JP6960770B2 - 手術室の空調システム - Google Patents

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Description

本発明は、手術室の空調システムに関する。
従来、医療施設における治療室として、必要に応じてその場で患者の手術(オぺ)を行える機能を備えた手術室が知られている。この種の手術室の空調設備は、手術中の感染を防ぐ必要があることからクリーンルームとなっており、手術室の送風の吹出口は清浄空気を手術台周りに吹き出すようにして配置されている(例えば、特許文献1参照)。
従来の手術室(クリーンルーム)では、吹出口に高性能フィルタが設けられ、吹出口から清浄空気を低速で真下に向けて落とすようにして吹き出すことで、手術台周りを中心とした空気清浄化が行われている。そのため、吹出口は、手術台の真上に設けられている。また、従来の手術室(クリーンルーム)の空調設備としては、手術台上部の吹出口から空調空気の全風量を吹き出すと共に、手術室における外周部の壁面下部に設けられた還気口から還気を吸い込むことで、手術室内の空気を循環させる空調システムが知られている。
特開2006−112755号公報
しかしながら、従来の手術室では、手術台の上部に設けられた吹出口からの送風温度を変化させることによって手術室内温度を設定範囲内に保っているため、手術台周りの温度が変動し、快適性が不十分になる欠点があった。また、手術台周りの執刀医や患者を優先した温度設定で空調運転が行われているため、手術台の周辺で作業する医療スタッフにとっては、さらに快適性が不十分となる虞があった。また、吹出口から吹き出される冷風は低風速であるため、床面まで下降した後、壁面下部に設けられた還気口へ直接導かれる。つまり、冷風はショートサーキットとなり、手術室における外周部の空気が淀み易く、その点で改善の余地があった。
上述の課題をふまえ、手術室における手術台周り及び外周部における快適性を向上させる試みがなされているが、快適性をさらに高めることができる空調システムが求められていた。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、手術室の手術台周り及び手術台の外周部における快適性を向上させることができ、外周部の空気の淀みを解消することができる手術室の空調システムを提供する。
請求項1に記載の手術室の空調システムは、手術台を有する手術室に適用される空調システムであって、前記手術室の天井における前記手術台の上方に設けられた第1吹出口と、前記手術室の側壁の上部又は前記天井の外周部に設けられた第2吹出口と、前記手術室の側壁の下部に設けられた吸込口と、前記第1吹出口から吹き出す第1給気を調製する第1空調機と、前記第2吹出口から吹き出す第2給気を調製する第2空調機と、を備え、前記第1給気を前記第1吹出口から前記手術台に向けて吹き出す第1系統と、前記第2給気を前記第2吹出口から前記手術室の外周部に向けて吹き出し、前記外周部を旋回する旋回流を生じさせる第2系統と、を有することを特徴とする。
本明細書では、側壁の上部とは極力天井に近い側壁の部分を示し、具体的には第2吹出口の上端が側壁の上端から高さ0cm以上100cm以下下降した位置にあることを示す。また、天井の外周部とは、天井において外周縁に近い部分を示し、具体的には第2吹出口において天井の外周縁に最も近い外周端が天井の外周縁から0cm以上100cm以下内側の位置にあることを示す。また、側壁の下部とは極力床に近い側壁の部分を示し、具体的には吸込口の下端が側壁の下端から高さ0cm以上50cm以下上昇した位置にあることを示す。
上述の手術室の空調システムによれば、第1系統において第1吸込口で吸引した手術室の還気の温度を第1空調機で適温に調節し、調整された給気(第1給気)を第1吹出口から手術台に向けて吹き出し、手術室における外周部(以下、単に「外周部」という場合がある)を旋回する旋回流(以下、単に「旋回流」という場合がある)を生じさせることができる。これにより、手術台及び手術台周りの執刀医等は快適な温度で作業を行うことができる。一方、第1系統とは別に設けられた第2系統では、第1吸込口で吸引した手術室の還気の温度を第2空調機で適温に調整し、調整された給気(第2給気)を手術室における外周部に提供することができる。
上述のように手術台への吹き出しをメインとする第1系統とは別系統となる第2系統を設けることで、手術台周りと外周部の双方のエリアを対象とした温度制御を行うことができ、執刀医及び外周部で作業する医療スタッフの温度環境を向上させることができる。また、第2吹出口から給気が吹き出されることで、外周部において空気が滞留する淀みを抑えることができる。また、第2吹出口が手術室の側壁の上端部に設けられ、一対の第2吹出口から給気が外周部に、即ち手術室の側壁に沿って吹き出すことで、手術台周りの気流が乱れ難くなるため、前述のように外周部において空気が滞留する淀みを抑える効果が高まる。つまり、手術室における手術台周り及び外周部に空気の流れ(旋回流)を生じさせることができるので、手術台周り及び外周部における快適性及び清浄度を向上させることができる。
上述の手術室の空調システムでは、前記第1給気の温度を検出する第1温度センサーと、前記手術室からの還気の温度を検出する第2温度センサーと、を有し、前記第1給気の温度は前記第1温度センサーの検出結果に基づいて制御され、前記第2給気の温度は前記第2温度センサーの検出値に対応する温度に調整可能であってもよい。
前記第1温度センサーは無線で通信可能であってもよい。
前記第1温度センサーは前記第1温度センサーの検出結果に基づいて比例制御によるアルゴリズムに基づいて制御されてもよい。
前記第1温度センサーは前記第1吹出口内又は前記手術台周りに配置され、前記第2温度センサーは前記手術室の側壁に配置されてもよい。
また、上述の手術室の空調システムでは、前記第2吹出口は、前記手術室の側壁の上部又は前記天井の外周部において平面視で前記手術台を挟んで対角線上に対をなして設けられてもよい
前記第2温度センサーは前記手術室の側壁に配置され、前記第2温度センサーは前記対角線を中心に対をなして設けられてもよい。
上述の手術室の空調システムによれば、対をなす第2吹出口(即ち、一対の第2吹出口)の各々から吹き出す第2給気によって、旋回流が円滑に効率良く発生する。
上述の手術室の空調システムでは、前記手術室は平面視において長方形に形成され、前記一対の第2吹出口は、前記長方形の長辺をなす側壁の端部に設けられ、前記第2系統は、前記第2給気を前記一対の第2吹出口から前記長方形の短辺をなす側壁に沿って吹き出してもよい
本明細書では、側壁の端部とは極力端に近い側壁の部分を示し、具体的には、第2吹出口において側壁の側端に近い方の側端が側壁の側端から0cm以上100cm以下離間した位置にあることを示す。
上述の手術室の空調システムによれば、一対の第2吹出口から吹き出す給気が手術台周りの空気の流れを確実に乱し難くなり、手術台周り及び外周部における快適性及び清浄度が良好に維持される。
上述の手術室の空調システムでは、前記第2給気の吹き出し速度は0.5m/s以上3.0m/s以下に設定されてもよい
上述の手術室の空調システムによれば、一対の第2吹出口から吹き出す給気の速度を適切にすることができるので、第2給気を適切な速度で外周部に渡らせ、手術台周りの気流を確実に乱れ難くすることができる。
上述の手術室の空調システムでは、前記第2吹出口は前記第2給気の吹き出し方向を変更可能に構成されてもよい
上述の手術室の空調システムによれば、手術室における全体的な空気の流れ、第1吹出口から手術台に向けて吹き出された第1給気による下降流(以下、単に「下降流」という場合がある)の状況等に合わせて第2給気の吹き出し方向が調整可能とされ、下降流を乱すことなく旋回流が円滑に効率良く発生すると共に、維持される。
本発明に係る手術室の空調システムによれば、手術室における手術台周りの気流を乱さず、手術室における外周部において空気が滞留する淀みを抑えることができるので、手術室における快適性及び清浄度を向上させることができる。
本発明を適用した一実施形態の手術室の空調システムの概略構成を示す側面図である。 図1に示す空調システムの系統図である。 図1に示す空調システムを備えた手術室の配置図である。 図1に示す空調システムを備えた手術室に生じる下降流及び旋回流を説明するための平面図である。
以下、本発明を適用した手術室の空調システム(以下、単に「空調システム」という場合がある)の実施形態について説明する。なお、以下の説明で用いる図面は模式的なものであり、長さ、幅及び厚みの比率等は実際のものと同一とは限らず、適宜変更することができる。
図1から図3に示すように、本実施形態による空調システム50は、病院等の医療施設における手術室1を対象として適用されるものであって、1台の第1空調機2(2A)と、複数台(図3では2台)の第2空調機2(2B)を手術室1に面して配置することにより、第1及び第2の空調機2A、2Bによって手術室1に対する空調を行うことを基本とするものである。
特に、手術室1では、運用状況に応じて厳密な温湿度制御を刻々と行う必要があり、空調システム50は、高度な温湿度制御を比較的簡易な構成で確実に実施し得るものとして構成されている。
空調システム50は、手術室1の天井11における中央部分で手術台10の上方に設けられた第1吹出口32と、手術室1の側壁12の上部に設けられた一対の第2吹出口34,34と、手術室1における外周部Nの上方の天井11に設けられた第1吸込口4と、手術室1の側壁12の下部に設けられた第2吸込口(吸込口)23と、を有する。また、空調システム50は、第1吹出口32から吹き出す給気(第1給気)SAを調製する第1空調機2(2A)と、第2吹出口34から吹き出す給気(第2給気)SBを調製する第2空調機2(2B)と、を備えている。さらに、空調システム50は、図2に示すように、給気SAを第1吹出口32から手術台10に向けて吹き出す第1系統P1と、給気SBを前記第2吹出口から手術室1における外周部Nに向けて吹き出す第2系統P2と、を有する。
平面視において、手術室1の中央には、手術台10が設置されている。手術室1の平面視形状は、図3に示すように面取りされた長方形をなしている。一対の第2吹出口34,34は、前記長方形の長辺をなす側壁12Lの端部に設けられ、且つ手術台10を挟んで対角線C上に設けられている。第2系統P2は、給気SBを一対の第2吹出口34,34の各々から前記長方形の短辺をなす側壁12Sに沿う方向に吹き出し可能に構成されている。
第1吹出口32及び第2吹出口34の各々には、高性能フィルタを備えた第1フィルターユニット31、第2フィルターユニット33が設けられている。
図2及び図3は、図1に示す空調システム50を具体化した系統図である。即ち、空調システム50では、上述したように、第1空調機2Aから第1吹出口32までの空調系統をなす第1系統P1と、第2空調機2Bから第2吹出口34までの空調系統をなす第2系統P2と、を有する。
空調システム50は、図2及び図3に示すように、第1及び第2の空調機2A,2Bを手術室1に面する位置に配置して手術室1からの還気RAを空調機2A,2Bの各々に吸引する。
第1系統P1では、第1空調機2Aによって調製された給気SAが給気ダクト35によって第1吹出口32に向けて送風され、さらに第1フィルターユニット31を通過し、第1吹出口32から下方の手術台10に向けて吹き出す。
第2系統P2では、2台の第2空調機2B、2Bの各々によって調整された給気SBが給気ダクト36によって一対の第2吹出口34,34の各々に向けて送風され、さらに第2フィルターユニット33を通過し、一対の第2吹出口34、34から下方の外周部Nに向けて吹き出す。
第1空調機2Aでは、冷熱源装置(図示省略)から冷却・減湿用の冷水又は冷媒が供給される冷却コイル21と、温熱源装置(図示省略)から加熱・再熱用の温水が供給される加熱コイル(又は電気ヒーター)22が各々独立で自立縦型のケーシング20内に組み込まれている。図2に示すように、ケーシング20には、底部側面に配設された還気RAの第2吸込口23と、頂部に配設された給気SAの吹出部24と、冷却コイル21及び加熱コイル22の上方に送風機25が設けられている。なお、後述する外調機5を設けない場合には、さらに加湿器(図示省略)が設けられていることが好ましい。
第1空調機2Aは、送風機25により第2吸込口23からケーシング20内に吸い込んだ還気RAに対して冷却コイル21による冷却処理と、加熱コイル22による加熱・再熱処理とを、手術室1のその時点での温度に応じて同時に又は選択的に行う。第1空調機2Aによって、所望の温度の給気SAが効率的且つ精度良く調整される。なお、外調機5を設けない場合には、第1空調機2Aに除湿・加熱機能をもたせることが好ましい。
上述の空調処理を自動的且つ精度良く迅速に行うために、第1吹出口32の内側には、給気SAの吹き出し温度を検出するための温度センサーT1が設置されている。空調システム50では、温度センサーT1の検出結果に基づき、冷却制御、加熱制御を公知の比例制御(PID制御)によるアルゴリズムに基づいて給気SAの温度を制御することによって、手術室1の温度を精度良く刻々と制御し、手術台10周りの温度を執刀医D1の要求する温度に設定可能とされている。
なお、温度センサーT1の取り付け位置は、第1吹出口32内に限定されない。即ち、温度センサーT1は、手術台10周りの温度を検出できるように、手術台10周りに設置されていてもよい。この場合、温度センサーT1を無線で通信可能なものにすることで、手術台10周りに配線されないようにし、執刀医D1の作業や動きを妨げないようにすることができる。
第2空調機2Bでは、第1空調機2Aの冷却コイル21と加熱コイル22とを一体で設けた冷却・加熱コイル26が用いられている。第2空調機2Bにおける冷却・加熱コイル26以外の構成は、第1空調機2Aとほぼ同様である。即ち、第2空調機2Bのケーシング20には、上述した冷却・加熱コイル26と、底部側面に配設された還気RAの第2吸込口23と、頂部に配設された給気SBの吹出部24と、冷却・加熱コイル26の上方に配設された送風機25と、を備えている。
手術室1の側壁12には、還気RAの温度を検出するための温度センサーT2が設置されている。第2空調機2Bでは、給気SBの温度が温度センサーT2の検出値に対応する温度に調整される。
第2空調機2Bは、送風機25によって第2吸込口23からケーシング20内に吸い込まれた還気RAに対して冷却・加熱コイル26による冷却と加熱を手術室1のその時点での温度に応じて選択的に行う。これにより、手術室1の室温が所望の室温に効率的且つ精度良く調整される。
図2及び図3に示すように、手術室1の外周部Nに面する天井11には、手術室1の還気RAを吸引する第1吸込口4が設けられている。第1吸込口4は、ダクト42によって第1吹出口32に接続されている。ダクト42には循環ファン41が設けられており、第1吸込口4で吸引された還気RAは第1吹出口32から吹き出すように循環する。
なお、上部吸込口4は、第1空調機2A及び第2空調機2Bの各々に設けられる第2吸込口23よりも上方であって、外周部Nに面する天井11及び側壁12のうち少なくとも一部に設けられていればよく、天井11に設けられていることに限定されない。
空調システム50は、手術室1に供給する外気OAを処理するための外調機5を備えている。外調機5によって処理された外気SOAは、外気ダクト51により第1フィルターユニット31及び第1吹出口32に供給される。即ち、第1空調機2Aからの給気SAと外調機5からの外気SOAとが第1フィルターユニット31において混合され、外気SOAと混合された給気SAが手術室1に吹き出される。
なお、以上の各構成要素に加えて、空調システム50は、必要であれば手術室1に供給する外気OAの導入量に応じて手術室1から排気を行うための排気設備を備えていてもよい。また、空調システム50では、以上の各構成要素の全てを制御盤(図示省略)により相互に関連づけて制御可能とされていてもよい。また、外調機5は省略可能であり、送風機のみで外気OAが第1空調機2Aに供給され、第1空調機2Aで除湿、加湿が行われてもよい。
給気SBは、一対の第2吹出口から手術室1の側壁12Sに沿って平面視で互いに逆向き且つ略水平方向に吹き出す。一対の第2吹出口34,34の各々から吹き出される給気SBの吹き出し速度は、0.5m/s以上3.0m/s以下に設定されていることが好ましく、概ね1m/sに設定されていることがより好ましい。なお、第1吹出口32から吹き出される給気SAの吹き出し速度は、0.1m/s以上1.0m/s以下に設定されていることが好ましく、概ね0.3m/sに設定されていることがより好ましい。
また、一対の第2吹出口34,34では、給気SBの吹き出し方向を水平方向及び上下方向において所定の角度(例えば、所定の吹き出し方向から0°より大きく、90°以内)で調節可能とされていてもよい。具体的には、一対の第2吹出口34,34には回動可能な縦羽根や横羽根(少なくとも縦羽根)が設けられていてもよく、一対の第2吹出口34,34は例えばVHS型で構成されていてもよい。前述の構成によって、手術室1の外周部Nにおける空気の流れ等を考慮して一対の第2吹出口34,34から吹き出す給気SBの方向を調節し、外周部Nにおける空気の流れを良好に生じさせると共に、良好な空気の流れを維持し易くなる。
次いで、上述の手術室の空調システム50の作用効果について、詳細に説明する。
本実施形態の空調システム50によれば、図2に示すように、第1系統P1において第2吸込口23で吸引した手術室1の還気RAを第1空調機2Aで調製し、調製された給気SAを第1吹出口32から手術台10に向けて吹き出すことができる。これにより、図1及び図4に示すように、給気SAによる下降流FAを発生させ、手術台10及び手術台10周りの執刀医D1等は快適な温度で作業を行うことができる。一方、第1系統P1とは別で設けられる第2系統P2によって第2吸込口23で吸引した手術室1の還気RAを第2空調機2Bで調製し、調製された給気SBを、第2吹出口34から手術室1における外周部Nに向けて吹き出すことができる。これにより、図1及び図4に示すように、給気SBによる旋回流FBを発生させることができる。なお、図4では、下降流FAと旋回流FBをわかりやすく示すために、第2吹出口34以外の空調システム50の構成の一部の図示を省略している。
上述のように、手術台10への吹き出しをメインとする第1系統P1とは別系統の第2系統P2を設けることで、手術台10周りと外周部Nの双方の空調を対象とした温度制御を行い、執刀医D1及び外周部Nで作業する医療スタッフD2(図1及び図2参照)の清浄度を向上させることができる。また、第2吹出口34から給気SBが吹き出されることで、外周部Nにおいて空気が滞留する淀みを抑えることができる。つまり、外周部Nの空気に流れ、即ち旋回流FBを生じさせることができることから、外周部Nの清浄度を改善することができる。また、第1吹出口32が天井11に設けられると共に、一対の第2吹出口34,34が側壁12Lの上部に設けられ、且つ給気SBが略水平方向に沿って吹き出すと共に、第2吸込口23が側壁12の下部に設けられているので、冷風のショートサーキットを防止することができる。
また、本実施形態の空調システム50によれば、一対の第2吹出口34,34が側壁12の上部において平面視で手術台10を挟んで対角線C上に設けられているので、給気SBが手術台10周りの給気SAに影響を与えないようにすることができる。これにより、手術台10の気流が乱れ難くなるため、前述のように外周部Nにおいて空気が滞留する淀みを確実に抑えることができる。その結果、手術台10周り及び外周部Nにおける快適性及び清浄度を向上させることができる。
また、本実施形態の空調システム50によれば、手術室1は平面視において長方形に形成され、一対の第2吹出口34,34は前記長方形の長辺をなす側壁12Lの端部に設けられ、第2系統P2は給気SBを一対の第2吹出口34,34から前記長方形の短辺をなす側壁12Sに沿って吹き出す。これにより、一対の第2吹出口34,34から吹き出す給気SBが手術台10周りの空気の流れを確実に乱し難くなり、手術台10周り及び外周部Nにおける快適性を良好に維持することができる。また、一対の第2吹出口34,34から給気SBを手術室1の側壁12に沿って平面視で互いに逆向きに吹き出させることで、外周部Nの全体に亘って効率良く清浄空気を送ることができる。また、一対の第2吹出口34,34が側壁12Sの上部及び端部、且つ、手術台10を挟んで対角線(不図示)上に設けられ、給気SBが側壁12Lに沿って吹き出す場合に比べて、一対の第2吹出口34,34が側壁12Lの上部及び端部、且つ、手術台10を挟んで対角線C上に設けられ、給気SBを手術室1の側壁12Sに沿って吹き出させることで、手術台10周りの空気の流れをより確実に乱し難くすることができる。
また、本実施形態の空調システム50によれば、給気SBの吹き出し速度は0.5m/s以上3.0m/s以下に設定されているので、給気SBを適切な速度で外周部Nに渡らせると共に、手術台10周りの空気の流れを確実に乱れ難くすることができる。
また、本実施形態の空調システム50によれば、第2吹出口34,34は給気SBの吹き出し方向を変更可能に構成されているので、手術室1における全体的な空気の流れや給気SBによる下降流FAの状況等に合わせて給気SBの吹き出し方向を調整可能とし、下降流FAを乱すことなく旋回流FBを円滑に効率良く発生させ、維持し易くすることができる。
以上、本発明に係る手術室の空調システムの一実施形態について説明したが、本発明は上述の一実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、本発明を適用した空調システム50では、第2吹出口34から吹き出される給気SBによって旋回流FBを発生させることができれば、第2吹出口34の設置位置は上述の実施形態で説明したように側壁12の上部に限定されず、天井11の外周部でもよい。第2吹出口34が天井11の外周部に設けられ、給気SBが側壁12に沿って手術室1における外周部Nに吹き出せば、旋回流FBが発生し、上述の実施形態と同様の作用効果が得られる。
また、本発明を適用した空調システム50は、平面視において長方形に形成された手術室1に限らず、任意の形状(例えば、正方形や円形)の手術室にも適用可能である。
また、本発明を適用した空調システム50では、旋回流FBを発生させることができれば、第2吹出口34の数は上述の実施形態で説明した二つに限定されず、適宜変更されてよい。第2吹出口の仕様や給気SAの吹き出し速度等は、手術室1の寸法・用途、天井11の高さ等を勘案して適宜設定されている。
また、上述の実施形態では、手術室1の天井11に第1吸込口4が設けられているが、第1吸込口4や循環ファン41は省略可能である。
1 手術室
2A 第1空調機
2B 第2空調機
10 手術台
12,12L,12S 側壁
23 第2吸込口(吸込口)
32 第1吹出口
34 第2吹出口(一対の第2吹出口)
P1 第1系統
P2 第2系統
N 外周部
RA 還気
SA 給気(第1給気)
SB 給気(第2給気)
FB 旋回流

Claims (10)

  1. 手術台を有する手術室に適用される空調システムであって、
    前記手術室の天井における前記手術台の上方に設けられた第1吹出口と、
    前記手術室の側壁の上部又は前記天井の外周部に設けられた第2吹出口と、
    前記手術室の側壁の下部に設けられた吸込口と、
    前記第1吹出口から吹き出す第1給気を調製する第1空調機と、
    前記第2吹出口から吹き出す第2給気を調製する第2空調機と、
    を備え、
    前記第1給気を前記第1吹出口から前記手術台に向けて吹き出す第1系統と、
    前記第2給気を前記第2吹出口から前記手術室の外周部に向けて吹き出し、前記外周部を旋回する旋回流を生じさせる第2系統と、
    を有することを特徴とする手術室の空調システム。
  2. 前記第1給気の温度を検出する第1温度センサーと、
    前記手術室からの還気の温度を検出する第2温度センサーと、
    を有し、
    前記第1給気の温度は前記第1温度センサーの検出結果に基づいて制御され、
    前記第2給気の温度は前記第2温度センサーの検出値に対応する温度に調整可能である、
    請求項1に記載の手術室の空調システム。
  3. 前記第1温度センサーは無線で通信可能である、
    請求項2に記載の手術室の空調システム。
  4. 前記第1温度センサーは前記第1温度センサーの検出結果に基づいて比例制御によるアルゴリズムに基づいて制御されている、
    請求項2又は3に記載の手術室の空調システム。
  5. 前記第1温度センサーは前記第1吹出口内又は前記手術台周りに配置され、
    前記第2温度センサーは前記手術室の側壁に配置されている、
    請求項2から4の何れか一項に記載の手術室の空調システム。
  6. 前記第2吹出口は、前記手術室の側壁の上部又は前記天井の外周部において平面視で前記手術台を挟んで対角線上に対をなして設けられている
    請求項1から5の何れか一項に記載の手術室の空調システム。
  7. 前記第2吹出口は、前記手術室の側壁の上部又は前記天井の外周部において平面視で前記手術台を挟んで対角線上に対をなして設けられ、
    前記第2温度センサーは前記手術室の側壁に配置され、
    前記第2温度センサーは前記対角線を中心に対をなして設けられている、
    請求項2から5の何れか一項に記載の手術室の空調システム。
  8. 前記手術室は平面視において長方形に形成され、
    前記第2吹出口は、前記長方形の長辺をなす側壁の端部に設けられ、
    前記第2系統は、前記第2給気を前記一対の第2吹出口から前記長方形の短辺をなす側壁に沿う方向に吹き出すことを特徴とする請求項1から7の何れか一項に記載の手術室の空調システム。
  9. 前記第2給気の吹き出し速度は、0.5m/s以上3.0m/s以下に設定されていることを特徴とする請求項1からの何れか一項に記載の手術室の空調システム。
  10. 前記第2吹出口は前記第2給気の吹き出し方向を変更可能に構成されていることを特徴とする請求項1からの何れか一項に記載の手術室の空調システム。
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