31aから制御部11aに対して積算光量に対応する情報が入力される。図6(a)に示すように、制御部11aは、第二入力受付部42aで受け付けられた、この積算光量に対応した情報が比較部44aに入力される構成とすることができる。すなわち、図5(a)とは異なり、制御部11aが積算光量演算部45aを備えないものとしても構わない。
また、上記の構成では、第一入力受付部41bが、LED素子3bの発光波長の光の目標積算光量に対応する情報の入力を受け付けて、目標時間設定部47bが、この目標積算光量に対応した情報から目標時間を算定するものとした。しかし、第一入力受付部41bが、LED素子3bを発光させる目標時間に関する情報の入力を受け付けるものとしても構わない。この場合、図6(b)に示すように、制御部11bは、第一入力受付部41bで受け付けられた、この目標時間に対応した情報が時間評価部48bに入力される構成とすることができる。すなわち、図5(b)とは異なり、制御部11bが目標時間設定部47bを備えないものとしても構わない。
更に、図7に示されるように、光源装置1は、制御部11aと制御部11bが一体化された、制御部11を備えるものとしても構わない。
[第二実施形態]
光源装置の第二実施形態の構成について説明する。なお、以下の各実施形態では、第一実施形態と異なる箇所を主として説明し、第一実施形態と共通の箇所は適宜説明を割愛する。
図8は、第二実施形態の光源装置の構成の一例を模式的に示す図面である。本実施形態の光源装置1も、第一実施形態と同様に、2つの光放射領域(2a,2b)を備えている。しかし、これらの光放射領域(2a,2b)が、同一の光源部2内に配置されている点が、第一実施形態と異なる。図9は、本実施形態の光放射領域2a及び2bを模式的に示した図面である。同一の光源部2内に、光放射領域2aと光放射領域2bが形成されている。
本実施形態の光源装置1は、第一光学系5及び第二光学系7を備えている。第一光学系5は、複数のLED素子3(3a,3b)から射出された光をそれぞれコリメートする光学系であり、各LED素子3(3a,3b)に対応して複数のコリメートレンズ6が配置されて構成されている。第二光学系7は、第一光学系5から射出された光を、第二光学系7の焦点7fに集光する光学系である。
他の箇所は、第一実施形態の光源装置1と共通するため、説明を割愛する。本実施形態の光源装置1においても、第一実施形態の光源装置1と同様の効果が実現される。なお、図8では、各光放射領域(2a,2b)に対して同一の制御部11によって制御される場合を想定して図示しているが、図3に示した構成のように、光放射領域(2a,2b)毎に制御部(11a,11b)を備える構成としても構わない。
[第三実施形態]
光源装置の第三実施形態の構成について説明する。図10は、第三実施形態の光源装置の構成の一例を模式的に示す図面である。図10に示す光源装置1は、図3に示す光源装置1と比較して、分光光学系24及び光検出部31bを更に備えている点が異なっている。
第一実施形態で上述したように、第三光学系22は、インテグレータ光学系8から射出された光のうちの、ごく一部の光(一例として入射光量の0.01%以上10%以下)を反射させる。この光は、必要に応じて設けられた光学系23を介して、分光光学系24に入射される。この分光光学系24は、LED素子3aの発光波長の光を透過し、LED素子3bの発光波長の光を反射するように構成されている。これにより、分光光学系24に入射された光のうち、LED素子3aの発光波長の光は光検出部31aに入射され、LED素子3bの発光波長の光は光検出部31bに入射される。
本実施形態の光源装置1においても、光放射領域2aは制御部11aによって点灯制御が行われ、光放射領域2bは制御部11bによって点灯制御が行われる。ただし、本実施形態では、制御部11bは、光検出部31bから照度に関する信号が入力される点が第一実施形態とは異なる。図11は、本実施形態の光源装置1が備える制御部11の構成を模式的に示すブロック図である。図11(a)が制御部11aの構成に対応し、図11(b)が制御部11bの構成に対応する。
すなわち、本実施形態では、制御部11bが、制御部11aと同様に、演算で算定された積算光量が目標の積算光量に達した時点で消灯の指示を行う。この構成によれば、LED素子3aだけでなく、LED素子3bが外部環境の影響を受けやすい素子である場合であっても、光検出部31bで実際に検出された照度に基づいて算定された積算光量によって停止制御が行われるため、外部環境の影響にかかわらず目標とする積算光量を実現することができる。
なお、本実施形態の光源装置1において、第二実施形態で上述したように、光放射領域(2a,2b)が、同一の光源部2内に配置されていても構わない。
[第四実施形態]
図12は、第一実施形態の光源装置1を含む露光装置の構成を模式的に示す図面である。露光装置19は、インテグレータ光学系8の後段に投影光学系15及びマスク16を備え、必要に応じて投影レンズ17を備える。投影光学系15によって投影される位置にマスク16を設置し、マスク16の後段にマスク16のパターン像を焼き付ける対象となる感光性基板18を設置する。この状態で、光源部2から光が射出されると、この光が第二光学系7によって集光された後、ロッドインテグレータ9で照度分布が均一化された光として、投影光学系15に照射される。投影光学系15は、この光を、マスク16のパターン像を直接又は投影レンズ17を介して感光性基板18上に投影する。
露光装置19は光源装置1を備えており、上述したように、この光源装置1は、発光波長毎に、各LED素子3から射出された積算光量が、目標とする積算光量に達すると自動的に発光を停止させる制御が行われる。このため、光源装置1が、外部環境の影響を受けやすいLED素子3を含んで構成されていても、ワーク間の露光精度のバラツキを抑制することができる。
なお、露光装置19は、第二実施形態以後の各実施形態の光源装置1を備えるものとしても構わない。
[別実施形態]
以下、別実施形態について説明する。
〈1〉 上記の構成では、光源装置1が2種類の発光波長のLED素子(3a,3b)を有するものとして説明したが、3種類以上の発光波長のLED素子を含むものとしても構わない。この場合において、全てのLED素子3について、算定された積算光量が目標積算光量に達した時点で消灯する制御を行うものとしても構わないし、一部のLED素子3に対して、第一実施形態のLED素子3bのように、所定の時間が経過したことをもって消灯する制御を行うものとしても構わない。
〈2〉 上述した実施形態では、インテグレータ光学系8がロッドインテグレータ9で構成される場合について説明したが、ロッドインテグレータ9に代えて、複数のレンズがマトリクス状に配置されたフライアイレンズで構成されていても構わない。この場合においても、フライアイレンズの入射面には高輝度の光が集光され、フライアイレンズからは高輝度の光が射出される。
〈3〉 上述した実施形態では、光検出部31(31a,31b)が、インテグレータ光学系8の後段に配置されていたが、インテグレータ光学系8と第二光学系7(7a,7b)との間に配置されていても構わない。図13は、第一実施形態の光源装置において、光検出部31aをインテグレータ光学系8と第二光学系7との間に配置した構成を模式的に示した図面である。第二、第三実施形態の光源装置についても、同様の構成を採用することができる。
〈4〉 各実施形態で説明した光源装置1の光学系はあくまで一例であり、図示された光学系の構成に限定する趣旨ではない。例えば、上述した各実施形態において、光源装置1が、光路を変更する目的で、反射光学系等の光学系を適宜追加して備えるものとしても構わない。
1 : 光源装置
2 : 光源部
2a,2b : 光放射領域
3 : LED素子
3a,3b : LED素子
5 : 第一光学系
5a,5b : 第一光学系
6 : コリメートレンズ
6a,6b : コリメートレンズ
7 : 第二光学系
7a,7b : 第二光学系
7f : 第二光学系の焦点
8 : インテグレータ光学系
9 : ロッドインテグレータ
9a : ロッドインテグレータの光入射面
9b : ロッドインテグレータの光射出面
10 : 光軸
11 : 制御部
11a,11b : 制御部
15 : 投影光学系
16 : マスク
17 : 投影レンズ
18 : 感光性基板
19 : 露光装置
21 : 合成光学系
22 : 第三光学系
23 : 光学系
24 : 分光光学系
31a,31b : 光検出部
41a,41b : 第一入力受付部
42a,42b : 第二入力受付部
43a,43b : 記憶部
44a,44b : 比較部
45a,45b : 積算光量演算部
46a,46b : 消灯指示部
47b : 目標時間設定部
48b : 時間評価部
60 : 光学系

Claims (7)

  1. 第一波長の光を射出する複数のLED素子を含む第一光放射領域と、前記第一波長とは異なる第二波長の光を射出する複数のLED素子を含む第二光放射領域とを有した光源部と、
    前記光源部の後段に配置され、前記第一波長の光の強度を検出する光検出部と、
    前記第一光放射領域及び前記第二光放射領域に対して、それぞれ個別に、通電のオンオフ制御を行うことが可能に構成された制御部とを備え、
    前記制御部は、
    前記第一波長の光の目標積算光量である第一目標積算光量に関する情報を記憶した記憶部を有し、
    前記光検出部で検知された前記第一波長の光の強度に基づいて算出された積算光量が、前記第一目標積算光量に達すると、前記第二光放射領域に対する通電の制御とは独立して、前記第一光放射領域に対する通電を停止する制御を行うことを特徴とする光源装置。
  2. 前記制御部は、前記第二光放射領域に対する通電を開始してから、所定の時間が経過した後に、前記第一光放射領域に対する通電の制御とは独立して、前記第二光放射領域に対する通電を停止する制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
  3. 前記光検出部は、前記第二波長の光の強度の検出が可能な構成であり、
    前記記憶部は、前記第二波長の光の目標積算光量である第二目標積算光量に関する情報が記憶されており、
    前記制御部は、前記光検出部で検知された前記第二波長の光の強度に基づいて算出された積算光量が、前記第二目標積算光量に達すると、前記第一光放射領域に対する通電の制御とは独立して、前記第二光放射領域に対する通電を停止する制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
  4. 前記光源部から射出された光をコリメートする第一光学系と、
    前記第一光学系から射出された光を集光する第二光学系とを有し、
    前記光検出部は、前記第二光学系よりも後段に配置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の光源装置。
  5. 前記第二光学系の後段に配置され、入射された光の一部を分光する第三光学系を備え、
    前記光検出部は、前記第三光学系によって分光された光が入射されることを特徴とする請求項4に記載の光源装置。
  6. 入射面が前記第二光学系の焦点位置に配置されたインテグレータ光学系を備え、
    前記光検出部は、前記インテグレータ光学系の後段、又は前記第二光学系と前記インテグレータ光学系との間に配置されていることを特徴とする請求項4又は5に記載の光源装置。
  7. マスクのパターンを感光性基板上に転写する露光装置であって、
    請求項1〜6のいずれか1項に記載の光源装置と、
    前記光源装置から射出された光を前記マスクに照射して、前記マスクのパターン像を前記感光性基板上に投影する投影光学系とを備えたことを特徴とする露光装置。
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