JP6620219B2 - アルカノールアミン類の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、アルカノールアミン類の製造方法に関する。
エチレンオキシドとアンモニアとの反応でエタノールアミン類を工業的に製造する方法としては、エチレンオキシド(EO)とアンモニア水(安水)とを反応させる方法(安水法)やゼオライト触媒を用いてエチレンオキシド(EO)と液体アンモニアとを反応させる方法(触媒法)が知られている(例えば、特開2005−8536号公報)。
このうち、安水法では、水が触媒となり、アンモニアに対するエチレンオキシドの割合(EO/NHのモル比)を変更することによって、モノエタノールアミン(MEA)、ジエタノールアミン(DEA)およびトリエタノールアミン(TEA)の生産比率を変えることができる。
しかしながら、一般的に工業生産で使用されるEO/NHのモル比(0.15〜0.50)では、DEAの生産比率が30〜35重量%と大きく変わらないため、DEAの生産比率を大きく変更することが難しいという課題があった。
一方、現在のエタノールアミンの国内需要は、MEA、TEAに比べてDEAの需要が少ないため、モル比によるMEA、TEAの生産比率の流動性を維持しつつ、DEAの生産比率を30重量%以下に制御することが求められている。さらに、これらの各エタノールアミン類は高い純度を有することが求められている。
したがって、本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、ジアルカノールアミンの生産比率を低く(例えば、30重量%未満)抑えることができ、高い純度を有するアルカノールアミン類の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の他の目的は、モノアルカノールアミンまたはトリアルカノールアミンの生産比率を適切に制御しつつ、ジアルカノールアミンの生産比率を低く(例えば、30重量%未満に)制御できる高い純度を有するアルカノールアミン類の製造方法を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決すべく、鋭意研究を行った。その結果、アルカノールアミン類を製造するにあたって、特定割合のジアルカノールアミンを反応にリサイクルすることによって、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、上記諸目的は、アルキレンオキシドとアンモニアとを反応させて、モノアルカノールアミン、ジアルカノールアミンおよびトリアルカノールアミンを含む反応生成物を得;前記反応生成物からジアルカノールアミンを分離し;前記ジアルカノールアミンの少なくとも一部を、アルキレンオキシドとアンモニアとの反応にリサイクルする、ことを有し、前記リサイクル工程において、ジアルカノールアミンを、アンモニアおよびジアルカノールアミンの合計量(モル)に対するアルキレンオキシド(モル)のモル比が0.08以上0.26未満となるように、供給する、アルカノールアミン類の製造方法によって達成できる。
アルカノールアミン類の一種であるエタノールアミン類の製造の一実施形態を説明するためのフロー図である。
本発明のアルカノールアミン類の製造方法は、アルキレンオキシドとアンモニアとを反応させて、モノアルカノールアミン、ジアルカノールアミンおよびトリアルカノールアミンを含む反応生成物を得(工程(1));前記反応生成物からジアルカノールアミンを分離し(工程(2));前記ジアルカノールアミンの少なくとも一部を、アルキレンオキシドとアンモニアとの反応にリサイクルする(工程(3))、ことを有し、前記リサイクル工程(工程(3))において、ジアルカノールアミンを、アンモニアおよびジアルカノールアミンの合計量(モル)に対するアルキレンオキシド(モル)のモル比が0.08以上0.26未満となるように、供給することを特徴とする。当該方法により、ジアルカノールアミンの生産比率を低く抑えて、モノアルカノールアミンまたはトリアルカノールアミンの生産比率を適切に制御することができる。また、当該方法により得られるアルカノールアミン(特にトリアルカノールアミン)は、高い純度を有する。
例えば、安水法においては、エチレンオキシドとアンモニアとの反応により、エタノールアミン類(モノエタノールアミン、ジエタノールアミン及びトリエタノールアミン)を製造する場合に、工業生産で通常使用されるEO/NHのモル比(0.15〜0.50)では、反応中のエチレンオキシド濃度の増加に伴い、モノエタノールアミンの生産比率は減少し、トリエタノールアミンの生産比率は増加する。一方、ジエタノールアミンの生産比率は30〜35重量%とほぼ変化しない。しかし、ジエタノールアミンの国内需要は、モノ−またはトリ−エタノールアミンに比して低い。このため、ジエタノールアミンの生産比率を抑えたいが、上述したとおり、通常の反応条件では困難である。このため、ジエタノールアミンの生産比率を抑えて、需要に応じて、モノアルカノールアミン及びトリアルカノールアミンの生産比率を適切な範囲に制御する手段が求められている。
本発明の方法は、精製工程で分離(精製)されたジアルカノールアミンの一部を製品として取得せずに、アルキレンオキシドとアンモニアとの反応系へリサイクルする、すなわち、ジアルカノールアミンの一部をアルキレンオキシド、アンモニア(安水法においてはアンモニア水)と一緒に反応器へフィードすることを特徴とする。当該構成により、ジアルカノールアミンの生産比率を低く(特に通常の工業生産時の生産比率である30重量%より低く)抑え、それに伴い、モノアルカノールアミンおよび/またはトリアルカノールアミンの生産比率を上げることができる。ゆえに、本発明の方法によると、需要に応じて、モノアルカノールアミン及びトリアルカノールアミンの生産比率を適切な範囲に制御することができる。一方、ジアルカノールアミンを反応系にリサイクルすると、このジアルカノールアミンにアルキレンオキシドが過剰に付加または反応中に生成するトリアルカノールアミンにアルキレンオキシドが付加してトリアルカノールアミン1アルキレンオキシド付加物の副生量が増加する。このため、トリアルカノールアミン中に、不純物、特にトリアルカノールアミン1アルキレンオキシド付加物が混入する量が増加して、最終目的物の一つであるトリアルカノールアミンの純度が低下する傾向がある。しかし、用途によっては、トリアルカノールアミンを含め、アルカノールアミン類の純度を上げることが求められている。このため、このような方法で製造したトリアルカノールアミンを製品とするためには、不純物含有量を基準内におさめるために、トリアルカノールアミンをさらに厳しい条件で精製する必要があるが、精製負荷が増大し、特に大量生産では工業上好ましくない。上記課題に対して、本発明者らはさらに鋭意検討を行った結果、アルキレンオキシドモル比を特定の範囲にすることによって、上記ジアルカノールアミンに関する目的は達成しつつ、アルキレンオキシドがアンモニア及びジアルカノールアミンに対して適切な量で存在するため、ジアルカノールアミンにアルキレンオキシドが過剰に付加したり、反応中に生成するトリアルカノールアミンにアルキレンオキシドが付加したりすることを有効に抑制・防止できることを見出した。ゆえに、本発明方法によって得られるトリアルカノールアミン中のトリアルカノールアミン1アルキレンオキシド付加物の含有量を(例えば、0.6重量%以下にまで)低減できる。ゆえに、本発明の方法によると、純度の高いトリアルカノールアミンを製造できる。
したがって、本発明の方法によると、モノアルカノールアミンまたはトリアルカノールアミンの生産比率を適切に制御しつつ、ジアルカノールアミンの生産比率を低く(例えば、30重量%未満に)制御できる。また、得られるエタノールアミン類(特にトリアルカノールアミン)は高い純度を有する。
なお、上記メカニズムは推測であり、本発明の技術的範囲を制限するものではない。
以下、本発明の実施の形態を、適宜図面を参照しながら、説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態のみには限定されない。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
また、本明細書において、範囲を示す「X〜Y」は、XおよびYを含み、「X以上Y以下」を意味する。また、特記しない限り、操作および物性等の測定は室温(20〜25℃)/相対湿度40〜50%の条件で行う。
[アルカノールアミン類の製造方法]
本発明のアルカノールアミン類の製造方法は、アルキレンオキシドとアンモニアとを反応させて、モノアルカノールアミン、ジアルカノールアミンおよびトリアルカノールアミンを含む反応生成物を得(工程(1));前記反応生成物からジアルカノールアミンを分離し(工程(2));前記ジアルカノールアミンの少なくとも一部を、アルキレンオキシドとアンモニアとの反応にリサイクルする(工程(3))、ことを有する。ここで、上記リサイクル工程(工程(3))において、ジアルカノールアミンを、アンモニアおよびジアルカノールアミンの合計量(モル)に対するアルキレンオキシド(モル)のモル比が0.08以上0.26未満となるように、供給する。当該方法により、モノアルカノールアミンおよび/またはトリアルカノールアミンの生産比率を上げ、ジアルカノールアミンの生産比率を低く(特に30重量%未満)抑えることができる。また、トリアルカノールアミン中のトリアルカノールアミン1アルキレンオキシド付加物の含有量を(例えば、0.6重量%以下にまで)低減できる。
本明細書において、「アンモニアおよびジアルカノールアミンの合計量(モル)に対するアルキレンオキシド(モル)のモル比」を、単に「アルキレンオキシドモル比」とも称する。同様に、「アンモニアおよびジエタノールアミンの合計量(モル)に対するエチレンオキシド(モル)のモル比」を、単に「エチレンオキシドモル比」または[EO(モル)/(NH+DEA(合計モル))]とも称する。
また、本明細書において、「モノエタノールアミン」を単に「MEA」と、「ジエタノールアミン」を単に「DEA」と、および「トリエタノールアミン」を単に「TEA」と、それぞれ、称する。また、「エチレンオキシド(酸化エチレン)」を単に「EO」とも称する。
アルカノールアミン類は、少なくとも1つのアルカノール基を有していればよく、一級、二級、三級のアルカノールアミンすべてを包含する。なお、二級または三級アルカノールアミンが、1つあるいは2つのアルカノール基を有する場合、窒素原子に結合する他の置換基としては、アルキル基(例えば、炭素原子数1〜5の直鎖または分岐鎖のアルキル基)、アリール基などが挙げられる。具体的には、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、メチルエタノールアミン、エチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、エチルジメタノールアミン、ジブチルエタノールアミン、ジエチルイソプロパノールアミン、エチルジイソプロパノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、N−フェニルジエタノールアミンなどが挙げられる。これらの中でも、エタノールアミン類(モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン)は、リン脂質の豊富な頭部構造であり、生体膜中に見出される。モノエタノールアミンは、ジフェンヒドラミン、フェニルトロキサミンやドキシラミン等の部分構造であり、抗ヒスタミン薬の共通構造においてフェニルメタンに連結する。トリエタノールアミンは、水溶性及びキレート能を示し、キレート化剤の原料として有用である。このため、産業上の有用性が高い点から、本発明の方法は特にエタノールアミン類の製造に好適である。すなわち、本発明の好ましい形態によると、エチレンオキシドとアンモニアとを反応させて、モノエタノールアミン、ジエタノールアミンおよびトリエタノールアミンを含む反応生成物を得;前記反応生成物からジエタノールアミンを分離し;前記ジエタノールアミンの少なくとも一部を、エチレンオキシドとアンモニアとの反応にリサイクルする、ことを有し、前記リサイクル工程において、ジエタノールアミンを、アンモニアおよびジエタノールアミンとの合計量(モル)に対するエチレンオキシド(モル)のモル比が0.08以上0.26未満となるように、供給する、エタノールアミン類の製造方法が提供される。
(工程(1))
本工程では、アルキレンオキシドとアンモニアとを反応させて、モノアルカノールアミン、ジアルカノールアミンおよびトリアルカノールアミンを含む反応生成物を得る。例えば、アルキレンオキシドがエチレンオキシド(EO)である場合には、下記反応が起こる。
上記反応は、特に制限されないが、安水法、触媒法などの公知の方法が使用できる。上記した方法は、アルカノールアミン(特にエタノールアミン)の工業的な製造方法であり、例えば、特開2005−8536号公報、特開2004−238290号公報に記載の方法を同様にしてまたは適宜修飾して適用できる。このうち、安水法では、アルキレンオキシドとアンモニア水とを反応させる。また、触媒法では、アルキレンオキシドと液体アンモニアとをゼオライト触媒の存在下で反応させる。
ここで、アルキレンオキシドとしては、特に制限されず、所望のアルカノールアミンの構造に応じて選択される。具体的には、エチレンオキシド(酸化エチレン)、プロピレンオキシドなどが挙げられる。これらのうち、エチレンオキシド(酸化エチレン)が好ましい。
安水法で用いられるアンモニア水のアンモニア濃度は、特に制限されないが、アルキレンオキシドとの反応効率、生産効率などを考慮すると、30〜50重量%程度であることが好ましい。
安水法では、反応は、アンモニア水及びアルキレンオキシドを原料として、液相状態において反応器を用いて行われる。アルキレンオキシドとアンモニアとの混合比は、特に制限されないが、アルキレンオキシドは、アンモニア(NH)1モルに対し、通常、0.1〜1.0モルの範囲が好ましく、0.15〜0.50モルの範囲がより好ましい。このようにアンモニアをアルキレンオキシドとの反応の理論量よりも過剰に用いるため、通常、反応生成物から未反応のアンモニアを分離、回収し、再度反応器へ供給することが好ましい。また、反応で得られるアルカノールアミンは、モノアルカノールアミン、ジアルカノールアミン、トリアルカノールアミンを含む混合物である。
反応器は多管式反応器であり、通常、反応液体をアップフローで流す。さらに、反応器は反応効率の点から原料分割フィード型反応器であることが好ましい。
反応条件は、アルキレンオキシドとアンモニアとの反応が進行する条件であれば特に制限されない。例えば、反応温度は、常温(25℃)〜150℃程度が好ましく、50〜135℃がより好ましく、80〜120℃がさらにより好ましい。反応圧力は、常圧(標準大気圧(101kPa))〜16MPa程度が好ましく、1〜10MPaがより好ましく、3〜5MPaがさらにより好ましい。
また、安水法を用いて工業的に製造する場合には、例えば、図1に示されるように、アンモニア水タンク3からアンモニア水が、原料アルキレンオキシドタンク(図1中ではエチレンオキシドタンク)2からアルキレンオキシドが反応器4へ送られる。使用するアンモニアとアルキレンオキシドとの混合比率によって、得られるモノ−、ジ−、トリ−アルカノールアミンの生産比率が変化するので、目的に応じて適宜設定することができる。モノアルカノールアミン、ジアルカノールアミン及びトリアルカノールアミン、さらにはアンモニア及び水を含む反応液は、アンモニア放散塔5に送られる。次に、アンモニア放散塔5で塔頂から水とアンモニアとが放散され、冷却器(図示せず)を経てアンモニア水タンク3に回収され、このアンモニア水は希釈され、安水法の反応原料として再利用される。ここで、アンモニア放散塔での水及びアンモニアの放散条件としては、加圧蒸留することが好ましいが、水及びアンモニアを蒸留できる条件であれば特に制限されない。例えば、除去温度については、アンモニア放散塔のボトム液(塔底液)の温度が100℃を超えて150℃以下程度(好ましくは120〜145℃)になるように調整することが好ましい。除去時間は、通常、0.5〜36時間程度が好ましく、1〜6時間がより好ましい。また、除去圧力は、0.1〜3MPa程度が好ましく、0.15〜1MPaがより好ましい。このような条件であれば、水及びアンモニアを効率よく留去できる。また、アンモニア放散塔の塔頂から出たアンモニアは冷却器(冷媒は通常冷却水)で冷却され、アンモニア水タンクに回収されることが好ましい。なお、蒸留には、棚段塔、充填塔、濡壁塔、スプレー塔が使用できる。また、上記蒸留は、連続して行ってもまたは回分式で行ってもよい。
上記反応では、安水法および触媒法を単独で適用されても、またはこれらを組み合わせてもよい(すなわち、安水法で得られたアルカノールアミン類と触媒法で得られたアルカノールアミン類とを混合して、反応生成物を得てもよい)。また、上記反応のうち、工業生産で使用されるEO/NHのモル比でのDEAの生産比率が一定であることを考えると、本発明の方法は、安水法の場合に特に有効である。
(工程(2))
本工程では、上記工程(1)で得られた反応生成物からジアルカノールアミンを分離する。
上述したように、アンモニア放散塔5の塔頂から水とアンモニアとが放散されるため、アンモニア放散塔5のボトム液(塔底液)は、水およびアルカノールアミン類(モノアルカノールアミン、ジアルカノールアミン、トリアルカノールアミン等)を含む。このため、好ましくは、アンモニア放散塔5のボトム液(塔底液)から、水及びモノアルカノールアミンを順次除去した後、ジアルカノールアミンを分離することが好ましい。以下、上記好ましい形態を説明するが、本発明は下記形態に限定されない。
まず、アンモニア放散塔5のボトム液(塔底液)を脱水塔6に投入する。脱水塔6では、塔頂から水を除去する。このため、脱水塔のボトム液(塔底液)は、アルカノールアミン類(モノアルカノールアミン、ジアルカノールアミン、トリアルカノールアミン等)を含む。ここで、脱水塔での水の除去条件は、水を除去できれば特に制限されないが、減圧蒸留することが好ましい。例えば、除去温度については、脱水塔のボトム液(塔底液)の温度が55〜180℃程度(好ましくは100〜160℃、より好ましくは120〜145℃)になるように調整することが好ましい。除去時間は、通常、0.5〜36時間程度が好ましく、1〜6時間がより好ましい。また、除去圧力(減圧条件)は、1〜200hPa程度が好ましく、50〜150hPaがより好ましい。このような条件であれば、水を効率よく留去できる。なお、蒸留には、棚段塔、充填塔、濡壁塔、スプレー塔が使用できる。また、上記蒸留は、連続して行ってもまたは回分式で行ってもよい。
次に、上記脱水塔6のボトム液(塔底液)をモノアルカノールアミン精留塔(図1中ではMEA精留塔)7に投入する。モノアルカノールアミン精留塔7では、モノアルカノールアミンを精留して、塔頂から精製モノアルカノールアミンを得る。このため、モノアルカノールアミン精留塔のボトム液(塔底液)は、ジアルカノールアミン、トリアルカノールアミン等を含む。ここで、モノアルカノールアミン精留塔でのモノアルカノールアミンの精留条件は、モノアルカノールアミンを精留できれば特に制限されないが、減圧蒸留することが好ましい。例えば、精留温度については、モノアルカノールアミン精留塔のボトム液(塔底液)の温度が55〜180℃程度(好ましくは100〜160℃)になるように調整することが好ましい。除去時間は、通常、0.5〜36時間程度が好ましく、2〜6時間がより好ましい。また、除去圧力(減圧条件)は、1〜200hPa程度が好ましく、5〜50hPaがより好ましく、10〜30hPaがさらにより好ましい。このような条件であれば、モノアルカノールアミン(特にMEA)を効率よく精留できる。なお、蒸留には、棚段塔、充填塔、濡壁塔、スプレー塔が使用できる。また、上記蒸留は、連続して行ってもまたは回分式で行ってもよい。
次に、上記モノアルカノールアミン精留塔7のボトム液(塔底液)をジアルカノールアミン精留塔(図1中ではDEA精留塔)8に投入する。ジアルカノールアミン精留塔8では、ジアルカノールアミンを精留して、塔頂から精製ジアルカノールアミンを得る。このため、ジアルカノールアミン精留塔のボトム液(塔底液)は、トリアルカノールアミン等を含む。ここで、ジアルカノールアミン精留塔でのジアルカノールアミンの精留条件は、ジアルカノールアミンを精留できれば特に制限されないが、減圧蒸留することが好ましい。例えば、精留温度については、ジアルカノールアミン精留塔のボトム液(塔底液)の温度が55〜180℃程度(好ましくは120〜180℃)になるように調整することが好ましい。除去時間は、通常、0.5〜36時間程度が好ましく、1〜6時間がより好ましい。また、除去圧力(減圧条件)は、1〜200hPa程度が好ましく、3〜50hPaがより好ましい。このような条件であれば、ジアルカノールアミン(特にDEA)を効率よく精留できる。なお、蒸留には、棚段塔、充填塔、濡壁塔、スプレー塔が使用できる。また、上記蒸留は、連続して行ってもまたは回分式で行ってもよい。
(工程(3))
本工程では、上記工程(2)で分離したジアルカノールアミンの少なくとも一部を、アルキレンオキシドとアンモニアとの反応にリサイクルする。本工程の実施形態は特に制限されず、上記工程(2)で分離したジアルカノールアミンの少なくとも一部を、上記工程(1)の反応器に直接的に循環供給する形態であってもよいし、上記工程(1)の反応器に直接的に循環させずに別途供給する形態であってもよい。すなわち、たとえば図1では、DEA精留塔8から留出したDEAの一部についてDEAリサイクルライン11を通じて反応器4に直接的に循環供給しているが、これを反応器4へ直接的に循環供給せずにタンクに貯留し、当該タンクから取り出して反応器4に供給してもよい。ただし、本工程は、図1に示すように、上記工程(2)で分離したジアルカノールアミンの少なくとも一部を上記工程(1)の反応器に直接的に循環供給する形態であることが好ましい。
ここで、本工程(リサイクル工程)では、ジアルカノールアミンを、アンモニアおよびジアルカノールアミンの合計量(モル)に対するアルキレンオキシド(モル)のモル比(アルキレンオキシドモル比)が0.08以上0.26未満となるように、反応器に供給(リサイクル)する。また、以下に詳述するが、アンモニアに対するジアルカノールアミンの割合(重量比)が0.05以上0.18未満となるように、反応器に供給(リサイクル)することが好ましい。このような割合でジアルカノールアミンを工程(1)の反応器に戻すことによって、ジアルカノールアミンの生産比率をより低く(特に生産比率を30重量%未満になるように)抑えて、モノアルカノールアミンおよび/またはトリアルカノールアミンの生産比率をより上げることができる。また、トリアルカノールアミン中のトリアルカノールアミン1アルキレンオキシド付加物の含有量を(例えば、0.6重量%以下にまで)低減できる。このため、得られるトリアルカノールアミンは高い純度を有する。ここで、アルキレンオキシドモル比が0.08未満であると、ジアルカノールアミンの反応への供給(リサイクル)量が十分量でないため、ジアルカノールアミンの生産比率は有効に低減せず、モノアルカノールアミンおよび/またはトリアルカノールアミンの生産比率の向上が認められない。逆に、アルキレンオキシドモル比が0.26以上であると、ジアルカノールアミンの生産比率は低くなるものの、最終生産物としてのトリアルカノールアミン中の不純物(特にトリアルカノールアミン1アルキレンオキシド付加物)量が増大し、トリアルカノールアミンの純度が低下してしまう(例えば、下記比較例1〜2参照)。このため、トリアルカノールアミンの精製工程を別途行う必要が生じる。なお、例えば、アルキレンオキシドがエチレンオキシド(EO)である場合には、下記のような反応により、トリエタノールアミン1アルキレンオキシド付加物(TEA−1EO)が副生すると推測される。
アンモニアおよびジアルカノールアミンの合計量(モル)に対するアルキレンオキシド(モル)のモル比(アルキレンオキシドモル比)は、好ましくは0.10〜0.25、より好ましくは0.15〜0.23、特に好ましくは0.18〜0.22である。このような割合でジアルカノールアミンを工程(1)の反応器に戻すことによって、ジアルカノールアミンの生産比率をさらに低く抑えつつ、需要に応じて、モノアルカノールアミン及びトリアルカノールアミンの生産比率をより適切な範囲に制御することができる。また、最終産物の一つであるトリアルカノールアミン中の不純物量、特にトリアルカノールアミン1アルキレンオキシド付加物の混入量をさらに低減して、トリアルカノールアミンの純度をさらに向上できる。
従来のように、ジアルカノールアミンをリサイクルしない場合には、アルキレンオキシドとアンモニアとの反応により反応器入口側でモノアルカノールアミンが生成し、このモノアルカノールアミンとアルキレンオキシドとが反応してジアルカノールアミンが、さらにこのジアルカノールアミンとアルキレンオキシドとが反応してトリアルカノールアミンが生成するため、トリアルカノールアミンは反応器出口側で生成する割合が大きく、これがアルキレンオキシドと反応してトリアルカノールアミン1アルキレンオキシド付加物(例えば上記のTEA−1EO)が副生すると推測される。これに対して、本発明によるように、ジアルカノールアミンをリサイクルする場合には、反応器入口側でリサイクルしたジアルカノールアミンとアルキレンオキシドとが反応してトリアルカノールアミンを生成するため、生成したトリアルカノールアミンの反応器内での滞留時間が長くなり、トリアルカノールアミンとアルキレンオキシドとの反応が起こりやすくなるため、トリアルカノールアミン1アルキレンオキシド付加物の生成量がジアルカノールアミンをリサイクルしない場合に比べて増加してしまう。しかしながら、本発明者らは、ジアルカノールアミンの供給量(リサイクル量)を反応器中のアンモニアに対して適切に制御することによって、トリアルカノールアミン中のトリアルカノールアミン1アルキレンオキシド付加物の混入量をさらに低減できることを見出した。具体的には、アンモニアに対するジアルカノールアミンの割合(重量比)が、0.05以上0.18未満であることが好ましく、0.06〜0.17であることがより好ましく、0.07〜0.16であることが特に好ましい。すなわち、本発明の好ましい形態では、リサイクル工程(工程(3))において、ジアルカノールアミンを、アンモニアに対するジアルカノールアミンの割合(重量比)が、0.05以上0.18未満の割合で供給する。このような割合でジアルカノールアミンを工程(1)の反応器に戻すことによって、最終産物の一つであるトリアルカノールアミン中の不純物量、特にトリアルカノールアミン1アルキレンオキシド付加物の混入量をさらに低減して、トリアルカノールアミンの純度をさらに向上できる。また、上記範囲であれば、ジアルカノールアミンの生産比率をさらに低く抑えつつ、需要に応じて、モノアルカノールアミン及びトリアルカノールアミンの生産比率をより適切な範囲に制御することができる。
上記したようにして、アルカノールアミン類(モノアルカノールアミン、ジアルカノールアミン、トリアルカノールアミン)を製造できるが、さらにトリアルカノールアミンを精製してもよい。本発明の好ましい形態では、本発明の方法は、トリアルカノールアミンを精製する工程をさらに有する。トリアルカノールアミンの精製方法は特に制限されず、公知の方法が同様にしてまたは適宜修飾して適用できる。以下に、本発明のトリアルカノールアミンの精製方法の好ましい形態を説明するが、本発明は下記形態に限定されない。
上記にて得られたジアルカノールアミン精留塔8のボトム液(塔底液)は、トリアルカノールアミン、不純物(例えば、トリアルカノールアミン1アルキレンオキシド付加物、重沸成分)を含む。このジアルカノールアミン精留塔8のボトム液を、トリアルカノールアミン蒸留塔(図1中ではTEA蒸留塔)9に投入する。トリアルカノールアミン蒸留塔9では、高沸点成分を除去する。ここで、トリアルカノールアミン蒸留塔での蒸留条件は、上記不純物を除去できれば特に制限されないが、減圧蒸留することが好ましい。例えば、蒸留温度については、トリアルカノールアミン蒸留塔のボトム液(塔底液)の温度が55〜180℃程度(好ましくは130〜180℃、より好ましくは130〜175℃)になるように調整することが好ましい。除去時間は、通常、0.5〜36時間程度が好ましく、6〜12時間がより好ましい。また、除去圧力(減圧条件)は、1〜200hPa程度が好ましく、1〜5hPaがより好ましい。このような条件であれば、上記不純物を効率よく除去できる(トリアルカノールアミン、特にTEAを効率よく精留できる)。なお、蒸留には、棚段塔、充填塔、濡壁塔、スプレー塔が使用できる。また、上記蒸留は、連続して行ってもまたは回分式で行ってもよい。
次に、上記にて得られたトリアルカノールアミン蒸留塔9のトップ液(塔頂液)を、トリアルカノールアミン精留塔(図1中ではTEA精留塔)10に投入して、塔頂から精製トリアルカノールアミンを得る。トリアルカノールアミン精留塔10では、トリアルカノールアミンを精留する。好ましい形態によると、トリアルカノールアミン精留塔10の塔頂より、投入したトリアルカノールアミン蒸留塔9のトップ液(塔頂液)の一部(例えば、95%程度)を留出させ(残りは塔底より抜き出し)、塔頂からの留分の一部(例えば、40〜90%)を精製トリアルカノールアミンとして取得し、残り(例えば、10〜60%)を再度ジアルカノールアミン精留塔8に投入する。当該操作により、トリアルカノールアミン1アルキレンオキシド付加物を効率よく(例えば、トリアルカノールアミン画分中のトリアルカノールアミン1アルキレンオキシド付加物の含有量を0.6重量%以下にまで)除去できる。すなわち、本発明の好ましい形態によると、本発明の方法は、反応生成物からトリアルカノールアミンを分離することをさらに有し、トリアルカノールアミン1アルキレンオキシド付加物が前記トリアルカノールアミン分離物に対して0.6重量%以下の量で含まれる。ここで、上記分離条件は、トリアルカノールアミン中のトリアルカノールアミン1アルキレンオキシド付加物の含有量が0.6重量%以下となるような条件であればよいが、トリアルカノールアミン中のトリアルカノールアミン1アルキレンオキシド付加物の含有量が好ましくは0.58重量%以下、特に好ましくは0.50重量%以下となるような条件である。トリアルカノールアミン精留塔10の塔頂から純度の高いトリアルカノールアミンが得られる。ここで、トリアルカノールアミン精留塔でのトリアルカノールアミンの精留条件は、所望の純度のトリアルカノールアミンを精留できれば特に制限されないが、減圧蒸留することが好ましい。例えば、精留温度については、トリアルカノールアミン精留塔のボトム液(塔底液)の温度が55〜180℃程度(好ましくは130〜180℃、より好ましくは130〜175℃)になるように調整することが好ましい。除去時間は、通常、0.5〜36時間程度が好ましく、12〜24時間がより好ましい。また、除去圧力(減圧条件)は、1〜200hPa程度が好ましく、1〜5hPaがより好ましい。このような条件であれば、トリアルカノールアミン(特にTEA)をより効率よく(上記したようなトリアルカノールアミン中のトリアルカノールアミン1アルキレンオキシド付加物の含有量になるように)精留できる。なお、蒸留には、棚段塔、充填塔、濡壁塔、スプレー塔が使用できる。また、上記蒸留は、連続して行ってもまたは回分式で行ってもよい。
上記したようにして、アルカノールアミン類が製造される。ここで、ジアルカノールアミンの生産比率が低く、それに呼応して、モノアルカノールアミン及びトリアルカノールアミンの生産比率が高い。アルカノールアミン類におけるジアルカノールアミンの生産比率は、一般的な工業生産時の生産比率(例えば、DEAで30〜35重量%)より低いことが好ましい。したがって、本発明の好ましい形態では、ジアルカノールアミンの生産比率が30重量%未満である。ジアルカノールアミンの需要にもよるが、アルカノールアミン類におけるジアルカノールアミンの生産比率は、より好ましくは29重量%以下、特に好ましくは27重量%以下である。なお、アルカノールアミン類におけるジアルカノールアミンの生産比率の下限は、特に限定されないが、通常、10重量%以上であり、好ましくは15重量%以上である。また、アルカノールアミン類におけるモノアルカノールアミンおよびトリアルカノールアミンの生産比率は、需要に応じて適切に調節できる。例えば、アルカノールアミン類におけるモノアルカノールアミンの生産比率は、好ましくは35〜70重量%、より好ましくは45〜60重量%である。また、アルカノールアミン類におけるトリアルカノールアミンの生産比率は、好ましくは10〜45重量%、より好ましくは20〜35重量%である。なお、アルカノールアミン類における各アルカノールアミンの生産比率は、下記実施例に記載の方法に従って測定される。
また、上記方法によると、トリアルカノールアミン中のトリアルカノールアミン1アルキレンオキシド付加物の含有量を低減できる。具体的には、トリアルカノールアミン中のトリアルカノールアミン1アルキレンオキシド付加物の含有量は、好ましくは0.6重量%以下、より好ましくは0.58重量%以下、特に好ましくは0.50重量%以下である。なお、トリアルカノールアミン中のトリアルカノールアミン1アルキレンオキシド付加物の含有量の下限は、低いほど好ましいため、0である。なお、トリアルカノールアミン中のトリアルカノールアミン1アルキレンオキシド付加物の含有量は、下記実施例に記載の方法に従って測定される。
本発明の効果を、以下の実施例および比較例を用いて説明する。ただし、本発明の技術的範囲が以下の実施例のみに制限されるわけではない。なお、下記実施例において、特記しない限り、操作は室温(25℃)で行われた。また、特記しない限り、「%」および「部」は、それぞれ、「重量%」および「重量部」を意味する。
実施例1
図1に示されるフロー(エタノールアミン製造プラント)に従って、エタノールアミン類を安水法で製造した。
すなわち、エタノールアミン製造プラント1において、エチレンオキシド(EO)および38重量%アンモニア水を、それぞれ、エチレンオキシドタンク2およびアンモニア水タンク3から、エチレンオキシドに対するアンモニアのモル比(NH/EO(モル比))が0.20となるように、多管式反応器4に連続投入し、反応温度 80〜110℃、反応圧力 3.7MPaの条件で1回目の反応を行い、モノエタノールアミン(MEA)、ジエタノールアミン(DEA)およびトリエタノールアミン(TEA)を含む1回目の反応液を得た。ここで、本反応におけるEOの転化率はほぼ100%であった。
上記によって得られた1回目の反応液を、まずアンモニア放散塔(除去圧力 0.2MPa、ボトム温度 140℃)5にフィードして1時間連続蒸留して、塔頂より未反応のアンモニアと水を取り除いた。アンモニア放散塔5のボトム液を、脱水塔(除去圧力 150hPa、ボトム温度145℃)6にフィードして1時間連続蒸留して、塔頂より残りの水を留出させた。さらに、脱水塔6のボトム液をMEA精留塔(除去圧力 12hPa、ボトム温度145℃)7で2時間連続蒸留してMEAを留出させ、さらにMEA精留塔7のボトム液をDEA精留塔(除去圧力 4hPa、ボトム温度 170℃)8で1時間連続蒸留してDEAを留出させて、ボトム液として原料TEAを得た。ここで得られたボトム液(原料TEA)は、TEA蒸留塔9にフィードした。
このようにして留出させたDEAの一部を、アンモニアおよびDEAの合計量に対するEOのモル比[EO(モル)/(NH+DEA(合計モル))]が0.21、ならびにアンモニアに対するDEAの供給量比(重量比)(DEA/NH)が0.076となるような比率で、DEAリサイクルライン11を通じて上記反応器4に供給(リサイクル)し、反応温度 80〜110℃、反応圧力 3.7MPaの条件で2回目の反応を行った。
上記によって得られた2回目の反応液を、アンモニア放散塔(除去圧力 0.2MPa、ボトム温度 140℃)5にフィードして1時間連続蒸留して、塔頂より未反応のアンモニアと水を取り除いた。アンモニア放散塔5のボトム液を、脱水塔(除去圧力 150hPa、ボトム温度145℃)6にフィードして1時間連続蒸留して、塔頂より残りの水を留出させて、ボトム液(MEA、DEA及びTEAの混合液)を得た。さらに、このボトム液をMEA精留塔(除去圧力 12hPa、ボトム温度145℃)7にフィードして2時間連続蒸留してMEAを塔頂から留出させて、ボトム液(DEA及びTEAの混合液)を得た。このボトム液をDEA精留塔(除去圧力 4hPa、ボトム温度 170℃)8にフィードして1時間連続蒸留してDEAを塔頂から留出させて、ボトム液(原料TEA)を得た。ここで得られたボトム液(原料TEA)は、TEA蒸留塔9にフィードした。なお、上記にて得られたDEAの一部は、上記と同様の条件にて反応器4に供給(リサイクル)した。
上記にてTEA蒸留塔(除去圧力 4hPa、ボトム温度175℃)9にフィードされたボトム液(原料TEA)を12時間連続蒸留して、ボトムから高沸点成分を取り除き、塔頂から粗TEAを留出させた。この粗TEAを、TEA精留塔(除去圧力 4hPa、ボトム温度175℃)10へフィードして24時間回分蒸留して、塔頂より精製TEAを留出させた。なお、上記回分蒸留は、粗TEAの投入量の約95%をTEA精留塔10の塔頂より留出し、塔頂からの留分の一部をDEA精留塔8に戻した。
上記にて留出させたMEA(図1中の「MEA」)、DEA(反応器4に供給した後のDEA;図1中の「DEA」)およびTEA(図1中の「精製TEA」)について、下記方法によって定量分析を行い、各エタノールアミンの比率(生産比率;重量比)を算出した。その結果、得られたエタノールアミンの比率(生産比率)は、MEA 50重量%、DEA 27重量%、及びTEA 23重量%であった。また、上記にて留出させた精製TEA中のトリエタノールアミン1EO付加物(TEA−1EO)の含有量(重量%)を下記方法によって測定したところ、0.46重量%であった。
[各エタノールアミンの定量分析方法、TEA中のTEA−1EOの含有量の測定方法]
各エタノールアミン(MEA、DEA、TEA)の定量分析およびTEA−1EOの含有量の測定は、微極性キャピラリーカラム(SUPELCO製 PTA−5)を取付けた水素炎イオン化検出器を備えたガスクロマトグラフ((株)島津製作所製、GC−2010)で、内部標準法を用いて分析する。
実施例2〜3、比較例1〜3
実施例1において、アンモニアおよびDEAとの合計量に対するEOのモル比[EO(モル)/(NH+DEA(合計モル))]、ならびにアンモニアに対するDEAの供給量比(重量比)(DEA/NH)がそれぞれ下記表1に示される割合になるように、DEAの一部をDEAリサイクルライン11を通じて反応器4に供給(リサイクル)した以外は、実施例1と同様の操作を行った。
このようにして留出させたMEA、DEAおよびTEAについて、実施例1と同様にして、定量分析を行い、各エタノールアミンの比率(生産比率;重量比)を算出した。また、留出させたTEA中のトリエタノールアミン1EO付加物(TEA−1EO)の含有量(重量%)を実施例1と同様にして測定した。結果を下記表1に示す。なお、下記表1において、アンモニアおよびDEAとの合計量に対するEOのモル比を、「EO/(NH+DEA)(モル比)」と、アンモニアに対するDEAの供給量比(重量比)を「DEA/NH(重量比)」と、およびTEA中のトリエタノールアミン1EO付加物(TEA−1EO)の含有量を、「TEA中TEA−1EO(重量%)」と、それぞれ、示す。
上記表1に示されるように、本発明の方法によって、ジエタノールアミン(DEA)の生産比率を下げて、モノエタノールアミン(MEA)及びトリエタノールアミン(TEA)の生産比率を上げることができる。また、本発明の方法によると、最終産物であるトリエタノールアミン(TEA)の不純物であるトリエタノールアミン1エチレンオキシド付加物(TEA−1EO)の含有量を低減できる。
本出願は、2016年3月18日に出願された日本特許出願番号2016−056048号に基づいており、その開示内容は、参照され、全体として、組み入れられている。
1…エタノールアミン製造プラント、
2…エチレンオキシドタンク、
3…アンモニア水タンク、
4…多管式反応器、
5…アンモニア放散塔、
6…脱水塔、
7…MEA精留塔、
8…DEA精留塔、
9…TEA蒸留塔、
10…TEA精留塔
11…DEAリサイクルライン。

Claims (7)

  1. アルキレンオキシドとアンモニア水とを、前記アンモニア1モルに対して前記アルキレンオキシドが0.1〜1.0の範囲で反応させて、モノアルカノールアミン、ジアルカノールアミンおよびトリアルカノールアミンを含む反応生成物を得;前記反応生成物からジアルカノールアミンを分離し;前記ジアルカノールアミンの少なくとも一部を、アルキレンオキシドとアンモニアとの反応にリサイクルする、ことを有し、
    前記リサイクル工程において、ジアルカノールアミンを、アンモニアおよびジアルカノールアミンの合計量(モル)に対するアルキレンオキシド(モル)のモル比が0.10〜0.25となるように、供給する、アルカノールアミン類の製造方法。
  2. 前記リサイクル工程において、ジアルカノールアミンを、前記アンモニアに対する前記ジアルカノールアミンの割合(重量比)が、0.05以上0.18未満の割合で供給する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記反応生成物からトリアルカノールアミンを分離することをさらに有し、トリアルカノールアミン1アルキレンオキシド付加物が前記トリアルカノールアミン分離物に対して0.6重量%以下の量で含まれる、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記ジアルカノールアミンの生産比率が30重量%未満である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記トリアルカノールアミンの生産比率が20〜35重量%である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記反応生成物からトリアルカノールアミンを分離することをさらに有し、トリアルカノールアミン1アルキレンオキシド付加物が前記トリアルカノールアミン分離物に対して0.6重量%以下の量で含まれ、
    前記モノアルカノールアミンの生産比率が35〜70重量%であり、
    前記ジアルカノールアミンの生産比率が30重量%未満であり、
    前記トリアルカノールアミンの生産比率が20〜35重量%である、請求項1または2に記載の方法。
  7. 前記アルキレンオキシドと前記アンモニア水とのみを反応させて、モノアルカノールアミン、ジアルカノールアミンおよびトリアルカノールアミンを含む反応生成物を得る、請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
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