JP6619942B2 - 半導体ウエハへの電気銅めっきに使用する銅アノード又は含燐銅アノード及び銅アノード又は含燐銅アノードの製造方法 - Google Patents

半導体ウエハへの電気銅めっきに使用する銅アノード又は含燐銅アノード及び銅アノード又は含燐銅アノードの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6619942B2
JP6619942B2 JP2015044563A JP2015044563A JP6619942B2 JP 6619942 B2 JP6619942 B2 JP 6619942B2 JP 2015044563 A JP2015044563 A JP 2015044563A JP 2015044563 A JP2015044563 A JP 2015044563A JP 6619942 B2 JP6619942 B2 JP 6619942B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
copper
anode
copper anode
plating
crystal grain
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015044563A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016164290A (ja
Inventor
伊森 徹
徹 伊森
大内 高志
高志 大内
祐史 高橋
祐史 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JX Nippon Mining and Metals Corp
Original Assignee
JX Nippon Mining and Metals Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JX Nippon Mining and Metals Corp filed Critical JX Nippon Mining and Metals Corp
Priority to JP2015044563A priority Critical patent/JP6619942B2/ja
Publication of JP2016164290A publication Critical patent/JP2016164290A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6619942B2 publication Critical patent/JP6619942B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Forging (AREA)
  • Electroplating Methods And Accessories (AREA)

Description

本発明は、電気銅めっきの際に、被めっき物、特に半導体ウエハへのパーティクルの付着を効果的に抑制できる、半導体ウエハへの電気銅めっきに使用する銅アノード又は含燐銅アノード及び銅アノード又は含燐銅アノードの製造方法に関する。
一般に、電気銅めっきは、PWB(プリント配線板)等において銅配線形成用として使用されているが、最近では半導体の銅配線形成用として使用されるようになってきた。電気銅めっきは歴史が長く、多くの技術的蓄積があり今日に至っているが、この電気銅めっきを半導体の銅配線形成用として使用する場合には、PWBでは問題にならなかった新たな不都合が出てきた。
通常、電気銅めっきを行う場合、アノードとして銅又は含燐銅が使用されている。これは、白金、チタン、酸化イリジウム製等の不溶性アノードを使用した場合、めっき液中の添加剤がアノード酸化の影響を受けて分解し、めっき不良が発生するためである。可溶性アノードの電気銅や無酸素銅を使用する場合は、溶解時に、一価の銅の不均化反応に起因する金属銅や酸化銅からなるスラッジ等のパーティクルが発生し、被めっき物を汚染してしまうことがある。
含燐銅アノードを使用する場合には、電解によりアノード表面に燐化銅や塩化銅等からなるブラックフィルムが形成され、一価の銅の不均化反応による金属銅や酸化銅の生成を抑え、パーティクルの付着が少ない銅層を形成することができる。しかし、上記のようにアノードとして含燐銅を使用しても、安定したブラックフィルムの形成が難しく、ブラックフィルムの脱落や、ブラックフィルムの薄い部分での金属銅や酸化銅の生成があるので、完全にパーティクルの生成が抑えられるわけではない。
このようなことから、通常アノードバッグと呼ばれる濾布でアノードを包み込んで、パーティクルがめっき液に到達するのを防いでいる。ところが、このような方法を、特に半導体ウエハへのめっきに適用した場合、上記のようなPWB等への配線形成では問題にならなかった微細なパーティクルが半導体ウエハに到達し、これが半導体に付着してめっき不良の原因となる問題が発生した。
このような問題を解決するための方法を、本出願人はいくつかの解決策を提案した(特許文献1−4参照)。これらは、従来の含燐銅アノードを使用した半導体ウエハへのめっきに比べ、格段にパーティクル発生を防止できる効果があった。しかし、このような解決策を講じても、なおかつ微細なパーティクル発生が多少とも存在するという問題があった。
この他、電気銅めっき用銅アノードとして、熱間加工、冷間加工した材料に、熱処理を施し、結晶粒径を調整して、アノードスライムの発生を抑制する提案がなされている(下記特許文献5、6参照)。しかし、この場合は、熱間加工、冷間加工、熱処理工程等が入るため、工程が煩雑となり、製造コストが増加するという問題がある。
特開2000−265262号公報 特開2001−98366号公報 特開2001−123266号公報 特開平3−180468号公報 特許第5376168号 特許第5499933号
本発明は、電気銅めっきの際に、被めっき物、特に半導体ウエハへのパーティクルの付着を効率良く防止できる、半導体ウエハへの電気銅めっきに使用する銅アノード又は含燐銅アノード及びアノード又は含燐銅アノードの製造方法を提供するものであり、工程を簡略化し、製造コストの低減化が可能である銅アノード又は含燐銅アノードを、提供することを課題とする。
本願は、以下の発明を提供する。
1)半導体ウエハへの電気銅めっきに使用する銅アノード又は含燐銅アノードであって、鍛造組織からなり、該鍛造組織の平均結晶粒径が100〜500μmであることを特徴とする銅アノード又は含燐銅アノード。
2)アノードの中心部と外周部の平均結晶粒径のばらつきが20%以内であることを特徴とする上記1)記載の銅アノード又は含燐銅アノード。
また、本願は、以下の発明を提供する。
3)銅又は含燐銅のインゴットを熱間鍛造して、平均結晶粒径を100〜500μmとし、これを成形加工することを特徴とする銅アノード又は含燐銅アノードの製造方法。
4)鍛造開始温度を1000℃以下、鍛造終了温度を500℃以上とし、鍛造時間を5〜30分とする条件で熱間鍛造することを特徴することを特徴とする上記3)記載の銅アノード又は含燐銅アノードの製造方法。
5)熱間鍛造前に銅又は含燐銅のインゴットを700〜1000℃で熱処理することを特徴とする上記3)又は4)記載の銅アノード又は含燐銅アノードの製造方法。
本発明の銅アノード又は含燐銅アノードは、電気銅めっきを行う際に、パーティクル付着の少ない半導体ウエハへの電気銅めっきを安定して行うことができるという優れた特徴を有する。本発明のアノードを使用した電気銅めっきは、細線化が進む他の分野の銅めっきにおいて、パーティクルに起因するめっき不良率を低減させる方法として有効である。
本発明の銅アノード又は含燐銅アノードは、上記の通り、被めっき物へのパーティクルの付着及び汚染を著しく減少させるという効果があるが、さらに従来不溶性アノードを使用することによって発生していた、めっき液中の添加剤の分解及びこれによるめっき不良が発生することもない、という効果を有する。
アノードの組織の観察場所を示す図である。 実施例1のアノードの組織写真を示す図である。 比較例1のアノードの組織写真を示す図である。
一般に、半導体ウエハの電気銅めっきを実施する場合には、硫酸銅めっき液を有するめっき槽、アノードとして銅アノード又は含燐銅アノードを使用し、カソードにはめっきを施すための、例えば半導体ウエハとする。
上記のように、電気めっきを行う際、アノードとして含燐銅を使用する場合には、表面に燐化銅及び塩化銅を主成分とするブラックフィルム(電解反応の進行と共にアノード表面に形成される、銅粉、亜酸化銅、リン化銅、塩化銅等を主成分とする薄い被覆膜)が形成され、該アノード溶解時の、一価の銅の不均化反応に起因する金属銅や酸化銅等からなるスラッジ等のパーティクルの生成を抑制する機能を持つ。
本発明は、通常の銅アノードを用いて銅めっきする場合にも有効であるが、特に有効であるアノードとして含燐銅を使用する場合を例に説明する。
ブラックフィルムの生成速度は、アノードの電流密度、結晶粒径、燐含有率等の影響を強く受け、電流密度が高いほど、結晶粒径が小さいほど、また燐含有率が高いほど速くなり、その結果、ブラックフィルムは厚くなる傾向がある。逆に、電流密度が低いほど、結晶粒径が大きいほど、燐含有率が低いほど生成速度は遅くなり、その結果、ブラックフィルムは薄くなる。
上記の通り、ブラックフィルムは金属銅や酸化銅等のパーティクル生成を抑制する機能を持つが、ブラックフィルムが厚すぎる場合には、それが剥離脱落して、それ自体がパーティクル発生の原因となるという大きな問題が生ずる。
逆に、薄すぎると金属銅や酸化銅等の生成を抑制する効果が低くなるという問題がある。したがって、アノードからのパーティクルの発生を抑えるためには、電流密度、結晶粒径、燐含有率のそれぞれを最適化し、適度な厚さの安定したブラックフィルムを形成すること、そしてそれが脱落しないアノードの表面状態(結晶粒径)にすることが重要である。
従来では、熱間鍛造を施した後、熱処理が行われていたが、本発明ではインゴットを従来と同様に熱間鍛造した後、このような熱処理工程が存在しない。これが本願発明の銅アノード又は含燐銅アノードの製造における大きな特徴である。熱間鍛造した後、大気熱処理を行うと、この熱処理工程によって、インゴットが再結晶組織化して、結晶粒径の粗大化が起こる。さらにインゴット表面では、再結晶組織の過程で、結晶粒(粒径や粒界のい外周長さ)のばらつきが大きくなる傾向があった。
特に、インゴットへの熱伝導は、インゴットの表面から内部へと拡がるためインゴットの表面側では比較的大きな粒径となりやすく、一方、内部へ向かうにつれて、粒径が鍛造組織を反映した比較的小さい粒径のものが多く存在することになり、インゴットの表面から内部にかけて、結晶粒径のばらつきが大きくなることがあった。
このような結晶粒径のばらつきは、電気銅めっき時にアノード表面に形成されるブラックフィルムの厚さが不均一に形成されやすくなり、この不均一な厚さで形成されたブラックフィルムは、電気銅めっき中に剥離しやすく、めっき液中のパーティクルやアノードスライムの原因となり、被めっき材料の表面に付着して、汚染などの欠陥の原因となった。
本発明は、このような熱処理を行うことなく、銅又は含燐銅のインゴットを熱間鍛造し、これを成形加工して、電気銅めっきに使用する銅アノード又は含燐銅アノードの製造するものである。これにより、結晶粒径の粗大化を抑制することができ、また、アノードの表面から内部中心部に到るまで結晶粒径を均一にすることができる。そして、このようにして製造されたアノードは、電気めっきの際にパーティクルの発生を抑制できるという優れた効果を有する。
本発明において、上記熱間鍛造は、エアハンマー、スプリングハンマー等のハンマープレスと、機械プレス、液圧プレス等の鍛造プレスを用いることができる。そして、鍛造後の成型体を、切削及び成形加工して、アノードとする。この切削及び成形加工は、通常の工程であるので説明は省略する。本発明において、鍛造の条件によって、銅アノード又は含燐銅アノードの平均結晶粒径を100〜500μmに調整することが可能である。
具体的には、銅又は含燐銅からなるインゴット(又はビレット)を炉で加熱し、1000℃以下の温度で鍛造を開始する。1000℃を超える温度で鍛造を開始すると、銅の融点近くであるため、圧力をかけることにより、ビレットが大きく変形することが懸念される。鍛造時間は、その鍛造形式にもよるが、5〜30分とすることが好ましい。鍛造時間が5分未満の場合、平均結晶粒径が500μmより大きくなり、30分超の場合、100μmよりも小さくなることがある。
その後、500℃以上の温度を維持したまま鍛造を終了する。500℃未満の温度で鍛造を行うと、鍛造による変形が少なく、鍛造に時間がかかるためである。
また、上記熱間鍛造を行うために、熱間鍛造前に銅又は含燐銅からなるビレットを700〜1000℃で熱処理することが有効である。
このようにして、鍛造組織からなり、該鍛造組織の平均結晶粒径が100〜500μmの銅アノード又は含燐銅アノードを製造することができる。前記平均結晶粒径は、伸銅品結晶粒度試験方法(JIS H 0501:1986)の切断法に準拠する。なお、本発明のアノードは、先述の通り、鍛造後に熱処理を行わないため、熱処理による再結晶組織を有することはない。
また、本発明において、当該アノードの中心部と外周部の平均結晶粒径のばらつきが20%以内であることが好ましい。
平均結晶粒径のばらつきは、円盤(円柱)状のアノードにおいて、外周から中心点に向かって10mmの位置上の任意の1点、及び、その中心点を中心とする同心円上で、その点から90度ずつ回転させた3点の計4点の結晶粒径を測定し、その平均値(外周部の平均結晶粒径)を求める。次に、同アノードにおいて、中心点、中心点から外周に向かって10mmの位置上の任意の1点、及びその中心点を中心とする同心円上で、その点から90度ずつ回転させた3点の、計5点の結晶粒径を測定し、その平均値(中心部の平均結晶粒径)を求める。そして、上記で得られた値を下記の式に導入することで、本発明のアノードの中心部と外周部の平均結晶粒径のばらつき求めることができる。なお、アノードの厚さ方向に対しては、どの厚さ位置に対する平均結晶粒径のばらつきであってもよい。
式:(中心部と外周部の結晶粒径のばらつき)=|(外周部の平均結晶粒径)−(中心部の平均結晶粒径)|/(外周部と中心部のいずれか大きい平均結晶粒径)×100
本発明の銅アノード又は含燐銅アノードは、燐を除く純度が99.99wt%以上のものを使用するのが好ましく、含燐銅アノードについては、燐含有率を50〜2000wtppmとすることが良い。
また、銅めっきに関しては、めっき液として、硫酸銅:10〜70g/L(Cu)、硫酸:10〜300g/L、塩素イオン20〜100mg/L、添加剤:(日鉱メタルプレーティング製CC−1220:1mL/L等)を適量使用することができる。その他、めっき浴温15〜35°C、陰極電流密度0.5〜10A/dm、陽極電流密度0.5〜10A/dmとする。上記に、めっき条件の好適な例を示すが、必ずしも上記の条件に制限される必要はない。
以上の電気銅めっきに使用する銅アノード又は含燐銅アノードは、この表面に均一なブラックフィルム銅を形成することができる。そして、銅アノード又は含燐銅アノードを用いて半導体ウエハへの電気銅めっきを行い、半導体ウエハ上にパーティクル付着の少ない銅めっき層を形成することが可能である。このような銅アノード又は含燐銅アノードを使用した電気銅めっきは、細線化が進む他の分野の銅めっきにおいても、パーティクルに起因するめっき不良率を低減させる方法として有効である。
本発明の実施例について説明する。なお、本実施例はあくまで一例であり、この例に制限されるものではない。すなわち、本発明の技術思想の範囲内で、実施例以外の態様あるいは変形を全て包含するものである。
(実施例1)
純度99.995wt%以上の無酸素銅インゴットを温度900℃、90分で熱処理し、その後、油圧プレスにて表1の条件で熱間鍛造して、アノード材を得た。そして、この一部を厚さ方向に切断し、その組織を観察した。その結果、中心部の平均結晶粒径は310μm、外周部の平均結晶粒径は300μmであり、したがって、平均結晶粒径のばらつきは3.2%であった(表2参考)。次に、残りの材料を仕上げ加工して、銅アノードとした。そして、このアノードを用いて、上記に示しためっき条件にて、シリコン基板上に銅めっきを施した。そして、シリコン基板上に発生したパーティクル数を測定した結果、4個であり極めて少なく、また、めっき外観及び埋め込み性も良好であるという結果が得られた。
(実施例2)
燐を400ppm含有する含燐銅インゴットを温度1000℃、90分で熱処理し、その後、エアハンマーにて表1の条件で熱間鍛造して、アノード材を得た。そして、この一部を厚さ方向に切断し、その組織を観察した。その結果、中心部の平均結晶粒径は410μm、外周部の平均結晶粒径は360μmであり、したがって、平均結晶粒径のばらつきは12%であった。次に、残りの材料を仕上げ加工して、銅アノードとした。そして、このアノードを用いて、上記に示しためっき条件にて、シリコン基板上に銅めっきを施した。そして、シリコン基板上に発生したパーティクル数を測定した結果、9個であり極めて少なく、また、めっき外観及び埋め込み性も良好であるという結果が得られた。
(実施例3)
燐を400ppm含有する含燐銅インゴットを温度600℃、90分で熱処理し、その後、スプリングハンマーにて表1の条件で熱間鍛造して、アノード材を得た。そして、この一部を厚さ方向に切断し、その組織を観察した。その結果、中心部の平均結晶粒径は120μm、外周部の平均結晶粒径は150μmであり、したがって、平均結晶粒径のばらつきは20%であった。次に、残りの材料を仕上げ加工して、銅アノードとした。そして、このアノードを用いて、上記に示しためっき条件にて、シリコン基板上に銅めっきを施した。そして、シリコン基板上に発生したパーティクル数を測定した結果、10個であり極めて少なく、また、めっき外観及び埋め込み性も良好であるという結果が得られた。
(実施例4)
燐を400ppm含有する含燐銅インゴットを温度900℃、90分で熱処理し、その後、エアハンマーにて表1の条件で熱間鍛造して、アノード材を得た。そして、この一部を厚さ方向に切断し、その組織を観察した。その結果、中心部の平均結晶粒径は310μm、外周部の平均結晶粒径は250μmであり、したがって、平均結晶粒径のばらつきは19%であった。次に、残りの材料を仕上げ加工して、銅アノードとした。そして、このアノードを用いて、上記に示しためっき条件にて、シリコン基板上に銅めっきを施した。そして、シリコン基板上に発生したパーティクル数を測定した結果、9個であり極めて少なく、また、めっき外観及び埋め込み性も良好であるという結果が得られた。
(実施例5)
燐を400ppm含有する含燐銅インゴットを温度1000℃、15分で熱処理し、その後、油圧プレスにて表1の条件で熱間鍛造して、アノード材を得た。そして、この一部を厚さ方向に切断し、その組織を観察した。その結果、中心部の平均結晶粒径は210μm、外周部の平均結晶粒径は170μmであり、したがって、平均結晶粒径のばらつきは19%であった。次に、残りの材料を仕上げ加工して、銅アノードとした。そして、このアノードを用いて、上記に示しためっき条件にて、シリコン基板上に銅めっきを施した。そして、シリコン基板上に発生したパーティクル数を測定した結果、8個であり極めて少なく、また、めっき外観及び埋め込み性も良好であるという結果が得られた。
(実施例6)
燐を400ppm含有する含燐銅インゴットを温度900℃、600分で熱処理し、その後、油圧プレスにて表1の条件で熱間鍛造して、アノード材を得た。そして、この一部を厚さ方向に切断し、その組織を観察した。その結果、中心部の平均結晶粒径は410μm、外周部の平均結晶粒径は360μmであり、したがって、平均結晶粒径のばらつきは12%であった。次に、残りの材料を仕上げ加工して、銅アノードとした。そして、このアノードを用いて、上記に示しためっき条件にて、シリコン基板上に銅めっきを施した。そして、シリコン基板上に発生したパーティクル数を測定した結果、8個であり極めて少なく、また、めっき外観及び埋め込み性も良好であるという結果が得られた。
(実施例7)
燐を400ppm含有する含燐銅インゴットを温度900℃、90分で熱処理し、その後、油圧プレスにて表1の条件で熱間鍛造して、アノード材を得た。そして、この一部を厚さ方向に切断し、その組織を観察した。その結果、中心部の平均結晶粒径は470μm、外周部の平均結晶粒径は410μmであり、したがって、平均結晶粒径のばらつきは13%であった。次に、残りの材料を仕上げ加工して、銅アノードとした。そして、このアノードを用いて、上記に示しためっき条件にて、シリコン基板上に銅めっきを施した。そして、シリコン基板上に発生したパーティクル数を測定した結果、8個であり極めて少なく、また、めっき外観及び埋め込み性も良好であるという結果が得られた。
(実施例8)
燐を400ppm含有する含燐銅インゴットを温度900℃、90分で熱処理し、その後、油圧プレスにて表1の条件で熱間鍛造して、アノード材を得た。そして、この一部を厚さ方向に切断し、その組織を観察した。その結果、中心部の平均結晶粒径は210μm、外周部の平均結晶粒径は170μmであり、したがって、平均結晶粒径のばらつきは19%であった。次に、残りの材料を仕上げ加工して、銅アノードとした。そして、このアノードを用いて、上記に示しためっき条件にて、シリコン基板上に銅めっきを施した。そして、シリコン基板上に発生したパーティクル数を測定した結果、10個であり極めて少なく、また、めっき外観及び埋め込み性も良好であるという結果が得られた。
(比較例1)
燐を400ppm含有する含燐銅インゴットを温度900℃、15分で熱処理した後、油圧プレスにて表1の条件で熱間鍛造した。その後、これを、温度650℃、40分で熱処理してアノード材を得た。そして、この一部を厚さ方向に切断し、その組織を観察した。その結果、中心部の平均結晶粒径は210μm、外周部の平均結晶粒径は280μmであり、したがって、平均結晶粒径のばらつきは25%であった(表3参考)。次に、残りの材料を仕上げ加工して、銅アノードとした。そして、このアノードを用いて、上記に示しためっき条件にて、シリコン基板上に銅めっきを施した。そして、シリコン基板上に発生したパーティクル数を測定した結果、45個と増加した。
(比較例2)
燐を400ppm含有する含燐銅インゴットを温度500℃、90分で熱処理した後、油圧プレスにて表1の条件で熱間鍛造した。その後、これを、温度750℃、90分で熱処理してアノード材を得た。そして、この一部を厚さ方向に切断し、その組織を観察した。その結果、中心部の平均結晶粒径は310μm、外周部の平均結晶粒径は410μmであり、したがって、平均結晶粒径のばらつきは24%であった。次に、残りの材料を仕上げ加工して、銅アノードとした。そして、このアノードを用いて、上記に示しためっき条件にて、シリコン基板上に銅めっきを施した。そして、シリコン基板上に発生したパーティクル数を測定した結果、35個と増加した。
(比較例3)
燐を400ppm含有する含燐銅インゴットを温度900℃、14分で熱処理した後、油圧プレスにて表1の条件で熱間鍛造した。その後、これを、温度750℃、90分で熱処理してアノード材を得た。そして、この一部を厚さ方向に切断し、その組織を観察した。その結果、中心部の平均結晶粒径は310μm、外周部の平均結晶粒径は410μmであり、したがって、平均結晶粒径のばらつきは24%であった。次に、残りの材料を仕上げ加工して、銅アノードとした。そして、このアノードを用いて、上記に示しためっき条件にて、シリコン基板上に銅めっきを施した。そして、シリコン基板上に発生したパーティクル数を測定した結果、35個と増加した。
(比較例4)
純度99.995wt%以上の無酸素銅インゴットを温度900℃、15分で熱処理した後、油圧プレスにて表1の条件で熱間鍛造した。その後、これを、温度650℃、90分で熱処理してアノード材を得た。そして、この一部を厚さ方向に切断し、その組織を観察した。その結果、中心部の平均結晶粒径は290μm、外周部の平均結晶粒径は350μmであり、したがって、平均結晶粒径のばらつきは21%であった。次に、残りの材料を仕上げ加工して、銅アノードとした。そして、このアノードを用いて、上記に示しためっき条件にて、シリコン基板上に銅めっきを施した。そして、シリコン基板上に発生したパーティクル数を測定した結果、48個と増加した。
電気銅めっきを行う際に、パーティクル付着の少ない電気銅めっきを安定して行うことができるという優れた特徴を有し、本発明のアノードを使用した電気銅めっきは、細線化が進む他の分野の銅めっきにおいても、パーティクルに起因するめっき不良率を低減させる方法として有効である。さらに、本発明の銅アノード又は含燐銅アノードは、被めっき物へのパーティクルの付着及び汚染を著しく減少させるという効果があり、従来不溶性アノードを使用することによって発生していた、めっき液中の添加剤の分解及びこれによるめっき不良が発生することもないという効果を有するので、半導体ウエハへの電気銅めっき用として極めて有用である。

Claims (4)

  1. 半導体ウエハへの電気銅めっきに使用する銅アノード又は含燐銅アノードであって、熱間鍛造組織からなり、該熱間鍛造組織の平均結晶粒径が100〜500μmであり、アノードの中心部と外周部の平均結晶粒径のばらつきが3.2%以上20%以内であることを特徴とする銅アノード又は含燐銅アノード。
  2. 請求項1記載の銅アノード又は含燐銅アノードの製造方法であって、銅又は含燐銅のインゴットを熱間鍛造して、平均結晶粒径が100〜500μmの熱間鍛造材とし、該熱間鍛造材を成形加工することを特徴とする銅アノード又は含燐銅アノードの製造方法。
  3. 鍛造開始温度を1000℃以下、鍛造終了温度を500℃以上とし、熱間鍛造を5〜30分とする条件で熱間鍛造することを特徴とする請求項2記載の銅アノード又は含燐銅アノードの製造方法。
  4. 熱間鍛造前に銅又は含燐銅のインゴットを700〜1000℃で熱処理することを特徴とする請求項2又は3記載の銅アノード又は含燐銅アノードの製造方法。
JP2015044563A 2015-03-06 2015-03-06 半導体ウエハへの電気銅めっきに使用する銅アノード又は含燐銅アノード及び銅アノード又は含燐銅アノードの製造方法 Active JP6619942B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015044563A JP6619942B2 (ja) 2015-03-06 2015-03-06 半導体ウエハへの電気銅めっきに使用する銅アノード又は含燐銅アノード及び銅アノード又は含燐銅アノードの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015044563A JP6619942B2 (ja) 2015-03-06 2015-03-06 半導体ウエハへの電気銅めっきに使用する銅アノード又は含燐銅アノード及び銅アノード又は含燐銅アノードの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016164290A JP2016164290A (ja) 2016-09-08
JP6619942B2 true JP6619942B2 (ja) 2019-12-11

Family

ID=56875920

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015044563A Active JP6619942B2 (ja) 2015-03-06 2015-03-06 半導体ウエハへの電気銅めっきに使用する銅アノード又は含燐銅アノード及び銅アノード又は含燐銅アノードの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6619942B2 (ja)

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4076751B2 (ja) * 2001-10-22 2008-04-16 日鉱金属株式会社 電気銅めっき方法、電気銅めっき用含リン銅アノード及びこれらを用いてめっきされたパーティクル付着の少ない半導体ウエハ
JP4011336B2 (ja) * 2001-12-07 2007-11-21 日鉱金属株式会社 電気銅めっき方法、電気銅めっき用純銅アノード及びこれらを用いてめっきされたパーティクル付着の少ない半導体ウエハ
JP2011046973A (ja) * 2009-08-25 2011-03-10 Mitsubishi Materials Corp 電気銅めっき方法および電気銅めっき製品
JP5499933B2 (ja) * 2010-01-12 2014-05-21 三菱マテリアル株式会社 電気銅めっき用含リン銅アノード、その製造方法および電気銅めっき方法
JP4792116B2 (ja) * 2010-02-09 2011-10-12 三菱伸銅株式会社 純銅板の製造方法及び純銅板
JP5668915B2 (ja) * 2010-09-06 2015-02-12 三菱マテリアル株式会社 リン成分が均一分散されかつ微細均一な結晶組織を有するめっき用含リン銅アノード材の製造方法およびめっき用含リン銅アノード材

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016164290A (ja) 2016-09-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI408241B (zh) 用於電子機械和工具的銅合金與其製造的方法
KR101779653B1 (ko) 고강도, 고내열 전해 동박 및 그 제조방법
JP4076751B2 (ja) 電気銅めっき方法、電気銅めっき用含リン銅アノード及びこれらを用いてめっきされたパーティクル付着の少ない半導体ウエハ
JP4011336B2 (ja) 電気銅めっき方法、電気銅めっき用純銅アノード及びこれらを用いてめっきされたパーティクル付着の少ない半導体ウエハ
KR20020073289A (ko) 전기도금용 인함유동 양극
JP5499933B2 (ja) 電気銅めっき用含リン銅アノード、その製造方法および電気銅めっき方法
JP2007039804A (ja) 電子機器用銅合金及びその製造方法
JP5709175B2 (ja) 半導体ウエハ
JP4034095B2 (ja) 電気銅めっき方法及び電気銅めっき用含リン銅アノード
US20130270121A1 (en) Method for fabricating copper nanowire with high density twins
JP5376168B2 (ja) 電気銅めっき用高純度銅アノード、その製造方法および電気銅めっき方法
JP6619942B2 (ja) 半導体ウエハへの電気銅めっきに使用する銅アノード又は含燐銅アノード及び銅アノード又は含燐銅アノードの製造方法
JP4607165B2 (ja) 電気銅めっき方法
JP4237236B2 (ja) 電解コンデンサ用アルミニウム箔およびその製造方法
JP4064121B2 (ja) 含リン銅アノードを使用する電気銅めっき方法
JP2004232049A (ja) Cuめっきチタン銅
JP4554662B2 (ja) 電気銅めっき用含リン銅アノード及びその製造方法
JP5234844B2 (ja) 電気銅めっき方法、電気銅めっき用含リン銅アノード及びこれらを用いてめっきされたパーティクル付着の少ない半導体ウエハ
JP3916134B2 (ja) 電気銅めっき用アノード、該アノードの製造方法、該アノードを用いた電気銅めっき方法
EP3896198A1 (en) Electrolytic copper foil and method for producing same
JP2011006794A (ja) 電気銅めっき方法、電気銅めっき用含リン銅アノード及びこれらを用いてめっきされたパーティクル付着の少ない半導体ウエハ
JP2019173104A (ja) Coアノード及びCoアノードを用いた電気Coめっき方法
JP2014043638A (ja) 電気めっき用アノード材の製造方法及び電気めっき用アノード

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170828

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180626

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180724

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180925

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190305

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20190417

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190614

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20191112

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20191118

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6619942

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250