JP6618512B2 - 紫外線発光蛍光体、発光素子、及び発光装置 - Google Patents

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Description

本発明は、真空紫外線または電子線で励起されることにより紫外光を発光する紫外線発光蛍光体に関し、特に、水銀フリーの紫外線発光蛍光体に関する。
紫外線発光分野は、紫外線の用途が医療分野や光触媒分野などにも拡大していることに伴って、産業的な価値が高まっており、各種の紫外線発光を呈する発光体の開発が進められてきた。紫外線発光を呈する発光体には、水銀ランプが主に使用されている。この理由は、水銀ランプが、低コストで製造できることや高エネルギーを発揮できる等の利便性が高いためである。
しかし、現在では、水銀は自然環境に与える負荷が大きいことが問題視されてきており、環境保護の観点から、今後は、水銀の製造が禁止される法的規制の施行も予定されている。このような背景から、水銀を使用しない(水銀フリーの)水銀代替光源の開発が早急に求められている。
従来の水銀を使用しない光源としては、例えば、真空紫外線により、真空容器の内側のYAlO:Ce3+などの第1の蛍光体層が励起され、第1の光を出射し、第1の光により、真空容器の外側の第2の蛍光体層が励起され、第2の光を出射し、白色系の光を発光する平面光源がある(特許文献1参照)。
また、水銀を使用しない光源用蛍光体として、例えば、式M1O・M2 23(式中のM1はMg、Ca、Sr、BaおよびZnからなる群より選ばれる1種以上であり、M2は Sc、Y、B、Al、GaおよびInからなる群より選ばれる1種以上)で表されるスピネル型構造の化合物に付活剤としてLn(ただしLnはCe、Pr、Nd、 Sm、Eu、Tb、Ho、Dy、ErおよびTmからなる群より選ばれる1種以上)が含有されてなる真空紫外線励起発光素子用蛍光体があり、発光強度低下の抑制を図るものがある(特許文献2参照)。
この他にも、水銀を使用しない蛍光体として、BaZrSi3O9などのケイ酸塩から構成される紫外線発光蛍光体も知られている(非特許文献1参照)。
特開2009−16268号公報 特開2006−249120号公報
De-Yin Wang et al., Journal of The Electrochemical Society, 158(12) J377-J382 (2011)
しかし、現在のところ、水銀代替光源は、上述したような真空紫外線励起によって紫外線を発光するものであっても、特に殺菌用途に好適な紫外線領域において十分な発光強度を発揮するものは得られていない。例えば、特許文献1の蛍光体の発光波長は、真空紫外線により励起される光(第一の光)がピーク波長370nmの近紫外線領域ないしは青色領域の波長にとどまっており、特許文献2の蛍光体の発光波長は、可視光領域での発光にとどまっている。すなわち、従来の水銀代替光源としての紫外線発光蛍光体では、波長が310nmより短い紫外線領域において、十分に強い紫外光を発光するまでには至っていない。
また、非特許文献1のケイ酸塩から構成される紫外線発光蛍光体にしても、依然として、発光強度は低いものにとどまっており、殺菌用途等への実用的な展開までには至っていないのが現状である。
本発明は前記課題を解決するためになされたものであり、真空紫外線または電子線の照射によって、紫外光を呈する水銀フリーの紫外線発光蛍光体の提供を目的とする。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、ある種の金属元素またはハフニウム元素の少なくともいずれかを含有するケイ酸塩を合成したところ、これまでに知られていない新たなケイ酸塩系蛍光体として、従来には無い優れた発光特性の紫外光を発することを見出し、当該蛍光体によって上記課題を解決できることを見出し、本発明を導き出した。
すなわち、本願に開示する紫外線発光蛍光体は、ストロンチウム元素、カルシウム元素、マグネシウム元素、および亜鉛元素から成る群より選択される一又は複数の金属元素および/またはハフニウム元素と、バリウム元素と、ジルコニウム元素とを含むケイ酸塩から構成される蛍光体であって、真空紫外線または電子線の照射により励起されて紫外線を発光するものが提供される。また、本願に開示する紫外線発光蛍光体を含む発光素子も提供される。また、当該発光素子を備え、当該発光素子により、真空紫外線または電子線の照射により励起されて紫外線を発光する発光装置(例えばUVランプ)も提供される。
本発明に係る紫外線発光蛍光体のX線回折結果および発光特性結果(Srの配合モル比率ごと)を示す。 本発明に係る紫外線発光蛍光体のX線回折結果および発光特性結果(Hfの配合モル比率ごと)を示す。 本発明に係る紫外線発光蛍光体のX線回折結果および発光特性結果(Sr、Mg、Zn、Caの複数金属を配合)を示す。 本発明に係る紫外線発光蛍光体のX線回折結果(a)および発光特性結果(発光波長ごと(b)(c)および励起波長ごと(d))を示す。
本願に開示する紫外線発光蛍光体は、上記のように、ストロンチウム元素、カルシウム元素、マグネシウム元素、および亜鉛元素から成る群より選択される一又は複数の金属元素(金属元素群Aともいう)および/またはハフニウム元素と、バリウム元素と、ジルコニウム元素とを含むケイ酸塩から構成される蛍光体であって、真空紫外線または電子線の照射により励起されて紫外線を発光する蛍光体である。これら構成元素の配合モル比率は特に限定されない。
さらに、本願に開示する紫外線発光蛍光体は、本発明者らが見出したところに拠れば、最適な金属元素群Aとハフニウム元素の配合モル比率を選定することによって、さらに発光強度の高い好適な蛍光体が簡易に得られることが確認されている(後述の実施例参照)。
すなわち、金属元素群Aの配合モル比率は、好ましくは、モル比率で0以上0.7以下である。また、ジルコニウム元素がすべてハフニウム元素によって置換された場合には、発光強度が低下する傾向にある(後述の実施例参照)。このことから、ハフニウム元素の配合モル比率は、好ましくは、モル比率で1.0未満であり、より好ましくは0以上0.8以下であり、さらに好ましくは、0以上0.7以下である。また、この金属元素群Aとハフニウム元素については、少なくともいずれかが存在する。
このようなことから、本願に開示する蛍光体としては、好ましくは、一般式(Ba1−x)(Zr1−yHf)Si(但し、Aは、ストロンチウム元素(Sr)、カルシウム元素(Ca)、マグネシウム元素(Mg)、および亜鉛元素(Zn)から成る群より選択される一又は複数の金属元素であり、0≦x≦0.7、0≦y≦0.8、x+y≠0)で表されるものである。
この金属元素群Aとしては、ストロンチウム元素、カルシウム元素、マグネシウム元素、および亜鉛元素から成る群より選択される少なくとも1つであることから、これら元素のうち少なくとも1つだけが含まれていてもよいし、また、複数種類が含まれていてもよい。
この一般式(Ba1−x)(Zr1−yHf)Siで表される蛍光体は、金属元素群Aとハフニウム元素のうちのいずれか一方を含む場合として、ハフニウム元素を含まない場合には、例えば、(Ba1−xSr)ZrSi、(Ba1−xCa)ZrSi、(Ba1−xMg)ZrSi、(Ba1−xZn)ZrSi、(Ba1−x(Sr、Ca))ZrSi、(Ba1−x(Sr、Mg))ZrSi、(Ba1−x(Sr、Zn))ZrSi、(Ba1−x(Ca、Mg))ZrSi、(Ba1−x(Ca、Zn))ZrSi、(Ba1−x(Mg、Zn))ZrSi、(Ba1−x(Sr、Ca、Mg))ZrSi、(Ba1−x(Sr、Ca、Zn))ZrSi、(Ba1−x(Sr、Mg、Zn))ZrSi、(Ba1−x(Ca、Mg、Zn))ZrSi、(Ba1−x(Sr、Ca、Mg、Zn))ZrSiなどが挙げられる。また、金属元素群Aを含まない場合には、例えば、Ba(Zr1−yHf)Siなどが挙げられる。
また、金属元素群Aとハフニウム元素を共に含む場合としては、例えば、(Ba1−xSr)(Zr1−yHf)Si、(Ba1−xCa)(Zr1−yHf)Si、(Ba1−xMg)(Zr1−yHf)Si、(Ba1−xZn)(Zr1−yHf)Si、(Ba1−x(Sr、Ca))(Zr1−yHf)Si、(Ba1−x(Sr、Mg))(Zr1−yHf)Si、(Ba1−x(Sr、Zn))(Zr1−yHf)Si、(Ba1−x(Ca、Mg))(Zr1−yHf)Si、(Ba1−x(Ca、Zn))(Zr1−yHf)Si、(Ba1−x(Mg、Zn))(Zr1−yHf)Si、(Ba1−x(Sr、Ca、Mg))(Zr1−yHf)Si、(Ba1−x(Sr、Ca、Zn))(Zr1−yHf)Si、(Ba1−x(Sr、Mg、Zn))(Zr1−yHf)Si、(Ba1−x(Ca、Mg、Zn))(Zr1−yHf)Si、(Ba1−x(Sr、Ca、Mg、Zn))(Zr1−yHf)Siなどが挙げられる。
本願に係る紫外線発光蛍光体の励起源としては、励起波長が200nm以下(例えば190nm以下)の真空紫外線または電子線を発光できる光源であれば特に限定されず、例えば、真空紫外線を励起源として用いる場合には、従来から広範に利用されているエキシマランプや重水素ランプをそのまま用いることができる。例えば、クリプトン(Kr)エキシマランプ(波長147nm)、キセノン(Xe)エキシマランプ(波長172nm)、重水素ランプ(波長160nm)、重水素ランプ(波長185nm)等を用いることができる。
本願に開示する紫外線発光蛍光体は、このような励起源からの照射によって、各種の紫外線領域の紫外線を発光することができ、例えば、各種用途に有用とされる260nm〜280nmの紫外線領域の紫外光(DUV)を発光することができる。このように、本願に開示する紫外線発光蛍光体は、紫外線領域のうち各種用途に有用とされる260nm〜280nmの発光ピーク領域で、従来よりも強い紫外光を発光することが確認されている(後述の実施例参照)。
本願に係る紫外線発光蛍光体が、このように優れた効果を奏するメカニズムは未だ詳細には解明されていないが、真空紫外線または電子線が照射されたケイ酸塩中に、上述の金属元素群Aとハフニウム元素のいずれかが少なくとも存在することによって、発光作用が高められるような構造的要因が内在していることが考えられる。すなわち、真空紫外線または電子線が照射された際に、この励起波長の長さと蛍光体を構成する各原子間の距離とが好適に作用し、原子レベルで紫外線領域の光を特異的に発光するエネルギーレベルに遷移しやすくなっているものと推察される。
このような本願に開示する紫外線発光蛍光体の製造方法の一例としては、各構成元素の酸化物を原料に用いて、所望とする蛍光体の組成となるような化学量論的な割合で混合する。例えば、本願に係る紫外線発光蛍光体の一例として、(Ba1−xSr)ZrSiを得る場合には、原材料として、酸化バリウム(BaO)、酸化ストロンチウム(SrO)、二酸化ジルコニウム(ZrO2)、二酸化珪素(SiO2)を用いることができる。
この各粉末を混合し、大気雰囲気下で高温焼成することによって、所望とする蛍光体が得られる。その際に反応促進剤として、例えば、アルカリ金属やアルカリ土類金属のハロゲン化物を添加してもよい。この高温焼成は、例えば、2段階で行うことができ、例えば、大気雰囲気下で温度800℃〜1600℃で、1〜10時間焼成を実施し、当該高温焼成後に解砕を行い、還元雰囲気下で温度800℃〜1600℃で、1〜10時間焼成を実施することによって、所望とする蛍光体を焼結体として得ることができる。
このようにして得られる紫外線発光蛍光体は、発光ピーク波長260nm〜280nmの紫外光を発光できることから、その用途は多岐にわたる。
その用途の一例としては、OHラジカル生成、オゾン生成、有機物分解、殺菌、滅菌、樹脂硬化分野の光源に用いることができる。例えば、本願に係る紫外線発光蛍光体が発光する紫外光を用いて、各種の殺菌対象物に対して殺菌を行うことによって、紫外線による残留物や環境ダメージが抑制されたクリーンな殺菌を行うことができる。
このように、本願に係る紫外線発光蛍光体から構成される殺菌用ランプ(UVランプ)は、水銀フリーであると共に、高い殺菌能力を発揮するものである。また、この紫外光を用いることによって、難分解物質(例えばホルムアルデヒド及びPCBなど)の分解処理を行うことや、新規な化学物質の合成(例えば光触媒物質など) を行うこともできる。また、この紫外光を用いることによって、院内感染の予防などの各種の医療分野への応用も可能となる。
本発明の特徴を更に明らかにするため、以下に実施例を示すが、本発明はこの実施例によって制限されるものではない。
原材料として、炭酸バリウム(BaCO3)、炭酸ストロンチウム(SrCO3)、炭酸カルシウム(CaCO3)、水酸化マグネシウム(Mg(OH)2)、酸化亜鉛(ZnO)、二酸化ジルコニウム(ZrO2)、二酸化ハフニウム(HfO2)、二酸化珪素(SiO2)、フラックス剤として塩化バリウム(BaCl2)の市販品を準備した。
(実施例1〜8)
(1)蛍光体の製造
原材料に炭酸バリウム、炭酸ストロンチウム、二酸化ジルコニウム、二酸化珪素、フラックス剤として塩化バリウムを用い、それぞれ以下の表に記載のモル量を計り取り、乳鉢を用いて30分間混合したのちにアルミナ坩堝に充填し、大気雰囲気中1100℃で5時間焼成を行った。焼成後は乳鉢を用いて粉砕し、純水を用いて洗浄した後、乾燥して蛍光体を得た。また、比較例1として、原材料に炭酸バリウム、二酸化ジルコニウム、二酸化珪素、フラックス剤として塩化バリウムを用いて、同じ手順で、BaZrSi結晶を合成した。
(2)蛍光体の同定
上記で得られた焼結体の1つである実施例4の焼結体に対して、線源がCuKαのX線回折装置でX線回折結果を取得した。この得られた焼結体についてのX線回折結果を図1(a)に示す。得られたピーク値から、確かに(Ba1−xSr)ZrSiの組成で結晶化していることが確認された。
(3)発光強度の測定
上記各(Ba1−xSr)ZrSi結晶のサンプルについて、Xeエキシマランプ(波長λ=172nm)による真空紫外線励起による発光強度を確認した。得られた結果を図1(b)および以下の表に示す。この結果から、本実施例に係る紫外線発光蛍光体(Ba1−xSr)ZrSiは、真空紫外線励起によって、ピーク波長が270nm前後という深紫外領域の光が得られたことが確認された。この得られた紫外光の紫外線領域は、殺菌用途に適した波長であり、各種の殺菌用途への応用(殺菌ランプ(UVランプ)等)が可能であることが確認された。
(実施例9〜27)
(1)蛍光体の製造
原材料に炭酸バリウム、炭酸ストロンチウム、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、酸化亜鉛、二酸化ジルコニウム、二酸化珪素、フラックス剤として塩化バリウムを用いて、それぞれ以下の表に記載のモル量を計り取り、乳鉢を用いて30分間混合したのちにアルミナ坩堝に充填し、大気雰囲気中1100℃で5時間焼成を行った。焼成後は乳鉢を用いて粉砕し、純水を用いて洗浄した後、乾燥して蛍光体を得た。
(2)蛍光体の同定
上記で得られた焼結体の1つである実施例27の焼結体に対して、線源がCuKαのX線回折装置でX線回折結果を取得した。この得られた焼結体についてのX線回折結果を図2(a)に示す。得られたピーク値から、確かに(Ba1−x(Sr、Ca、Mg、Zn))ZrSiの組成で結晶化していることが確認された。
(3)発光強度の測定
上記各(Ba1−x(Sr、Ca、Mg、Zn))ZrSi結晶のサンプルについて、Xeエキシマランプ(波長λ=172nm)による真空紫外線励起による発光強度を確認した。得られた結果を以下の表に示す。この結果から、本実施例に係る紫外線発光蛍光体(Ba1−x(Sr、Ca、Mg、Zn))ZrSiは、真空紫外線励起によって、ピーク波長が265nm付近という深紫外領域の光が得られたことが確認された。この得られた紫外光の紫外線領域は、殺菌用途に適した波長であり、各種の殺菌用途への応用(殺菌ランプ(UVランプ)等)が可能であることが確認された。
上記の結果のうち、実施例16〜18に係る蛍光体(Ba1−x(Sr、Mg))ZrSiについての発光強度を図2(b)に示す。また、上記の実施例19〜21に係る蛍光体(Ba1−x(Sr、Ca、Mg))ZrSiについての発光強度を図2(c)に示す。また、上記の実施例22〜24に係る蛍光体(Ba1−x(Sr、Mg、Zn))ZrSiについての発光強度を図2(d)に示す。また、上記の実施例25〜27に係る蛍光体(Ba1−x(Sr、Ca、Mg、Zn))ZrSiについての発光強度を図2(e)に示す。
得られた結果から、いずれの場合も、各実施例に係る蛍光体(Ba1−x(Sr、Ca、Mg、Zn))ZrSiでは、Sr、Ca、Mg、Znの組み合わせに拠らず、高い発光強度が得られることが確認された。
(実施例28〜32)
(1)蛍光体の製造
原材料に炭酸バリウム、二酸化ジルコニウム、二酸化ハフニウム、二酸化珪素、フラックス剤として塩化バリウムを用いて、それぞれ以下の表に記載のモル量を計り取り、乳鉢を用いて30分間混合したのちにアルミナ坩堝に充填し、大気雰囲気中1100℃で5時間焼成を行った。焼成後は乳鉢を用いて粉砕し、純水を用いて洗浄した後、乾燥して蛍光体を得た。
(2)蛍光体の同定
上記で得られた焼結体の1つである実施例30の焼結体に対して、線源がCuKαのX線回折装置でX線回折結果を取得した。この得られた焼結体についてのX線回折結果を図3(a)に示す。得られたピーク値から、確かにBa(Zr1−yHf)Siの組成で結晶化していることが確認された。
(3)発光強度の測定
上記各Ba(Zr1−yHf)Si結晶のサンプルについて、Xeエキシマランプ(波長λ=172nm)による真空紫外線励起による発光強度を確認した。得られた結果を以下の表と共に図3(b)に示す。この結果から、本実施例に係る紫外線発光蛍光体Ba(Zr1−yHf)Siは、真空紫外線励起によって、ピーク波長が260nm付近という深紫外領域の光が得られたことが確認された。この得られた紫外光の紫外線領域は、殺菌用途に適した波長であり、各種の殺菌用途への応用(殺菌ランプ(UVランプ)等)が可能であることが確認された。また、実施例32の結果から、ジルコニウム元素(Zr)を全てハフニウム元素(Hf)で置換した場合には、発光強度が低下したことから、Ba(Zr1−yHf)Siにおけるハフニウム元素(Hf)の比率yは、1未満であることが好ましく、より好ましくは、0.8以下であることが確認された。
(実施例33〜37)
(1)蛍光体の製造
原材料に炭酸バリウム、炭酸ストロンチウム、二酸化ジルコニウム、二酸化ハフニウム、二酸化珪素、フラックス剤として塩化バリウムを用いて、それぞれ以下の表に記載のモル量を計り取り、乳鉢を用いて30分間混合したのちにアルミナ坩堝に充填し、大気雰囲気中1100℃で5時間焼成を行った。焼成後は乳鉢を用いて粉砕し、純水を用いて洗浄した後、乾燥して蛍光体を得た。
(2)蛍光体の同定
上記で得られた焼結体の1つである実施例30の焼結体に対して、線源がCuKαのX線回折装置でX線回折結果を取得した。この得られた焼結体についてのX線回折結果を図4(a)に示す。得られたピーク値から、確かに(Ba1−xSr)(Zr1−yHf)Siの組成で結晶化していることが確認された。
(3)発光強度の測定
上記各(Ba1−xSr)(Zr1−yHf)Si結晶のサンプルについて、Xeエキシマランプ(波長λ=172nm)による真空紫外線励起による発光強度を確認した。得られた結果を以下の表に示す。この結果から、本実施例に係る紫外線発光蛍光体(Ba1−xSr)(Zr1−yHf)Siは、真空紫外線励起によって、ピーク波長が270nm付近という深紫外領域の光が得られたことが確認された。この得られた紫外光の紫外線領域は、殺菌用途に適した波長であり、各種の殺菌用途への応用(殺菌ランプ(UVランプ)等)が可能であることが確認された。
上記の実施例の結果のうち、実施例4、実施例9、および実施例17の蛍光体について、発光波長と発光強度の関係をグラフ化した。比較例1の発光強度の最大値を発光強度1として、発光強度を換算した結果を図4(b)に示す。また、実施例27、実施例30、および実施例35の蛍光体についても同じく、発光波長と発光強度の関係をグラフ化した。比較例1の発光強度の最大値を発光強度1として、発光強度を換算した結果を図4(c)に示す。
さらに、上記の実施例の結果のうち、実施例4、実施例27、実施例29および実施例36の蛍光体について、励起波長と発光強度の関係をグラフ化した。各々の発光強度の最大値を発光強度1として、発光強度を換算した結果を図4(d)に示す。
得られた結果から、波長200nm以下の励起によって、ピーク波長が260nm〜280nmという深紫外領域の光が得られたことが確認された。この得られた紫外光の発光波長特性から、有機物分解、オゾン生成、OHラジカル生成や殺菌・滅菌の用途への適用が可能であり優れた水銀フリーランプとしてのUVランプとして利用できることが確認された。

Claims (3)

  1. 一般式(Ba1−x)(Zr1−yHf)Si(但し、Aは、ストロンチ
    ウム元素、カルシウム元素、マグネシウム元素、および亜鉛元素から成る群より選択される一又は複数の金属元素であり、0≦x≦0.7、0≦y≦0.5、但し0<xかつ0<y)で表され、
    真空紫外線または電子線の照射により励起されて紫外線を発光することを特徴とする
    紫外線発光蛍光体。
  2. 請求項1に記載の紫外線発光蛍光体を用いることを特徴とする
    発光素子。
  3. 請求項2に記載の発光素子を備え、当該発光素子により、真空紫外線または電子線の照射により励起されて紫外線を発光することを特徴とする
    発光装置。
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