JP6623799B2 - 発電機制御装置、及び内燃機関制御装置 - Google Patents

発電機制御装置、及び内燃機関制御装置 Download PDF

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Description

本発明は、内燃機関の補機として設けられる発電機を制御する発電機制御装置、及び同発電機の制御と内燃機関の制御とを行う内燃機関制御装置に関する。
車載等の内燃機関のクランクシャフトには、発電機や空調用コンプレッサなどの補機がベルト機構を介して駆動連結されている。そして従来、特許文献1には、そうした内燃機関の補機として用いられる空調用コンプレッサとして、リミッタ機構付きのコンプレッサが開示されている。同文献の空調用コンプレッサの回転軸は、リミッタ機構を介してプーリに連結されている。そして、リミッタ機構は、回転軸とプーリとの間のねじりトルクが一定の値以上となったときに破断して、プーリを空転させることで、空調用コンプレッサのロック時のプーリとの滑りによる摩耗からベルトを保護するように構成されている。
特開2001−065595号公報
リミッタ機構の破断に必要なねじりトルクは、プーリに対するベルトの滑り摩擦により発生し、そうした摩擦の大きさはベルト張力に概ね比例する。ベルトの設定張力(静的状態でのベルトの張力)を、そうしたリミッタ機構の破断に必要な張力(以下、破断張力と記載する)以上に設定すれば、コンプレッサのロック時のリミッタ機構の破断を確実に保証することができる。一方、ロック時以外にリミッタ機構が破断しないように、破断張力はある程度高くする必要がある。そのため、そうした場合には、ベルトの設定張力が高くなって、内燃機関の補機駆動損失の増大や、プーリなどのベルト機構の構成部品の要求強度の増加を招いてしまう。
本発明は、こうした実状に鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、ベルトの設定張力の増大を抑えつつ、コンプレッサのロック時の摩耗からベルトを好適に保護することのできる発電機制御装置、及び内燃機関制御装置を提供することにある。
上記課題を解決する発電機制御装置は、空調用のコンプレッサと共に、ベルト機構を介して内燃機関のクランクシャフトに駆動連結された発電機の発電電流値を可変制御する発電制御部を備える。また、上記コンプレッサは、同コンプレッサがロックした際に破断してベルト機構から同コンプレッサを切り離すリミッタ機構を備えるものとなっている。ここで、ベルト機構のベルト張力を、コンプレッサのロック時に前記リミッタ機構を破断可能な張力に維持するために必要な発電電流値を破断電流値とする。このとき、上記発電機制御装置の発電制御部は、破断電流値を下限値として発電電流値の可変制御を行うようにしている。
上記のように構成された発電機制御装置では、コンプレッサのロック時にリミッタ機構を破断可能な張力(破断張力)よりもベルトの設定張力が低くても、ベルト張力が破断張力以上となるように発電機の発電電流値が制御される。そのため、ベルトの設定張力の増大を抑えつつ、コンプレッサのロック時の摩耗からベルトを好適に保護することができる。
ところで、コンプレッサのロック時に備えて、発電機の発電電流値を常に破断電流値以上に保持すれば、本来必要な発電電流値が破断電流値未満の場合にも、破断電流値分の発電が行われるため、内燃機関の発電負荷の増加を招いてしまう。これに対しては、上記発電機制御装置の発電制御部が、コンプレッサの回転速度が規定値を上回るときには、発電電流値の下限値を上記破断電流値よりも小さくするようにするとよい。コンプレッサがロックする際には、それに先立って同コンプレッサの回転速度が低下する。そのため、コンプレッサの回転速度が判定値を上回っている間は、発電機の発電電流値が破断電流値未満となっていても、同コンプレッサの回転速度が判定値以下となったときに発電電流値を破断電流値以上に保持すれば、コンプレッサがロックしたときのベルト機構のベルト張力を、リミット機構の破断に必要な張力に保持できるようになる。こうした場合、コンプレッサがロックする兆しがないときには、発電機の発電電流値を破断電流値未満とすることが許容されるため、コンプレッサのロック時にリミッタ機構を破断させるための内燃機関の発電負荷の増加が抑えられる。
上記課題を解決する内燃機関制御装置は、空調用のコンプレッサと共に、ベルト機構を介してクランクシャフトに駆動連結された発電機を補機として備える内燃機関に適用される。また、同内燃機関が補機として備える上記コンプレッサは、同コンプレッサがロックした際に破断してベルト機構から同コンプレッサを切り離すリミッタ機構を備えるものとなっている。
そして、上記内燃機関制御装置は、電力の需給状況に応じて設定された要求電流値とすべく前記発電機の発電電流値を可変制御する発電制御部を備える。発電制御部は、コンプレッサの回転速度が規定値以下のときに、破断電流値を同発電電流値の下限値に設定して、発電電流値の可変制御を行うようにしている。こうした発電制御部を備える制御装置が適用された内燃機関では、ベルト機構のベルトの設定張力が破断張力よりも低くても、コンプレッサがロックする兆しが確認されたときには、ベルト張力が破断張力以上となるように発電機の発電電流値が制御される。そのため、ベルトの設定張力の増大を抑えつつ、コンプレッサのロック時の摩耗からベルトを好適に保護することができる。しかも、コンプレッサがロックする兆しがないときには、発電機の発電電流値を破断電流値未満することが許容されるため、内燃機関の発電負荷の増加が抑えられる。
さらに、上記内燃機関制御装置は、内燃機関が搭載された車両の走行速度が規定の速度以下のときに規定の条件の成立を必要条件として前記内燃機関の運転停止を実施する自動停止制御部を備える。こうした自動停止制御部により、内燃機関の運転が停止されると、ベルト機構のベルトの走行も止まり、その後に内燃機関が再始動されると、停止したベルトの走行が再開されるようになる。
コンプレッサがロックした状態でベルトを走らせると、コンプレッサとベルトとの間に滑りが発生する。こうした滑りが始まる直前には、コンプレッサのプーリに対するベルトの滑り摩擦が特に大きくなり、リミッタ機構に加わるねじりトルクも大きくなる。そのため、内燃機関の運転停止に応じて停止したベルトの走行が再開される内燃機関の再始動時は、コンプレッサのロック時に、リミッタ機構を破断させる好機となる。よって、コンプレッサのロック時に、上記自動停止制御部による内燃機関の運転停止が実施されれば、リミット機構がより破断されやすくなる。
そこで、上記内燃機関制御装置の自動停止制御部は、コンプレッサの回転速度が規定値以下のときには、上記規定の条件を必須条件から除外して、車両の走行速度が規定の速度以下となったときの内燃機関の運転停止を実施するようにしている。そのため、コンプレッサがロックする兆しが確認されたときには、自動停止制御部による内燃機関の運転停止が実施されやすくなり、リミッタ機構の破断の好機が増えるようになる。
こうした内燃機関制御装置では、コンプレッサがロックする兆しが確認されると、内燃機関の運転停止制御、及び発電機の発電制御を通じて、リミット機構が破断しやすい状況が整えられる。そのため、ベルトの設定張力をあまり大きくせずとも、コンプレッサのロック時にリミット機構を破断することが可能となる。したがって、上記内燃機関制御装置によれば、ベルトの設定張力の増大を抑えつつ、コンプレッサのロック時の摩耗からベルトを好適に保護することができる。
発電機制御装置の第1実施形態の全体構成を模式的に示す略図。 (a)は同実施形態の適用対象となる発電機が設けられた内燃機関の補機レイアウトを示す略図であり、(b)は同内燃機関のベースとなった内燃機関の補機レイアウトを示す略図である。 上記内燃機関に設けられたコンプレッサにおけるA/Cプーリ周辺部分の断面図。 上記実施形態の発電機制御装置において実行される充電制御ルーチンのフローチャート。 目標電流値に下限値を設定せずに充電制御を行う比較例における要求電流値とベルト張力との関係を示すグラフ。 上記実施形態の発電機制御装置における要求電流値とベルト張力との関係を示すグラフ。 第2実施形態にかかる内燃機関制御装置の構成を模式的に示す図。 同実施形態の制御装置が備える自動停止制御部により実行される運転停止判定ルーチンのフローチャート。 同実施形態の制御装置が備える発電制御部により実行される充電制御ルーチンのフローチャート。
(第1実施形態)
以下、発電機制御装置の第1実施形態を、図1〜図6を参照して詳細に説明する。本実施形態の発電機制御装置は、車載内燃機関の補機として設けられた発電機に適用されている。
図1に示すように、発電機10は、発電電圧を調整するICレギュレータ11を備えている。そして、発電機10は、電気配線12を介してバッテリ13、及び車両に搭載された各種の電気負荷14(ブロワモータ、ワイパーなど)に電気的に接続されている。
こうした発電機10は、発電制御部としての電子制御ユニット15により制御されている。電子制御ユニット15は、発電機10の制御に係る各種演算処理を行う中央演算処理装置、制御用のプログラムやデータが予め記憶された読出専用メモリ、中央演算処理装置の演算結果やセンサの検知結果などが一時的に記憶される読書可能メモリを備える。
電子制御ユニット15には、バッテリ13の充放電電流値を検知するバッテリ電流センサ16、バッテリ13の温度を検知するバッテリ温度センサ17に加え、車速などの車両走行状況を検知する各種センサ18の検知結果が入力されている。なお、本実施形態の発電機制御装置に採用のバッテリ温度センサ17は、バッテリ電流センサ16に内蔵されている。また、電子制御ユニット15は、バッテリ13の充電電圧(バッテリ電圧)や各電気負荷14の作動状況を検知している。
図2(a)に、こうした発電機10が補機として設けられた内燃機関20の補機レイアウトを示す。内燃機関20には、発電機10に加え、空調用のコンプレッサ21が補機として設けられている。そして、発電機10及びコンプレッサ21は、ベルト機構を介して内燃機関20のクランクシャフト22に駆動連結されている。ベルト機構は、クランクシャフト22に設けられたクランクプーリ23、発電機10に設けられたオルタプーリ24、コンプレッサ21に設けられたA/Cプーリ25、それらに巻き掛けられたベルト26、及びベルト26に張力を付加するテンショナ27を備える。このベルト機構でのベルト26の進行方向における各プーリの巻き掛け順序は、クランクプーリ23、オルタプーリ24、A/Cプーリ25の順とされている。また、このベルト機構では、テンショナ27は、オルタプーリ24とクランクプーリ23との間に掛け渡された部分においてベルト26への張力の付加を行うように設置されている。なお、この内燃機関20では、冷却水を循環させるウォータポンプとして、電動式のウォータポンプ28が採用されている。
ちなみに、この内燃機関20は、図2(b)に示すような補機レイアウトを採用する内燃機関120をベースに開発されている。このベースとなった内燃機関120では、ウォータポンプに、機械式のウォータポンプ128が採用されており、このウォータポンプ128もベルト機構を通じて駆動されるようになっている。すなわち、この内燃機関120のベルト機構には、ウォータポンプ128に設けられたW/Pプーリ29がオルタプーリ24とA/Cプーリ25の間の部分に配置されている。そして、ベルト26は、オルタプーリ24からW/Pプーリ29を経由してA/Cプーリ25に至るように巻き掛けられている。なお、本実施形態の適用される内燃機関20のベルト機構では、上記のような補機レイアウトの変更の結果、A/Cプーリ25のベルト26の巻き角φが、ベースとなった内燃機関120のものよりも小さくなっている。
図3に、コンプレッサ21におけるA/Cプーリ25の周辺部分の断面構造を示す。同図に示すように、A/Cプーリ25は、コンプレッサ21のハウジング31に対して、ベアリング30を介して回転可能に取り付けられている。また、A/Cプーリ25は、コンプレッサ21の回転軸32に対して、ハブ33及びゴムダンパ34を介して連結されている。ハブ33には、脆弱な部分が設けられており、コンプレッサ21がロックしたとき、すなわち回転軸32が回転しなくなったときに、その脆弱な部分が破断して、回転軸32とA/Cプーリ25との連結を切断する。すなわち、このコンプレッサ21では、こうしたハブ33が、コンプレッサ21がロックした際に破断してベルト機構からコンプレッサ21を切り離すリミッタ機構となっている。
こうしたハブ33の脆弱部分の破断は、ベルト26の滑り摩擦を受けて回転しようとするA/Cプーリ25と、回転不能となった回転軸32との間に発生するねじりトルクにより行われる。一方、ベルト26の張力が同じであれば、ベルト26の巻き角φが小さいほど、コンプレッサ21のロック時にA/Cプーリ25に加わるベルト26の摩擦トルクは小さくなる。よって、上述のようにA/Cプーリ25におけるベルト26の巻き角φが小さくされたこの内燃機関20では、ベースとなった内燃機関120のものよりも、ロック時のハブ33の破断により大きいベルト張力が必要となっている。本実施形態では、下記の充電制御を通じて、ハブ33の破断に必要なベルト張力を確保している。
図4に、本実施形態の発電機制御装置において実行される充電制御ルーチンのフローチャートを示す。同ルーチンの処理は、内燃機関20の運転中に、電子制御ユニット15によって、規定の制御周期毎に繰り返し実行される。
本ルーチンの処理が開始されると、まずステップS100において、充電制御の実行条件が成立しているか否かが判断される。充電制御の実行条件は、例えば下記(イ)〜(ホ)がすべて満たされるときに成立する。ここで、充電制御の実行条件が成立していれば(S100:YES)、ステップS101に処理が進められ、成立していなければ(NO)、そのまま今回の本ルーチンの処理が終了される。
(イ)内燃機関の始動時でないこと。
(ロ)車両の加速走行時、又は減速走行時でないこと。
(ハ)バッテリ13の過充電時、又は過放電時でないこと。
(ニ)バッテリ温度が適正温度範囲内にあること。
(ホ)電気負荷14の高負荷作動時でないこと。
ステップS101に処理が進められると、そのステップS101において、バッテリ13の要求電流値Irの演算が行われる。具体的には、電気負荷14の作動状況から電気負荷14の消費電流値が求められるとともに、バッテリ13の充電状況からバッテリ13の充電容量を適切な値に維持するために必要なバッテリ13の充放電電流値(要求充放電電流値)が求められる。そして、電気負荷14の消費電流値とバッテリ13の要求充放電電流値との合計が要求電流値Irの値として演算される。なお、電子制御ユニット15は、バッテリ電流センサ16の検出した充放電電流値の積算値を求めており、その積算値が一定の値に保たれるように上記要求充放電電流値の値を求めている。
続いて、ステップS102において、先のステップS101で演算した要求電流値Irの値が破断電流値If以下であるか否かが判定される。破断電流値Ifの値には、上記ベルト機構におけるA/Cプーリ25の巻き掛け部分のベルト張力Tを、コンプレッサ21のロック時にハブ33を破断可能な張力に維持するために必要な発電電流値が設定されている。こうした破断電流値Ifの値は、予め、ベルト機構の設計仕様などから計算して求められている。
ここで、要求電流値Irの値が破断電流値If以下であれば(S102:YES)、ステップS103に処理が進められる。そして、そのステップS103において、目標電流値Ipの値として破断電流値Ifの値が設定された後、ステップS105に処理が進められる。一方、要求電流値Irの値が破断電流値Ifを超えていれば(S102:NO)、ステップS104に処理が進められる。そして、そのステップS104において、目標電流値Ipの値として要求電流値Irの値が設定された後、ステップS105に処理が進められる。すなわち、ここでは、破断電流値Ifにより、要求電流値Irを下限ガードした値を、目標電流値Ipに設定するようにしている。
ステップS105に処理が進められると、発電機10の発電電流値を目標電流値Ipとするために必要な発電電圧が求められる。そして、同ステップS105において、その発電電圧が発電機10のICレギュレータ11に指示された後、今回の本ルーチンの処理が終了される。
(作用)
続いて、以上のように構成された本実施形態の発電機制御装置の作用を説明する。
上記充電制御では、バッテリ13の充電容量を一定に保つために必要な発電電流値として演算された要求電流値Irに対して、破断電流値Ifにより下限ガードを行った値が目標電流値Ipに設定される。そして、発電電流値が目標電流値Ipとなるように、発電機10の発電電圧が制御される。そのため、充電制御中の発電機10の発電電流値は、破断電流値If以上に保たれる。そして、上述のように破断電流値Ifの値は、ベルト張力Tを、コンプレッサ21のロック時にハブ33を破断可能な張力に維持するために必要な発電電流値に設定されている。よって、充電制御中にコンプレッサ21がロックすると、ハブ33が破断されてA/Cプーリ25が空転するようになる。そしてその結果、ベルト26が、回転不能となったA/Cプーリ25に対する滑り摩耗から保護されるようになる。
図5は、目標電流値Ipに下限値を設定せず、要求電流値Irに応じて成り行きで充電制御を行う発電機制御装置の比較例における要求電流値Irとベルト張力Tとの関係を示す。このときのベルト張力Tは、設定張力Tbに、発電機10の駆動負荷(以下、発電負荷と記載する)による増加分Δ1と、それ以外の要因(クランクプーリ23の回転変動やコンプレッサ21の駆動負荷など)による増加分Δ2を足し合わせた値となる(T=Tb+Δ1+Δ2)。また、この場合の充電制御中の発電機10の発電電流値は、状況によってはゼロまで低下して、発電負荷によるベルト張力Tの増加分Δ1もゼロとなることがある。また、発電負荷以外の要因によるベルト張力Tの増加分Δ2も、発生するかどうかは状況次第であるため、ゼロとなることを想定する必要がある。よって、この場合、コンプレッサ21のロック時におけるハブ33の破断を保証するには、ベルト26の設定張力Tbを破断張力Tf以上に設定する必要がある。
一方、発電負荷によるベルト張力Tの増加分Δ1は、発電機10の発電電流値がその制御範囲の最大値(最大発電電流値Imax)となったときに最大となる。こうした発電負荷によるベルト張力Tの増加分Δ1の最大値を「Δ1max」とし、発電負荷以外の要因によるベルト張力Tの増加分Δ2の最大値を「Δ2max」とする。このときのベルト張力Tの最大値(最大ベルト張力Tmax)は最低でも、破断張力TfにΔ1max、Δ2maxを足し合わせた値以上となる(Tmax≧Tb+Δ1max+Δ2max)。
なお、上記のように内燃機関20のベルト機構では、ベースとなった内燃機関120のものよりも、A/Cプーリ25のベルト26の巻き角φが小さくなっており、その結果、破断張力Tfは内燃機関120のものより大きくなっている。そのため、この場合には、ベースとなった内燃機関120のものよりも、テンショナ27のバネ荷重を増して、ベルト26の設定張力Tbを高める必要がある。そして、設定張力Tbと共に最大ベルト張力Tmaxも高まるため、リブ数を増すなどの補強を行い、A/Cプーリ25の強度を高めることが必要となる。
図6は、破断電流値Ifを目標電流値Ipの下限値に設定して充電制御を行う本実施形態での、要求電流値Irとベルト張力Tとの関係を示す。なお、同図には、上記比較例のそれらの関係が一点鎖線にて併せ示されている。
この場合の充電制御中の発電機10の発電電流値は、要求電流値Irに拘らず、破断電流値If以上に維持される。よって、この場合には、発電電流値が破断電流値Ifとなっているときの発電負荷によるベルト張力Tの増加分Δ1minと設定張力Tbとの合計が破断張力Tf以上となっていれば、コンプレッサ21のロック時におけるハブ33の破断を保証できる。よって、最低限必要な設定張力Tbは、「Tf−Δ1min」となる。
一方、最大発電電流値Imaxは変わらないため、増加分Δ1の最大値Δ1maxの大きさは、上記比較例の場合と同じである。また、増加分Δ2の最大値Δ2maxの大きさも、上記比較例の場合と同じである。そのため、本実施形態では、比較例の場合よりも、設定張力Tbの低下分、最大ベルト張力Tmaxも低下して、A/Cプーリ25の要求強度もその分低くなる。
以上説明した本実施形態の発電機制御装置によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)コンプレッサ21のロック時にリミッタ機構であるハブ33を破断するために必要なベルト26の設定張力をより低くすることができる。そのため、ベルト26の設定張力Tbの増大を抑えつつ、コンプレッサ21のロック時の摩耗からベルトを好適に保護することができる。
(2)ベルト26の設定張力Tbの増大による補機駆動損失の増大を抑えることができるため、内燃機関20の燃費性能を改善することができる。
(3)ベルト26の設定張力Tbの増大に伴うA/Cプーリ25等のベルト機構の構成部品の要求強度の増加を、ひいてはそれらの重量や製造コストの増加を抑えることができる。
(4)破断張力Tfを低下させるためにA/Cプーリ25の巻き角φを大きくする必要がないため、補機レイアウトの自由度が増すようになる。
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施することもできる。
・上記実施形態では、ハブ33がリミッタ機構を構成していたが、これとは異なる構成のリミッタ機構を採用してもよい。
・上記充電制御ルーチンにおける充電制御の実行条件として、上記実施形態と異なる条件を設定してもよい。
・上記充電制御ルーチンにおける要求電流値Irの演算態様として、上記実施形態と異なる演算態様を採用してもよい。
・発電機10、コンプレッサ21以外の補機がベルト機構に追加されていたり、ベルト機構における各補機のプーリの配置が異なったりするなど、上記実施形態と異なる補機レイアウトを採用する補機系の発電機にも、上記実施形態の発電機制御装置は適用することができる。
(第2実施形態)
続いて、発電機制御装置及び内燃機関制御装置の実施形態としての第2実施形態を、図7〜図9を併せ参照して説明する。なお、本実施形態にあって、上述の第1実施形態のものと同様の構成については、同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
図7に示すように、本実施形態の内燃機関制御装置は、電子制御ユニット40を備える。電子制御ユニット40は、各種演算処理を行う中央演算処理装置、制御用のプログラムやデータが予め記憶された読出専用メモリ、中央演算処理装置の演算結果やセンサの検知結果などが一時的に記憶される読書可能メモリを備えており、内燃機関20の各種制御を実施する。また、電子制御ユニット40は、内燃機関20の制御の一環としてその補機である発電機10の制御も行っている。
電子制御ユニット40は、自動停止制御部41と発電制御部42とを備える。自動停止制御部41は、内燃機関20が搭載された車両の停車、発進に応じて内燃機関20を自動的に停止、再始動する、いわゆるアイドリングストップに係る制御を行い、発電制御部42は、発電機10の発電電圧の制御を行う。本実施形態の内燃機関制御装置では、こうした発電制御部42が、発電機10を制御する発電制御装置として機能する。
自動停止制御部41には、内燃機関20が搭載された車両の走行速度を検知する車速センサ43、アクセルペダル及びブレーキペダルの踏込量をそれぞれ検知するアクセルペダルセンサ44及びブレーキペダルセンサ45、内燃機関20の冷却水温を検知する水温センサ46の各検知信号が入力されている。さらに、自動停止制御部41には、コンプレッサ21の回転速度を検知するコンプレッサ回転速度センサ47の検知信号も入力されている。
一方、発電制御部42には、上述のバッテリ電流センサ16、バッテリ温度センサ17の各検知信号に加え、上記コンプレッサ回転速度センサ47の検知信号が入力されている。また、発電制御部42は、バッテリ13の充電電圧(バッテリ電圧)や各電気負荷14の作動状況を検知してもいる。
なお、内燃機関20が搭載された車両には、蓄冷式の空調装置が採用されている。内燃機関20の運転が停止すると、コンプレッサ21も停止して冷媒の冷却サイクルが止まる。蓄冷式の空調装置では、内燃機関20の運転中に、蓄冷材に冷熱を蓄えておき、コンプレッサ21が止まる内燃機関20の停止中は、蓄冷材に蓄えられた冷熱を利用して車室の冷房を継続している。
図8に、自動停止制御部41が実行する運転停止判定ルーチンのフローチャートを示す。自動停止制御部41は、同ルーチンの処理を、電子制御ユニット40の稼働中に、規定の制御周期毎に繰り返し実行する。
本ルーチンの処理が開始されると、まずステップS200において、アクセル・オフ、且つブレーキ・オンの状態、すなわちアクセルペダルが踏まれておらず、ブレーキペダルが踏まれた状態にあるか否かが判定される。そして、肯定判定(YES)の場合には、ステップS201に処理が進められ、否定判定(NO)の場合には、ステップS207に処理が進められる。
一方、ステップS201に処理が進められると、そのステップS201において、車両の走行速度Vが規定の停止許可速度Vm以下であるか否かが判定される。停止許可速度Vmの値には、内燃機関20の自動停止を許可する走行速度Vの上限値が設定されている。そして、走行速度Vが停止許可速度Vm以下の場合(YES)には、ステップS202に処理が進められ、走行速度Vが停止許可速度Vmを超えている場合(NO)には、ステップS207に処理が進められる。
ステップS202では、バッテリ充電量Sが停止許可充電量Sm以上であるか否かが判定される。停止許可充電量Smの値には、内燃機関20を確実に再始動可能な充電量が設定されている。そして、バッテリ充電量Sが停止許可充電量Sm以上の場合(YES)には、ステップS203に処理が進められ、バッテリ充電量Sが停止許可充電量Sm未満の場合(NO)には、ステップS207に処理が進められる。
ステップS203では、コンプレッサ回転速度Ncが規定の低下判定値Nm以下であるか否かが判定される。低下判定値Nmには、コンプレッサ21が正常動作しているときの内燃機関20のアイドル運転時におけるコンプレッサ回転速度Ncの想定値を若干下回る値が設定されている。
コンプレッサ回転速度Ncが低下判定値Nmを上回っている場合(NO)には、ステップS204に処理が進められる。ステップS204では、内燃機関20の冷却水温Twが規定の停止許可水温Tm以上であるか否かが判定される。停止許可水温Tmの値には、内燃機関20の運転が停止しても、車室内の暖房を一定の時間、継続可能な冷却水温が設定されている。そして冷却水温Twが停止許可水温Tm以上の場合(YES)にはステップS205に処理が進められ、停止許可水温Tm未満の場合(NO)には、ステップS207に処理が進められる。
ステップS205では、空調装置の蓄冷が完了しているか否かが判定される。そして、蓄冷が完了している場合(YES)には、ステップS206に処理が進められ、完了していない場合(NO)には、ステップS207に処理が進められる。
以上の処理の結果、ステップS206に処理が進められた場合には、そのステップS206において、運転停止フラグFがセットの状態とされた後、今回の本ルーチンの処理が終了される。一方、ステップS207に処理が進められた場合には、そのステップS207において、運転停止フラグFがクリアの状態とされた後、今回の本ルーチンの処理が終了される。
これに対して、ステップS203において、コンプレッサ回転速度Ncが低下判定値Nm以下となっていると判定された場合(S203:YES)には、ステップS204及びステップS205の処理を経由せずに直接、ステップS206に処理が進められる。すなわち、この場合には、ステップS204、S205での判定を行うことなく、運転停止フラグFがセットの状態とされる。
自動停止制御部41は、本ルーチンの処理による運転停止フラグFの操作の結果に基づいて、内燃機関20の自動停止/再始動を実施する。具体的には、自動停止制御部41は、本ルーチンの処理により、運転停止フラグFがクリアの状態からセットの状態に切り替えられたときに、内燃機関20の運転を停止する。また、自動停止制御部41は、本ルーチンの処理により、運転停止フラグFがセットの状態からクリアの状態に切り替えられたときに、内燃機関20を再始動する。
図9に、本実施形態において実行される充電制御ルーチンのフローチャートを示す。同ルーチンの処理は、内燃機関20の運転中に、発電制御部42によって、規定の制御周期毎に繰り返し実行される。
本ルーチンのステップS300〜S302の処理は、第1実施形態の充電制御ルーチンのステップS100〜S102の処理と同様である。すなわち、本ルーチンの処理が開始されると、まずステップS300において、充電制御の実行条件が成立しているか否かが判定され、成立していれば(S300:YES)、ステップS301に処理が進められ、成立していなければ(NO)、そのまま今回の本ルーチンの処理が終了される。ステップS301では、バッテリ13の要求電流値Irが演算され、ステップS302では、その要求電流値Irの値が破断電流値If以下であるか否かが判定される。なお、本実施形態での充電制御の実行条件、要求電流値Irの演算態様、及び破断電流値Ifの値の設定は、第1実施形態の場合と同じである。
本ルーチンにおいても、要求電流値Irの値が破断電流値Ifを超える場合には(S302:NO)、ステップS305において、目標電流値Ipの値として要求電流値Irが設定される。一方、本ルーチンでは、要求電流値Irの値が破断電流値If以下の場合(S302:YES)、ステップS303において、コンプレッサ回転速度Ncが低下判定値Nm以下であるか否かが判定される。そして、コンプレッサ回転速度Ncが低下判定値Nm以下である場合にのみ(YES)、ステップS304において、目標電流値Ipの値として破断電流値Ifが設定される。これに対して、コンプレッサ回転速度Ncが低下判定値Nmを上回っている場合には(NO)、要求電流値Irが破断電流値If未満であっても、ステップS305において、目標電流値Ipの値として要求電流値Irが設定される。
こうしたステップS304又はステップS305での目標電流値Ipの設定後は、ステップS306に処理が進められる。そして、ステップS306において、発電機10の発電電流値を目標電流値Ipとするために必要な発電電圧が発電機10のICレギュレータ11に指示された後、今回の本ルーチンの処理が終了される。
こうした本ルーチンによれば、コンプレッサ回転速度Ncが低下判定値Nm以下の場合、破断電流値Ifを下限値として目標電流値Ipの値が設定されることになる。すなわち、この場合には、破断電流値Ifを下限値として発電機10の発電電流値の可変制御が行われる。
一方、コンプレッサ回転速度Ncが低下判定値Nm以下の場合には、要求電流値Irがそのまま目標電流値Ipの値に設定される。すなわち、この場合には、発電機10の発電電流値を、破断電流値Ifを下回る値とすることが許容される。この場合の発電電流値の下限値は、要求電流値Irの設定範囲の最小値(例えば「0」)となり、その値は破断電流値Ifよりも小さい値となる。したがって、この場合には、発電機10の発電電流値の下限値が、コンプレッサ回転速度Ncが低下判定値Nm以下の場合よりも小さくされることになる。
(作用)
コンプレッサ21がロックする際には、その前兆として、コンプレッサ回転速度Ncの低下が生じる。一方、コンプレッサ回転速度Ncは、内燃機関20の回転速度(以下、機関回転速度Neと記載する)に概ね比例し、また、内燃機関20は、アイドル運転時の目標回転速度であるアイドル回転速度を機関回転速度Neが下回らないように運転されている。そのため、コンプレッサ21が正常動作していれば、内燃機関20の運転中にコンプレッサ回転速度Ncが最小となるのは、同内燃機関20がアイドル運転されているときとなる。よって、コンプレッサ回転速度Ncが、内燃機関20のアイドル運転時おける同コンプレッサ回転速度Ncの想定値未満の値に設定された低下判定値Nm以下に低下する場合には、コンプレッサ21がロックする兆しがある、と判断することができる。
本実施形態において自動停止制御部41は、コンプレッサ回転速度Ncが低下判定値Nmを上回っている場合には、車両の走行速度Vが停止許可速度Vm以下のときに、下記条件(ヘ)〜(リ)を必要条件として内燃機関20の運転を停止する。
(ヘ)アクセルペダルが踏まれておらず、ブレーキペダルが踏まれている。
(ト)バッテリ充電量Sが停止許可充電量Sm以上である。
(チ)冷却水温Twが停止許可水温Tm以上である。
(リ)空調装置の蓄冷が完了している。
上記条件(ヘ)の成立は、運転者が車両を停止させる操作を行っていることを示す。また、上記条件(ト)の成立は、内燃機関20の運転を停止した場合に、その後の車両の再発進に際して内燃機関20を確実に再始動できるだけのバッテリ充電量Sが確保されていることを示す。さらに、上記条件(チ)及び(リ)の成立は、内燃機関20の運転を停止した場合に、その停止中、車室内の暖房や冷房をある程度の期間継続可能な状態にあることを示す。
一方、自動停止制御部41は、コンプレッサ回転速度Ncが低下判定値Nm以下となっている場合には、車両の走行速度Vが停止許可速度Vm以下のときに、上記条件(ヘ)及び(ト)が成立していれば、上記条件(チ)及び(リ)の成立、不成立に拘らず、内燃機関20の運転を停止する。すなわち、コンプレッサ回転速度Ncが低下判定値Nm以下となっているときには、上記条件(チ)及び(リ)は、車両の走行速度Vが停止許可速度Vm以下のときの自動停止制御部41による内燃機関20の運転停止の必要条件から除外される。ちなみに、条件(チ)及び(リ)の不成立時に内燃機関20の運転を停止しても、内燃機関20の停止中に暖房や冷房を継続できずに乗員の快適性が低下する虞はあるものの、内燃機関20の再始動の遅延などの車両の走行に対する影響は生じない。
自動停止制御部41により、内燃機関20の運転が停止されると、ベルト26の走行が停止して、コンプレッサ21の動作も停止する。その後、自動停止制御部41により内燃機関20が再始動されると、ベルト26の走行が再開されて、コンプレッサ21の動作も再開される。このとき、コンプレッサ21がロックしてA/Cプーリ25が回転不能となっていると、ベルト26の走行の再開と共に、A/Cプーリ25とベルト26との間に滑りが発生する。こうした滑りが始まる直前には、A/Cプーリ25、ベルト26間の摩擦力が特に大きくなる。そして、コンプレッサ21のリミッタ機構として機能するハブ33にも、特に大きなねじりトルクが加わるようになる。すなわち、内燃機関20の再始動は、コンプレッサ21がロックした際にリミッタ機構を破断させる好機となる。上述のように本実施形態では、コンプレッサ21がロックする兆しが確認されると、条件(チ)及び(リ)が必要条件から除外されて、自動停止制御部41による内燃機関20の運転停止が実施されやすくなる。そして、その結果、内燃機関20の再始動の機会が増えて、リミッタ機構が破断されやすくなる。
さらに、本実施形態における発電制御部42は、コンプレッサ回転速度Ncが低下判定値Nm以下となって、コンプレッサ21のロックの兆しが確認されたときにのみ、発電機10の目標電流値Ipを破断電流値If以上に保持するようにしている。換言すれば、コンプレッサ21のロックの兆しがないときには、破断電流値If未満の目標電流値Ipの設定を許容している。
第1実施形態では、目標電流値Ipを常に破断電流値If以上に保持しており、要求電流値Irが破断電流値If未満の場合には、必要とされる分以上の発電が行われるため、内燃機関20の発電負荷の不要な増加を招いてしまう。これに対して本実施形態では、コンプレッサ21がロックする兆しがないときには、発電機の発電電流値を破断電流値If未満とすることが許容される。そのため、リミッタ機構の破断に関しては第1実施形態の場合と同等でありながらも、内燃機関20の発電負荷を第1実施形態の場合よりも低くすることができる。
以上説明した本実施形態は、次のように変更してもよい。
・上記実施形態では、コンプレッサ回転速度Ncが低下判定値Nmを上回っているときには、要求電流値Irをそのまま目標電流値Ipの値に設定していた。すなわち、このときには、要求電流値Irの設定範囲の最小値が、発電機10の発電電流値の下限値となっていた。このときの発電電流値の下限値として、要求電流値Irの設定範囲の最小値、及び破断電流値If以外の下限値を設定するようにしてもよい。いずれにせよ、その下限値が破断電流値Ifよりも小さければ、コンプレッサ21がロックする兆しが無いときには、発電機10の発電電流値を破断電流値If未満とすることが許容されるため、内燃機関20の発電負荷を、第1実施形態の場合よりも小さくすることができる。
・上記実施形態では、上記条件(チ)及び(リ)を、コンプレッサ回転速度Ncが低下判定値Nm以下のときに自動停止制御部41による内燃機関20の運転停止の必要条件から除外する条件としていた。このときの必要条件から除外する条件を、上記条件(チ)及び(リ)の組み合わせ以外の条件としてもよい。いずれにせよ、コンプレッサ回転速度Ncが低下判定値Nm以下となったときに、自動停止制御部41による内燃機関20の運転停止の実施条件が緩和されれば、コンプレッサ21のロック時におけるリミッタ機構の破断の機会が増えることになる。なお、このときの必要条件から除外する条件としては、不成立時に内燃機関20の運転を停止しても、車両の走行に対して影響を与えない条件を選択することが望ましい。
・上記実施形態では、コンプレッサ回転速度Ncが、アイドル運転時における同コンプレッサ回転速度Ncの想定値未満の値に設定された低下判定値Nm以下となったときに、コンプレッサ21がロックする兆しがあると判定していた。コンプレッサ21が正常に動作しているときのコンプレッサ回転速度Ncは、機関回転速度Neに概ね比例する。そこで、現在の機関回転速度Neから想定される正常動作時のコンプレッサ回転速度Ncよりも、実際のコンプレッサ回転速度Ncが低いことをもって、コンプレッサ21がロックする兆しがあると判定するようにしてもよい。具体的には、現在の機関回転速度Neから想定される正常動作時のコンプレッサ回転速度Nc未満の値となるように、機関回転速度Neに応じて低下判定値Nmの値を可変設定する。こうした場合には、コンプレッサ21のロックの前兆の有無をより早期且つより正確に判断することが可能となる。
・上記実施形態では、コンプレッサ21のロックの前兆となるコンプレッサ回転速度Ncの低下を、コンプレッサ回転速度センサ47の検知結果から直接的に確認するようにしていた。すなわち、コンプレッサ回転速度センサ47により検知されたコンプレッサ回転速度Ncが規定の低下判定値Nm以下である場合、コンプレッサ21がロックする兆しが有ると判定していた。なお、コンプレッサ21の冷媒吐出圧は、コンプレッサ回転速度Ncの上昇に応じて高くなるため、冷媒吐出圧をコンプレッサ回転速度Ncの指標値として用いることができる。そこで、コンプレッサ回転速度Ncを直接検知するセンサが設けられていない場合には、コンプレッサ回転速度Ncの低下を、コンプレッサ21の冷媒吐出圧から間接的に確認するようにしてもよい。例えば、図8のステップS203、S303を、コンプレッサ21の冷媒吐出圧が、内燃機関20のアイドル運転時における同冷媒吐出圧の想定値未満の値に設定された判定値以下であるか否かを判定する処理に置き換えるようにしてもよい。また、上述したように、コンプレッサ回転速度Ncは、機関回転速度Neに概ね比例するため、上記判定での判定値を、機関回転速度Neに応じて可変設定するようにすることも可能である。
・上記実施形態における発電制御部42による発電機10の発電制御は、上記実施形態における自動停止制御部41による内燃機関20の運転停止制御から切り離して単独で実施することも可能である。すなわち、上記実施形態における発電制御部42を発電機制御装置としてそれ単体で実施してもよい。なお、この場合、自動停止制御部41による内燃機関20の運転停止制御を上記実施形態とは別の態様で行うようにしてもよいし、同運転停止制御自体を行わない、すなわち自動停止制御部41を割愛するようにしてもよい。
10…発電機、11…ICレギュレータ、13…バッテリ、15…電子制御ユニット(発電制御部)、20…内燃機関、21…コンプレッサ、22…クランクシャフト、23…クランクプーリ(ベルト機構)、24…オルタプーリ(ベルト機構)、25…A/Cプーリ(ベルト機構)、26…ベルト(ベルト機構)、27…テンショナ(ベルト機構)、33…ハブ(リミッタ機構)、40…電子制御ユニット、41…自動停止制御部、42…発電制御部(発電機制御装置)。

Claims (3)

  1. 空調用のコンプレッサと共に、ベルト機構を介して内燃機関のクランクシャフトに駆動連結された発電機の発電電流値を可変制御する発電制御部を備える発電機制御装置において、
    前記コンプレッサは、同コンプレッサがロックした際に破断して前記ベルト機構から同コンプレッサを切り離すリミッタ機構を備えるものであり、
    前記ベルト機構のベルト張力を、前記コンプレッサのロック時に前記リミッタ機構を破断可能な張力に維持するために必要な前記発電電流値を破断電流値としたとき、
    前記発電制御部は、前記破断電流値を下限値として前記発電電流値の可変制御を行う、
    ことを特徴とする発電機制御装置。
  2. 前記発電制御部は、前記コンプレッサの回転速度が規定値を上回るときには、前記発電電流値の下限値を前記破断電流値よりも小さくする請求項1に記載の発電機制御装置。
  3. 空調用のコンプレッサと共に、ベルト機構を介してクランクシャフトに駆動連結された発電機を補機として備える内燃機関に適用されて、電力の需給状況に応じて設定された要求電流値とすべく前記発電機の発電電流値を可変制御する発電制御部と、前記内燃機関が搭載された車両の走行速度が規定の速度以下であるときに、規定の条件の成立を必要条件として、前記内燃機関の運転停止を実施する自動停止制御部と、を備える内燃機関制御装置において、
    前記コンプレッサは、同コンプレッサがロックした際に破断して前記ベルト機構から同コンプレッサを切り離すリミッタ機構を備えるものであり、
    前記ベルト機構のベルト張力を、前記コンプレッサのロック時に前記リミッタ機構を破断可能な張力に維持するために必要な前記発電電流値を破断電流値としたとき、
    前記発電制御部は、前記コンプレッサの回転速度が規定値以下のときに、前記破断電流値を同発電電流値の下限値に設定して、前記発電電流値の可変制御を行い、
    前記自動停止制御部は、前記コンプレッサの回転速度が前記規定値以下であるときには、前記規定の条件を必要条件から除外して、前記車両の走行速度が前記規定の速度以下のときの前記内燃機関の運転停止を実施する
    ことを特徴とする内燃機関制御装置。
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