以下、図面を参照して、実施形態にかかる情報提供プログラム、情報提供方法、情報提供システムおよび情報提供装置を説明する。実施形態において同一の機能を有する構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。なお、以下の実施形態で説明する情報提供プログラム、情報提供方法、情報提供システムおよび情報提供装置は、一例を示すに過ぎず、実施形態を限定するものではない。また、以下の各実施形態は、矛盾しない範囲内で適宜組みあわせてもよい。
図1は、実施形態にかかる情報提供システム1の機能構成例を示すブロック図である。図1に示すように、情報提供システム1は、例えばホテルのフロント係などの情報提供者が宿泊客であるクライアントに対して種々な情報を提供するためのシステムであり、クライアント端末2と、サーバ装置3と、管理端末4、5とを有する。クライアント端末2と、サーバ装置3と、管理端末4、5とは、例えば有線または無線のLAN(Local Area Network)などの通信ネットワーク(図示しない)を介して互いに通信可能に接続される。なお、本実施形態では、ホテルにおいてフロント係が宿泊客に対して種々の情報を提供するために用いられる情報提供システム1を例示する。
クライアント端末2は、宿泊客などのクライアントが用いる端末装置(第1の端末)であり、例えば、PC(パーソナルコンピュータ)やタブレット端末などの情報処理装置(コンピュータ)である。クライアント端末2は、例えば、宿泊客の客室などに予め設置されている。なお、クライアント端末2については、客室に固定して使用するものに限定するものではなく、館内において持ち運んで使用するものであってもよい。本実施形態では、館内において持ち運んでの使用が可能なタブレット型のクライアント端末2を、例えばフロントでの手渡しにより宿泊客に提供するものとする。
サーバ装置3は、クライアント端末2、管理端末4、5をクライアント(宿泊客のクライアントと区別するため(C)を付ける)として収容する情報提供システム1の情報処理装置であり、いわゆるサーバである。一実施形態として、サーバ装置3には、PCやWS(ワークステーション)などの装置を採用できる。例えば、サーバ装置3は、クライアント端末2、管理端末4、5のクライアント(C)からのHTTP(HyperText Transfer Protocol)による要求に対して各種情報を提供する。また、サーバ装置3は、双方向通信用の技術規格であるWebSocketを用いてクライアント(C)との間で双方向通信を行い、例えばクライアント端末2の設定や状態の取得またはクライアント端末2へのメッセージの通知を行う。
管理端末4、5は、フロント係などの情報提供者や情報提供システム1を管理するSE(システムエンジニア)などの管理者が用いる端末装置(第2の端末)であり、例えばPCなどの情報処理装置である。本実施形態では、管理端末4をフロント係が用いる端末装置とし、管理端末5を管理者が用いる端末装置とする。管理端末4、5は、例えばWebブラウザをベースとしたアプリケーションプログラムであるポータル管理アプリ40またはWebコンソール50によりサーバ装置3における所定のURL(Uniform Resource Locator)へアクセスすることで、サーバ装置3が管理する情報の参照や、各種設定を行う。
クライアント端末2は、制御部20および記憶部21を有する。制御部20は、クライアント端末2全体を制御するデバイスである。制御部20としては、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)等の電子回路や、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路を採用できる。制御部20は、各種の処理手順を規定したプログラムや制御データを格納するための内部メモリを有し、これらによってサービスエージェント201、ポータルアプリ202、個別アプリ203a、203b等のプログラムによる種々の処理を実行する。
サービスエージェント201は、例えば、バックグラウンドで稼動している常駐プログラムであり、サーバ装置3から送信される制御コマンドに対応するURLを、制御コマンドに対応するアプリケーションプログラムに指示する。例えば、記憶部21に格納した情報をサーバ装置3へ送信するページのURLをポータルアプリ202に提供する。そして、ポータルアプリ202はHTTPプロトコルにより、記憶部21に格納した情報を、ポータル管理部303を経由して管理DB311へ送信する。別の例として、サーバ装置3から送信される制御コマンドが、情報を送信するコマンドであった場合には、サービスエージェント201は、目的の情報をサーバ装置3からダウンロードするページのURLを対応するアプリケーションに提供する。そして、アプリケーションプログラムはHTTPプロトコルにより、ポータル管理部303を経由して管理DB311から情報を取得し、取得した情報を記憶部21に格納する。このようにして、サービスエージェント201は、クライアント端末2とサーバ装置3との間で双方向のデータ通信を行う。一例として、サービスエージェント201は、双方向通信用の技術規格であるWebSocketを用いてサーバ装置3をトリガとする双方向通信を行う。
例えば、サービスエージェント201は、サーバ装置3からの通知を受信すると、通知内容をポータルアプリ202、個別アプリ203a、203bなどに通知する。また、サービスエージェント201は、ポータルアプリ202、個別アプリ203a、203bなどからの送信指示に応じて、指示された内容をサーバ装置3へ通知する。
ポータルアプリ202は、例えばWebブラウザをベースとしたアプリケーションプログラムであり、宿泊客に対して各種サービスを提供するポータル画面をディスプレイ(図示しない)に表示する。このポータル画面は、例えばHTML(HyperText Markup Language)のWebページで構成されており、記憶部21に記憶された各種情報や、サービスエージェント201を介してサーバ装置3より通知されたメッセージなどの情報が表示される。
また、ポータル画面には、個別アプリ203a、203bの起動を、ローカルのURL(Uniform Resource Locator)で指定したアイコンボタンが表示される。また、ポータル画面には、サーバ装置3において管理される情報(例えばメッセージの本文)の参照を、サーバ装置3のURL(例えば具体的な参照先は引数などのパラメータで指定してもよい)で指定したアイコンボタンが表示される。
個別アプリ203a、203bで起動するアプリケーションプログラムの設定は、ローカルのURL(Uniform Resource Locator)から、アプリケーションプログラムに対応づけられたアイコンボタンを指定することにより設定され、指定されたアイコンボタンがポータル画面に表示される。また、サーバ装置3において管理される情報(例えばメッセージの本文)の通知は、サーバ装置3のURL(例えば具体的な参照先は引数などのパラメータで指定してもよい)により指定されたアイコンボタンが表示されることでユーザに通知できる。
ポータルアプリ202は、ポータル画面において宿泊客によるタッチパネル(図示しない)の操作などを受け付けて、操作に対応した処理結果をディスプレイに表示させる。例えば、個別アプリ203a、203bの起動を指示するアイコンボタンの操作を受け付けた場合、個別アプリ203a、203bを起動させることで、個別アプリ203a、203bの画面をディスプレイに表示させる。また、サーバ装置3において管理される情報の参照を指示するアイコンボタンの操作を受け付けた場合、サーバ装置3のURLにHTTPでアクセスして取得した情報(例えばメッセージの本文)をディスプレイに表示させる。
個別アプリ203a、203bは、時計機能、アラーム機能、テレビリモコン機能、通知されたメッセージの閲覧機能、インターネットの閲覧機能、言語などの各種設定機能など、機能ごとに用意されたアプリケーションプログラムである。個別アプリ203a、203bは、例えばポータルアプリ202のポータル画面上での指示や、サービスエージェント201を介したサーバ装置3からの通知に応じて起動され、各種機能を提供する。
例えば時計機能は、ホテルが所在する宿泊地の時刻だけでなく、宿泊客の自宅の時刻を合わせて表示する世界時計として機能するアプリケーションプログラムであっても良い。
例えばアラーム機能は、起床時間を設定可能な目覚まし時計として機能するアプリケーションプログラムであってもよい。
例えばテレビリモコン機能は、客室に設置されたテレビの赤外線による制御信号が登録されており、登録された制御信号に対応する機能ボタンを表示し、機能ボタンの操作を受け付けると、対応づけられた制御信号を赤外線により発信するアプリケーションプログラムであってもよい。機能ボタンがチャンネルを表す機能ボタンである場合、電子番組表と共に表示したり、これから放送される番組情報と共に表示してもよい。
例えば通知されたメッセージの閲覧機能は、ホテルのフロント係が入力したメッセージが存在する場合に、ポータル画面にメッセージの閲覧機能を機能させる機能ボタンが表示され、機能ボタンの操作を受け付けると、メッセージを表示するアプリケーションプログラムであってもよい。
例えばインターネットの閲覧機能は、ホテルが情報提供したいURL毎に用意したそれぞれの機能ボタンがポータル画面に表示され、機能ボタンの操作を受け付けると、対応するURLに容易された情報を表示するアプリケーションプログラムであってもよい。
例えば各種設定機能は、言語の切り替えを連想させる機能ボタンがポータル画面に表示され、機能ボタンの操作を受け付けると、クライアント端末2のOSが対応する複数の言語を表示し、OSの言語モードを選択された言語に切り替える設定アプリケーションプログラムであってもよい。
記憶部21は、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)、光ディスクなどの記憶装置である。なお、記憶部21は、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ、NVSRAM(Non Volatile Static Random Access Memory)などのデータを書き換え可能な半導体メモリであってもよい。記憶部21は、制御部20で実行されるOS(Operating System)や、サービスエージェント201、ポータルアプリ202、個別アプリ203a、203b等の各種プログラムを記憶する。さらに、記憶部21は、各種プログラムなどが用いる設定情報211、ログ212、メッセージデータ213などの各種情報を記憶する。
設定情報211には、クライアント端末2における各種設定、例えば予め設定された識別情報(例えばタブレットID)、名称(例えばタブレット名称)、アドレス、言語(例えば日本語、英語、中国語、韓国語など)の設定が示されている。
ログ212には、制御部20が検出したユーザ(クライアント)の操作およびクライアント端末2の状態(ステータス)が時刻とともに記述されている。具体的には、ログ212には、ユーザの操作により起動・終了したクライアント端末2および各アプリ(ポータルアプリ202、個別アプリ203a、203b)の起動時刻および終了時刻が記述されている。また、ログ212には、定期的に制御部20が検出したクライアント端末2の稼動の有無、起動中の個別アプリ203a、203bの状態(正常または異常)、クライアント端末2の電池残量などの各種ステータスが検出時刻とともに記述されている。
メッセージデータ213には、サーバ装置3より通知されたメッセージの情報(メッセージの種別、タイトル、本文など)が、メッセージごとにユニークに割り当てられたメッセージIDとともに示されている。メッセージの種別については、例えばタイトル、本文などを含む通常のメッセージ、短文(例えば1行程度)のテロップまたは即時に通知される緊急告知などがある。メッセージデータ213には、いずれの種別のメッセージであるかを示すコードなどが示されている。
ここで、クライアント端末2における動作の詳細を説明する。図2は、クライアント端末2の動作例を示すフローチャートである。なお、ポータルアプリ202は、クライアント端末の電源投入時などにおいて予め起動されているものとする。図2に示すように、処理が開始されると、サービスエージェント201は、サーバ装置3からのWebSocketを用いた通知の有無を判定する(S10)。サーバ装置3からの通知がない場合(S10:NO)、制御部20は、S14へ処理を進める。
サーバ装置3からの通知がある場合(S10:YES)、サービスエージェント201は、サーバ装置3からの通知に対応する処理を行う個別アプリ(例えば個別アプリ203a)に渡す。通知を渡された個別アプリ203aは、通知の内容を確認し、メッセージID、メッセージの種別、メッセージのタイトル、メッセージ内容、画像などを含むメッセージの通知であるか否かを判定する(S11)。
メッセージの通知である場合(S11:YES)、個別アプリ203aは、通知されたメッセージをメッセージデータ213へ登録し(S12)、S14へ処理を進める。具体的には、個別アプリ203aは、通知されたメッセージID、メッセージの種別、メッセージのタイトル、メッセージ内容、画像などの情報をメッセージデータ213へ登録する。
なお、通常のメッセージの通知には、クライアント端末2宛のメッセージがあることを示す通知、例えばメッセージの内容や画像などを含めずに、メッセージIDやメッセージのタイトルを通知する場合がある。このクライアント端末2宛のメッセージがあることを示す通知の場合には、通知されたメッセージIDやメッセージのタイトルがメッセージデータ213へ登録される。
メッセージの通知でない場合(S11:NO)、個別アプリ203aは、サーバ装置3より通知されたコマンドを実行し(S13)、S14へ処理を進める。
例えば、クライアント端末2の設定を初期化する「初期化」のコマンドがサーバ装置3より通知された場合、個別アプリ203aは、設定情報211の設定内容を予め設定された初期値に戻して初期化する。また、管理DB311において管理しているクライアント端末2の状態や設定を更新する「更新要求」や「更新」のコマンドがサーバ装置3より通知された場合、個別アプリ203aは、設定情報211およびログ212に格納された直近のクライアント端末2のステータス(稼動の有無、起動中のアプリケーション状態、電池残量など)を読み出す。次いで、個別アプリ203aは、読み出した情報をクライアント端末2の識別情報(例えばタブレットID)とともにサービスエージェント201を介してサーバ装置3へ送信する。
上述したS10〜S13の処理は、ポータルアプリ202とは別に、例えばバックグランドで処理が行われる。S14において、制御部20は、ポータルアプリ202の起動の有無を判定する。なお、ポータルアプリ202は電源投入時などに予め起動されていることから、ここでの起動の有無の判定では、例えばバックグラウンドにあるポータルアプリ202をフォアグランドとするか否かを判定するものとする。バックグラウンドにあるポータルアプリ202をフォラグランドとする場合には、ポータルアプリの起動と判定する。ポータルアプリ202を起動しない場合(S14:NO)、制御部20は処理をリターンする。
ポータルアプリ202を起動する場合(S14:YES)、ポータルアプリ202は、予め設定されているポータル画面用のWebペーシを読み出してポータル画面をディスプレイに表示する(S15)。次いで、ポータルアプリ202は、メッセージデータ213を参照して、サーバ装置3より通知されているメッセージの有無を判定する(S16)。
メッセージがある場合(S16:YES)、ポータルアプリ202は、サーバ装置3より通知されているメッセージをメッセージデータ213より読み出してポータル画面に表示し(S17)、S18へ処理を進める。メッセージが無い場合(S16:NO)、ポータルアプリ202は、S17の処理をスキップしてS18へ処理を進める。
図3は、ポータル画面220を説明する説明図である。図3に示すように、ポータル画面220は、メッセージ表示アイコン221、時計222、実行指示アイコン223、設定指示アイコン224およびテロップ表示領域225を有する。
メッセージ表示アイコン221は、サーバ装置3より通常のメッセージが通知されている場合に表示されるアイコンである。ポータルアプリ202は、メッセージデータ213のメッセージの中に種別が通常のメッセージを示すものがある場合に、メッセージ表示アイコン221を表示する。メッセージ表示アイコン221は、メッセージのタイトル、内容などをメッセージデータ213より読み出して表示するメッセージ閲覧機能を有する個別アプリのランチャとなっている。
ポータルアプリ202では、メッセージ表示アイコン221の操作を受け付けることでメッセージ閲覧機能を有する個別アプリを起動して、サーバ装置3より通知されたメッセージのタイトル、内容などを画面に表示する。なお、クライアント端末2宛のメッセージがあることを示す通知が行われている場合、メッセージデータ213にはメッセージの内容や画像などが表示されていない。したがって、クライアント端末2宛のメッセージがあることを示す通知の場合には、クライアントの操作により、メッセージIDをパラメータとしてサーバ装置3の所定のURLへアクセスし、メッセージの内容や画像のデータをサーバ装置3より取得して表示する。
なお、メッセージの内容や画像のデータの取得のタイミングは、クライアントの操作によるものには限らない。例えば、通信処理部304から送信される制御パケットをサービスエージェント201が受信し、サービスエージェント201が、メッセージの内容や画像のデータを取得するポータルアプリケーションプログラムを制御するようにしてもよい。制御が指示されたポータルアプリケーションプログラムは、サービスエージェント201から通知された所定のURLへアクセスし、ポータル管理部303を経由して管理DB311からメッセージの内容や画像のデータを取得し、記憶部21に格納する。ポータルアプリケーションプログラムは参照可能なメッセージを記憶部21に格納すると、メッセージがあることを示す表示を行う。そして、その表示に気づいたクライアントの操作によりメッセージを表示する個別アプリケーションプログラムが起動されて、記憶部21に格納されたメッセージの内容や画像のデータを表示するようにしてもよい。
実行指示アイコン223は、アラーム機能、世界各地の現在時刻を表示する時計機能、テレビリモコン機能、インターネットの閲覧機能、各種案内コンテンツを表示する機能など、機能ごとに用意された個別アプリの実行を指示するアイコンである。例えば、客室設備避難経路などのコンテンツを表示する実行指示アイコン223が操作された場合には、対応する個別アプリ(例えば個別アプリ203b)が実行される。個別アプリ203bは、サーバ装置3の所定のURLへアクセスし、サーバ装置3が管理するコンテンツを読み出して表示する。
設定指示アイコン224は、クライアント端末2の使用言語などの各種設定を指示するアイコンである。設定指示アイコン224は、言語などの各種設定機能を提供する個別アプリのランチャとなっている。ポータルアプリ202では、設定指示アイコン224の操作を受け付けることで各種設定を行う個別アプリを起動してクライアント端末2の使用言語などの各種設定を行う。また、各種設定を行う個別アプリにより設定された内容は、設定情報211に記述される。クライアント端末2のユーザ(例えばクライアント)は、設定指示アイコン224を操作することで、自らが用いる言語をクライアント端末2に設定できる。
テロップ表示領域225は、サーバ装置3から通知されたテロップや緊急告知を表示する領域である。ポータルアプリ202は、メッセージデータ213のメッセージの中に種別がテロップまたは緊急告知を示すものがある場合に、テロップまたは緊急告知の内容をメッセージデータ213より読み出して表示する。
図2に戻り、S18において、設定指示アイコン224の操作による設定変更の有無を判定する。設定指示アイコン224の操作が行われず、設定変更がない場合(S18:NO)、制御部20は処理をリターンする。
設定指示アイコン224の操作が行われ、使用言語などの設定変更がある場合(S18:YES)、設定情報211が変更後の内容に更新される(S19)。次いで、サービスエージェント201は、更新後の設定情報211をクライアント端末2の識別情報(例えばタブレットID)とともにサーバ装置3へ通知し(S20)、処理をリターンする。
図1に戻り、サーバ装置3は、制御部30および記憶部31を有する。制御部30は、クライアント端末2の制御部20と同様、サーバ装置3全体を制御するデバイスである。制御部30は、各種の処理手順を規定したプログラムや制御データを格納するための内部メモリを有し、これらによってコンテンツ管理部301、客室管理部302、ポータル管理部303、通信処理部304の機能を実現する。
コンテンツ管理部301は、客室設備避難経路などのコンテンツを管理し、所定のURLへのアクセスに応じてクライアント端末2へ管理しているコンテンツを提供する。具体的には、コンテンツ管理部301は、管理端末5のWebコンソール50からのアクセスに応じて、コンテンツの新規登録、変更などのコンテンツ管理にかかるコンソール画面を出力する。次いで、コンテンツ管理部301は、Webコンソール50より受け付けたコンソール画面の指示をもとに、コンテンツの新規登録、変更を受け付ける。次いで、コンテンツ管理部301は、コンソール画面より受け付けたコンテンツの新規登録、変更の内容を、管理DB311においてコンテンツごとの情報を管理するテーブルに反映する。また、コンテンツ管理部301は、コンテンツの表示を行う個別アプリ(例えば個別アプリ203b)によるクライアント端末2からのアクセスに応じて、コンテンツごとの情報を管理するテーブルの内容を読み出し、クライアント端末2へ送信する。
客室管理部302は、管理DB311における各客室にかかる情報を管理する。例えば、客室管理部302は、各客室のクライアント端末2より識別情報(例えばタブレットID)とともに通知された設定情報211またはステータスをもとに、管理DB311において識別情報ごとに管理されるクライアント端末2の設定またはステータスを更新する。また、客室管理部302は、ポータル管理部303を介して管理端末4より1または複数のクライアント端末2を宛先とするメッセージの登録を受け付けた場合、メッセージを識別する識別情報(例えばメッセージID)を発行し、受け付けたメッセージの情報を管理DB311に記録する。具体的には、客室管理部302は、メッセージ管理テーブル311aおよびメッセージ送信管理テーブル311bにおいて、発行したメッセージIDのレコードに、受け付けたメッセージの情報を記録する。
メッセージの情報としては、例えばメッセージの種別、メッセージの宛先、メッセージの開始および終了日時などがある。また、メッセージの種別がテロップや緊急告知の場合には、テロップ(日本語)、テロップ(英語)などがメッセージの情報に含まれる。また、メッセージの種別が通常のメッセージの場合には、メッセージのタイトル、メッセージの内容、添付するメッセージ画像およびメッセージ画像の名称などがメッセージの情報に含まれる。
ポータル管理部303は、HTTPを用いた所定のURLへのアクセスにおいて、パラメータなどでリクエストされた情報を提供するAPI(Application Programming Interface)である。例えば、ポータル管理部303は、管理端末4からのポータル管理アプリ40のアクセスに応じて管理DB311においてクライアント端末2ごとに管理している各種情報を表示するポータル管理画面の表示データ(例えばHTML形式のデータ)を生成し、管理端末4へ出力する。
また、ポータル管理部303は、ポータル管理画面上での操作に対応するパラメータを管理端末4のポータル管理アプリ40より受け付けて、受け付けたパラメータに対応する処理を実行する。一例として、ポータル管理部303は、1または複数のクライアント端末2を宛先とするメッセージの登録を受け付ける。登録を受け付けたメッセージは、客室管理部302を介して管理DB311に登録される。また、ポータル管理部303は、設定やステータスの更新、初期化などのクライアント端末2に対する所定のコマンドを受け付ける。受け付けたコマンドは、通信処理部304へ渡されて、クライアント端末2への通知が行われる。
通信処理部304は、クライアント端末2のサービスエージェント201と同様、例えば、バックグラウンドで稼動している常駐プログラムであり、クライアント端末2との間で双方向のデータ通信を行う。一例として、通信処理部304は、双方向通信用の技術規格であるWebSocketを用いてクライアント端末2との間での双方向通信を行う。
例えば、通信処理部304は、クライアント端末2より通知された情報(クライアント端末2の識別情報、設定情報211、ステータスなど)を受信して客室管理部302へ出力する。また、通信処理部304は、ポータル管理部303により管理DB311に登録されたメッセージを読み出して、メッセージの宛先に対応するクライアント端末2へ通知(送信)する。また、通信処理部304は、所定のコマンドのクライアント端末2へ通知をポータル管理部303を介して管理端末4より受け付けた場合に、受け付けたコマンドをクライアント端末2へ通知する。
記憶部31は、ハードディスク、SSD、光ディスクなどの記憶装置である。なお、記憶部31は、RAM、フラッシュメモリ、NVSRAMなどのデータを書き換え可能な半導体メモリであってもよい。記憶部31は、制御部30で実行されるOSや、コンテンツ管理部301、客室管理部302、ポータル管理部303、通信処理部304の機能を提供するプログラムを記憶する。さらに、記憶部31は、各クライアント端末2にかかる設定やステータス、各クライアント端末2宛のメッセージをクライアント端末2に提供するコンテンツなど、情報提供システム1における各種情報を管理する管理DB311を記憶する。
ここで、管理DB311において、各クライアント端末2にかかる設定やステータス、各クライアント端末2宛のメッセージを管理するデータ構成について説明する。図4は、管理DB311のデータ構成例を説明する説明図である。
図4に示すように、管理DB311は、メッセージ管理テーブル311a、メッセージ送信管理テーブル311b、客室管理テーブル311cおよびクライアント端末マスタテーブル311dを有する。メッセージ管理テーブル311aと、メッセージ送信管理テーブル311bとは、メッセージごとにユニークに割り当てられたメッセージIDにより互いに関連付けられている。また、メッセージ送信管理テーブル311bと、客室管理テーブル311cとは、客室ごとにユニークに割り当てられた客室IDにより互いに関連付けられている。客室管理テーブル311cと、クライアント端末マスタテーブル311dとは、クライアント端末2ごとにユニークに割り当てられたタブレットIDにより互いに関連付けられている。
メッセージ管理テーブル311aは、クライアント端末2へと送信するメッセージを管理するデータテーブルである。具体的には、メッセージ管理テーブル311aは、メッセージIDごとに、メッセージ種別、送信単位種別、宛先、送信種別、表示開始日時、表示終了日時、テロップ(日本語)、テロップ(英語)などの項目を有する。また、メッセージ管理テーブル311aは、メッセージIDごとに、メッセージ用テロップ、メッセージタイトル、メッセージ内容、メッセージ画像、メッセージ画像名称、レコード更新日時、レコード作成日時などの項目を有する。
メッセージ種別は、メッセージの種別を示す項目であり、例えばタイトル、本文などを含む通常のメッセージの場合は「0」として示す。また、短文(例えば1行程度)のメッセージであるテロップの場合は「1」として示す。また、緊急告知(例えば即時に通知)のメッセージの場合は「2」として示す。
送信単位種別は、メッセージの送信単位の種別を示す項目であり、例えば個別の宛先の場合は「0」として示す。また、グループの宛先の場合は「1」として示す。また、客室すべてのクライアント端末2など、宛先を全体とする場合は「2」として示す。宛先は、メッセージの宛先とするクライアント端末2を示す項目である。例えば、宛先とするクライアント端末2やグループの識別情報(例えばタブレットID、グループID)などを示す。送信種別は、メッセージの送信の種別(例えば即時、日時指定、曜日指定など)を示す項目である。例えば、即時の場合は「0」、日時指定の場合は「1」、曜日指定の場合は「2」として示す。
表示開始日時および表示終了日時は、メッセージの表示開始および表示終了を示す項目である。テロップ(日本語)およびテロップ(英語)は、日本語および英語のテロップの表示内容を示す項目である。このテロップ(日本語)およびテロップ(英語)の項目については、通常のメッセージの場合には空のデータが格納される。
メッセージ用テロップは、メッセージを短文(例えば1行程度)のテロップで表示する場合の表示内容を示す項目である。メッセージタイトルは、メッセージのタイトルを示す項目である。メッセージ内容は、メッセージの本文を示す項目である。このメッセージ用テロップ、メッセージタイトルおよびメッセージ内容については、テロップの場合には空のデータが格納される。
メッセージ画像は、メッセージに添付された画像の画像ファイルを示す項目である。メッセージ画像名称は、メッセージに添付された画像の名称を示す項目である。このメッセージ画像およびメッセージ画像名称については、メッセージに画像が添付されていない場合には空のデータが格納される。
レコード更新日時およびレコード作成日時は、メッセージのレコード(行)について更新や作成を行った日時を示す項目である。新規にメッセージを作成した際には、レコード作成日時の項目に作成した日時を示すデータが格納される。また、メッセージの各項目が変更された場合には、レコード更新日時の項目に変更した日時を示すデータが格納される。
メッセージ送信管理テーブル311bは、クライアント端末2へのメッセージの送信を管理するデータテーブルである。具体的には、メッセージ送信管理テーブル311bは、メッセージIDごとに、メッセージ送信先ID、宛先(客室ID)、送信結果種別、未読/既読種別、レコード更新日時、レコード作成日時などの項目を有する。
メッセージ送信先IDは、メッセージの送信先を示す識別情報(例えばタブレットID)を示す項目である。宛先(客室ID)は、メッセージの宛先であるクライアント端末2の客室(客室ID)を示す項目である。送信結果種別は、メッセージの送信成功または送信失敗を示す項目である。例えば、送信成功の場合は「1」、送信失敗の場合は「2」として示す。未読/既読種別は、メッセージの未読または既読を示す項目である。例えば、未読の場合は「0」、既読の場合は「1」として示す。レコード更新日時およびレコード作成日時は、メッセージ管理テーブル311aなどと同様、メッセージのレコード(行)について更新や作成を行った日時を示す項目である。
客室管理テーブル311cは、客室についての様々な情報を管理するデータテーブルである。具体的には、客室管理テーブル311cは、客室IDごとに、客室名称、フロアID、客室内線、グループID、タブレッドID、リモコンIDなどの項目を有する。また、客室管理テーブル311cは、客室IDごとに、タブレット電源ON/OFF状態、エラーコード、タイムスタンプ、使用言語、アプリ状態、初期化状態、タブレット充電残量、レコード更新日時、レコード作成日時などの項目を有する。
客室名称は、客室の名前を示す項目である。フロアIDは、客室のあるフロアを示す項目である。客室内線は、客室の内線番号を示す項目である。グループIDは、客室が所属するグループを示す項目である。タブレットIDは、客室に設置されたクライアント端末2を示す項目である。リモコンIDは、客室におけるテレビリモコンの識別番号を示す項目である。
タブレット電源ON/OFF状態は、客室に設置されたクライアント端末2の電源状態を示す項目である。例えば、ONの場合は「0」、OFFの場合は「1」として示す。エラーコードは、客室に設置されたクライアント端末2に生じているエラーの内容を示す項目である。例えば、エラーが生じている場合はエラーに対応したエラーコードを示す。タイムスタンプは、クライアント端末2における種々の状態(電源、エラー、充電残量など)や言語設定などを取得した日時を示す項目である。使用言語は、客室に設置されたクライアント端末2において設定されている言語を示す項目である。例えば、日本語の場合は「0」、英語の場合は「1」などのように、設定されている言語に対応するコードを示す。
アプリ状態は、客室に設置されたクライアント端末2において起動している個別アプリ203a、203bの状態を示す項目である。例えば、正常である場合は「0」、異常である場合は「1」として示す。初期化状態は、客室に設置されたクライアント端末2が初期化された状態のままであるか否かを示す。例えば、初期化された状態のままの場合は「0」、初期化後に言語設定などの変更が行われた場合は「1」として示す。タブレット充電残量は、客室に設置されたクライアント端末2の電池残量を示す項目である。レコード更新日時およびレコード作成日時は、メッセージ管理テーブル311aなどと同様、客室のレコード(行)について更新や作成を行った日時を示す項目である。
クライアント端末マスタテーブル311dは、クライアント端末2の基本情報を管理するデータテーブルである。具体的には、クライアント端末マスタテーブル311dは、タブレットIDごとに、タブレット名称、タブレット製品名称、アドレス、メモ、レコード更新日時、レコード作成日時などの項目を有する。
タブレット名称は、クライアント端末2の名称を示す項目である。タブレット製品名称は、クライアント端末2の製品名称を示す項目である。アドレスは、クライアント端末2に設定されたアドレス(例えばIPアドレスやMacアドレスなど)を示す項目である。メモは、クライアント端末2について設定されたメモ書きを示す項目である。レコード更新日時およびレコード作成日時は、メッセージ管理テーブル311aなどと同様、クライアント端末2のレコード(行)について更新や作成を行った日時を示す項目である。
次に、サーバ装置3における動作の詳細を説明する。図5は、サーバ装置3の動作例を示すフローチャートである。図5に示すように、処理が開始されると、通信処理部304は、クライアント端末2を識別する識別情報(例えばタブレットID)、設定情報211およびログ212に格納された直近のクライアント端末2のステータスなどのクライアント端末2からの通知の有無を判定する(S30)。
通知がある場合(S30:YES)、通信処理部304は、クライアント端末2より通知された情報を客室管理部302へ渡す。客室管理部302は、クライアント端末2より通知された、識別情報、設定情報211およびログ212に格納された直近のクライアント端末2のステータスをもとに、管理DB311の更新を行う(S31)。なお、通知がない場合(S30:NO)、制御部30は、S31の処理をスキップする。
具体的には、客室管理部302は、クライアント端末2より通知された識別情報(タブレットID)に対応する客室管理テーブル311cのレコードについて、通知された設定情報211に含まれる言語で使用言語の項目を更新する。また、客室管理部302は、通知されたタブレットIDに対応する客室管理テーブル311cのレコードについて、通知されたステータスでタブレット電源ON/OFF状態、エラーコード、アプリ状態、タブレット充電残量などの項目を更新する。
次いで、制御部30は、コンテンツの新規登録、変更などのコンテンツ管理にかかるコンソール画面への管理端末5のWebコンソール50によるアクセスの有無を判定する(S32)。コンソール画面に対応するURLへのアクセスがWebコンソール50からある場合(S32:YES)、コンテンツ管理部301は、コンソール画面をWebコンソール50に出力し、各種コンテンツの設定を受け付ける(S33)。なお、Webコンソール50によるアクセスがない場合(S30:NO)、制御部30は、S33の処理をスキップする。
次いで、制御部30は、ポータル管理画面に対応するURLへの管理端末4のポータル管理アプリ40によるアクセスの有無を判定する(S34)。ポータル管理アプリ40からのアクセスがある場合(S34:YES)、ポータル管理部303は、管理DB311が管理しているクライアント端末2ごとの各種情報を読み出す(S35)。次いで、ポータル管理部303は、読み出したクライアント端末2ごとの情報を一覧表示するポータル管理画面の表示データを生成し、管理端末4のポータル管理アプリ40へ出力する。これにより、管理端末4ではポータル管理画面がディスプレイに表示される(S36)。
図6は、ポータル管理画面320を説明する説明図である。図6に示すように、ポータル管理画面320は、端末一覧領域321、指示ボタン322a〜322f、端末登録ボタン323、グループ登録ボタン324およびメッセージ登録ボタン325を有する。
端末一覧領域321は、管理DB311が管理しているクライアント端末2ごとの各種情報を一覧表示する領域である。ポータル管理部303は、客室管理テーブル311cおよびクライアント端末マスタテーブル311dにおいてタブレットIDで関連付けられているクライアント端末2ごとの情報を読み出し、端末一覧領域321に一覧表示する表示情報を生成する。例えば、ポータル管理部303は、クライアント端末2ごとに設定されている使用言語を端末一覧領域321に表示する表示情報を生成する。生成された表示情報を、管理端末4が受信して表示することにより、ユーザ(例えばフロント係)は、各クライアント端末2において設定されている言語であり、例えばクライアント端末2を使用するクライアントが設定した言語を確認することができる。
また、ポータル管理部303は、クライアント端末2ごとに管理されている各種ステータス(稼動の有無、起動中のアプリケーション状態、電池残量など)を端末一覧領域321に表示する表示情報を生成する。生成された表示情報を、管理端末4が受信して表示することにより、ユーザ(例えばフロント係)は、各クライアント端末2の状態を容易に把握することができる。
例えば、電池残量が少ない場合に、ホテルのフロント係は、クライアント端末2が使えなくなる前に、客室IDを設定した他のクライアント端末2を用意し、クライアント端末2が使えなくなる前にクライアントへ提供することが可能となる。
また、起動中のアプリケーション状態を通知することにより、さらに気配りを利かしたサービスの提供が可能となる。例えば、起動中のアプリケーションが、ホテルの設備を制御するリモートコントロールアプリケーションプログラムである場合、クライアントがテレビを鑑賞している事が推測できるようになる。そのような場合に、その時間に放送されているドラマが終了する時間に合わせてサービスを提供することが可能となる。このように、ポータルアプリケーションプログラムから起動されたアプリケーションの種別を提供することにより、クライアントに応じた多様性の高いサービス提供を支援する事が可能となる。
指示ボタン322a〜322fは、各クライアント端末2へ所定のコマンドを通知するための指示ボタンである。指示ボタン322a〜322fの操作が行われた場合、コマンドを通知するクライアント端末2のタブレットIDと、コマンドに対応するコードとがパラメータとしてポータル管理アプリ40よりポータル管理部303へ送られる。ポータル管理部303は、タブレットIDに対応するクライアント端末2へ受け付けたコマンドを通信処理部304を介して通知する。これにより、クライアント端末2では、ポータル管理画面320により指示されたコマンドが実行される。
例えば、指示ボタン322aの操作により、タブレットIDが「101」のクライアント端末2に対し、初期化を行う「初期化」のコマンドが通知される。また、指示ボタン322bの操作により、タブレットIDが「101」のクライアント端末2に対し、状態を更新するための「更新要求」のコマンドが通知される。また、指示ボタン322cの操作により、タブレットIDが「101」のクライアント端末2に対して設定を更新するための「更新」のコマンドが通知される。また、指示ボタン322eの操作により、タブレットIDが「101」のクライアント端末2に対して設定を削除するための「削除」のコマンドが通知される。また、指示ボタン322fの操作により、タブレットIDが「101」のクライアント端末2に対してログ212を取得するための「ログ」のコマンドが通知される。
「ログ」のコマンドが通知されたサービスエージェント201は、ポータルアプリケーションプログラム202を制御して、ログ212を管理DB311へ送信させる。管理DB311へ送信されたログ212は、図示しないデータ解析処理により、クライアントの嗜好に応じたサービスを提供する支援情報を、ホテルのフロント係へ提示するといった、さらなる支援を可能とする。
ログ212に記録される情報としては、ポータルアプリケーションプログラム202から起動される個別アプリケーションプログラム203a、203bに限らず、さらなる詳細な情報を記録してもよい。例えば、個別アプリケーションプログラムが、客室の設備を制御するリモートコントロールアプリケーションプログラムである場合、テレビのチャンネルを記録することで、どのような番組に対する嗜好を有するのかといった情報を、フロント係へ提示することが可能となる。さらには、テレビの音量調整、照明の明るさ調整、エアコンの温度設定、加湿器の湿度設定、空気清浄機のモード設定といった情報をフロント係へ提示することにより、クライアントの嗜好に応じたサービスを提供する支援に繋げることが可能となる。また、これらの情報はフロント係へ提示するだけでなく、顧客情報に紐づけて保存しておき、一度宿泊したクライアントの次回の宿泊時に初期値として設定する値として用いてもかまわない。
端末登録ボタン323は、クライアント端末2の登録を指示するボタンである。端末登録ボタン323の操作が行われた場合、クライアント端末2の登録を要求するパラメータがポータル管理アプリ40よりポータル管理部303へ送られる。ポータル管理部303は、クライアント端末2の登録を要求するパラメータを受け付けた場合、クライアント端末2を登録する登録画面をポータル管理アプリ40へ出力し、クライアント端末2の登録を受け付ける。
グループ登録ボタン324は、グループの登録を指示するボタンである。グループ登録ボタン324の操作が行われた場合、グループの登録を要求するパラメータがポータル管理アプリ40よりポータル管理部303へ送られる。ポータル管理部303は、グループの登録を要求するパラメータを受け付けた場合、グループを登録する登録画面をポータル管理アプリ40へ出力し、グループの登録を受け付ける。
メッセージ登録ボタン325は、1または複数のクライアント端末2を宛先とするメッセージの登録を指示するボタンである。メッセージ登録ボタン325の操作が行われた場合、メッセージの登録を要求するパラメータがポータル管理アプリ40よりポータル管理部303へ送られる。ポータル管理部303は、メッセージの登録を要求するパラメータを受け付けた場合、メッセージを登録する登録画面をポータル管理アプリ40へ出力し、メッセージの登録を受け付ける。
図7は、メッセージ編集画面330を説明する説明図である。図7に示すように、メッセージ編集画面330は、種別選択領域331、送信先設定領域332、開始日時設定領域333、終了日時設定領域334、タイトル設定領域335、メッセージ内容設定領域336、添付ファイル設定領域337、テロップ内容(日本語)設定領域338およびテロップ内容(英語)設定領域339を有する。また、メッセージ編集画面330は、操作ボタン340および操作ボタン341を有する。
種別選択領域331は、テロップ、通常のメッセージ、緊急告知などのメッセージの種別の選択を受け付ける設定領域である。送信先設定領域332は、個別のクライアント端末2やグループやフロアなどを指定した複数のクライアント端末2など、メッセージの送信先の設定を受け付ける領域である。開始日時設定領域333および終了日時設定領域334は、メッセージの送信を介する開始日時や送信を終了する終了日時の設定を受け付ける領域である。タイトル設定領域335は、メッセージのタイトルの設定を受け付ける領域である。メッセージ内容設定領域336は、メッセージの内容の設定を受け付ける領域である。添付ファイル設定領域337は、メッセージに添付するファイルなどの設定を受け付ける領域である。テロップ内容(日本語)設定領域338は、テロップ内容(日本語)の設定を受け付ける領域である。テロップ内容(英語)設定領域339は、テロップ内容(英語)の設定を受け付ける領域である。
操作ボタン340は、メッセージ編集画面330における設定内容をキャンセルして前(ポータル管理画面320)へ戻るボタンである。操作ボタン341は、メッセージ編集画面330における設定内容をポータル管理部303に通知して、メッセージの登録を指示するボタンである。操作ボタン341の操作により、メッセージ編集画面330の各領域で設定された内容がパラメータとしてポータル管理部303に通知される。ポータル管理部303は、通知されたパラメータ(メッセージの情報)を客室管理部302へ渡し、管理DB311へメッセージを登録する。
図5に戻り、S36以後の動作を説明する。S36に次いで、ポータル管理部303は、指示ボタン322a〜322fの操作によるクライアント端末2への指示(コマンド)の有無を判定する(S37)。クライアント端末2への指示がない場合(S37:NO)、ポータル管理部303はS42へ処理を進める。
指示ボタン322a〜322fの操作が行われ、クライアント端末2への指示がある場合(S37:YES)、ポータル管理部303は、受け付けた指示内容を通信処理部304を介してクライアント端末2へ通知する(S38)。
クライアント端末2の状態や設定を更新するための「更新要求」や「更新」をクライアント端末2へ通知した場合、通信処理部304は、クライアント端末2からの返答を受信する(S39)。具体的には、通信処理部304は、設定情報211およびログ212に格納された直近のクライアント端末2のステータスをクライアント端末2より受信する。通信処理部304は、受信した内容を客室管理部302へ渡し、管理DB311を更新する(S40)。
次いで、ポータル管理部303は、更新された管理DB311よりクライアント端末2ごとの各種情報を読み出して、ポータル管理画面320を更新する(S41)。これにより、ポータル管理画面320におけるクライアント端末2ごとの設定やステータスの情報が、最新のものに更新される。
次いで、ポータル管理部303は、端末登録ボタン323、グループ登録ボタン324またはメッセージ登録ボタン325の操作による登録の指示の有無を判定する(S42)。登録の指示がない場合(S42:NO)、制御部30はS46へ処理を進める。
登録の指示がある場合(S42:YES)、ポータル管理部303は、端末登録ボタン323、グループ登録ボタン324またはメッセージ登録ボタン325で指示された登録画面をポータル管理アプリ40へ出力する。これにより、管理端末4ではメッセージ編集画面330などの登録画面がディスプレイに表示される(S43)。ポータル管理部303は、管理端末4における登録画面上の操作をもとに、クライアント端末2の登録、グループ登録またはメッセージ登録を受け付ける。
次いで、ポータル管理部303は受け付けた登録内容を客室管理部302へ渡し、客室管理部302は渡された登録内容をもとに管理DB311を更新する(S44)。例えば、クライアント端末2の登録の場合、客室管理部302は、クライアント端末2を識別する識別情報(例えばタブレットID)を発行し、受け付けた登録内容(例えば端末名、客室名、所属するグループ、アドレス、メモなど)を管理DB311に記録する。より具体的には、客室管理部302は、客室管理テーブル311cおよびクライアント端末マスタテーブル311dにおいて、発行したタブレットIDのレコードに、受け付けた登録内容を記録する。グループ登録の場合も同様に、客室管理部302は、グループを識別する識別情報(例えばグループID)を発行し、受け付けた登録内容(例えばグループに所属するクライアント端末2を示すタブレットIDなど)を管理DB311に記録する。
次いで、ポータル管理部303は、更新された管理DB311よりクライアント端末2ごとの各種情報を読み出して、ポータル管理画面320を更新する(S45)。これにより、ポータル管理画面320の表示内容が登録内容を反映したものとなる。
次いで、通信処理部304は、管理DB311に登録されたメッセージを読み出して送信を行うメッセージの有無を判定する(S46)。具体的には、通信処理部304は、管理DB311に登録されたメッセージの中から送信結果種別の項目が送信失敗またはNULLデータ(未送信)のメッセージを抽出する。次いで、抽出したメッセージの中で、即時のメッセージまたは指定された曜日および日時の条件を満たすメッセージの有無を判定する。
送信を行うメッセージがない場合(S46:NO)、制御部30は、処理をリターンする。送信を行うメッセージがある場合(S46:YES)、通信処理部304は、メッセージの登録内容(種別、テロップ(日本語)、テロップ(英語)、タイトル、メッセージ内容、メッセージ画像、メッセージ名称など)を管理DB311より読み出す。次いで、通信処理部304は、管理DB311に登録された宛先(送信先)へ、読み出した内容のメッセージを送信し(S47)、処理をリターンする。なお、通信処理部304は、送信を行うメッセージの種別が通常のメッセージである場合には、クライアント端末2宛のメッセージがあることを示す通知、例えばメッセージの内容や画像などを含めずに、メッセージIDやメッセージのタイトルを送信してもよい。
ここで、情報提供システム1全体の動作例を説明する。図8は、実施形態にかかる情報提供システム1の動作例を説明する説明図である。図8に示すように、クライアント端末2は、使用言語の設定変更などを行った場合、設定情報211をサービスエージェント201を介してサーバ装置3へ通知する(S101)。サーバ装置3では、クライアント端末2より通知された設定情報211をもとに管理DB311を更新する(S102)。
サーバ装置3は管理DB311が管理しているクライアント端末2ごとの各種情報を一覧表示するポータル管理画面320を管理端末4に出力する。管理端末4では、サーバ装置3より出力されたポータル管理画面320の表示が行われる(S103)。これにより、管理端末4のユーザ(例えばフロント係)は、クライアント端末2のユーザ(例えばクライアント)が設定した使用言語などの設定やクライアント端末2の状態を確認できる。
また、ポータル管理画面320においてクライアント端末2のステータスや設定を更新する指示を受け付けた場合(S104)、サーバ装置3は、更新を指示するコマンドをクライアント端末2へ通知する(S105)。そして、サーバ装置3は、クライアント端末2より更新の指示に応じて返信された設定情報211や直近のステータスをもとに、管理DB311を更新する(S106)。次いで、サーバ装置3は、更新された管理DB311に基づくポータル管理画面320を管理端末4に出力する。これにより、管理端末4では、ポータル管理画面320の表示が最新の内容に更新される(S107)。
また、管理端末4では、ポータル管理画面320の操作によりメッセージの登録をサーバ装置3に通知する(S108)。サーバ装置3は登録されたメッセージをクライアント端末2へ送信し(S109)、クライアント端末2のポータル画面220において送信されたメッセージが表示される(S110)。
ホテルのフロント係は、対面で会話すれば、クライアントが日本語で応対可能であるか、またはクライアントに対して英語で応対すべきか、確認しつつ接客可能である。しかし、客室用のクライアント端末2に前述のメッセージ機能を用いて伝言を残す場合には、言語の問題が生じることがある。例えば、グループで宿泊するクライアントのうち、日本語が理解できるクライアントが1人存在した場合、その1人がグループ全員の予約やチェックインを行うことがある。そこで、ホテルのフロント係は、予約やチェックインの対応の経験から日本語が理解できるものとして接客を行う。しかしながら、他のクライアントが日本語を理解できない場合、チェックイン後に、客室用のクライアント端末2を日本語以外の言語、例えば英語に切り替えて利用する。このようなチェックイン後にクライアントが何気なく行う動作であっても、ホテルのフロント係へフィードバックすることにより、前述のメッセージ機能に記入する内容を英語で記載することができ、よりクライアントに適したサービスの提供を可能とする。
ところで、上記の実施形態で説明したクライアント端末2、サーバ装置3、管理端末4、5における各種の処理は、予め用意されたプログラムをコンピュータ(情報処理装置)で実行することで実現できる。そこで、以下では、上記の実施形態と同様の機能を有するプログラムを実行するコンピュータ(ハードウエア)の一例を説明する。図9は、情報処理装置100のハードウエア構成を例示するブロック図である。
図9が示すように、情報処理装置100は、各種演算処理を実行するCPU101と、データ入力を受け付ける入力装置102と、モニタ103と、スピーカ104とを有する。また、情報処理装置100は、記憶媒体からプログラム等を読み取る媒体読取装置105と、各種装置と接続するためのインタフェース装置106と、有線または無線により外部機器と通信接続するための通信装置107とを有する。また、情報処理装置100は、各種情報を一時記憶するRAM108と、ハードディスク装置109とを有する。また、情報処理装置100内の各部(101〜109)は、バス110に接続される。
ハードディスク装置109には、例えばコンテンツ管理部301、客室管理部302、ポータル管理部303および通信処理部304の各処理部と同様の機能を有するプログラムが記憶される。また、ハードディスク装置109には、プログラムを実現するための各種データが記憶される。入力装置102は、例えば情報処理装置100の操作者から操作情報の入力を受け付ける。モニタ103は、例えば操作者が操作する各種画面を表示する。インタフェース装置106は、例えば印刷装置等が接続される。通信装置107は、LAN等の通信ネットワークと接続され、通信ネットワークを介した外部機器との間で各種情報をやりとりする。
CPU101は、ハードディスク装置109に記憶された各プログラムを読み出して、RAM108に展開して実行することで、各種の処理を行う。また、これらのプログラムは、情報処理装置100を例えばコンテンツ管理部301、客室管理部302、ポータル管理部303および通信処理部304として機能させることができる。
なお、上記のプログラムは、必ずしもハードディスク装置109に記憶されている必要はない。例えば、情報処理装置100が読み取り可能な記憶媒体に記憶されたプログラムを、情報処理装置100が読み出して実行するようにしてもよい。情報処理装置100が読み取り可能な記憶媒体は、例えば、CD−ROMやDVDディスク、USB(Universal Serial Bus)メモリ等の可搬型記録媒体、フラッシュメモリ等の半導体メモリ、ハードディスクドライブ等が対応する。また、公衆回線、インターネット、LAN(Local Area Network)等に接続された装置にこのプログラムを記憶させておき、情報処理装置100がこれらからプログラムを読み出して実行するようにしてもよい。