JP6623604B2 - 筺体表面温度推定方法及び電子装置 - Google Patents
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Description
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態の筺体表面温度推定方法及び電子装置の一例を示す図である。
温度演算処理部5aは、基板3上の熱源と筺体2の表面との間の熱抵抗と熱容量に基づく伝達関数と、熱源と温度センサ4との間の熱抵抗と熱容量に基づく伝達関数と、温度センサ4の測定値と、に基づき筺体2の表面の温度を算出する。電子装置1における主熱源は、計算を行うプロセッサ5であるため、以下では、熱源=プロセッサ5として説明する。
時間の関数であるプロセッサ5の温度、筺体2の表面の温度、温度センサ4の測定値をそれぞれラプラス変換したときの値をTcpu(s)、Tcase(s)、Tsensor(s)とする(sはラプラス変換の演算子である)。このときTcpu(s)とTcase(s)との関係は、伝達関数G(s)を用いて以下の式(1)のように表せる。
また、Tcpu(s)とTsensor(s)との関係は、伝達関数H(s)を用いて以下の式(2)のように表せる。
式(1),(2)から、Tcase(s)は、以下の式(3)のように表せる。
Tcase(s)={G(s)/H(s)}Tsensor(s) (3)
伝達関数G(s),H(s)は、たとえば、1次のローパスフィルタ回路に相当する熱回路モデルを用いて以下の式(4),(5)のように表せる。
H(s)=KH/(1+sτH) (5)
式(4)において、KGは、プロセッサ5と筺体2の表面との間における熱伝達係数であり、τGは、プロセッサ5と筺体2の表面間における熱時定数である。τGは、プロセッサ5と筺体2の表面との間の熱抵抗の値RGと熱容量の値CGの積で表される。
ステップS1:測定値取得
電子装置1内の基板3に配置されたプロセッサ5が、温度センサ4から測定値を取得する。
プロセッサ5は、上記伝達関数G(s),H(s)と、取得した温度センサ4の測定値とに基づき、式(3)を用いて表面の温度を算出する。
図2は、第2の実施の形態の電子装置のハードウェアの一構成例を示す図である。
電子装置10は、たとえば、スマートフォン、タブレットPCなどの携帯端末装置またはノートPCなどのコンピュータであるが、特にこれらに限定されるわけではなく、デスクトップPCなどであってもよい。
メモリ12は、たとえば、フラッシュメモリや、DDRSDRAM(Double Data Rate Synchronous Dynamic Random Access Memory)などである。メモリ12には、OSのプログラム、アプリケーションプログラム及び、温度の測定データや、前述した熱伝達係数や熱時定数などの各種データが格納される。
温度センサ16a,16bは、温度を測定する。
電子装置10は、たとえばコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されたプログラムを実行することにより、第2の実施の形態の処理機能を実現する。電子装置10に実行させる処理内容を記述したプログラムは、様々な記録媒体に記録しておくことができる。たとえば、電子装置10に実行させるプログラムをメモリ12に格納しておくことができる。プロセッサ11は、メモリ12に格納されたプログラムを実行する。電子装置10に実行させるプログラムを、光ディスクや図2に示したようなメモリ装置17aなどの可搬型記録媒体に記録しておくこともできる。可搬型記録媒体に格納されたプログラムは、たとえばプロセッサ11からの制御により、メモリ12に格納された後、実行可能となる。またプロセッサ11が、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み出して実行することもできる。
図3は、第2の実施の形態の電子装置の一部の断面の一例を示す図である。
基板20上には、バンプ11aを介してプロセッサ11が配置されている。また、温度センサ16a,16bが基板20上に配置されている。図3、図4の例では、温度センサ16aは、温度センサ16bよりも、プロセッサ11に近い位置に配置されている。
また、基板20、プロセッサ11及び温度センサ16a,16b上には筺体21が配置されている。図3、図4の例では、プロセッサ11と筺体21との間には隙間があるが、接触していてもよい。筺体21は、たとえば、基板20を囲うように配置されているが、図3、図4では筺体21の一部分が示されている。
まず、プロセッサ11は、温度センサ16a,16bでの測定値を取得し(ステップS10)、温度センサ16bでの測定値に基づき、基準温度Tgndを算出する(ステップS11)。
図6は、基準温度と温度センサ16bでの測定値との一例の関係を示す図である。
基準温度Tgndは、電子装置10の筺体21の表面の点24(温度基準点)において、熱電対などで測定された温度である。
時間の関数である筺体21の点23の温度から基準温度Tgndを引いた値をy(t)、温度センサ16aの測定値から基準温度Tgndを引いた値をx(t)とする。そして、y(t)とx(t)をそれぞれラプラス変換したときの値を、Y(s)、X(s)とする(sはラプラス変換の演算子である)。
Y(s)={G1(s)/H1(s)}X(s) (6)
G1(s)は、熱源であるプロセッサ11と点23の間の熱抵抗と熱容量に基づく伝達関数であり、H1(s)は、プロセッサ11と温度センサ16aの間の熱抵抗と熱容量に基づく伝達関数である。
図7は、熱回路モデルの一例を示す図である。
同様に、伝達関数H1(s)も以下の式(8)で表せる。
H1(s)=KH1/(1+sτH1) (8)
KH1は、プロセッサ11と温度センサ16aの間の熱伝達係数であり、τH1は、プロセッサ11と温度センサ16aの間の熱抵抗の値と熱容量の値の積である熱時定数である。
Y(s)=I(s)X(s) (9)
I(s)=(KG1/KH1){(1+sτH1)/(1+sτG1)} (10)
以下では、計算を簡略化するために、Z変換と差分方程式を用いる。
y(nT)=a0x(nT)+a1x(nT−T)−b1y(nT−T) (13)
式(13)において、a0=(KG1/KH1){(T+2τH1)/(T+2τG1)}、a1=(KG1/KH1){(T−2τH1)/(T+2τG1)}、b1=(T−2τG1)/(T+2τG1)である。
演算システム40は、遅延部41,42、乗算部43,44,45、加減算部46,47を有している。
遅延部42は、出力信号y(nT)を1サンプリング周期分遅らせる。
乗算部43は、入力信号x(nT)とa0との乗算を行う。乗算部44は、入力信号x(nT)の1サンプリング周期分前の信号、すなわちx(nT−T)とa1との乗算を行う。乗算部45は、出力信号y(nT)の1サンプリング周期分前の信号、すなわちy(nT−T)とb1との乗算を行う。
横軸は時間(単位はSec)であり、縦軸は温度変化(dT)(単位は℃)を示している。なお、図9の例では、基準温度Tgndの実測値は、25℃としている。
波形53は、たとえば、以下のように算出される。
なお、伝達関数G1(s)は、前述の式(7)で表せる。たとえば、設計者は、コンピュータに、プロセッサ11の温度の実測値に基づき、式(14)を計算させる。このとき設計者は、Tcase(s)の逆ラプラス変換結果から基準温度Tgndの実測値を引いた値の時間変化が、波形51に近づくように、伝達関数G1(s)のパラメータである熱伝達係数KG1と熱時定数τG1を、コンピュータに変化させる。このようなパラメータフィッティングによって、波形53が得られる。
波形54は、たとえば、以下のように算出される。
Tsensor1(s)=H1(s)Tcpu(s) (15)
なお、伝達関数H1(s)は、前述の式(8)で表せる。たとえば、設計者は、コンピュータに、プロセッサ11の温度の実測値に基づき、式(15)を計算させる。このとき設計者は、Tsensor1(s)の逆ラプラス変換結果から基準温度Tgndを引いた値の時間変化が、波形52に近づくように、伝達関数H1(s)のパラメータである熱伝達係数KH1と熱時定数τH1を、コンピュータに変化させる。このようなパラメータフィッティングによって、波形54が得られる。
図9の例では、パラメータフィッティングによって得られるパラメータの値は、KG1=0.425、KH1=0.500、τG1=85、τH1=40となる。
以上のようなステップS13の処理が終了すると、プロセッサ11は、ステップS13の処理で算出した筺体表面温度の変化分(筺体21の点23の温度から基準温度Tgndを引いた値)に、基準温度Tgndを加算する(ステップS14)。これにより、筺体21の表面温度が求まる。図示を省略するが、その後、プロセッサ11は、たとえば、算出した表面温度に基づいて、表面温度が所定の値よりも高いときには、消費電力を抑える動作を行うようにしてもよい。また、プロセッサ11は、グラフィック処理部13を制御して、ディスプレイ13aにユーザに注意を促すメッセージを表示させるようにしてもよい。
横軸は時間(単位はSec)を示し、左の縦軸は温度(単位は℃)、右の縦軸は誤差(単位は℃)を示している。
また、波形62は、実測値と式(13)に基づき算出された値との差(誤差)を示している。
以上のように、プロセッサ11は、熱抵抗と熱容量に基づく伝達関数G1(s),H1(s)を用いて筺体21の表面温度を算出するため、熱の伝わる時間が計算結果に反映されるようになる。そのため、熱源の温度変化への追従性が高まり、計算精度が向上する。
また、基板20に配置した温度センサ16a,16bでの測定値から精度よく筺体21の表面温度を算出できるため、筺体21の表面への温度センサの配置を避けられ、電子装置10のデザインを損なう可能性が少なくなる。また、筺体21の表面へ温度センサを配置すると、温度センサと基板20をつなぐケーブルなどが設けられることになりコストも増加するが、本実施の形態の電子装置10では、温度センサ16a,16bは基板20に配置されているため、コストの増加を抑えられる。
以下、第3の実施の形態の筺体表面温度推定方法を説明する。
プロセッサ11は、温度センサ16aで検出した温度変化の時定数が、熱時定数τsensor1よりも大きい場合、熱容量を含まない熱回路モデルを用いて筺体21の表面温度を計算するようにしてもよい。
プロセッサ11は、温度センサ16aでの測定値Tsensor1の変化を検出すると(ステップS20)、その変化の時定数が、熱時定数τsensor1以下か否かを判定する(ステップS21)。測定値Tsensor1の変化の時定数が、熱時定数τsensor1以下であるときには、プロセッサ11は、熱容量を含む熱回路モデル(図7参照)で上記のように筺体21の表面温度を算出する(ステップS22)。
以下、第4の実施の形態の筺体表面温度推定方法を説明する。
プロセッサ11は、温度センサ16aで検出した単位時間当たりの温度変化の大きさ(絶対値)に基づいて、筺体21の表面温度を計算する際に用いる熱回路モデルを切り替えるようにしてもよい。
横軸は時間を示し、縦軸は、温度センサ16aで検出される温度を示している。
たとえば、プロセッサ11は、時刻t0〜t1,t2〜t3の間と、時刻t4以降では、単位時間当たりの温度変化が小さいので、熱容量を含まない熱回路モデルを用いて筺体21の表面温度を計算する。また、プロセッサ11は、時刻t1〜t2,t3〜t4の間では、単位時間当たりの温度変化が大きいので、熱容量を含む熱回路モデル(前述した伝達関数で表される熱回路モデル)を用いて筺体21の表面温度を計算する。
単位時間当たりの温度変化が一定であると仮定したとき、伝達関数で表される熱回路モデルを用いて算出される筺体21の表面温度をTramp(t)とすると、Tramp(t)は、式(3)〜(5)やランプ関数を用いて以下の式(16)で表せる。
温度センサ16aで検出される温度の1秒あたりの温度変化をd℃/secとした場合の温度センサ16aの測定値と、伝達関数で表される熱回路モデルを用いて算出される筺体21の表面温度との差raは、以下の式(17)で表せる。
d≦r0/{α(τG−τH)} (18)
図13は、温度センサ16aで検出される1秒当たりの温度変化と、差raの時間変化との関係の計算結果の例を示す図である。
また、図13には、温度変化dが、0.3,0.2,0.1,0.029℃/secのときの差raの時間変化が示されている。
温度センサ16aで検出される温度の変化がステップ応答特性を示すと仮定する。このとき伝達関数で表される熱回路モデルを用いて算出される筺体21の表面温度をTstep(t)とすると、Tstep(t)は、式(3)〜(5)やステップ関数を用いて以下の式(19)で表せる。
ステップ応答による変化後の、温度センサ16aの測定値(1℃)と、伝達関数で表される熱回路モデルを用いて算出される筺体21の表面温度との差rbは、以下の式(20)で表せる。
熱容量を含まない熱回路モデルを用いて算出される筺体21の表面温度は、温度センサ16aの測定値から、所定の固定値を減算したものになるため、式(20)の差rbは、両熱回路モデルで表面温度を計算したときの誤差を反映したものとなる。
なお、図14の例では、式(19)で、α=1、τH=45、τG=80としている。横軸は、時間(単位はsec)を示し、縦軸は温度(単位は℃)を示している。
プロセッサ11は、温度センサ16aで検出される温度の単位時間当たりの変化の大きさがある値(以下では±Rとする)以内となってから、時間ta経過したときに、使用する熱回路モデルを、熱容量を含むものから熱容量を含まないものに切り替える。つまり、プロセッサ11は、時間taを、使用する熱回路モデルを、熱容量を含むものから、熱容量を含まないものに切り替えるための閾値として用いることができる。
上記のような各閾値を用いた表面温度の推定アルゴリズムの一例の流れを以下にまとめる。
プロセッサ11は、温度センサ16aで検出される温度変化dを検出し(ステップS30)、d>r0/α(τG−τH)であるか否かを判定する(ステップS31)。
以下、第5の実施の形態の筺体表面温度推定方法を説明する。
プロセッサ11は、ユーザによる電子装置10の操作を検出し、その操作時間に基づいて、筺体21の表面温度を計算する際に用いる熱回路モデルを切り替えるようにしてもよい。
電子装置10のスリープ状態のときに(ステップS40)、プロセッサ11は、ユーザによる電子装置10の操作(たとえば、画面をオンする操作)を検出すると(ステップS41)、ステップS42の処理を行う。
閾値Tthは、たとえば、熱時定数τGに基づいて設定される。たとえば、Tth=τG/2であれば、プロセッサ11で発生する熱による筺体21の表面温度の変動は比較的少ないため、熱容量を含まない熱回路モデルを用いても熱容量を含む熱回路モデルを用いたときとの計算精度の差が小さい。なお、許容される誤差がより小さいときには、閾値Tthをより短く設定するようにしてもよい。
操作時間が閾値Tthより長くなると、プロセッサ11は、熱容量を含む(伝達関数で表される)熱回路モデルで筺体21の表面温度を算出する(ステップS44)。その後、ユーザによる電子装置10の操作が終了されると(たとえば、画面をオフする操作が行われると)(ステップS45)、ステップS40からの処理が繰り返される。
以下、第6の実施の形態の筺体表面温度推定方法を説明する。
プロセッサ11は、ユーザによる電子装置10の単位時間当たりの操作回数に基づいて、筺体21の表面温度を計算する際に用いる熱回路モデルを切り替えるようにしてもよい。
ステップS50,S51の処理は、図16に示したステップS40,S41の処理と同じである。ステップS51の処理後、プロセッサ11は、電子装置10の単位時間当たりの操作回数が閾値Nthより多いか否かを判定する(ステップS52)。
電子装置10の単位時間当たりの操作回数が閾値Nthより多くなると、プロセッサ11は、熱容量を含む(伝達関数で表される)熱回路モデルで筺体21の表面温度を算出する(ステップS54)。また、プロセッサ11は、ステップS52と同様の判定処理を行い(ステップS55)、電子装置10の単位時間当たりの操作回数が閾値Nthより多いときには、ステップS54の処理を繰り返す。電子装置10の単位時間当たりの操作回数が閾値Nth以下のときには、ステップS53の処理が行われる。
図18において、図3に示した要素と同様のものについては同一の符号が付されている。
y(nT)=a0x(nT)+a1x(nT−T)+a2x(nT−2T)−[b1y(nT−T)+b2y(nT−2T)] (24)
bb=4τGaτGb+2T(τGa+τGb)+T2とすると、式(24)において、a0=α(2TτH+T2)/bb、a1=2αT2/bb、a2=α(−2TτH+T2)/bbである。また、b1=(−8τGaτGb+2T2)/bb、b2=(4τGaτGb−2T(τGa+τGb)+T2)/bbである。
以上、実施の形態に基づき、本発明の筺体表面温度推定方法及び電子装置の一観点について説明してきたが、これらは一例にすぎず、上記の記載に限定されるものではない。
また、プロセッサ11は、単位時間当たりの自身の動作時間が一定値を超えたとき、熱容量を含む熱回路モデルを用いて表面温度を算出し、動作時間が一定値以下のときには、熱容量を含まない熱回路モデルを用いて表面温度を算出するようにしてもよい。
2 筺体
3 基板
4 温度センサ
5 プロセッサ(熱源)
5a 温度演算処理部
Claims (13)
- 電子装置の基板に配置されたプロセッサが、前記基板に配置された第1の温度センサから第1の測定値を取得し、
前記プロセッサが、前記基板上の熱源と前記電子装置の筺体の表面との間の第1の熱抵抗と第1の熱容量に基づく第1の伝達関数と、前記熱源と前記第1の温度センサとの間の第2の熱抵抗と第2の熱容量に基づく第2の伝達関数と、前記第1の測定値とに基づき前記表面の表面温度を算出する、
ことを特徴とする筺体表面温度推定方法。 - 前記第2の熱抵抗と前記第2の熱容量との積である第1の熱時定数は、前記第1の熱抵抗と前記第1の熱容量との積である第2の熱時定数より小さいことを特徴とする請求項1に記載の筺体表面温度推定方法。
- 前記プロセッサは、前記第1の温度センサ及び前記表面よりも熱時定数が大きくなるように前記基板に配置された第2の温度センサから第2の測定値を取得し、
前記プロセッサは、前記第2の測定値から第1の値を引くことで基準温度を算出し、
前記プロセッサは、前記第1の測定値から前記基準温度を引いた値と、前記第1の伝達関数及び前記第2の伝達関数とに基づき前記表面温度の前記基準温度からの変化分を算出し、
前記プロセッサは、算出した前記変化分に前記基準温度を加算することで、前記表面温度を算出する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の筺体表面温度推定方法。 - 前記プロセッサは、第1のサンプリング周期で前記第1の測定値を取得し、前記第1の測定値から前記基準温度を引いた前記値を、前記第1の伝達関数及び前記第2の伝達関数に基づく差分方程式に適用して、前記表面温度の前記変化分を算出することを特徴とする請求項3に記載の筺体表面温度推定方法。
- 前記プロセッサは、前記第1の測定値の変化の時定数が、前記第1の熱時定数よりも大きいときは、前記第1の測定値から第2の値を引くことで、前記表面温度を算出することを特徴とする請求項2に記載の筺体表面温度推定方法。
- 前記プロセッサは、前記第1の伝達関数、前記第2の伝達関数及び前記第1の測定値に基づいて前記表面温度を算出する第1の算出方法を実行するか、前記第1の測定値から第2の値を引くことで前記表面温度を算出する第2の算出方法を実行するかを、前記第1の測定値の単位時間当たりの変化の大きさに基づいて決定する、ことを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の筺体表面温度推定方法。
- 前記プロセッサは、前記単位時間当たりの変化の大きさが、第3の値以下のときには、前記第2の算出方法で前記表面温度を算出する、ことを特徴とする請求項6に記載の筺体表面温度推定方法。
- 前記第3の値は、前記熱源と前記第1の温度センサとの間の、第1の熱伝達係数及び第3の熱時定数と、前記熱源と前記表面との間の、第2の熱伝達係数及び第4の熱時定数と、前記第1の算出方法で得られる第1の算出値と前記第2の算出方法で得られる第2の算出値との間の許容する第1の差と、に基づいて算出される、ことを特徴とする請求項7に記載の筺体表面温度推定方法。
- 前記プロセッサは、前記単位時間当たりの変化の大きさが、第4の値以下となってから、第1の時間経過したときには、前記第1の算出方法から、前記第2の算出方法に切り替えて前記表面温度を算出する、ことを特徴とする請求項6に記載の筺体表面温度推定方法。
- 前記第1の時間は、前記熱源と前記第1の温度センサとの間の、第1の熱伝達係数及び第3の熱時定数と、前記熱源と前記表面との間の、第2の熱伝達係数及び第4の熱時定数と、前記第1の算出方法で得られる第1の算出値と前記第2の算出方法で得られる第2の算出値との間の許容する第1の差と、に基づいて算出される、ことを特徴とする請求項9に記載の筺体表面温度推定方法。
- 前記プロセッサは、前記電子装置に対するユーザの操作を検出し、
前記プロセッサは、前記第1の伝達関数、前記第2の伝達関数及び前記第1の測定値に基づいて前記表面温度を算出するか、前記第1の測定値から第2の値を引くことで前記表面温度を算出するかを、前記操作の時間または単位時間当たりの前記操作の回数に基づき決定する、ことを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の筺体表面温度推定方法。 - 前記プロセッサが、前記熱源であることを特徴とする請求項1乃至11の何れか一項に記載の筺体表面温度推定方法。
- 筺体と、
基板と、
前記基板に配置され、温度を測定して第1の測定値を出力する第1の温度センサと、
前記基板上の熱源と前記筺体の表面との間の第1の熱抵抗と第1の熱容量に基づく第1の伝達関数と、前記熱源と前記第1の温度センサとの間の第2の熱抵抗と第2の熱容量に基づく第2の伝達関数と、前記第1の測定値とに基づき前記表面の表面温度を算出する温度演算処理部と、
を有することを特徴とする電子装置。
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