以下、本発明の実施の形態について、図を参照して詳細に説明する。なお、以下に示す実施の形態においては、同一のまたは共通する部分について図中同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。
(実施の形態1)
(画像形成装置)
図1は、実施の形態1に係るトナー補給装置を備えた画像形成装置を示す概略図である。図1を参照して、実施の形態1に係る画像形成装置100について説明する。
図1に示すように、画像形成装置100は、主として、原稿画像を読み取るイメージリーダ部101と、画像を印刷するプリンタ部102とを備える。
イメージリーダ部101は、操作パネル103を含む。操作パネル103は、入力部の機能として、テンキーを含む各種入力キー群、およびタッチセンサなどを有するとともに、表示部の機能として、タッチセンサと一体化した液晶表示部、およびLED(Light Emitting Diode)などからなる各種インジケータを有する。
プリンタ部102は、画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kと、中間転写ベルト30と、一次転写ローラー31と、二次転写ローラー33と、カセット37と、従動ローラー38と、駆動ローラー39と、タイミングローラー40と、定着装置50と、制御部60と、トナー補給装置80と、クリーニング装置90とを含む。
画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは、中間転写ベルト30に沿って順に並べられている。画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは、トナー補給装置80からトナーの供給を受けて、トナー像を形成する。
画像形成ユニット1Yは、後述のトナーボトル81Yからトナーの供給を受けてイエロー(Y)のトナー像を形成する。画像形成ユニット1Mは、後述のトナーボトル81Mからトナーの供給を受けてマゼンタ(M)のトナー像を形成する。画像形成ユニット1Cは、後述のトナーボトル81Cからトナーの供給を受けてシアン(C)のトナー像を形成する。画像形成ユニット1Kは、後述のトナーボトル81Kからトナーの供給を受けてブラック(BK)のトナー像を形成する。
画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは、それぞれ、中間転写ベルト30に沿って中間転写ベルト30の回転方向の順に配置されている。画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは、それぞれ、感光体10と、帯電装置11と、露光装置12と、現像装置13と、クリーニング装置17とを備える。
帯電装置11は、感光体10の表面を一様に帯電する。露光装置12は、制御部60からの制御信号に応じて感光体10にレーザー光を照射し、入力された画像パターンに従って感光体10の表面を露光する。これにより、入力画像に応じた静電潜像が感光体10上に形成される。
現像装置13は、現像ローラー14を回転させながら、現像ローラー14に現像バイアスを印加し、現像ローラー14の表面にトナーを付着させる。これにより、トナーが現像ローラー14から感光体10に転写され、静電潜像に応じたトナー像が感光体10の表面に現像される。
感光体10と中間転写ベルト30とは、一次転写ローラー31を設けている部分で互いに接触している。一次転写ローラー31は、ローラー形状を有し、回転可能に構成される。トナー像と反対極性の転写電圧が一次転写ローラー31に印加されることによって、トナー像が感光体10から中間転写ベルト30に転写される。
イエロー(Y)のトナー像、マゼンタ(M)のトナー像、シアン(C)のトナー像、およびブラック(BK)のトナー像が順に重ねられて感光体10から中間転写ベルト30に転写される。これにより、カラーのトナー像が中間転写ベルト30上に形成される。
中間転写ベルト30は、従動ローラー38および駆動ローラー39に張架されている。駆動ローラー39は、たとえばモーター(図示しない)によって回転駆動される。中間転写ベルト30および従動ローラー38は、駆動ローラー39に連動して回転する。これにより、中間転写ベルト30上のトナー像が二次転写ローラー33に搬送される。
クリーニング装置17は、感光体10に圧接されている。クリーニング装置17は、トナー像の転写後に感光体10の表面に残留するトナーを回収する。
カセット37には、用紙Sがセットされる。用紙Sは、カセット37から1枚ずつタイミングローラー40によって搬送経路41に沿って二次転写ローラー33に送られる。
二次転写ローラー33は、ローラー形状を有し、回転可能に構成される。二次転写ローラー33は、トナー像と反対極性の転写電圧を搬送中の用紙Sに印加する。これにより、トナー像は、中間転写ベルト30から二次転写ローラー33に引き付けられ、中間転写ベルト30上のトナー像が転写される。
一方、中間転写ベルト30上の残留トナーは、クリーニング装置90によって除去される。クリーニング装置90は、転写ベルトクリーナー91および廃トナーボックス92を有する。上記残留トナーは、転写ベルトクリーナー91で回収され、廃トナーボックス92に蓄えられる。
二次転写ローラー33への用紙Sの搬送タイミングは、中間転写ベルト30上のトナー像の位置に合わせてタイミングローラー40によって調整される。タイミングローラー40により、中間転写ベルト30上のトナー像は、用紙Sの適切な位置に転写される。
定着装置50は、自身を通過する用紙Sを加圧および加熱する。これにより、トナー像は用紙Sに定着する。その後、用紙Sは、トレー48に排紙される。
(トナー補給装置)
図2は、実施の形態1に係るトナー補給装置およびその周囲の構成を示す斜視図である。図3は、実施の形態1に係るトナーボトルおよびキャップ部を示す斜視図である。図1から図3を参照して、実施の形態1に係るトナー補給装置80について説明する。
トナー補給装置80は、複数のトナーボトル81Y,81M,81C,81K、複数のサブホッパー82Y,82M,82C,82K、および駆動部83を含む。なお、トナーボトル81Y,81M,81C,81Kを区別しない場合には、トナーボトル81と表記し、サブホッパー82Y,82M,82C,82Kを区別しない場合には、サブホッパー82と表記する。
トナーボトル81Y,81M,81C,81Kは、サブホッパー82Y,82M,82C,82Kに着脱可能に取付けられている。サブホッパー82Y、82M、82C,82Kは、トナーボトル81Y,81M,81C,81Kから供給されるトナーを一時的に貯留する。サブホッパー82Y、82M、82C,82K内のトナー残量が少なくなると、トナーボトル81Y,81M,81C,81Kからトナーが供給される。
サブホッパー82Y,82M,82C,82Kは、供給経路84Y,84M,84C,84K(図1参照)を介して、画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kの現像装置13にトナーを供給する。
複数のトナーボトル81Y,81M,81C,81Kの各々は、中心軸Cを有する。複数のトナーボトル81Y,81M,81C,81Kは、互いに並行して配置されている。複数のトナーボトル81Y,81M,81C,81Kは、各中心軸Cが水平方向に並ぶように配置されている。
トナーボトル81Y,81M,81C,81Kには、イエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C),ブラック(K)の色に対応するトナーが収容されている。トナーボトル81Y,81M,81C,81K内のトナーが無くなると、新しいトナーボトル81Y,81M,81C,81Kに交換される。
複数のトナーボトル81Y,81M,81C,81Kの各々は、筒状の容器部811およびキャップ部813を有する。
容器部811は、トナーを収容する部分である。容器部811は、中心軸C方向に沿って延在する。容器部811は、たとえば略四角筒形状を有する。この場合には、容器部811は、中心軸C方向から見た場合に、略正方形形状を有する。
容器部811は、中心軸Cと同軸の回転軸を有し、当該回転軸周りに回転可能に構成されている。すなわち、容器部811は、中心軸C周りに回転可能に構成されている。容器部811は、キャップ部813に対して相対的に回転可能に設けられている。
容器部811の一端側には、容器部811の筒孔を閉塞する壁部812が設けられている。容器部811の他端側には、トナーを容器部811の外部(具体的にはキャップ部813)に排出する排出口(不図示)が設けられている。
また、容器部811には、容器部811の内部に向けて突出する螺旋状のリブ811aが設けられている。螺旋状のリブ811aは、容器部811の外周面の一部が、内部側に向けて窪むことにより形成される。螺旋状のリブ811aは、容器部811内のトナーを上記排出口に向けて搬送する搬送部として機能する。
互いに隣り合うトナーボトルにおいて、一方のトナーボトルにおけるリブ811aの螺旋方向と、他方のトナーボトルにおけるリブ811aの螺旋方向とが、逆である。
具体的には、トナーボトル81Yにおけるリブ811aの螺旋方向と、トナーボトル81Mにおけるリブ811aの螺旋方向とは、逆である。同様に、トナーボトル81Mとトナーボトル81Cとの組み合わせ、トナーボトル81Cとトナーボトル81Kとの組み合わせにおいても、一方のトナーボトルにおけるリブ811aの螺旋方向と、他方のトナーボトルにおけるリブ811aの螺旋方向とが、逆である。
互いに隣り合うトナーボトルにおいてリブ811aの螺旋方向を逆にすることにより、各トナーボトル内のトナーを確実に搬送することができる。
キャップ部813は、容器部811の他端側に取付けられている。キャップ部813は、上記排出口を取り囲むように容器部811の端部に取付けられている。キャップ部813は、容器部811(具体的には上記供給口)から排出されたトナーを収容するとともに、収容されたトナーの一部を排出可能に設けられている。
キャップ部813には、トナーをサブホッパー82に向けて供給する供給口813aが設けられている。供給口813aは、キャップ部813の外周面に設けられている。また、キャップ部813には、供給口813aを開閉可能に設けられたシャッター部815が設けられている。
中心軸C方向から見た場合のキャップ部813の外形形状は、中心軸C方向から見た場合の容器部811の外形形状と同一形状、または、中心軸C方向から見た場合の容器部811の外形形状の内側に収まる形状である。
これにより、画像形成装置100にトナーボトル81Y,81M,81C,81Kを装着する際に、隣り合うトナーボトルが干渉しあって回転不能となることが防止できる。
中心軸C方向から見た場合のキャップ部813の外形形状は、円形状を有していてもよい。この場合には、サブホッパー82への取付けを容易に行なうことができる。
駆動部83は、トナーボトルの一端側に設けられている。すなわち、駆動部83は、容器部811の壁部812に対向するように設けられている。駆動部83は、単一の駆動源を有する。駆動部83の動作は、制御部60によって制御される。
駆動部83は、複数の容器部811を同時に中心軸C周りに回転させる。複数の容器部811は、連動機構85によって連動するように構成されている。連動機構85は、たとえば複数のギヤによって構成されている。駆動部83が、複数の容器部811のいずれか1つまたは連動機構85を駆動させることにより、複数の容器部811が連動機構85によって連動する。
この際、複数の容器部811は、互いに隣り合う容器部811の回転方向が異なるように回転する。具体的には、トナーボトル81Yにおける容器部811の回転方向と、トナーボトル81Mにおける容器部811の回転方向とは、逆となる。同様に、トナーボトル81Mとトナーボトル81Cとの組み合わせ、トナーボトル81Cとトナーボトル81Kとの組み合わせにおいても、一方のトナーボトルにおける容器部811の回転方向と、他方のトナーボトルにおける容器部811の回転方向とが、逆となる。
駆動部83によって容器部811を回転させると、容器部811内に収容されたトナーが、上記の螺旋状のリブ811aによって排出口に導かれる。排出口から排出されたトナーは、キャップ部813の内部に収容される。キャップ部813に収容されたトナーの一部は、供給口813aからサブホッパー82に供給される。
なお、制御部60は、回転前の状態に戻るように複数の容器部811を停止させる。この場合においては、交換したいトナーボトル81が、画像形成装置1から取り出しにくい角度で停止している場合がある。
このため、複数のトナーボトル81のうちのいずれか交換したい場合には、制御部60は、互いに隣り合う容器部811の回転位相が異なった状態であり、かつ、複数の容器部811のうち選択した容器部811の側面が水平となった状態で、複数の容器部811を停止させる。
制御部60は、たとえば回転角度を検知するエンコーダー等の回転角度検知から入力された情報に基づいて、上述のように複数の容器部811が停止するように、駆動部83の動作を制御する。
選択した(交換したい)トナーボトル81の容器部811の側面が水平となることにより、使用者が、トナーボトル81を把持しやすくなり、交換作業を容易に行なうことができる。
複数のトナーボトル81を画像形成装置に設置した設置状態において、上述のように隣り合う容器部811の回転位相が異なっていることが好ましい。トナーボトル81に各容器部811の回転位相を決定する後述の位置決め部816を設けることにより、設置時に、各容器部811の回転位相を容易に設定することができる。
図4は、実施の形態1に係るトナーボトルの位置決め部を示す図である。図4を参照して、実施の形態1に係るトナーボトルの位置決め部816について説明する。
図4に示すように、複数のトナーボトル81の各々は、位置決め部816を含む。位置決め部816は、中心軸C方向における容器部811の一端側に設けられている。具体的には、位置決め部816は、容器部811の壁部812に設けられている。位置決め部816は、たとえば壁部812の一部が凹むことにより構成されている。位置決め部816が画像形成装置側に設けられた嵌合部(不図示)に嵌合することにより、トナーボトル81の設置状態、すなわち容器部811の回転位相が決定する。
位置決め部816は、たとえば中心軸Cに交差する長手形状を有する。複数のトナーボトル81が有する各々の位置決め部816は、ほぼ同一の形状を有する。隣り合うトナーボトル81において、位置決め部816の延在方向が異なっている。
互いに隣り合う容器部811が同一の回転位相位置に配置された状態において、一方の容器部811に設けられた位置決め部816の延在方向と複数のトナーボトル81が並ぶ方向との成す角度と、他方の容器部811トナーボトルに設けられた位置決め部816の延在方向と複数のトナーボトルが並ぶ方向との成す角度とが、回転位相に応じて異なるように、位置決め部816が設けられている。
具体的には、トナーボトル81Yの容器部811とトナーボトル81Mの容器部811との回転位相が45度異なっている場合において、トナーボトル81Yの容器部811とトナーボトル81Mの容器部811とが同じ回転位相位置(たとえば0°の位置)に配置された場合に、トナーボトル81Y側の位置決め部816の延在方向と複数のトナーボトル81が並ぶ方向との成す角度と、トナーボトル81M側の位置決め部816の延在方向と複数のトナーボトル81が並ぶ方向との成す角度とが、45°ずれている。
このように位置決め部816を設けることにより、複数のトナーボトル81の組み付け時に、各容器部811の回転位相を容易に決定することができる。
図5は、実施の形態1に係るトナー補給装置における複数のトナーボトルの設置状態を示す概略図である。なお、図5においては、便宜上のため螺旋状のリブについて省略している。図5を参照して、実施の形態1に係るトナー補給装置における複数のトナーボトルの設置状態について説明する。
図5に示すように、複数の容器部811は、互いに隣り合う容器部811の回転位相が異なるように配置されている。互いに隣り合う容器部811の回転位相は、たとえば中心軸C周りに45°ずれている。なお、互いに隣り合う容器部811の回転位相は、45°に限定されず、複数の容器部811が回転可能となる限り適宜設定することができる。
加えて、互いに隣り合う容器部811の回転方向は、逆となっている。たとえば、トナーボトル81Yの容器部811は、時計回りに回転し、トナーボトル81Mの容器部811は、反時計回りに回転する。
互いに隣り合うトナーボトル81の中心軸C間の距離L3は、一方のトナーボトル81における中心軸C方向から見た場合の容器部811の外形形状において中心軸Cに最も遠い頂点から中心軸Cまでの距離L2と、他方のトナーボトルにおける中心軸C方向から見た場合の容器部811の外形形状において中心軸Cに最も遠い頂点から中心軸Cまでの距離L2と、の和よりも小さくなっている。
この場合において、上述のように、隣り合う容器部811の回転位相をずらすとともに、互いに隣り合う容器部811の回転方向を逆方向とすることにより、隣り合う容器部811が回転する際に、衝突することを抑制することができる。
実施の形態1に係るトナー補給装置80にあっては、互いに隣り合う中心軸C間の距離を狭めつつ、複数の容器部811が回転不能となる状態を回避できる。中心軸C間の距離を狭めることにより、後述するように、複数の容器部811の回転領域の全体の幅を狭めることができる。この結果、トナー補給装置80を小型化することができる。
また、互いに隣り合うトナーボトル81の中心軸C間の距離は、一方のトナーボトル81における中心軸C方向から見た場合の容器部811の外形形状において中心軸Cに最も近い辺から中心軸Cまでの距離L1と、他方のトナーボトル81における中心軸C方向から見た場合の容器部811の外形形状において中心軸Cに最も近い辺から中心軸Cまでの距離L2と、の和以上となっている。
これにより、複数の容器部811が回転不能となる状態をより確実に回避できる。なお、互いに隣り合う中心軸C間の距離L3が、上記L1と上記L2の和と等しくすることにより、最も効果的に中心軸C間の距離L3を小さくすることができる。これにより、後述する複数の容器部811の回転領域の全体の幅を最も効果的に小さくすることができる。この結果、トナー補給装置80をより効果的に小型化することができる。
(比較例)
図6は、比較例におけるトナー補給装置における複数のトナーボトルの設置状態を示す概略図である。図6を参照して、比較例におけるトナー補給装置におけるトナーボトルの設置状態について説明する。
図6に示すように、比較例におけるトナー補給装置80Xにおいては、複数の容器部811は、回転位相が同じになるように配置されている。
互いに隣り合う容器部811の回転方向は、同一方向となっている。たとえば、たとえば、トナーボトル81Yの容器部811およびトナーボトル81Mの容器部811は、時計回りに回転する。
互いに隣り合うトナーボトル81の中心軸C間の距離L3Xは、一方のトナーボトル81における中心軸C方向から見た場合の容器部811の外形形状において中心軸Cに最も遠い頂点から中心軸Cまでの距離L2と、他方のトナーボトルにおける中心軸C方向から見た場合の容器部811の外形形状において中心軸Cに最も遠い頂点から中心軸Cまでの距離L2と、の和以上となっている。
このように、互い隣り合う容器部811の回転方向および回転位相を同一とする場合には、上記のように中心軸C間の距離は、距離L2と距離L2の和以上とすることとなり、大きくなる。
(実施の形態1と比較例との比較)
図7は、複数の容器部の回転領域の全体の幅を示す図である。図7(a)は、実施の形態1に係る複数の容器部の回転領域の全体の幅を示す図である。図7(b)は、比較例における複数の容器部の回転領域の全体の幅を示す図である。図7(a)および図7(b)においては、回転前の状態を点線で示し、45°回転した状態を実線で示している。
図7(a)に示すように、実施の形態1に係る複数の容器部811の回転領域の全体の幅W1は、中心軸C間の距離L3の3倍の値と、複数のトナーボトル81のうち一方側のトナーボトル81Yにおける中心軸C方向から見た場合の容器部811の外形形状において中心軸Cに最も遠い頂点から中心軸Cまでの距離L2と、複数のトナーボトル81のうち他方側のトナーボトル81Kにおける中心軸C方向から見た場合の容器部811の外形形状において中心軸Cに最も遠い頂点から中心軸Cまでの距離L2と、の和になる。
図7(b)に示すように、比較例に係る複数の容器部811の回転領域の全体の幅WXは、中心軸C間の距離L3Xの3倍の値と、複数のトナーボトル81のうち一方側のトナーボトル81Yにおける中心軸C方向から見た場合の容器部811の外形形状において中心軸Cに最も遠い頂点から中心軸Cまでの距離L2と、複数のトナーボトル81のうち他方側のトナーボトル81Kにおける中心軸C方向から見た場合の容器部811の外形形状において中心軸Cに最も遠い頂点から中心軸Cまでの距離L2と、の和になる。
ここで、上述のように、実施の形態1に係る中心軸C間の距離L3は、比較例に係る中心軸C間の距離L3Xよりも小さくなっている。このため、実施の形態1に係る複数の容器部811の回転領域の全体の幅W1は、比較例における複数の容器部811の回転領域の全体の幅WXよりも小さくなる。
以上のように、実施の形態1に係るトナー補給装置80にあっては、互いに隣り合う中心軸C間の距離を狭めつつ、隣り合う容器部811の回転位相をずらすとともに、互いに隣り合う容器部811の回転方向を逆方向とすることにより、複数の容器部811の回転領域の全体の幅W1を小さくすることができる。この結果、実施の形態1に係るトナー補給装置80にあっては、小型化が可能となる。
さらに、実施の形態1に係るトナー補給装置80にあっては、中心軸方向から見た場合の容器部811の外形形状は、正方形となっている。
一般的に、中心軸方向から見た場合の容器部の外形形状は、円形である。複数のトナーボトルを梱包容器に梱包して出荷する場合には、梱包容器は、通常、断面視矩形形状であるところ、容器部の外形形状が円形のものを用いると、トナーボトル間に隙間が生じ、梱包容器に対するトナーボトルの充填率が低下する。
ここで、実施の形態1のように、中心軸方向から見た場合の容器部の外形形状を正方形とすることにより、外形形状の面積を同一とした場合に、容器部の外形形状の最大幅を小さくすることができる。また、外形形状が矩形形状であることにより、複数のトナーボトルを梱包して出荷する場合には、断面視矩形形状の梱包容器に密にトナーボトルを梱包することができる。これにより、梱包容器に占めるトナーボトルの体積が大きくなり、梱包容器に対するトナーの充填率が高められ、輸送コストを大きく削減することができる。
(実施の形態2)
図8は、実施の形態2に係るトナー補給装置における複数のトナーボトルの設置状態を示す概略図である。図8を参照して、実施の形態2に係るトナー補給装置80Aについて説明する。
図8に示すように、実施の形態2に係るトナー補給装置80Aは、実施の形態1に係るトナー補給装置80と比較した場合に、中心軸C方向から見た場合の容器部811の外径形状が相違する。その他の構成については、ほぼ同様である。
実施の形態2においては、中心軸C方向から見た場合の容器部811の外形形状は、角部がR形状を有する多角形状となっている。すなわち上記外形形状の角部は、外側に凸となる略円弧状の湾曲部を有する。
このような構成とすることにより、中心軸C方向から見た場合の容器部811の外形形状において、中心軸Cから最も遠い湾曲部から中心軸Cまでの距離L21が、実施の形態1に係る中心軸C方向から見た場合の容器部811の外形形状における中心軸Cから最も離れた頂点から中心軸Cまでの距離L2よりも小さくなる。
これにより、実施の形態2においては、実施の形態1と比較して、中心軸C間の距離L3A、ひいては、複数の容器部811の回転領域の全体の幅を小さくすることができる。この結果、実施の形態1と比較して、トナー補給装置80Aをより小型化することができる。
(変形例)
図9は、変形例におけるトナーボトルにおいて、中心軸方向から見た場合の容器部の外形形状を示す図である。図9(a)から図9(f)は、第1変形例から第6変形例におけるトナーボトルにおいて、中心軸方向から見た場合の容器部の外形形状を示す図である。
図9(a)から図9(f)に示すように、第1変形例から第6変形例におけるトナーボトルは、実施の形態1に係るトナーボトル81と比較して、容器部の外形形状が相違する。その他の構成についてはほぼ同じである。
なお、図9(a)から図9(f)は、中心軸C方向から見た場合の容器部の外形形状が、周方向において中心軸Cから容器部の外縁までの距離が異なる部分を含む非円形状となる場合を例示するものであり、これら以外の上記非円形状であってもよい。
図9(a)に示すように、第1変形例におけるトナーボトルにおいて、中心軸Cから見た場合の容器部811Aの外形形状は、六角形形状を有する。
図9(b)に示すように、第2変形例におけるトナーボトルにおいて、中心軸Cから見た場合の容器部811Bの外形形状は、八角形形状を有する。
第1変形例および第2変形例のように、実施の形態1に比べて多角形の角数を増加させることにより、上記の外形形状を同一面積とし、正多角形とした場合に、上記距離L1と上記距離L2との和を小さくすることができる。
これにより、トナーボトルを複数並べた場合に、中心軸C間の距離、ひいては、複数の容器部の回転領域の幅をさらに小さくすることができる。この結果、トナー補給装置をさらに小型化することができる。
図9(c)に示すように、第3変形例におけるトナーボトルにおいて、中心軸Cから見た場合の容器部811Cの外形形状は、各辺が中心軸に向けて凹むように湾曲する矩形形状を有する。
なお、上記外形形状を矩形形状以外の多角形形状とした場合においても、各片を湾曲させてもよい。多角形形状を構成する全ての辺を湾曲させてもよいし、一部の辺を湾曲させてもよい。
第3変形例においても、実施の形態1と同様にトナー補給装置の小型化が可能となる。さらに、上記外形形状のうち多角形形状を構成する片の少なくとも一部を中心軸C側に湾曲させることにより、容器部811Cの回転時にトナーが流動しやくなり、トナーを容易に搬送させることができる。
図9(d)に示すように、第4変形例におけるトナーボトルにおいて、中心軸Cから見た場合の容器部811Dの外形形状は、半円形状を有する。第4変形例においても、実施の形態1と同様にトナー補給装置の小型化が可能となる。
図9(e)に示すように、第5変形例におけるトナーボトルにおいて、中心軸Cから見た場合の容器部811Dの外形形状は、矩形形状の一辺側に半円形状が設けられた形状を有する。第5変形例においても、実施の形態1と同様にトナー補給装置の小型化が可能となる。
図9(f)に示すように、第6変形例におけるトナーボトルにおいて、中心軸Cから見た場合の容器部811Fの外形形状は、星形形状を有する。この場合には、中心軸Cから距離が短い部分と長い部分とがかみ合うように回転位相をつけることで、実施の形態1同様にトナー補給装置の小型化が可能となる。
(検証実験)
図10は、実施の形態の効果を検証するために行なった検証実験の結果を示す図である。図10を参照して、実施の形態の効果を検証するために行なった検証実験について説明する。
検証実験においては、比較例1におけるトナー補給装置、および実施例1から3に係るトナー補給装置を準備し、これらの容器部の回転領域の全体の幅を測定した。なお、比較例1におけるトナー補給装置、および実施例1から3に係るトナー補給装置としては、カラーMFP(Multifunction Peripheral)であり、4本のトナーボトルを水平方向に配置したものを使用した。
比較例1としては、比較例におけるトナー補給装置100Xを準備した。比較例1においては、複数の容器部の回転位相は同一であり、互いに隣り合う容器部の回転方向も同一方向である。また、中心軸C方向から見た場合の容器部811の外径形状を、1辺の長さが65mmの正方形とした。比較例1においては、複数の容器部811の回転領域の幅は、略367mmとなった。
実施例1としては、実施の形態1におけるトナー補給装置100を準備した。実施例1においては、互いに隣り合う容器部の回転位相は、異なっており、互いに隣り合う容器部の回転方向も異なっている。また、中心軸C方向から見た場合の容器部811の外径形状を、1辺の長さが65mmの正方形とした。
実施例1においては、複数の容器部811の回転領域の幅は、略328mmである。実施例1においては、比較例1と比較して、略10%程度複数の容器部811の回転領域の幅を小さくすることができた。
実施例2としては、実施の形態2におけるトナー補給装置100を準備した。実施例2においては、互いに隣り合う容器部の回転位相は、異なっており、互いに隣り合う容器部の回転方向も異なっている。また、中心軸C方向から見た場合の容器部811の外径形状を、角部がR形状を有する多角形状とした。具体的には、1辺の長さが65mmの正方形の角部に、半径R3mmのR形状を形成した。
実施例2においては、複数の容器部811の回転領域の幅は、実施例1における複数の容器部811の回転領域の幅よりも小さくなった。
実施例3としては、実施の形態2におけるトナー補給装置100を準備した。実施例3においては、互いに隣り合う容器部の回転位相は、異なっており、互いに隣り合う容器部の回転方向も異なっている。また、中心軸C方向から見た場合の容器部811の外径形状を、角部がR形状を有する多角形状とした。具体的には、1辺の長さが65mmの正方形の角部に、半径R5mmのR形状を形成した。
実施例3においては、複数の容器部811の回転領域の幅は、実施例2における複数の容器部811の回転領域の幅よりも小さくなった。
以上のように、比較例1と実施例1とを比較して、互いに隣り合う容器部の回転位相を異なるように複数のトナーボトルを配置し、互いに隣り合う容器部の回転方向を逆にすることにより、複数の容器部が回転不能となることを回避しつつ、中心軸C間の距離を狭めることができたと言える。この結果、複数の容器部811の回転領域の全体の幅を狭めることができ、トナー補給装置を小型化できることが確認された。
また、実施例1と実施例2,3とを比較して、中心軸C方向から見た場合の容器部811の外径形状を、角部がR形状を有する多角形状とすることにより、複数の容器部811の回転領域の幅をさらに狭めることができ、トナー補給装置80Aをより小型化できることが確認された。加えて、角部のR形状の半径を大きくすることにより、トナー補給装置80Aをより小型化できることが確認された。
上述した実施の形態1,2においては、複数の容器部811が、連動機構によって連動し、かつ、単一の駆動源によって同時に駆動される場合を例示して説明したが、これに限定されず、複数の容器部811は、複数の駆動源によって独立して駆動されてもよい。この場合には、互いに隣り合う容器部の回転位相が異なった状態で停止する。
複数の容器部811を複数の駆動源によって独立して駆動する場合であっても、互いに隣り合う容器部の回転位相が異なった状態でこれらを駆動することにより、互いに隣り合う容器部が衝突して複数の容器部811が回転不能となることを回避することができる。また、停止時においても隣り合う容器部の回転位相が異なった状態が維持されることにより、トナーボトルを交換する際に、トナーボトルを取り出す際にもスムーズに取り出すことが可能となる。
以上、本発明の実施の形態および実施例について説明したが、今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。