JP6622857B1 - 置換型空調装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】置換型空調装置において、直線的に横向きに一様な気流で吹き出す方式を採用しながら、垂直温度分布の良好化を図る。【解決手段】置換型空調装置1は、前記非空調領域5の空気を導入する循環空気導入部12と、流通空気の温度調整を行う冷却コイル部7と、流通空気を送る送風装置部8と、流通空気の清浄化を行うフィルタ部9と、最後に流通空気を直線的に横向きで吹き出すための吹出し調整機構部10とを有し、前記吹出し調整機構部10は、少なくとも前面に吹出開口部が複数設けられるとともに、この吹出開口部は前記空調対象領域4の高さ範囲に亘って設けられた空調領域吹出開口部15と、空調対象領域4と非空調領域5との境界線Sから上側に100〜300mmの範囲hに設けられた横方向に長い非空調領域吹出開口部16とから構成される。【選択図】図2

Description

本発明は、クリーンルームや工場、データセンターなどの空間の空調を、従来方式(混合型空調方式)よりも少ない送風量で空調対象領域のみを設定温度域に維持する置換型空調装置に関する。
近年、クリーンルームや工場、データセンターなどの大空間において、この大空間を均一な温湿度に空調する混合型の空調方式に対して、空間在室者の居住域や製造装置の稼働空間のみを所定の温湿度に空調する置換型空調方式の適用が見られる。
この置換型空調方式では、室内高さが高い空間において、製造装置等が設置される高さを含む空間高さ(通常、2〜4m)までを空調対象領域とし、この空調対象領域よりも上部の空間を非空調領域として設定される。そして、室内の温度は空調対象領域のみを対象として所定の温度域に維持し、その上部の非空調領域には空調対象領域から押し出された高温の空気が滞留し、高さが高くなるにつれて空気が高温となっている。このため、空間全体としては高さ方向に温度勾配が水平面状に形成されることから、温度成層型空調、非層流型空調と呼ばれることもある。
前記置換型空調方式においては、製造空間に設置される製造装置の発熱に伴う上昇気流が発生するが、この高温となった空気を空調対象領域よりも上方の非空調領域に速やかに押し出すようになっているため、混合型空調方式に比べて少ない空調空気で空調対象領域を目標温度域に維持することが可能になる。
具体的な置換型空調方式として、例えば下記特許文献1〜3等を挙げることができる。下記特許文献1には、クリーンルームに清浄空気を供給し、希釈することによってクリーンルームの内部を清浄に保つ非層流方式のクリーンルーム装置であって、高性能フィルタでろ過された室内温度より低温の清浄空気に対して旋回成分を与え、クリーンルームの下部に形成される作業域に向けて横向きに給気する給気口と、作業域よりも上部においてクリーンルームの内部の空気を排気する排気口とを有し、作業域に向けて清浄空気を給気する給気チャンバを複数台設置し、給気チャンバの前面に前記給気口が配置され、送風量を減少させる場合は、清浄空気を供給する給気チャンバの台数を減らすことによって、清浄空気の流速が0.5m/s未満になることを防止するように構成され、前記給気口から清浄空気を室内への吐出面での平均流速が0.5m/s以上、1.2m/s以下で給気して前記作業域のみを希釈するクリーンルーム装置が開示されている。
下記特許文献2には、発熱体が設けられた室内における天井側の空気を還気流路を介して空調機に導き、前記還流流路からの空気と外気とを利用して前記空調機により調和空気を生成し、前記空調機からの前記調和空気を前記室内の居住域に供給する空調システムであって、前記還気流路を、第一の還気流路と第二の還気流路とに分岐し、前記第一の還気流路を前記外気が導入される前記空調機の混気箱に連通させるとともに、前記第二の還気流路を前記混気箱の下流に配置され少なくとも冷却機能を有する温調器の下流側に連通させ、前記空調機から前記室内の居住域に供給される空気の性状に基づき前記室内の天井側の空気を前記第二の還気流路へ分流させる置換空調システムが開示されている。
更に下記特許文献3には、人の居住領域となる室内下側の空調領域と、当該空調領域以外の前記室内上側の非空調領域と、前記空調領域下部に備わり、清浄空気を供給するための吹出し口と、前記非空調領域に備わり、汚染空気を排気するための排気口と、前記室外に設けられた空調機とを有する置換換気空調システムにおいて、前記吹出し口は、上下方向に隣接した上側吹出し口と下側吹出し口からなり、前記空調機は、前記上側吹出し口と連結され、当該上側吹出し口からは、前記空調領域下部の温度より低い温度の低温空気が吹出され、前記下側吹出し口からは、前記空調領域下部の温度より高い温度の高温空気が吹出される置換換気空調システムが開示されている。
特許第5361140号公報 特開2011−17517号公報 特開2008−267702号公報
空調対象領域への空調空気の供給態様の点で見ると、前記特許文献1は吹出空気に旋回成分を与えながら横向きに吹き出す方式が採用されており、前記特許文献2、3では吹出空気をそのまま直線的に横向きに吹き出す方式が採用されている。
前記特許文献1の方式は、吹出空気に旋回成分が加わることで、吹出空気が低速となり、非空調領域の空気の混入が抑制され垂直温度分布が比較的に良好となるという利点を有するが、吹出空気が遠方まで到達せず、スパン方向の温度分布が悪化するという欠点があった。
これに対して、前記特許文献2、3のように、直線的に横向きに一様な気流(非旋回)で吹き出すようにすると吹出空気が遠方まで到達するようになるものの、水平方向の直線的な気流であるため、非空調領域の暖かい空気を誘因して巻き込んでしまい、空調対象領域と非空調領域との境界部分の温度が上昇し、垂直温度分布が悪化してしまうという問題があった。
そこで本発明の主たる課題は、直線的に横向きに一様な気流で吹き出す方式を採用しながら、垂直温度分布の良好化を図った置換型空調装置を提供することにある。
上記課題を解決するために請求項1に係る本発明として、一つの空間内を空調によって所定温度範囲に維持する必要がある床から所定高さまでを空調対象領域として設定するとともに、この空調対象領域より上部の空間を非空調領域として設定し、前記空調対象領域のみを対象として所定の温度域に維持するための置換型空調装置であって、
前記置換型空調装置は、前記非空調領域の空気を導入する循環空気導入部と、流通空気の温度調整を行う冷却コイル部と、流通空気を送る送風装置部と、流通空気の清浄化を行うフィルタ部と、最後に流通空気を直線的に横向きで吹き出すための吹出し調整機構部とを有し、
前記吹出し調整機構部は、少なくとも前面に吹出開口部が複数設けられるとともに、この吹出開口部は前記空調対象領域の高さ範囲に亘って設けられ、縦方向に長いとともに、1〜4m/sの吹出し気流速度で吹き出しを行う空調領域吹出開口部と、空調対象領域と非空調領域との境界線から上側に100〜300mmの範囲に設けられ横方向に長いとともに、0.5〜1.5m/sの吹出し気流速度で吹き出しを行う非空調領域吹出開口部とからなることを特徴とする置換型空調装置が提供される。
上記請求項1記載の発明では、置換型空調装置は、前記非空調領域の空気を導入する循環空気導入部と、流通空気の温度調整を行う冷却コイル部と、流通空気を送る送風装置部と、流通空気の清浄化を行うフィルタ部と、最後に流通空気を直線的に横向きで吹き出すための吹出し調整機構部とを有する。そして、前記吹出し調整機構部は、少なくとも前面に吹出開口部が複数設けられるとともに、この吹出開口部は前記空調対象領域の高さ範囲に亘って設けられ、縦方向に長いとともに、1〜4m/sの吹出し気流速度で吹き出しを行う空調領域吹出開口部と、空調対象領域と非空調領域との境界線から上側に100〜300mmの範囲に設けられ横方向に長いとともに、0.5〜1.5m/sの吹出し気流速度で吹き出しを行う非空調領域吹出開口部とからなる。
従来の置換型空調装置の場合は、吹出開口部は前記空調対象領域の高さ範囲に亘って設けられた空調領域吹出開口部のみであるが、本発明では特に、この空調領域吹出開口部の他に、空調対象領域と非空調領域との境界線から上側に100〜300mmの範囲に設けられた横方向に長い非空調領域吹出開口部を備えている。
従って、前記横方向に長い非空調領域吹出開口部から吹き出された水平面状の気流が空調対象領域と非空調領域との相互間の影響を低減する緩衝帯となって空調対象領域の上部が高温化するのを防止するため、直線的に横向きに一様な気流で吹き出す方式を採用しても垂直温度分布の良好化を図ることが可能となる。
請求項2に係る本発明として、前記非空調領域吹出開口部の上部に、配向角度が水平0°〜上向き方向に10°の範囲に設定されるとともに、突出長さが100〜300mmの庇を備えている請求項1記載の置換型空調装置が提供される。
上記請求項2記載の発明では、前記非空調領域吹出開口部の上部に、配向角度が水平0°〜上向き方向に10°の範囲に設定されるとともに、突出長さが100〜300mmの庇を備えている。
前記庇を設けることによって、非空調領域からの空気の侵入が抑制され、かつ非空調領域からの誘因が生じても庇によって気流方向が水平に方向制御されることによって誘因空気の巻込みが抑制されるため、直線的に横向きに一様な気流で吹き出す方式を採用しても、更なる垂直温度分布の良好化を図ることが可能となる。
請求項に係る本発明として、前記吹出し調整機構部において、両側面に空調領域吹出開口部が設けられている請求項1、2記載の置換型空調装置が提供される。
上記請求項記載の発明は、前記吹出し調整機構部において、両側面にも空調領域吹出開口部を設けるようにしたものである。これにより空調範囲を側方に拡大できるメリットを有する。
請求項に係る本発明として、前記空調領域吹出開口部には、開閉機構が備えられている請求項1〜いずれかに記載の置換型空調装置が提供される。
上記請求項記載の発明は、前記空調領域吹出開口部に対して開閉機構を設けるようにしたものである。これによって、風量及び風速を調整することが可能となる。
請求項に係る本発明として、外気処理機で調整された空調空気を導入する外調空気導入部を備える請求項1〜いずれかに記載の置換型空調装置が提供される。
上記請求項記載の発明は、空間を正圧に保つために、外気処理機で調整された空調空気を置換型空調装置に導入するようにしたものである。
以上詳説のとおり本発明によれば、直線的に横向きに一様な気流で吹き出す方式を採用しながら、垂直温度分布の良好化を図ることができる。
クリーンルームなどの空間に本発明に係る置換型空調装置1を設置した状態を示すシステム構成図である。 置換型空調装置1の縦断面図である。 その横断面図である。 その正面図である。 その側面図である。 実施例で用いたクリーンルームの平面図である。 その立面図である。 従来例に係る吹出しユニット22を示す、(A)は側面図、(B)は正面図である。 本発明に係る吹出しユニット23を示す、(A)は側面図、(B)は正面図である。 従来例に係る吹出しユニット22の場合の垂直温度分布を示すグラフである。 本発明に係る吹出しユニット23の場合の垂直温度分布を示すグラフである。 従来例と本発明との垂直温度分布を示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳述する。
本発明に係る置換型空調装置1は、図1に示されるように、製造装置などの発熱源2が設置されたクリーンルームや工場などの空間3の空調として好適に使用されるものである。前記発熱源2には、放熱量が大きい場合は熱を室外に排出するための排気ダクト31が設けられていることもある。
前記空間3は下側の空調対象領域4と上側の非空調領域5に画成される。すなわち、前記空間3は在室者の居住域や製造装置の稼働空間であり、空調によって所定温度範囲に維持する必要がある床から2〜4mまでの高さHの空調対象領域4と、この空調対象領域4より上部の非空調領域5とに区画されている。
前記置換型空調装置1は、外気処理機6で調整された空調空気を導入する外調空気導入部11と前記非空調領域5の空気を導入する循環空気導入部12とを有するとともに、流通空気の温度調整を行う冷却コイル部7と、流通空気を送る送風装置部8と、流通空気の清浄化を行うフィルタ部9と、最後に流通空気を直線的に横向きで吹き出すための吹出し調整機構部10とを備えている。
この置換型空調装置1は、例えばクリーンルームの側壁を利用し、この側壁より内側に離隔した位置に床面からクリーンルームの天井より若干低い高さまで起立した壁との間に流路を形成するようにした固定型装置として構築することもできるが、図示例のように、単体の装置として製造され、クリーンルームなどの空調空間3内に自由に設置できるようにユニット型とするのが望ましい。
前記空間3を正圧に保つために、室外に外気処理機6が設置され、ここで温度、湿度及び清浄度が調整された外気がダクト30を通じて前記置換型空調装置1の上部に形成された外調空気導入部11に供給されるようになっている。この外調空気導入部11は、置換型空調装置1の内部までダクトで導く必要はなく、置換型空調装置1の上部天井から下側に向けて吹出し、吐出空気のほとんどが置換型空調装置1の上面に形成した導入用開口に流入させるようにしてもよい。また、前記外調空気導入部11は、置換型空調装置1に対して設けるのではなく、空間3内の空気吹出しによる影響の少ないと思われる非空調領域5の箇所に対して設けるようにしてもよい。
前記非空調領域5に滞留している高温の空気が前記置換型空調装置1の上部に形成された循環空気導入部12に流入するようになっている。すなわち、前記置換型空調装置1から吹き出された空調空気は、空調対象領域4、非空調領域5を巡って元の置換型空調装置1に流入する循環経路が形成されている。
前記外調空気導入部11と循環空気導入部12とは、実際は置換型空調装置1の上部に構築された1つの空間によって構成されており、ここで外調空気と循環空気とが混合され、冷却コイル部7に供給される。流通空気は、この冷却コイル部7で温度が調整(冷却)された後、置換型空調装置1の背面部分に形成されたチャンバ13に供給されるようになっている。
その後、流通空気は送風装置部8(ファン8)とフィルタ部9を通過した後、吹出し調整機構部10によって空調対象領域4(本発明では一部の非空調領域5を含む)に向けて流通空気が直線的に横向きで吹き出されるようになっている。
前記送風装置部8とフィルタ部9としては、別体とし別々に配置することも可能であるが、これらが一体化された汎用のファンフィルタユニットを制限なく使用することができる。このファンフィルタユニット8,9は、1台で構成してもよいが、図3に示されるように、複数台を上下左右方向に並列配置して構成するのが望ましい。なお、ファンフィルタユニット8,9が1台で構成される場合は、後段の吹出し調整機構部10への吹出し面風速が均一になるように、ファン8の吹出し側に空気抵抗となるフィルタやパンチングメタル等の多孔板を設けて整流化を図ることが望ましい。
次に、前記吹出し調整機構部10について、図2〜図5に基づいて説明する。 前記吹出し調整機構部10は、1台又は複数台のファンフィルタユニット8,9に対して、1つのチャンバ14が設けられ、このチャンバ14から各吹出開口部から吹き出されるようになっている。
前記吹出開口部は、図2〜図5に示されるように、前記空調対象領域4の高さ範囲Hに亘って設けられた空調領域吹出開口部15と、空調対象領域4と非空調領域5との境界線Sから上側に100〜300mmの範囲hに設けられた横方向に長い非空調領域吹出開口部16とによって構成されている。
前記空調領域吹出開口部15は、置換型空調装置1の正面に設けられた正面開口部17と、側面に設けられた側面開口部19とからなる。前記正面開口部17は、図4に示されるように、上下2段で並列配置で設けられた縦方向に長い開口部であり、各開口部17には、風量・風速調整のためのスライド板18が設けられている。
前記側面開口部19は、図3及び図5に示されるように、上下2段で配置された縦方向に長い開口部であり、各側面開口部19には上下軸を回転中心として開閉可能な回動風向板20が設けられている。この回動風向板20によって斜め前方に向きを変えられた空気が空調対象領域4に向けて吹き出されるようになっている。
なお、各開口の風量調整方法は、回動羽根による開閉機構、スライド板による開閉機構、開口部に対するパンチング板の取付などのいずれの方法で行ってもよい。これら各開口部からの吹出し気流速度は、1〜4m/s程度に設定することが望ましい。
前記非空調領域吹出開口部16は、図2に示されるように、空調対象領域4と非空調領域5との境界線Sから上側に100〜300mmの範囲hに設けられた横方向に長い矩形状の開口部である。
前記非空調領域吹出開口部16の横方向の寸法は、空調装置1の全幅に近い寸法で構成される。横幅は大きい場合は縦連結部によって複数に分割されていてもよい。この非空調領域吹出開口部16の上部には略水平の庇21を備えることが望ましい。
前記非空調領域吹出開口部16の高さ方向の寸法は、空調対象領域4と非空調領域5との境界線Sから上側に100〜300mmの範囲hの内、その70%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上の高さ寸法で開口を形成するのが望ましい。ここで、空調対象領域4と非空調領域5との境界線Sから上側に何mmという寸法は、非空調領域吹出開口部16の上縁までの寸法と一致する。前記非空調領域吹出開口部16から吹き出される空気は水平面状の気流を形成し、その気流速度は前記空調領域吹出開口部15の気流速度よりも遅くするのが望ましい。具体的には、0.5〜1.5m/s程度に設定することが望ましい。
前記非空調領域吹出開口部16から吹き出された空気が空調対象領域4と非空調領域5との相互間の影響を低減する緩衝帯となって空調対象領域4の上部が高温化するのを防止するため、直線的に横向きに一様な気流で吹き出す方式を採用しても垂直温度分布の良好化を図ることが可能となる。
前記非空調領域吹出開口部16の形成範囲hが、空調対象領域4と非空調領域5との境界線Sから上側に100mmm未満の場合は、開口からの風量が少なく風速が速くなり過ぎるため、非空調領域5からの空気の誘因が増大し本発明が期待する効果が得られない。また、空調対象領域4と非空調領域5との境界線Sから上側に300mmを超える場合は、開口からの風量が多く成りすぎて、空調対象領域4と非空調領域5との境界線の直上位置に水平面状の気流によってエアーカーテン的な緩衝層を形成することができず本発明が期待する効果が得られない。
前記非空調領域吹出開口部16の上部に庇21を備えることによって、非空調領域5に滞留している暖かい空気の誘因が抑えられるとともに、非空調領域吹出開口部16からの気流と誘因気流とを平行流とすることができ、誘因空気の巻き込みが低減されるため、垂直温度分布が更に改善されるようになる。
前記庇21の突出長さLは、100〜300mmとするのが望ましい。すなわち、前記非空調領域吹出開口部16の形成範囲hの寸法と同じとするのが望ましい。なお、前記庇21の突出長さLは、前記非空調領域吹出開口部16の面よりも吐出方向に突出した長さ寸法をいう。
前記庇21の配向角度は、水平0°〜上向き方向に10°の範囲とするのが望ましい。一般的には水平で良いが、非空調領域5の暖かい空気の巻込みを更に低減するためには、若干上向き方向に角度を設けるようにしてもよい。前記庇21の下面から非空調領域吹出開口部16の上縁までの距離aは、0〜50mm、好ましくは0〜30mmとするのが望ましい。
前述した置換型空調装置1の稼働により、前記吹出し調整機構部10からクリーンルームなどの空間に空調空気が吹き出され、空調対象領域4の温度、清浄度が所定の範囲内に維持される。前記発熱源2によって温められた空気は、発熱源2の周辺に上昇気流を形成し、速やかにクリーンルーム上方の非空調領域5に押し出される。このため、従来の天井から下向きに清浄空気を吹き出す空調方式と比べて、少ない送風量で空調対象領域4の温度、清浄度が所定の範囲に維持できるようになる。非空調領域5に押し出された空気は、置換型空調装置1に再び還流され、冷却コイル部7によって熱負荷が処理された後、空調対象領域4の設定温度よりも低い温度に冷却され、再び空調対象領域4に吹き出される。
過去の置換型空調装置では、吹出開口部は空調対象領域4の高さ範囲Hに亘って設けられるが、本発明では特に、空調対象領域4の高さ範囲に亘って設けられた空調領域吹出開口部15とともに、空調対象領域4と非空調領域5との境界線Sから上側に100〜300mmの範囲hに設けられた横方向に長い非空調領域吹出開口部16から空気が吹き出されるようになっている。この構成によって、直線的に横向きに一様な気流で吹き出す方式を採用しながら、垂直温度分布の良好化を図ることが可能になっている。
〔実施例〕
次に、本発明に係る置換型空調装置による垂直温度分布の改善効果を検証するために行った試験について詳述する。
試験に用いたクリーンルームの平面図及び立面図を夫々図6及び図7に示す。クリーンルームは平面寸法が横12000mm×縦6000mm、高さ寸法が5200mmの空間である。床面から2500mmまでの高さを空調対象領域4として設定し、それ以上の高さの領域を非空調領域5として設定した。室内に製造装置を模擬した発熱体32を2つ設置し、一方の側壁部に置換型空調装置(吹出しユニット)を設置し、横向きに一様な気流で空気を吹き出すようにした。吹出し空気は外部に設置した空調機から供給される低温空気とした。
前記吹出しユニットとしては、従来例に係る吹出しユニット22と、本発明に係る吹出しユニット23との2種類を用意した。従来例に係る吹出しユニット22は、図8に示されるように、正面に縦方向に長い縦スリット状の吹出口33(幅20mm)を水平方向に間隔を空けて4本設けたものであり、縦スリット状の吹出口33の上縁高さ寸法は空調対象領域4の高さ寸法に合わせて2500mmとしてある。
一方、本発明に係る吹出しユニット23は、図9に示されるように、従来例に係る吹出しユニット22と同様に、正面に縦方向に長い縦スリット状の吹出口33(幅20mm)を水平方向に間隔を空けて4本設け、このスリット状の吹出口33の上縁高さ寸法は空調対象領域4の高さ寸法に合わせて2500mmとしている。更に、空調対象領域4と非空調領域5との境界線Sから上側に200mmの範囲に、高さ150mmで横方向に長い非空調領域吹出開口部34を形成するとともに、前記非空調領域吹出開口部34の上部に突出長さ150mmの庇35を形成してある。
試験は、前記発熱体32の発熱量を1台9kW(2台で18kW)とし、吹出しユニット22、23から温度17℃の空気を総風量:4800m3/hの条件で吹出して、図7に示されるように、吹出しユニット22,23と発熱体32との間、発熱体32,32同士の間、発熱体32の後の3箇所(1),(2),(3)の各位置で、高さ方向に複数の位置で温度を計測した。
従来例に係る吹出しユニット22の試験結果を図10に示し、本発明に係る吹出しユニット23の試験結果を図11に示す。グラフは縦軸に温度の測定高さ(m)を取り、横軸に空気温度(℃)を取っている。
従来例に係る吹出しユニット22の場合は、非空調領域5の高温空気が空調対象領域4に侵入し互いに干渉し合うため、非空調領域5に近い高さの温度が上昇し、空調対象領域5の垂直温度分布の温度幅が大きくなった。これに対して、本発明に係る吹出しユニット23の場合は、前記非空調領域吹出開口部34から吹き出された水平面状の気流が空調対象領域4と非空調領域5との相互間の影響を低減する緩衝帯となって空調対象領域4の上部が高温化するのを防止するとともに、庇35によって非空調領域5からの空気の侵入が抑制され、非空調領域5からの誘因が生じても庇35によって気流方向が水平に方向制御されることによって誘因空気の巻込みが抑制されるようになるため、非空調領域5に近い高さで温度が高温にならず、空調対象領域4の垂直温度分布の温度幅が大幅に改善される結果となった。
両者の比較のために、測定位置(1)〜(3)の各測定点での平均値を用いて、同一グラフ上に従来例に係る吹出しユニット22のケースと、本発明に係る吹出しユニット23のケースとをプロットした。その結果を図12に示す。
本発明の場合は、垂直温度分布の温度幅は1.1℃であるのに対して、従来例の場合の垂直温度分布の温度幅は2.9℃であり、本発明は垂直温度分布が大幅に改善されていることが明らかである。
〔他の形態例〕
(1)上記形態例において、前記非空調領域吹出開口部16は単なる開口としたが、この開口部に風量・風速調整のための回動羽根、スライド板などの開閉機構を設けるようにしてもよい。
(2)前記形態例においては、前記非空調領域吹出開口部16の上部に庇21を設けるようにしたが、場合によっては庇21を省略することも可能である。垂直温度分布は多少悪化するものの、従来との対比では垂直温度分布の改善が見込める。
1…置換型空調装置、2…発熱源、3…空間(クリーンルーム、工場等)、4…空調対象領域、5…非空調領域、6…外気処理機、7…冷却コイル部、8…送風装置部、9…フィルタ部、10…吹出し調整機構部、11…外調空気導入部、12…循環空気導入部、13・14…チャンバ、15…空調領域吹出開口部、16…非空調領域吹出開口部、17…正面開口部、18…スライド板、19…側面開口部、20…回動風向板、21…庇、S…境界線

Claims (5)

  1. 同一空間内を、空調によって所定温度範囲に維持する必要がある床から所定高さまでを空調対象領域として設定するとともに、この空調対象領域より上部の空間を非空調領域として設定し、前記空調対象領域のみを対象として所定の温度域に維持するための置換型空調装置であって、
    前記置換型空調装置は、前記非空調領域の空気を導入する循環空気導入部と、流通空気の温度調整を行う冷却コイル部と、流通空気を送る送風装置部と、流通空気の清浄化を行うフィルタ部と、最後に流通空気を直線的に横向きで吹き出すための吹出し調整機構部とを有し、
    前記吹出し調整機構部は、少なくとも前面に吹出開口部が複数設けられるとともに、この吹出開口部は前記空調対象領域の高さ範囲に亘って設けられ、縦方向に長いとともに、1〜4m/sの吹出し気流速度で吹き出しを行う空調領域吹出開口部と、空調対象領域と非空調領域との境界線から上側に100〜300mmの範囲に設けられ横方向に長いとともに、0.5〜1.5m/sの吹出し気流速度で吹き出しを行う非空調領域吹出開口部とからなることを特徴とする置換型空調装置。
  2. 前記非空調領域吹出開口部の上部に、配向角度が水平0°〜上向き方向に10°の範囲に設定されるとともに、突出長さが100〜300mmの庇を備えている請求項1記載の置換型空調装置。
  3. 前記吹出し調整機構部において、両側面に空調領域吹出開口部が設けられている請求項1、2記載の置換型空調装置。
  4. 前記空調領域吹出開口部には、開閉機構が備えられている請求項1〜いずれかに記載の置換型空調装置。
  5. 外気処理機で調整された空調空気を導入する外調空気導入部を備える請求項1〜いずれかに記載の置換型空調装置。
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