JP6617702B2 - Fty720のアザサイクリック拘束アナログ - Google Patents

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Description

連邦政府の出資する研究または開発に関する記述
本発明は、National Cancer Instituteによって与えられた助成金番号T32CA009054、Department of Defenseによって与えられた助成金番号W81XWH−11−1−0535、およびNational Institute of Health(National Institute of General Medical Sciences)によって与えられた助成金番号R01 GM089919の下で政府の支援と共になされた。政府は、本発明においてある特定の権利を有する。
(発明の分野)
本発明は、一般に、FTY720のアザサイクリック拘束アナログ、これらアナログから形成される医薬、およびこのような治療剤を使用する障害の処置のための方法に関する。
(背景)
スフィンゴシン−1ホスフェートレセプター(S1P)は、多くの細胞タイプの表面に見出される。S1Pレセプターは、スフィンゴシン−1ホスフェートの結合によって活性化される。S1Pレセプターには5つのタイプがあり、これらのうちの各々は、別個のシグナル伝達経路の引き金となる。S1Pレセプターに結合するS1Pは、種々の細胞機能を活性化し得、上記機能としては、細胞増殖および分化、細胞生存、細胞侵襲、リンパ球トラフィッキング、ならびに細胞遊走が挙げられる。
FTY720は、S1Pレセプターに拮抗することによって機能する免疫抑制性プロドラッグである。その活性なリン酸化状態では、FTY720は、上記5種のS1Pレセプターのうちの4種に結合する。S1P1に結合するFTY720は、レセプター活性化およびその後の二次リンパ器官におけるリンパ球捕捉のダウンレギュレーションを引き起こす。現在では、FTY720は、再発緩解型多発性硬化症(MS)を処置するために販売されている。以前の刊行物は、S1Pレセプターに選択的に結合するにあたって使用するためのFTY720アナログの広いクラスを記載している。
(発明の要旨)
多くの実施形態において、本発明は、FTY720のアザサイクリック拘束アナログの性質である低分子、これら低分子から形成される医薬に関し、このような治療剤を使用する障害の処置のための方法が開示される。
いくつかの実施形態において、本発明の局面は、以下の分子式:
Figure 0006617702
を有する化合物に関し、ここで:
は、アルキル鎖、(CHOH、CHOH−アルキル、CHOH−アルキン、および(CHOMeから選択される任意選択の官能基であり;
は、脂肪族鎖(C−C10)であり;
は、水素、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、アジド(N)、エーテル、NO、もしくはシアニド(CN)を含む、モノ−、ジ−、トリ−もしくはクアッド−芳香族置換基であり;
は、Rと共に任意選択のアルコール(CHOH)であり;
Lは、O−CHであり;
Meは、アルキル、アルケンもしくはアルキンであり;
nは、1〜3から独立して選択される整数であり;そして
ここでフェニルは、上記RもしくはRの炭素鎖に沿って移動し得る。
いくつかのこのような実施形態において、上記化合物は、PP2A活性を刺激する。
他のこのような実施形態において、上記化合物の立体化学は、2位でSかつ4位でR、2位でRかつ4位でS、2位でRかつ4位でRおよび2位でSかつ4位でSからなる群より選択される。
なお他のこのような実施形態において、ピロリジンに結合される官能基は、シスの相対的配向にある。
なお他のこのような実施形態において、ピロリジンに結合される官能基は、トランスの相対的配向にある。
さらになお他のこのような実施形態において、Rは、1〜6個の炭素を有するアルキル鎖である。
さらになお他のこのような実施形態において、上記化合物は、塩の形態にある。いくつかのこのような実施形態において、上記塩は、薬学的に受容可能な塩である。
さらになお他のこのような実施形態において、上記化合物は、リン酸化される。いくつかのこのような実施形態において、上記化合物は、任意のヒドロキシメチル基においてリン酸化される。
さらになお他のこのような実施形態において、上記化合物は、FTY720と比較した場合、S1Pレセプターへの結合に対して低下した活性を示す。いくつかのこのような実施形態において、上記化合物は、FTY720と比較した場合、S1P1レセプターおよびS1P3レセプターへの結合に対して低下した活性を示す。いくつかの実施形態において、上記化合物は、細胞栄養素輸送をダウンレギュレートすることにおいて活性を有する。
さらになお他のこのような実施形態において、Rは、C17であり、Rは、CHOHである。
さらになお他の実施形態において、Rは、ホスフェートもしくはホスホネート(例えば、(CHPO(OH)およびそのエステル、CH=CHPO(OH)およびそのエステル、(CHCHPO(OH)およびそのエステル、ならびに(CHOPO(OH)およびそのエステル)である。
他の実施形態において、本発明の局面は、1種またはそれより多くのアザサイクリック拘束FTY720アナログ低分子化合物の治療上有効な量を含む薬学的製剤を含む、障害の処置のための医薬に関する。
いくつかのこのような実施形態において、上記医薬は、がん、白血病、糖尿病および肥満症からなる群より選択される障害の処置に指向される。
他のこのような実施形態において、上記医薬は、経口投与、非経口投与および経皮投与からなる群より選択される投与形態のために製剤化される。
さらに他のこのような実施形態において、上記化合物は、PP2A活性を刺激する。
なお他のこのような実施形態において、上記化合物は、FTY720と比較した場合に、S1Pレセプターへの結合に対して低下した活性を示す。
さらになお他のこのような実施形態において、上記化合物は、FTY720と比較した場合に、S1P1レセプターおよびS1P3レセプターへの結合に対して低下した活性を示す。
さらに他の実施形態において、本発明の局面は、患者において疾患を処置するための方法に関し、上記方法は、
少なくとも一部は細胞栄養素ダウンレギュレーションによる処置に感受性のある障害を有する患者を診断する工程;および
細胞栄養素輸送をダウンレギュレートすることにおいて有効な1種またはそれより多くのアザサイクリック拘束FTY720アナログ低分子化合物の治療的量を投与する工程、
を包含する。
本発明の実施形態において、例えば以下の項目が提供される。
(項目1)
Figure 0006617702

を含む化合物であって、ここで:
は、アルキル鎖、(CH OH、CHOH−アルキル、CHOH−アルキン、および(CH OMeから選択される任意選択の官能基であり;
は、脂肪族鎖(C −C 10 )であり;
は、水素、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、アジド(N )、エーテル、NO 、もしくはシアニド(CN)を含む、モノ−、ジ−、トリ−もしくはクアッド−芳香族置換基であり;
は、R 共に任意選択のアルコール(CH OH)であり;
Lは、O−CH であり;
Meは、アルキル、アルケンもしくはアルキンであり;
nは、1、2、もしくは3の群から独立して選択される整数であり;そして
ここでフェニルは該R もしくはR 炭素鎖に沿って移動し得る、
化合物。
(項目2)
ベンジル基が、3位でピロリジン環に結合されている、項目1に記載の化合物。
(項目3)
前記化合物が、細胞栄養素輸送のダウンレギュレートおよびPP2A活性の刺激から選択される活性化法を有する、項目1に記載の化合物。
(項目4)
前記化合物の立体化学が、2位でSかつ4位でR、2位でRかつ4位でS、2位でRかつ4位でR、および2位でSかつ4位でSからなる群より選択される、項目1に記載の化合物。
(項目5)
ピロリジン基に結合される官能基が、シスもしくはトランスいずれかの相対的配向のうちの一方にある、項目1に記載の化合物。
(項目6)
前記化合物が、薬学的に受容可能な塩の形態にある、項目1に記載の化合物。
(項目7)
前記化合物が、リン酸化されている、項目1に記載の化合物。
(項目8)
前記化合物が、FTY720と比較した場合、S1PレセプターおよびS1P3レセプターいずれかのうちの少なくとも一方への結合に対して低下した活性を示す、項目1に記載の化合物。
(項目9)
はC 17 であり、R はCH OHである、項目1に記載の化合物。
(項目10)
障害の処置のための医薬であって、該医薬は、
Figure 0006617702

を含む1種またはそれより多くのアザサイクリック拘束FTY720アナログ低分子化合物の治療上有効な量を含む薬学的製剤を含み、ここで:
は、アルキル鎖、(CH OH、CHOH−アルキル、CHOH−アルキン、および(CH OMeから選択される任意選択の官能基であり;
は、脂肪族鎖(C −C 10 )であり;
は、水素、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、アジド(N )、エーテル、NO 、もしくはシアニド(CN)を含む、モノ−、ジ−、トリ−もしくはクアッド−芳香族置換基であり;
は、R と共に任意選択のアルコール(CH OH)であり;
Lは、O−CH であり;
Meは、アルキル、アルケンもしくはアルキンであり;
nは、1、2、もしくは3の群から独立して選択される整数であり;そして
ここでフェニルは、該R もしくはR 炭素鎖に沿って移動し得る、医薬。
(項目11)
前記ベンジル基が、3位でピロリジン環に結合されている、項目10に記載の医薬。
(項目12)
前記化合物の立体化学が、2位でSかつ4位でR、2位でRかつ4位でS、2位でRかつ4位でR、および2位でSかつ4位でSからなる群より選択される、項目10に記載の医薬。
(項目13)
ピロリジン基に結合される官能基が、シスもしくはトランスいずれかの相対的配向のうちの一方にある、項目10に記載の医薬。
(項目14)
前記化合物が、薬学的に受容可能な塩の形態にある、項目10に記載の医薬。
(項目15)
前記化合物が、リン酸化されている、項目10に記載の医薬。
(項目16)
はC 17 であり、R はCH OHである、項目10に記載の医薬。
(項目17)
前記医薬が、がん、白血病、糖尿病および肥満症からなる群より選択される障害の処置に指向される、項目10に記載の医薬。
(項目18)
前記医薬が、経口投与、非経口投与および経皮投与からなる群より選択される投与形態のために製剤化されている、項目10に記載の医薬。
(項目19)
前記化合物が、細胞栄養素輸送のダウンレギュレーションおよびPP2A活性の刺激から選択される活性化の様式を有する、項目10に記載の医薬。
(項目20)
前記化合物が、FTY720と比較した場合に、S1PレセプターおよびS1P3レセプターのうちの少なくとも一方への結合に対して低下した活性を示す、項目10に記載の医薬。
(項目21)
患者において疾患を処置するための方法であって、該方法は、
少なくとも一部は細胞栄養素ダウンレギュレーションによる処置に感受性のある障害を有する患者を診断する工程;および
細胞栄養素輸送を少なくともダウンレギュレートすることにおいて有効な1種またはそれより多くのアザサイクリック拘束FTY720アナログ低分子化合物の治療的量を投与する工程を含み、ここで該低分子化合物は、
Figure 0006617702

を含み、ここで:
は、アルキル鎖、(CH OH、CHOH−アルキル、CHOH−アルキン、および(CH OMeから選択される任意選択の官能基であり;
は、脂肪族鎖(C −C 10 )であり;
は、水素、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、アジド(N )、エーテル、NO 、もしくはシアニド(CN)を含む、モノ−、ジ−、トリ−もしくはクアッド−芳香族置換基であり;
は、R と共に任意選択のアルコール(CH OH)であり;
Lは、O−CH であり;
Meは、アルキル、アルケンもしくはアルキンであり;
nは、1、2、もしくは3の群から独立して選択される整数であり;そして
ここでフェニルは、R もしくはR 炭素鎖に沿って移動し得る、方法。
(項目22)
ベンジル基が、3位でピロリジン環に結合されている、項目21に記載の方法。
(項目23)
前記化合物の立体化学が、2位でSかつ4位でR、2位でRかつ4位でS、2位でRかつ4位でRおよび2位でSかつ4位でSからなる群より選択される、項目21に記載の方法。
(項目24)
ピロリジン基に結合される官能基が、シスもしくはトランスいずれかの相対的配向のうちの一方にある、項目21に記載の方法。
(項目25)
前記化合物が、薬学的に受容可能な塩の形態にある、項目21に記載の方法。
(項目26)
前記化合物が、リン酸化されている、項目21に記載の方法。
(項目27)
はC 17 であり、R はCH OHである、項目21に記載の方法。
(項目28)
前記方法が、がん、白血病、糖尿病および肥満症からなる群より選択される障害の処置に指向される、項目21に記載の方法。
(項目29)
前記投与する工程が、経口投与、非経口投与および経皮投与からなる群より選択される投与形態にある、項目21に記載の方法。
(項目30)
前記化合物が、PP2A活性を刺激する、項目21に記載の方法。
(項目31)
前記化合物が、FTY720と比較した場合に、S1PレセプターおよびS1P3レセプターのうちの少なくとも一方への結合に対して低下した活性を示す、項目21に記載の方法。
説明および特許請求の範囲は、以下の図面およびデータグラフを参照することでより完全に理解されるが、この図面およびデータグラフは、本発明の例示的実施形態として呈示され、本発明の範囲の完全な記載として解釈されるべきではない。
図1は、FTY720の分子構造を提供する。
図2a〜2dは、本発明の実施形態に従う治療用低分子アナログの分子構造を提供する。 図2bは、本発明の実施形態に従う治療用低分子アナログの分子構造を提供する。
図3aは、本発明の種々の実施形態に従う治療用低分子アナログの生成のための反応経路を提供する。 図3bは、本発明の種々の実施形態に従う治療用低分子アナログの生成のための反応経路を提供する。 図3cは、本発明の種々の実施形態に従う治療用低分子アナログの生成のための反応経路を提供する。 図3dは、本発明の種々の実施形態に従う治療用低分子アナログの生成のための反応経路を提供する。 図3eは、本発明の種々の実施形態に従う治療用低分子アナログの生成のための反応経路を提供する。 図3fは、本発明の種々の実施形態に従う治療用低分子アナログの生成のための反応経路を提供する。 図3gは、本発明の種々の実施形態に従う治療用低分子アナログの生成のための反応経路を提供する。 図3hは、本発明の種々の実施形態に従う治療用低分子アナログの生成のための反応経路を提供する。 図3iは、本発明の種々の実施形態に従う治療用低分子アナログの生成のための反応経路を提供する。 図3jは、本発明の種々の実施形態に従う治療用低分子アナログの生成のための反応経路を提供する。 図3kは、本発明の種々の実施形態に従う治療用低分子アナログの生成のための反応経路を提供する。 図3lは、本発明の種々の実施形態に従う治療用低分子アナログの生成のための反応経路を提供する。
図4aは、本発明の種々の実施形態に従う治療用低分子アナログの分子構造を提供する。
図4bは、本発明に従う治療用低分子アナログの実施形態が白血病細胞を死滅させる能力に対する、ヒドロキシメチルと比較したエーテルの立体化学的影響の研究をまとめるデータプロットを提供する。
図5aは、本発明の種々の実施形態に従う治療用低分子アナログの分子構造を提供する。
図5bは、本発明に従う治療用低分子アナログの実施形態の抗がん活性に対する、ピロリジン環配向の効果の研究をまとめるデータプロットを提供する。
図6aは、本発明の種々の実施形態に従う治療用低分子アナログの分子構造を提供する。
図6bは、本発明に従う化合物5の治療用低分子アナログの実施形態の効力に対する、ヒドロキシメチル基上のリン酸化部位の喪失の影響の研究をまとめるデータプロットを提供する。図6cは、本発明に従う化合物6の治療用低分子アナログの実施形態の効力に対する、ヒドロキシメチル基上のリン酸化部位の喪失の影響の研究をまとめるデータプロットを提供する。
図7aは、本発明の種々の実施形態に従う治療用低分子アナログの分子構造を提供する。
図7bは、本発明に従う治療用低分子アナログの実施形態の抗がん活性の効力に対する、脂肪族鎖の長さの影響の研究をまとめるデータプロットを提供する。
図8は、本発明に従う治療用低分子アナログの実施形態がSup−B15白血病細胞において栄養素輸送体喪失の引き金となる能力の研究をまとめるデータプロットを提供する。
図9aおよび9bは、本発明に従う化合物6およびそのホスフェートの分子構造を提供する。
図10aは、本発明に従う例示的な治療用低分子アナログの効力および活性に対する研究の結果を提供するデータプロットを提供する。 図10bは、本発明に従う例示的な治療用低分子アナログの効力および活性に対する研究の結果を提供するデータプロットを提供する。 図10cは、本発明に従う例示的な治療用低分子アナログの効力および活性に対する研究の結果を提供するデータプロットを提供する。 図10dは、本発明に従う例示的な治療用低分子アナログの効力および活性に対する研究の結果を提供するデータプロットを提供する。 図10eは、本発明に従う例示的な治療用低分子アナログの効力および活性に対する研究の結果を提供するデータプロットを提供する。 図10fは、本発明に従う例示的な治療用低分子アナログの効力および活性に対する研究の結果を提供するデータプロットを提供する。 図10gは、本発明に従う例示的な治療用低分子アナログの効力および活性に対する研究の結果を提供するデータプロットを提供する。 図10hijは、本発明に従う例示的な治療用低分子アナログの効力および活性に対する研究の結果を提供するデータプロットを提供する。 図10kは、本発明に従う例示的な治療用低分子アナログの効力および活性に対する研究の結果を提供するデータプロットを提供する。 図10lは、本発明に従う例示的な治療用低分子アナログの効力および活性に対する研究の結果を提供するデータプロットを提供する。 図10mは、本発明に従う例示的な治療用低分子アナログの効力および活性に対する研究の結果を提供するデータプロットを提供する。 図10nは、本発明に従う例示的な治療用低分子アナログの効力および活性に対する研究の結果を提供するデータプロットを提供する。 図10oは、本発明に従う例示的な治療用低分子アナログの効力および活性に対する研究の結果を提供するデータプロットを提供する。
(詳細な説明)
ここで図面およびデータみると、細胞栄養素輸送体のダウンレギュレーションの引き金となることを含む種々の治療機構から障害(がんを含む)を処置し得る低分子、これら低分子から形成される医薬、およびこのような治療剤を使用する障害の処置のための方法が開示される。いくつかの実施形態において、上記低分子は、FTY720のアザサイクリック拘束アナログである。上記低分子のさらなる実施形態は、o−ベンジルピロリジンである。実施形態は、純粋化合物形態もしくは薬学的に有効な塩の形態で存在し得る。いくつかの実施形態は、PP2A活性を刺激することによって細胞栄養素輸送を阻害する。他の実施形態において、製剤および医薬が提供され、疾患の処置に指向される。いくつかのこのような実施形態において、これら製剤および医薬は、がん(例えば、白血病)および潜在的に他の疾患を標的とする。治療の実施形態は、薬学的に有効な塩としてもしくは純粋形態のいずれかで存在する、1種またはそれより多くの低分子化合物の治療上有効な用量を含む。実施形態は、種々の製剤を可能にし、これらには、経口投与、静脈内投与、もしくは筋肉内投与のための製剤が挙げられるが、これらに限定されない。他のさらなる実施形態は、上記低分子の治療的な量を使用する障害のための処置レジメンを提供する。いくつかの処置実施形態において、上記低分子、送達系および投与レジメンは、がん(例えば、白血病)および潜在的に他の疾患(栄養素輸送のダウンレギュレーションが治療的に有効である疾患を含む)の処置に指向される。
定義
この説明の目的で、別段記載されなければ、以下の定義が使用される。
「スフィンゴシン−1ホスフェート(S1P)」は、多様な刺激に応じて細胞中で形成され、細胞シグナル伝達において重要な役割を果たす。
「S1Pレセプター」は、S1P、FTY720、およびFTY720もしくはS1Pの任意のアナログが挙げられるが、これらに限定されない分子を結合する任意のレセプターである。レセプターのこのクラスは、公知のGタンパク質共役型のS1Pレセプターのうちのいずれかを含む。
「栄養素輸送」とは、代謝関連の化合物(アミノ酸、グルコース、および鉄が挙げられるが、これらに限定されない)の運び入れおよび運び出しを調節する細胞の能力を指す。
「PP2A」は、シグナル伝達経路を不活性化するにあたってある役割を果たし、Bcl−2ファミリーメンバー(Bcl−2およびBadを含む)の作用に拮抗し、多くの他の細胞プロセスを調節するにあたってある役割を果たすセリン/スレオニンホスファターゼである。
図1に模式的に示される「FTY720」(2−アミノ−2−[2−(4−オクチルフェニル)エチル]プロパン 1,3−ジオールヒドロクロリド)は、疎水性脂肪族鎖を有する芳香族部分の上にアミノジオール官能性を有する合成免疫調節剤である。これは、再発緩解型多発性硬化症の処置のために商品名Gilenya(登録商標)の下で現在販売されている。
「選択的」とは、特定のレセプター部位に対して指向される化合物リガンドを指す。その結合部位において、上記化合物は、標的分子を作動もしくは拮抗するように作用し得る。これは、特定の標的タンパク質の活性を調節するシグナル伝達経路における工程に影響を及ぼすことによって、直接的にもしくは間接的に行われ得る。
用語「ホスフェート前駆体」および「ホスフェート前駆体アナログ」とは、インビボで直接リン酸化され得る本発明の化合物における置換基部分を指す。
「ホスフェート誘導体」とは、ホスフェートもしくはホスフェートエステル基を含む本発明の化合物における置換基部分を指す。
「プロドラッグ」とは、リン酸化後にのみインビボで生物学的に活性になる化合物を指す。
(技術用語)
「アシル」とは、−R−C=O基を意味する。
「アシルホスフェート」とは、ホスフェートに結合されたアシル基、RCOPO 2−を意味する。
「アルコール」とは、飽和アルカン様化合物に結合した−OH基を有する化合物(ROH)を意味する。
「アルキル」とは、1個の水素原子がアルカンから除去される場合に残る部分構造を指す。
「アルカン」とは、単結合のみを含む、炭素および水素の化合物を意味する。
「アルケン」とは、炭素−炭素二重結合を含む炭化水素(RC=CR)を指す。
「アルキン」とは、炭素−炭素三重結合を含む炭化水素構造を指す。
「アルコキシ」とは、酸素原子に結合したアルキル基を特徴とする分子構造の部分を指す。
「アリール」とは、芳香族環に由来する任意の官能基もしくは置換基を指す。
「アミン」分子とは、窒素原子に結合した1またはそれより多くの有機置換基を含む化合物(RNH、RNH、もしくはRN)である。
「アミノ酸」とは、カルボキシル基に隣接する炭素原子上にアミノ基を有する二官能性化合物、RCH(NH)COHを指す。
「アジド」とは、Nを指す。
「シアニド」とは、CNを指す。
「エステル」とは、−COR官能基を含む化合物である。
「エーテル」とは、同じ酸素原子に結合した2つの有機置換基を有する化合物、すなわち、R−O−R’を指す。
「ハロゲン」もしくは「ハロ」とは、フルオロ(F)、クロロ(Cl)、ブロモ(Br)、もしくはヨード(I)を意味する。
「炭化水素」とは、完全に炭素(C)および水素(H)の元素からなる有機化合物を意味する。
「ホスフェート」、「ホスホネート」、もしくは「PO」とは、リン(P)および酸素(O)の元素を含む化合物を意味する。
上記の分子式中および至る所にある「R」とは、任意の適切な有機分子を示すことが意味される。
(導入)
FTY720は、周知の免疫抑制剤であり、集中的な研究の主題であった。免疫抑制剤として使用される場合、FTY720は、プロドラッグである。インビボでのリン酸化は、プロ−S−ホスフェートエステル異性体を特異的にもたらす。リン酸化されたとき、FTY720は、S1Pレセプターに結合する機能的アンタゴニストとして作用し、二次リンパ組織へのリンパ球遊走を刺激して、循環しているリンパ球を隔離させる。言い換えると、FTY720は、循環から免疫細胞を連れ出すことによって、免疫系を抑制する。
近年、科学者は、FTY720を抗がん剤として使用することを提唱し始めた。示唆されたアプローチとしては、以下が挙げられる:(1)特定のS1Pレセプターに対して選択的活性を有するFTY720を設計すること;および(2)FTY720を使用して、PP2A活性化を促進し、腫瘍形成性Bcl−2ファミリータンパク質のダウンレギュレーションをもたらすこと(例えば、Coffin, A. et al. WO 2008/097819;およびByrd, J.C. et al., US 2013/0123366を参照のこと(これらの開示は、本明細書に参考として援用される))。例えば、ある者は、S1Pレセプターの特定の部分セットに対して指向されるFTY720アナログを作ることは、FTY720の高用量と関連する厳しい副作用を緩和し得ると考えている(例えば、上記で引用したWO 2008/097819を参照のこと)。特に、リン酸化の立体化学を研究しようとする試みにおいて、極性サブユニットに主に焦点を当てるFTY720の多くの合成アナログが生成されており、その得られたホスフェートエステルの生物学的活性が報告された。これら研究は、S1Pレセプターでの活性に最適である付加物を見出すことに特に焦点を当てた(例えば、Clemens, J. J., et al., Bioorg. Med. Chem. Lett. 2005, 15, 3568−3572; Hanessian, S. et al., Bioorg. Med. Chem. Lett. 2007, 17, 491−494; Davis, M. D. et al., J. Biol. Chem. 2005, 280, 9833−9841; Zhu, R. et al., J. Med. Chem. 2007, 50, 6428−6435; Forrest, M. et al., J. Pharmacol. Exp. Ther. 2004, 309, 758−768.; Valentine, W. J. et al., Cell. Signal. 2010, 22, 1543−1553; Lim, K. G. et al., Cell Signal. 2011, 23, 1590−1595; Sun, C. & Bittman, R., J. Org. Chem. 2006, 71, 2200−2202;およびKiuchi, M. et al., J. Med. Chem. 2000, 43, 2946−2961を参照のこと(これらの各々の開示は、本明細書に参考として援用される))。
対照的に、他の者は、FTY720自体(いかなる具体的なアナログでもなく)が、S1Pレセプターに対するその分子の本来の活性にも拘わらず、PP2A(セリン/スレオニンホスファターゼ)の活性を刺激することによって白血病を処置するために使用され得ると考えた(例えば、上記で引用したUS 2013/0123366を参照のこと)。PP2Aおよび他のホスファターゼは、シグナル伝達経路を不活性化し、Bcl−2ファミリータンパク質に拮抗するにあたって、重要な役割を果たす(例えば、Deng et al., Blood, 113(2): 422−8 (2009)を参照のこと(その開示は、本明細書に参考として援用される))。制御不能な細胞増殖がある多くのがんにおいて、ホスファターゼ活性は低減され、Bcl−2ファミリータンパク質は、抗アポトーシス効果を有する(例えば、Reed, J.C., Blood 111(7): 3322−30を参照のこと(その開示は、本明細書に参考として援用される))。よって、理論上は、FTY720を投与して、PP2AホスファターゼをアップレギュレートしかつBcl−2をダウンレギュレートすることによって、腫瘍形成性の細胞増殖を緩和すると研究者は提唱している(上記で引用したUS 2013/0123366を参照のこと)。PP2Aのアップレギュレーションは、この処置ストラテジーの根底にある原則的な機構であるが、S1Pレセプターの活性化は、FTY720のいかなる使用にも本来内在している(例えば、Brinkmann, V., J. Pharmacol. 2009, 158, 1173−1182;およびTigyi, G. et al., FASEB J., April 24, 2010, Meeting Abstract Supplement 1b/100を参照のこと(これらの開示は、本明細書に参考として援用される))。従って、研究者はFTY720分子の種々のバリエーションを使用するものの、S1Pレセプターの活性化は、両方の提唱される抗がん処置に本来内在している。
不運なことに、抗がん処置に必要とされるFTY720の必要量を投与することは、顕著な欠点を有する。MSを処置するために使用される用量では、FTY720は十分に寛容されることを示したが、有効かつ選択的な抗がん処置に必要とされるFTY720の高い用量は、S1P1およびS1P3の活性化に二次的な徐脈(潜在的に致死的であるので、用量を制限する毒性である)を引き起こすことが示された(例えば、Lee, T. K. et al., Clin. Cancer Res. 2005, 11, 8458−8466; Azuma, H. et al., Cancer Res. 2002, 62, 1410−1419; Chua, C. W. et al., Int. J. Cancer 2005, 117, 1039−1048; Azuma, H. et al., J. Urol. 2003, 169, 2372−2377; Neviani, P. et al., J. Clin. Invest. 2007, 117, 2408−2421.Sanna, M. G., et al., J. Biol. Chem. 2004, 279, 13839−13848;およびKoyrakh, L., et al., Am. J. Transplant. 2005, 5, 529−536を参照のこと(これらの開示は、本明細書に参考として援用される))。よって、抗がん治療剤としての使用の可能性があるにも拘わらず、現在公知のFTY720関連化合物は、S1Pレセプター結合に起因して用量が制限され、このことは、それらが抗がんで使用することを維持できなくしている。
FTY720の関連する抗がん活性は、そのS1Pレセプター活性から切り離せるということがここで発見された。実際に、抗がん処置に必要なFTY720の高用量が、S1Pレセプター効果から生じだけではなく、少なくとも部分的に、栄養素輸送の阻害からも生じることをここで提唱する。よって、以前の研究とは明確に対照的に、FTY720のS1Pレセプターに関連する用量を制限する毒性を示さない、FTY720のアザサイクリック拘束アナログに基づく安全かつ有効な抗がん剤が呈示される。むしろ、提唱されるアザサイクリック拘束FTY720アナログ実施形態、治療剤および処置は、少なくとも部分的には栄養素輸送をブロックし、それによって病的な細胞を飢餓状態にし、そして死滅させることによって、がんおよび他の障害を処置する。さらに、これら化合物は、PP2A活性をアップレギュレートする能力を有し、これはさらなる抗腫瘍形成性効果および抗増殖効果を有する。要するに、本明細書で記載されるFTY720のアザサイクリック拘束アナログは、当該分野のものの者によってとられるアプローチに本質的に内在し、抗がん剤としてのFTY720の使用を有効に維持できないものにする致死的効果なしに、がんと闘うためにいくつかの機構を使用する。よって、FTY720の低分子アザサイクリック拘束アナログの実施形態、このような低分子に基づく治療剤、ならびにがんおよび他の障害を処置することにおいて使用するためのこのような治療剤を組み込む処置レジメンが以下で呈示される。
(本発明の分子)
本発明の実施形態に従う化合物は、O−ベンジルピロリジンに基づく。FTY720の化学構造は、図1に図示される。本発明の実施形態に従う化合物は、図2に図示され、以下に示される。実施形態は、図2aに図示されるとおりの分子、図2bに図示されるとおりのこのような分子のホスフェート、図2cに図示されるとおりのこのような分子のホスホネート、もしくはその薬学的に受容可能な塩を含み、ここで:
Figure 0006617702
は、アルキル鎖、(CHOH、CHOH−アルキル、CHOH−アルキン、(CHOMe、(CHPO(OH)およびそのエステル、CH=CHPO(OH)およびそのエステル、(CHCHPO(OH)およびそのエステル、ならびに(CHOPO(OH)およびそのエステルから選択される任意選択の官能基であり;
は、脂肪族鎖(C−C10)であり;
は、水素、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、アジド(N)、エーテル、NO、もしくはシアニド(CN)を含む、モノ−、ジ−、トリ−もしくはクアッド−芳香族置換基であり;
は、Rと共に任意選択のアルコール(CHOH)であり;
Lは、O−CHであり;
Meは、アルキル、アルケンもしくはアルキンであり;
nは、1、2、もしくは3から独立して選択される整数であり;そして
ここで上記フェニルは、RもしくはRの炭素鎖に沿って移動され得る。
さらなる実施形態において、上記O−ベンジル基は3位もしくは4位へと移動され得、ここで、O−ベンジル基によって占有されない位置は、いまH(すなわち、CH)であり、これは図2dに示され、以下で再現されるとおりである。
Figure 0006617702
さらなる実施形態において、アルキル、CHOH、もしくは(CHOH基は、5位に付加され得る。
さらに他の実施形態において、上記RおよびR置換基は、それらの位置に関して上記フェニル環の周りで異なる組み合わせを有し得る。
さらに他の実施形態において、上記Rは、1〜6個の炭素を有するアルキルであり得る。
本発明の化合物が、立体異性体(ホスフェート、ホスホネート、エナンチオマー、ジアステレオマー、シス、トランス、syn、anti、溶媒和物(水和物を含む)、互変異性体、およびこれらの混合物を含む)として存在し得、本発明の化合物において企図されることは、理解される(例えば、図2b〜2c、図4a、図5a、図6aおよび図7aを参照のこと)。
上記化合物がホスフェートもしくはホスホネートである多くの実施形態において、Rは、例えば、(CHPO(OH)およびそのエステル、CH=CHPO(OH)およびそのエステル、(CHCHPO(OH)およびそのエステル、ならびに(CHOPO(OH)およびそのエステルであり得る。
特許請求される発明はまた、薬学的に受容可能な塩に包含され得る/薬学的に受容可能な塩に関し得る。「薬学的に受容可能な塩」は、望ましくない毒物学的効果なしに上記化合物の望ましい生物学的活性を保持する。塩は、適切な酸(塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、硝酸など;酢酸、シュウ酸、酒石酸、コハク酸、リンゴ酸、安息香酸、パモ酸、アルギン酸、メタンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸などが挙げられるが、これらに限定されない)との塩であり得る。また、組み込まれるカチオンとしては、アンモニウム、ナトリウム、カリウム、リチウム、亜鉛、銅、バリウム、ビスマス、カルシウムなど;または有機カチオン(例えば、テトラアルキルアンモニウムおよびトリアルキルアンモニウムカチオン)が挙げられ得る。酸性塩とカチオン塩との組み合わせもまた有用である。他の酸および/もしくはカチオンの塩(例えば、トリフルオロ酢酸、クロロ酢酸、およびトリクロロ酢酸との塩)が含まれる。
他のアザサイクリック拘束FTY720アナログならびに本発明の実施に適した改変アザサイクリック拘束FTY720アナログは、当業者に明らかであり、たとえ上記に示される化合物に構造的に同一でないとしても、毒性のS1Pレセプター活性を誘発することなく、栄養素輸送の阻害もしくはダウンレギュレーションおよび/またはPP2A活性のアップレギュレーションを含むいくつかの機構を使用し得る任意のO−ベンジルピロリジン化合物を含む。
(製剤)
実施形態において、上記低分子アザサイクリック拘束FTY720アナログは、例えば、栄養素輸送の阻害に、もしくはPP2A活性化に感受性のあるがんのような障害の処置のための治療用医薬へと製剤化される。このような実施形態において、上記治療剤の投与様式としては、経口、経皮、経粘膜(例えば、舌下、鼻、膣もしくは直腸)、または非経口(例えば、皮下、筋肉内、静脈内、ボーラスもしくは連続注入)が挙げられるが、これらに限定されない。必要とされる薬物の実際の量は、罹患した個体の大きさ、年齢および疾患の重症度のような要因に依存する。必要とされる薬物の実際の量は、FTY720の種々のアザサイクリック拘束アナログの有効阻害濃度範囲にも依存する。異なるアナログは、以下の図5〜7においてより詳細に示されかつ記載されるように、異なる有効阻害濃度範囲を有する。
治療剤の実施形態は、このような処置に感受性のある疾患もしくは病的状態(例えば、白血病のようながん)の症状を低減、改善もしくは除去するために有効な用量でおよび期間にわたって投与され得る。使用のための他の適応症としては、2型糖尿病および肥満症が挙げられ得る。例えば、栄養素取り込みの調節が示される実施形態において、上記FTY720低分子化合物の種々の実施形態を使用することは、カロリーの取り込みを制限および/もしくは寿命を延ばすために使用され得る。投与レジメンは、上記化合物の治療応答もしくは予防応答を改善する目的で調節され得る。例えば、いくつかの分割用量が毎日、望ましい治療結果を達成するために、上記化合物の1用量、もしくは周期的投与が投与され得る。単一のアザサイクリック拘束FTY720アナログ低分子化合物が投与されてもよいし、同様に種々のアザサイクリック拘束FTY720アナログ低分子化合物の組み合わせが投与されてもよい。
これら化合物の溶解度を改善する薬剤を添加することもまた、可能である。例えば、特許請求される化合物は、選択される投与経路に従って、1種またはそれより多くのアジュバントおよび/もしくは薬学的に受容可能なキャリアとともに製剤化され得る。経口適用に関しては、ゼラチン、矯味矯臭剤、もしくは被覆材料が添加され得る。一般に、溶液もしくはエマルジョンに関しては、キャリアとしては、生理食塩水および緩衝化媒体を含め、水性もしくはアルコール性/水性の溶液、エマルジョンもしくは懸濁物が挙げられ得る。非経口ビヒクルには、とりわけ、塩化ナトリウムおよび塩化カリウムが含まれ得る。さらに、静脈内ビヒクルには、流体および栄養素補充物、電解質補充物などが含まれ得る。
保存剤および他の添加剤(抗菌剤、抗酸化剤、キレート化剤、および不活性ガスのような)もまた、存在し得る(一般には、Remington’s Pharmaceutical Sciences, 16th Edition, Mack, (1980)を参照のこと(その開示は、本明細書に参考として援用される))。
(例示的実施形態)
生物学的データは、疾患(がん、肥満症、糖尿病)を処置するための種々の実施形態において前述のFTY720のアザサイクリック拘束アナログの使用を裏付ける。上記では、低分子化合物、医薬を組み込む実施形態、および処置レジメンの一部として記載される。以前の研究は、FTY720の可撓性のアミノジオール部分に対する化学改変がS1Pレセプターへの選択的結合に影響を及ぼすことを立証した(Clemens, J. J. et al.,(上記で引用))。本開示に従うFTY720のアザサイクリック拘束アナログの実施形態は、少なくとも部分的に、S1Pレセプターへの結合に対して低下した活性とともに飢餓状態によって細胞を死滅させ、それによって徐脈のような致死的副作用を回避することに留意されたい。よって、種々の疾患を処置するためのこれら化合物を使用する実施形態は、以前のアプローチと関連した落とし穴を回避する。考察されるように、データは、本開示に従う低分子アザサイクリック拘束FTY720アナログの実施形態が既存のFTY720関連分子および関連する処置法より優れているという提唱を裏付ける。
アザサイクリック拘束FTY720アナログ低分子の実施形態の予測される治療効力は、Sup−B15白血病細胞を使用した予備研究におけるその実証された生物学的活性から生じる。以下で考察されるように、軽微な化学的および構造的改変(立体化学、O−ベンジル鎖の位置、リン酸化部位の喪失、および脂肪族鎖の長さに対する変化が挙げられる)は、FTY720低分子アナログ活性に対して僅かな影響を有するが、全てのアナログは、FTY720対照を超える治療利点をなお示す。
(材料および方法)
合成:実施形態として、適切に置換された2−および4−ヒドロキシ D−もしくはL−プロリンから出発して、ピロリジンのエナンチオマーとして純粋であり立体化学的に多様なO−置換されたベンジルエーテルが挙げられる。上記アザサイクリック拘束FTY720アナログ低分子化合物のいくつかの列挙される実施形態は、類似の反応から発生する。化合物5、6、7、8、13、14、および15に関しては、全合成反応を行う代わりに、分子前駆体を購入し得る。前述の前駆体は、全て公知の化合物であり、スペクトルデータは、提唱される構造と一致し、文献中のものと合っていた。化合物5および6は、(2R,4S)−1−Boc−2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシメチル)−4−ヒドロキシピロリジン(図3bの6d)(対して、化合物5に関しては、(2S,4R))の異なる立体異性体から始める。残りの工程は、最終工程を除けばルーチンであり、この最終工程は、化合物14および15の前駆体を生成するので、化合物6に関して2工程に分けられる(図3aおよび3bを参照のこと)。
化合物5(図3aに図示されるとおり)に関しては、化合物5の合成は、6工程のプロセスである。しかし、化合物5b、5c、および5dは、上述の前駆体と一致して全て公知の化合物である。よって、関連する合成反応は、化合物5eで始まる。化合物5e((2S,4R)−1−Boc−4−((4−ブロモベンジル)オキシ)−2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシメチル)−ヒドロキシピロリジン)を合成するために、化合物5d(495mg、1.5mmol)を乾燥THF(10mL)中に溶解し、アルゴンでパージし、NaH(鉱油中60%、180mg、4.5mmol)の前に0℃へと冷却する。上記混合物を、4−ブロモベンジルブロミドを添加する前に30分間撹拌する。その後、上記反応を水でクエンチし、EtOAcで希釈し、水およびブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させて、濾過する。減圧下で溶媒を除去し、その残渣をフラッシュクロマトグラフィーによって精製する。このことから、化合物5e、すなわち(2S,4R)−1−Boc−4−((4−ブロモベンジル)オキシ)−2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシメチル)−4−ヒドロキシピロリジンが得られる(図3a)。
次に、2工程の反応において、1−オクチン(44μL、0.3mmol)およびカテコールボラン(THF中1.0M、0.3mL、0.3mmol)の溶液を、70℃で2時間、アルゴン雰囲気下で還流した。上記反応混合物を室温へと冷却した。DME(2mL)中の5e(100mg、0.2mmol)の溶液を、上記反応混合物に添加し、続いて、Pd(PPh(6.9mg、0.006mmol)およびNaHCOの1N水溶液(2mL)を添加した。上記反応混合物を、一晩激しく撹拌しながら還流する。次いで、上記混合物を室温へと冷却し、ブライン溶液を添加する。上記混合物をEtOで3回抽出する。その合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、濾過した。減圧下で上記溶媒を除去し、その残渣をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc、9:1)によって精製して、無色油状物(36mg、34%)を得る。次いで、この油状物をEtOAcに溶解し、Pd/C(10%)を添加する。フラスコから空気をポンプで抜き、Hで置き換える。TLCによって完了が示されれば、上記反応を停止させ、上記混合物を、綿およびセライトを詰めたピペットを通して濾過する。減圧下で上記溶媒を除去して、水素化生成物である化合物5f(29mg、83%)を無色油状物として得る。最後に、化合物5を化合物5fから合成するために、TBAF(THF中1.0M、95μL、0.095mmol)を、乾燥THF(1.3mL)中の化合物5f(29mg、0.054mmol)の溶液に添加する。次いで、上記反応系を室温で3時間撹拌する。TLC上で出発物質がもはや認められなくなったときに、上記反応混合物をNaHCOの飽和溶液でクエンチし、CHClで3回抽出する。次いで、その有機層を合わせ、NaSOで乾燥させ、濾過する。減圧下で上記溶媒を除去し、その残渣をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc、6:4)によって精製して、アルコール(20mg、88%)を無色油状物として得る。次に、上記アルコールを、ジオキサン(1.2mL)中の4.0M HCl溶液の中に溶解し、上記混合物を室温で一晩撹拌する。化合物5に関連する実施形態において、その粗製混合物のMSおよびTLC分析は、望ましい化合物のみを示す。上記溶媒をエバポレートし、その残渣を純粋なジオキサン中に溶解し、上記溶媒を再びエバポレートする。上記手順を、その溶液のpHが7になるまで反復する。その残渣を氷冷EtOで洗浄し、これを廃棄したところ、化合物5(18mg、100%)を白色固体として得た。
化合物6(図3bに図示されるとおり)に関しては、合成反応は、化合物6の反応を追跡する。化合物5についてのように、前駆体は、化合物6c、6c、および6dのために入手可能である。化合物6e((2R,4S)−1−Boc−4−((4−ブロモベンジル)オキシ)−2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシメチル)−4−ヒドロキシピロリジン)を合成するために、Zhang et al. (Zhang, S. et al., Tetrahedron Lett. 2009, 50, 1173−1176(その開示は、本明細書に参考として援用される)によって詳述される手順に倣う。次に、2工程反応において、1−オクチン(3.1mL、21.0mmol)およびカテコールボラン(THF中1.0M、21.0mL、21.0mmol)の溶液を、70℃で2時間、アルゴン雰囲気下で還流する。上記反応混合物を室温へと冷却する。DME(80.0mL)中の6e(3.5g、7.0mmol)の溶液を、上記反応混合物に添加し、続いて、Pd(PPh(243.0mg、0.21mmol)、およびNaHCOの1N水溶液(60mL)を添加する。上記反応混合物を、一晩激しく撹拌しながら還流する。上記混合物を室温へと冷却し、ブライン溶液を添加した。上記混合物をEtOで3回抽出する。その合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、濾過した。減圧下で上記溶媒を除去し、その残渣をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc、12:1〜9:1)によって精製して、僅かに黄色の油状物を得る。次いで、この油状物をEtOAc(140mL)の中に溶解し、Pd/C(10%、745.0mg、0.7mmol)を添加した。フラスコから空気をポンプで抜き、Hで置き換える。TLCによって完了が示されれば、上記反応を停止させ、上記反応混合物を、綿およびセライトを通して濾過する。減圧下で上記溶媒を除去して、水素化生成物6f(3.25g、2工程で87%)を僅かに黄色の油状物として得る。次に、TBSを化合物6fから除去するために、これをTBAFおよびTHFと反応させ、6gを得、僅かに黄色の油状物として得る。最後に、化合物6g(1.0g、2.4mmol)を、ジオキサン(60.0mL、240mmol)中の4.0M HCl溶液の中に溶解し、上記混合物を室温で一晩撹拌する。MSおよびTLC分析は、所望の化合物のみを示す。上記溶媒をエバポレートし、その残渣を純粋なジオキサンの中に溶解させる。上記溶媒を再びエバポレートした。上記手順を、上記溶液のpHが7になるまで反復する。その残渣をフラッシュクロマトグラフィー(EtOH:CHCl、1:9〜1:4)によって精製して、化合物6(759mg、90%)を白色固体として得る。
化合物14および15に関しては、化合物6g((2R,4S)−1−Boc−4−((4−オクテニルベンジル)オキシ)プロリノール)を前駆体として使用した。
図3cで図示されるように、化合物14の合成は、3工程を要する。第1に、化合物6g(100mg、0.238mmol)をCHCl(0.8mL)の中に溶解し、EtN(66μL、0.476mmol)を添加する。次いで、上記溶液を0℃へと冷却し、その後、MsCl(28μL、0.357mmol)を添加し、上記溶液を一晩静置する。上記反応混合物を水の中へと注ぎ、EtOAcで抽出する。その合わせた有機相をMgSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮する。その残渣をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc、3:1)によって濾過して、化合物14a(112mg、95%)を僅かに黄色の油状物として得る。第2に、化合物14bを合成するために、LiBHEt(THF中1M溶液、0.644mL、0.644mmol)を、THF(0.16mL)中の化合物14a(80mg、0.161mmol)の氷冷溶液にゆっくりと添加する。上記溶液を室温へと加温する。2時間撹拌した後には、TLC上には出発物質はもはや認められないはずである。次いで、上記反応を水でクエンチし、EtOAcへと注ぐ。その水相およびEtOAc相を分離し、上記水相をEtOAcで抽出した。その合わせた有機相をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。その残渣をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc、16:1)によって精製して、化合物14b(60mg、92%)を僅かに黄色の油状物として得る。第3に、および最後に、化合物14の合成を完了するために、化合物14b(28mg、0.069mmol)を、ジオキサン(1.73mL、6.9mmol)中の4M HClの中に溶解し、一晩撹拌する。上記粗製混合物のTLC分析は、望ましい化合物のみを示すはずである。上記溶媒をエバポレートし、その残渣を純粋なジオキサンの中に溶解し、再びエバポレートする。その残渣をフラッシュクロマトグラフィー(EtOH:CHCl、1:10)によって精製して、14b(20.1mg、85%)を白色固体として得る。
化合物15を、化合物6gが化学前駆体である、1つの2工程反応で合成する。化合物15((2R,4S)-2-(メトキシメチル)-4−((4-オクチルベンジル)オキシ)−ピロリジン塩酸塩)を合成するために、化合物6g(50mg、0.12mmol)を乾燥THF(1mL)の中に溶解し、アルゴンでパージし、0℃へと冷却し、その後、NaH(鉱油中60%、9.6mg、0.24mmol)を添加する。この反応混合物に、MeI(15μL、0.24mmol)を添加し、上記反応系を室温へと加温し、一晩静置する。その後、上記反応をNHClの飽和溶液でクエンチし、EtOAcで希釈し、その2つの相を分離する。その水相をEtOAcで2回抽出し、その合わせた有機相をMgSOで乾燥させ、濾過する。次いで、減圧下で上記溶媒を除去し、その残渣をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc、9:1)によって精製して、そのメチル化アルコール(36mg、69%)を無色油状物として得る。次いで、上記メチル化アルコール(35mg、0.08mmol)をジオキサン(2.4mL)中の4M HClの中に溶解し、一晩撹拌する。上記粗製混合物のTLC分析は、望ましい化合物のみを示す。上記溶媒をエバポレートし、その残渣を純粋なジオキサンの中に溶解し、上記溶媒を再びエバポレートした。その残渣をフラッシュクロマトグラフィー(EtOH:CHCl、1:9)によって精製して、15(26mg、88%)を僅かに黄色の固体として得た。
図3dで図示されるように、化合物7の合成は、いくつかの工程を要し、そのうちの多くは、公知の分子前駆体を使用することによって削除され得る。特に、合成は、化合物7bもしくは化合物7cを前駆体として使用して起こり得る。両方とも公知の化合物であり、スペクトルデータは、その提唱される構造と一致し、文献中で報告されたものと合っている(Watanabe, A et al., J. Heterocyclic Chem. 2011, 48, 1132−1139を参照のこと(その開示は、本明細書で参考として援用される)。化合物7cから出発して、化合物7dを無色油状物として得る。次に、化合物7eを2工程(図3d中に列挙)で化合物7dから得る。最後に、化合物7を、黄色固体/油状物として化合物7eから得た。
図3eで図示されるように、化合物8を、化合物5および化合物7を合成するための手順に従って合成し得る。化合物8bおよび化合物8cは、公知の化合物である。特別なデータは、その提唱される構造と一致し、文献中で報告されたものと合っていた(Watanabe, J. Heterocyclic Chem. 2011, 48, 1132‐1139を参照のこと(その開示は、本明細書で参考として援用される))。化合物8dを、無色油状物として8cから得た。化合物8eを、無色油状物として8dから得た。化合物8は塩であり、8eから2工程で黄色油状物として得られる。
化合物9〜12(2,3−置換されたピロリジンアナログ)の合成は、以下で考察される。化合物10、化合物11、および化合物12は、化合物9((2R,3S)−2−(ヒドロキシメチル)−3−((4−オクチルベンジル)オキシ)−ピロリジン塩酸塩)から誘導される。
図3fで図示されるように、化合物9の合成は、いくつかの中間反応を要する。化合物9の前駆体(化合物9dを含む)は、Evano et alによって記載される手順に従って生成される(Toumi, M., et al., Angew. Chem. Int. Ed. 2007, 46, 572−575を参照のこと(その開示は、本明細書に参考として援用される))。化合物9eを、僅かに黄色の油状物として化合物9dから得る。次に、化合物9fを、僅かに黄色の油状物として化合物9eから得た。化合物9を、黄色固体として化合物9fから得る。
図3gで図示されるように、化合物10を合成するために、そのプロセスは、異なる立体化学的配座の前駆体を用いるが、化合物9におけるプロセスとほぼ同じである。
図3hで図示されるように、化合物11の合成は、いくつかの工程のプロセスである。それは、上記で考察されるEvano et al.のプロセスによって生成されるとおりの化合物9dに係る。図3hで図示されるように、11aを合成するために、NaHCO(134mg、1.60mmol)を、化合物9d(70mg、0.21mmol)のCHCl(1.0mL)に室温で添加し、続いて、Dess−Martinペルヨージナン(134mg、0.32mmol)を添加する。得られた混合物を、TLCによって出発物質がもはや認められなくなるまで、1.5時間撹拌する。次いで、Naの飽和溶液を上記混合物に添加し、その有機層を分離し、その水層をCHClで抽出する。その合わせた有機層をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮する。その残渣をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc、12:1〜8:1)によって精製して、化合物11a(64mg、92%)を僅かに黄色の油状物として得る。次に、化合物11を、L−selectride(THF中1M、0.27mL、0.27mmol)を、化合物11a(60mg、0.18mmol)のTHF(1.8mL)溶液に78℃で添加することによって合成する。得られた溶液を1時間にわたってこの温度で撹拌すると、出発物質はTLCによってもはや認められなくなった。次いで、NHClの飽和溶液を上記溶液に添加し、その有機層を分離し、その水層をEtOAcで抽出する。その合わせた有機層をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮する。その残渣をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc、5:1)によって精製して、化合物11b(45mg、75%)を無色油状物として得る。化合物11cを無色油状物として化合物11bから得た。化合物11dを僅かに黄色の油状物として2工程で11cから得た。化合物11を黄色固体として化合物11dから得た。
図3iで図示されるように、化合物12の合成は、化合物11に関するものとほぼ同じである。唯一の差異は、そのプロセスが最初に化合物10dを9dの代わりに使用することである。化合物10dは、化合物9dの立体異性体である。
図3jで図示されるように、化合物13の合成は、多工程プロセスである。化合物13に関して、いくつかの前駆体が使用され得る。公知の前駆体としては、化合物13b〜fが挙げられる。これらに関して、化合物およびスペクトルデータは、提唱される構造と一致し、文献中に報告されたものに合っている(Gauchot, V. et al., J. Org. Chem. 2012, 77, 4917‐4923; Watts, J.et al., Adv. Synth. Catal. 2012, 354, 1035‐1042; Rosen, T et al., J. Med. Chem. 1988, 31, 1598‐1611; Mitsumori, S. et al., J. Am. Chem. Soc. 2006, 128, 1040‐1041を参照のこと(これらの開示は、本明細書で参考として援用される))。化合物13fから出発して、化合物13gを無色油状物として得る。次に、化合物13hを無色油状物として2工程で13gから得る。最後に、化合物13を、化合物13h(100mg、0.25mmol)をジオキサン(6mL)中の4M HClの中に溶解し、一晩撹拌することによって合成する。上記粗製混合物のTLC分析は、望ましい化合物のみを示すはずである。上記溶媒をエバポレートし、その残渣を純粋なジオキサンの中で溶解し、上記溶媒を再びエバポレートする。その残渣をフラッシュクロマトグラフィー(EtOH:DCM、1:9)によって精製して、化合物13(62mg、73%)を僅かに黄色の固体として得た。
化合物16および17は、ともに3−置換されたピロリジンエーテルであり、類似の反応シーケンスを使用して合成される。化合物17の合成は、化合物16に由来する前駆体を要する。
図3kで認められるように、化合物16の合成は、4反応のプロセスである。第1に、化合物16bを、無色油状物(1.3g、100%)として(R)‐3‐ピロリジノール(539mg、6.19mmol)から得た。スペクトルデータは、提唱される構造と一致し、文献中で報告されたものに合っていた(Kucznierz, R. et. al., J. Med. Chem. 1998, 41, 4983−4994を参照のこと)。化合物16cを無色油状物として化合物16bから得た。化合物16eを無色油状物として2工程で化合物16cから得た。最後に、化合物16を黄色油状物として化合物16eから得た。
図3lは、化合物17の合成が化合物16bを前駆体として使用し、全体的に、その合成プロセスは、化合物16のものに類似であることを示す。第1に、化合物17aを、化合物16b(400mg、2.14mmol)をTHF(8mL)の中で溶解することによって合成する。PPh(1.18g、4.49mmol)および4‐ニトロ安息香酸(750mg、4.49mmol)を逐次的に添加する。上記溶液を0℃へと冷却し、その後、DIAD(0.88mL、4.49mmol)を添加する。上記反応系を室温で一晩撹拌する。TLCは、出発物質がもはやないことを示すはずである。上記反応混合物をEtOAcで希釈し、NaHCOの飽和溶液で洗浄する。その有機層を乾燥させ(MgSO)、エバポレートする。その残渣をフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc:ヘキサン、2:8)によって精製して、そのエステルを僅かに黄色の油状物として得る。次いで、上記エステルをMeOH(3.5mL)の中に溶解し、2M NaOH(1.2mL)を添加する。上記反応混合物を室温で1時間撹拌する。TLCによって示されるように完了した後、上記反応混合物をEtOAcで希釈し、その有機層を水で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮する。その残渣をフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc:ヘキサン、1:1)によって精製して、化合物17a(113mg、2工程で47%)を無色油状物として得る。スペクトルデータは、提唱される構造と一致し、文献中で報告されるものに合っている(Kim, Y. J. et al., Bioorg. Med. Chem. Lett. 2000, 10, 2417‐2420を参照のこと(その開示は、本明細書に参考として援用される))。
白血病細胞アッセイ:BCR−ABL陽性ヒト急性リンパ芽球性白血病(ALL)細胞株Sup−B15を使用した細胞生存性アッセイで認められる場合の細胞を死滅させる能力に対する化学変化の影響を、記載する。上記Sup−B15細胞株を使用するアッセイを設計して、FTY720のアザサイクリック拘束低分子アナログが白血病細胞を死滅させる効力を決定した。アナログを、上述の合成法を使用して生成した。Sup−B15細胞を、10%ウシ胎仔血清(Sigma‐Aldrich(登録商標))、10mM Hepes(MediatechTM)、55μM β‐メルカプトエタノール(Sigma‐Aldrich(登録商標))、2mM L‐グルタミン(Mediatech(登録商標))、および抗生物質を補充したRPMI 1640(Mediatech(登録商標))中で、2〜300万個/mLで維持した。BV173、Nalm−6、およびBlin−1を、同じ培地中で、1〜200万個/mLで維持し、CCRF‐CEMを500,000/mL未満で維持した。BMp190細胞を、BCR‐Ablのp190アイソフォームおよびヒトCD4をIRESから発現するpMIC‐p190でマウス骨髄細胞を形質導入することによって作りだした;これら細胞を、1〜200万個/mLで、上記のとおり補充したRPMI中で維持した。
フローサイトメトリー:呈示される生物学的活性の大部分は、フローサイトメトリーデータを通じて示される。フローサイトメトリーデータは、培養物中のどの程度多くの細胞がFTY720およびアナログによって死滅させられたか、および細胞表面レセプター発現のレベルを示す。ここで、IC50フローサイトメトリーアッセイを使用した。それらにおいて、生存性を、生細胞色素排除[ヨウ化プロピジウム(propium iodide)もしくはDAPI(4’,6−ジアミジノ(diamindino)−2−フェニルインドール)]によって72時間で決定した。FTY720およびFTY720のアザサイクリック拘束アナログへの曝露後の栄養素レセプター発現を測定するために、表面4F2hc発現を、薬物処置の3時間後に、150,000個の細胞をフィコエリトリン結合体化マウス抗ヒトCD98(BD Biosciences(登録商標))で染色することによって測定した。分析を生細胞に限定した。
開示されるデータセットの全てのサンプルを、BD LSR IIフローサイトメーターで分析し、データをFlowJo(登録商標)ソフトウェア(Treestar(登録商標))で分析した。IC50を計算し、統計的検定をGraphPad Prism(登録商標)を使用して行った。
実施例1:立体化学
第1の実施形態において、細胞培養アッセイを行って、実施形態に従う種々の低分子ジアステレオマーの殺傷能力を示した。特に、化合物5〜8(図4aに示される)は、一連のジアステレオマーシリーズのメンバーを提供し、上記アッセイは、ヒドロキシメチル基に対するエーテル付加物の三次元配向が、化合物ががん細胞を死滅させる能力に影響を及ぼすことを示す。実際に、図4bで図示されるように、上記化合物の立体化学のわずかなバリエーションすら、上記低分子アナログの有効性に影響を及ぼし得る。特に、ある種の化合物は、他より大きな殺傷能力を有する。例えば、化合物8は、化合物6より活性において1/8の減少を有し、そのエナンチオマー(化合物5)より2倍の弱い。実際に、化合物6は、化合物5、化合物7、および化合物8より遙かに大きな活性を示した。このことは、立体化学が低分子活性を改善するにあたって有る役割を果たし得ることを示す。活性におけるこの潜在的に有用な変動性にも拘わらず、上記低分子アナログ実施形態の立体化学が変化しても、上記低分子アナログがFTY720より有効でなくなるということではないことに注意すべきである。特に、上記アザサイクリック拘束アナログの全てが、白血病細胞を死滅させるにあたって、FTY720対照とほぼ同じ程度有効である。さらに、これら化合物は、上記低分子がS1P1レセプターもS1P3レセプターも活性化させず、それによって、FTY720および以前に報告されたアナログと関連するS1Pレセプター関連の用量を制限する毒性を回避するというさらなる利益を付与する(以下の図10aおよび図10bに関してより詳細に記載されるとおりである)。要するに、立体化学は、アザサイクリック拘束FTY720アナログのある種の実施形態の抗白血病活性を実質的に増大させ得るか、または白血病細胞を死滅させる能力に対して上記アナログを害さない取るに足らない役割を果たし得るかのいずれかである。よって、上記アナログ実施形態の立体化学を改変することは、アザサイクリック拘束FTY720アナログの効力に影響を及ぼす可能性を有するが、いくつかの実施形態、および特にSupB15細胞に関しては、従来の化合物と比較しても抗がん効力を低下させない。
実施例2:O−ベンジル鎖の位置
第2の例示的分析において、上記低分子アナログの活性に関してO−ベンジル鎖の位置を試験した。まとめると、この位置は、細胞を死滅させるための実施形態の能力に実質的に影響を及ぼすことを示さない。上記で考察される技術を使用して、研究者は、ジアステレオマーの2−ヒドロキシメチルピロリジン 4−アリールエーテル(図5a)を合成した。これら実施形態を、Toumi, et al. (Toumi, M., et al., Angew. Chem. Int. Ed. 2007, 46, 572−575(その開示は、本明細書で参考として援用される)によって開示される前駆体を使用して合成した。化合物10〜12を得るための手順は、化合物9についてのものと一致する。
これらアナログの合成およびそれらをSup−B15アッセイへ組み込んだ後に、上記O−ベンジル鎖の位置(3位 対 4位)が、効力を完全に害さないことが示される(図4bおよび5bを比較する)。さらに、両方のデータプロットは、3位にO−ベンジルを有する分子がFTY720を超える治療上の利点を呈示することを示す。これらアナログはFTY720対照に類似のがん細胞殺傷能力を有するが、FTY720のS1Pレセプター関連の用量を制限する毒性の引き金とはならないので、それらは、FTY720対照分子より治療上有利である。これの増大した効力とともに動物においてS1P1/3活性化を回避する能力は、この化合物の実施形態が見込みのある治療剤であることを示す(図10aおよび10bに関する以下の考察もまた参照のこと)。
さらに、上記化合物のある種の立体化学的配座は、特有の治療上の利益を有する。図4bおよび図5bで示されるように、化合物6は、この研究で使用される特定の白血病細胞株(Sup−B15)において、そのジアステレオマーのコンジナー(cogener)およびFTY720と比較して、増強した抗がん活性を付与する点で特有である。このことは、S1P1/3を活性化しないという治療上の利益に加えて、FTY720のアザサイクリック拘束アナログの実施形態は、FTY720と同等かそれより優れたがん細胞殺傷活性を有することを示す。特に、データプロットで示されるように、上記実施形態の全ては、より可撓性の親FTY720に類似の有効性で細胞死の引き金となる(図4bおよび図5bにおいて、FTY720は化合物1としてプロットされている)。
実施例3:リン酸化
第3の例示的試験において、上記分子上のリン酸化部位の喪失は、FTY720もしくはそのアザサイクリック拘束アナログががん細胞を死滅させる能力にとって重要でないことが示される。S1P1レセプターシグナル伝達に干渉する能力は、低ナノモル用量でのその免疫抑制活性にとって重大であるものの、FTY720によるS1P1およびS1P3の活性化は、それががん治療において使用されることを妨げる。上記拘束アナログはまた、細胞中でリン酸化を受ける可能性があるので、ヒドロキシメチル基が改変もしくは完全に除去された一連の化合物を研究した。例えば、化合物13および化合物14において、5および6それぞれに存在するヒドロキシメチル基を、メチル基で置換した(図6a)。この潜在的リン酸化部位の喪失は、5と比較して13の有効性に検出可能な効果を有さなかったが、6と比較して、14の活性を低下させた(図6bおよび図6c)。同様に、化合物15のように、上記ヒドロキシル基をO−メチルエーテルとして保護すると、6と比較して有効性が低下した。ヒドロキシメチル基を5から除去して、ピロリジン16を得ると、細胞生存性アッセイにおける活性に対してわずかな効果を有するに過ぎない。しかし、エナンチオマーのピロリジンアナログ17は、6と比較して活性において1/6の低下を示した。化合物13〜17は、リン酸化され得ないが、白血病細胞を死滅させる能力を保持しているので、その結果は、FTY720ががん細胞を死滅させる能力にリン酸化を必要としないモデルと一致する。
まとめると、化合物5上の潜在的なリン酸化部位の除去は、そのがん細胞殺傷効力に対して影響を有さない。化合物6に関しては、リン酸化の除去は、化合物5よりも効力に対してより大きな効果を有する(図6cと図5bおよび6bとを比較のこと)。この研究は、リン酸化が、FTY720の効力と比較した場合に、いくつかの実施形態において、がん細胞を死滅させる化合物の能力に関連性があり得ることを示す。
実施例4:脂肪族鎖の特徴
第4の例示的研究において、フェニル上の脂肪族鎖の性質および長さの、活性に対する効果を試験した。図7aおよび図7bで示されるように、上記脂肪族鎖の性質および長さは、アナログの実施形態の活性にとって重要である。特に、図7bで示されるように、より短い鎖を有する、およびより長い鎖を有する、または単純なヘプチル鎖を有する化合物5のアナログは、MOMエーテルのように、それほど活性ではない。このことは、上記アナログの実施形態において、上記脂肪族鎖の特許請求された長さを、6〜10個の間の炭素に制限することの重要性を示す。
実施例5:栄養素輸送体発現の効果
第5の例示的研究において、がん細胞における栄養素輸送体の喪失の引き金となることにおけるアザサイクリック拘束FTY720アナログ実施形態の効力を、試験した。図8で示されるように、本明細書で記載される低分子アナログは、10μMで使用される場合、立体化学配座にもリン酸化にも関係なく、がん細胞における栄養素輸送体の喪失を引き起こす。さらに、上記化合物は、立証されている免疫抑制剤FTY720と少なくとも同程度有効であることが示されている。これは、FTY720の記載されるアザサイクリック拘束アナログが、がん細胞における栄養素輸送を阻害するように設計された治療剤として有効であると同時に、S1Pレセプター結合を回避し、従って、S1P活性分子(例えば、FTY720およびその従来のアナログ)で見出される副作用の引き金となることなく、治療上有効な医薬を提供し得る化合物のファミリーを提供することを示す。
実施例6:細胞生存性アッセイ
化合物6の効力が、そのジアステレオアイソマー5、7および8と比較して増大したことが認められたので、同様に、この差次的活性が他のがん細胞株においても認められるか否かを決定する必要があった。細胞生存性アッセイを使用して、さらなるBCR−ABL陽性ALL細胞株であるBV173において、上記拘束アナログおよびFTY720の活性を比較した。以下の表1で示されるように、この細胞株において、化合物6は、再度、その立体異性体5、7および8より活性が高かった。興味深いことに、化合物6はまた、BCR−ABL融合タンパク質p190の導入によって形質転換されたマウス骨髄において、化合物5より10倍活性が高かった。Nalm−6、Blin−1、およびCCRF−CEMはまた、ALL細胞株であるが、腫瘍形成性BCR−ABL融合タンパク質を発現しない。これら3種のヒト白血病細胞株において、6は、上記シリーズ中の他の化合物と比較して、増大した有効性をもはや示さなかった。前立腺がん細胞株PC3およびDU145に対する化合物6およびそのジアステレオアイソマーであるコンジナーの効果もまた、決定した。化合物5および化合物6は、同様の程度まで細胞死を誘発し、上記拘束アナログの有効性は、FTY720と比較して僅かに低下していた。
Figure 0006617702
これら知見から、6の、そのジアステレオアイソマーより増強した有効性が、血液学と関連する特性であるが前立腺がんでは関連せず、BCR−ABL融合タンパク質の発現に関連し得ると結論づけることは可能である。BCR−ABL依存性シグナル伝達は、慢性骨髄性白血病およびALLの部分セットの生存および増殖を駆動する。従って、BCR−ABL陽性白血病に対して活性を有するアナログ化合物の実施形態は、特定の臨床上の有用性を有し得る。
実施例7: 化合物6の特徴
その有望な活性に基づいて、化合物6およびその関連ホスフェートの試験に着手した(この化合物およびそのホスフェートの分子式は、図9aおよび図9bで示される)。その結果のまとめを、多くの相関したデータグラフ(図10a〜10o)とともに以下に提供する(図10a〜10oでは、化合物6は、番号「177」で標識されており、そのホスフェートは、番号「1062」で標識され、そのエナンチオマーは「39」と標識されていることに留意されたい)。
以前に考察されるように、FTY720自体は、がん患者では使用できない。なぜならSphKによるFTY720のリン酸化がFTY720−Pを作りだし、これは、S1Pレセプターに作用して、徐脈および免疫抑制を引き起こす(主な使用に関するオンターゲット効果)からである。図10aで示されるように、遠隔測定法を使用して、マウス心拍数を、抗がん用量のFTY720を投与した後24時間測定した。心拍数の劇的な低下が認められる。さらに、図10bで示されるように、FTY720はまた、投与の12時間後に、循環しているリンパ球の数を測定した場合、リンパ球隔離を引き起こす。しかし、本発明の実施形態に従う化合物6は、免疫抑制も引き起こさず(図10b)、同じ用量で心拍数も低下させない(化合物6およびそのホスフェートの10mg/kgの単一用量および30mg/kgでの複数用量の両方を、この研究で投与し、類似の結果であったことに留意されたい)。
化合物6は、白血病細胞株で非常によく機能したので、SupB15モデルにおけるインビボでその有効性の試験に着手した。化合物6の10mg/kgでの処置(i.p.)の21日後に、骨髄における白血病負荷量の劇的な減少が、図10cで示されるように認められた。化合物6を30mg/kg SIDで経口投与した場合に、同様の結果を認めた。
化合物6と、FTY720もしくは化合物6のエナンチオマーとの間の別の差異は、化合物6が、他の細胞タイプと比較して、BCR−Abl+白血病に対して特異的かつ非常に高い活性を有することである。この傾向は、化合物6(177とも呼ぶ)およびそのエナンチオマー化合物5(39とも呼ぶ)のIC50の比を計算することによって、図10dで示される。上記薬物が同様に有効であれば、ほぼ1の比が予測され、化合物6がより良好に機能する(より低いIC50を有する)場合、SupB15の場合のように1より高い比が予測される。グラフで示されるように、2種のPh+ ALL株において、およびBCR−ABL p190融合物を形質導入したBMにおいて、化合物6がそのエナンチオマーより良好に機能した(1より高い比)一方で、3種のPh− ALL株は全て、1に近い比を有することが見出された。次に、非感受性株(CCRF)に、p190を形質導入したところ、化合物6に感受性になることが見出された。最後に、Ph+ ALLの1次患者サンプルが1より高い比を有することが認められる。このデータは、化合物6の機能の獲得におけるAblもしくは下流の標的の役割を裏付ける。特に、Ablキナーゼを欠いているかもしくは核に転移できないAblの形態のみを発現する細胞は、化合物6による処置に耐性である。このことは、Ablの核機能が、化合物6のエナンチオマーと比較して化合物6の増大した有効性において役割を果たし得ること、およびBCR−Abl発現が、化合物6のエナンチオマーを超えて、化合物6に対する増強した感度を与えるために十分であることを示唆する。
この研究から導かれ得る別の結論は、化合物6が、アポトーシス促進性タンパク質BaxおよびBakを欠いている細胞において、そのエナンチオマーを超えて増強した活性を保持することである。このことは、化合物6のエナンチオマーと比較して化合物6の増強した活性が、これらタンパク質の活性化に関わらないことを示唆する。化合物6およびそのエナンチオマーは、上記レセプターを発現するCHO細胞に添加された場合、スフィンゴシン−1−ホスフェートレセプターを活性化しない。純粋なホスフェートがこれらCHO細胞に添加される場合、複数のS1Pレセプターは、上記ホスフェートが1〜10μMで存在するときに活性化される。S1Pレセプターの活性化にエナンチオマー選択性は存在しない。
図10e〜10gにおいて、BCR−Abl+ SupB15白血病細胞株に対する化合物6の効力を研究した。以下でより詳細に記載されるように、チロシンキナーゼインヒビターであるダサチニブ(標準治療)および化合物6の効果は、相加的である。図10eで示されるように、致死的ではない濃度(1μM=0.5×IC50)の化合物6を、最大活性用量のダサチニブ(200nM;100nMおよび200nMのダサチニブが同じように死滅させ、100nMのダサチニブが1時間でAblシグナル伝達を止めるという事実に基づく)と合わせる場合、化合物6は、細胞死を増強する。そのIC50(2μM)において、化合物6は、それだけで効率的に殺傷し、殺傷は、ダサチニブの存在下で増強される。図10fは、図10d上で72時間の時点からのデータの棒グラフを提供する。1μMの化合物6(=0.5×IC50)は死滅させない一方で、2μM(1×IC50)は、72時間で細胞生存性を有意に減少させる。最大有効用量のダサチニブ(200nM)と合わせる場合、1μMの化合物6は、細胞死を増大させる。ダサチニブを2μMまで加えると、化合物6は、化合物6単独によって引き起こされるものを超えて、細胞死を増大させる。
最後に、図10gでは、患者由来のBCR−Abl+急性リンパ芽球性白血病細胞を用いて行った研究の用量応答曲線が提供される。生存性を、96時間でフローサイトメトリー(生細胞染色排除)によって測定した。化合物6は、FTY720およびそのエナンチオマーである化合物39より強力である。結論として、ダサチニブ(BCR−Abl陽性白血病の成功裡の、しかし疾患は治癒しない治療剤)が、本発明の実施形態に従って、化合物6との組み合わせにおいてより良好に機能する。さらに、化合物6は、化合物6およびダサチニブ両方の薬物が、それらの最大活性用量で使用される場合に、ダサチニブより良好に死滅させる。
次いで、化合物6の活性におけるリン酸化の重要性を試験した。この研究において、化合物6に対してそのエナンチオマーと比較して、白血病細胞と同じ差次的な感度を示すMEFノックアウト系統を使用した(図10h)。図10iで示されるように、この差異は、SphK1ヌルMEFにおいて維持される。しかし、化合物6は、SphK2ヌルMEFの機能的活性の獲得をもはや示さない(図10j)。このことは、化合物6がSphK2の基質であり、そのリン酸化がその機能にとって重要であり、その抗がん活性に寄与することを示唆する。さらに、図10kで示されるように、化合物6およびそのエナンチオマー(図10kでは39と標識する)の両方が、細胞ではスフィンゴシンキナーゼ2によってリン酸化されるものの、化合物6のリン酸化は、より効率的である。次いで、化合物6のホスフェートおよびリン酸化可能でないアナログを試験した。図10lで示されるように、両方が白血病細胞を死滅させるが、リン酸化可能でないアナログ(177−非リン酸化と標識する)は、化合物6より有効ではない。このことは、上記リン酸化された形態およびリン酸化されていない形態の両方が、抗がん効果に寄与することを示唆する。
次いで、動物に投与した場合に、化合物6に何が起こるかを調べる研究を行った。マウスを、10mg/kg用量の化合物6(i.p.)で処置し、次いで、上記マウスを種々の時点で屠殺し、次いで、血漿、骨髄および脾臓組織を取り出して、曲線を作った。図10mで示されるように、血漿中ではリン酸化形態が優勢である(血漿中でのリン酸化された化合物6:リン酸化されていない化合物6の比率は、>10:1である)が、化合物6およびそのリン酸化形態は、骨髄(これは、白血病モデルにおいて疾患が形成される場所である)中ではおよそ等モル量で存在し、SupB15のIC50を上回って存在するようである。実際に、脾臓および骨髄中のリン酸化された化合物6:リン酸化されていない化合物6の比は、i.p.投与後には1:1に近い。総タンパク質に対する正規化は、化合物6が、血中で存在するより高いレベルまで組織中で蓄積することを示唆する。
図10nおよび図10oは、BCR−Abl+ SFO2細胞の処置の有効性の研究からのデータ結果(10n)を、化学療法に抵抗性の後期白血病であるBCR−Abl−LAX7R細胞においても同様に(10o)提供する。図10nで示されるように、MEK1インヒビターであるトラメチニブの細胞増殖抑制性濃度と化合物6の細胞増殖抑制性濃度とを合わせると、照射した間質細胞層を死滅させることなく、患者由来の白血病細胞を死滅させる。いくつかのBCR−Abl陰性患者白血病サンプル(図10o)は、この薬物組み合わせに感受性であるが、それらは、単一の薬剤としての化合物6には感受性ではない。図10oで示されるBCR−Abl陰性白血病の結果に類似して、トラメチニブおよび化合物6の組み合わせは、単一薬剤としての化合物6もしくはトラメチニブで処置した場合には死滅しないヒト結腸がん細胞を死滅させ得る。これら研究は、上昇したERK活性が、化合物6への抵抗性を付与し、MEK、および従ってERKの阻害、トラメチニブでのシグナル伝達が、BCR−Abl陽性がん細胞およびBCR−Abl陰性がん細胞を化合物6に対して感作することを示唆する。
(まとめ)
FTY720は、スフィンゴシン−1−ホスフェートレセプターに対するその効果に起因して免疫抑制剤として機能する。免疫抑制のために必要とされるものを十分に上回る用量では、FTY720は、抗新生物作用をも有する。FTY720の抗がん活性が、部分的に、その栄養素輸送体ダウンレギュレーションを誘発する能力に依存することがここで決定された。栄養素輸送体喪失の引き金となるが、FTY720のS1Pレセプター関連の用量を制限する毒性を欠いている化合物の実施形態は、有効かつ選択的抗腫瘍薬剤として使用され得ることが示される。特に、一連のエナンチオマーとして純粋で、立体化学的に多様な、ピロリジンのO−置換されたベンジルエーテルが生成され、ヒト白血病細胞を死滅させる能力を有することが示された。そのヒドロキシメチルの立体化学は、上記化合物活性を調製する有効な手段であることが見出された。さらに、この基のリン酸化は、抗白血病活性に必要とされないことが示された。
(均等論)
上記の説明は、多くの本発明の具体的実施形態を含む一方で、これらは、本発明の範囲に対する限定としてではなく、むしろその一実施形態の例として解釈されるべきである。よって、本発明の範囲は、例示される実施形態によってではなく、添付の特許請求の範囲およびそれらの均等物によって決定されるべきである。

Claims (31)

  1. Figure 0006617702

    を含む化合物であって、ここで:
    は、CHOHであり;
    は、脂肪族鎖(C−C10)であり;
    は、水素、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、アジド(N)、NO、もしくはシアニド(CN)から選択される1〜4個の基であり;
    は、水素であり;
    Lは、O−CHであり;
    nは、1であり;そして
    ここで該ベンジルオキシ基が、該リンカーLの該Oを介して3位または4位のいずれかにおいて該ピロリジン環に結合されている、
    化合物。
  2. 前記ベンジルオキシ基が、3位でピロリジン環に結合されている、請求項1に記載の化合物。
  3. 前記化合物が、細胞栄養素輸送をダウンレギュレートし、PP2A活性を刺激する、請求項1に記載の化合物。
  4. 前記化合物の立体化学が、2位でSかつ4位でR、2位でRかつ4位でS、2位でRかつ4位でR、および2位でSかつ4位でSからなる群より選択される、請求項1に記載の化合物。
  5. 前記ピロリジン環に結合されるベンジルオキシ基が、Rに対してシスもしくはトランスいずれかの相対的配向のうちの一方にある、請求項1に記載の化合物。
  6. 前記化合物が、薬学的に受容可能な塩の形態にある、請求項1に記載の化合物。
  7. 前記化合物が、リン酸化されている、請求項1に記載の化合物。
  8. 前記化合物が、FTY720と比較した場合、S1PレセプターおよびS1P3レセプターいずれかのうちの少なくとも一方への結合に対して低下した活性を示す、請求項1に記載の化合物。
  9. はC17である、請求項1に記載の化合物。
  10. 障害の処置のための医薬であって、該医薬は、
    Figure 0006617702

    を含む1種またはそれより多くのアザサイクリック拘束FTY720アナログ低分子化合物の治療上有効な量を含む薬学的製剤を含み、ここで:
    は、CHOHであり;
    は、脂肪族鎖(C−C10)であり;
    は、水素、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、アジド(N)、NO、もしくはシアニド(CN)から選択される1〜4個の基であり;
    は、水素であり;
    Lは、O−CHであり;
    nは、1であり;そして
    ここで該ベンジルオキシ基が、該リンカーLの該Oを介して3位または4位のいずれかにおいて該ピロリジン環に結合されている、医薬。
  11. 前記ベンジルオキシ基が、3位でピロリジン環に結合されている、請求項10に記載の医薬。
  12. 前記化合物の立体化学が、2位でSかつ4位でR、2位でRかつ4位でS、2位でRかつ4位でR、および2位でSかつ4位でSからなる群より選択される、請求項10に記載の医薬。
  13. 前記ピロリジン環に結合されるベンジルオキシ基が、Rに対してシスもしくはトランスいずれかの相対的配向のうちの一方にある、請求項10に記載の医薬。
  14. 前記化合物が、薬学的に受容可能な塩の形態にある、請求項10に記載の医薬。
  15. 前記化合物が、リン酸化されている、請求項10に記載の医薬。
  16. はC17である、請求項10に記載の医薬。
  17. 前記医薬が、がん、白血病、糖尿病および肥満症からなる群より選択される障害の処置に指向される、請求項10に記載の医薬。
  18. 前記医薬が、経口投与、非経口投与および経皮投与からなる群より選択される投与形態のために製剤化されている、請求項10に記載の医薬。
  19. 前記化合物が、細胞栄養素輸送をダウンレギュレートし、PP2A活性を刺激する、請求項10に記載の医薬。
  20. 前記化合物が、FTY720と比較した場合に、S1PレセプターおよびS1P3レセプターのうちの少なくとも一方への結合に対して低下した活性を示す、請求項10に記載の医薬。
  21. 患者において疾患を処置するための組成物であって、該組成物は、
    細胞栄養素輸送を少なくともダウンレギュレートすることにおいて有効な1種またはそれより多くのアザサイクリック拘束FTY720アナログ低分子化合物の治療的量を含み、ここで該低分子化合物は、
    Figure 0006617702

    を含み、ここで:
    は、CHOHであり;
    は、脂肪族鎖(C−C10)であり;
    は、水素、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、アジド(N)、NO、もしくはシアニド(CN)から選択される1〜4個の基であり;
    は、水素であり;
    Lは、O−CHであり;
    nは、1であり;そして
    ここで該ベンジルオキシ基が、該リンカーLの該Oを介して3位または4位のいずれかにおいて該ピロリジン環に結合されており、
    ここで、該患者は、少なくとも一部は細胞栄養素ダウンレギュレーションによる処置に感受性のある障害を有すると診断されている、
    組成物。
  22. 前記ベンジルオキシ基が、3位でピロリジン環に結合されている、請求項21に記載の組成物。
  23. 前記化合物の立体化学が、2位でSかつ4位でR、2位でRかつ4位でS、2位でRかつ4位でR、および2位でSかつ4位でSからなる群より選択される、請求項21に記載の組成物。
  24. 前記ピロリジン環に結合されるベンジルオキシ基が、Rに対してシスもしくはトランスいずれかの相対的配向のうちの一方にある、請求項21に記載の組成物。
  25. 前記化合物が、薬学的に受容可能な塩の形態にある、請求項21に記載の組成物。
  26. 前記化合物が、リン酸化されている、請求項21に記載の組成物。
  27. はC17である、請求項21に記載の組成物。
  28. 前記組成物が、がん、白血病、糖尿病および肥満症からなる群より選択される障害の処置に指向される、請求項21に記載の組成物。
  29. 前記組成物が、経口投与、非経口投与および経皮投与からなる群より選択される投与形態で投与されることを特徴とする、請求項21に記載の組成物。
  30. 前記化合物が、PP2A活性を刺激する、請求項21に記載の組成物。
  31. 前記化合物が、FTY720と比較した場合に、S1PレセプターおよびS1P3レセプターのうちの少なくとも一方への結合に対して低下した活性を示す、請求項21に記載の組成物。
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