JP5791389B2 - 空気調和システム - Google Patents

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この発明は、少なくとも空気調和装置および送風機を有して構成する空気調和システムに関するものである。特に消費するエネルギーを少なくし、効率よく空気調和を行うためのものである。
従来の空気調和システムにおいて、空調対象空間となる室内など(以下、室内とする)を空気調和する際、第1室温センサで検出された温度と第2室温センサで検出された温度との差が所定値以上になったときに、空気調和機に連動させて、送風機となるサーキュレータの運転を行うものがあった(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−150679号公報
上述の空気調和システムでは、送風機が床面付近の冷たい空気を吸い込んで、その空気を天井面に向けて吹き出して天井付近の暖かい空気と混合していた。その結果として、高さ方向に空気を攪拌することで、高さ方向の温度分布は略均一化できていた。ただ、高さ方向の温度分布が略均一になるのは送風機の吹き出す断面部分のみであった。
上述の空気調和システムでは、例えば送風機は、送風機の吸い込み、吹き出し流れが、空気調和装置の吸い込み、吹き出し流れに積極的に影響を与えない位置に設置されていた。このため、空気調和装置の吹き出し流れ方向の部分は空気調和がなされるが、吹き出し流れ方向以外の部分では空気調和がされにくく、水平方向の温度分布は不均一であり、かつ空気調和された部分と空気調和されない部分との温度差が大きくなっていた。また、例えば、送風機は、所定以上の温度差になると運転を開始するので、空気調和装置と送風機が同時に運転開始されるとは限らない。例えば送風機による空気の流れが空気調和装置による空気の流れに影響しないような場合に空気調和装置の吹き出し方向にいる人は、急激な温度変化にさらされることで不快に感じる可能性がある。
また、上述の空気調和システムは、一般的に空調不要な天井付近も空気調和することになるため、空気調和のために消費するエネルギーは多くなっていた。また、例えば空気調和したい部分が空気調和装置の吹き出し流れ方向以外の領域は直接空気調和できない。このため、その領域を所定の温度にしようとする場合には、空調したい部分の熱負荷よりも大きな能力が必要となり、消費するエネルギーが多くなる。そして、例えば、送風機が床面付近の冷たい空気を吸い込んで、天井面に向けて吹き出して天井付近の暖かい空気と混合していた。その結果、冷房時に天井付近の暖かい空気が床面に流れ、部分的に暖房状態になる可能性があった。
そこで、この発明は、特に室内の水平方向の温度分布などについて、少ない消費エネルギーで所望する空気調和を行うことができる空気調和システムを得るものである。
この発明に係る空気調和システムは、空気調和が行われる空調対象空間の上部にあって、空気調和した空気を吹き出すための空調吹き出し口を有する空気調和装置と、空調対象空間の空気を吸い込んで送風吹き出し口から吹き出す送風機とを備え、送風機について、高さ方向においては、送風吹き出し口が空調吹き出し口とほぼ同じ高さに位置するように、また、水平方向においては、送風吹き出し口から吹き出す空気の流れが、空気調和装置の空調吹き出し口から吹き出される空気の空調吹き出し流れと略直交する位置となり、互いの空気を衝突させて空気を拡散させる流れが生じるように配置する。
この発明の空気調和システムでは、送風機の高さ方向の設置位置を、空気調和装置の吹き出し口と送風機の吹き出し口とがほぼ同じ高さになるように設置し、送風機の水平面における設置位置を、空気調和装置の吹き出し口から吹き出される吹き出し流れと送風機の吹き出し口から吹き出される吹き出し流れが水平面で見た場合に略直交する位置に設けるようにしたので、水平方向の、主として人が活動する居住空間高さにおいて、温度分布を均一化、局所的な空気調和などをはかることができる。そして、空気調和が必要な領域を効率よく空気調和することができるため、空気調和に利用する消費エネルギーを少なくすることができる。
この発明の実施の形態1の空気調和システムを設置した室内の平面図である。 この発明の実施の形態1の空気調和システムを設置した室内の正面図である。 この発明の実施の形態1の空気調和システムを設置した室内の斜視図である。 送風機2がない場合の冷房時の居住空間高さにおける等温線である。 この発明の実施の形態1の空気調和システムにおける冷房時の居住空間高さの等温線である。 図4および図5における室内の温度分布などを比較した表を示す図である。 この発明の実施の形態2の空気調和システムにおける空気調和装置と送風機の距離の関係を説明するための図である。 送風機のない空気調和システムの空気調和装置の吹き出し口の中央部における正面図の冷房時の等温線の一例を示す図である。 この発明の実施の形態2の空気調和システムにおけるΔx/VinとΔTave、ΔTmin、ΔTmax、ΔTの関係を示す図である。 この発明の実施の形態3の空気調和システムにおけるQfan/QinとΔTave、ΔTmin、ΔTmax、ΔTの関係を示す図である。 この発明の実施の形態4の空気調和システムにおける送風機の吹き出し口より吹き出される吹き出し流れの吹き出し角度θの関係を説明するための図である。 この発明の実施の形態4の空気調和システムにおける送風吹き出し流れの吹き出し角度θに対する、最小温度Tminとなる範囲の概略図である。 この発明の実施の形態5の空気調和システムにおける送風吹き出し流れの吹き出し角度θを90°<θ<180°の範囲で制御した場合の居住空間高さの冷房時の等温線の一例を示す図である。 この発明の実施の形態7の空気調和システムにおける2台の送風手段2a、2bを有する送風機2の概略図である。 この発明の実施の形態7の空気調和システムにおける送風手段2aを正回転で駆動し、送風手段2bが停止した場合の居住空間高さの冷房時の等温線の一例を示す図である。 この発明の実施の形態7の空気調和システムにおける送風手段2bを正回転で駆動し、送風手段2aが停止した場合の居住空間高さの冷房時の等温線の一例を示す図である。 この発明の実施の形態7の空気調和システムにおける送風手段2aを逆回転で駆動し、送風手段2bが停止した場合の居住空間高さの冷房時の等温線の一例を示す図である。 この発明の実施の形態7の空気調和システムにおける送風手段2bを逆回転で駆動し、送風手段2aが停止した場合の居住空間高さの冷房時の等温線の一例を示す図である。 この発明の実施の形態7の空気調和システムにおける送風手段2aを逆回転で駆動し、送風手段2bを正回転で駆動した場合の居住空間高さの冷房時の等温線の一例を示す図である。 この発明の実施の形態8の空気調和システムにおける送風機を2台とした場合の室内の平面図である。
実施の形態1.
この発明に係る実施の形態1の空気調和システムは、空調対象空間となる室内など(以下、室内とする)の、高さ方向については、送風機における空気の吹き出し口と空気調和装置における空気の吹き出し口とが同程度の高さに位置するようにする。また、水平面において、送風機が吹き出す空気が流れる方向と空気調和装置が吹き出す空気が流れる方向とが略直交するように配置する。このとき、各装置が吹き出す空気が互いに衝突などして混じり合って熱交換をし、また、空気の流れが拡散可能な範囲に配置するようにするものである。
図1はこの発明の実施の形態1における空気調和システムを設置した室内の平面図である。また、図2はこの発明の実施の形態1における空気調和システムを設置した室内の正面図である。そして、図3はこの発明の実施の形態1における空気調和システムを設置した室内の斜視図である。
図1〜3に示すように、本実施の形態の空気調和システムは、空気調和装置1と例えばサーキュレータなどの送風機2とを有し、空調対象空間である室内に設置している。空気調和装置1は、例えば冷媒回路を構成して、室内の空気を加熱、冷却などして空気調和を行うための装置である。本実施の形態の空気調和装置1は、室内の空気を空気調和装置1本体内に吸い込む吸い込み口3(以下、空調吸い込み口3という)と、吸い込んだ空気を熱交換する熱交換部4と、熱交換部4が熱交換した空気を空気調和装置1本体外(室内)に吹き出す吹き出し口5(以下、空調吹き出し口5という)とを室内に備えている。ここで、本実施の形態の空気調和装置1は、図1などに示すように、送風機2設置側とその反対側に空調吹き出し口5を有し、2カ所から空気調和に係る空気を吹き出すものとする。
また、送風機2は、室内の空気を送風機2本体内に吸い込む吸い込み口6(以下、送風吸い込み口6という)と、吸い込んだ空気を送風機2本体外(室内)に吹き出す吹き出し口7(以下、送風吹き出し口7という)とを備えている。ここで、本実施の形態においては、送風機2における送風吸い込み口6と送風吹き出し口7とは略直線上に並んでいるものとする。
空調吹き出し口5から吹き出される吹き出し流れ8(以下、空調吹き出し流れ8という)は空調吹き出し口5から吹き出す、例えば空気調和がなされた空気による流れ(空気を含む。以下、同じ)である。また、送風吹き出し口から吹き出される吹き出し流れ9(以下、送風吹き出し流れ9という)は、送風吹き出し口7から吹き出す空気の流れである。そして、拡散流れ10は、空調吹き出し流れ8と送風吹き出し流れ9とが混ざり合い、多方向に拡散する空気の流れである。循環流れ11は、室内を循環する空気の流れである。循環流れ11には、例えば、空気調和されていない空気の流れ、例えば、空調吹き出し口5から吹き出された空調吹き出し流れ8における空気の流れを含む。
ここで、空気調和装置1は、空調対象空間の上部である例えば天井付近(居住空間高さよりも上側)に設置される。一方、送風機2は、高さ方向(上下方向)については、空調吹き出し口5と送風吹き出し口7とがほぼ同じ高さになるような位置に設置される。また、送風機2の水平面についての設置位置は、空調吹き出し口5から吹き出される空調吹き出し流れ8と送風吹き出し口7から吹き出される送風吹き出し流れ9とが、水平面について、略直交して、例えば衝突などするように配置する。ここで、互いの空気が混じりあって熱交換し、空気の流れが拡散可能となるような範囲(拡散流れ10が生じるような範囲)に配置する。
次に、以上のように構成された空気調和システムの動作について説明する。空気調和装置1の運転を開始すると、送風機2の運転も開始する。空気調和装置1が冷房または暖房運転すると、空調吸い込み口3から室内の空気を吸い込み、空気調和装置1内の熱交換部4を通過して、空調吹き出し口5より熱交換された冷たい空気または暖かい空気を室内に吹き出す。また、送風機2は、送風機2の送風吸い込み口6から室内の空気を吸い込み、吸い込んだ空気を送風吹き出し口7より室内に吹き出す。
送風吹き出し口7より吹き出された送風吹き出し流れ9は、空調吹き出し口5より吹き出された空気調和が行われた空調吹き出し流れ8と衝突して混じりあい、互いの空気を熱交換した拡散流れ10が生じる。この拡散流れ10の方向は、空調吹き出し流れ8と送風吹き出し流れ9とが衝突することで一方向ではなく、多方向に拡散する流れとなる。
また、送風機2が室内の空気を送風吸い込み口6から吸い込むときに、水平面方向について循環流れ11が生じる。循環流れ11は、前述したように、空気調和されていない空気と、空気調和された空気とが含まれる。そのため、循環している間に、循環流れ11における空気調和されていない空気と空気調和された空気とが混合し、互いが熱交換する。
以上のように、送風機2の配置位置について、高さ方向においては、空調吹き出し口5と送風吹き出し口7とがほぼ同じ高さとなるようにする。一方、送風機2の平面における位置については、空調吹き出し口5から吹き出される空調吹き出し流れ8と送風吹き出し口7から吹き出される送風吹き出し流れ9とが水平面に関し、略直交するように衝突して混じり合い、互いの空気を熱交換させ、流れが拡散可能な範囲で配置している。このため、室内の空気に拡散流れ10と循環流れ11とが生じることになる。
ここで、拡散流れ10は、空調吹き出し口5からの空気調和された空調吹き出し流れ8と送風吹き出し口7からの送風吹き出し流れ9とが混合して熱交換が行われた空気であるため、空調吹き出し流れ8の温度に比べると室内温度との差が小さくなる。また、拡散流れ10は、空調吹き出し流れ8の方向以外にも、室内の多くの領域に空気が拡散していく。
一方、循環流れ11によって、送風機2設置側とは反対側の空調吹き出し口5から空気調和された空調吹き出し流れ8の一部を含む空気が水平面において循環する。このとき、空気調和されていない空気と空気調和された空気とが混じりあい熱交換するため、空気調和された空調吹き出し流れ8の温度に比べると室内温度との温度差が小さくなる。また、水平面で見た場合に、送風機2の吹き出し方向と空気調和装置1の吹き出し方向とを略直交させることで、循環流れ11の発生を促進し、室内を循環する範囲が広くなる。
このように、拡散流れ10と循環流れ11とによって、空気調和装置1が空気調和した空気を多方面に搬送するとともに、空気調和された空気の温度を室内温度と近づけることができる。このため同一平面でみた場合に局所的に室内温度との温度差が大きい部分が減少し、水平面の温度分布を均一に近づけることが可能となる。
図4は送風機2のない空気調和システムにおける居住空間高さの冷房時の等温線を示す図である。また、図5は実施の形態1のように、送風機2を有する空気調和システムにおける居住空間高さの冷房時の等温線を示す図である。室内の温度差などに関して、冷房時について例を挙げて説明する。ここで、図4および図5に示す等温線は1℃刻みで引かれた線である。等温線が密集している箇所ほど位置による温度勾配が大きい。このため、人が不快感を感じやすい傾向にある。また、等温線の数が多いほど温度分布にムラがある。以上のことから、等温線が密集していなければ快適であり、等温線が少なければ温度分布が均一に近づくことになる。図5のTminは図4のTminよりも1℃高く、Tmaxは図4と図5とで同じ温度である。
図6は図4および図5における室内の温度分布などを比較して示した表を示す図である。図6では、送風機2を設置した空気調和システムの居住空間高さの水平面におけるそれぞれの平均温度と、送風機2のない空気調和システムの居住空間高さの水平面における平均温度との差を平均温度差ΔTaveとして示している。また、居住空間高さの平面における最小温度をTminとし、平均温度との温度差を最小温度差ΔTminとして示している。さらに、居住空間高さの平面における最大温度Tmaxとし、平均温度との温度差を最大温度差ΔTmaxとして示している。そして、居住空間高さの平面における最大温度Tmaxと最小温度Tminとの温度差を大小温度差ΔT(=最大温度差ΔTmax+最小温度差ΔTmin)として示している。
図4、図5および図6より、送風機2を上記に配置した本実施の形態の空気調和システムは、送風機2のない空気調和システムに比べて冷房時の平均温度を0.5℃低くすることができる。このため、例えば送風機2を設置していない空気調和システムと同等の平均温度にする場合には、空気調和装置1の能力を低減することができる。したがって、空気調和に際して消費するエネルギーを減らすことができる。
また、送風機2を上記に配置した本実施の形態の空気調和システムでは、送風機2のない空気調和システムに比べて、最小温度差は1.5℃狭まる。最大温度差が同じであるため、大小温度差ΔTは最小温度差で決まることになり、1.5℃小さくなる。つまり送風機2のない空気調和システムに比べ温度分布が平坦になる。これらのことより、快適性を向上させつつ、消費するエネルギーを減らすことが可能である。
そして、拡散流れ10、循環流れ11は、空調吹き出し流れ8と送風吹き出し流れ9とが混じりあい熱交換することで室内温度との温度差を小さくするため、高さ方向の温度分布が急激に変化しない。そして、天井付近の温度の高い空気が床面に吹き降りてくることもないので、部分的に暖房状態になることを防ぐことができる。
実施の形態2.
実施の形態2では、空気調和装置1と送風機2との距離による影響について説明する。
図7は空気調和装置1と送風機2の距離の関係を説明するための図である。ここで、Δxは空調吹き出し口5より吹き出される空調吹き出し流れ8方向に対する空気調和装置1と送風機2との距離を示す。また、Δyは空調吹き出し口5より吹き出される空調吹き出し流れ8に直交する方向に対する空気調和装置1と送風機2との距離を示す。ここで、本実施の形態の送風機2は、空気調和装置1からの信号等に基づいて、送風機2に関する制御を行うための送風側制御装置100および送風機2の位置を変更するための移動手段101を有しているものとする。また、空気調和装置1は、空気調和装置1が有する機器の制御を行うための空調側制御装置102を有しているものとする。ここで、本実施の形態における制御処理を行うためには、送風側制御装置100および移動手段101か、空調側制御装置102かの少なくとも一方を有していればよい。
図8は送風機2のない空気調和システムの空調吹き出し口5の中央部における正面図の冷房時の等温線の一例を示す図である。本実施の形態では、冷房時を例に、空調吹き出し口5より吹き出された直後の吹き出し風速(Vin)と距離の比に基づいて整理する。図8に示すように、空調吹き出し口5より吹き出された空調吹き出し流れ8は、室内の温度よりも低い温度で吹き出される。吹き出された空気は、空気調和装置1より離れるにつれて風速が遅くなるため、風速よりも浮力の影響が強くなり、室内の温度との温度差により下降する。そのため、空気調和装置1と送風機2を設置する空気調和システムにおいて効果的に拡散流れ10と循環流れ11を発生させるためのΔx/Vinの範囲を決定する。
図9はΔx/VinとΔTave、ΔTmin、ΔTmax、ΔTの関係を示す図である。図9に示す結果より、例えば0.2<Δx/Vin<0.5の範囲に送風機2を位置させることで、ΔTave、ΔTmin、ΔTを改善することができ、実施の形態1に示す効果と同様の効果を得ることができる。一方、例えば0<Δx/Vin<0.2の範囲では、ΔTmin、ΔTは改善できるが、ΔTaveは改善されていないことがわかる。これは、拡散流れ10が室内の空気調和に使用される前に空調吸い込み口3に吸い込まれてしまうからである。
ここで、空気調和装置1と送風機2の空気調和システムで効果的に拡散流れ10と循環流れ11を発生させるため、0.2<Δx/Vin<0.5の範囲外になった場合には、Δx/Vinを範囲内に戻せばよい。このとき、自動的に送風機2を移動させる(Δxを変化させる)場合と、自動的にVinを変更する場合とが考えられる。ここで、例えば移動手段101を有していない場合(Δxが固定である場合)には空調側制御装置102がVinを変更する処理を行って0.2<Δx/Vin<0.5を満たすようにする。
次に移動手段101により送風機2を移動させる場合について説明する。送風側制御装置100が処理を行うためのΔxに関するデータについては、例えば互いの位置情報を事前に登録する、位置情報を検出できるセンサー(例えばGPS等の位置検出手段)を備えるなどの方法が考えられる。また、Vinに関するデータなどについては、例えば無線や有線の信号に含めて送風機2に伝達可能にし、送風機2はVinに基づいて制御を行うようにするとよい。ここで、送風機2に伝達するデータの内容は、Vin、Δx、Δx/Vinである必要はなく、例えば0.2<Δx/Vin<0.5の範囲に入るように制御できればよい。
また、自動的に送風機2を移動させるには、例えば空調吹き出し流れ8の方向に沿って天井にレール等を敷くなどして、送風機2を移動させることができる移動手段101を設け、移動可能にすることで達成することができる。そして、例えば空調吹き出し口5より吹き出される風速が変化した場合には、例えば風速に関する信号を受けた送風機2は、0.2<Δx/Vin<0.5の範囲内となるように移動手段101による移動を行い、自動的に送風機2の位置を移動調整するようにするとよい。
以上のように、空調吹き出し口5より吹き出される空調吹き出し流れ8方向に対する空気調和装置1と送風機2の距離Δxと空調吹き出し口5より吹き出された直後の吹き出し風速Vinとの比Δx/Vinが、0.2<Δx/Vin<0.5を満たすように、送風側制御装置100、空調側制御装置102が、Δx、Vinを制御するようにしたので、ΔTave、ΔTmin、ΔTを改善することができ、実施の形態1に示す効果と同様の効果を得ることができる。
また、拡散流れ10、循環流れ11は、空調吹き出し流れ8と送風吹き出し流れ9とが混じりあい熱交換することで室内温度との温度差を小さくするため、高さ方向の温度分布が急激に変化しない。そして、天井付近の温度の高い空気が床面に吹き降りてくることもないので、部分的に暖房状態になることを防ぐことができる。
実施の形態3.
実施の形態3では、空調吹き出し口5より吹き出される風量(Qin)と送風吹き出し口7より吹き出される風量(Qfan)、これらの風量比(Qfan/Qin)による影響について、冷房時を例に説明する。
例えば、風量比が小さいと拡散流れ10の方向は、空調吹き出し口5より吹き出される空調吹き出し流れ8方向とほとんど変化しない。また、循環流れ11の発生も小さくなる。そのため、送風機2を設置しない空気調和システムとほとんど変わらなくなる。逆に風量比が大きいと、拡散流れ10の方向は、空調吹き出し口5より吹き出される空調吹き出し流れ8よりも、送風吹き出し口7より吹き出される送風吹き出し流れ9の方向が支配的になり、拡散の効果がなくなる。例えば、送風機2のない空気調和システムでは空調吹き出し流れ8方向に最小温度が生じていたが、風量比が大きくなると送風吹き出し流れ9の方向に最小温度が生じるように変化しただけである。また循環流れ11が室内において狭い範囲を循環することになり、効果的な循環流れ11ではなくなる。そのため、空気調和装置1と送風機2の空気調和システムで効果的に拡散流れ10と循環流れ11を発生させるためのQfan/Qinの範囲を決定する。
図10はQfan/QinとΔTave、ΔTmin、ΔTmax、ΔTの関係を示す図である。図10に示す結果より、0.5<Qfan/Qin<0.9の範囲に風量比Qfan/Qinを設定することで、ΔTave、ΔTmin、ΔTを改善することができ、実施の形態1に示す効果と同様の効果を得ることができる。一方、0<Qfan/Qin<0.5の範囲では、ΔTminは改善できるがΔTave、ΔTは改善されていないことがわかる。これは前述した通り拡散流れ10の方向が、空調吹き出し口5より吹き出される空調吹き出し流れ8方向とほとんど変化しないためである。また、0.9<Qfan/Qinの範囲では、ΔTminは改善できるがΔTave、ΔTは改善されていないことがわかる。これは前述した通り、拡散流れ10の方向が、空調吹き出し流れ8に直交する送風吹き出し流れ9の方向が支配的になることで、拡散の効果がなくなるためである。
例えば、空気調和装置1と送風機2の空気調和システムで効果的に拡散流れ10と循環流れ11を発生させるため、例えば、送風機2が有する送風側制御装置100は空気調和装置1側から風量Qinに係る信号を受信する。そして、例えば0.5<Qfan/Qin<0.9の範囲外になったものと判断すると、風量Qfanを調整し、0.5<Qfan/Qin<0.9の範囲に入るように制御する。ここでは、送風側制御装置100が風量Qinに係る信号を受信してQfanを制御するようにしたが、例えば送風機2が吹き出す風量Qfanを、上述した空調側制御装置102が決定し、指示の信号を送風機2に送信するようにしてもよい。ここでも、空調吹き出し口5より吹き出される風量が変化した情報を送風機2に伝達する手段として、有線もしくは無線での信号が考えられる。
以上のように、例えば送風側制御装置100、空調側制御装置102が空調吹き出し口5より吹き出される風量(Qin)と送風吹き出し口7より吹き出される風量Q(fan)と風量比(Qfan/Qin)を0.5<Qfan/Qin<0.9の範囲に入るように制御するようにしたので、ΔTave、ΔTmin、ΔTを改善することができ、実施の形態1に示す効果と同様の効果を得ることができる。
また、拡散流れ10、循環流れ11は、空調吹き出し流れ8と送風吹き出し流れ9とが混じりあい熱交換することで室内温度との温度差を小さくするため、高さ方向の温度分布が急激に変化しない。そして、天井付近の温度の高い空気が床面に吹き降りてくることもないので、部分的に暖房状態になることを防ぐことができる。
実施の形態4.
実施の形態4では、送風吹き出し口7より吹き出される送風吹き出し流れ9の吹き出し角度による影響について説明する。上述の実施の形態1〜3においては、室内の水平面における温度分布を、少ない消費エネルギーで略均一化することに着目していた。本実施の形態では、空気調和装置1と送風機2を設置した空気調和システムについて、局所的に空気調和をしたい場合について説明する。
図11は送風吹き出し口7より吹き出される送風吹き出し流れ9の吹き出し角度θの関係を説明するための図である。例えば、送風吹き出し口7より吹き出される送風吹き出し流れ9の方向に対して、送風機2の周辺を空気調和したい場合には、送風機2の吹き出し角度θを0°<θ<90°の範囲で、送風機2の吹き出し角度θを大きくする。また、送風機2から離れた場所を空気調和したい場合には、送風機2の吹き出し角度θを0°<θ<90°の範囲で、送風機2の吹き出し角度θを小さくすれば良い。このとき、実施の形態2、3で示す、0.2<Δx/Vin<0.5、0.5<Qfan/Qin<0.9の条件を満たしていると、局所的に空気調和ができるとともに、実施の形態1に示す効果と同様の効果を得ることができる。一方で、実施の形態1などで示したように、拡散流れ10、循環流れ11などを効果的に発生させる必要がなければ、例えば0.9<Qfan/Qinとすることで、送風吹き出し流れ9の風量を大きくすることで、さらに効果的な局所的な空気調和が可能になる。
図12は送風吹き出し口7より吹き出される送風吹き出し流れ9の吹き出し角度θに対する最小温度Tminとなる範囲の概略を示す図である。送風吹き出し口7より吹き出される送風吹き出し流れ9の吹き出し角度θは、マニュアル(手動)での変更以外にも、人の位置や発熱状況を検出などすることによって、自動的に変更することも可能である。例えば赤外線センサーなどの非接触のセンサーを用いて、居住空間の発熱に関するセンシングを行う。送風機2は、発熱に係るデータに基づいて、送風吹き出し口7より吹き出される送風吹き出し流れ9の吹き出し角度θを変更、維持などの制御を行う。制御については、例えば上述した送風側制御装置100が制御に係る処理を行う。
以上のように、送風吹き出し口7より吹き出される送風吹き出し流れ9の吹き出し角度θを変更することで、局所的に空気調和したい空間を、効果的に空気調和することができる。また、0.2<Δx/Vin<0.5、0.5<Qfan/Qin<0.9の条件を満たしていると、局所的に空気調和ができるとともに、実施の形態1に示す効果と同様の効果を得ることができる。
空調吹き出し口5より吹き出された空気調和された空調吹き出し流れ8は送風吹き出し口7より吹き出された送風吹き出し流れ9と混じりあい熱交換されるため、空気調和された空調吹き出し流れ8の温度に比べると室内温度との温度差が小さくなり、高さ方向の温度分布が急激に変化しないとともに、天井付近の暑い空気を床面に吹き降ろすこともないので、部分的に暖房状態になるのも防ぐことができる。
実施の形態5.
実施の形態5では、現状の送風吹き出し口7と反対側を空気調和したい場合について、冷房時を例に説明する。現状の送風吹き出し口7より吹き出される送風吹き出し流れ9の方向に対して、180度逆の方向にある空間を空気調和したい場合には、例えば実施の形態4で示した送風吹き出し口7より吹き出される送風吹き出し流れ9の吹き出し角度θを90°<θ<180°の範囲で制御するようにする。また、空気調和された空調吹き出し流れ8を送風機2に吸い込み、空気調和された空気を送風吹き出し口7より吹き出すようにするとよい。
ここで、送風吹き出し口7より吹き出される送風吹き出し流れ9の吹き出し角度θは、実施の形態4と同様に自動的に制御可能である。制御については、例えば上述した送風側制御装置100が制御に係る処理を行う。このとき、空調吹き出し口5より吹き出された空気調和された吹き出し空気は、室温と熱交換され送風機2に吸い込まれることになり、空調吹き出し口5より吹き出された空気の一部は拡散流れ10になる。また、実施の形態1〜4で示した流れとは逆周りの循環流れ11が生じる。
送風機2の周辺を空気調和したい場合には、送風機2の吹き出し角度θを90°<θ<180°の範囲で送風機2の吹き出し角度θを小さくし、送風機2から離れた場所を空気調和したい場合には、送風機2の吹き出し角度θを90°<θ<180°の範囲で送風機2の吹き出し角度θを大きくすればよい。このとき、実施の形態2、3で示す、0.2<Δx/Vin<0.5、0.5<Qfan/Qin<0.9の条件を満たしていると、局所的に空気調和ができるとともに、実施の形態1に示す効果と同様の効果を得ることができる。
図13は送風吹き出し口7より吹き出される送風吹き出し流れ9の吹き出し角度θを90°<θ<180°の範囲で制御した場合の居住空間高さの冷房時の等温線を示す図である。0°<θ<90°の範囲で制御した場合との違いは、まず、空気調和される方向が逆方向になる。また、空調吹き出し口5より吹き出された空気調和された空調吹き出し流れ8を送風機2に吸い込むため、空調吹き出し流れ8が90°曲がりきれない。このため、空調吹き出し口5より吹き出された空調吹き出し流れ8方向に対して、送風機2よりも下流側の送風機2の吹き出し側に最小温度が発生する。
以上のように、送風吹き出し口7より吹き出される送風吹き出し流れ9の吹き出し角度θを90°<θ<180°の範囲において変更することで、現状の送風吹き出し口7と反対側を局所的に空気調和したい空間を効果的に空気調和することができる。また、0.2<Δx/Vin<0.5、0.5<Qfan/Qin<0.9の条件を満たしていると、局所的に空気調和ができるとともに、実施の形態1に示す効果と同様の効果を得ることができる。
空調吹き出し口5より吹き出された空気調和された空調吹き出し流れ8は送風吹き出し口7より吹き出された送風吹き出し流れ9と混じりあい熱交換されるため、空気調和された空調吹き出し流れ8の温度に比べると室内温度との温度差が小さくなり、高さ方向の温度分布が急激に変化しないとともに、天井付近の暑い空気を床面に吹き降ろすこともないので、部分的に暖房状態になるのも防ぐことができる。
実施の形態6.
実施の形態6では、現状の送風吹き出し口7と反対側を空気調和したい場合の実施の形態5と別の対応について、冷房時を例に説明する。現状の送風吹き出し口7より吹き出される送風吹き出し流れ9の方向に対して、180度逆の方向を空気調和したい場合には、送風機2の回転方向を逆転させる。そして、空調吹き出し口5より吹き出された空気調和された空調吹き出し流れ8を送風機2に吸い込み、空気調和された空気を送風機2の送風吹き出し口7より吹き出すようにするとよい。
ここで、送風機2の回転方向が逆転すると流れ方向が逆転する。この時、空調吹き出し口5より吹き出された空気調和された空調吹き出し流れ8は、室内の空気と熱交換されて送風機2に吸い込まれる。また、空調吹き出し口5より吹き出された空気の一部は拡散流れ10になる。また、図1などに示す実施の形態1〜4とは逆周りの循環流れ11が生じる。空気調和したい位置の制御については、実施の形態4で説明したように、送風機2の吹き出し角度θを制御するようにすればよい。
送風機2を逆回転させた場合の居住空間高さの冷房時の等温線は、図13と同様になる。実施の形態1などで示した送風機2を正回転した場合(送風機2の送風吹き出し流れ9が空調吹き出し口5から吹き出された空調吹き出し流れ8に向かって流れる場合)との違いは、まず、空気調和される方向が逆方向になる。また、空調吹き出し口5より吹き出された空気調和された空調吹き出し流れ8を送風機2に吸い込むため、空調吹き出し流れ8が90°曲がりきれない。このため、空調吹き出し口5より吹き出された空調吹き出し流れ8方向に対して、送風機2よりも下流側の送風機2の吹き出し側に最小温度が発生する。この正回転、逆回転については、実施の形態4に示したセンシングを適用すれば自動制御を行うことも可能である。
以上のように、実施の形態6の空気調和システムでは、現状の送風機2の回転方向を逆回転に制御できるようにしたので、現状の送風吹き出し口7と反対側を局所的に空気調和したい空間を効果的に空気調和することができる。また、0.2<Δx/Vin<0.5、0.5<Qfan/Qin<0.9の条件を満たしていると、局所的に空気調和ができるとともに、実施の形態1に示す効果と同様の効果を得ることができる。
また、空調吹き出し口5より吹き出された空気調和された空調吹き出し流れ8は送風吹き出し口7より吹き出された送風吹き出し流れ9と混じりあい熱交換されるため、空気調和された空調吹き出し流れ8の温度に比べると室内温度との温度差が小さくなり、高さ方向の温度分布が急激に変化しないとともに、天井付近の暑い空気を床面に吹き降ろすこともないので、部分的に暖房状態になるのも防ぐことができる。
実施の形態7.
実施の形態7では、送風機2が空調吹き出し流れ8の方向に並んだ複数の送風手段2a、2bを有し、送風手段2a、2bを個別に制御して運転することができる空気調和システムについて、冷房時を例に説明する。制御については、例えば上述した送風側制御装置100が制御に係る処理を行う。本実施の形態では、局所的に空気調和を行いたい場合について説明する。空気調和装置1と送風機2との位置などについては、実施の形態1などと同様に、空調吹き出し流れ8と送風吹き出し流れ9とが略直交し、流れが拡散可能な範囲に配置するようにする。
図14は実施の形態7に係る送風機2の構成を示す図である。前述したように、本実施の形態の空気調和システムでは、送風機2は空調吹き出し流れ8の方向に並んだ複数の送風手段2a、2b(図14では2台)を有している。送風手段2a、2bは、送風機2内で送風を行う手段である。本実施の形態においては、空気調和装置1から近い位置にある方を送風手段2aとし、遠い位置にある方を送風手段2bとする。送風手段2a、2bは個別に駆動制御を行えるものとする。また、例えば実施の形態6で示したように、正回転だけでなく逆回転も行うことができるものとする。
例えば、局所的に空気調和したい場所と空気調和したくない場所が隣接していた場合には、空気調和したい場所側の送風機を運転させ、局所的に空気調和したくない場所側の送風機を停止させるように制御することで、室内において、きめ細かな空気調和を行うことが可能になる。また、一部の送風手段を正回転で運転し、他の送風手段2aを逆回転で運転することで、方向が一致していない箇所に対して同時に空気調和を行うようなことも可能になる。これらの制御を自動的に行うことも可能である。
図15は送風手段2aを正回転で運転し、送風手段2bを停止した場合の居住空間高さにおける冷房時の等温線の一例を示す図である。また、図16は、送風手段2aを停止し、送風手段2bを正回転で運転した場合の居住空間高さにおける冷房時の等温線の一例を示す図である。図15および図16に示すように、送風手段2a、2bの一方を正回転で運転し、他方を停止させることにより、室内において送風吹き出し流れ9の位置が変わり、空気調和を行う位置を変化させることができる。
図17は送風手段2aを逆回転で運転し、送風手段2bを停止した場合の居住空間高さにおける冷房時の等温線の一例を示す図である。また、図18は、送風手段2aを停止し、送風手段2bを逆回転で運転した場合の居住空間高さにおける冷房時の等温線の一例を示す図である。図17および図18に示すように、送風手段2a、2bの一方を逆回転で運転し、他方を停止させることによっても、室内において送風吹き出し流れ9の位置が変わり、空気調和を行う位置を変化させることができる。
図19は送風手段2aを逆回転で運転し、送風手段2bを正回転で運転した場合の居住空間高さにおける冷房時の等温線の一例を示す図である。図19に示すように、室内の離れた2カ所に対して同時に空気調和を行うことができる。
以上のように、送風機2の中に複数の送風手段2a、2bを有し、送風手段2a、2bを個別に駆動制御できるようにしたので、局所的な空気調和をきめ細かく行うことができる。また、0.2<Δx/Vin<0.5、0.5<Qfan/Qin<0.9の条件を満たしていると、局所的に空気調和ができるとともに、実施の形態1に示す効果と同様の効果を得ることができる。
空調吹き出し口5より吹き出された空気調和された空調吹き出し流れ8は送風吹き出し口7より吹き出された送風吹き出し流れ9と混じりあい熱交換されるため、空気調和された空調吹き出し流れ8の温度に比べると室内温度との温度差が小さくなり、高さ方向の温度分布が急激に変化しないとともに、天井付近の暑い空気を床面に吹き降ろすこともないので、部分的に暖房状態になるのも防ぐことができる。
実施の形態8.
実施の形態8においては、送風機2を複数台有する空気調和システムについて、冷房時を例に説明する。上述した実施の形態1〜7は、送風機2を1台設置していたが、例えば複数台の送風機2を設置すれば、より効果的に空気調和を行うことが可能になる。空気調和装置1と送風機2との位置などについては、実施の形態1などと同様に、空調吹き出し流れ8と送風吹き出し流れ9とが略直交し、流れが拡散可能な範囲に配置するようにする。
図20はこの発明の実施の形態8における空気調和システムを設置した室内の平面図である。図20に示すように送風機2が例えば2台あった場合、1台は実施の形態1〜7で説明した位置とし、もう1台は前記の1台に対して空気調和装置1を中心として略点対称の位置に設置する。ここで、本実施の形態では、各送風機2の送風吹き出し口7から吹き出される送風吹き出し流れ9は、実施の形態1などで説明したように、空調吹き出し口5から吹き出される空調吹き出し流れ8と衝突させて拡散させる方向に流れるものとする。
前述したように、空調吹き出し口5から吹き出される空調吹き出し流れ8は2方向に流れる。それぞれの空調吹き出し流れ8に対し、2台の送風機2により、略直交する方向から送風吹き出し流れ9を衝突させることで、空調吹き出し流れ8の両方に対して、拡散流れ10が発生するとともに、循環流れ11も送風機2が1台の場合よりも活性化する。
以上のように、実施の形態8の空気調和システムによれば、送風機2を2台使用して、1台は実施の形態1〜7の位置、他方は前記の1台に対して空気調和装置1を中心とした略点対称の位置に配置することで、空調吹き出し口5から吹き出される空調吹き出し流れ8の両方に対して、拡散流れ10が発生するとともに、循環流れ11も送風機2が1台の場合よりも活性化することができる。このため、ΔTave、ΔTmin、ΔTを改善することができ、実施の形態1に示す効果と同様の効果を得ることができる。これらのことより、快適性を向上させつつ、消費するエネルギーを減らすことが可能である。
空調吹き出し口5より吹き出された空気調和された空調吹き出し流れ8は送風吹き出し口7より吹き出された送風吹き出し流れ9と混じりあい熱交換されるため、空気調和された空調吹き出し流れ8の温度に比べると室内温度との温度差が小さくなり、高さ方向の温度分布が急激に変化しないとともに、天井付近の暑い空気を床面に吹き降ろすこともないので、部分的に暖房状態になるのも防ぐことができる。
実施の形態9.
上述した実施の形態1〜8では、空気調和装置1と送風機2との位置関係について説明した。本実施の形態では、空気調和装置1、送風機2を設置している室内との関係について、特に空調吹き出し口5から吹き出される空調吹き出し流れ8の流れ方向の壁による影響などについて説明する。
例えば、空調吹き出し口5から吹き出される空調吹き出し流れ8が流れる方向の壁が近くにあると、空調吹き出し口5から吹き出される空調吹き出し流れ8が、壁により曲げられ拡散流れ10が促進される。
一方で、空調吹き出し口5から吹き出される空調吹き出し流れ8が流れる方向の壁が近すぎると、拡散流れ10は壁近傍にだけ発生するため、拡散効果は小さくなる。その代わりに循環流れ11が促進される。
また、送風吹き出し口7から吹き出される送風吹き出し流れ9が流れる方向の壁による影響については、送風吹き出し流れ9の流れる方向の壁が近くにあると、送風吹き出し流れ9が壁により曲げられるため、循環流れ11が促進される。
以上のように、空気調和装置1、送風機2が設置されている空間に壁がある場合には、空調吹き出し口5から吹き出される空調吹き出し流れ8や、送風吹き出し口7から吹き出される送風吹き出し流れ9が、壁の影響を受けて、効果的に拡散流れ10、循環流れ11が生成されることになる。
実施の形態10.
上述した実施の形態1などにおいては、空気調和装置1は、2つの空調吹き出し口5から2方向の空調吹き出し流れ8を形成していたが、特に限定するものではなく、例えば1方向、3方向、4方向に空調吹き出し流れ8を形成するようにしてもよい。そして、空調吹き出し口5に合わせて送風機2を設置するようにしてもよい。
また、送風機2の送風吸い込み口6と送風吹き出し口7とが略直線上に並んでいるものとして説明したが、特に限定するものではない。また、上述した実施の形態では冷房運転を例に説明したが、暖房運転についても適用することができる。
送風機2の風量などの制御を送風側制御装置100が行うようにし、送風機2が有するものとしたが、これに限定するものではない。例えば、送風機2だけでなく、リモートコントローラ、空気調和装置1を構成する室内機、室外機などの機器が有するようにしてもよい。
さらに、上述の実施の形態では特に言及していないが、送風機2に、例えば、加湿フィルター、空気清浄フィルター、香り搬送フィルター(アロマオイルなどによる香りを部屋に満たしたい場合などに用いるフィルター)、補助ヒーターなどを設置することができる。また、各機器単品での風速分布や温度分布の情報を制御手段の機器にもたせ、空気調和装置、送風機2の位置情報と照合し、空気調和装置1と送風機2の運転(風向き、風量など)を制御するようにしてもよい。
また、室内の空気調和を行う際、例えば社員証などに埋め込まれたICタグに好みの空気調和情報、座席位置などのデータを記憶させておき、室内にいる人の非接触通信で人の位置情報、好み空気調和を認識し、例えば、送風手段2aなどを決定するなど、風の吹き分けなどを行うようにしてもよい。さらに、例えば社員証などに温度計などを有し、温度のデータをICタグに記憶させるようにする。この温度のデータを含む信号を受信などし、温度のデータに基づいて、送風側制御装置100などが空気調和制御を行うようにしてもよい。ここで、温度センサー、人感センサーなどを併用して利用し、領域を細かく制御などすることもできる。
そして、送風機2が水平方向にも回転可能にしてもよい。例えば空気調和装置1による空調吹き出し流れ8方向に対してもっと遠くを空気調和する、より細かな位置での局所的な空気調和が可能になる。
1 空気調和装置、2 送風機、2a,2b 送風手段、3 空調吸い込み口、4 熱交換部、5 空調吹き出し口、6 送風吸い込み口、7 送風吹き出し口、8 空調吹き出し流れ、9 送風吹き出し流れ、10 拡散流れ、11 循環流れ、100 送風側制御装置、101 移動手段、102 空調側制御装置。

Claims (10)

  1. 空気調和が行われる空調対象空間の上部にあって、空気調和した空気を吹き出すための空調吹き出し口を有する空気調和装置と、
    前記空調対象空間の空気を吸い込んで送風吹き出し口から吹き出す送風機と
    を備え、
    該送風機について、高さ方向においては、前記送風吹き出し口が前記空調吹き出し口とほぼ同じ高さに位置するように、また、水平方向においては、前記送風吹き出し口から吹き出す空気の流れが、前記空気調和装置の空調吹き出し口から吹き出される空気の空調吹き出し流れと略直交する位置となり、互いの空気を衝突させて空気を拡散させる流れが生じるように配置することを特徴とする空気調和システム。
  2. 空気調和が行われる空調対象空間の上部にあって、空気調和した空気を吹き出すための空調吹き出し口を有する空気調和装置と、
    前記空調対象空間の空気を吸い込んで送風吹き出し口から吹き出す送風機と
    を備え、
    該送風機について、高さ方向においては、前記送風吹き出し口が前記空調吹き出し口とほぼ同じ高さに位置するように、また、水平方向においては、前記送風吹き出し口から吹き出す空気の流れが、前記空気調和装置の空調吹き出し口から吹き出される空気の空調吹き出し流れと略直交する位置となるように配置し、
    前記空調吹き出し流れの方向における前記空気調和装置と前記送風機との間の距離Δxと、前記空気調和装置が吹き出す空気の風速Vinとについて、0.2<Δx/Vin<0.5を満たすように、前記風速の制御、前記送風機の位置の少なくとも一方を制御することを特徴とする空気調和システム。
  3. 前記送風機を前記空調吹き出し流れの方向に移動させることができる移動手段をさらに備えることを特徴とする請求項に記載の空気調和システム。
  4. 前記空気調和装置が吹き出す空気による風量Qinに対し、前記送風機が吹き出す空気による風量Qfanとの関係が、0.5<Qfan/Qin<0.9となるように、前記送風機を制御することを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の空気調和システム。
  5. 前記送風機が吹き出す空気の、前記高さ方向における角度を変更可能とすることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の空気調和システム。
  6. 前記送風機が、前記空気調和装置から吹き出される空気とを混じり合わせて熱交換させるように空気を吹き出すようにすることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の空気調和システム。
  7. 前記送風機は、前記空気調和装置から吹き出される空気を吸い込んで吹き出すことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の空気調和システム。
  8. 前記送風機は、前記空調吹き出し流れの方向に並び、個別に制御可能な複数の送風手段を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の空気調和システム。
  9. 前記空調対象空間に複数台の送風機を設けることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の空気調和システム。
  10. 前記空気調和装置の運転に連動させて前記送風機を運転することを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の空気調和システム。
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