JP6619633B2 - 温熱具の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、身体に装着して、身体の加温に用いられる温熱具及びその製造方法に関する。
身体に装着して、身体の加温に用いられる温熱具に関し、該温熱具に、保湿剤等の機能剤を保持させ、該温熱具から生じた熱によって該機能剤を皮膚に効率的に適用する技術が知られている。
例えば特許文献1には、皮膚又は粘膜に適用される水蒸気発生体に、金属粉、塩類及び水を含有し、金属粉の酸化に伴って水蒸気を放出する水蒸気発生組成物からなる水蒸気発生部を設け、皮膚又は粘膜への適用面に、グリセリン等のポリオール類、セラミド類及び、コラーゲン類等の保湿剤を含む粘着剤層を設け、皮膚に貼付使用することが記載されている。
また特許文献2には、空気の存在下に発熱する発熱組成物が、通気性を有する外側シートと身体に貼付する側に位置する内側シートとからなる袋内に封入されている発熱用シートであって、身体に貼付するための粘着層を、間隔を開けて設けた粘着部から構成したものが記載されている。この発熱用シートは、粘着層側から、水を含有する薬剤(機能剤)をスプレーして使用する。
また特許文献3には、酸化反応によって発熱する発熱層と、化粧料を含む親水性含水ゲル材料からなる含水ゲル層とを有する発熱ゲルシートであって、発熱層は、通気性シートと非通気性シートとからなる袋体に内包されており、発熱層と含水ゲル層との間に非通気性シートが介在配置され、通気性シートと発熱層との間に、吸水性ポリマーを含む吸水層が介在配置されている発熱ゲルシートが記載されている。
この発熱ゲルシートは、例えば、含水ゲル層側を剥離シートに被覆した状態で、その全体を気密性外包体に封入されて消費者に提供され、使用の際には、発熱ゲルシートを気密性外包体から取り出した後、剥離シートを剥離し、含水ゲル層からなる面を肌に貼付する。発熱層への空気の取り込みは、通気性シート側から行われる。
特開2001−031559号公報 特開2012−245044号公報 特開2015−084949号公報
使用者に特定の機能を付与し得る機能剤の例として、使用者の皮膚に施された時に、該使用者の皮膚に水分を供給する機能を付与する保湿剤や、冷感付与、香気放出、鎮痛効果(麻酔)等の機能を付与するもの等が挙げられる。
例えば機能剤として保湿剤を、特許文献1のように、空気と接触し、酸化反応によって発熱する発熱部を被覆する通気性のシートに塗布することは、該シートを介して流入する空気の量に変化を与え、温熱具の発熱特性に影響を与える。また発熱部が水蒸気を発生する場合は、水蒸気の発生特性や通気性のシートを介して水蒸気の放散量等に影響を与えることになる。
そこで、保湿剤等の機能剤を、機能剤の塗布部と機能剤の非塗布部とが生じるように、特定のパターンで塗布し、温熱具の発熱特性や、水蒸気の放散特性を適切なものにすることが考えられるが、例えば、温熱具に付与する機能剤の量を比較的多くした場合は、機能剤の付与後の加圧により機能剤に荷重が加わったときに、該機能剤が通気性のシートの面方向に拡散し、使用時に、該機能剤の塗布部が目的とするパターンで分布しておらず、設計通りの発熱特性や水蒸気の放散特性が得られない場合が多いことを知見した。
したがって、本発明の課題は、従来技術が有する解決課題を解消し得る、温熱具の製造方法、及び温熱具を提供することにある。
本発明は、使用時に使用者の身体側に位置する通気性の第1シート、使用者の身体から遠い側に位置する第2シート、及び前記第1シートと前記第2シートとの間に位置し酸化反応によって発熱する発熱部を有する本体部を備え、前記第1シートにおける使用時に使用者の肌側に向けられる肌側面に、使用者に特定の機能を付与し得る機能剤が付与され、該機能剤が剥離シートに被覆されている温熱具の製造方法であって、凹部及び凸部が形成されている第1面を有する凹凸シートの該凹部に、前記機能剤を充填する機能剤充填工程と、前記第1シートにおける前記肌側面となる面上に、該面と前記機能剤が充填された前記凹部とが対向するように、前記凹凸シートを重ねる合流工程と、前記合流工程と同時又は該合流工程後に、前記凹凸シートを、前記第1面とは反対側の第2面側から加圧して前記第1シートに押し付ける加圧工程を備える、温熱具の製造方法を提供するものである。
また、本発明は、使用時に使用者の身体側に位置する通気性の第1シート、使用者の身体から遠い側に位置する第2シート、及び前記第1シートと前記第2シートとの間に位置し酸化反応によって発熱する発熱部を有する本体部を備え、前記第1シートにおける使用時に使用者の肌側に向けられる肌側面に、使用者に特定の機能を付与し得る機能剤が付与され、該機能剤が剥離シートに被覆されている温熱具であって、前記発熱部と前記第1シートとの重なり領域における前記第1シートの肌側面に、前記機能剤が存在する機能剤存在部と前記機能剤が存在しない機能剤非存在部とが形成されており、前記剥離シートは、前記第1シート側の面に凹部及び凸部を有し、前記凹部内に前記機能剤存在部の機能剤が収容され、前記凸部は前記機能剤非存在部と対向している、温熱具を提供するものである。
本発明の温熱具の製造方法によれば、機能剤を所望の配置に正確に分布させることができ、発熱特性が良好で、機能性も高い温熱具を効率よく製造することができる。
本発明の温熱具は、発熱特性が良好で、機能性も高い。
図1は、本発明の温熱具の一実施形態の本体部と該本体部から剥離した剥離シートとを示す平面図である。 図2は、図1に示す温熱具を装着した状態を示す斜視図である。 図3は、図1に示す温熱具の分解斜視図である。 図4は、図1に示す温熱具の、剥離シートを本体部から剥離する前の状態を示すIV−IV線断面図である。 図5は、図1に示す温熱具の第1シートの肌側面付近の拡大断面図である。 図6は、本発明の温熱具の製造方法の一実施態様を示す概略図である。 図7(a)〜図7(c)は、図6に示す温熱具の製造方法における凹凸シート製造工程の説明図である。 図8は、図6に示す温熱具の製造方法における機能剤充填工程の説明図である。 図9は、図6に示す温熱具の製造方法における合流工程及び加圧工程の説明図である。 図10は、温熱具からの発生する水蒸気の量を測定する装置を示す概略図である。 図11は、本発明に用いる凹凸シートの別の例を示す図7(c)相当図である。 図12は、実施例及び比較例の結果を示すグラフである。
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき説明する。
先ず、本発明の温熱具の製造方法について、好ましい一実施態様で製造する温熱具の一例について説明する。
図1に示す温熱具1は、いわゆるアイマスクタイプの蒸気温熱具であり、図2に示すとおり、ヒトの目及びその周囲に当接させて、所定温度に加熱された水蒸気を目及びその周囲に付与するとともに、機能剤としての保湿剤7を皮膚に移行し浸透させるために用いられるものである。図1〜図4に示すとおり、温熱具1は扁平な形状をしている。また温熱具1は、長手方向Xと、これに直交する幅方向Yとを有し、長手方向Xに沿って長い形状をしている。温熱具1は、その長手方向Xの中央域に本体部2を有している。本実施形態の温熱具1においては、長手方向Xが、後述する好ましい製造方法における流れ方向に直交する交差方向CDに一致し、幅方向Yが、後述する好ましい製造方法における流れ方向MDに一致している。
本体部2も扁平な形状をしており、長手方向Xに沿って長い形状になっている。温熱具1は、長手方向Xの各端部に耳掛け部3,3を有している。耳掛け部3は、本体部2における長手方向Xの端部の位置から、長手方向Xの外方に向けて延びている。各耳掛け部3には、スリット3aが形成されている。スリット3aは、温熱具1の着用時に開口させ、その開口に使用者の耳を通すために用いられる。
本体部2は、第1シート4a及び第2シート4bを有している。これらのシート部材は、本体部2の最外面をなす部材であり、第1シート4aが、使用時に使用者の身体側に位置するシートであり、第2シート4bが、使用者の身体から遠い側に位置するシートである。第1シート4aと第2シート4bとは、幅方向Yに関しては同様の形状を有している。一方、長手方向Xに関しては、第1シート4aの各端縁4a’,4a’を越えて、第2シート4bが長手方向Xの外方へ向けて延出している。そして、その延出部位が、上述した耳掛け部3となっている。第1シート4aと第2シート4bとは、少なくとも、第1シート4aの周縁域が、第2シート4bと接合している。
第1シート4aと第2シート4bとの間には、発熱体5が配置されている。発熱体5は扁平な形状を有するものであり、平面視して長方形をしている。発熱体5は、第1の包材5aと第2の包材5bとを有している。第1の包材5aは、第1シート4a側に位置しており、第2の包材5bは、第2シート4b側に位置している。
第1の包材5aと第2の包材5bとは同形をしている。第1の包材5a及び第2の包材5bはそのいずれもが通気性を有する部位を備えるものであってもよく、あるいはいずれか一方のみが通気性を有する部位を備え、他方が難通気性又は非通気性であってもよい。後者の場合、第1面1a側に位置する包材である第1の包材5aが、通気性を有する部位を備えたものであることが好ましい。
第1の包材5aと第2の包材5bとの間には発熱部6が配置されている。発熱部6も平面視して長方形をしている。第1の包材5a及び第2の包材5bは、発熱部6の縁部から外方に延出した延出部位を有し、各包材5a,5bの延出部位どうしが接合されることで、発熱体5が形成されている。また、この接合によって発熱体5の外部への漏れ出しが防止されている。
本体部2は、発熱体5を2個備えている。2個の発熱体5は、長手方向Xに沿って配置されている。各発熱体5は、温熱具1を図3に示す態様で使用者の顔に装着したときに、使用者の眼球上に位置するように配置されていることが好ましい。また各発熱体5は、温熱具1における幅方向Yに沿う中心線CLに対して対称の位置に配置されている。各発熱体5は、これを構成する第2の包材5bが、該第2の包材5bと対向する部材である第2シート4bと接合して接合部5cが形成されていることで、本体部2に固定されている。接合部5cは、発熱体5と包材5a又は包材5bとを固定するために、発熱体5毎に、周辺部又は中央部の少なくとも1か所に設けることが好ましい。
本体部2を構成する第1シート4aは、使用時に使用者の肌側に向けられる肌側面1aに、保湿剤7が付与されている。発熱部6と第1シート4aとが平面視で重なる領域(以下、第1シート4aにおける、この領域のことを「重なり領域」という。)において、保湿剤7は不連続に施されている。即ち、第1シート4aは、その重なり領域に、機能剤存在部8a及び機能剤非存在部8bを含んでいる。図1に示す機能剤存在部8aは、幅方向Yに沿って延びるストライプ状に形成されており、機能剤存在部8aと機能剤非存在部8bが、長手方向Xに交互に形成されている。
個々の機能剤存在部8aの延びる方向は、製造時における流れ方向MDに対応する方向である、温熱具1の幅方向Yであることが好ましい。各機能剤存在部8aは、幅及び長さを有する細長い長方形状をしており、機能剤存在部8aどうしは幅がほぼ等しくなっている。機能剤存在部8aどうしの幅は、見た目の観点からほぼ等しくなっていることが好ましいが、異なっていても構わない。隣り合う機能剤存在部8aの間の領域、即ち機能剤非存在部8bの幅は、機能剤存在部8aの幅と同じであるか、あるいは異なっている。また各機能剤非存在部8bどうしは幅がほぼ等しくなっている。各機能剤非存在部8bどうしの幅は、見た目の観点からほぼ等しくなっていることが好ましいが、異なっていても構わない。
図5に示すとおり、機能剤である保湿剤7は、第1シート4aの肌側面1a上に厚みをもって付与されていることが好ましい。このように保湿剤7を施すことで、温熱具1の使用状態において、保湿剤7が使用者の皮膚に首尾よく移行し易くなる。保湿剤7を、厚みをもって施すためには、該保湿剤7を、微細構造を形成して構造粘性を調整したり、水溶性高分子を配合して水相の稠度により粘度を調整したりした乳化物とすればよい。なお、保湿剤7が厚みをもって施されていることは、該保湿剤7が、第1シート4a内に非浸透状態になっていることを意味するものではない。保湿剤7は、その一部が第1シート4a内に浸透していてもよい。
温熱具1の使用前の状態においては、図4及び図5に示すように、第1シート4aの肌側面1aに付与された保湿剤7は、剥離シート9に被覆されている。本実施形態の温熱具1においては、剥離シート9と第1シート4aとは、幅方向Yに関しては同様の形状を有している。一方、長手方向Xに関しては、剥離シート9の長さが、第1シート4a以下になっている。剥離シート9は、温熱具1における幅方向Yに沿う中心線CLに対して線対称の形状を有し、中心線CLの両側それぞれに、発熱部6と第1シート4aとの重なり領域を有している。剥離シート9は、その2つの重なり領域のそれぞれにおいて、機能剤存在部8a及び機能剤非存在部8bを被覆している。なお、剥離シート9は、中央線CLの両側に分割されていても良く、あるいはミシン目やスリットにより、中央線CL付近で左右に分割可能になされていても良い。
図5に示すように、剥離シート9は、第1シート4aの2つの重なり領域を被覆する部分のそれぞれにおける第1シート4a側の面に、凹部9a及び凸部9bを有している。そして、個々の凹部9a内に、機能剤存在部8aに存する保湿剤7が収容され、凸部9bは機能剤非存在部8bと対向している。
剥離シート9の個々の凹部9aは、図1に示すように、機能剤存在部8aの延在方向と同一の方向である温熱具1の幅方向Yに延在しており、該凹部9aと凸部9bとが、温熱具1の長手方向Xに交互に形成されている。各凹部9aは、幅及び長さを有する細長い長方形状をしており、複数本の凹部9aは、幅がほぼ等しくなっている。剥離シート9は、温熱具1の長手方向Xにおいて隣り合う凹部9a間の領域が凸部9bとなっており、凸部9bの幅は、凹部9aの幅と同じであるか、あるいは異なっている。また複数本の凸部9bは、幅がほぼ等しくなっている。また個々の凹部9a及び隣り合う凹部間に形成された凸部9bは、それぞれの幅が、温熱具1の幅方向Yに亘ってほぼ均一である。なお、凹部9aが延びる方向は、凹凸を有する剥離シート9を製造する際の流れ方向(MD)と一致することが、加工が容易であることから好ましい。また凹部9aが延びる方向は、温熱具1の製造時における第1シート4aの流れ方向と一致することが、機能剤の効率的な充填が可能である等の観点から好ましい。
本実施形態の温熱具1においては、図5に示すように、剥離シート9の凹部9aは、その幅W1、すなわち温熱具1の長手方向Xに沿う長さが、機能剤存在部8aの幅と一致しており、凸部9bの幅W2が、機能剤非存在部8bの幅と一致している。
機能剤存在部8aの幅や凹部9aの幅は、温熱具1に付与すべき発熱特性や水蒸気の放散特性等に応じて適宜に決定することができ、特に制限されるものではないが、例えば、それぞれの幅が2mm以上であることが好ましく、2.5mm以上であることが更に好ましく、3mm以上であることが一層好ましい。また7.5mm以下であることが好ましく、6.5mm以下であることが更に好ましく、5.5mm以下であることが一層好ましい。例えば機能剤存在部8a及び凹部9aの幅は、それぞれ、2mm以上7.5mm以下であることが好ましく、2.5mm以上6.5mm以下であることが更に好ましく、3mm以上5.5mm以下であることが一層好ましい。
また、隣り合う機能剤存在部8a間に位置する機能剤非存在部8bの幅及び凸部9bの幅は、2.5mm以上であることが好ましく、3.5mm以上であることが更に好ましく、4.5mm以上であることが一層好ましい。また10mm以下であることが好ましく、9mm以下であることが更に好ましく、8mm以下であることが一層好ましい。例えば機能剤非存在部8b及び凸部9bの幅は、それぞれ、2.5mm以上10mm以下であることが好ましく、3.5mm以上9mm以下であることが更に好ましく、4.5mm以上8mm以下であることが一層好ましい。
なお、図1、図3及び図4においては、剥離シート9の凹部9aとして、製造時の第1シート4aの流れ方向MDに沿う幅方向Yの長さが、機能剤存在部8aの同方向の長さと略一致するものを示したが、剥離シート9の凹部9a及び凸部9bは、剥離シート9の幅方向Yの一端縁から他端縁に亘るように形成されていても良く、その場合、凹部9aの延在方向における該凹部9aの中央部の一部のみに、保湿剤7等の機能剤が収容されるようにしても良い。
本実施形態の温熱具1によれば、第1シート4aの肌側面1a、特に発熱部6と第1シート4aとの重なり領域における第1シート4aの肌側面1aに、保湿剤7が、機能剤存在部8aと機能剤非存在部8bとが形成されるように付与され、その機能剤存在部8a及び機能剤非存在部8bが、凹凸を有する剥離シート9によって被覆され、凹部9a内に、機能剤存在部8aの保湿剤7が収容され、凸部9bは、機能剤非存在部8bと対向しているため、使用者が、使用するために本体部2から剥離シート9を剥離するまでの間、保湿剤7が荷重を受けて第1シート4aの面方向に拡がることが防止される。それにより、例えば、非通気性外装袋に封入された状態での流通過程、あるいは消費者による保管や携帯時等に、温熱具1に圧力が加わっても、保湿剤7の付与パターンや、機能剤存在部8aと機能剤非存在部8bとの面積比率が維持され、本体部2から剥離シート9を剥離して使用する際に、設計通りの良好な発熱特性又は水蒸気の放散特性等が得られる。
なお、剥離シート9は、第1シート4a上に剥離可能に接合されるが、剥離した際に凹部9a内の機能剤7を第1シート4a上に残すことが可能なものである。剥離シート9は、第1シート4a側の面に剥離処理が施されているものであってもいないものであっても良い。機能剤が、例えば、剥離シート9を構成するシート材の素材と結合しにくいものである場合には、剥離シート9に剥離処理が施されていなくても、第1シート4aへの転写がスムーズに行われる。
機能剤非存在部を通じての発熱部への酸素の供給が円滑になり、該発熱部の発熱特性が良好になり、使用者により十分な温感を付与することができるようにする観点、発熱部がより十分に発熱することで多量の水蒸気が発生し、且つ機能剤非存在部を通じての外部へ向けての水蒸気の発生が円滑になり、使用者の皮膚に水蒸気が効率よく到達するようにする観点、重なり領域に比較的多くの機能剤を保持できるようにし、機能剤が保湿剤である場合に、多量の保湿剤を使用者の皮膚に移行させることができるにする観点等から、温熱具1は、以下の構成を有することが好ましい。
すなわち、発熱部6と第1シート4aとの重なり領域における、機能剤存在部8aの面積割合は、該重なり領域の面積に対して、好ましくは20%以上、より好ましくは30%以上、更に好ましくは35%以上であり、また好ましくは75%以下、より好ましくは60%以下、更に好ましくは55%以下であり、また、好ましくは20%以上75%以下、より好ましくは30%以上60%以下、更に好ましくは35%以上55%以下である。
同様の観点から、発熱部6と第1シート4aとの重なり領域における、機能剤が充填された凹部9aの面積割合は、該重なり領域の面積に対して、好ましくは20%以上、より好ましくは30%以上、更に好ましくは35%以上であり、また好ましくは75%以下、より好ましくは60%以下、更に好ましくは55%以下であり、また、好ましくは20%以上75%以下、より好ましくは30%以上60%以下、更に好ましくは35%以上55%以下である。
これらの面積の割合は、発熱部と第1シートとが平面視で重なる領域において、機能剤存在部又は凹部の大きさをノギス等で測定して面積を計算し、発熱部の面積に対する割合を算出して測定することができる。
次に、本発明の温熱具の製造方法の好ましい一実施態様について、前述した温熱具1を製造する場合を例にして説明する。
本実施態様の製造方法は、図6に示すように、凹凸シート製造部10で行われる凹凸シート製造工程と、機能剤充填部20で行われる機能剤充填工程と、合流部40で行われる合流工程と、合流部40又は加圧部50で行われる加圧工程と、加圧工程後の切断工程とを備えている。
以下、より詳細に説明する。
前記凹凸シート製造工程においては、図7(a)及び図7(b)に示すように、合成樹脂製の平坦な原料シート9Bを、一対の賦形ロール12,13間で狭圧して、図7(c)に示す断面形状の凹凸シート9Aを得る。一対の賦形ロール12,13それぞれの周面には、原料シート9Bを、図7(c)に示す断面形状の凹凸シート9Aに変形させるための凹凸が形成されている。より具体的には、一方の賦形ロール12の周面には、前述した剥離シート9の凹部9aとなる凹部を形成するための凸部12aと、剥離シート9の凸部9bとなる凸部を形成するための凹部12bが形成されており、他方の賦形ロール13の周面には、原料シート9Bの一部を、一方の賦形ロール12の凹部12bに押し込むための凸部13aと、原料シート9Bの一部が、一方の賦形ロール12の凸部12aによって押し込まれる凹部13bが形成されている。
一対の賦形ロール12,13は、原料シート9Bに、原料シート9Bを凹凸形状に塑性変形させ得る圧力及び温度を付与し得るものであることが好ましく、例えば、原料シート9Bが、熱可塑性樹脂製である場合、一方又は双方の賦形ロール12,13を、当該熱可塑性樹脂の融点より低い温度で、軟化する温度範囲において加熱することが好ましい。
なお、図7(a)〜図7(c)には、一対の賦形ロールの軸方向の一部及び原料シート9Bの幅方向の一部のみが示されている。
一方又は双方の賦形ロール12,13で加熱及び加圧することにより、図7(c)に示す断面形状の凹凸シート9Aが得られる。凹凸シート9Aは、流れ方向の全域に亘って図7(c)に示す断面形状を有していても良いし、流れ方向に間欠的に図7(c)に示す断面形状の部分を有していても良い。上述した温熱具1を製造するには、流れ方向に間欠的に凹部9aを有する凹凸領域を形成することが好ましい。
凹凸賦形された凹凸シート9Aは、公知の搬送手段(図示せず)により搬送されて、機能剤充填部20に導入される。図6中、符号14は、搬送中の凹凸シート9Aの蛇行を抑制するためのロールを示している。
前記機能剤充填工程においては、凹凸シート製造工程において得られた凹凸シート9Aの凹部9aに対して、図8に示すように、保湿剤7等の機能剤を充填する。図6では、ダイコーターを用いた充填方法を例示したが、この充填には、ダイコーター、ディスペンサー、ナイフコーティング等の充填方法を用いることができる。また、機能剤は、個々の凹部9aから溢れない量を充填することが好ましい。また、機能剤はそのまま充填しても良いし、機能剤を溶剤中に溶解したものを充填しても良い。
前記合流工程においては、図6及び図9に示すように、帯状の第1シート4aにおける、前記肌側面1aとなる面上に、該面と機能剤7が充填された凹部9aとが対向するように、凹凸シート9Aを重ねる。
図6に示す実施態様においては、連続搬送されてきた帯状の第2シート4b上に発熱体5が間欠的に配置されており、該第2シート4b上に別に連続搬送されてきた帯状の第1シート4aが重ねられた本体部連続体2Cが、合流部40に導入され、該合流部40においては、その本体部連続体2Cの第1シート4a上に、機能剤7が充填された凹部9aを有する凹凸シート9Aが重ね合される。
前記加圧工程においては、合流部40に配置された加圧ロール51、又は合流部40よりも下流に位置する加圧部50に配された加圧ロール52により、凹凸シート9Aを、凹部9a及び凸部9bが形成されている第1面1a側とは反対側の第2面1b側から加圧して、第1シート4aに押し付ける。
図6に示す例においては、合流部40に配置された加圧ロール51とベルトコンベア60の搬送面との間の距離を、その間に導入する、本体部連続体2Cと凹凸シート9Aとの合計厚みより狭くすることによって、凹凸シート9Aを、第1シート4aの発熱部6と重なる部分に押し付けている。また、加圧ロール52は、第1シート4aと第2シート4bとを発熱体5が存在しない部分で加圧し、第1シート4a又は第2シート4bに塗工した接着剤(図示せず)を介して、両シート4a,4bを、個々の発熱体5の周囲又は2つの発熱体5の周囲において互いに接合するものであるが、発熱部6と第1シート4aの重なり領域が、加圧ロール52の下部を通過する際には、凹凸シート9Aが、第1シート4aの発熱部6と重なる部分に押し付けられる。加圧ロール52としては、外周部がウレタンフォーム等の柔軟な素材からなるローラが好ましく用いられる。本発明における加圧工程は、加圧のみを目的として行われるものに制限されず、合流工程後に、何等かの目的で施される操作において、凹凸シート9Aが、第1シート4aに押し付けられるのであれば、その操作が行われる工程も加工工程となる。また加工工程の回数には特に制限はない。
前記切断工程においては、本体部連続体2C上に帯状の凹凸シート9Aが連続的に積層された連続積層体1Aを、図示しないロータリーダイカッター等で所定形状に打ち抜き、目的とする温熱具1が得られる。
本実施態様の製造方法によれば、図9に示すように、凹凸シート9Aの凹部9aに隣接する凸部9bによって、凹部9a内に充填された機能剤7が、製造工程中に第1シート4aの面方向へ広がることが抑制されるため、機能剤を予め決定した所望の配置に正確に分布させることができる。これにより、機能剤存在部と機能剤非存在部の面積割合を設計通りとすることができ、発熱特性が良好で、機能剤による使用者への機能付与も良好な温熱具を、効率よく製造することができる。
合流工程においては、機能剤充填工程後の凹凸シート9Aを、発熱体5中の発熱部6と第1シート4aとの重なり領域上に、機能剤7が充填された凹部9a及び該凹部9aに隣接する凸部9b,9bが位置するように重ね合わせることが好ましい。発熱部6と第1シート4aとの重なり領域は、熱や蒸気を比較的多く放散する部分である一方、製造工程又は製造工程後の流通過程等において加圧される機会も多い。重なり領域上に、凹部9aに収容した状態で機能剤7を配置し、加圧による機能剤7の拡散を抑制することにより、加温や水蒸気による効果と機能剤による効果とが一層良好に発現される。
本発明においては、発熱部6は、発熱時に水蒸気の発生を伴うものであり、第1シート4aは、透湿性を有することが好ましい。
透湿性を有する第1シート4aに、機能剤7を、凹部9aに収容して面方向に拡がらないように配することで、水蒸気の流路も確実に確保でき、使用者の肌への温熱効果を一層向上させることができる。
発生した水蒸気は、第1シートを通じて外部に放出され、使用者の皮膚に到達することが好ましい。詳細には、温熱具の使用時に肌側に位置する最外層を通じて発生する水蒸気発生量が、20mg/(25cm・10min)以上であることが好ましく、30mg/(25cm・10min)以上であることがより好ましい。また、水蒸気発生量の上限値は、例えば、300mg/(25cm・10min)以下であることが好ましく、210mg(25cm・10min)以下であることがより好ましい。なかでも、20mg/(25cm・10min)以上300mg/(25cm・10min)以下であることが好ましく、30mg/(25cm・10min)以上210mg(25cm・10min)以下であることがより好ましい。このような多量の水蒸気を発生させるためには、例えば発熱部に含まれる水の量を、上述した範囲に設定すればよい。
温熱具からの水蒸気発生量は、図10に示す装置30を用いて次のように測定する。図10に示す装置30はアルミニウム製の測定室(容積2.1L)31と、測定室31の下部に除湿空気(湿度2%未満、流量2.1L/分)を流入させる流入路32と、測定室31の上部から空気を流出させる流出路33とを備えている。流入路32には、入口温湿度計34と入口流量計35とが取り付けられている。一方、流出路33には、出口温湿度計36と出口流量計37とが取り付けられている。測定室31内には温度計(サーミスタ)38が取り付けられている。温度計38としては、温度分解能が0.01℃程度のものを使用した。測定環境温度30℃(30±1℃)において温熱具を包装材から取り出し、その水蒸気放出面を上にして測定室31に載置する。金属球(4.5g)をつけた温度計38をその上に載せる。この状態で測定室31の下部から除湿空気を流す。入口温湿度計34と出口温湿度計36で計測される温度及び湿度から測定室31に空気が流入する前後の絶対湿度の差を求める。更に入口流量計35と出口流量計37で計測される流量から温熱具が放出した水蒸気量を算出する。この装置の詳細は、本出願人の先の出願に係る特開2004−73688号公報に記載されている。水蒸気量の算出には以下の式を用いる。
ここで、U(%RH):相対湿度、e(Pa):水蒸気圧、es(Pa):飽和水蒸気圧、D(g/m):絶対湿度、P(L):単位空気容量、S(s):サンプリング周期、A(g):水蒸気量を示す。
図6に示した温熱具1の製造方法においては、凹凸シート製造工程で製造し、合流工程で第1シート4aと合流させた凹凸シート9Aは、機能剤7が充填された凹部9aが、第1シート4aの流れ方向MDに延在し、凹部9aと凸部9bとが、第1シート4aの流れ方向と直交する交差方向CDに交互に形成されている。
第1シート4aの流れ方向MDに延びる凹部9a及び凸部9bを有する凹凸シート9を用いると、機能剤充填工程の加工が容易となり、効率良く機能剤を充填することが可能になる
また凹凸シート9Aは、機能剤7の広がり抑制と第1シート4aへの転写性の向上等の観点から、凹部9aと凸部9bの高低差h〔図7(c)参照〕は、好ましくは0.1mm以上、より好ましくは0.4mm以上であり、また好ましくは3mm以下、より好ましくは0.6mm以下であり、また好ましくは0.1mm以上3mm以下、より好ましくは0.4mm以上0.6mm以下である。
機能剤の広がり抑制効果の高い凹凸シート9Aを形成する観点から、原料シート9Bは、その厚みが、好ましくは0.2mm以上、より好ましくは1mm以上であり、また好ましくは5mm以下、より好ましくは2mm以下であり、また好ましくは0.2mm以上5mm以下、より好ましくは1mm以上2mm以下である
図7に示すように、本発明の製造方法の好ましい実施態様で用いた凹凸シート9Aは、機能剤を充填する凹部9aを有する側の面を第1面91、それとは反対側の面を第2面92としたときに、第1シート4aの流れ方向MDと直交する方向CDにおいて隣り合う凹部9a間における第2面92側に、圧力緩衝用凸部9cを有している。
凹凸シート9Aが、圧力緩衝用凸部9cを有することで、凹部9aに収容した機能剤7が、製造時における加圧工程や製造後の加圧に対して一層広がりにくくなる。
圧力緩衝用凸部9cは、機能剤7の広がり抑制の観点から、凹凸シート9Aにおける圧力緩衝用凸部9cを有する部分における厚みTcが、第1面91側の凹部9aを有する部分の厚みTaよりも厚いことが好ましい。厚みTcは、厚みTaの、好ましくは1.2倍以上、より好ましくは1.5倍以上であり、また好ましくは3倍以下、より好ましくは2倍以下であり、また好ましくは1.2倍以上3倍以下、より好ましくは1.5倍以上2倍以下である。
また、図7に示す凹凸シート9Aは、第2面92側に、第1シート4aの流れ方向MDと直交する交差方向CDにおいて隣り合う凹部9a間に第1面91側の凹部9aと重ならない圧力緩衝用凸部9c、及び第1面91側の凹部9aと重なる第2面側凸部9dを有し、更に第1面91側の凹部9aと重ならない第2面側凹部9eを有している。凹凸シート9Aは、圧力緩衝用凸部9cの、交差方向CDにおける両側それぞれに第2面側凹部9eを有している。
そして、その圧力緩衝用凸部9cは、前記交差方向CDに沿う長さLcが、圧力緩衝用凸部9cの両側に位置する第2面側凹部9eそれぞれの、前記交差方向CDに沿う長さLe以下であることが、圧力緩衝用凸部9cが、圧力を受けた際に第2面側凹部9e内へ倒れ込み易く、第2面側凸9dに圧力がかかり難くなることから、一層緩衝効果が保障される観点から好ましい。この観点から、圧力緩衝用凸部9cは、前記交差方向CDに沿う長さLcが、圧力緩衝用凸部9cの両側に位置する第2面側凹部9eそれぞれの、前記交差方向CDに沿う長さLe未満であることがより好ましい。
また、その圧力緩衝用凸部9cは、前記交差方向CDに沿う長さLcが、第2面側凸部9dの、前記交差方向CDに沿う長さLdよりも短いことが好ましく、該長さLdの半分以下であることが好ましい。
凹凸シート9Aが、斯かる圧力緩衝用凸部9cを有することで、凹部9aに収容した機能剤7が、製造時における加圧工程や製造後の加圧に対して一層広がりにくくなる。
本発明の発熱具及びその製造方法に使用する各種材料について説明する。
第1シート4a及び第2シート4bは、その双方が通気性を有していていも良く、あるいは第1シート4aが通気性を有し、第2シート4bが、非通気性であるか又は難通気性であってもよい。どちらを採用するかは、温熱具の具体的な用途に応じて決定すればよい。第1シート4a及び/又は第2シート4bが、通気性を有する場合、通気性を有するシートは、その全域が通気性を有するのに代えて、発熱部と重なる部分等の一部の部位のみが通気性を有していても良い。また通気性を有するシートの通気性を有する部位(全体又は一部)は、例えば不織布等の繊維シートや、多孔質の合成樹脂製シートを用いることができる。不織布としては、例えばエアスルー不織布、スパンボンド不織布、メルトブローン不織布及びスパンレース不織布などを用いることができる。多孔質の合成樹脂製シートは、一般に水に対して難透過性であり、水蒸気透過性を有する、いわゆる透湿性シートであることが好ましい。透湿性シートは一般に、熱可塑性樹脂と、該熱可塑性樹脂に対して相溶性を有さない粉末とを溶融混練し、その混練物をフィルム状に押し出して成形体となし、該成形体を一軸又は二軸延伸することで得られる。第1シート及び/又は第2シートが透湿性シートからなる部位を有する場合、該部位の外面に不織布等の繊維シートを積層してもよい。こうすることで、温熱具の肌触りを向上させることができる。そのような繊維シートとしては、例えばエアスルー不織布などが好適なものとして挙げられる。
第1シート又は第2シートのいずれか一方が非通気性であるか、又は難通気性である場合、当該シートとしては、例えば熱可塑性樹脂のシートを用いることができる。かかるシートは、水に対して難透過性又は不透過性であり、且つ空気や水蒸気に対しても難透過性又は不透過性である。かかるシートの外面にも、必要に応じて不織布等の繊維シートを積層して、温熱具の肌触りを向上させてもよい。
温熱具の発熱部は、被酸化性金属の酸化反応によって生じた熱を熱源として利用するものであることが好ましい。その場合、発熱部は、被酸化性金属及び水を含有する発熱組成物で構成されることが好ましい。被酸化性金属としては、酸化反応熱を生じる金属を用いることが好ましい。そのような金属の例としては、鉄、アルミニウム、亜鉛、マンガン、マグネシウム、及びカルシウムから選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。これらの金属は、例えば粉末や繊維の形態で用いられる。これらの金属のうち、取り扱い性、安全性、製造コスト、保存性及び安定性の点から鉄を用いることが好ましく、特に鉄を粉末の形態で、つまり鉄粉の形態で用いることが好ましい。鉄粉としては、例えば還元鉄粉及びアトマイズ鉄粉から選ばれる1種又は2種以上が好適に用いられる。
被酸化性金属が粉末である場合、酸化反応が効率的に行われる観点から、その平均粒径は10μm以上であることが好ましく、20μm以上であることが一層好ましく、200μm以下あることが好ましく、150μm以下であることが更に好ましい。例えば被酸化性金属の粉末の平均粒径は、10μm以上200μm以下であることが好ましく、20μm以上150μm以下であることがより好ましい。なお、被酸化性金属の粒径は、粉体の形態における最大横断長さのことであり、篩による分級、動的光散乱法、レーザー回折法等により測定される。
発熱部における被酸化性金属の含有量は、坪量で表して、100g/m以上であることが好ましく、200g/m以上であることがより好ましい。また、発熱部における被酸化性金属の含有量は、3000g/m以下であることが好ましく、1600g/m以下であることがより好ましい。例えば被酸化性金属の含有量は、100g/m以上3000g/m以下であることが好ましく、200g/m以上1600g/m以下であることが更に好ましい。これによって、発熱部の発熱温度を所望の温度に上昇させることができる。被酸化性金属の含有量は、JIS P8128(1995年改正版)に準じ
る灰分試験や、熱重量測定器で求めることができる。その他に、外部磁場を印加すると磁化が生じる性質を利用して振動試料型磁化測定試験等により定量することができる。
発熱部には、被酸化性金属とともに水が含有される。水は、温熱具の保存中に、発熱部以外の部材に移行しやすく、更に前記の第1面に施されている保湿剤組成物に含まれる水と相互に移行しやすいため、発熱部に添加された水の含有量をだけを測定しづらい。一方、酸化反応による発熱では、温熱具に付与されたすべての水が使用される。そこで本発明においては、温熱具全体に含まれる水の量を、発熱部中の被酸化性金属の質量を基準として表すこととする。具体的には、温熱具全体に含まれる水の量は、100質量部の被酸化性金属に対して、40質量部以上150質量部以下であることが好ましく、40質量部以上120質量部以下であることが更に好ましい。この範囲の量で水を含むことで、発熱部が発熱したときに、多量の水蒸気を発生させることができる。
被酸化性金属及び水に加え、発熱部は、保水材を含むことが好ましい。保水材は、水の保持が可能な材料から構成されている。本発明において保水材とは、自重に対して5質量倍以上の純水を吸収・保持できる材料を指す。そのような材料として特に好ましいものは、保水量が極めて高く、熱や塩濃度の変化で放水する性質を有する材料である吸水性ポリマーである。保水材はそれ単独で発熱部に含有させることができるほか、2枚の吸水性シート間に吸水性ポリマーを層状に配置してなる吸水性ポリマーシートの形態で発熱部に含有させることもできる。そのような吸水性ポリマーシートとしては、例えば特開平8−246395号公報に記載のものを用いることができる。
発熱部は更に、保水能、酸素供給能及び触媒能を有する点から炭素成分を含有することが好ましい。炭素成分としては、例えば活性炭、アセチレンブラック及び黒鉛から選ばれる1種又は2種以上を用いることができる。これらの炭素成分のうち、湿潤時酸素を吸着しやすいことや、発熱部の水分を一定に保てる観点から活性炭が好ましく用いられる。より好ましくは、椰子殻炭、木粉炭、及びピート炭から選ばれる1種又は2種以上の微細な粉末状物又は小粒状物からなる活性炭が用いられる。発熱部における炭素成分の含有量は、被酸化性金属100質量部に対して0.3質量部以上20質量部以下であることが好ましい。
発熱部は、上述した各成分に加えて、反応促進剤を含んでいてもよい。また、必要に応じて、更に界面活性剤、薬剤、凝集剤、着色剤、紙力増強剤、pH調整剤、嵩高剤等を含むこともできる。
本発明の温熱具の製造方法で製造される温熱具又は本発明の温熱具に使用する機能剤としては、使用者に対して、薬効、保湿効果や、冷感や温感等の所定の感覚を付与するものが挙げられる。前述した温熱具1における保湿剤、即ち、使用者の皮膚に施された時に該使用者の皮膚に水分を付与する機能を付与する保湿剤の他、冷感付与、鎮痛効果及び香気発生による清涼感付与機能を付与する、メントール等が挙げられる。
保湿剤としては、例えば化粧品や医薬品の分野でこれまで用いられてきたものと同様のものを特に制限なく用いることができる。例えば、親水性の成分として水溶性有機酸、水溶性有機酸塩、多価アルコール等が挙げられ、一方、親油性の成分としてセラミド類、コラーゲン類、高級アルコール、高級脂肪酸、エステル油、炭化水素類、シリコーン類などが挙げられる。これらの保湿剤は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
前記の水溶性有機酸としては、例えばL−グルタミン、L−グルタミン酸、クエン酸、コハク酸、酒石酸、セリン、タンニン酸、L−チロシン、乳酸、尿酸、パラアミノ安息香酸、L−バリン、ヒアルロン酸、ヒドロキシエタンジホスホン酸、DL−ピロリドンカルボン酸、フィチン酸、L−メチオニン、リンゴ酸、L−ロイシン、アジピン酸、アスコルビン酸、L−アスパラギン酸、N−アセチル−L−グルタミン酸、ε−アミノカプロン酸、2−アミノ−2−ヒドロキシ−1,3−プロパンジオール、γ−アミノ酪酸、アラニン、L−アルギニン、エデト酸、塩化リジン、L−オキシプロリン、カプリル酸、カプロン酸、クエン酸、グルタミン酸、グルコン酸、グルタチオンなどを挙げることができる。
前記の水溶性有機酸塩としては、例えばマロン酸塩、アスパラギン酸ナトリウム、アラントインクロルヒドロキシアルミニウム、アラントインヒドロキシアルミニウム、L−グルタミン酸塩、エデト酸カリウム、エデト酸トリエタノールアミン、エデト酸二ナトリウム、エデト酸二ナトリウムカリウム、エデト酸三ナトリウム、エデト酸四ナトリウム、エリソルビン酸ナトリウム、オレイン酸グリセリルリン酸エステルナトリウム、5−グアニル酸二ナトリウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸二ナトリウム、グリシンアルミニウム、グルコン酸カルシウム、L−グルタミン酸ナトリウム、コハク酸二ナトリウム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、サッカリンナトリウム、シュウ酸ナトリウム、L−酒石酸ナトリウム、乳酸カルシウム、乳酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、L−ヒスチジン塩酸塩、DL−リンゴ酸ナトリウム、リン酸L−アスコルビン酸マグネシウム、リン酸−水素ナトリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸二水素ナトリウム、アルギニンコハク酸塩、グアニジン誘導体などを挙げることができる。
前記の多価アルコールとしては、化粧品等に通常使用されるものであれば特に制限されないが、分子内に2個以上の水酸基を有する多価アルコールを用いることが、皮膚刺激が低い点や、臭いが弱い点で好ましい。具体的には、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン、ポリグリセリン、グルコース、マンニトール、マルチトール、ショ糖、フルクトース、キシリトース、ソルビトール、マルトトリオース、スレイトール、エリスリトール、トレハロース、ポリオキシエチレンメチルグルコシド、澱粉分解糖還元アルコールなどを挙げることができる。
前記のセラミド類としては、例えばセラミド2、セラミド3、N−アシルスフィンゴシン、N−アシルジヒドロスフィンゴシン、N−アシルフィトスフィンゴシン等のセラミドや、スフィンゴミエリン、セレブロシド、ガングリオシド、スルファチド、スフィンゴシン、アシルスフィンゴシン、テトラアセチルフィトスフィンゴシン等のセラミド誘導体や、N−(ヘキサデシロキシヒドロキシプロピル)−N−ヒドロキシエチルヘキサデカナミド、トリヒドロキシパルミタミドヒドロキシプロピルミリスチルエーテル、セチルヒドロキシプロリンパルミタミドなどのセラミド類似物質などを挙げることができる。
前記のコラーゲン類としては、例えばコラーゲン、コラーゲンペプチド、アテロコラーゲンなどを挙げることができる。
前記の高級アルコールとしては、例えばラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オレイルアルコール、ラノリン、ヘキシルデカノール、オクチルドデカノール、イソステアリルアルコールなどを挙げることができる。
前記の高級脂肪酸としては、例えばラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、イソステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸などを挙げることができる。
前記のエステル油としては、例えばオリーブ油、カルナウバロウ、ラノリン、ホホバ油、グリセリンモノステアリン酸エステル、グリセリンジステアリン酸エステル、グリセリンモノオレイン酸エステル、ジイソステアリン酸ポリグリセリル、イソプロピルステアリン酸エステル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、イソノナン酸イソトリデシル、イソステアリン酸コレステリル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル・オクチルドデシル)、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(フィトステリル・2−オクチルドデシル)などを挙げることができる。
前記の炭化水素類としては、例えば流動パラフィン、流動イソパラフィン、ワセリン、スクワラン、スクワレンなどを挙げることができる。
前記のシリコーン類としては、例えばジメチコン、環状シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、ポリエーテル・アルキル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、などを挙げることができる。
保湿剤は、それ単独又は保湿剤を含む組成物の形態で、第1シートの肌側面に施すことができる。このような保湿剤組成物には、保湿剤に加えて、例えば増粘剤、界面活性剤、防腐剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、美白剤、血行促進剤、皮脂抑制剤、収斂剤、溶解剤、その他の油剤、ビタミン及び植物エキスなどの薬効成分、pH調整剤、キレート剤、着色料、香料、及び水などを、本発明の効果を損なわない範囲で適宜選択して配合し、ゲル状、乳化物、可溶化物等の組成物とすることができる。
特に、保湿剤が、水を含む保湿剤組成物の状態で施されており、該保湿剤組成物の25℃での粘度が40Pas以上、特に60Pas以上、とりわけ70Pas以上であることが好ましい。また25℃での粘度が1200Pas以下、特に500Pas以下、とりわけ300Pas以下であることが好ましい。例えば、保湿剤組成物は、25℃における粘度が40Pas以上1200Pas以下であることが好ましく、60Pas以上500Pas以下であることが更に好ましく、70Pas以上300Pas以下であることが一層好ましい。この範囲の粘度を有する保湿剤組成物は、適度な流動性と保形性を有するため、塗布しやすい反面シート部材内に浸透しにくく、シート部材上に厚みをもって保持することが可能である。その結果、使用者の皮膚への移行性が良好になる。保湿剤組成物の粘度を上述の範囲に調整するには、例えば該組成物中に増粘剤等の粘度調整剤を配合し、その配合量を適切に設定すればよい。保湿剤組成物の粘度は、B型粘度計(東機産業製:TVB−10R,5rpm,1分間)を用いて、測定粘度に適応したTバー(T−C:40〜400Pas,又はT−E:200〜2000Pas)を選択することにより測定することができる。
第1シートの肌側面に付与された保湿剤は、その坪量が、発熱部と第1シートとの重なり領域の面積を基準として、該領域内において、90g/m以上であることが好ましく、110g/m以上であることが更に好ましく、130g/m以上であることが一層好ましい。また300g/m以下であることが好ましく、260g/m以下であることが更に好ましく、240g/m以下であることが一層好ましい。この範囲の坪量で保湿剤を施すことで、第1シート上における保湿剤の保持性が良好になる。また保湿剤が、第1シート内に浸透しづらくなる。更に、第1シートから使用者の皮膚への保湿剤の移行性が良好になる。なお、前記の保湿剤の坪量は、発熱部と第1シートとの重なり領域の面積を基準として、該領域内に存在する保湿剤の量から算出される値である。以下、保湿剤の坪量と言うときには、この定義の坪量のことを意味する。
凹凸シート9Aやその原料シート9Bは、合成樹脂製であることが好ましく、その合成樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリオレフィン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ナイロン等のポリアミド等が挙げられる。
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は前記実施形態に制限されない。例えば前記の温熱具1には、発熱部6を複数用いたが、温熱具の具体的な用途によっては発熱部を1つだけ用いてもよく、あるいは3つ以上用いてもよい。また、前記の温熱具1は、温熱具を使用者の顔に適用したものであったが、温熱具の適用部位は顔に限られず、身体の他の部位、例えば肩、腰、膝、肘、腕、脚に温熱具を適用してもよい。
また、本発明の温熱具の製造方法においては、第1シートの肌側面に付与する機能剤の配置パターンに特に制限はなく、本発明の温熱具においても、重なり領域に、機能剤存在部及び機能剤非存在部が形成される多様なパターンで機能剤を付与することができる。例えば、前述した実施形態の温熱具1では、機能剤存在部が延びる方向及び機能剤存在部の機能剤を収容する剥離シート(凹凸シート)の凹部の延びる方向が、第1シート4aの流れ方向MDに沿う方向であったが、それらの方向は、第1シート4aの流れ方向に直交する方向CDに沿う方向であっても良いし、第1シート4aの流れ方向MDに、0度超90度以下の角度でもって交差していてもよい。
また、重なり領域に、平面視して円形、楕円形、三角形、正方形、長方形、五角形、星形等の任意の形状の機能剤存在部が海島の島をなすように海島状に形成されていても良い。また、機能剤存在部を格子状に形成することもできる。
また、凹凸シート9Aは、第1シート4aの流れ方向に直交する方向CDに沿う断面形状が、図11(a)〜図11(c)に示す各形状であっても良い。図11(a)に示す凹凸シート9Aには、圧力緩衝用凸部9cが形成されていない。図11(b)に示す凹凸シート9Aは、隣り合う凹部9a間に、一つの圧力緩衝用凸部9cを有している。図11(c)に示す凹凸シート9Aは、第1シート4a側に向けられる第1面91側に、機能剤が充填される凹部9a及び該凹部9aを挟む凸部9bが形成されている一方、第1面91とは反対側の第2面92は平坦面となっている。
また、圧力緩衝用凸部9cは、温熱具1の幅方向Yにおいて、凹部9aの全長に亘るように連続的に形成されていても良いし、凹部9aの全長内に間欠的に複数形成されていても良い。
また図6に示す温熱具の製造方法においては、凹凸シート9Aの製造と、該凹凸シート9Aを用いた温熱具の製造を連続するラインで製造したが、別のラインで製造した凹凸シート9Aを、温熱具の製造ラインに導入して温熱具を製造しても良い。また、凹凸シート9Aを帯状のまま、第1シート4aに重ねるのに代えて、凹凸シート9Aを任意の寸法に切断した後、第1シート4aに重ねても良く、凹凸シート9Aの流れ方向の前後の端縁の形状が、加温具1や第1シート4aの幅方向Yの端縁の形状と一致していなくても良い。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲は、かかる実施例に制限されない。特に断らない限り、「%」は「質量%」を意味する。
(1)実施例1
矩形状に裁断したポリプロピレン製の樹脂フィルム(厚さ0.06mm)の表面に、幅8.6mm、厚さ0.5mmm、長さ50mmの帯状の養生テープを、相互間に1.4mmの間隔を設けて互いに平行に4本貼着して、凹凸シートとした。そして、その凹凸シートにおける養生テープ間の凹部に、型を用いてすりきることで、市販の保湿剤(商品名:ビオレ ボディデリ うるおいケアポット さっぱり 花王株式会社)を、その凹部の幅と同じ1.4mm幅に塗工した後、塗工した保湿剤を覆うように、樹脂フィルムと同形同大の通気性不織布(スパンレース不織布、坪量70g/m)を重ねた。次いで、保湿剤を挟んで重ね合わせた状態の凹凸シート及び通気性不織布を、ニップロール間に通して加圧した後、凹凸シートを剥離し、通気性不織布に転写された保湿剤の幅を計測した。ニップロールにより加える圧力(線圧)を、Pa:13.8g/mm、Pb:38.8g/mm及びPc:63.9g/mmの3通りとし、そのそれぞれの場合について、保湿剤の幅を求めた。
(2)実施例2
養生テープ間の間隔を1.7mmとし、養生テープ間の凹部に、該凹部の幅と同じ1.7mm幅で、保湿剤を塗工した以外は、実施例1と同様にして、ニップロールによる加圧後の保湿剤の幅を求めた。
(3)比較例1
保湿剤を、養生テープを貼着することなく、樹脂フィルムの表面における、実施例1で保湿剤を施した位置と同じ位置に、実施例1と同じ幅で塗工した以外は、実施例1と同様にして、ニップロールによる加圧後の保湿剤の幅を求めた。
(3)比較例2
保湿剤を、養生テープを貼着することなく、樹脂フィルムの表面における、実施例2で保湿剤を施した位置と同じ位置に、実施例2と同じ幅で塗工した以外は、実施例2と同様にして、ニップロールによる加圧後の保湿剤の幅を求めた。
実施例1、2及び比較例1、2の結果を、図12に示す。
図12に示す実施例1の結果と比較例1の結果を対すると、実施例1のように、凹凸を形成した凹凸シートの凹部に保湿剤を充填し、その保湿剤に転写することにより、比較例1のように、フラットなシートに保湿剤を塗布し、その保湿剤を転写した場合に比して、保湿剤の幅の拡大が抑制されたことが判る。同様に、図12に示す実施例2の結果と比較例2の結果の対比からも同様のことが言える。
このことから、本発明の加温具の製造方法によれば、製造工程中に加圧工程において、機能剤存在部の面積の拡大が抑制され、発熱又は水蒸気の放散特性及び機能剤による効果に優れた温熱具が得られることが判る。また、本発明の加温具によれば、製造工程又は製造後の加圧による、機能剤存在部の面積の拡大が抑制され、発熱又は水蒸気の放散特性及び機能剤による効果に優れた温熱具が得られることが判る。
1 温熱具
1a 肌側面
2 本体部
4a 第1シート
4b 第2シート
5 発熱体
6 発熱部
7 保湿剤(機能剤)
8a 機能剤存在部
8b 機能剤非存在部
9 剥離シート
9a 凹部
9b 凸部
9A 凹凸シート
91 第1面
92 第2面
9c 圧力緩衝用凸部
9d 第2面側凸部
9e 第2面側凹部
10 凹凸シート製造部
12,13 賦形ロール
20 機能剤充填部
40 合流部
50 加圧部

Claims (7)

  1. 使用時に使用者の身体側に位置する通気性の第1シート、使用者の身体から遠い側に位置する第2シート、及び前記第1シートと前記第2シートとの間に位置し酸化反応によって発熱する発熱部を有する本体部を備え、前記第1シートにおける使用時に使用者の肌側に向けられる肌側面に、使用者に特定の機能を付与し得る機能剤が付与され、該機能剤が剥離シートに被覆されている温熱具の製造方法であって、
    凹部及び凸部が形成されている第1面を有する凹凸シートの該凹部に、前記機能剤を充填する機能剤充填工程と、
    搬送される前記第1シートにおける前記肌側面となる面上に、該肌側面と前記機能剤が充填された前記凹部とが対向するように、前記凹凸シートを重ねる合流工程と、
    前記合流工程と同時又は該合流工程後に、前記凹凸シートを、前記第1面とは反対側の第2面側から加圧して前記第1シートに押し付ける加圧工程と、
    前記加圧工程後に、前記第1シート及び前記凹凸シートを含む連続積層体を切断して、個々の前記温熱具を得る切断工程とを備えており、
    前記合流工程においては、前記第2シート、前記発熱部及び前記第1シートを含む本体部連続体における該第1シート上に前記凹凸シートを重ね合わせることによって、該本体部連続体上に該凹凸シートが積層された構成の前記連続積層体を形成し、
    前記剥離シートが、切断された前記凹凸シートからなる温熱具を製造する、温熱具の製造方法。
  2. 前記合流工程においては、前記機能剤充填工程後の前記凹凸シートを、前記発熱部と前記第1シートとの重なり領域上に、前記機能剤が充填された前記凹部及び該凹部に隣接する前記凸部が位置するように重ね合わせる、請求項1に記載の温熱具の製造方法。
  3. 前記発熱部は、発熱時に水蒸気の発生を伴うものであり、前記第1シートは、透湿性を有する、請求項1又は2に記載の温熱具の製造方法。
  4. 前記凹凸シートの前記凹部が、前記第1シートの流れ方向に延びており、該凹部と前記凸部とが、前記第1シートの流れ方向と直交する交差方向に交互に形成されている、請求項1〜3の何れか1項に記載の温熱具の製造方法。
  5. 前記凹凸シートは、前記凹部と前記凸部の高低差が0.1mm以上3mm以下である、請求項1〜4の何れか1項に記載の温熱具の製造方法。
  6. 前記凹凸シートは、前記第1シートの流れ方向と直交する交差方向において隣り合う凹部間における前記第2面側に、圧力緩衝用凸部を有し、該凹凸シートは、該圧力緩衝用凸部を有する部分における厚みが、前記第1面側の前記凹部を有する部分の厚みよりも厚い、請求項1〜5の何れか1項に記載の温熱具の製造方法。
  7. 前記凹凸シートは、前記第2面側に、前記第1シートの流れ方向と直交する交差方向において隣り合う凹部間に第1面側の凹部と重ならない圧力緩衝用凸部、及び前記第1面側の凹部と重なる第2面側凸部を有し、該圧力緩衝用凸部の両側それぞれに第2面側凹部を有しており、
    前記圧力緩衝用凸部は、前記交差方向に沿う長さが、該圧力緩衝用凸部の両側に位置する前記第2面側凹部それぞれの、前記交差方向に沿う長さ以下である、請求項1〜6の何れか1項に記載の温熱具の製造方法。
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