JP7066949B2 - 手術室空調システム - Google Patents

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Description

本発明は、手術室空調システムに関する。
特許文献1には、術者と患者に最適な温熱環境を与える空調システムとして、患者領域の上方に中央吹出ユニットを設け、術者領域の上方に周囲吹出ユニットを設けた構成が開示されている。また、この特許文献1では、中央吹出ユニットから吹き出される空気の速度の方が周囲吹出ユニットから吹き出される空気の速度よりも大きくなっている。さらに、中央吹出ユニットから吹き出される空気の温度の方が周囲吹出ユニットから吹き出される空気の温度よりも高く、室温程度に設定されている。
特許文献2には、患者に向けて暖気を吹き出す患者向吹出口と、この患者向吹出口の両側で施術者に向けて冷気を吹き出す施術者向吹出口とが設けられた空調システムが開示されている。また、この特許文献2では、施術者向吹出口から吹き出す冷気の速度を患者向吹出口から吹き出す暖気の速度よりも速くしている。
特許文献3では、手術台の天井部から浄化された空気を吹き出すHEPAフィルタ内蔵吹出口と、このHEPAフィルタ内蔵吹出口の周囲からより遅い速度で空気を吹き出すHEPAフィルタ内蔵エアーカーテン吹出口とを備えた空調システムが開示されている。
特開2015-164700号公報 特開2016-106987号公報 特開2011-226770号公報
上記特許文献1及び上記特許文献2のように、手術台上の患者へ送風される空気の温度と、手術を行う術者へ送風される空気の温度とを異なる温度とすることで、患者と術者の両者にとって適切な温熱環境を構築することが可能となる。しかしながら、温風を手術台(被術者領域)まで到達させるためには、温度成層場に逆らう高速な気流を発生させる必要があり、周囲の清浄度が低い空気を巻き込むことが考えられる。一方、上記特許文献3のように手術台の周囲にエアーカーテン吹出口から浄化された空気をエアーカーテンとして吹出すことで、手術台の周囲の清浄度を確保しやすくなる。しかしながら、患者と術者とで同一の温熱環境しか構築できない。すなわち、患者と術者の両者にとって適切な温熱環境を構築しつつ、清浄度を確保する観点から改善の余地がある。
本発明は、上記の事実を考慮し、患者と術者の両者にとって適切な温熱環境を構築しつつ、清浄度を確保することができる手術室空調システムを提供することを目的とする。
請求項1に記載の手術室空調システムは、手術室の天井における被術者領域の上方に配置され、前記被術者領域へ向けて温風を送風する第1吹出部と、前記第1吹出部の周囲に配置され、前記被術者領域の周囲の術者領域へ向けて前記温風よりも低温の冷風を送風する第2吹出部と、前記第2吹出部の周囲に前記第2吹出部に沿って平面視で枠状に配置され、前記温風及び前記冷風よりも大きい速度で前記術者領域よりも外側の領域へ向けて送風する第3吹出部と、を有する。
請求項1に記載の手術室空調システムによれば、手術室の天井における被術者領域の上方には第1吹出部が配置されており、この第1吹出部から被術者領域へ向けて温風が送風される。また、第1吹出部の周囲には第2吹出部が配置されており、この第2吹出部から術者領域へ冷風が送風される。ここで、第2吹出部から送風される冷風は、第1吹出部から送風される温風よりも低温となっている。これにより、例えば、手術台上の患者とその周囲の術者の両者にとって適切な温熱環境を構築することができる。
また、第2吹出部の周囲には、この第2吹出部に沿って第3吹出部が配置されており、この第3吹出部は、第1吹出部からの温風及び第2吹出部からの冷風よりも大きい速度で、術者領域よりも外側の領域へ向けて送風させる。これにより、第3吹出部から送風された空気がエアバリア(エアカーテン)として機能し、被術者領域の近傍に清浄空間を確保することができる。
請求項2に記載の本発明に係る手術室空調システムは、請求項1に記載の手術室空調システムであって、前記第1吹出部は、前記被術者領域の中央部へ向けて高速で前記温風を送風する高速吹出口と、前記術者領域の周辺部へ向けて前記高速吹出口からの前記温風よりも低速で前記温風を送風する低速吹出口とを備えている。
請求項2に記載の本発明に係る手術室空調システムによれば、高速吹出口から被術者領域の中央部へ向けて高速で温風が送風され、低速吹出口から被術者領域の周辺部へ向けて低速で温風が送風される。これにより、換気風量の増加を抑制しつつ、被術者領域へ確実に温風を到達させることができる。
請求項3に記載の本発明に係る手術室空調システムは、請求項1又は2に記載の手術室空調システムであって、前記第3吹出部は、鉛直方向に対して前記術者領域から離間する方向へ斜めに送風する。
請求項3に記載の本発明に係る手術室空調システムによれば、第3吹出部から高速で斜めに送風させることにより、送風された空気が床に到達した場合であっても、気流が被術者領域及び術者領域の外側へ巻き上げられることとなり、被術者領域及び術者領域広く確保することができる。
以上説明したように、本発明に係る手術室空調システムによれば、患者と術者の両者にとって適切な温熱環境を構築しつつ、清浄度を確保することができる。
実施形態に係る手術室空調システムが適用された手術室を示す斜視図である。 図1の手術室の立面図である。 第1吹出部を拡大して示す拡大図である。 図1の手術室内の温度分布を示す図である。 実施形態の変形例に係る手術室空調システムが適用された、図1に対応する立面図である。 比較例に係る手術室を示す立面図である。 図5の手術室内の温度分布を示す図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係る手術室空調システムについて説明する。図1に示されるように、本発明に係る手術室空調システム10が適用された手術室12には、手術台14が設けられている。
本実施形態の手術台14は、手術室12内の中央部に設けられており、図2に示されるように、手術台14は、脚部14Aと平板部14Bとを含んで構成されている。脚部14Aは、手術室12の床面16に立設されており、この脚部14Aによって平板部14Bが支持されている。また、平板部14Bは、平面視で紙面奥行き方向が長手方向とされた略矩形板状に形成されており、この手術台14の平板部14B上に患者Pが横になっている。このため、患者Pは、手術室12の床面16よりも高い位置に寝かせられており、この手術台14の平板部14B及びその近傍の領域が本発明における「被術者領域」に相当する。
図1に示されるように、手術台14の周囲には術者Dが立っており、この術者Dによって患者Pへの施術が行われる。このため、術者Dが立っている手術台14の周囲の領域が本発明における「術者領域」に相当する。すなわち、被術者領域の周囲の領域が術者領域となっている。
手術台14の上方には、無影灯17が配置されている。また、手術台14の周囲には、熱源となる医療機器19、21が配置されている。さらに、手術室12の壁面には、モニタなどの表示装置23A、23B、23C、23Dが設けられている。また、手術室12の天井には照明25が設けられている。
本実施形態に係る手術室空調システム10は、主として、第1吹出部18、第2吹出部20及び第3吹出部22を含んで構成されている。以下、それぞれの吹出部の詳細について説明する。
第1吹出部18は、手術室12の天井13に設けられており、特に天井13における手術台14の上方に配置されている。すなわち、第1吹出部18は、天井13における被術者領域の上方に配置されており、本実施形態では一例として、手術台14の平板部14Bの長手方向に延在されている。
図2に示されるように、第1吹出部18には、ダクト26の一端部が接続されており、このダクト26の他端部は、第1空調機28に接続されている。すなわち、第1吹出部18と第1空調機28とがダクト26によって連結されている。
第1空調機28は、第1送風機34を備えており、この第1送風機34が作動することで、第1送風機34からダクト26へ空気が送り込まれるようになっている。また、第1空調機28は、電気ヒータ30及び加熱冷却コイル32を備えており、この電気ヒータ30及び加熱冷却コイル32によって所定の温度に加熱又は冷却された空気を第1送風機34でダクト26へ送り込むように構成されている。なお、本実施形態では一例として、第1吹出部18から27℃の温風が被術者領域へ向けて吹き出されるように温度調整が行われている。
また、本実施形態では、第1吹出部18から異なる二種類の速度で温風が吹き出されるように構成されている。具体的には、図3に示されるように、第1吹出部18には、下方側へ開口されており、この開口が中央プレート36及び周辺プレート38によって閉塞されている。
中央プレート36及び周辺プレート38はそれぞれ、メッシュ状の板材やパンチングメタルなどによって形成されており、温風が吹き出されるための貫通孔36A、38Aが複数形成されている。ここで、中央プレート36は、第1吹出部18の中央部に設けられており、この中央プレート36の開口率は、周辺プレート38の開口率よりも大きくなっている。例えば、本実施形態では、中央プレート36及び周辺プレート38に形成された貫通孔36A、38Aの大きさは同じとなっており、中央プレート36に形成された貫通孔36Aの数が周辺プレート38に形成された貫通孔38Aの数よりも多くなっている。
このように構成することで、中央プレート36から術者領域の中央部へ向けて高速で温風が送風される。すなわち、中央プレート36が設けられた部位は、第1吹出部18における高速吹出口となり、本実施形態では0.41m/sで送風されるように調整されている。
一方、周辺プレート38から術者領域の周辺部へ向けて、中央プレート36(高速吹出口)から送風される温風よりも低速で温風が送風される。すなわち、周辺プレート38が設けられた部位は、第1吹出部18における低速吹出口となり、本実施形態では0.22m/sで送風されるように調整されている。
また、第1吹出部18には、HEPA(High Efficiency Particulate Air)フィルタ40が設けられており、このHEPAフィルタ40を通過したクリーンエアーが手術室12内へ送風されるように構成されている。
図1に示されるように、第1吹出部18の周囲には第2吹出部20が配置されている。本実施形態では、第2吹出部20は、第1吹出部18の周囲に4つ設けられており、それぞれの第1吹出部18と隣り合うようにして配置されている。具体的には、第1吹出部18の長手方向の一端部に第1吹出部18を挟むようにして2つの第2吹出部20が配置されている。また、第1吹出部18の長手方向の他端部にも同様に、第1吹出部18を挟むようにして2つの第2吹出部20が配置されている。そして、これらの第2吹出部20から術者領域へ冷風が送風される。
なお、隣り合う第2吹出部20の間には、無影灯17の取付部24が設定されており、この取付部24から無影灯17が吊り下げられている。
図2に示されるように、第2吹出部20には、第1吹出部18と同様のHEPAフィルタ40が設けられている。また、第2吹出部20には、ダクト42の一端部が接続されており、このダクト42の他端部は、第2空調機44に接続されている。すなわち、第2吹出部20と第2空調機44とがダクト42によって連結されている。
第2空調機44は、第2送風機46を備えており、この第2送風機46が作動することで、第2送風機46からダクト42へ空気が送り込まれるようになっている。また、第2空調機44は、電気ヒータ48及び加熱冷却コイル50を備えており、この電気ヒータ48及び加熱冷却コイル50によって所定の温度に加熱又は冷却された空気を第2送風機46でダクト42へ送り込むように構成されている。
なお、本実施形態では一例として、第2吹出部20から20℃の冷風が術者領域へ向けて吹き出されるように温度調整が行われている。すなわち、第2吹出部20は、被術者領域へ向けて第1吹出部18から吹き出される温風よりも低温の冷風を送風させるように構成されている。また、第2吹出部20からの送風の速度は、0.34m/sとされている。
図1に示されるように、第2吹出部20の周囲には、第3吹出部22が配置されている。第3吹出部22は、第2吹出部20に沿って配置されており、本実施形態では一例として、4つの第2吹出部20を囲むように4つの第3吹出部22が平面視で略矩形枠状に配置されている。なお、ここでいう「枠状」とは、隣り合う第3吹出部22の隙間を無くして完全に連続する枠体とした構成に限定されず、隣り合う第3吹出部22の間に設計上の隙間が設けられた構成を含む概念である。
図2に示されるように、第3吹出部22は、第1吹出部18及び第2吹出部20よりも筐体が小さく、スリット式の吹出部とされている。また、第3吹出部22の吹出口(不図示)は、鉛直方向に対して術者領域から離間する方向に向かって形成されており、第3吹出部22から術者領域よりも外側の領域へ向けて斜めに送風されるように構成されている。
第3吹出部22には、ダクト52の一端部が接続されており、このダクト52の他端部は、第3空調機54に接続されている。すなわち、第3吹出部22と第3空調機54とがダクト42によって連結されている。
第3空調機54は、第3送風機56を備えており、この第3送風機56が作動することで、第3送風機56からダクト52へ空気が送り込まれるようになっている。また、第3空調機54は、加熱冷却コイル58を備えており、この加熱冷却コイル58によって所定の温度に加熱又は冷却された空気を第3送風機56でダクト52へ送り込むように構成されている。なお、本実施形態では一例として、第3吹出部22から17℃の冷風が術者領域よりも外側の領域へ向けて吹き出されるように構成されている。
ここで、第3吹出部22は、第1吹出部18からの温風及び第2吹出部20からの冷風よりも大きい速度で送風するように構成されており、本実施形態では0.78m/sで送風されるように構成されている。
また、ダクト52にはHEPAフィルタ40が設けられており、このHEPAフィルタ40を通過したクリーンエアーが手術室12内へ送風される。
(作用及び効果)
次に、本実施形態の手術室空調システム10の作用及び効果について説明する。本実施形態では、第2吹出部20から送風される冷風は、第1吹出部18から送風される温風よりも低温となっている。これにより、手術台14上の患者Pとその周囲の術者Dの両者にとって適切な温熱環境を構築することができる。
具体的には、手術台14上の患者Pに対して適切な熱温環境と、術者Dに対して適切な熱温環境は異なっている。すなわち、術者Dは、着衣量が多いことに加えて、施術時の動作が多いため、活動量が多くなり、室温では暑熱感が生じる場合があるのに対して、患者Pは、着衣量が少なく、動作をしない又は動作が少ないため、室温では寒冷感が生じる場合がある。ここで、本実施形態のように患者Pのいる被術者領域へ温風を送風し、術者Dがいる術者領域へ冷風を送風することで、両者にとって適切な温熱環境を構築することができる。
また、本実施形態では、第2吹出部20に沿って略枠状に第3吹出部22が配置されており、第1吹出部18からの温風及び第2吹出部20からの冷風よりも大きい速度で、第3吹出部22から術者領域よりも外側の領域へ向けて送風される。これにより、第3吹出部22から送風された空気をエアバリア(エアカーテン)として機能させることができる。
この効果について、比較例の構成と比較して説明する。図6に示される比較例の手術室空調システム100を備えた手術室102は、本実施形態と同じ大きさかつ同じ構成とされている。そして、手術室102の中央部に手術台104が設けられており、この手術台104上に患者Pが横になっている。また、手術台104の周囲には術者Dが立っており、この術者Dによって患者Pへの施術が行われる。
ここで、手術室102の天井103には吹出部106設けられている。吹出部106は、本実施形態の第1吹出部18及び第2吹出部20を合せた形状とされており、手術台104及び術者Dの上方に配置されている。また、吹出部106にはHEPAフィルタ124が設けられている。
吹出部106には、ダクト108の一端部及びダクト110の一端部が接続されており、ダクト108の他端部が空調機112に接続されている。また、ダクト110の他端部が空調機118に接続されている。すなわち、吹出部106と空調機112とがダクト108によって連結されており、吹出部106と空調機118とがダクト110によって連結されている。
空調機112は、送風機114を備えており、この送風機114が作動することで、送風機114からダクト108へ空気が送り込まれるようになっている。また、空調機112は、加熱冷却コイル116を備えており、この加熱冷却コイル116によって所定の温度に加熱又は冷却された空気を送風機114でダクト108へ送り込むように構成されている。
空調機118は、送風機120を備えており、この送風機120が作動することで、送風機120からダクト110へ空気が送り込まれるようになっている。また、空調機118は、加熱冷却コイル122を備えており、この加熱冷却コイル122によって所定の温度に加熱又は冷却された空気を送風機120でダクト110へ送り込むように構成されている。
ここで、比較例の手術室空調システム100では、吹出部106から被術者領域及び術者領域へ向けて17℃の冷風を0.43m/sで送風している。すなわち、被術者領域と術者領域とで送風する空気の温度を変化させていない点で本実施形態と異なっている。また、比較例の手術室空調システム100では、エアバリア機能を備えた吹出部は設けられていない。
以上の構成とされた比較例の手術室空調システム100の温度分布について、図7を参照して説明する。図7は、比較例における手術室空調システム100が適用された手術室102の温度分布をシミュレーションで算出したものである。なお、吹出部106からの送風量は4800CMHとしている。
図7では、温度の分布を濃淡で示しており、濃い部分ほど温度が高いことを示している。そして、最も高い領域Wが30℃前後であり、次に濃い領域Xが26℃前後である。また、図中で三番目に濃い領域Yが23℃前後であり、最も淡い領域Zが20℃以下となっている。
この図7に示されるように、手術室102の下部は全体的に温度が領域Zの20℃以下となっている。ここで、術者Dは、患者Pや他の周囲の看護師等と比較して着衣量が多く、動作も多いため、適温となっている。一方、患者Pは、着衣量が少なく、動作をしない又は動作が少ないため、図7の温度分布では寒冷感が生じる場合がある。すなわち、患者Pと術者Dの両者にとって適切な温熱環境を構築する観点で改善の余地がある。
これに対して、本実施形態に係る手術室空調システム10が適用された手術室12の温度分布を図4参照して説明する。図4は、手術室12の温度分布をシミュレーションで算出したものである。ここで、第1吹出部18の高速吹出口及び低速吹出口から送風される温風の速度はそれぞれ、0.41m/s及び0.22m/sであり、送風量は1440CMH(m/h)としている。また、第2吹出部20から送風される冷風の速度はそれぞれ、0.34m/sであり、送風量はそれぞれ1320CMHである。さらに、第3吹出部22から送風される空気の速度は、0.78m/sであり、送風量は1200CMHである。
ここで、図4では、図7と同様に温度の分布を濃淡で示しており、濃い部分ほど温度が高いことを示している。そして、最も高い領域Wが30℃前後であり、次に濃い領域Xが26℃前後である。また、最も淡い領域Zが20℃以下であり、この20℃以下の領域よりも濃い領域Y(図中で三番目に濃い領域)が23℃前後である。
この図4に示されるように、手術室12の天井13から患者Pまで26℃前後の温度の空気が分布している。これにより、第1吹出部18から吹き出された温風の縮流現象が抑えられており、患者Pまで温風が到達していることが分かる。なお、ここでいう「縮流」とは、気流の速い場所において周囲の空気を誘引する気流が生じることで、吹き出し口から距離が離れるにつれて空気(温風)の到達する範囲が狭くなる現象を指す。図4を見ると、天井13の吹き出し口の部分の温風の範囲と、患者Pの位置における温風の範囲が殆ど同じ範囲となっていることが分かる。
一方で、領域Zを見ると、第2吹出部20から吹き出された冷風が術者Dの近傍まで到達している。すなわち、第3吹出部22から送風された空気をエアバリア(エアカーテン)として機能させることで、被術者領域及び術者領域における気流の乱れが抑制されていることが分かる。このようにして、患者と術者の両者にとって適切な温熱環境を構築することができる。
また、清浄度の分布について図示はしないが、上述したように第3吹出部22から送風された空気をエアバリアとして機能しているため、被術者領域における清浄度が確保されている。これは、第1吹出部18から吹き出されたクリーンエアーの温風が患者Pまで到達していることからも、外部の異物を含む空気の混入が抑制されていることが確認できる。このようにして、患者Pと術者Dの両者にとって適切な温熱環境を構築しつつ、清浄度を確保することができる。
また、本実施形態では、図3に示されるように、第1吹出部18において中央プレート36の開口率が周辺プレート38の開口率よりも大きくなっており、中央プレート36が設けられた部位が第1吹出部18における高速吹出口となっている。また、周辺プレート38が設けられた部位が第1吹出部18における低速吹出口となっている。このように、第1吹出部18からの送風の速度を二段階とすることにより、換気風量の増加を抑制しつつ、被術者領域へ確実に温風を到達させることができる。すなわち、第1吹出部18の全体から高速で送風する構成と比較して、省エネルギー化を図ることができる。
さらに、本実施形態では、図2に示されるように、第3吹出部22から高速で斜めに送風させている。これにより、送風された空気が床面16に到達した場合であっても、気流が被術者領域及び術者領域の外側へ流れることとなり、被術者領域及び術者領域を広く確保することができる。
さらにまた、本実施形態では、図1に示されるように、第2吹出部22を4つの第2吹出部20を囲むように4つの第3吹出部22が平面視で略矩形枠状に配置されているため、術者領域の外側から空気が入り込むのを効果的に抑制することができる。
なお、本実施形態では、第1吹出部18を高速吹出口及び低速吹出口を備えた吹出部としたが、これに限定されない。例えば、図5に示される変形例の構成としてもよい。
(変形例)
図5に示されるように、本変形例の手術室空調システム60は、第1吹出部62を除いて第1実施形態と同様の構成である。
第1吹出部62は、実施形態の第1吹出部18と同様に手術室12の天井13に設けられており、特に天井13における手術台14の上方に配置されている。すなわち、第1吹出部62は、天井13における被術者領域の上方に配置されている。また、第1吹出部62にはダクト26の一端部が接続されており、このダクト26の他端部は、第1空調機28に接続されている。
ここで、本変形例の第1吹出部62の吹出口には、メッシュ状の板材やパンチングメタルなどによって形成されたプレート(不図示)が取り付けられており、このプレートの開口率は、第1吹出部62の全面で同じ開口率とされている。そして、本変形例では一例として、第1吹出部62から0.32m/sの速度で30℃の温風を送風するように構成されている。
一方、第2吹出部20では、この第1吹出部62からの温風よりも低温の冷風を術者領域へ送風するように構成されており、本変形例では一例として、第2吹出部20から17℃の冷風を送風するように構成されている。さらに、第3吹出部22からは17℃の冷風が被術者領域よりも外側の領域へ向けて吹き出されるように構成されている。
本変形例では、上記のように被術者領域へ温風を送付し、術者領域には冷風を送風することで、実施形態と同様に手術台上の患者Pとその周囲の術者Dの両者にとって適切な温熱環境を構築することができる。また、第3吹出部22から送風された空気がエアバリア(エアカーテン)として機能し、被術者領域の近傍に清浄空間を確保することができる。
以上、本発明の実施形態及び変形例について説明したが、本発明はこうした実施形態等に限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。例えば、上記実施形態では、図1に示されるように、第2吹出部20を囲むように4つの第3吹出部22を略矩形枠状に配置したが、他の配置構造を採用してもよい。すなわち、第2吹出部20に沿って第3吹出部22が配置されていればよく、互いに対向するように2つの第3吹出部22のみが配置された構成としてもよい。この場合であっても、第3吹出部22が配置されていない構成と比較して、エアバリアの機能を発揮することができる。
また、上記実施形態では、隣り合う第2吹出部20の間に無影灯17の取付部24を設定したが、これに限定されない。例えば、無影灯17の取付部を第3吹出部22よりも外側に設定し、取付部24が設定されている部分にさらに第2吹出部20を配置してもよい。こうすれば、第1吹出部18に沿って第2吹出部20が片側3つずつ配置され、術者領域への送風を効果的に行うことができる。
10 手術室空調システム
12 手術室
18 第1吹出部
20 第2吹出部
22 第3吹出部
60 手術室空調システム
62 第1吹出部

Claims (3)

  1. 手術室の天井における被術者領域の上方に配置され、前記被術者領域へ向けて温風を送風する第1吹出部と、
    前記第1吹出部の周囲に配置され、前記被術者領域の周囲の術者領域へ向けて前記温風よりも低温の冷風を送風する第2吹出部と、
    前記第2吹出部の周囲に前記第2吹出部に沿って平面視で枠状に配置され、前記温風及び前記冷風よりも大きい速度で前記術者領域よりも外側の領域へ向けて送風する第3吹出部と、
    を有する手術室空調システム。
  2. 前記第1吹出部は、前記被術者領域の中央部へ向けて高速で前記温風を送風する高速吹出口と、前記術者領域の周辺部へ向けて前記高速吹出口から送風される前記温風よりも低速で前記温風を送風する低速吹出口とを備えている請求項1に記載の手術室空調システム。
  3. 前記第3吹出部は、鉛直方向に対して前記術者領域から離間する方向へ斜めに送風する請求項1又は2に記載の手術室空調システム。
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