JP6623479B2 - 脂質ナノ粒子及びその使用 - Google Patents

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Description

関連出願の相互参照
本願は、その開示全体が参照によってその全体が本明細書に組み込まれている、2015年2月8日に出願された米国仮特許出願第62/113,480号及び2015年4月7日に出願された中国特許出願第201510160468.1号の利益及びそれらに対する優先権を主張するものである。
連邦政府の支援を受けた研究又は開発に関する陳述
本発明は、米国国立衛生研究所によって付与された登録番号AI077390、RR00166、RR025014の米国政府の支援のもとになされた。米国政府は、本発明において一定の権利を有する。
本発明は、体内における異常又は異常な組織及び細胞の近赤外蛍光イメージの強度、解像度、及び描写の増強のための、インドシアニングリーン等の色素を含む脂質ナノ粒子の調製及び使用に関する。
疾患を効果的に治療及び診断するため、罹患した器官のイメージングを可能にすることが有利である。多くの広く使用されているタイプのイメージングがあるが、これらの技術は、血管系又はリンパ系を見るための多用途性又はコントラストを有していない。これらの系を研究するための最新技術は、近赤外蛍光(NIRF)イメージング(約700〜900nm)と呼ばれる光学イメージング技術であり、これは、電離放射線を伴わず、血液及び組織の自家蛍光(約500〜600nm)(すなわち、バックグラウンドシグナル/蛍光)の干渉が最小であり、非侵襲性であるため、非常に安全である。蛍光イメージング法は、蛍光色素に光を照射すること及び色素から発せられる蛍光を検出することを伴い、様々なタイプの生物学的イメージングにおいて広く用いられている。この方法は、血管造影において使用され、血管機能及び/又は転移の術中評価に用いることができる。他の技術とは異なり、NIRFイメージングはまた、リンパ系をイメージングすることもでき、患者におけるリンパ管のアーキテクチャ及び機能についての重要な情報を臨床医に与える。それにもかかわらず、NIRFイメージングは、深部組織をイメージングできない(光散乱に起因して、身体の約1cmまでしかイメージングできない)ことから課題を有している。
ICGは、NIRFイメージングで臨床的に使用される色素であり(820nmの放射を有する)、米国食品医薬品局(FDA)及び欧州医薬品庁(EMA)によってヒトへの使用が認可されている唯一のNIRF分子である。ICGは、心拍出量、肝機能、及び肝血流量の判定、並びに眼の血管造影に適応される。ICGは、流体で満たされた解剖学的構造(例えば、血液、脳脊髄液、リンパ、又は尿)を可視化するため、又は血管、腎臓、若しくは排出経路のコントラスト剤として、適応外で又は研究で使用されている(1)。水性環境においてICG分子は凝集し、ICGの蛍光は容易に分解する(全体的な蛍光強度を低減させる)(2〜5)。血液中で、ICGは血漿タンパク質に結合し、部分的及び一時的にその蛍光強度を向上させるが、結果的に解離し、液体内で分解される。インビボでのICG蛍光の強度及び期間は、血漿タンパク質及びリポタンパク質濃度の変動並びに個人間のばらつきで変化し得る。
多様な生理化学的特徴を有するICG及びリポソームに対する最近の報告は、ICGをリポソーム内にカプセル化するための資源多消費型の調製手順(≧4工程)を記載している(8〜12)。しかし、様々な組成を有するこれらのリポソームは、ICGと脂質との間の相互作用を完全に理解することなく調製された。ある特定の条件下で、ICGがリポソームの水性区画内にカプセル化されると、ICGは、既定では、リポソーム膜内のリン脂質と部分的に物理的に相互作用し得る。これらの方法及び組成の下での脂質-ICG結合は、不完全で不安定な相互作用を伴う。これらの製剤は、脂質内へのICGの挿入又は埋込みを意図したものではない。結果は、ICGの安定性及び量子収量、並びにイメージング製品としてのその使用において様々である。また、ICG画分のみがリポソームの水性区画内にカプセル化され得、したがって、汚染の可能性を増大させ、廃棄物及び分離手順に起因してコストをかさませる工程である、調製手順からの遊離ICGの除去が必要である。
US7,175,912 US7,175,909 US20050271745 WO2014002100A1 米国特許出願公開第2014/0341813号
Daemen T 1997 Hepatology 26(2):416〜423 Scholarら、2012、International Journal of Pharmaceutical Studies and Research、3(2):14〜20 Akbarzadehら、2013、Nanoscale Research Letters、8:102 Maら、2010、Analyst、135:1867〜1877 Figueiredo,J.L.、Alencar,H.、Weissleder,R.及びMahmood,U. Near infrared thoracoscopy of tumoral protease activity for improved detection of peripheral lung cancer. Int. J. Cancer 118、2672〜2677(2006) Nguyen, Q. T.、及びTsien, R. Y.(2013) Fluorescence-guided surgery with live molecular navigation: A new cutting edge. Nat. Rev. 13、653〜662 Kraft JC, Ho RJ (2014) Interactions of indocyanine green and lipid in enhancing near-infrared fluorescence properties: the basis for near-infrared imaging in vivo. Biochemistry、3月4日、53 (8):1275〜83 Joguparthi V、Feng S、Anderson BD. Determination of intraliposomal pH and its effect on membrane partitioning and passive loading of a hydrophobic camptothecin, DB-67 Int J Pharm. 2008年3月20日、352 (1〜2):17〜28. Epub 2007年10月12日、PubMed PMID: 18065174、PubMed Central PMCID: PMC2277365 De Cuyperら、1988、Eur Biophys J、15:311〜319
改善されたICG送達系が必要である。
一態様において、本発明は、(i)脂質膜及び水性コアを含む脂質ナノ粒子、並びに(ii)複数のインドシアニングリーン(ICG)を含む組成物であって、ICGの1つ又は複数が脂質膜内に埋め込まれている、組成物を提供する。
一部の実施形態において、脂質分子は、1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(DSPC)、及び1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン-N-メトキシ-ポリエチレングリコール-2000(DSPEmPEG2000)を含む。
一部の実施形態において、ICGの少なくとも約95%が脂質膜内に埋め込まれている。一部の実施形態において、ICGの少なくとも約99%が脂質膜内に埋め込まれている。一部の実施形態において、ICGの実質的に約100%が脂質膜内に埋め込まれている。
一部の実施形態において、ICGの5%未満が水性コア内にカプセル化されている。一部の実施形態において、ICGの1%未満が水性コア内にカプセル化されている。一部の実施形態において、水性コア内にカプセル化されているICGの量は検出不可能である。
一部の実施形態において、脂質ナノ粒子は、pH5〜8及び約303mのOsmを有するもの等の生体適合緩衝液を含む塩組成物内に懸濁される。このような緩衝液の例には、通常生理食塩水、リンゲル液、デキストロース5%水溶液、又は0.9%NaCl及び約20mMのNaHCO3の緩衝液が含まれる。
一部の実施形態において、ナノ粒子は50nmから100nmの平均サイズを有する。
一部の実施形態において、ナノ粒子は負の表面電荷を有する。
一部の実施形態において、ナノ粒子は血清中で安定であり、25℃で6時間後、加熱不活化されたラット血清中でその最初の蛍光の約90%から約100%の間が保持された。
一部の実施形態において、ナノ粒子は、水溶液中で、遊離ICGの蛍光強度よりも4倍から5倍の間高い蛍光強度を有する。
一部の実施形態において、ナノ粒子は、4℃で0日から300日の間保存した後、水溶液中で、遊離ICGの蛍光強度よりも4倍から10万倍の間高い蛍光強度を有する。
一部の実施形態において、組成物は、約0.5mg/kg未満のICG用量で有効である。一部の実施形態において、組成物は、約0.05mg/kgのICG用量で有効である。
別の態様において、本発明は、本明細書において提供される組成物/LNPと、任意選択で、キットを使用する方法についての指示とを含むキットを提供する。
更に別の態様において、本発明は、対象における組織又は器官をイメージングするための方法であって、イメージングを必要とする対象に適切な量の本明細書において提供される組成物を投与する工程、及び対象の組織又は器官の画像を得る工程を含む、方法を提供する。
一部の実施形態において、組成物の量は、約0.05mg/kgから約0.5mg/kgの間のICG用量に等しい。
一部の実施形態において、組織又は器官は、リンパ管、二次リンパ系組織、血管、アテローム性動脈硬化症等の内皮病変、癌/腫瘍、肝臓、胆管、胆嚢、及び腸の炎症部位等の三次リンパ系組織からなる群から選択される。
さらなる態様において、本発明は、(a)インドシアニングリーン(ICG)と脂質分子とを有機溶媒中で共に混合する工程、(b)有機溶媒を蒸発させて脂質分子及びICGを含む薄膜を得る工程、及び(c)緩衝塩(buffered salt)で薄膜を水和し、粒径を低減させる工程を含む、ナノ粒子を調製するための方法を提供する。
一部の実施形態において、脂質分子は、1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(DSPC)、及び1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン-N-メトキシ-ポリエチレングリコール-2000(DSPEmPEG2000)を含む。
一部の実施形態において、有機溶媒は、エタノール、メタノール、クロロホルム、酢酸エチル、又はDMSOを含む。
一部の実施形態において、緩衝塩は、約0.9%のNaCl及び約20mMのNaHCO3を含む。
一部の実施形態において、本方法は、濾過工程、精製工程、若しくは分離工程、又はその組合せを含まない。
さらなる態様において、本発明は、インドシアニングリーンと脂質膜及び水性コアを含む粒子とを含むインドシアニングリーン含有粒子であって、インドシアニングリーンが脂質膜内に埋め込まれている、粒子を提供する。
一部の実施形態において、実質的に100%のインドシアニングリーンが脂質膜内に埋め込まれている。一部の実施形態において、水性コア内に存在するインドシアニングリーンの量は検出不可能である。
別の態様において、本発明は、本明細書において提供されるインドシアニングリーン含有粒子、及びインドシアニングリーン含有粒子を分散させるための分散媒を含む、フォトイメージングのためのコントラスト剤を提供する。
本発明の新規な特徴は、特に、添付の特許請求の範囲に記載される。本発明の特徴及び利点は、本発明の原理が利用される例示的な実施形態を記載する以下の詳細な説明及び添付の図面を参照することによってより良く理解されよう。
3工程の調製手順の1つの典型的な略図である。 筋肉組織を介して検出されたICG-LNPと遊離ICGとの蛍光強度を示す図である。(A)30μMの遊離ICG(上部)及びICG-LNP(下部)で満たされた毛細管のNIR蛍光画像強度。(B)パネルAにおける異なるICG製剤で満たされた2つの同一の毛細管の白色光画像。(C)遊離ICG(上部)又はICG-LNP(下部)で満たされ、0.5、1.0、及び1.5cm(それぞれ左から右)のニワトリ胸部組織立方骨の下に置かれた毛細管の可視光写真に重ねられたNIR蛍光画像。(D)パネルCにおけるニワトリ胸部組織立方骨の可視光画像。(E)0.5、1.0、及び1.5cmのニワトリ胸部組織立方骨の下に置かれたICG-LNP毛細管の可視光バックグラウンドに重ねられたNIR蛍光画像。(F)組織立方骨の厚さの側面図。 ICG-LNPと遊離ICGとの蛍光強度及び収量を示す図である。(A)ICG蛍光収量(1マイクロモル濃度のICG当たりの蛍光強度)に対する脂質:ICGモル濃度比の影響。様々な脂質:ICGモル濃度比でICG-LNPを調製し、単位ICG当たりのそれらの蛍光強度を、示した濃度で測定した。分かりやすくするために、8つのICG-LNP製剤のうち3つのみが示されている。これらのデータポイントは、それらの脂質:ICGモル濃度比に従って標識されている:(黒丸)250:1、(白丸)350:1、及び(四角)100:1の脂質:ICGモル濃度比、並びに(三角)ICGのみ。各蛍光強度のデータポイントは、8回の繰り返しの平均±SDである。(B)蛍光収量に対する脂質:ICGモル濃度比の影響。パネルAのデータを用いて傾き(1マイクロモル濃度のICG当たりの蛍光強度)を計算し、脂質:ICGモル濃度比に対してプロットした。(白丸)遊離ICGのみ、及び(黒丸)様々なモル濃度比のICG-脂質ナノ粒子(ICG-LNP)。各データポイントは、6回の繰り返しの平均±SDである。 腫瘍の検出を示す図である。切除した腫瘍のスライスにおけるICG-LNPの蛍光強度は、有資格の病理学者によって悪性線維肉腫(上部)及び扁平上皮細胞癌(下部)であると特徴付けされた。 2頭の異なるマウスの画像を示す図である。左脚下の皮膚。ICG-LNPを用いて2頭のストレプトゾトシン(STZ)1型糖尿病マウスの皮膚において検出された、炎症、リンパ脈管新生、及び三次リンパ系器官。 ICG-LNPでマウスの右脚において検出された、血管周囲単核細胞(リンパ球及び組織球/マクロファージ)の蓄積を伴うリンパ管異常を示す図である。マウスの皮膚はこの画像では除去されている。 ICG-LNPで検出された、マウスの左膝窩リンパ節の左輸入リンパ管におけるリンパ脈管新生、リンパ管拡張、及び三次リンパ系器官を示す図である。マウスの皮膚は、これらの画像のそれぞれでは除去されている。 2頭の個別のマウスの左腸骨下(鼠径)リンパ節を左腋窩リンパ節に接続するリンパ管においてICG-LNPで検出された、リンパ管道及びリンパ管拡張を示す図である。 ICG-LNPで検出された、マウスの内側腸骨リンパ節、乳糜槽、及び胸管の高解像度画像を示す図である。 足の皮下注射後のリンパ節からのICG-LNPと遊離ICGとのNIR蛍光を示す図である。(A、B)腋窩のLN、(C、D)内側腸骨及び胃のLN、(E、F、G、H)膝窩及び坐骨のLN。 ICG-LNPを足に皮下投与されたマウスの腋窩リンパ節の組織スライスのNIR蛍光顕微鏡法を示す図である。強調されている蛍光は、インビボでのICG-LNP粒子の安定性、並びに、注射部位からリンパ系を通って長く移動した後の、リンパ節及びリンパ系組織の内部へのアクセスを示す。一部のICG-LNPは細胞内であり、マクロファージ及び樹状細胞と会合している。 ICG-LNPの保存安定性を示す図である。ICG-LNP及び遊離ICGを4℃の暗所で最大313日保存し、ICG蛍光を、示した時点で分析した:(三角)遊離ICG及び(黒丸)ICG-脂質ナノ粒子(ICG-LNP)。経時的データを指数関数的減衰モデルに基づいて分析し、半減期t1/2(日)、及び速度定数k(日数の逆数)の値を列挙する。破線は検出限界を示す。各データポイントは、3から8回の繰り返しの平均±SDである。 ICG-LNPが光曝露に起因してICG蛍光の消光を低減させることを示す図である。ICG-LNP及び遊離ICGを天井蛍光灯に12時間曝露した。ICG蛍光を6時間目及び12時間目に記録した。黒いバーはICG-LNPのデータを表し、灰色のバーはICGのみのデータを表す。各データポイントは、8回の繰り返しの平均±SDである。 ICG濃度依存性のLNP凝集及び見かけのサイズの増大を示す図である。パネルA:LNPの90°光散乱強度に対するICG濃度の影響。一定濃度のLNPを一定容積の様々な濃度のICGとインキュベートした。20分目に、混合物を希釈して反応を停止させ、90°光散乱強度を蛍光光度計で測定した。白丸の記号は空の脂質のみのナノ粒子を示し、黒丸の記号はICG脂質ナノ粒子(ICG-LNP)を示し、及び白三角の記号は遊離ICGのみを示す。各データポイントは、10回の繰り返しの平均±SDである。パネルB:LNPの凝集及び粒径直径の増大に応じた、入射光(hγ)経路に対して90°の光電子増倍管(PMT、太い水平なバー)によって検出された光散乱効率を描いた略図。パネルC:LNPの光子相関分光法による粒径分析に対するICG濃度の影響。パネルAのデータを収集した後、粒径分析を行った。白丸の記号は空の脂質のみのLNPを示し、黒丸の記号はICG脂質ナノ粒子(ICG-LNP)を示す。各データポイントは、データ収集の8分後にデジタル自己相関の計算から得られた平均±SDである。 ICG脂質ナノ粒子(ICG-LNP)の蛍光強度の増大を示す図である。一定濃度のLNPを一定容積の様々な濃度のICGとインキュベートした。20分目に、実施例に記載するように、混合物を緩衝液で20倍希釈して反応を停止させ、蛍光強度を蛍光光度計で測定した。白三角の記号は遊離ICGのみを示し、黒丸の記号はICG脂質ナノ粒子(ICG-LNP)を示す。各データポイントは、8回の繰り返しの平均±SDである。 皮下注射後のマウスにおけるICG脂質ナノ粒子と遊離ICGとのNIR画像の挙動の比較を示す図である。パネルA:ICG脂質ナノ粒子(ICG-LNP、左足)又は遊離ICG(右足)を皮下注射し、NIR蛍光画像を6分目に収集した。解剖学的描写のために、蛍光画像が可視光写真に重ねられている。破線の丸は、局所的な膝窩リンパ節を示す。マウスは背臥位で示されている。遊離ICG(パネルB)又はICG-LNP(パネルC)のみで6分処理した別のマウスセットでは、皮膚を除去し、更に分析した。パネルB:可視光写真は、右足を遊離ICGで処理したマウスの右脚の、回収された画像である。対応する蛍光画像が重ねられている。二重矢印(>>)は、遊離ICGが筋肉組織及び膝窩リンパ節(破線の丸)の全体に渡って拡散すると見られる伏在静脈を示す。マウスは背臥位で示されている。パネルC:可視光写真は、右足をICG-LNPで処理したマウスの右脚の、回収された画像である。対応する蛍光画像が重ねられている。破線の丸は膝窩リンパ節を示し、太い矢じりは、腹側骨盤及び生殖器/局部的リンパ節を示す。マウスは背臥位で示されている。 マウスの足における皮下投与後に皮膚を介して検出された、第2の流入領域リンパ節(坐骨LN、膝窩LNから約2cm)における遊離ICGとICG-LNPとの蛍光強度の薬物動態を示す図である。平均±SEM。これは、注射部位から第2の下流リンパ節(坐骨LN)を可視化するために、ICG-LNPで蛍光強度が増強されたことを示す。ICG-LNPでの強度は、遊離ICGで達成された強度の2倍から3倍高い。また、明らかな分布及び除去の特徴がICG-LNPのみで検出され、遊離ICGでは検出されなかった。 ICG-LNPを尾静脈内注射した後に皮膚を介して検出された肝臓の薬物動態を示す図である。これは、ICG-LNPをマウスの尾静脈にIV注射した場合に、1.2時間の終末相排出半減期で肝臓から直ちに除去されることを示す。したがって、ICG-LNPは、肝臓からおよそ8時間(約7の半減期)で完全に排出される。これは、クッパーマクロファージによる取り込みに起因して肝臓に留まる従来のリポソームとは全く異なる挙動である(Daemen T 1997 Hepatology 26(2):416〜423)。肝臓から、ICG-LNPは、胆道を通って腸内に除去される。したがって、ICG-LNPは、肝胆道の機能を評価するために使用され得る。 正常な、糖尿病性の、又は充実性腫瘍を有するマウスの足に遊離ICG又はICG-LNPを皮下注射した後の、リンパ節(膝窩及び坐骨)からの皮膚を介するインビボでの蛍光強度を示す図である。これは、ICG-LNPの、正常及び疾患(糖尿病性の、腫瘍を有する)マウスにおける足の皮下注射部位から膝窩及び坐骨リンパ節(それぞれ第1及び第2の流入領域リンパ節)を検出する能力を示す。上記図1並びにTable 2(表3)及びTable 3(表4)に示すように、ICG-LNPは、これらの疾患モデルにおけるリンパ管の機能を評価するために使用され得る。正常なマウスにおいて、ICG-LNPで得られた、遊離ICGよりも明るい画像は、可能な蛍光強度の増強及び解像度の上昇を実証している。 ICG-LNPを足に皮下投与されたマウスの膝窩LNに隣接する皮膚を介するリンパ管異常の検出を示す図である。これは、ICG-LNPの、皮膚を介してリンパ管異常を検出する能力を実証している。左側の画像は、マウスの右膝窩リンパ節の上部を通っている異常なリンパ管を示す。右側の画像の正常なマウスにおいて、このようなリンパ管は検出されない。これらの所見は、皮膚を除去して皮膚の裏側のリンパ管を画像化することで裏付けられた。
参照による組み込み
本明細書において言及される全ての刊行物、特許、及び特許出願は、それぞれの刊行物、特許、又は特許出願が具体的に個別に参照によって組み込まれることが示されたかのように、参照によって本明細書に組み込まれる。
発明の詳細な説明
本発明のいくつかの態様を、説明のために、例示的な適用を参照して以下に記載する。多くの具体的な詳細、関係、及び方法が、本発明を完全に理解するために記載されることを理解されたい。当業者には、しかし、具体的な詳細の1つ若しくは複数を用いることなく、又は他の方法を用いて本発明が実施され得ることが容易に認識されよう。本発明は、作用又は事象の記載される順序に限定されず、それは、一部の作用が、異なる順序で及び/又は他の作用若しくは事象と同時に生じ得るためである。
更に、記載される作用又は事象の全てが、本発明に従った方法論の実行に必要であるわけではない。
本明細書において用いられる用語は、特定の実施形態のみを記載することを目的としており、本発明を限定することを意図したものではない。本明細書において用いる場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、及び「その(the)」は、文脈から別段のことが明らかに示されていない限り、複数形を含むことを意図する。更に、用語「含む(including)」、「含む(includes)」、「有する(having)」、「有する(has)」、「有する(with)」、又はその変型が、詳細な説明及び/又は特許請求の範囲のいずれかにおいて用いられる限りにおいて、このような用語は、用語「含む(comprising)」に類似する様式で包括的である。
用語「約」又は「およそ」は、当業者によって判定される、特定の値の許容可能な誤差範囲内を意味し、この範囲は、その値が測定又は判定された方法、すなわち測定系の限定に一部基づく。例えば、「約」は、当技術分野における実施当たり1以上の標準偏差以内を意味し得る。或いは、「約」は、所与の値の最大20%、好ましくは最大10%、更に好ましくは最大5%、及び更に好ましくは最大1%の範囲を意味し得る。或いは、特に生物学的系又はプロセスに関して、この用語は、値の一桁以内、好ましくは5倍以内、更に好ましくは2倍以内を意味し得る。特定の値が本願及び特許請求の範囲において記載されている場合、別段の記載が無い限り、用語「約」は、特定の値の許容可能な誤差範囲内を意味すると仮定される。
別段の規定がない限り、本明細書において用いられる全ての技術用語及び科学用語は、全体として、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるものと同一の意味を有する。全体として、本明細書において用いられる命名、並びに細胞培養、分子遺伝学、有機化学、及び核酸化学、及びハイブリダイゼーションにおける実験手順は、当技術分野において周知であり一般に採用されるものである。標準的な技術が核酸及びペプチド合成に用いられる。技術及び手順は、全体として、当技術分野における従来の方法、及び本文献の全体を通して提供される様々な一般的参考文献に従って行われる。本明細書において用いられる命名、並びに以下に記載する分析化学及び有機合成における実験手順は、当技術分野において周知であり一般に採用されるものである。標準的な技術又はその修正が、化学合成及び化学分析に用いられる。
I.組成物
本発明は、生物医学イメージングの組成物及び使用、更に特定すると、血液、組織、並びにリンパ管系及びリンパ節(LN)を含む近赤外蛍光(NIRF)医療用イメージングのための、固有の調製方法、組成物、及びナノメートル直径の赤外線蛍光発光粒子に関する。
一態様において、本発明は、(i)脂質膜及び水性コアを含む脂質ナノ粒子(例えば球体)、並びに(ii)複数のインドシアニングリーン(ICG)を含む組成物であって、ICGの1つ又は複数がナノ粒子の脂質膜内に埋め込まれている、組成物を提供する。
A.脂質ナノ粒子
全体として、本明細書において提供される組成物はナノ粒子を含む。
本発明のナノ粒子のサイズは、約20nm〜20ミクロンの間の範囲、例えば、約20nm〜5ミクロン、約80nm〜2ミクロン、約80nm〜lミクロンであり得る。したがって、本明細書において「ナノ粒子」と言及されるが、ミクロンスケールの粒子も包含される。静脈内注射又は動脈内注射の投与では、粒径は、好ましくは約80nm〜100nmの範囲である。他の投与経路では、例えば経鼻経路では、より大きな粒子が使用され得る。一部の実施形態において、約20〜300nmの範囲、例えば、約20〜100nm、20〜50nmのサイズの粒子が使用される。それぞれの可能性は、本発明の個別の実施形態に相当する。
一部の実施形態において、粒子がコントラスト剤、特にリンパ節のコントラスト剤として用いられる場合には、粒子の粒径は特に限定されず、その流体力学的な平均粒径を1000nm以下に設定することによって、粒子のリンパ管又は組織への取り込み(組織浸透性)及びリンパ節又は組織における保持性の容易性が増強し得る。
粒径が1000nm以下の場合、浸透性及び保持性の増強(EPR)の効果によって、より多くの量の粒子が、生きた生物の正常部位よりも腫瘍部位に蓄積され得る。腫瘍部位は、蓄積した粒子を蛍光及び光音響等の様々な画像形成様式で検出することによって、特異的にイメージングされ得る。更に、粒径が1000nmを超える場合、リンパ管等の組織内への効率的な取り込みは期待できない。結果として、平均粒径は、好ましくは10nm以上及び1000nm以下と設定される。平均粒径は、更に好ましくは20nm以上及び500nm以下、更に好ましくは20nm以上及び200nm以下、特に好ましくは20から100nmである。これは、粒径が200nm以下の場合に、粒子が血液中のマクロファージに取り込まれにくく、したがって血液中でのその保持性が向上し得るためである。
粒径は、電子顕微鏡を用いる、又は動的光散乱法に基づく粒径測定方法による観察を介して測定され得る。粒径が動的光散乱法に基づいて測定される場合、流体力学的直径は、動的光散乱分析器(Particle Sizing Systems社、Port Richey、FLによって製造されたPSS-NICOMP 380 ZLS機器)を用いて動的光散乱(DLS)法によって測定される。
本明細書において用いる場合、用語「約」は、量又はサイズ等の測定可能な値に言及する場合、特定された値から+/-10%、より好ましくは+1-5%、更により好ましくは+/-1%、更により好ましくは+/-0.1%の変動を包含するものであり、このような変動は、目的を達成するために適切である。
本明細書において用いる場合、ナノ粒子の「サイズ」は、ナノ粒子の最も長い寸法(幅、長さ、又は直径)が特定の範囲内にあることを示す。典型的には、ナノ粒子を含む調製物における平均粒径は、特定の範囲内にある。ナノ粒子は、単一形状のもの、例えば球状若しくは細長いものであり得るか、又は様々な形状を有し得る。好ましくは、本明細書におけるナノ粒子は球状である。
一部の実施形態において、ナノ粒子は、50nmから100nm、好ましくは50nmから80nmの平均サイズを有する。
全体として、本明細書において提供される組成物(医薬組成物等)におけるナノ粒子は、約50±5nm、約55±5nm、約60±5nm、約65±5nm、約70±5nm、約75±5nm、約80±5nm、約85±5nm、約90±5nm、約95±5nm、又は約100±5nmの均一性を有する。一部の実施形態において、LNPは、±1nm、±2nm、±3nm、±4nm、又は±5nmの均一性を有する。
本発明のナノ粒子は、負又は正に帯電していてよい。本明細書において用いる場合、ナノ粒子の「電荷」は、ゼータ電位として知られているそれらの表面電荷を指す。静脈内又は動脈内投与では、負に帯電した粒子が今のところ好ましい。負に帯電した粒子の表面電荷(ゼータ電位)の範囲は、約-20から-55mVの範囲であり得る。
粒径及びゼータ電位の測定は、当技術分野において知られている方法によって、例えば、市販されている機器、例えばZetasizer NanoZS(Malvern社、UK)を用いる動的光散乱(DLS)によって行うことができる。
一部の実施形態において、ナノ粒子は、約-5から-100mVの間の負の表面電荷を有する。
一部の実施形態において、本発明のナノ粒子はリポソームである。
本発明において用いるための脂質粒子は、リポソーム形成脂質及びリン脂質、並びに膜活性ステロール(例えばコレステロール)を含むように調製することができる。リポソームは、リポソーム形成脂質ではない他の脂質及びリン脂質を含み得る。
リン脂質は、例えば、レシチン(卵又は大豆レシチン等)、ホスファチジルコリン(卵ホスファチジルコリン等)、水素化されたホスファチジルコリン、リゾホスファチジルコリン、ジパルミトイルホスファチジルコリン、ジステアロイルホスファチジルコリン、ジミリストイルホスファチジルコリン、ジラウロイルホスファチジルコリン、グリセロリン脂質(ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルセリン、ホスファチジルエタノールアミン、リゾホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルイノシトールリン酸、ホスファチジルイノシトールビスリン酸、及びホスファチジルイノシトール三リン酸等)、スフィンゴミエリン、カルジオリピン、ホスファチジン酸、プラズマローゲン、又はその混合物から選択され得る。それぞれの可能性は、本発明の個別の実施形態に相当する。
使用され得る他の脂質の例には、糖脂質(グリセロ糖脂質等、例えばガラクト脂質及びスルホ脂質、スフィンゴ糖脂質、例えばセレブロシド、グルコセレブロシド、及びガラクトセレブロシド、並びにグリコシルホスファチジルイノシトール)、スフィンゴリン脂質(セラミドホスホリルコリン、セラミドホルホリルエタノールアミン、及びセラミドホスホリルグリセロール等)、又はその混合物が含まれる。それぞれの可能性は、本発明の個別の実施形態に相当する。
負又は正に帯電した脂質ナノ粒子は、例えば、陰イオン性又は陽イオン性のリン脂質又は脂質を用いて得ることができる。このような陰イオン性/陽イオン性のリン脂質又は脂質は、典型的には、ステロール、アシル、又はジアシル鎖等の脂溶性部分を有し、脂質は、全体的な正味の負/正の電荷を有する。
上記に記載された脂質及びリン脂質は、市販されているか、又は当技術分野における公表された方法に従って調製することができる。
脂質粒子は、例えばScholarら、2012、International Journal of Pharmaceutical Studies and Research、3(2):14〜20;Akbarzadehら、2013、Nanoscale Research Letters、8:102において概説されている、当技術分野において知られている方法によって調製することができる。典型的な手順は、以下に記載する。細孔膜、例えばポリカーボネート膜を通すリポソームの押し出しは、比較的明確に定義されたサイズ分布にサイズを低減させるために効果的な方法である。典型的には、望ましいリポソームサイズ分布に達するまで、懸濁液を数回、膜を通して循環させる(用いる膜の孔サイズを減少させながら)。より小さな孔の膜を連続的に通す脂質粒子の押し出しによって、リポソームサイズを望ましいサイズに徐々に低減させることができる。サイズダウンした処理済みの脂質粒子懸濁液は、例えば、従来の0.22ミクロンの深さの膜フィルター等の、約0.2ミクロンの粒子識別サイズを有する滅菌膜を通すことによって、容易に滅菌することができる。必要に応じて、リポソーム懸濁液を、保存に適した凍結保護物質の存在下で凍結乾燥し、使用の直前に水和によって再構成することができる。
通常、本発明の脂質ナノ粒子は、本明細書においてより詳細に記載するように、ICG等の色素と脂質分子とを混合し、その後粒子を生成することによって調製される。
一部の実施形態において、ナノ粒子を形成する脂質分子は、2つのリン脂質種、1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(DSPC)、及び1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン-N-メトキシ-ポリエチレングリコール-2000(DSPEmPEG2000)を含む。
B.蛍光色素
一部の実施形態において、本発明のナノ粒子は、脂質内に埋め込まれた少なくとも1つの近赤外(NIR)蛍光色素(又はプローブ)を含む。
一部の実施形態において、結合は非共有結合である。
本明細書における「近赤外(NIR)蛍光色素」又は「近赤外(NIR)蛍光プローブ」は、NIRスペクトル範囲での吸光及び発光が可能な、イメージング用途に適した分子又は実体を意味する。特に、これは、NIRスペクトル範囲の、好ましくは約700から900nmの範囲の励起光及び放出光を有する蛍光体である。NIR放射は、典型的には、約700nm〜1400nmの範囲の波長を有すると定義される。本発明のNIR蛍光プローブは、好ましくは、生物学的「NIRウィンドウ」と考えられる約700から900nmの範囲のNIR光を吸収及び放射するものである。
適切なNIR蛍光プローブの例には、色素、例えばシアニン色素、例えばインドシアニングリーン(ICG)、Cy5、Cy5.5、Cy5.18、Cy7、及びCy7.5、IRDYE(登録商標)、ALEXA FLUOR(登録商標)色素、BODIPY(登録商標)色素、ANGIOS TAMP(商標)色素、SENTIDYE(商標)色素、XENOLIGHT DIR(商標)蛍光色素、VIVOTRACK(商標)NIR蛍光イメージング剤、KODAK X-SIGHT(商標)色素及びコンジュゲート、DYLIGHT(商標)色素が含まれる。NIR量子ドットもまた、プローブとして利用することができる(NIR量子ドットの合成及び機能化は、例えば、Maら、2010、Analyst、135:1867〜1877において記載されている)。それぞれの可能性は、本発明の個別の実施形態に相当する。他の色素には、メチレンブルー、ProSense、及びMMPSenseが含まれる。Figueiredo,J.L.、Alencar,H.、Weissleder,R.及びMahmood,U. Near infrared thoracoscopy of tumoral protease activity for improved detection of peripheral lung cancer. Int. J. Cancer 118、2672〜2677(2006)、並びにNguyen, Q. T.、及びTsien, R. Y.(2013) Fluorescence-guided surgery with live molecular navigation: A new cutting edge. Nat. Rev. 13、653〜662。
一部の実施形態において、蛍光色素は、インドシアニングリーン、エチレンブルー、ProSense、及びMMPSense等の、分子量が300〜1500g/molの間の脂溶性(Log P>2)蛍光色素である。
Table 6(表1)は、本発明の脂質ナノ粒子に埋め込むことができるさらなるNIR色素を列挙する。蛍光を発し得るあらゆる疎水性低分子が、本発明者らの脂質ナノ粒子に埋め込むことができる。
本発明のナノ粒子と使用するためのNIR蛍光プローブの特定の実施形態は、インドシアニングリーン(ICG)である。
ICGは、NIRFイメージングにおいて臨床的に使用されている色素であり(820nmの放射を有する)、米国食品医薬品局(FDA)及び欧州医薬品庁(EMA)によってヒトへの使用が認可されている唯一のNIRF分子である。ICGは、心拍出量、肝機能、及び肝血流量の判定、並びに眼の血管造影に適応される。ICGは、流体で満たされた解剖学的構造(例えば、血液、脳脊髄液、リンパ、又は尿)を可視化するため、又は脈管、腎臓、若しくは排出経路のコントラスト剤として、適応外で又は研究で使用されている(1)。水性環境においてICG分子は凝集し、ICGの蛍光は容易に分解する(全体的な蛍光強度を低減させる)(2〜5)。血液中で、ICGは血漿タンパク質に結合し、部分的及び一時的にその蛍光強度を向上させるが、結果的に解離し、液体内で分解される。インビボでのICG蛍光の強度及び期間は、血漿タンパク質及びリポタンパク質濃度の変動並びに個人間のばらつきで変化し得る。
本発明のナノ粒子は、最大約10%(w/w)のNIR蛍光プローブ、例えば、最大約5%、最大約1%、最大約0.5%、約0.005〜5%(w/w)の間のNIR蛍光プローブを含み得る。
C. ICG-LNP
別の態様において、本発明は、ICGの1つ又は複数がナノ粒子の脂質内に埋め込まれたICG-LNPを提供する。
リポソームにカプセル化されたICG(すなわち、リポソームの水性コア内のICG)(8〜12)は、ICGと脂質との間の弱い相互作用をもたらす。
これらの限定を解消するために、ICGを疎水性ポリマー、血清アルブミン、及びリポソームに添加する試みがなされている。全てのリポソーム及び脂質ナノ粒子が類似しているわけではなく、一部は頭部基及び脂肪アシル鎖が異なるリン脂質で構成され得、一方、他のものはコレステロール又は他の添加物を含み得、これらの全てはリポソームの生理化学的特性を改変し得る(6)。脂質の極性頭部基は粒子の表面電荷及び水和の程度に作用し、これは、クリアランスを誘発するインビボでのオプソニン化及び補体結合のレベルに影響し、脂質の脂肪アシル尾部の飽和量及び鎖長は、脂質二重層の剛性、厚さ、及び均一性を改変することによって、脂質の相転移温度(Tc)に作用する(6)。したがって、各変数は、ICGと脂質との間の安定性及び相互作用のみならず、粒子のインビボでの挙動にも影響し得る。
本発明は、ICGを本発明において提供される脂質粒子に埋め込んだ結果生じる、ICG-脂質相互作用が強い(不可逆的に結合した)新規なICG-LNPを提供する。リポソームにカプセル化されたICGの調製は、遊離(カプセル化されていない)ICGを除去するための精製/濾過工程を要するが、これは、実質的に100%から完全に100%に至る脂質内への埋込み効率が達成されるために本発明では不要である。
ICG-LNPの1つの顕著な特徴は、それが、ICGの濃度依存性の自己消光特性に関する欠陥を低減させるか又は更には取り除くことである。図3を参照されたい。ICGの吸収スペクトルと発光スペクトルとの間のオーバーラップの程度が高いため、ICGは濃度依存性の蛍光消光(自己消光)を示す。これは、したがって、脂質-ICGの相互作用を規定するのみならず、ICG分子当たりの最大蛍光強度及び最小自己消光の両方を示す、脂質におけるICG分子の最適な密度を規定するために重要である。図3を参照されたい。ほとんどの赤外色素の共通の蛍光特性とは対照的に、ICGはわずか数マイクロモル濃度(μM)のICG濃度で自己消光する。多くの研究がリポソーム及び脂質-ICG混合物で行われているが、いずれも、様々な蛍光安定性、ロバスト性、及び更に重要な、本明細書において達成される増強をもたらす(自己消光を最小化することによる)、自己消光特性を組み込んでいない。本発明は、高解像度NIRFイメージングのための安定なICG脂質ナノ粒子生成物を生成するための、単純な3工程手順を提供する。その開示全体が参照によって組み込まれる、Kraft JC, Ho RJ (2014) Interactions of indocyanine green and lipid in enhancing near-infrared fluorescence properties: the basis for near-infrared imaging in vivo. Biochemistry、3月4日、53 (8):1275〜83。
一部の実施形態において、ICGの少なくとも約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、97.5%、98%、98.5%、99%、99.5%、又は99.9%が脂質膜内に埋め込まれている。一部の実施形態において、+/-0.1%、+/-0.2%、+/-0.3%、+/-0.4%、+/-0.5%、+/-0.6%、+/-0.7%、+/-0.8%、+/-0.9%、+/-10.0%の偏差が存在する。一部の実施形態において、少なくとも97.8+/-0.6%が脂質膜内に埋め込まれている。
一部の実施形態において、ICGの実質的に又は完全に100%が脂質膜内に埋め込まれている。
一部の実施形態において、ICGの5%、4%、3%、2%、1%、0.9%、0.8%、0.6%、0.5%、0.4%、0.3%、0.2%、0.1%、0.01%、又は0.001%未満が、脂質ナノ粒子の水性コア内にカプセル化されている。
一部の実施形態において、脂質ナノ粒子の水性コア内にカプセル化されている前記ICGの量は検出不可能である。
脂質膜内に埋め込まれた、又は脂質ナノ粒子の水性コア内にカプセル化されたICGの量又はパーセンテージは、平衡透析による二重層/水の区画化研究等の、当技術分野において知られている方法を用いて測定される。その開示全体が参照によって組み込まれる、Joguparthi V、Feng S、Anderson BD. Determination of intraliposomal pH and its effect on membrane partitioning and passive loading of a hydrophobic camptothecin, DB-67 Int J Pharm. 2008年3月20日、352 (1〜2):17〜28. Epub 2007年10月12日、PubMed PMID: 18065174、PubMed Central PMCID: PMC2277365。
一部の実施形態において、脂質に対するICGの比は、約0.3から約0.2、0.1、0.09、0.08、0.07、0.06、0.05、0.04、0.03、0.02、又は0.001mol/molである。
一部の実施形態において、患者/手順当たりで用いられるICG-LNPの量に反映されるように、脂質に埋め込まれた組成物において使用されるICG用量は、水性ICG(臨床的に用いられる)と比較して約10分の1である。
一部の実施形態において、本発明のナノ粒子は、NIR蛍光プローブに加えて、磁気共鳴イメージング(MRI)によって検出可能な少なくとも1つの磁気プローブを含み得る。
一部の実施形態において、磁気プローブは、共有結合的に又は非共有結合的に、ナノ粒子の外表面に結合する。他の実施形態において、磁気プローブは、ナノ粒子の内部コア内への埋込みによって含有されるか、又はナノ粒子によって被覆される。
磁気ナノ粒子には、永久に磁気を帯びている粒子、及び外部の磁界に曝露されると磁化可能であるが磁界が除去されると磁化しなくなる粒子が含まれる。磁界に曝露されると磁気を帯びるか又は磁化可能であり、磁界が除去されるとそれらの磁気特性を失う材料は、超常磁性材料と呼ばれる。適切な超常磁性材料の例には、これらに限定されないが、鉄、混合酸化鉄(マグネタイト)、又はガンマ酸化第二鉄(マグヘマイト)、及び、亜鉛等のさらなる元素を含む置換されたマグネタイトが含まれる。超常磁性粒子は、約1nmから約20nm、例えば約1〜l0nmの間、約5〜20nmの間の範囲のサイズであり得る。
超常磁性粒子、またこのような超常磁性粒子を含むナノ粒子の調製は、例えばDe Cuyperら、1988、Eur Biophys J、15:311〜319において記載されているような、当技術分野において知られている方法によって行うことができる。さらなる方法は、例えば、全てが参照によってその全体が組み込まれる、US7,175,912、US7,175,909、及びUS20050271745、並びにWO2014002100A1に記載されている。
D. ICG-LNPの特性
全体として、本発明は、リンパ管、リンパ節、リンパ管異常、腫瘍、及び炎症の機能増強型の高解像度近赤外蛍光医療用イメージングのための(例えば、図4〜図11及び図16〜図20を参照されたい)、安定性及びインビボでの能力が増大した、インドシアニングリーン粒子等の、脂質と会合した粒子を提供する(例えば、図12及び図13を参照されたい)。
本発明において提供される粒子で達成される蛍光強度は、インドシアニングリーン(ICG)を含有するリポソーム又は他のポリマー性担体で以前に達成された蛍光強度を上回る。
本発明は、ICGの強度を4.5倍以上増強させ、こうして近赤外蛍光(NIRF)バイオイメージングで潜伏性の組織及び細胞を検出するための画像解像度及び感度を改善する、生体適合性インドシアニングリーン(ICG)ナノ粒子のために開発された、固有の、単純な、スケーラブルな組成物及び調製方法を提供する。この4.5倍以上のICG蛍光強度の増幅は、前例がなく、新規である。先に記載された、リポソームにカプセル化されたICG組成物、及び扱いにくく資源多消費型の調製手順を伴う限定された脂質-ICGの偶発的な会合とは異なり、本明細書において記載される組成物及び方法は、ICGの100%を脂質内に排他的に安定的に埋め込み、生物流体及び生体液における最も強度の高い電位を提示する、単純であるが効果的な3工程の調製手順を提供する(例えば図1を参照されたい)。単純で効率的な調製手順によって得られるICG蛍光の強度及び安定性の増強のこの組合せ(例えば、図3、図12、及び図13を参照されたい)はこれまでに達成されていない。
一部の実施形態において、本明細書において提供される粒子は、水性ICGに対してICG蛍光強度が少なくとも2、3、4、4.5、5、6倍、又は更に高い倍数増強しており(13)、これは、いかなる報告されたリポソームを含む担体でも達成されていない。
ICGをカプセル化する又はICGをタンパク質に結合させる試みがされているが、本発明のこの蛍光強度の増強及びそれに伴う安定性(例えば図11〜図13を参照されたい)は達成されていない。多くの科学者が、高すぎる濃度のICGをカプセル化しており(10〜12、14)、これは実際、蛍光シグナルの濃度依存性の自己消光に起因してICGの蛍光強度を減じている。
本明細書において提供されるナノ粒子によって提供されるICG蛍光強度の大きな増幅によって、1cm以上の組織厚を通る光線透過率が可能になる(例えば図2を参照されたい)。これは、およそ0.5cmの組織を貫通するにすぎない、遊離ICGによって達成される光線透過率からの有意な向上である(13)(例えば図2を参照されたい)。蛍光強度の増幅の結果生じる、この増強した組織貫通深さは、本発明の別の自明でなく新規な成分である。
具体的には、米国特許出願公開第2014/0341813号において、ICGのJ凝集を防ぎ、高濃度のICG単量体形態(≧1mMのICG)がリポソームの水性コア内にカプセル化されるのを可能にする、カオトロピック剤(例えば、尿素、グアニジン、ヨウ素、又は他のイオン)を用いるpH勾配法が記載されている。しかし、水中において、ICGが約5μMのICG濃度で凝集体を形成し始めることが知られている(2、15〜17)。カオトロピック剤は、不安定化及び凝集をもたらす、水分子とICGとの間の相互作用を低減させるために用いられるが、本特許出願において記載されている濃度(ICG凝集を生じさせる濃度の少なくとも200倍高い)は、濃度依存性の消光及び蛍光強度の喪失の影響を受けやすい可能性がある。実際、NIRFイメージングは提案されている適用/分野であるが、本発明者らは、項目[0135]において、「本発明において、色素の蓄積に起因する消光は、色素の漏出を抑制することによって生じる・・・」と記載している。したがって、このような粒子からの蛍光強度発光は非常に限定される。
一部の実施形態において、ナノ粒子は、水性ICGよりも2倍から10倍の間高い蛍光強度を有する。
一部の実施形態において、ナノ粒子は、水溶液中の遊離ICGよりも4倍から5倍の間高い蛍光強度を有する。
本明細書において提供されるナノ粒子は、当技術分野において知られている粒子と比較して優れた安定性を有する(例えば図11〜図13を参照されたい)。
最大蛍光収量を達成するためにICG-LNP製剤を最適化することに加えて、環境的影響に対する安定性もまた必要である。光によって、ICGは、ジオキセタン反応(ICGのポリメチン鎖が、細胞傷害性であり得る2つのカルボニル産物に切断される)を介してICGを化学的に分解する一重項酸素を生産する(18、19)。通常良く点灯が利用される臨床的状況及び手術分野では、このような光分解を回避することが困難である。
現在提供されている形態では、水溶液中の遊離ICGは、わずか数秒で光から分解する。本発明は、ICGを脂質内に埋め込むことで光分解から保護されることを開示している(例えば図13を参照されたい)。ICG-LNPは、数時間にわたり室温で光に曝露されても、それらの元の蛍光強度のほぼ全てを保持し得る(例えば図13を参照されたい)。
提供されるナノ粒子は、42日室温で(9)、及び70日4℃で(20)といった他の報告よりも優れた蛍光完全性を保持する(例えば図12を参照されたい)。
一部の実施形態において、暗所で、4℃で、水性懸濁液中で保存した場合、本明細書において提供されるICG粒子生成物は、暗所で、4℃で、水性懸濁液中で保存した場合、その蛍光完全性を少なくとも約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12カ月、又はそれ以上保持する(例えば図12を参照されたい)。通常、少なくとも約50%から約60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は100%の間の蛍光が保持される。
一部の実施形態において、提供されるICG-LNPは血清中で安定であり、25℃で6時間後、加熱不活化されたラット血清中でその最初の蛍光の約50%から約60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は100%の間が保持される。一部の実施形態において、提供されるICG-LNPは血清中で安定であり、25℃で6時間後、加熱不活化されたラット血清中でその最初の蛍光の94±0.6%が保持される。
一部の実施形態において、提供されるICG-LNPは血清中で安定であり、加熱不活化されたラット血清中で、その最初の蛍光の少なくとも約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%が、一定期間にわたり、例えば約1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、8時間、10時間、12時間、14時間、16時間、18時間、20時間、24時間、又はそれ以上、保持される。
一部の実施形態において、ナノ粒子は、4℃の暗所で300日にわたり保存された後、その元の蛍光強度の50%から100%の間の蛍光強度を有する。
一部の実施形態において、ナノ粒子は、0.5から1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10時間、又はそれ以上の間の平均半減期を有する。
提供されるICG粒子生成物のさらなる安定化は、水和の際に粒子の特徴を保持するトレハロース又はショ糖等の凍結保護物質と凍結乾燥することによって達成される。
総合すると、観察された光安定性、保存安定性、及び血清安定性は、ICG-LNPが、臨床的使用のために、特に、リンパが血液よりもおよそ2分の1の血清タンパク質濃度を含有する場合のリンパ系のイメージングのために、ロバストな安定性を有することを示す。
提供されるLNPは、蛍光強度が高いことから、当技術分野において知られている他のICG剤よりも有効である。本明細書における「有効」は、組織又は器官に投与した後に同一以下のICG分子でより高い蛍光を放射して、目的の画像を生成し得ることを意味する。
一部の実施形態において、組成物は、約0.5mg/kg、0.4mg/kg、0.3mg/kg、0.2mg/kg、0.1mg/kg、0.09mg/kg、0.08mg/kg、0.07mg/kg、0.06mg/kg、0.05mg/kg、0.04mg/kg、0.03mg/kg、0.02mg/kg、又は0.01mg/kg未満のICG用量で有効である。
一部の実施形態において、組成物は、上下限値も含めて、約0.01mg/kgから、約0.5mg/kg、0.4mg/kg、0.3mg/kg、0.2mg/kg、0.1mg/kg、0.09mg/kg、0.08mg/kg、0.07mg/kg、0.06mg/kg、0.05mg/kg、0.04mg/kg、0.03mg/kg、又は0.02mg/kgの間のICG用量で有効である。
一部の実施形態において、組成物は、上下限値も含めて、約0.05mg/kgから0.5mg/kgのICG用量で有効である。
本明細書において提供される組成物又はICG-LNPの有効性は、当技術分野において知られている方法を用いて測定される。例えば、水性ICGに対するナノ粒子の蛍光増強の倍数は、公開された文献の値の間で比較されている。
リポソームの1つの周知の特色は、それらが肝臓組織に蓄積することである(7)。しかし、本発明のICG-LNPは肝臓に蓄積せず、しかし肝胆道を通って腸にほぼ完全に排出され、これは、これらのICG粒子の際立った新規な特質である(例えば図19を参照されたい)。
本明細書において提供されるICG粒子は、あらゆる報告されている組成物及び方法よりも安定である。更に、これらの粒子は、腫瘍(例えば図4を参照されたい)及びリンパ管新生を伴う炎症部位(例えば、図5〜図8及び図20を参照されたい)を特定するために用いることができる。本発明において開発される粒子は、NIRF分子をリンパ系に安定的に特異的に輸送して、NIRFイメージングを可能にする。
II. ICG-LNPの作製方法
別の態様において、本発明は、ICGの水性不安定性、凝集、及び分解の限界を解消するための単純な溶液を提供し、ICG単独よりも深い組織レベルのより良い解像度のイメージングを可能にする。本発明において提供される方法において、ICGが脂質内に100%(又はおよそ100%)埋め込まれるため分離手順は不要であり、強力なICG-脂質結合相互作用が単純な3工程の調製手順(例えば図1を参照されたい)によって得られ、ICG自己消光が低減してICG蛍光強度収量が最大限に増幅される(例えば図3を参照されたい)。
本発明は、(1)インドシアニングリーン(ICG)と脂質分子とを有機溶媒中で共に混合する工程、(2)良く混合された脂質及びICGを含有する有機溶媒を蒸発させる工程、及び(3)水和したICG-脂質混合物の粒径を低減させる工程という3工程のみを伴い、ICG-脂質ナノ粒子内への完全なICG埋込みに起因して、遊離した組み込まれていないICGを除去するための濾過/精製/分離工程を要しない、単純な/能率化された調製手順を提供する(例えば図1を参照されたい)。
一部の実施形態において、ナノ粒子を調製するための方法は、(a)インドシアニングリーン(ICG)と脂質分子とを有機溶媒中で共に混合する工程、(b)有機溶媒を蒸発させて前記脂質分子及び前記ICGを含む薄膜を得る工程、及び(c)緩衝塩で前記薄膜を水和する工程、及び(d)超音波エネルギー又はホモジナイゼーション手順を用いて粒径を低減させて、前記緩衝塩で水和した前記薄膜の粒径を低減させる工程を含む。
本明細書において提供される方法は、ICGを脂質内に安定的に埋め込むために必須な、脂質薄膜を形成する工程に先立つ最初の調製工程としてのICG及び脂質の有機溶媒中での混合を行わない、当技術分野において知られている方法と異なる。その代わり、当技術分野において知られている方法は、ICG水溶液を既に形成された脂質薄膜に添加して、その結果、ICGをリポソームの水性コア内に非効率的にカプセル化する。
一部の実施形態において、脂質分子は、1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(DSPC)、及び1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン-N-メトキシ-ポリエチレングリコール-2000(DSPEmPEG2000)を含む。
一部の実施形態において、有機溶媒は、エタノール、メタノール、クロロホルム、酢酸エチル、又はDMSOを含む。
一部の実施形態において、脂質ナノ粒子は、pH5〜8及び約303mOSMのOsmを有するもの等の生体適合緩衝液を含む塩組成物内に懸濁される。このような緩衝液の例には、通常生理食塩水、リンゲル液、デキストロース5%水溶液、又は0.9%NaCl及び約20mMのNaHCO3の緩衝液が含まれる。
一部の実施形態において、緩衝塩は、約0.9%のNaCl及び約20mMのNaHCO3を含む。
一部の実施形態において、本方法は、濾過工程、精製工程、若しくは分離工程、又はその組合せを含まない。
一部の実施形態において、本方法は、いかなる濾過工程、精製工程、又は分離工程も含まない。
米国特許出願公開第2014/0341813号は、ICGのJ凝集を防ぎ、高濃度のICG単量体形態(≧1mMのICG)がリポソームの水性コア内にカプセル化されるのを可能にする、カオトロピック剤(例えば、尿素、グアニジン、ヨウ素、又は他のイオン)を用いるpH勾配法を開示している。しかし、この参照される特許出願において記載されている調製手順は、pH勾配の使用の必要性、水溶液中におけるICGの不安定性(カオトロピック剤が存在するにもかかわらず)、並びに全ての遊離ICGの不完全なカプセル化に起因する(わずか27.4%のカプセル化率が報告されている)濾過及び精製工程の必要性を含む多くの他の理由から扱いにくい(≧5工程)。
本明細書において開示されている調製手順は、pH勾配又は精製工程を伴わないが、混合、乾燥、及び水和/サイズ低減という3つのみの単純な工程を伴うため、はるかに単純化されている。
一部の実施形態において、脂質ナノ粒子は、約0.9%のNaCl及び約5〜50mM(5、10、15、20、25、30、35、40、45、又は50mM等)のNaHCO3を含む塩組成物内に懸濁される。
本明細書において提供される方法及び組成物は、インドシアニングリーン(ICG)を脂質内にほぼ100%埋め込んで、安定化した脂質ナノ粒子(LNP)を形成することを可能にする、単純でスケーラブルな3工程の調製方法及び組成物の予想外の発見に基づく。
脂質へのICG結合のこの固有の方法は、ICGの安定性及び近赤外蛍光(NIRF)強度を、遊離ICGで達成されるものよりも大きく増強させ、より深い組織イメージングを可能にする。本発明のLNP製剤はリポソームのそれに類似しているが、本発明は、リポソームの初期の生理化学的及びインビボでの研究では明らかでなかった新規な特質を開示し、これらのICG-LNPは、他の報告されているICGリポソームよりも優れた特質、すなわち、(1)あらゆる精製工程を排除する100%の埋込み効率、(2)非常に安定な粒子を生産する単純な3工程の調製手順、並びに(3)ICG蛍光放出の自己消光を防ぐためのICGの分光特性の最適化及びICGの蛍光強度収量の大きな増強を示す。これらの成分を、非常に特殊化された組成を有する単一の系に組み込むことは自明ではなく、インビボでのNIRイメージングの時間及び解像度の挙動を増大させる、前例のない相乗効果をもたらす。具体的には、本発明における組成物は、リンパ管のアーキテクチャ及びネットワークのマッピング、リンパ管の病理及び異常の特定、リンパ管新生を伴う腫瘍の特定、三次リンパ系器官を伴う炎症部位の特定、並びにリンパ系及びリンパ管関連病理への薬物送達のための、リンパ管及びリンパ節における取り込み、保持、及び広い分布に独自に適合している。
本発明によって提供されるナノ粒子を調製するための方法は、(1)固有の特性(安定で高いICG蛍光収量)を有する物理的に安定な生成物を生産するための組成物及び3つの調製工程の組み込み、(2)有効性を増強させるためのICG分光特性の組み込み、(3)遊離ICGの除去を避けて、全体的な費用を下げること、及び複雑な複数工程の手順に起因する汚染の可能性を制御することを可能にする、単純な3工程の手順、(4)リポソーム又は脂質小胞内にカプセル化された水性ICGで達成可能な蛍光強度よりも大きく蛍光強度を増強させる、ICG-脂質ナノ粒子(ICG-LNP)内への蛍光分子(インドシアニングリーン(ICG))の埋込み、(5)より高い解像度及び蛍光強度の両方をもたらす、インビボでの近赤外(NIR)イメージングのための水性ICG(臨床的に使用される)よりも約10分の1である、脂質に埋め込まれた組成物において用いられるICG用量、並びに(6)脂質膜内へのICGのほぼ100%の埋込み、安定性の増強(保存下で、及びインビボでの両方で)、及びリンパ系のインビボでの機能的医療用イメージングに重要な能力を可能にする、固有の組成、サイズ、及び表面特性等の、当技術分野において知られている方法に対する様々な新規な態様及び利点を提供する。
III.医薬製剤及び投与
本発明は更に、本発明の化合物又はその薬学的に許容される塩、及び1つ又は複数の薬学的に許容される担体を含む医薬製剤に関する。
A.コントラスト剤
本明細書において提供されるナノ粒子は、近赤外光を吸収して蛍光又は音波を放射し得るため、蛍光イメージング又は光音響イメージングのためのコントラスト剤として用いることができる。更に、この粒子は、ICGが緑色を有するため、視覚的検出のためのコントラスト剤として用いることができる。
本明細書における「コントラスト剤」は、標本内に存在する観察対象の組織又は分子と、その組織又は分子の周りの組織又は分子との間のコントラストの差異を生じさせて、その観察対象の組織又は分子についての形態学的情報又は位置的情報の検出の感度を向上させ得る物質を意味する。
本明細書における「蛍光イメージング」又は「光音響イメージング」は、組織又は分子が例えば蛍光検出器具又は光音響シグナル検出器具でイメージングされることを意味する。
この実施形態に従ったコントラスト剤には、本明細書において提供される粒子及びその粒子を分散させる分散媒が含まれる。分散媒は、粒子を分散させるための液体物質であり、その例には、注射のための生理食塩水及び蒸留水が含まれる。更に、コントラスト剤は、食卓塩又はグルコース等の薬理学的に許容される添加物を有し得る。コントラスト剤は、この実施形態に従った粒子を分散媒内に予め分散させることができるか、又は以下に記載するように使用され得る。かかる粒子、及び分散媒は、キットにパッケージされ、粒子は、人間等の生きた生物に投与する前に分散媒内に分散させられる。
IV.本発明のキット
組成物の使用に関する指示には通常、目的の治療のための投与量、投与スケジュール、及び投与経路についての情報が含まれる。組成物の容器は、単位用量、バルクパッケージ(例えば複数回用量パッケージ)、又はサブユニット用量であり得る。本発明のキットにおいて提供される指示は、典型的には、ラベル又はパッケージ挿入物(例えば、キット内に含まれる紙片)上に書かれた指示であるが、機械可読の指示(例えば、磁気ディスク又は光学式記憶ディスク上の指示)もまた許容可能である。
V.医学的利用
ほとんどの蛍光医療用イメージング(600〜700nm未満)は、体内の血液、組織、及び脂肪による吸光及び光散乱のために制限される。インドシアニングリーン(ICG)は、血液、水、組織、及び脂質についての吸光係数がそれらの最低である700〜900nmの範囲の中央にある820nmの蛍光を放射するため、この近赤外(NIR)化合物は、生物学的組織干渉を克服する。
皮下注射の後、ICG-LNPに安定的に埋め込まれたICGは、遊離ICGのようにリンパ管から周辺組織に浸出することなくリンパ系内に残るよう最適化される(例えば図8及び図9を参照されたい)。
ICG-LNPは、外科手術から診断及び薬物送達までにわたる多くの臨床用途のために医師によって使用され得る。具体的には、ICG-LNPは、外科手術においてリンパ管及びリンパ節(LN)を特定するため(例えば図9及び図10を参照されたい)、リンパ管異常を特定するため(例えば図5〜図8を参照されたい)、充実性腫瘍のセンチネルLNを可視化するため、リンパ管新生を伴う腫瘍を可視化するため(例えば図4を参照されたい)、三次リンパ系器官を伴う炎症部位を可視化するため(例えば図5〜図8を参照されたい)、並びに薬物をリンパ管、リンパ節、及び病理に送達するために使用され得る。
更に具体的には、ICGは、米国食品医薬品局(FDA)及び欧州医薬品庁(EMA)によってヒトへの使用が認可されている唯一のNIRフルオロフォアである。リンパ管系をイメージングするために、ICGは現在、純粋なICG溶質を水溶液に溶解させ、皮下注射することによって臨床的に使用されている。アルブミンへのその結合親和性が高いことから、ICGはリンパ管内に取り込まれ得るが、このアルブミン結合は不安定で可逆的であり、ICGはアルブミンから解離し、濃度勾配力に起因してリンパ毛細管から漏出し、水環境に曝露されてそこでICGは分解する。ICGをLNPの脂質内に安定的に埋め込むことは、(1)不可逆的な脂質結合を介してICGを安定化させ、(2)その蛍光収量、及び蛍光強度が高い期間を増強し、(3)粒子からのその解離、及び脂質ナノ粒子の粒径に起因するリンパ管系からの漏出を防止する。
ICG-LNPは、注射部位のはるか下流のリンパ管系に残り、リンパ節(LN)に蓄積して、リンパ系に特異的で、臨床的に使用される遊離ICG組成物及びICGの他のナノ粒子調製物、例えばリポソームの水性コア内にカプセル化されたICGよりも有意に強力で安定な、広範な高解像度のNIR蛍光イメージングを可能にする(8〜12、21)(米国特許出願公開第2014/0341813号)。
更に、費用及び時間のかかる分離又は精製工程を全く伴わず、ICGのほぼ100%を脂質内に埋め込む本発明において開示される単純で効率的な調製手順は、大量製造のスケールアップ及び生産に有用である。
この固有で単純な3工程の調製方法及び組成物の結果得られる粒子安定性に起因して、リンパ系の疾患を診断、評価、及び監視をするため、並びに、正常なリンパ管の構造及び機能と異常なリンパ管の構造及び機能とを区別し得するために用いることができる、リンパ管及び血管のアーキテクチャの両立した広範な高解像度画像が得られる(例えば、図5〜図10、図16、図19、及び図20を参照されたい)。全身の血液分布がこれらの粒子で維持されて、高度に灌流された組織及び器官、例えば肝臓における組織異常を検出することができる(例えば図18を参照されたい)。
一態様において、本発明は、ヒトにおけるNIRFイメージングに臨床的に用いられる生成物(ICG)のエンハンサー/安定剤を伴うナノ粒子を提供し、したがって、この技術は、ICGの安定性及び蛍光強度を増強させて、既存のNIRイメージング機器でのNIRFイメージングを改善するために用いられ得る。
ICG-LNPは、対象(人間等)において(1)外科手術中のリンパ管及び血管及びリンパ節、(2)リンパ管及び脈管の異常、(3)充実性腫瘍のセンチネルリンパ節、(4)リンパ管新生又は通常の脈管化を伴う腫瘍、並びに(5)三次リンパ系器官を伴う又は組織内の炎症部位を特定/可視化するためのNIRFイメージングの能力を向上させる新規な診断イメージングツールとして使用される。
本明細書における「対象」は、ヒトを意味するか、又はこれらに限定されないが、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ブタ、ウサギ、モルモット、ヒツジ、ヤギ、霊長類、ラット、及びマウス等の哺乳動物を含む非ヒト動物を意味する。
更に、ICG-LNPの、Table 6(表1)に列挙される分子等の他の疎水性分子へのコンジュゲーションを、それらの安定性を増強させるため、並びにリンパ管、リンパ節、及び病理への薬物送達のために用いることができる。
リンパ疾患の治療において、NIRFイメージングは、診断及び治療を導くための、非常に望まれるツールである。本開示におけるICG-LNPの使用は、そのロバスト性及び臨床的状況における利用性を多様化し、前進させることによって、NIRFイメージングの能力を向上させる。
本明細書において提供されるICG-LNPは、当技術分野において知られているICG製剤よりもそれを優れたものとする様々な有利な特性、例えば、(1)皮下注射後のリンパ管への迅速な取り込み(例えば、Table 5(表6)、図17を参照されたい)、(2)迅速な流れ及びリンパ系全体にわたる広範な分布(例えば、図9及び図10を参照されたい)、(3)リンパ系の最初の通過の際のリンパ管及びリンパ節におけるその後の保持(例えば図11を参照されたい)、(4)リンパ系内での優れたインビボでの安定性(例えば図9〜図11を参照されたい)、(5)リンパ節組織スライスの近赤外顕微鏡的イメージング下で見られる蛍光の強調によって示される、リンパ節組織における安定性(例えば図11を参照されたい)、(6)リンパ節組織スライスの近赤外顕微鏡的イメージングにおいて示される、リンパ節組織内への分布(例えば図11を参照されたい)、(7)遊離ICGと比較した、脂質結合型ICGでのリンパ管及びリンパ節の特有の/増強された高解像度イメージング(例えば、Table 2(表3)及び図10を参照されたい)、(8)遊離ICGで達成不可能な、注射部位からの下流リンパ節の検出(Table 2(表3)、Table 5(表6)、図10、図17、図19)、(9)遊離ICGと比較した、脂質結合型ICGでのリンパ管及びLNのイメージング期間の延長(図10、図19)、(10)リンパ節、特に病原性のリンパ節における蓄積及びトラッピング(図6、図8、図11、図19、図20)、(11)リンパ管新生を伴う腫瘍の検出(図4)、(12)リンパ脈管新生及び三次リンパ系器官に起因する炎症部位の検出(図5〜図8)、並びに(13)主に肝臓での、胆管を介して腸への除去(図18)を有する。
A.蛍光イメージング法
本明細書において提供されるコントラスト剤はまた、蛍光イメージング法にも使用され得る。この実施形態に従ったコントラスト剤を用いる蛍光イメージング法には、少なくとも、コントラスト剤を対象又は対象から得た試料に投与する工程、対象又は対象から得た試料に光を照射する工程、及び対象又は対象から得た試料内に存在する粒子に由来する物質からの蛍光を測定する工程が含まれる。
この実施形態に従ったコントラスト剤を用いる蛍光イメージング法の実施例を以下に記載する。すなわち、この実施形態に従ったコントラスト剤を標本に投与するか、又は標本から得た器官等の試料に添加する。標本は、いかなる特定の限定をすることなく、実験動物及びペット等の全ての生きた生物を指すことに留意されたい。標本又は標本から得た試料の例には、器官、組織、組織切片、細胞、及び細胞溶解物が含まれ得る。粒子の投与又は添加の後、標本等に近赤外波長領域の光を照射する。
イメージングは、市販の蛍光IVISイメージング器具(IVIS Lumina Imaging System等)及びICGフィルターで行うことができる。
上記のように、多くのフォトイメージング器具は波長範囲を用いるように設計されており、IVISもまた、ICGモノマーの吸収波長、すなわち780nm(フィルターの励起通過帯域の設定4:705から780nm)に対応する。
一態様において、本発明は、対象の組織又は器官をイメージングするための方法であって、イメージングを必要とする対象に適切な量のICG-LNPを投与する工程、対象に適切な周波数の光を照射する工程、及び、ICGによって放射された光を検出することによって前記対象の組織又は器官の画像を得る工程を含む、方法を提供する。その開示全体が参照によって組み込まれる、Nguyen, Q. T.及びTsien, R. Y. (2013) Fluorescence-guided surgery with live molecular navigation: A new cutting edge. Nat. Rev. 13、653〜662。
一部の実施形態において、本方法は、(1)人間等の対象に、本明細書において提供されるLNPを含む組成物を、皮下注射、皮内注射、静脈内注射、筋肉内注射、腫瘍内注射、腫瘍周辺注射を介して投与する工程、及び(2)内視鏡又は携帯用プローブ上の近赤外光/カメラを用いて組織内のICGナノ粒子からの蛍光を検出して、対象の組織又は器官の画像を得る工程を含む。
本明細書において提供されるイメージング法は、様々な用途、例えば、(1)リンパの流れ及びドレナージのマッピング、(2)血管造影、(3)リンパ系組織の検出、(4)センチネルリンパ節のマッピング、(5)リンパ管アーキテクチャ異常の検出、(6)リンパの流れのパターンの変化によるリンパ管転移性の癌細胞の検出、又は癌細胞への分子標的化、及び(7)ICGナノ粒子内に含有された薬物の送達の可視化(肉眼的に及び顕微鏡的に/組織学的に)において用いることができる。
本明細書において提供される、生成物としてのICG-LNPは、わずか約0.05mg/kg以下のICG用量で有効である(FDA推奨の静脈内用量:0.5〜2mg/kgと比較して)(これは、強度が5倍増強していること、及び薬物動態学的安定性が獲得されていることに起因して、約10分の1の用量である)。
別の態様において、本発明は、NIR色素(例えばICG)等の色素を、約0.5mg/kg、0.4mg/kg、0.3mg/kg、0.2mg/kg、0.1mg/kg、0.09mg/kg、0.08mg/kg、0.07mg/kg、0.06mg/kg、0.05mg/kg、0.04mg/kg、0.03mg/kg、0.02mg/kg、又は0.01mg/kg未満の色素(例えばICG)用量の投与量で対象に投与する工程を含む、対象の組織又は器官の画像を得るための方法を提供する。
一部の実施形態において、用量は、上下限値も含めて、約0.01mg/kgから、約0.5mg/kg、0.4mg/kg、0.3mg/kg、0.2mg/kg、0.1mg/kg、0.09mg/kg、0.08mg/kg、0.07mg/kg、0.06mg/kg、0.05mg/kg、0.04mg/kg、0.03mg/kg、又は0.02mg/kgの間の色素(例えばICG)用量である。
一部の実施形態において、用量は、上下限値も含めて、約0.05mg/kgから0.5mg/kgの色素(例えばICG)用量である。
一部の実施形態において、本方法は、約0.5mg/kg、0.4mg/kg、0.3mg/kg、0.2mg/kg、0.1mg/kg、0.09mg/kg、0.08mg/kg、0.07mg/kg、0.06mg/kg、0.05mg/kg、0.04mg/kg、0.03mg/kg、0.02mg/kg、又は0.01mg/kg未満のICG用量である量のICG-LNPを対象に投与する工程を含む。
一部の実施形態において、本方法は、上下限値も含めて、約0.01mg/kgから、約0.5mg/kg、0.4mg/kg、0.3mg/kg、0.2mg/kg、0.1mg/kg、0.09mg/kg、0.08mg/kg、0.07mg/kg、0.06mg/kg、0.05mg/kg、0.04mg/kg、0.03mg/kg、又は0.02mg/kgの間のICG用量である量のICG-LNPを対象に投与する工程を含む。
一部の実施形態において、本方法は、上下限値も含めて、約0.05mg/kgから0.5mg/kgのICG用量である量のICG-LNPを対象に投与する工程を含む。
本明細書において提供される教示を利用して、実質的な毒性を生じさせることなく特定の患者が示す臨床的症候の治療に全体的に効果的である、効果的な治療レジメンを計画することができる。この計画は、化合物の有効性、相対的生物学的利用能、患者の体重、不都合な副作用の存在及び重症度、好ましい投与態様、並びに選択された作用物質の毒性プロファイル等の因子を考慮することによって活性化合物を慎重に選択することを伴う。
本明細書において、本発明の好ましい実施形態を示し、記載してきたが、当業者には、このような実施形態の提示が例示に過ぎないことが明らかであろう。多くの変形、変更、及び修正が、今や、本発明から逸脱することなく当業者によって行われよう。本明細書において記載される本発明の実施形態に対する様々な代替手段が本発明の実施において採用され得ることを理解されたい。以下の特許請求の範囲が、本発明の範囲並びにこれらの特許請求の範囲内のその方法及び構造を規定する。
本発明は更に、以下の記載、及び本発明の化合物の調製を記載する実施例によって例示されるが、それらに限定されない。
(実施例1)
化合物:インドシアニングリーン(ICG、C43H47N2NaO6S2、ナトリウム2-[7-[3,3-ジメチル-1-(4-スルホナトブチル)ベンズ[e]インドリン-2-イリデン]ヘプタ-1,3,5-トリエン-1-イル]-3,3-ジメチル-1-(4-スルホナトブチル)ベンズ)を、Sigma-Aldrich社(St. Louis、MO)から購入した。1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(DSPC)、1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン-N-メトキシ-ポリエチレングリコール-2000(DSPEmPEG2000)、及びL-a-ホスファチジルコリン(卵のPC)を、Avanti Polar Lipids社(Alabaster、AL)から購入した。他の試薬は分析用又はそれ以上であった。
LNPの調製。対照又は空のLNP及びICG-LNPを、薄膜の水和及び超音波処理によって調製した。簡潔に述べると、CHCl3に溶解したDSPC及びCHCl3:CH3OH(3:1v/v)内に溶解したDSPEmPEG2000を、無菌の試験管内で混合した(9:1mol/mol)。混合物を次いでN2気体及び減圧下で薄膜内に乾燥させ、これを一晩室温で真空乾燥した。薄膜を、0.9%NaCl、20mMのpH7のNaHCO3緩衝液(最終脂質濃度20mM)で、60℃で3時間、再水和した。LNPの直径を、55℃で15分の浴超音波処理を介しておよそ50〜80nmに低減させた。ICG-LNPでは、100%CH3OHに溶解したICGを脂質混合物に添加し、その後、それを薄膜内に乾燥させた。ICGの自己消光(22)を低減させ、脂質膜内のICGの密度を最適化した(図3)。LNP及びICG-LNPの平均直径を、PSS-NICOMP 380 ZLS機器(Particle Sizing Systems社、Port Richey、FL)で、光子相関分光法(PCS)を用いる粒径分析によって得た。ζ電位を同一の機器で測定した。ICGの埋込み効率を、平衡透析による脂質結合型ICGと遊離ICGとの分離によって評価した。全ての実験は暗条件下で行い、光曝露を避けた。
LNPに吸着したICGの90°光散乱:100%CH3OHに溶解したICGを、プラスチックミクロン管内のLNPと、25:1から500:1の脂質-ICGモル濃度比で20分インキュベートし、その後、0.9%NaCl、20mMのpH7で緩衝したNaHCO3で25倍希釈して、ICG-脂質相互作用を最小にした。次いで、90度の光散乱を日立F-4500蛍光分光光度計(Troy、MI)で測定した。設定パラメータは、λex/em=660/660nm及びスリット幅ex/em=2.5/5nmであった。試料を、観察の間、室温で、光から遠ざけて保存した。
蛍光。蛍光測定を、平底の、未処理96ウェルプレート(Grenier Bio-one社、Monroe、NC)内の100μLの試料を用いて、タングステンハロゲン連続波ランプ(75W、320〜800nmのスペクトル範囲)並びに励起フィルター(769±41nm)及び発光フィルター(832±37nm)(Semrock社、Rochester、NY)を有するVictor3 V 1420-040マルチラベルプレートリーダー(Perkin-Elmer社、Waltham、MA)で行った。
光曝露及び保存の安定性。光曝露の安定性について(図13)、2.0μMのICGの遊離ICG及びICG-LNPの試料を、天井蛍光灯に12時間曝露した。蛍光測定値を0、6、及び12時間目に記録した。保存の安定性について(図12)、試料を4℃の暗所に最大313日置いた。蛍光測定値を、5つの異なる時点で遊離ICGについて、及び10の異なる時点でICG-LNPについて記録した。ICG蛍光の時間依存性の減衰を、GraphPad Prism version 6.0(GraphPad Software社、San Diego、CA)で、指数関数的減衰モデルに基づいて分析した。データをt1/2(半減期)及びk(速度定数)として表した。
組織深さの貫通。3つの異なる深さ(0.5、1.0、及び1.5cm)の立方骨ニワトリ胸部組織ファントムを用いて、組織を通るICG蛍光検出を評価した(図2)。組織立方骨を、50μLの30μMの遊離ICG又はICG-LNPで満たされた毛細管[70μL容量、75mm長さ、1.2mm内径(Fisher Scientific社、Hampton、NH)]上に置いた。白色光及びNIR画像を、浜松ホトニクス株式会社(浜松、日本)によって作製されたカスタムNIR電荷結合素子(CCD)カメラを用いて、毛細管及び組織立方骨の調製物を15分以内にキャプチャした。255が最大輝度の0から255スケールで、選択区域の蛍光強度平均値を、Adobe Photoshop CS4(Adobe Systems Inc.社、San Jose、CA)における分析機能で得た。
マウスにおけるインビボでのNIRリンパ管イメージング。マウスを無病原体条件下で維持し、12時間の明暗サイクルに曝露し、食餌を自由摂取させ、その後イメージングした。全ての手順は、ワシントン大学動物実験委員会(University of Washington Institutional Animal Care and Use Committee)によって認可されたものであった。
マウスを1.5%イソフルランで麻酔し、剃毛して毛皮を除去し、背臥位で37℃の加温パッド上に置き、その上にIVIS Lumina II NIR CCDカメラ(Perkin Elmer社、Waltham、MA)を置いた。プレコントラスト画像を得て、自家蛍光が不存在であることを確認した。40マイクロリットルのICG-LNP又は遊離ICGを、両後足の甲に皮下注射した。注射の直後に、両足を穏やかな一様な圧力の下に置いた。画像を最大120分にわたって得、その後、麻酔下で頚部脱臼することによって安楽死させ、その際、皮膚を外科的に切開してリンパ節のイメージングを行った。
(実施例2)
脂質-ICG相互作用
ICGと脂質との間の相互作用を評価するために、空の(ICGのない)LNPを様々な濃度のICGとインキュベートした。溶液中のICG分子が膜内の脂質に結合すると、ICG分子は、LNPを架橋及び凝集させ、その結果、90°光散乱の変化及び粒径の増大によって検出可能な、その見かけのサイズの増大が生じる。予備実験において、卵由来のホスファチジルコリン(卵のPC)(様々な長さの脂肪アシル鎖を含有する)からなるLNPは、ICG濃度の増大に従った光散乱強度の増大を示し、このことは、ICGがLNP凝集を誘発したことを示す。本発明者らは、次に、リン脂質の組成が明確に定義されたLNP、すなわち、2つの対称なC18脂肪アシル鎖を含有するDSPC、及びDSPEmPEG2000(9:1mol/mol)を有するLNPを用いて、全身的な研究を行った。LNP内の10mMの一定脂質濃度と、様々なICG濃度とを、20分、25℃で相互作用させた。反応を、緩衝液で25倍希釈することによって停止させた。混合物に90°光散乱分析及び光子相関分光法(PCS)を行って、粒径を推定した。
90度光散乱強度は、粒子が単一の非凝集形態であり、凝集で増大する場合に、低いと予想される。しかし、脂質凝集体が大きくなりすぎると、これらは光路から逸脱し得るか、又は粒子内の電子が相内で共に振動し得ず、粒子内の破壊的干渉が生じ、その結果、散乱強度が明らかに減少する。図14Aに示すように、空のLNP(脂質のみ)は低い散乱強度を有し、遊離ICG(ICGのみ)は、ICG濃度の変化にかかわらず、ゼロに近い一貫した散乱強度を有する。LNP及びICG(ICG-LNP)を低いICG濃度(20〜30nM)で共に混合すると、空のLNP対照(脂質のみ)に類似した最小の光散乱強度が検出された。ICG-LNPの散乱強度は、ICG濃度が30から70nMに増大すると、およそ1.5倍増大する(図14A)。40nMのICGでは散乱強度がわずかに減少するが、これは20〜30nMのICGよりも依然として有意に高い。高濃度(100〜400nMのICG)では、散乱強度は、凝集体が大きくなるにつれて減少する。図14Bは、光散乱強度の最初の増大と、その後の、粒径が大きくなりすぎたことによる散乱強度の低下をもたらす、提案された凝集体形成の略図を示す。これらのデータは、PCSでの凝集体サイズ分析によって裏付けられた。図14Cに示すように、20nMの最初のICG濃度では、粒子直径は空のLNPの粒子直径(約100nm)に類似している。見かけのICG-LNPサイズは、20から100nMのICG濃度では約2倍増大する。見かけのサイズは、30〜100nMの間のICG濃度で、300nmの直径辺りで変動し、次いで、400nMのICGで約400nmに成長する。30〜400nMのICGの領域では、本発明者らは、60〜90nmの一貫した直径を有する、より小さいが異なるICG-LNPからなる小集団を検出した(データは示していない)。
まとめると、これらのデータは、ICGが、空の予め形成されたLNP内に存在する脂質に結合し、粒径の見かけの増大及び光散乱強度の不連続な増大として検出されるLNP凝集体をもたらすことを示す。10mMの脂質濃度及び20〜50nMのICG濃度に基づいて、これらのデータによって、脂質-ICGモル濃度比は、最大の脂質凝集及び粒径の見かけの増大をもたらす、200:1から500:1の間と推定される。
ICG蛍光に対する脂質-ICG相互作用の影響
本発明者らは、次に、脂質へのICG結合に起因する蛍光強度に対する影響を判定した。本発明者らは、125:1から25,000:1の脂質-ICGモル濃度比範囲を用いた。ICGの自己消光特性に起因して、反応混合物を緩衝液で20倍希釈して、0.01〜2.0mMの線状ICG濃度範囲とした。図15に示すように、混合物内の脂質の存在は、同等のICG濃度でICGの蛍光強度を増大させる。ICG濃度が0.01から1.0mMに増大するにつれ、蛍光強度は、対照に対して、脂質を含有する混合物で徐々に大きくなる。0.1、0.5、及び1.0mMのICGで、蛍光強度は、それぞれ10.0倍(65,720対6,600)、4.3倍(261,640対61,360)、及び2.8倍(346,610対122,530)増大した。2.0mMのICGでは、ICG蛍光強度の脂質介在性の増強は小さく、1.4倍の増大(275,820対199,420)が観察されたに過ぎなかった。250μMの一定脂質濃度、並びに0.5、1.0、及び2.0μMのICGでは、これらの値についての同等の脂質-ICGモル濃度比は、それぞれ500:1、250:1、及び125:1である(図15)。したがって、最高の蛍光強度を示す最適な脂質-ICGモル濃度比は、125:1から500:1であると推定される。この推定値は、90°光散乱及びPCSサイズ分析から収集されたデータと一致する。ICGと予め形成されたLNPとの相互作用に由来するこれらの値を、その後のICG-LNPの調製及び特徴付け研究のための標的範囲として用いた。
ICG蛍光を安定化させ最大にするためのLNP内へのICGの組み込み
緩衝液中の混合物として溶液中のICGを脂質に添加する代わりに、本発明者らは、ICG及び脂質をまず有機溶液中で共に混合し、次いで溶媒を除去し、緩衝液中に再水和して、ICGを挿入又は埋め込んだLNPを形成した。ICGは吸光スペクトル及び発光スペクトルにおいて顕著なオーバーラップを有し(データは示していない)、結果的に、高濃度で自己消光の可能性を示す。したがって、本発明者らは、脂質内に埋め込まれた異なる濃度(密度)のICGを埋め込んだ又は組み込まれたLNPを作製した。ICG密度が高すぎると、ICG分子間の密接な近接が、濃度依存性の分子相互作用に起因する自己消光を誘発し得る。更に、ICG蛍光を消光させるものである水に曝露されていない、脂質内に組み込まれたICGは、水に曝露されたICG分子よりも高い蛍光をもたらす。100:1から500:1の範囲の8つの脂質-ICGモル濃度比を評価した。図3Aは、3つの脂質結合型ICG試料(100:1、250:1、及び350:1mol/molに等しい)及び可溶性ICG対照について、典型的なICG濃度でのICG単位当たりの蛍光強度の傾きを表す。0.01〜2.0mMのICGでは、蛍光強度は線状に増大すると見られる。250:1の線の傾きは最も急であり、その後、350:1、100:1、及びICGのみが続くことに留意されたい。最適な脂質-ICGモル濃度比を判定するために、本発明者らは、各製剤の線の傾きを評価した(分かりやすさのために、全部で8つの線のうち3つのみを図3Aに表す)。
傾きは、ICGのμM当たりの蛍光強度に等しい。図3Bに示すように、ICG密度の低減及び自己消光に起因して、ICG当たりの蛍光強度(傾き)は、脂質-ICGモル濃度比が100:1から250:1に増大するにつれて増大し、250:1の時点で最大になる。ICG当たりの蛍光強度は、次いで、300:1及び350:1で減少し、その後、500:1で顕著に減少する。したがって、本発明者らは、ICG当たりの蛍光強度のピークを250:1の脂質-ICGモル濃度比で観察した。
250:1の脂質-ICGモル濃度比が最も高いICG当たりの蛍光強度を示すため、本発明者らは、光子相関分光法(PCS)による粒径分析及び電気泳動光散乱(ELS)による粒子表面電荷(ゼータ電位)分析を用いて250:1製剤を特徴付けた。250:1製剤は、56.8±4.4nmの直径及び-33.1±3.1mVのゼータ電位を有する粒子の単分散集団からなるものであった。平衡透析は、ICG組み込み効率が97.8±0.6%であることを示した。ICGの再現可能でほぼ完全な組み込みに起因して、この製剤を、さらなる精製をすることなく、その後のインビトロ及びインビボ研究に選択した。
光曝露及び保存に対するICGの安定性の増強に対する脂質組み込みの影響
本発明者らは、次に、臨床的状況での環境をシミュレートするための4℃での保存及び光曝露下での、ICG-LNPの安定性を評価した。図13に示すように、ICG-LNPの蛍光強度は光曝露の6時間後に最初の値の87.6±0.5%に低下し、12時間後にはさらなる低下はしなかった(t1/2=67.5±11.8時間、k=0.011±0.002時間-1)。逆に、溶液中の遊離ICGの蛍光強度は、光曝露の6時間後にその最初の値の2.5±0.5%に低下し(t1/2=0.036±0.005時間、k=19.2±2.7時間-1)、このことは、水溶液中のICGの光不安定性を示す。
より長期の保存の安定性を評価するために、本発明者らは、ICG-LNPを暗所で4℃で維持し、蛍光強度を313日にわたり複数回測定した。図12及びTable(表2)に示すように、ICG-LNP保存の8カ月後に、最初の蛍光強度の約78.2±2.8%が記録された(t1/2=394日[95%CI:360、434]、k=1.76×10-3-1[95%CI:1.60×10-3、1.93×10-3])。しかし、緩衝液中の遊離ICGでは、最初のICG蛍光のわずか0.3±0.2%のみが保存の8カ月後に観察された(t1/2=1.19日[95%CI:1.14、1.25]、k=582×10-3-1[95%CI:554×10-3、609×10-3])。
インビトロでのICG-LNPの増強されたNIRイメージング
ICG-LNP(250:1の脂質-ICGモル濃度比の製剤)と遊離ICGとの間の蛍光シグナル強度を比較するために、本発明者らは、0.5、1.0、及び1.5cmの増大する筋肉組織厚を有するニワトリ胸部立方骨を準備した(図2F)。本発明者らは、全ての毛細管(75mmの長さ、1.2mmの内径)を50mLの30mMのICG(1.5nmolのICG)で満たした(図2B)。図2Aに示すように、ICG-LNPで満たされた毛細管の強度は、遊離ICGの強度よりも3.2倍高い(強度平均はそれぞれ111.7対34.5)。左から右へ増大する深さを有する3つの組織立方骨の下に置くと、遊離ICGの蛍光(上部の3つの立方骨)のみが0.5cmの深さにわたり検出可能であったが(上部左側の立方骨、強度平均=9.0)、より厚い深さにわたっては検出不可能であった。ICG-LNPの蛍光(下部の3つの立方骨)は0.5cm、1.0cm、及び1.5cmの深さにわたり検出可能であった(強度平均はそれぞれ、112.1、77.3、10.0)(図2C)。さらなる分析は、毛細管内のICG-LNPのみが1.5cmの筋肉組織にわたり検出され得ることを示す(0.5、1.0、1.5cm深さの強度平均はそれぞれ、100.9、68.0、15.2)(図2E及び図2F)。
マウスにおけるNIRリンパ管画像解像度に対するICG-LNPの影響
安定で最適化されたICG-LNP製剤を用いて、本発明者らは、マウスにおいて、インビボでの光学イメージングの原理証明実験を行った。遊離ICGとICG-LNPとを比較するために、本発明者らは、遊離形態又はLNP結合型の40mLのICG(0.5nmolのICG)をマウスの左足又は右足に皮下投与した(図16A)。6分目に、ICG-LNPを投与された足のみが、皮膚を通して検出可能な膝窩リンパ節を示した(遊離ICGでは示されなかった)(図16A)。画像を皮膚の下で収集した場合のみ、両方の膝窩リンパ節が検出可能となる。遊離ICGを投与された膝窩リンパ節のICG強度平均は37.0であり、これに対し、ICG-LNPで処理したものは208.1であった(データは示していない)。別のマウスセットにおいて遊離ICGとICG-LNPとのリンパ管画像の解像度を更に比較するために、本発明者らは、遊離形態又はLNP形態のICGを等用量で両足に投与した。図16Bに示すように、投与後6分目に、さらに皮膚を除去した後、遊離ICGを投与された動物は、血液(伏在静脈)内へのICGの拡散を示した。このケースでは、ICGは局所的な膝窩リンパ節において明らかに検出可能であった(図16B)。逆に、ICG-LNPで処理したマウスでは、膝窩リンパ節の強度がはるかに高いだけでなく、腹側骨盤及び生殖器の/局部的な節に至るリンパ道が容易に視認可能である(図16C)。このリンパ道への遊離ICGの分布は観察されなかった。
リンパ管マッピング及びセンチネルリンパ節の検出
Table 2(表3)は、マウスの足の皮下注射部位から下流リンパ節及びリンパ管(膝窩の求心性のリンパ管>膝窩のLN>膝窩の遠心性のリンパ管>坐骨>内側腸骨>胃>腋窩)におけるICG-LNP及び遊離ICGから検出された蛍光強度を示す。ICG-LNPから検出された強度は、全てのケースにおいて、遊離ICGから検出された濃度よりも大きかった。更に、より高い解像度がICG-LNPで達成され、それは、より多くのリンパ節が遊離ICGと比較してICG-LNPで検出されたためである。このことは、遊離ICGよりも増大した、ICG-LNPの強度及び高い解像度を実証する。
Table 3(表4)は、ICG-LNP形態のICGの用量が、遊離ICGの皮下投与に使用される典型的な用量の8%であることを示す。脂質ナノ粒子でのICG用量は、本発明者らの脂質ナノ粒子によって可能となる固有のICG安定化及び蛍光強度の増幅に起因して、遊離ICGに必要な用量の<10%である。
Table 4(表5)は、等用量のICGが、ICGが遊離形態又は脂質ナノ粒子形態であるかに応じて、異なるインビボでの薬物動態学的挙動を示すことを示す。ICG-LNPでは、1.4からほぼ2倍高い蛍光強度への曝露、最大強度、及びより迅速な除去速度が可能である。これらの特性によって、ICG-LNPを用いてインビボで蛍光強度が増幅される。
Table 5(表6)は、マウスの足における皮下注射部位からの第1及び第2の流入領域リンパ節(それぞれ膝窩及び坐骨)における経時的に達成された蛍光強度を示す。2時間後、第1の流入領域リンパ節におけるシグナルはおよそ半分低下する。第2の流入領域リンパ節におけるシグナル(第1のリンパ節におけるシグナルのおよそ70%)はおよそ25%低下する。このことは、ICG-LNPを用いてインビボで、最初の及び下流の流入領域リンパ節のリンパ節機能を評価する能力を示す。
(実施例3)
腫瘍のセンチネルリンパ節の検出/マッピング。1から10回の深い腫瘍周辺注射及び1から10回の皮下腫瘍周辺注射を行う。各注射で、0.01〜10mLの、ICG-LNP内の0.1〜100μMのICGを投与する。注射部位をおよそ5分揉む。携帯用の、頭部装着型の、又は別の箇所に位置する近赤外イメージングシステムを用いて、リンパ管マッピングを行う。
健康な個体、又は糖尿病、癌、若しくは他の疾患の患者におけるリンパ管機能及びリンパ系の特徴付け。健康な又は疾患を有する個体において、身体のあらゆる位置で1から10回の皮下注射を行う。各注射で、0.01〜10mLの、ICG-LNP内の0.1〜100μMのICGを投与する。注射部位をおよそ5分揉む。携帯用の、頭部装着型の、又は別の箇所に位置する近赤外イメージングシステムを用いて、リンパ管マッピング/イメージング/レコーディングを行う。他の機能的な、表現型の、又は記述的な特徴の中でも、リンパ管(LV)のアーキテクチャ、LVの浸透性又は漏出性、LVの直径、LVの密度、リンパ流れ、及び他のリンパ管の動態パラメータ、リンパ節(LN)の形態学又はサイズ、LNの浸透性又は漏出性、LNの局在化の変化を評価する。患者において、リンパ管から検出される蛍光シグナルを用いて、「疾患シグナル」:「正常シグナル」の比率を得て、疾患を有する個体と健康な個体との間のリンパ管の差異を特徴付けするための指標を計算する。
リンパ管、並びに腸、血液、及びリンパ管におけるリンパ節の内視鏡検出。皮下注射針及び近赤外イメージング能力を有する内視鏡を用いて、腸上皮又は血液若しくはリンパ管の内皮に0.01〜10mLの、ICG-LNP内の0.1〜100μMのICGを注射する。内視鏡近赤外イメージングシステムを用いてリンパ管マッピングを行う。
異常な肝機能の検出。0.01〜100mLの、ICG-LNP内の0.1〜100μMのICGの静脈内ボーラス注射又は注入を行う。携帯用の、頭部装着型の、又は別の箇所に位置する近赤外イメージングシステムを用いて、肝臓からの蛍光シグナルをイメージングする。肝臓からの蛍光シグナルの終末相半減期を測定する。終末相半減期を正常な健康な対照と比較して、あらゆる肝機能障害を評価する。
転移性癌の拡散経路の検出。1から10回の皮下注射、腫瘍内注射、又は腫瘍周辺注射を行う。各注射で、0.01〜10mLの、ICG-LNP内の0.1〜100μMのICGを投与する。注射部位が触診可能であれば、注射部位をおよそ5分揉む。携帯用の、頭部装着型の、内視鏡、腹腔鏡、又は別の箇所に位置する赤外線イメージングシステムを用いて、リンパ管マッピングを行う。リンパ管及びリンパ節の拡張、リンパ管の閉塞若しくは漏出、又は癌細胞の転移性拡散に関連する他の特徴を評価する。
血管及び心血管の病理の検出。0.01〜100mLの、ICG-LNP内の0.1〜100μMのICGの静脈内ボーラス注射又は注入を行う。内視鏡、携帯用の、頭部装着型の、又は別の箇所に位置する近赤外イメージングシステムを用いて血管又は病理学的病変からの蛍光シグナルをイメージングして、正常な血管と血管との差異及び心血管の病理を評価する。
(参考文献)

Claims (14)

  1. (i)脂質膜を含む脂質ナノ粒子、並びに
    (ii)複数のインドシアニングリーン(ICG)分子
    を含む組成物であって、
    前記ICG分子の少なくとも95%が前記脂質膜内に埋め込まれており、
    前記ナノ粒子が50nmから80nmの平均サイズを有し、
    前記脂質膜が、1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(DSPC)、及び1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン−N−メトキシ−ポリエチレングリコール−2000(DSPEmPEG2000)を含む、組成物。
  2. 前記ICGの少なくとも約99%が前記脂質膜内に埋め込まれている、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記ICGの実質的に約100%が前記脂質膜内に埋め込まれている、請求項1に記載の組成物。
  4. 前記脂質ナノ粒子が、pH5〜8及び約303mOSMのOsmを有する生体適合緩衝液中に懸濁されている、請求項1に記載の組成物。
  5. 前記ナノ粒子が負の表面電荷を有する、請求項1に記載の組成物。
  6. 前記ナノ粒子が血清中で安定であり、25℃で6時間後、加熱不活化された血清中でその最初の蛍光の約90%から約100%が保持される、請求項1に記載の組成物。
  7. 前記ナノ粒子が、水溶液中で、遊離ICGの蛍光強度よりも4倍から5倍高い蛍光強度を有する、請求項1に記載の組成物。
  8. 前記ナノ粒子が、4℃で0日から約300日の間保存した後、水溶液中で、遊離ICGの蛍光強度よりも4倍から10万倍高い蛍光強度を有する、請求項1に記載の組成物。
  9. 約0.5mg/kg体重未満のICG用量で有効である、請求項1に記載の組成物。
  10. 約0.01mg/kg体重のICG用量で有効である、請求項1に記載の組成物。
  11. 対象における組織又は器官をイメージングするための、請求項1に記載の組成物。
  12. 局所投与が、皮下注入、皮内注入、腫瘍内注入、筋肉内注入、鼻内投与、及び腫瘍周辺注入を含む、請求項11に記載の組成物。
  13. 組成物の量が、約0.01mg/体重kgから約0.5mg/体重kgのICG用量に等しい、請求項1に記載の組成物。
  14. 前記組織又は器官が、リンパ管、二次リンパ系組織、血管、内皮病変、腫瘍、三次リンパ系組織、肝臓、胆管、胆嚢、腸、胃、および胸部からなる群から選択される、請求項11に記載の組成物。
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