JP6618835B2 - 複合フィルムの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、樹脂フィルムとガラスフィルムを積層一体化してなる複合フィルムの製造方法に関する。
樹脂フィルムにガラスフィルムを積層一体化した複合フィルムは、ガラスフィルムに由来する高硬度、高耐久性、高気密性、ガスバリヤ性および高級感などといった諸特性と、樹脂フィルムに由来する軽量性や高耐衝撃性などといった諸特性とを兼ね備えている(例えば、特許文献1)。そのため、例えば、フラットパネルディスプレイ、携帯用電子デバイス、太陽電池などの電気・電子機器のパネル用材料や、建築構造物や各種車両の窓パネル用材料など、さまざまな分野での使用が期待されている。
特開2012−254624号公報
ところで、上記の複合フィルムは、接着層を介して樹脂フィルムにガラスフィルムを接着固定されるのが一般的である。この場合、複合フィルムは、例えば、次のようにして製造される。
まず、樹脂フィルムに未硬化の接着層を介してガラスフィルムを積層し、複合フィルムの元材となる積層体を製造する。次に、この積層体の一方の主表面に沿ってローラ等の押圧部材を移動させ、積層体の一方の主表面をこれと対向する他方の主表面側に押圧する。このとき、押圧部材は、例えば積層体の右縁部から左縁部のように、予め決められた一方向に沿って移動する。そして、このような押圧部材の移動により積層体の一方の主表面全体を押圧した後、積層体に含まれる未硬化の接着層を硬化させる。これにより、樹脂フィルムとガラスフィルムを積層一体化した積層構造を有する複合フィルムが製造される。
しかしながら、上記の方法で複合フィルムを製造すると、押圧部材の押圧開始側に位置する積層体の縁部(端縁及びその近傍)、すなわち上記の例では右縁部において、積層体の押圧が不十分となりやすい。その結果、押圧開始側の縁部において接着層に十分な押圧力が作用せず、押圧開始側の縁部で接着層中に気泡が生じやすくなる。このような気泡は、ローラを積層体の辺と平行に移動させた場合、積層体の押圧開始側の縁部のうち、辺同士が交差するコーナー部で特に形成されやすい。
そして、接着層に気泡が形成されると、気泡部分で接着層の接着力が低下するため、樹脂フィルムからガラスフィルムが剥離するおそれがある。また、接着層の厚みが変化する原因にもなるので、電子機器等に適用した場合に機能低下を招くおそれもある。
本発明は、樹脂フィルムとガラスフィルムを接着する接着層に気泡のない複合フィルムを提供することを課題とする。
上記課題を解決するために創案された本発明に係る複合フィルムの製造方法は、樹脂フィルムに未硬化の接着層を介してガラスフィルムを積層した積層構造を有し、複合フィルムの元材となる積層体を製造する工程と、押圧部材を積層体の第1の主表面に沿って移動させながら、第1の主表面をこれと対向する積層体の第2の主表面側に押圧する工程とを備え、押圧部材は、第1の押圧状態で第1の主表面に沿って第1の方向に移動した後、第2の押圧状態で第1の主表面に沿って第1の方向とは反対の第2の方向に移動することを特徴とする。このようにすれば、押圧部材を第1の方向に移動させるときに、押圧開始側となる積層体の縁部が、押圧部材を第2の方向に移動させるときに押圧終了側となって再び押圧される。そのため、押圧部材の第1の方向への移動時に押圧開始側となる積層体の縁部が十分押圧されていなかったとしても、押圧部材の第2の方向への移動時にその縁部が適正に押圧される。したがって、押圧部材を第1の方向に移動させるときに、押圧開始側となる積層体の縁部において、接着層に気泡が形成されるという事態を防止することができる。
上記の構成において、第2の押圧状態における押圧力を、第1の押圧状態における押圧力よりも大きくしてもよい。このようにすれば、接着層に気泡が形成される事態をより確実に防止することができる。
上記の構成において、押圧部材の押圧時に、第1の主表面及び第2の主表面のそれぞれが保護部材を介して保持されており、押圧部材は第1の主表面側の保護部材を介して第1の主表面を押圧するようにしてもよい。このようにすれば、保護部材によって積層体に傷が付くのを防止しつつ、押圧時に、未硬化の接着層を介して積層された樹脂フィルムとガラスフィルムの間に位置ずれが生じるのを防止することができる。
上記の構成において、保護部材が積層体側に微粘着層を有し、積層体が微粘着層によって剥離可能に保持されていてもよい。このようにすれば、積層体の位置ずれを簡単に防止でき、また、必要に応じて積層体を保護部材から簡単に剥離することもできる。
上記の構成において、保護部材は、積層体の外側に食み出した食み出し部を有することが好ましい。このようにすれば、押圧部材の押圧によって積層体の外側に押し出された接着剤を、保護部材の食み出し部で受け止めることができる。そのため、積層体を保持するための装置などに接着剤が直接付着するのを阻止できる。
上記の構成において、食み出し部に、対向する保護部材の間隔を規制するスペーサが設けられていることが好ましい。このようにすれば、スペーサによって積層体が過度に押圧されるのを防止できるので、接着層の厚みを所望の厚みに均一化することができる。
上記の構成において、押圧部材は、第1の方向への移動時と第2の方向への移動時の少なくとも一方において、移動方向の後方側の食み出し部に対応する位置から移動方向の前方側の食み出し部に対応する位置までの間を少なくとも押圧することが好ましい。このようにすれば、押圧開始側となる積層体の縁部にローラが到達する前に、押圧開始側となる縁部に保護部材(食み出し部)を介して押圧力を補助的に付与することができる。また同様に、押圧終了側となる積層体の縁部をローラが通過した後も、押圧終了側となる縁部に保護部材(食み出し部)を介して押圧力を補助的に付与することができる。そのため、押圧開始側となる縁部や押圧終了側となる縁部を適正に押圧しやすくなり、接着層に気泡が形成される事態をより確実に防止することができる。
以上のように本発明によれば、樹脂フィルムとガラスフィルムを接着する接着層に気泡のない複合フィルムを提供することができる。
本発明の複合フィルムの製造方法の一実施形態を体現するためのフィルム貼着装置の閉状態を示す縦断面図である。 図1に示すフィルム貼着装置の開状態を示す縦断面図である。 (a)及び(b)は、図1に示すフィルム貼着装置による押圧工程を説明するための縦断面図である。 (a)は積層体とローラの関係を説明するための平面図であり、(b)はその変形例を説明するための平面図である。
本発明の一実施形態に係る複合フィルムの製造方法は、複合フィルムの元材となる積層体を製造する積層工程と、積層体を押圧する押圧工程と、積層体の接着層を硬化する硬化工程とを含む。この実施形態では、図1に示すフィルム貼着装置を用いて、積層工程と押圧工程を行う場合を説明する。以下では、まず、フィルム貼着装置の構成を説明し、その後、積層工程、押圧工程および硬化工程の各工程について詳細に説明する。
図1に示すように、フィルム貼着装置は、第1の保持機構1と、第2の保持機構2と、第2の保持機構2に対して第1の保持機構1を揺動可能に支持する揺動機構3とを備えている。第2の保持機構2は、揺動機構3の軸部31を中心として揺動可能とされている(図中のO方向及びC方向)。
第1の保持機構1は、第1の真空チャンバー11と、その内部空間を負圧にするための第1の真空ポンプ12とを備えている。
第1の真空チャンバー11には、第1のワークW1を吸着保持するための第1の保持部13が設けられている。第1の保持部13には複数の貫通孔14が設けられており、この貫通孔14を通じて負圧を作用させることで、第1の保持部13の保持面13aに第1のワークW1を吸着保持する。この実施形態では、第1の保持部13は、金属等(例えば、パンチングメタルなど)で構成されており実質的に変形しない。なお、第1の保持部13の貫通孔14は、第1のワークW1に対応する部分のみに設けられている。
第2の保持機構2は、第2の真空チャンバー21と、その内部空間を負圧にするための第2の真空ポンプ22とを備えている。
第2の真空チャンバー21は、第2のワークW2を吸着保持するための第2の保持部23を備えている。第2の保持部23には、複数の貫通孔24が設けられており、この貫通孔24を通じて負圧を作用させ、第2の保持部23の保持面23aに第2のワークW2を吸着保持する。この実施形態では、第2の保持部23は、変形可能な弾性シート(例えば、伸縮性のあるメッシュシートなど)で構成されている。なお、第2の保持部23の貫通孔24は、第2のワークW2に対応する部分のみに設けられている。
第2の真空チャンバー21の内部空間には、押圧部材としてのローラ25と、ローラ25を移動可能に支持する移動機構26とが設けられている。移動機構26は、ローラ25を上下方向(U−D方向)および水平方向(F−B方向)に移動可能に支持している。なお、押圧部材は、第1のワークW1と第2のワークW2からなる積層体Lに押圧力を付与できるものであれば、例えば丸棒(非回転)やヘラ状の板材などの非転動体であってもよい。
次に、積層工程、押圧工程および硬化工程について詳細に説明する。
(積層工程)
積層工程は、樹脂フィルムに未硬化の接着層を介してガラスフィルムを積層した積層構造を有する積層体を製造する工程である。
この実施形態では、まず、図2に示すように、揺動機構3によって第1の保持機構1と第2の保持機構2とが開いた状態とする。この開状態で、第1の保持部13の保持面13aと第2の保持部23の保持面23aとが互いに上を向いた状態で水平になる。
第1の保持部13の保持面13aには、第1のワークW1を位置決めした状態で配置する。この実施形態では、第1のワークW1は、樹脂フィルムR1とガラスフィルムG1とを接着層A1によって接着固定したものである。接着層A1は既に硬化されており、流動性を有さないものとする。第1のワークW1における樹脂フィルムR1とガラスフィルムG1との接着手順は特に限定されるものではない。第1のワークW1は、樹脂フィルムR1側を上、ガラスフィルムG1側を下として配置される。なお、第1のワークW1の構成は、製造すべき複合フィルムの構成に応じて適宜変更することが可能であり、例えばガラスフィルムG1が接着固定されていない樹脂フィルムR1単体であってもよい。
一方、第2の保持部23の保持面23aには、第2のワークW2を位置決めした状態で配置する。この実施形態では、第2のワークW2は、未硬化の接着層A2が形成されたガラスフィルムG2である。接着層A2は、液体状またはそれに近い流体状であって、流動性を有する。第2のワークW2は、接着層A2側を上、ガラスフィルムG2側を下として配置される。なお、未硬化の接着層A2は、第1のワークW1の樹脂フィルムR1の上面に形成されていてもよい。また、第2のワークW2の構成は、製造すべき複合フィルムの構成に応じて適宜変更することが可能である。
ここで、ワークW1,W2を保持面13a,23aに直接配置してもよいが、この実施形態では次のような態様で配置している。
すなわち、第1の保持部13の保持面13aの上に第1の保護部材P1を直接配置し、この第1の保護部材P1を保持面13aで吸着保持する。この実施形態では、第1の保護部材P1はフィルム状であり、第1の保護部材P1の吸着保持されていない側の面には図示しない微粘着層が形成されている。この微粘着層によって、第1のワークW1を第1の保護部材P1に剥離可能に貼着する。これにより、第1のワークW1が、第1の保護部材P1を介して保持面13aに吸着保持される。なお、第1の保護部材P1を吸着保持する代わりに、例えば第1の保護部材P1の縁部を把持した状態で保持してもよい。また、第1の保護部材P1の微粘着層は、第1のワークW1に対応する領域の全面に形成されていてもよいし、第1のワークW1の周縁部に対応する領域のみなどに部分的に形成されていてもよい。微粘着層としては、例えば、ガラスフィルムに対して剥離力が0.05N/25mm幅以上であって0.5N/25mm幅以下である粘着剤が適用できる。具体的には、例えば、アクリル系接着剤などが利用できる。さらに、第1の保護部材P1を通気性のある材質で形成し、第1の保護部材P1を通して第1のワークW1に負圧を作用させてもよい。すなわち、第1の保護部材P1は微粘着層を有する形態に限定されない。
第1の保護部材P1は第1のワークW1よりも大きくし、第1のワークW1の周囲に第1の保護部材P1の食み出し部P1aを形成する。食み出し部P1aには第1のスペーサS1を設ける。この実施形態では、第1のスペーサS1は、第1のワークW1の全周囲を取り囲むように連続的(例えば額縁状)に設けられているが、第1のワークW1の周囲に間隔を置いて設けられていてもよい。なお、第1のワークW1は、例えば、第1の保持部材P1に載置された状態で第1の保持部13の保持面13aの上まで搬送される。この場合、第1のワークW1に接触することなく、第1の保護部材P1の食み出し部P1aを支持することが好ましい。
同様に、第2の保持部23の保持面23aの上にも第2の保護部材P2を直接配置し、この第2の保護部材P2を保持面23aで吸着保持する。この実施形態では、第2の保護部材P2はフィルム状であり、第2の保護部材P2の吸着保持されていない側の面には図示しない微粘着層が形成されている。この微粘着層によって、第2のワークW2を第2の保護部材P2に剥離可能に貼着する。これにより、第2のワークW2が、第2の保護部材P2を介して保持面23aに吸着保持される。なお、第2の保護部材P2を吸着保持する代わりに、例えば第2の保護部材P2の縁部を把持した状態で保持してもよい。また、第2の保護部材P2の微粘着層は、第2のワークW2に対応する領域の全面に形成されていてもよいし、第2のワークW2の周縁部に対応する領域のみなどに部分的に形成されていてもよい。第2の保護部材P2の微粘着層は、第1の保護部材P1の微粘着層と同じ材質を用いることができる。さらに、第2の保護部材P2を通気性のある材質で形成し、第2の保護部材P2を通して第2のワークW2に負圧を作用させてもよい。すなわち、第2の保護部材P2は微粘着層を有する形態に限定されない。
第2の保護部材P2は第2のワークW2よりも大きくし、第2のワークW2の周囲に第2の保護部材P2の食み出し部P2aを形成する。食み出し部P2aには第2のスペーサS2を設ける。この実施形態では、第2のスペーサS2は、第2のワークW2の全周囲を取り囲むように連続的(例えば額縁状)に設けられているが、第2のワークW2の周囲に間隔を置いて設けられていてもよい。なお、第2のワークW2は、例えば、第2の保持部材P2に載置された状態で第2の保持部23の保持面23aの上まで搬送される。この場合、第2のワークW2に接触することなく、第2の保護部材P2の食み出し部P2aを支持することが好ましい。
上記のように第1のワークW1と第2のワークW2を位置決めした状態で配置した後、揺動機構3によって、第1の保持機構1が第2の保持機構2に接近するように、第1の保持機構1を揺動させる(図2のC方向)。これにより、図1に示すように、第1の保持機構1と第2の保持機構2とが閉じた状態とする。この閉状態で、第1の保持部13の保持面13aが下を向いた状態で水平となり、第1の保持部13の保持面13aと第2の保持部23の保持面23aとが互いに上下方向で対向する。
閉状態にすると、第2の保持部23に保持された第2のワークW2の上に、第1の保持部13に保持された第1のワークW1が積層され、複合フィルムの元材となる積層体Lが製造される。以下では、積層体LのガラスフィルムG2側の主表面(図中の下面)を「第1の主表面LS1」といい、これと対向する積層体LのガラスフィルムG1側の主表面(図中の上面)を「第2の主表面LS2」という。なお、この実施形態では、積層体Lは平面視で矩形状(図4(a)を参照)であるが、積層体Lの形状は特に限定されるものではなく、例えば、平面視で円形状、三角形状、五角以上の多角形状、不規則形状などであってもよい。
樹脂フィルムR1の厚みは、例えば、10mm以下、好ましくは25μm以上5mm以下である。樹脂フィルムR1の材質としては、例えば、ポリカーボネート、アクリル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンナフタレート等の各種樹脂材料を利用できる。
ガラスフィルムG1,G2の厚みは、例えば、300μm以下、好ましくは10μm以上200μm以下である。ガラスフィルムG1,G2の厚みは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。ガラスフィルムG1,G2の厚みは、樹脂フィルムR1の厚みよりも薄いことが好ましい。ガラスフィルムG1,G2としては、各種ガラスを利用できるが、無アルカリガラスが好ましい。ガラスフィルムG1,G2は、例えば、オーバーフローダウンドロー法やフロート法などによって成形される。
接着層A1,A2の厚みは、例えば、1〜500μm程度、好ましくは3〜100μmである。接着層A1,A2の材質としては、例えば、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ゴム系粘着剤、紫外線硬化性アクリル系接着剤、紫外線硬化性エポキシ系接着剤、熱硬化性エポキシ系接着剤、熱硬化性メラミン系接着剤、熱硬化性フェノール系接着剤などが利用できる。
保護部材P1,P2の厚みは、例えば、10〜500μm程度、好ましくは20〜100μmである。保護部材P1,P2の材質としては、例えば、PETなどが利用できる。この実施形態では、保護部材P1,P2は可撓性を有する。なお、この実施形態では、保護部材P1,P2として積層体Lよりも大きいものを用いているが、保護部材P1,P2と積層体Lは同じ大きさであってもよい。また、保護部材P1,P2は省略してもよい。
スペーサS1,S2は、それぞれの厚みの合計が押圧前の積層体Lの厚みよりも小さくなっている。この実施形態では、スペーサS1,S2の合計厚みは、後述する押圧工程完了後の積層体Lの厚みと同じ値(例えば、押圧前の積層体Lの厚みよりも0.01〜0.2mm、好ましくは0.05mm薄い厚み)に設定されている。スペーサS1,S2の材質としては、例えば、PETなどが利用できる。なお、この実施形態では、保護部材P1,P2のそれぞれにスペーサS1,S2を設けているが、保護部材P1,P2のいずれか一方にのみ、スペーサS1,S2の合計厚みと同じ厚みを有するスペーサを設けてもよい。また、スペーサS1,S2は省略してもよい。
(押圧工程)
押圧工程は、積層工程で製造された積層体の第1の主表面に沿ってローラを移動させながら、第1の主表面を第2の主表面側に押圧する工程である。なお、図3(a)及び図3(b)では、接着層A2の厚みの変化を誇張して図示している。
この実施形態では、まず、図3(a)に示すように、積層体Lの第1の主表面LS1に沿って第1の方向Fにローラ25を移動させる(往路)。この際、ローラ25は、少なくとも積層体Lの押圧開始側(第1の方向Fの後方側)となる第1の縁部LE1の端縁から押圧終了側(第1の方向Fの前方側)となる第2の縁部LE2の端縁まで移動する。すなわち、ローラ25によって積層体Lの第1の主表面LS1全体を押圧する。
その後、図3(b)に示すように、第1の主表面LS1に沿って第1の方向Fとは反対の第2の方向Bにローラ25を移動させる(復路)。この際、ローラ25は、少なくとも積層体Lの押圧開始側(第2の方向Bの後方側)となる第2の縁部LE2の端縁から押圧終了側(第2の方向Bの前方側)となる第1の縁部LE1の端縁まで移動する。すなわち、ローラ25によって積層体Lの第1の主表面LS1全体を再び押圧する。
図4(a)に示すように、ローラ25の長手方向は、第1の方向Fと直交する方向であり、第1の方向Fは、第1の方向Fと直交する方向で対向する積層体Lの2つの側辺と平行な方向である。ローラ25の長手方向の両端部は、積層体Lの外側に食み出している。また、第1の方向Fと第2の方向Bは互いに平行であり、向きが真逆なだけである。なお、第1の方向Fと第2の方向Bは互いに僅かに交差し、完全に平行でなくてもよい。
ここで、ローラ25は直線的に往復動するだけでもよいが、この実施形態では次のような動作をする。
すなわち、図3(a)に示す往路では、まず、第1の縁部LE1側の食み出し部P1a、詳細には第1の縁部LE1側のスペーサS1,S2に対応する位置SPでローラ25が上昇し、変形可能な第2の保持部23を上方に押し上げる。このとき、スペーサS1,S2は互いに接触してもよいし、接触しなくてもよい。次に、第2の保持部23を上方に押し上げた状態のまま、ローラ25は第1の方向Fに水平移動する。この過程で、ローラ25は、積層体Lの第1の縁部LE1に対応する位置と第2の縁部LE2に対応する位置を順に通過する。そして、第2の縁部LE2側の食み出し部P1a,P2a、詳細には第2の縁部LE2側のスペーサS1,S2に対応する位置EPでローラ25が下降して第2の保持部23から離れる。このようなローラ25の動作により、図3(a)に拡大して示すように、第2の縁部LE2側から接着層A2に含まれていた余剰な接着剤ASと共に気泡Xが積層体L外に押し出される。なお、気泡を含んだ接着剤は、第1の方向Fと直交する積層体Lの両側縁部側からも押し出される場合がある。
また、図3(b)に示す復路では、まず、第2の縁部LE2側の食み出し部P1a,P2a、詳細には第2の縁部LE2側のスペーサS1,S2に対応する位置EPでローラ25が上昇し、第2の保持部23を上方に押し上げる。このとき、スペーサS1,S2は互いに接触する。次に、第2の保持部23を上方に押し上げた状態のまま、ローラ25は第2の方向Bに水平移動する。この過程で、ローラ25は、積層体Lの第2の縁部LE2に対応する位置と第1の縁部LE1に対応する位置を順に通過する。そして、第1の縁部LE1側の食み出し部P1a,P2a、詳細には第1の縁部LE1側のスペーサS1,S2に対応する位置SPでローラ25が下降して第2の保持部23から離れる。このようなローラ25の動作により、図3(b)に拡大して示すように、第1の縁部LE1側から接着層A2に含まれていた余剰な接着剤ASと共に気泡Xが積層体L外に押し出される。なお、気泡を含んだ接着剤は、第2の方向Bと直交する積層体Lの両側縁部側からも押し出される場合がある。
以上のようにローラ25を往復動させれば、第1の縁部LE1が、ローラ25の第1の方向Fへの移動時に押圧開始側となって十分に押圧されなかったとしても、ローラ25の第2の方向Bへの移動時に押圧終了側となって適正に押圧される。これは、押圧開始側の縁部に比べ、押圧終了側の縁部には適正な押圧力を作用させやすいためである。したがって、ローラ25の第1の方向Fへの移動時に押圧開始側となる第1の縁部LE1で、接着層A2に気泡Xが生じるのを防止することができる。
ここで、第1の方向Fへローラ25を移動させる際の押圧状態(第1の押圧状態)と、第2の方向Bへローラ25を移動させる際の押圧状態(第2の押圧状態)は、同じであってもよいし、異なっていてもよい。第1の押圧状態におけるローラ25の押圧力をP1[Pa]とし、第2の押圧状態におけるローラ25の押圧力をP2[Pa]とすると、P2/P1は、例えば0.2〜5.0であり、好ましくは0.5〜2.0である。この実施形態では、第2の押圧状態におけるローラ25の押圧力が、第1の押圧状態におけるローラ25の押圧力よりも大きくなっている。詳細には、第2の押圧状態でローラ25の押圧力を高めるために、図3(b)に示すように、第2の方向Bにローラ25を移動させるときの位置を、第1の方向Fにローラ25を移動させるときの位置よりもΔhだけ上方に設定している。なお、第2の方向Bへの移動時に、ローラ25の位置を一定値(Δh)だけ高く設定する代わりに、ローラ25に圧力計を設け、実際にローラ25に作用する圧力に基づいてローラ25の位置を調整するようにしてもよい。
ローラ25の移動速度は、第1の方向Fへの移動時(往路)と第2の方向Bへの移動時(復路)で同じであってもよいし、異なっていてもよい。例えば、往路でローラ25の移動速度を相対的に速くし、復路でローラ25の移動速度を相対的に遅くしてもよい(例えば、往路:10〜100mm/s、復路:5〜50mm/s)。
(硬化工程)
硬化工程は、押圧工程で押圧された積層体に含まれる未硬化の接着層を硬化する工程である。
この実施形態では、フィルム貼着装置から積層体Lを取り出し、積層体Lを硬化装置(図示省略)内に搬送する。積層体Lに含まれる未硬化の接着層A2の硬化方法は、接着層A2の種類に応じて決定される。例えば、紫外線硬化性の接着剤を用いた場合には積層体Lに紫外線を照射し、熱硬化性の接着剤を用いた場合には積層体Lを加熱する。なお、この実施形態では、押圧工程終了後に、硬化工程を行っているが、押圧工程で接着層A2が流動性(液体状またはそれに近い流体状)を有していれば、硬化工程は押圧工程の終了前に始まっていてもよい。また、例えば、硬化剤混合型(エポキシ樹脂系など)の接着剤など、硬化処理を積極的に行わなくても接着層A2が自然に硬化する場合には、硬化工程を省略することができる。
積層体Lの未硬化の接着層A2を硬化すると、この実施形態では、樹脂フィルムR1の両面にガラスフィルムG1,G2が接着固定された複合フィルムが製造される。なお、第1のワークW1と第2のワークW2の構成を変更すれば、樹脂フィルムの片面のみにガラスフィルムが接着固定された複合フィルムや、複数枚の樹脂フィルムと複数枚のガラスフィルムが接着固定された複合フィルムなどを同様にして製造することができる。
以上、本発明の一実施形態を説明したが、上述した複合フィルムの製造方法は任意の形態を採ることができる。
例えば、上記の実施形態では、図4(a)に示すように、ローラ25を積層体Lの辺と平行に移動させる場合を説明したが、図4(b)に示すように、ローラ25を積層体Lの辺と平行ではない方向、例えば対角線方向に移動させてもよい。
上記の実施形態では、ローラ25を第2の真空チャンバー21の内部空間に配置して積層体Lを下方から押圧する場合を説明したが、ローラ25は第1の真空チャンバー11の内部空間に配置して積層体Lを上方から押圧してもよい。また、第1の真空チャンバー11と第2の真空チャンバー21のそれぞれの内部空間にローラ25を配置して積層体Lを上下両側から押圧してもよい。
上記の実施形態では、第1の保持機構1が第2の保持機構2に対して揺動する場合を説明したが、第1の保持機構1と第2の保持機構2が相対的に移動して、保持部13,23が互いに接近及び離反可能であれば、その移動態様は特に限定されるものではない。例えば、第1の保持機構1を、第2の保持機構2に対して上下方向に直線的に移動するようにしてもよい。
1,2 保持機構
11,21 真空チャンバー
12,22 真空ポンプ
13,23 保持部
25 ローラ
26 移動機構
3 揺動機構
L 積層体
A1,A2 接着層
G1,G2 ガラスフィルム
R1 樹脂フィルム
P1,P2 保護部材
S1,S2 スペーサ
F 第1の方向(往路)
B 第2の方向(復路)

Claims (4)

  1. 樹脂フィルムに未硬化の接着層を介してガラスフィルムを積層した積層構造を有し、複合フィルムの元材となる積層体を製造する工程と、
    押圧部材を前記積層体の第1の主表面に沿って移動させながら、前記第1の主表面をこれと対向する前記積層体の第2の主表面側に押圧する工程とを備え、
    前記押圧部材の押圧時に、前記第1の主表面及び前記第2の主表面のそれぞれが保護部材を介して保持されており、前記押圧部材が前記第1の主表面側の前記保護部材を介して前記第1の主表面を押圧し、
    前記保護部材は、前記積層体の外側に食み出した食み出し部を有し
    前記食み出し部に、対向する前記保護部材の間隔を規制するスペーサが設けられており、
    前記押圧部材は、第1の押圧状態で前記第1の主表面に沿って第1の方向に移動した後、第2の押圧状態で前記第1の主表面に沿って前記第1の方向とは反対の第2の方向に移動することを特徴とする複合フィルムの製造方法。
  2. 前記第2の押圧状態における押圧力が、前記第1の押圧状態における押圧力よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の複合フィルムの製造方法。
  3. 前記保護部材は前記積層体側に微粘着層を有し、前記積層体は前記微粘着層によって剥離可能に保持されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の複合フィルムの製造方法。
  4. 前記押圧部材は、前記第1の方向への移動時と前記第2の方向への移動時の少なくとも一方において、移動方向の後方側の前記食み出し部に対応する位置から前記移動方向の前方側の前記食み出し部に対応する位置までの間を少なくとも押圧することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の複合フィルムの製造方法。
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