JP6616901B2 - 光学部材の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、光学部材の製造方法に関する。より詳しくは、ナノメートルサイズの凹凸構造を有する光学部材の製造方法に関するものである。
光学部材は、様々な分野での適用が検討されている(例えば、特許文献1〜5参照)。特に、ナノメートルサイズの凹凸構造(ナノ構造)を有する光学部材は、優れた反射防止性を有することが知られている。このような凹凸構造によれば、空気層から基材にかけて屈折率が連続的に変化するために、反射光を劇的に減少させることができる。
特開2007−178724号公報 特開2005−97371号公報 国際公開第2015/060458号 国際公開第2013/187506号 国際公開第2011/125970号
このような光学部材としては、例えば、凹凸構造を表面に有する重合体層が基材の表面上に配置される構成が挙げられる。しかしながら、従来の光学部材では、凹凸構造を表面に有するため、指紋が拭き取りにくい、すなわち、防汚性が低いという問題があった。
これに対して、本発明者らは、光硬化性樹脂及び離型剤を用いて重合体層を形成し、離型剤の効果によって防汚性(指紋拭き取り性)を高めようと試みた。しかしながら、凹凸構造の表面積が大きいため、光硬化性樹脂と離型剤とを単に配合しただけでは、離型剤の有効成分が凹凸構造の表面に配向しにくいことが分かった。その結果、防汚性だけではなく、滑り性も充分に得られないことが分かった。滑り性が不充分である場合、重合体層の表面を擦る際の負荷(摩擦抵抗)が大きくなるため、耐擦性が低下してしまう。また、光学部材を高温/高湿の環境下に放置すると、離型剤の有効成分の配向性が変化するため、防汚性及び耐擦性が顕著に低下することが分かった。
これに対して、本発明者らは、離型剤の有効成分の含有率(濃度)を高めて、凹凸構造の表面に配向する量を多くしようと試みた。しかしながら、離型剤の有効成分の含有率を単に高めただけでは、光硬化性樹脂との相溶性が低下するため、離型剤が不溶化することが分かった。その結果、光学部材のヘイズが高くなる、すなわち、透明性が低下してしまうことが分かった。
以上のように、従来の光学部材については、透明性を損なうことなく、防汚性及び耐擦性を高める点で改善の余地があった。
上記特許文献1には、フッ素化合物を含む光硬化性樹脂組成物を用いて凹凸構造を形成する方法が記載されている。しかしながら、フッ素化合物を単に配合しただけでは防汚性及び耐擦性が不充分であり、改善の余地があった。
上記特許文献2には、フッ素含有化合物を含むフッ素含有樹脂組成物を用いて凹凸構造が形成された光学物品が記載されている。しかしながら、フッ素含有化合物が、実施例で用いられた多官能硬化剤に溶解するため、防汚性及び耐擦性が不充分であり、改善の余地があった。
上記特許文献3には、重合性組成物(フッ素樹脂)を用いて形成されたハードコートフィルムが記載されている。しかしながら、フッ素原子の配向性を利用しただけでは防汚性及び耐擦性が不充分であり、改善の余地があった。
上記特許文献4には、凹凸構造の表面上に、フッ素原子を含む表面処理層が形成された積層体が記載されている。しかしながら、表面処理層が剥離しやすいため、耐擦性が不充分であり、改善の余地があった。
上記特許文献5には、表面自由エネルギーが高い多官能モノマーと、その多官能モノマーと相溶するフッ素系(メタ)アクリレートとを含む活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を用いて形成されたナノ凹凸構造体が記載されている。しかしながら、両成分の表面自由エネルギーの差を利用しただけでは、フッ素原子を表面に配向させる効果が不充分であった。また、フッ素系(メタ)アクリレートが相溶する量には限界があり、フッ素原子を表面に配向させる効果が不充分であった。以上より、防汚性及び耐擦性が不充分であり、改善の余地があった。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、透明性を損なうことなく、防汚性及び耐擦性を高める光学部材の製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、透明性を損なうことなく、防汚性及び耐擦性を高める光学部材の製造方法について種々検討したところ、互いに相溶しない光硬化性樹脂及び離型剤を用いて重合体層を形成する方法に着目した。そして、(1)光硬化性樹脂及び離型剤を溶剤に溶解させた後、その溶剤を除去する方法、及び、(2)光硬化性樹脂及び離型剤を2層に分けて塗布した後、両層を一体化させる方法を見出した。以上により、上記課題をみごとに解決することができることに想到し、本発明に到達したものである。
すなわち、本発明の一態様は、基材と、上記基材の表面上に配置される、複数の凸部が可視光の波長以下のピッチで設けられる凹凸構造を表面に有する重合体層とを備える光学部材の製造方法であって、光硬化性樹脂及び離型剤を溶剤に溶解させ、樹脂溶液を調製するプロセス(1)と、上記樹脂溶液を上記基材の表面上に塗布するプロセス(2)と、上記樹脂溶液の塗布物から上記溶剤を除去する加熱処理を行い、樹脂層を形成するプロセス(3)と、上記樹脂層を間に挟んだ状態で上記基材を金型に押し当て、上記凹凸構造を上記樹脂層の表面に形成するプロセス(4)と、上記樹脂層を光照射によって硬化させ、上記重合体層を形成するプロセス(5)とを含み、上記光硬化性樹脂及び上記離型剤は、互いに混合させた場合に、5度(カオリン)以上、25度(カオリン)以下の濁度を示す組み合わせであり、上記光学部材のヘイズは、1.0%未満である光学部材の製造方法(以下、本発明の第一の光学部材の製造方法とも言う。)であってもよい。
本発明の別の一態様は、基材と、上記基材の表面上に配置される、複数の凸部が可視光の波長以下のピッチで設けられる凹凸構造を表面に有する重合体層とを備える光学部材の製造方法であって、第一の樹脂及び第二の樹脂を塗布するプロセス(1)と、上記第一の樹脂及び上記第二の樹脂を間に挟んだ状態で、基材を金型に上記第一の樹脂側から押し当て、上記凹凸構造を表面に有する樹脂層を形成するプロセス(2)と、上記樹脂層を光照射によって硬化させ、上記重合体層を形成するプロセス(3)とを含み、上記第一の樹脂は、光硬化性樹脂を含有し、上記第二の樹脂は、離型剤を含有し、上記第一の樹脂及び上記第二の樹脂は、互いに混合させた場合に、15度(カオリン)以上、35度(カオリン)以下の濁度を示す組み合わせであり、上記光学部材のヘイズは、1.0%未満である光学部材の製造方法(以下、本発明の第二の光学部材の製造方法とも言う。)であってもよい。
本発明によれば、透明性を損なうことなく、防汚性及び耐擦性を高める光学部材の製造方法を提供することができる。
実施形態1の光学部材の製造方法を説明するための断面模式図である。 実施形態2の光学部材の製造方法を説明するための断面模式図である。 実施形態3の光学部材の製造方法を説明するための断面模式図である。
以下に実施形態を掲げ、本発明について図面を参照して更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施形態のみに限定されるものではない。また、各実施形態の構成は、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜組み合わされてもよいし、変更されてもよい。
[実施形態1]
実施形態1の光学部材の製造方法は、本発明の第一の光学部材の製造方法に関する。実施形態1の光学部材の製造方法について、図1を参照して以下に説明する。図1は、実施形態1の光学部材の製造方法を説明するための断面模式図である。
(プロセス(1):樹脂溶液の調製)
光硬化性樹脂及び離型剤を溶剤に溶解させ、樹脂溶液3を調製する。
樹脂溶液3の調製は、例えば、下記の手順で行われる。
(i)各種モノマー、光重合開始剤等を適宜混合させ、光硬化性樹脂(透明状態)を調製する。
(ii)光硬化性樹脂及び離型剤の混合物(白濁状態)を調製する。
(iii)光硬化性樹脂及び離型剤の混合物を溶剤に溶解させ、樹脂溶液3(透明状態又は若干の白濁状態)を調製する。
樹脂溶液3の調製方法として、上記の手順では、光硬化性樹脂及び離型剤を混合させた後に溶剤を添加していたが、例えば、光硬化性樹脂及び溶剤を混合させた後に離型剤を添加してもよい。
(プロセス(2):樹脂溶液の塗布)
図1(a)に示すように、樹脂溶液3を基材2の表面上に塗布する。
樹脂溶液3の塗布方法としては、例えば、スプレー方式、グラビア方式、スロットダイ方式、バーコート方式等で塗布する方法が挙げられる。膜厚が容易に調製可能であり、かつ、装置コストを低減する観点からは、スプレー方式で塗布する方法が好ましい。中でも、スワールノズル、静電ノズル、又は、超音波ノズルを用いて塗布することが特に好ましい。
(プロセス(3):樹脂層の形成)
樹脂溶液3の塗布物から溶剤を除去する加熱処理を行う。その結果、図1(b)に示すように、樹脂層4が形成される。
加熱処理の方法としては、例えば、基材2の表面上に樹脂溶液3の塗布物が配置された状態(図1(a)の状態)のものをオーブンに入れて加熱する方法が挙げられる。加熱処理は、溶剤の沸点以上の温度で行われることが好ましい。溶剤は、加熱処理によって、一部が除去されてもよいし、完全に除去されてもよい。
(プロセス(4):凹凸構造の形成)
図1(c)に示すように、樹脂層4を間に挟んだ状態で、基材2を金型5に押し当てる。その結果、凹凸構造が樹脂層4の表面(基材2とは反対側の表面)に形成される。
(プロセス(5):樹脂層の硬化)
樹脂層4を光照射によって硬化させる。その結果、図1(d)に示すように、重合体層6が形成される。
樹脂層4の硬化は光照射によって行われるが、活性エネルギー線の照射によって行われることが好ましい。活性エネルギー線は、紫外線、可視光線、赤外線、プラズマ等を指す。樹脂層4は、紫外線によって硬化するものであることが好ましい。樹脂層4に対する光照射は、樹脂層4の基材2側から行ってもよく、樹脂層4の金型5側から行ってもよい。また、樹脂層4に対する光照射回数は、1回のみであってもよいし、複数回であってもよい。樹脂層4の硬化(上記プロセス(5))は、上述した樹脂層4への凹凸構造の形成(上記プロセス(4))と同じタイミングで行ってもよい。
(プロセス(6):金型の剥離)
図1(e)に示すように、金型5を重合体層6から剥離する。その結果、光学部材1が完成する。重合体層6の表面(基材2とは反対側の表面)に形成された凹凸構造は、複数の凸部(突起)7が可視光の波長以下のピッチ(隣接する凸部7の頂点間の距離)Pで設けられる構造、すなわち、モスアイ構造(蛾の目状の構造)に相当する。よって、光学部材1は、モスアイ構造による優れた反射防止性(低反射性)を示すことができる。
上述した製造プロセスにおいて、例えば、基材2をロール状にすれば、上記プロセス(2)〜(6)を連続的かつ効率的に行うことができる。
以上より、実施形態1の光学部材の製造方法によれば、互いに相溶しない光硬化性樹脂及び離型剤を溶剤に溶解させた(上記プロセス(1))後、その溶剤を除去する(上記プロセス(3))ことによって、離型剤が不溶化するため、離型剤の有効成分が樹脂層4の表面(基材2とは反対側の表面)に配向しやすくなる。よって、離型剤の有効成分の含有率を大きく高めなくても、離型剤の有効成分を重合体層6の表面(基材2とは反対側の表面)に効率良く配向させることができる。すなわち、実施形態1の光学部材の製造方法によれば、透明性を損なうことなく(ヘイズが高くなることなく)、防汚性及び耐擦性を高めることができる。更に、実施形態1の光学部材の製造方法によれば、離型剤が少量であっても防汚性及び耐擦性を高めることができるため、材料コストを低減することができる。
続いて、光学部材1を製造する際に用いられる各部材について、以下に説明する。
基材2の材料としては、例えば、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、メチルメタクリレート(MMA)等の樹脂が挙げられる。基材2は、上記材料に加えて、可塑剤等の添加剤を適宜含んでいてもよい。基材2の表面(重合体層6側の表面)には易接着処理が施されていてもよく、例えば、易接着処理が施されたトリアセチルセルロースフィルムを用いることができる。また、基材2の表面(重合体層6側の表面)にはケン化処理が施されていてもよく、例えば、ケン化処理が施されたトリアセチルセルロースフィルムを用いることができる。
基材2の形状としては、例えば、フィルム状、シート状等が挙げられる。フィルム状の光学部材1を製造する場合は、フィルム状の基材2を用いればよい。また、基材2が偏光板の一部を構成する形態が好ましい。
基材2の厚みは、透明性及び加工性を確保する観点から、50μm以上、100μm以下であることが好ましい。
基材2のヘイズは、透明性を確保する観点から、1%未満であることが好ましい。
光硬化性樹脂及び離型剤は、互いに混合させた場合に、5度(カオリン)以上、25度(カオリン)以下の濁度を示す組み合わせである。これは、光硬化性樹脂と離型剤とが相溶しないことを示している。本明細書中、複数の材料が「相溶する」とは、これらの材料を混合させた場合の濁度が5度(カオリン)未満(透明状態)となることを指す。一方、複数の材料が「相溶しない」とは、これらの材料を混合させた場合の濁度が5度(カオリン)以上(白濁状態)となることを指す。光硬化性樹脂と離型剤とを混合させた場合の濁度が5度(カオリン)未満である場合、溶剤を除去する(上記プロセス(3))際に、離型剤の有効成分が重合体層6の表面(基材2とは反対側の表面)に配向しにくくなるため、防汚性及び耐擦性が低下してしまう。光硬化性樹脂と離型剤とを混合させた場合の濁度が25度(カオリン)よりも高い場合、光硬化性樹脂と離型剤とが分離しやすくなるため、特に、高温/高湿の環境下における防汚性(例えば、指紋拭き取り性)が低下してしまう。光硬化性樹脂及び離型剤は、互いに混合させた場合に、7度(カオリン)以上、15度(カオリン)以下の濁度を示す組み合わせであることが好ましい。本明細書中、濁度は、カオリン標準液に基づいて決定される。例えば、三菱化学アナリテック社製の積分球式濁度計「PT−200」において、10mmセルに試料を入れ、予め設定されているカオリン検量線を用いることによって、濁度を測定することができる。
離型剤は、光反応性基を有するフッ素樹脂(以下、単に、フッ素樹脂とも言う。)、すなわち、フッ素系離型剤であることが好ましい。このような構成によれば、高温/高湿の環境下におけるブリードアウトが低減し、光学部材1の信頼性が高まる。また、フッ素樹脂は表面自由エネルギーが低いため、防汚性(例えば、指紋拭き取り性)を高めるために好ましく用いられる。
フッ素樹脂は、光反応性基を有するフッ素含有モノマー(以下、単に、フッ素含有モノマーとも言う。)を有効成分として含有している。このような構成によれば、重合体層6の表面自由エネルギーが低くなり、防汚性が高まる。更に、フッ素原子が重合体層6の表面(基材2とは反対側の表面)に配向するため、滑り性が高まる。その結果、耐擦性が高まる。本明細書中、光反応性基は、光によって他の成分と反応する官能基を指す。このような光反応性基としては、例えば、アルコキシシリル基、シリルエーテル基、アルコキシシリル基が加水分解されたシラノール基、カルボキシル基、水酸基、エポキシ基、ビニル基、アリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基等が挙げられる。光反応性基としては、光反応性及び取り扱い性の観点から、アルコキシシリル基、シリルエーテル基、シラノール基、エポキシ基、ビニル基、アリル基、アクリロイル基、又は、メタクリロイル基が好ましく、ビニル基、アリル基、アクリロイル基、又は、メタクリロイル基がより好ましく、アクリロイル基、又は、メタクリロイル基が更に好ましい。
フッ素含有モノマーは、光反応性基に加えて、フルオロアルキル基、フルオロオキシアルキル基、フルオロアルケニル基、フルオロアルカンジイル基、及び、フルオロオキシアルカンジイル基からなる群より選択される少なくとも1つを含む部位を有することが好ましい。フルオロアルキル基、フルオロオキシアルキル基、フルオロアルケニル基、フルオロアルカンジイル基、及び、フルオロオキシアルカンジイル基は、各々、アルキル基、オキシアルキル基、アルケニル基、アルカンジイル基、及び、オキシアルカンジイル基が有する水素原子の少なくとも一部がフッ素原子で置換された置換基である。フルオロアルキル基、フルオロオキシアルキル基、フルオロアルケニル基、フルオロアルカンジイル基、及び、フルオロオキシアルカンジイル基は、いずれも主にフッ素原子及び炭素原子から構成される置換基であり、その構造中に分岐部が存在していてもよく、これらの置換基は複数連結していてもよい。
フッ素含有モノマーの一例は、下記一般式(A)で表される。
f1−R−D (A)
上記一般式(A)中、Rf1は、フルオロアルキル基、フルオロオキシアルキル基、フルオロアルケニル基、フルオロアルカンジイル基、及び、フルオロオキシアルカンジイル基からなる群より選択される少なくとも1つを含む部位を表す。Rは、アルカンジイル基、アルカントリイル基、又は、それらから導出されるエステル構造、ウレタン構造、エーテル構造、トリアジン構造を表す。Dは、光反応性基を表す。
上記一般式(A)で表されるフッ素含有モノマーとしては、例えば、2,2,2−トリフルオロエチルアクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフロオロプロピルアクリレート、2−パーフルオロブチルエチルアクリレート、3−パーフルオロブチル−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−パーフルオロヘキシルエチルアクリレート、3−パーフルオロヘキシル−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−パーフルオロオクチルエチルアクリレート、3−パーフルオロオクチル−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−パーフルオロデシルエチルアクリレート、2−パーフルオロ−3−メチルブチルエチルアクリレート、3−パーフルオロ−3−メトキシブチル−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−パーフルオロ−5−メチルヘキシルエチルアクリレート、3−パーフルオロ−5−メチルヘキシル−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−パーフルオロ−7−メチルオクチル−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、テトラフルオロプロピルアクリレート、オクタフルオロペンチルアクリレート、ドデカフルオロヘプチルアクリレート、ヘキサデカフルオロノニルアクリレート、ヘキサフルオロブチルアクリレート、2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルメタクリレート、2−パーフルオロブチルエチルメタクリレート、3−パーフルオロブチル−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−パーフルオロオクチルエチルメタクリレート、3−パーフルオロオクチル−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−パーフルオロデシルエチルメタクリレート、2−パーフルオロ−3−メチルブチルエチルメタクリレート、3−パーフルオロ−3−メチルブチル−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−パーフルオロ−5−メチルヘキシルエチルメタクリレート、3−パーフルオロ−5−メチルヘキシル−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−パーフルオロ−7−メチルオクチルエチルメタクリレート、3−パーフルオロ−7−メチルオクチルエチルメタクリレート、テトラフルオロプロピルメタクリレート、オクタフルオロペンチルメタクリレート、ドデカフルオロヘプチルメタクリレート、ヘキサデカフルオロノニルメタクリレート、1−トリフルオロメチルトリフルオロエチルメタクリレート、ヘキサフルオロブチルメタクリレート、トリアクリロイル−ヘプタデカフルオロノネニル−ペンタエリスリトール等が挙げられる。
フッ素含有モノマーの好ましい材料としては、例えば、フルオロポリエーテル部位を有する材料が挙げられる。フルオロポリエーテル部位は、フルオロアルキル基、オキシフルオロアルキル基、オキシフルオロアルキルジイル基等からなる部位であり、下記一般式(B)又は(C)に代表される構造である。
CFn1(3−n1)−(CFn2(2−n2)O−(CFn3(2−n3)O− (B)
−(CFn4(2−n4)O−(CFn5(2−n5)O− (C)
上記一般式(B)及び(C)中、n1は1〜3の整数であり、n2〜n5は1又は2であり、k、m、p、及び、sは0以上の整数である。n1〜n5の好ましい組み合わせとしては、n1が2又は3、n2〜n5が1又は2である組み合わせであり、より好ましい組み合わせとしては、n1が3、n2及びn4が2、n3及びn5が1又は2である組み合わせである。
フルオロポリエーテル部位に含まれる炭素数は、4以上、12以下であることが好ましく、4以上、10以下であることがより好ましく、6以上、8以下であることが更に好ましい。炭素数が4未満である場合、表面自由エネルギーが低下する懸念がある。炭素数が12よりも多い場合、溶剤への溶解性が低下する懸念がある。なお、フッ素含有モノマーは、1分子当たりに複数のフルオロポリエーテル部位を有していてもよい。
フッ素含有モノマーのうち公知のものとしては、ダイキン工業社製の「オプツール(登録商標)DAC−HP」、ユニマテック社製の「CHEMINOX(登録商標) FAAC−6」、旭硝子社製の「Afluid」、DIC社製の「メガファック(登録商標)RS−76−NS」、DIC社製の「メガファックRS−75」、油脂製品社製の「C10GACRY」、油脂製品社製の「C8HGOL」等が挙げられる。フッ素含有モノマーは、紫外線によって硬化(重合)するものであることが好ましい。フッ素含有モノマーは、−OCF−鎖及び=NCO−鎖のうちの少なくとも一方を含有することが好ましい。離型剤は、フッ素含有モノマーを1種類含有していてもよく、複数種類含有していてもよい。
フッ素樹脂は、フッ素含有モノマーに加えて、フッ素系界面活性剤、反応性モノマー等を適宜含有していてもよい。
フッ素系界面活性剤のうち公知のものとしては、例えば、AGCセイミケミカル社製の「サーフロン(登録商標)」、ネオス社製の「フタージェント(登録商標)650A」、スリーエム社製の「FC−4430」、スリーエム社製の「FC−4432」、三菱マテリアル電子化成社製の「エフトップ」等が挙げられる。フッ素系界面活性剤は、紫外線によって硬化(重合)するものであることが好ましい。フッ素系界面活性剤は、−OCF−鎖及び=NCO−鎖のうちの少なくとも一方を含有することが好ましい。離型剤は、フッ素系界面活性剤を1種類含有していてもよく、複数種類含有していてもよい。
反応性モノマーとしては、例えば、N−アクリロイルモルホリン、N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド等のアミド基含有モノマー;1,4−シクロヘキサンジメタノールモノアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート等の水酸基含有モノマー;2−アセトアセトキシエチルメタクリレート等のアセトアセトキシ基含有モノマー、等が挙げられる。N−アクリロイルモルホリンのうち公知のものとしては、例えば、KJケミカルズ社製の「ACMO(登録商標)」等が挙げられる。N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミドのうち公知のものとしては、例えば、KJケミカルズ社製の「HEAA(登録商標)」等が挙げられる。N,N−ジエチルアクリルアミドのうち公知のものとしては、例えば、KJケミカルズ社製の「DEAA(登録商標)」等が挙げられる。1,4−シクロヘキサンジメタノールモノアクリレートのうち公知のものとしては、例えば、日本化成社製の「CHDMMA」等が挙げられる。4−ヒドロキシブチルアクリレートのうち公知のものとしては、例えば、日本化成社製の「4HBA」等が挙げられる。2−アセトアセトキシエチルメタクリレートのうち公知のものとしては、例えば、日本合成化学社製の「AAEM」等が挙げられる。離型剤は、これらの反応性モノマーを1種類含有していてもよく、複数種類含有していてもよい。これらの反応性モノマーは、酸アミド結合を分子内に含有することが好ましい。
離型剤としては、上述したフッ素系離型剤(フッ素樹脂)以外に、例えば、シリコン系離型剤、リン酸エステル系離型剤等が挙げられる。
シリコン系離型剤としては、例えば、シリコンジアクリレート等が挙げられ、そのうち公知のものとしては、例えば、ダイセル・オルネクス社製の「EBECRYL(登録商標)350」等が挙げられる。
リン酸エステル系離型剤としては、例えば、(ポリ)オキシエチレンアルキルリン酸エステル等が挙げられ、そのうち公知のものとしては、例えば、日光ケミカルズ社製の「NIKKOL(登録商標) TDP−2」等が挙げられる。
樹脂層4中の離型剤の有効成分の含有率は、0.1重量%以上、10重量%以下であることが好ましく、0.5重量%以上、9重量%以下であることがより好ましく、1重量%以上、5重量%以下であることが更に好ましい。樹脂層4中の離型剤の有効成分の含有率が0.1重量%未満である場合、重合体層6の表面(基材2とは反対側の表面)における離型剤の有効成分の量が少なくなり過ぎてしまい、防汚性及び耐擦性が低下する懸念がある。樹脂層4中の離型剤の有効成分の含有率が10重量%よりも高い場合、重合体層6の表面(基材2とは反対側の表面)における離型剤の有効成分の量が多くなり過ぎてしまうため、重合体層6(凸部7)の弾性が不足し、重合体層6の表面(基材2とは反対側の表面)を擦ると、倒れた凸部7が起き上がらない(復元しない)懸念がある。その結果、耐擦性が低下する懸念がある。
光硬化性樹脂は、離型剤と混合させた場合の濁度が5度(カオリン)以上、25度(カオリン)以下であれば、各種モノマー、光重合開始剤等を適宜含有していてもよい。
各種モノマーとしては、例えば、ウレタンアクリレート、エトキシ化ポリグリセリンポリアクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート等が挙げられる。ウレタンアクリレートのうち公知のものとしては、例えば、新中村化学工業社製の「U−10HA」等が挙げられる。エトキシ化ポリグリセリンポリアクリレートのうち公知のものとしては、例えば、新中村化学工業社製の「NK ECONOMER(登録商標) A−PG5027E」等が挙げられる。エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレートのうち公知のものとしては、例えば、新中村化学工業社製の「ATM−35E」等が挙げられる。光硬化性樹脂は、これらの各種モノマーを1種類含有していてもよく、複数種類含有していてもよい。
光重合開始剤は、光(活性エネルギー線)に対して活性であり、モノマーを重合する重合反応を開始させるために添加されるものである。光重合開始剤としては、例えば、ラジカル重合開始剤、アニオン重合開始剤、カチオン重合開始剤等を用いることができる。このような光重合開始剤としては、例えば、p−tert−ブチルトリクロロアセトフェノン、2,2’−ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン等のアセトフェノン類;ベンゾフェノン、4,4’−ビスジメチルアミノベンゾフェノン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン等のケトン類;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインエーテル類;ベンジルジメチルケタール、ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等のベンジルケタール類;2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド等のアシルフォスフィンオキサイド類;1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン等のアルキルフェノン類、等が挙げられる。2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイドのうち公知のものとしては、例えば、BASF社製の「IRGACURE(登録商標) TPO」等が挙げられる。ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイドのうち公知のものとしては、例えば、BASF社製の「IRGACURE 819」等が挙げられる。1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトンのうち公知のものとしては、例えば、BASF社製の「IRGACURE 184」等が挙げられる。光硬化性樹脂は、光重合開始剤を1種類含有していてもよく、複数種類含有していてもよい。
光硬化性樹脂は、離型剤と相溶する相溶性モノマーを含有することが好ましい。このような構成によれば、重合体層6の表面(基材2とは反対側の表面)において、離型剤の有効成分が均一に分布するため、防汚性が高まる。更に、相溶性モノマーによれば、光硬化性樹脂と離型剤との密着性が高まるため、耐擦性が高まる。光硬化性樹脂が相溶性モノマーを含有する場合、相溶性モノマー単体は離型剤と相溶するが、光硬化性樹脂全体としては、離型剤と相溶しない。
相溶性モノマーとしては、例えば、N−アクリロイルモルホリン(例えば、KJケミカルズ社製の「ACMO」)、N,N−ジエチルアクリルアミド(例えば、KJケミカルズ社製の「DEAA(登録商標)」)、N,N−ジメチルアクリルアミド(例えば、KJケミカルズ社製の「DMAA(登録商標)」)、テトラヒドロフランアクリレート(例えば、大阪有機化学工業社製の「ビスコート#150」)、環状トリメチロールプロパンホルマールアクリレート(例えば、大阪有機化学工業社製の「ビスコート#200」)、4−ヒドロキシブチルアクリレート(例えば、日本化成社製の「4HBA」)等が挙げられる。相溶性モノマーとしては、アミド基、エーテル基、水酸基等の極性基を有する単官能モノマーが好ましい。光硬化性樹脂は、相溶性モノマーを1種類含有していてもよく、複数種類含有していてもよい。
光硬化性樹脂中の相溶性モノマーの含有率は、5重量%以上、30重量%以下であることが好ましく、10重量%以上、25重量%以下であることがより好ましく、15重量%以上、25重量%以下であることが更に好ましい。光硬化性樹脂中の相溶性モノマーの含有率が5重量%未満である場合、特に、高温/高湿の環境下における防汚性及び耐擦性が低下する懸念がある。光硬化性樹脂中の相溶性モノマーの含有率が30重量%よりも高い場合、重合体層6の架橋密度が低下するとともに、結合間の凝集力が強くなるため、重合体層6の硬度が高くなり、特に、高温/高湿の環境下における耐擦性が低下する懸念がある。
溶剤としては、光硬化性樹脂及び離型剤を溶解させるものであればよく、例えば、アルコール(炭素数1〜10:例えば、メタノール、エタノール、n−又はi−プロパノール、n−、sec−、又は、t−ブタノール、ベンジルアルコール、オクタノール等)、ケトン(炭素数3〜8:例えば、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、ジブチルケトン、シクロヘキサノン等)、エステル又はエーテルエステル(炭素数4〜10:例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル等)、γ−ブチロラクトン、エチレングリコールモノメチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルアセテート、エーテル(炭素数4〜10:例えば、EGモノメチルエーテル(メチルセロソロブ)、EGモノエチルエーテル(エチルセロソロブ)、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルセロソロブ)、プロピレングリコールモノメチルエーテル等)、芳香族炭化水素(炭素数6〜10:例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等)、アミド(炭素数3〜10:例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等)、ハロゲン化炭化水素(炭素数1〜2:例えば、メチレンジクロライド、エチレンジクロライド等)、石油系溶剤(例えば、石油エーテル、石油ナフサ等)等が挙げられる。樹脂溶液は、溶剤を1種類含有していてもよく、複数種類含有していてもよい。
重合体層6の厚みTは、離型剤の有効成分を重合体層6の表面(基材2とは反対側の表面)に高濃度で配向させる観点から、薄いことが好ましい。具体的には、重合体層6の厚みTは、5.0μm以上、20.0μm以下であることが好ましい。重合体層6の厚みTは、図1(e)に示すように、基材2側の表面から凸部7の頂点までの距離を指す。
凸部7の形状としては、例えば、柱状の下部と半球状の上部とによって構成される形状(釣鐘状)、錐体状(コーン状、円錐状)等の、先端に向かって細くなる形状(テーパー形状)が挙げられる。また、凸部7は、枝突起を有する形状であってもよい。枝突起とは、金型を作製するための陽極酸化及びエッチングを行う過程で形成されてしまった、間隔が不規則な部分に対応する凸部を示す。図1(e)中、隣接する凸部7の間隙の底辺は傾斜した形状となっているが、傾斜せずに水平な形状であってもよい。
隣接する凸部7間のピッチPは、可視光の波長(780nm)以下であれば特に限定されないが、モアレ、虹ムラ等の光学現象の発生を充分に防止する観点からは、100nm以上、400nm以下であることが好ましく、100nm以上、200nm以下であることがより好ましい。
凸部7の高さは、後述する凸部7の好ましいアスペクト比と両立させる観点から、50nm以上、600nm以下であることが好ましく、100nm以上、300nm以下であることがより好ましい。
凸部7のアスペクト比は、0.8以上、1.5以下であることが好ましい。凸部7のアスペクト比が0.8未満である場合、モアレ、虹ムラ等の光学現象の発生を充分に防止することができず、良好な反射特性が得られない懸念がある。凸部7のアスペクト比が1.5よりも大きい場合、モスアイ構造の加工性が低下し、スティッキングが発生したり、モスアイ構造を形成する際の転写具合が悪化したりする(金型5が詰まったり、巻き付いてしまう、等)懸念がある。本明細書中、凸部のアスペクト比は、隣接する凸部間のピッチと凸部の高さとの比(高さ/ピッチ)を指す。
凸部7は、ランダムに配置されていても、規則的に配置されていてもよい。モアレの発生を充分に防止する観点からは、凸部7がランダムに配置されていることが好ましい。
光学部材1のヘイズは、1.0%未満である。光学部材1のヘイズが1.0%以上である場合、透明性が低下し、その結果、モスアイ構造による反射防止性(低反射性)が低下する。光学部材1のヘイズは、0.8%未満であることが好ましく、0.5%未満であることがより好ましい。実施形態1の光学部材の製造方法とは異なり、互いに相溶しない光硬化性樹脂及び離型剤を溶剤に溶解させず、白濁状態のまま硬化させると、光学部材1のヘイズが高くなり(例えば、1.0%以上)、透明性が損なわれてしまう。
金型5としては、例えば、下記の方法で作製されるものを用いることができる。まず、金型5の材料となるアルミニウムを、支持基材の表面上にスパッタリング法によって成膜する。次に、成膜されたアルミニウムの層に対して、陽極酸化及びエッチングを交互に繰り返すことによって、モスアイ構造の雌型(金型5)を作製することができる。この際、陽極酸化を行う時間、及び、エッチングを行う時間を調整することによって、金型5の凹凸構造を変化させることができる。
支持基材の材料としては、例えば、ガラス;ステンレス、ニッケル等の金属材料;ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、環状オレフィン系高分子(代表的には、ノルボルネン系樹脂等である、日本ゼオン社製の「ゼオノア(登録商標)」、JSR社製の「アートン(登録商標)」)等のポリオレフィン系樹脂;ポリカーボネート樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、トリアセチルセルロース等の樹脂材料、等が挙げられる。また、支持基材の表面上にアルミニウムを成膜したものの代わりに、アルミニウム製の基材を用いてもよい。
金型5の形状としては、例えば、平板状、ロール状等が挙げられる。
金型5の表面は、離型処理が施されていることが好ましい。これにより、金型5を重合体層6から容易に剥離することができる。また、金型5の表面自由エネルギーが低くなるため、上記プロセス(4)において、基材2を金型5に押し当てる際に、離型剤の有効成分を樹脂層4の表面(基材2とは反対側の表面)に効率良く配向させることができる。更に、樹脂層4を硬化させる前に、離型剤の有効成分が樹脂層4の表面(基材2とは反対側の表面)から離れてしまうことを防止することができる。その結果、光学部材1において、離型剤の有効成分を重合体層6の表面(基材2とは反対側の表面)に効率良く配向させることができる。
金型5の離型処理に用いられる塗布材料としては、例えば、フッ素系材料、シリコン系材料、リン酸エステル系材料等が挙げられる。フッ素系材料のうち公知のものとしては、例えば、ダイキン工業社製の「オプツールDSX」、ダイキン工業社製の「オプツールAES4」等が挙げられる。
[実施形態2]
実施形態2の光学部材の製造方法は、本発明の第二の光学部材の製造方法に関する。実施形態2の光学部材の製造方法について、図2を参照して以下に説明する。図2は、実施形態2の光学部材の製造方法を説明するための断面模式図である。実施形態2の光学部材の製造方法は、光硬化性樹脂及び離型剤を2層に分けて塗布した後、両層を一体化させること以外、実施形態1の光学部材の製造方法と同様であるため、重複する点については説明を適宜省略する。
(プロセス(1):第一の樹脂及び第二の樹脂の塗布)
図2(a)に示すように、光硬化性樹脂を含有する第一の樹脂8を、基材2の表面上に塗布する。次に、離型剤を含有する第二の樹脂9を、塗布された第一の樹脂8の表面(基材2とは反対側の表面)上に塗布する。
第一の樹脂8、及び、第二の樹脂9の塗布方法としては、例えば、スプレー方式、グラビア方式、スロットダイ方式、バーコート方式等で塗布する方法が挙げられる。膜厚が容易に調製可能であり、かつ、装置コストを低減する観点からは、スプレー方式で塗布する方法が好ましい。中でも、スワールノズル、静電ノズル、又は、超音波ノズルを用いて塗布することが特に好ましい。
第一の樹脂8の塗布と第二の樹脂9の塗布とは、異なるタイミングで行われてもよく、同じタイミングで行われてもよい。第一の樹脂8、及び、第二の樹脂9を同じタイミングで塗布する方法としては、例えば、共押し出し方式で塗布する方法が挙げられる。
(プロセス(2):樹脂層の形成)
図2(b)に示すように、第一の樹脂8、及び、第二の樹脂9を間に挟んだ状態で、基材2を金型5に第一の樹脂8側から押し当てる。その結果、凹凸構造を表面(基材2とは反対側の表面)に有する樹脂層4が形成される。樹脂層4は、第一の樹脂8、及び、第二の樹脂9が一体化し、両樹脂の界面が存在しないものである。
(プロセス(3):樹脂層の硬化)
次に、樹脂層4を光照射によって硬化させる。その結果、図2(c)に示すように、重合体層6が形成される。
(プロセス(4):金型の剥離)
図2(d)に示すように、金型5を重合体層6から剥離する。その結果、光学部材1が完成する。
以上より、実施形態2の光学部材の製造方法によれば、互いに相溶しない第一の樹脂8、及び、第二の樹脂9を2層に分けて塗布した(上記プロセス(1))後、両層を一体化させる(上記プロセス(2))ことによって、第二の樹脂9中の離型剤が不溶化するため、離型剤の有効成分が樹脂層4の表面(基材2とは反対側の表面)に配向しやすくなる。また、樹脂層4の表面(基材2とは反対側の表面)を主に構成する第二の樹脂9に離型剤が含有されているため、離型剤の有効成分が樹脂層4の表面(基材2とは反対側の表面)に配向しやすくなる。よって、離型剤の有効成分の含有率を大きく高めなくても、離型剤の有効成分を重合体層6の表面(基材2とは反対側の表面)に効率良く配向させることができる。すなわち、実施形態2の光学部材の製造方法によれば、透明性を損なうことなく(ヘイズが高くなることなく)、防汚性及び耐擦性を高めることができる。更に、実施形態2の光学部材の製造方法によれば、離型剤が少量であっても防汚性及び耐擦性を高めることができるため、材料コストを低減することができる。
第一の樹脂8、及び、第二の樹脂9は、互いに混合させた場合に、15度(カオリン)以上、35度(カオリン)以下の濁度を示す組み合わせである。これは、第一の樹脂8と第二の樹脂9とが相溶しないことを示している。第一の樹脂8と第二の樹脂9とを混合させた場合の濁度が15度(カオリン)未満である場合、両樹脂を一体化させる(上記プロセス(2))際に、第二の樹脂9中の離型剤の有効成分が重合体層6の表面(基材2とは反対側の表面)に配向しにくくなるため、防汚性及び耐擦性が低下してしまう。第一の樹脂8と第二の樹脂9とを混合させた場合の濁度が35度(カオリン)よりも高い場合、第一の樹脂8中の光硬化性樹脂と第二の樹脂9中の離型剤とが分離しやすくなるため、特に、高温/高湿の環境下における防汚性(例えば、指紋拭き取り性)が低下してしまう。第一の樹脂8、及び、第二の樹脂9は、互いに混合させた場合に、20度(カオリン)以上、30度(カオリン)以下の濁度を示す組み合わせであることが好ましい。
第二の樹脂9は、離型剤を含有する。第二の樹脂9中の離型剤は、実施形態1と同様に、光反応性基を有するフッ素樹脂、すなわち、フッ素系離型剤であることが好ましい。このような構成によれば、高温/高湿の環境下におけるブリードアウトが低減し、光学部材1の信頼性が高まる。また、フッ素樹脂は表面自由エネルギーが低いため、防汚性(例えば、指紋拭き取り性)を高めるために好ましく用いられる。第二の樹脂9は、離型剤に加えて、各種モノマーを適宜含有していてもよい。
樹脂層4中の離型剤の有効成分の含有率は、0.1重量%以上、10重量%以下であることが好ましく、0.5重量%以上、9重量%以下であることがより好ましく、1重量%以上、5重量%以下であることが更に好ましい。樹脂層4中の離型剤の有効成分の含有率が0.1重量%未満である場合、重合体層6(第二の樹脂9)の表面(基材2とは反対側の表面)における離型剤の有効成分の量が少なくなり過ぎてしまい、防汚性及び耐擦性が低下する懸念がある。樹脂層4中の離型剤の有効成分の含有率が10重量%よりも高い場合、重合体層6(第二の樹脂9)の表面(基材2とは反対側の表面)における離型剤の有効成分の量が多くなり過ぎてしまうため、重合体層6(凸部7)の弾性が不足し、重合体層6の表面(基材2とは反対側の表面)を擦ると、倒れた凸部7が起き上がらない(復元しない)懸念がある。その結果、耐擦性が低下する懸念がある。
第一の樹脂8は、光硬化性樹脂を含有する。第一の樹脂8中の光硬化性樹脂は、第一の樹脂8と第二の樹脂9とを混合させた場合の濁度が15度(カオリン)以上、35度(カオリン)以下であれば、実施形態1と同様に、各種モノマー、光重合開始剤等を適宜含有していてもよい。
第一の樹脂8中の光硬化性樹脂は、実施形態1と同様に、第二の樹脂9中の離型剤と相溶する相溶性モノマーを含有することが好ましい。このような構成によれば、重合体層6(第二の樹脂9)の表面(基材2とは反対側の表面)において、離型剤の有効成分が均一に分布するため、防汚性が高まる。更に、相溶性モノマーによれば、光硬化性樹脂と離型剤との密着性が高まるため、耐擦性が高まる。光硬化性樹脂が相溶性モノマーを含有する場合、相溶性モノマー単体は離型剤と相溶するが、第一の樹脂8全体としては、第二の樹脂9と相溶しない。
光硬化性樹脂中の相溶性モノマーの含有率は、5重量%以上、30重量%以下であることが好ましく、10重量%以上、25重量%以下であることがより好ましく、15重量%以上、25重量%以下であることが更に好ましい。光硬化性樹脂中の相溶性モノマーの含有率が5重量%未満である場合、特に、高温/高湿の環境下における防汚性及び耐擦性が低下する懸念がある。光硬化性樹脂中の相溶性モノマーの含有率が30重量%よりも高い場合、重合体層6の架橋密度が低下するとともに、結合間の凝集力が強くなるため、重合体層6の硬度が高くなり、特に、高温/高湿の環境下における耐擦性が低下する懸念がある。
第一の樹脂8、及び、第二の樹脂9は、溶剤を含有していないことが好ましい。すなわち、第一の樹脂8、及び、第二の樹脂9は、無溶剤系であることが好ましい。このような構成によれば、溶剤の使用に係るコスト、及び、環境面での負荷(使用時の臭気等)を低減することができる。更に、溶剤を除去するための装置が不要であり、装置コストを低減することができる。
第一の樹脂8の厚みT1は、3μm以上、30μm以下であることが好ましく、5μm以上、7μm以下であることが好ましい。
第二の樹脂9の厚みT2は、0.1μm以上、15μm以下であることが好ましく、1μm以上、10μm以下であることがより好ましく、2μm以上、8μm以下であることが更に好ましく、5μm以上、8μm以下であることが特に好ましい。
光学部材1のヘイズは、1.0%未満である。光学部材1のヘイズが1.0%以上である場合、透明性が低下し、その結果、モスアイ構造による反射防止性(低反射性)が低下する。光学部材1のヘイズは、0.8%未満であることが好ましく、0.5%未満であることがより好ましい。実施形態2の光学部材の製造方法とは異なり、第一の樹脂8と第二の樹脂9とを混合させた場合の濁度が35度(カオリン)よりも高い場合、光学部材1のヘイズが高くなり(例えば、1.0%以上)、透明性が損なわれてしまう。
[実施形態3]
実施形態3の光学部材の製造方法は、本発明の第二の光学部材の製造方法に関する。実施形態3の光学部材の製造方法について、図3を参照して以下に説明する。図3は、実施形態3の光学部材の製造方法を説明するための断面模式図である。実施形態3の光学部材の製造方法は、第二の樹脂を金型の表面上に塗布すること以外、実施形態2の光学部材の製造方法と同様であるため、重複する点については説明を適宜省略する。
(プロセス(1):第一の樹脂及び第二の樹脂の塗布)
図3(a)に示すように、光硬化性樹脂を含有する第一の樹脂8を、基材2の表面上に塗布する。次に、離型剤を含有する第二の樹脂9を、金型5の表面(凹凸面)上に塗布する。
第一の樹脂8の塗布と第二の樹脂9の塗布とは、異なるタイミングで行われてもよく、同じタイミングで行われてもよい。
(プロセス(2):樹脂層の形成)
図3(b)に示すように、第一の樹脂8、及び、第二の樹脂9を間に挟んだ状態で、基材2を金型5に第一の樹脂8側から押し当てる。その結果、凹凸構造を表面(基材2とは反対側の表面)に有する樹脂層4が形成される。
(プロセス(3):樹脂層の硬化)
次に、樹脂層4を光照射によって硬化させる。その結果、図3(c)に示すように、重合体層6が形成される。
(プロセス(4):金型の剥離)
図3(d)に示すように、金型5を重合体層6から剥離する。その結果、光学部材1が完成する。
上記プロセス(1)について、実施形態2、3では、第一の樹脂8を基材2の表面上に塗布し、第二の樹脂9を、第一の樹脂8、又は、金型5の表面上に塗布するプロセスを示したが、第二の樹脂9を、第一の樹脂8、及び、金型5の両方の表面上に塗布してもよい。すなわち、上記プロセス(1)は、第一の樹脂8を基材2の表面上に塗布し、第二の樹脂9を、第一の樹脂8、及び、金型5のうちの少なくとも一方の表面上に塗布することによって行われてもよい。また、上記プロセス(1)は、第二の樹脂9を金型5の表面(凹凸面)上に塗布し、第一の樹脂8を第二の樹脂9の表面(金型5とは反対側の表面)上に塗布することによって行われてもよい。
以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
[評価1:本発明の第一の光学部材の製造方法]
実施例及び比較例において、光学部材を製造するために用いた材料は以下の通りである。
(基材)
富士フイルム社製の「TAC−TD80U」を用い、その厚みは80μm、ヘイズは0.1%であった。
(光硬化性樹脂)
表1に示すような組成の光硬化性樹脂A1〜A4を用いた。各材料名の略記は、下記の通りである。表1中の数値は、各光硬化性樹脂中の各材料の含有率を示す。
<相溶性モノマー>
・「DM」:KJケミカルズ社製の「DMAA」
<各種モノマー>
・「U」:新中村化学工業社製の「U−10HA」
・「DPH」:新中村化学工業社製の「A−DPH」
・「TMM」:新中村化学工業社製の「A−TMM−3LM−N」
・「ATM」:新中村化学工業社製の「ATM−35E」
・「PG」:新中村化学工業社製の「NK ECONOMER A−PG5027E」
<光重合開始剤>
・「TPO」:BASF社製の「IRGACURE TPO」
Figure 0006616901
(離型剤)
表2に示すような組成の離型剤B1〜B3を用いた。各材料名の略記は、下記の通りである。表2中の数値は、各離型剤中の各材料の含有率を示す。離型剤B1中の有効成分の含有率は、20重量%であった。離型剤B2中の有効成分の含有率は、40重量%であった。
<フッ素含有モノマー>
・「DAC」:ダイキン工業社製の「オプツールDAC−HP」
・「FAAC」:ユニマテック社製の「CHEMINOX FAAC−6」
<反応性モノマー>
・「AC」:KJケミカルズ社製の「ACMO」
Figure 0006616901
(溶剤)
メチルエチルケトン(MEK、沸点:79.6℃)を用いた。
(金型)
下記の方法で作製したものを用いた。まず、金型の材料となるアルミニウムを、10cm角のガラス基板上にスパッタリング法によって成膜した。成膜されたアルミニウムの層の厚みは、1.0μmであった。次に、成膜されたアルミニウムの層に対して、陽極酸化及びエッチングを交互に繰り返すことによって、多数の微小な穴(隣り合う穴の底点間の距離が可視光の波長以下)が設けられた陽極酸化層を形成した。具体的には、陽極酸化、エッチング、陽極酸化、エッチング、陽極酸化、エッチング、陽極酸化、エッチング、及び、陽極酸化を順に行う(陽極酸化:5回、エッチング:4回)ことによって、アルミニウムの内部に向かって細くなる形状(テーパー形状)を有する微小な穴(凹部)を多数形成し、その結果、凹凸構造を有する金型が得られた。陽極酸化は、シュウ酸(濃度:0.03重量%)を用いて、液温5℃、印加電圧80Vの条件下で行った。1回の陽極酸化を行う時間は、25秒とした。エッチングは、リン酸(濃度:1mol/l)を用いて、液温30℃の条件下で行った。1回のエッチングを行う時間は、25分とした。金型を走査型電子顕微鏡で観察したところ、凹部の深さは290nmであった。なお、金型の表面には、ダイキン工業社製の「オプツールAES4」によって事前に離型処理を施した。
(実施例1−1)
実施例1−1の光学部材を、実施形態1の光学部材の製造方法によって作製した。
(プロセス(1):樹脂溶液の調製)
光硬化性樹脂A1及び離型剤B1を混合させた後、その混合物を溶剤に溶解させ、樹脂溶液3を調製した。樹脂溶液3において、光硬化性樹脂A1の含有率は80重量%、離型剤B1の含有率は10重量%、溶剤の含有率は10重量%であった。すなわち、樹脂溶液3中の離型剤B1の有効成分の含有率は、2重量%であった。
(プロセス(2):樹脂溶液の塗布)
樹脂溶液3を基材2の表面上に、帯状に滴下(塗布)した。その後、バーコーターを用いて、樹脂溶液3を基材2の表面全体に広げた。
(プロセス(3):樹脂層の形成)
基材2の表面上に樹脂溶液3の塗布物が配置された状態のものをオーブンに入れて、温度80℃で1分間加熱処理し、樹脂溶液3の塗布物から溶剤を揮発させた。その結果、樹脂層4が形成された。
(プロセス(4):凹凸構造の形成)
樹脂層4を間に挟んだ状態で、基材2を金型5にハンドローラーで押し当てた。その結果、凹凸構造が樹脂層4の表面(基材2とは反対側の表面)に形成された。
(プロセス(5):樹脂層の硬化)
凹凸構造を表面に有する樹脂層4に、基材2側から紫外線(照射量:200mJ/cm)を照射して硬化させた。その結果、重合体層6が形成された。
(プロセス(6):金型の剥離)
金型5を重合体層6から剥離した。その結果、光学部材1が完成した。重合体層6の厚みTは、9.8μmであった。
光学部材1の表面仕様は、下記の通りであった。
凸部7の形状:釣鐘状
隣接する凸部7間のピッチP:200nm
凸部7の高さ:200nm
凸部7のアスペクト比:1
光学部材1の表面仕様の評価は、日立ハイテクノロジーズ社製の走査型電子顕微鏡「S−4700」を用いて行われた。なお、評価時には、メイワフォーシス社製のオスミウムコーター「Neoc−ST」を用いて、光学部材1の表面(重合体層6の基材2とは反対側の表面)上に和光純薬工業社製の酸化オスミウムVIII(厚み:5nm)が塗布されていた。具体的には、隣接する凸部7間のピッチPは、上記走査型電子顕微鏡で撮影された平面写真の1μm角の領域内における、枝突起を除くすべての隣接する凸部間の距離の平均値とした。凸部7の高さは、上記走査型電子顕微鏡で撮影された断面写真における、枝突起を除く連続して並んだ10個の凸部の高さの平均値とした。ただし、10個の凸部を選択する際は、欠損や変形した部分(測定用試料を準備する際に変形させてしまった部分等)がある凸部を除いた。
(実施例1−2〜1−9、及び、比較例1−1〜1−8)
表3〜6に示すような組成に変更したこと以外、実施例1−1と同様にして、各例の光学部材を作製した。
表3〜6には、光硬化性樹脂と離型剤とを、各例の樹脂溶液中の比率で混合させた場合の濁度(単に、「濁度」と表記する)も示した。濁度の測定は、三菱化学アナリテック社製の積分球式濁度計「PT−200」において、10mmセルに試料を入れ、予め設定されているカオリン検量線を用いることによって行われた。
(評価内容及び評価結果)
実施例1−1〜1−9、及び、比較例1−1〜1−8の光学部材について、透明性、防汚性、及び、耐擦性を評価した。結果を表3〜6に示す。
<透明性>
透明性としては、各例の光学部材のヘイズを評価した。具体的には、日本電色工業社製のヘイズメーター「NDH7000」を用いて、各例の光学部材のヘイズを測定した。判定基準は、下記の通りとした。
◎:ヘイズが0.5%以下であった。
○:ヘイズが0.5%よりも高く、0.8%以下であった。
△:ヘイズが0.8%よりも高く、1.0%未満であった。
×:ヘイズが1.0%以上であった。
ここで、判定が◎、○、又は、△である場合を、許容可能なレベル(透明性が優れている)と判断した。
<防汚性>
防汚性としては、各例の光学部材の指紋拭き取り性を評価した。具体的には、まず、各例の光学部材に対して、基材の重合体層とは反対側の表面に、光学粘着層を介して、黒アクリル板を貼り付けた。次に、各例の光学部材を、温度60℃、湿度95%の環境下で101日間放置し、更に、温度23℃、湿度50%の環境下で1日間放置した。そして、各例の光学部材の表面(重合体層の基材とは反対側の表面)に指紋を付着させた後、旭化成せんい社製の「ベンコット(登録商標)S−2」で10往復擦り、指紋が拭き取れるかどうかを、照度100lxの環境下で目視観察した。判定基準は、下記の通りとした。
○:指紋が完全に拭き取れ、拭き残りが見えなかった。
△:指紋は目立たないが、蛍光灯を映り込ませると拭き残りがわずかに見えた。
×:指紋が全く拭き取れなかった。
ここで、判定が○又は△である場合を、許容可能なレベル(防汚性が優れている)と判断した。
<耐擦性>
耐擦性としては、各例の光学部材について、不織布で表面を擦る前後での反射率の変化率を評価した。具体的には、まず、各例の光学部材に対して、基材の重合体層とは反対側の表面に黒アクリル板を貼り付けた。その後、温度23℃、湿度50%の環境下で、各例の光学部材の表面(重合体層の基材とは反対側の表面)に対して極角5°の方位から光源を照射し、入射角5°における正反射分光反射率を測定した。反射率の測定は、島津製作所社製の「UV−3100PC」を用い、380〜780nmの波長領域で行った。そして、測定結果から、450〜650nmの波長領域における平均反射率を算出し、その値を反射率A(単位:%)とした。
次に、各例の光学部材を、温度60℃、湿度95%の環境下で101日間放置し、更に、温度23℃、湿度50%の環境下に戻して1日間放置した。そして、旭化成せんい社製の「ベンコットラボ(登録商標)」を用いて、各例の光学部材の表面(重合体層の基材とは反対側の表面)を10往復擦った。その後、各例の光学部材について、上述した方法と同様にして入射光5°における正反射分光反射率を測定した。そして、測定結果から、450〜650nmの波長領域における平均反射率を算出し、その値を反射率B(単位:%)とした。
耐擦性の評価指標としては、「擦る前後での反射率の変化率(単位:%)=100×(反射率B−反射率A)/反射率A」を用い、判定基準を下記の通りとした。
◎:反射率の変化率が、15%以下であった。
○:反射率の変化率が、15%よりも高く、25%未満であった。
△:反射率の変化率が、25%以上、30%以下であった。
×:反射率の変化率が、30%よりも高く、50%未満であった。
××:反射率の変化率が、50%以上であった。
ここで、判定が◎、○、又は、△である場合を、許容可能なレベル(耐擦性が優れている)と判断した。
Figure 0006616901
Figure 0006616901
Figure 0006616901
Figure 0006616901
表3及び表4に示すように、実施例1−1〜1−9はいずれも、透明性、防汚性、及び、耐擦性が優れていた。中でも、実施例1−1、実施例1−4、実施例1−6、及び、実施例1−8は、透明性、防汚性、及び、耐擦性が総合的に特に優れていた。一方、表5及び表6に示すように、比較例1−1〜1−8はいずれも、透明性、防汚性、及び、耐擦性のうちの少なくとも1つが低かった。
[評価2:本発明の第二の光学部材の製造方法]
実施例及び比較例において、光学部材を製造するために用いた材料は以下の通りである。なお、基材及び金型は、評価1で用いたものと同様であった。
(第一の樹脂)
表7に示すような組成の第一の樹脂C1〜C3を用いた。各材料名の略記は、評価1と同様である。表7中の数値は、各第一の樹脂中の各材料の含有率を示す。
Figure 0006616901
(第二の樹脂)
表8に示すような組成の第二の樹脂D1〜D4を用いた。各材料名の略記は、評価1と同様である。表8中の数値は、各第二の樹脂中の各材料の含有率を示す。例えば、第二の樹脂D1は、下記の方法で調製された。まず、ダイキン工業社製の「オプツールDAC−HP」に対して、東京理化器械社製のロータリーエバポレーター「N−1110型」を用いて、N−アクリロイルモルホリン(KJケミカルズ社製の「ACMO」)への溶媒置換を行った。その後、富山産業社製のミニジェットオーブン「MD−92」を用いて、温度180℃で5時間加熱処理した。加熱処理後、「ACMO」を添加することによって、有効成分の含有率を10重量%に調整した。
Figure 0006616901
(実施例2−1)
実施例2−1の光学部材を、実施形態2の光学部材の製造方法によって作製した。
(プロセス(1):第一の樹脂及び第二の樹脂の塗布)
第一の樹脂C1を基材2の表面上に、バーコーターで塗布した。次に、第二の樹脂D1を、塗布された第一の樹脂C1の表面(基材2とは反対側の表面)上に、バーコーターで塗布した。
(プロセス(2):樹脂層の形成)
第一の樹脂C1、及び、第二の樹脂D1を間に挟んだ状態で、基材2を金型5に第一の樹脂C1側からハンドローラーで押し当てた。その結果、凹凸構造を表面(基材2とは反対側の表面)に有する樹脂層4が形成された。
(プロセス(3):樹脂層の硬化)
凹凸構造を表面に有する樹脂層4に、基材2側から紫外線(照射量:200mJ/cm)を照射して硬化させた。その結果、重合体層6が形成された。
(プロセス(4):金型の剥離)
金型5を重合体層6から剥離した。その結果、光学部材1が完成した。重合体層6の厚みTは、10.5μmであった。光学部材1の表面仕様は、下記の通りであった。
凸部7の形状:釣鐘状
隣接する凸部7間のピッチP:220nm
凸部7の高さ:200nm
凸部7のアスペクト比:約0.9
(実施例2−2、及び、比較例2−1〜2−5)
表9及び表10に示すような組成に変更したこと以外、実施例2−1と同様にして、各例の光学部材を作製した。表9及び表10には、第一の樹脂と第二の樹脂とを、各例の樹脂層中の比率で混合させた場合の濁度(単に、「濁度」と表記する)も示した。
(評価内容及び評価結果)
実施例2−1、実施例2−2、及び、比較例2−1〜2−5の光学部材について、評価1と同様にして、透明性、防汚性、及び、耐擦性を評価した。結果を表9及び表10に示す。
Figure 0006616901
Figure 0006616901
表9に示すように、実施例2−1、及び、実施例2−2は、透明性、防汚性、及び、耐擦性が優れていた。一方、表10に示すように、比較例2−1〜2−5はいずれも、透明性、防汚性、及び、耐擦性のうちの少なくとも1つが低かった。
[付記]
本発明の一態様は、基材と、上記基材の表面上に配置される、複数の凸部が可視光の波長以下のピッチで設けられる凹凸構造を表面に有する重合体層とを備える光学部材の製造方法であって、光硬化性樹脂及び離型剤を溶剤に溶解させ、樹脂溶液を調製するプロセス(1)と、上記樹脂溶液を上記基材の表面上に塗布するプロセス(2)と、上記樹脂溶液の塗布物から上記溶剤を除去する加熱処理を行い、樹脂層を形成するプロセス(3)と、上記樹脂層を間に挟んだ状態で上記基材を金型に押し当て、上記凹凸構造を上記樹脂層の表面に形成するプロセス(4)と、上記樹脂層を光照射によって硬化させ、上記重合体層を形成するプロセス(5)とを含み、上記光硬化性樹脂及び上記離型剤は、互いに混合させた場合に、5度(カオリン)以上、25度(カオリン)以下の濁度を示す組み合わせであり、上記光学部材のヘイズは、1.0%未満である光学部材の製造方法(本発明の第一の光学部材の製造方法)であってもよい。この態様によれば、透明性を損なうことなく、防汚性及び耐擦性を高める光学部材の製造方法を実現することができる。
本発明の別の一態様は、基材と、上記基材の表面上に配置される、複数の凸部が可視光の波長以下のピッチで設けられる凹凸構造を表面に有する重合体層とを備える光学部材の製造方法であって、第一の樹脂及び第二の樹脂を塗布するプロセス(1)と、上記第一の樹脂及び上記第二の樹脂を間に挟んだ状態で、基材を金型に上記第一の樹脂側から押し当て、上記凹凸構造を表面に有する樹脂層を形成するプロセス(2)と、上記樹脂層を光照射によって硬化させ、上記重合体層を形成するプロセス(3)とを含み、上記第一の樹脂は、光硬化性樹脂を含有し、上記第二の樹脂は、離型剤を含有し、上記第一の樹脂及び上記第二の樹脂は、互いに混合させた場合に、15度(カオリン)以上、35度(カオリン)以下の濁度を示す組み合わせであり、上記光学部材のヘイズは、1.0%未満である光学部材の製造方法(本発明の第二の光学部材の製造方法)であってもよい。この態様によれば、透明性を損なうことなく、防汚性及び耐擦性を高める光学部材の製造方法を実現することができる。
本発明の第二の光学部材の製造方法において、上記第一の樹脂及び上記第二の樹脂は、溶剤を含有していなくてもよい。このような構成によれば、上記溶剤の使用に係るコスト、及び、環境面での負荷(使用時の臭気等)を低減することができる。更に、上記溶剤を除去するための装置が不要であり、装置コストを低減することができる。
本発明の第一の光学部材の製造方法、及び、本発明の第二の光学部材の製造方法において、上記樹脂層中の上記離型剤の有効成分の含有率は、0.1重量%以上、10重量%以下であってもよい。このような構成によれば、防汚性及び耐擦性を好ましく高めることができる。
本発明の第一の光学部材の製造方法、及び、本発明の第二の光学部材の製造方法において、上記離型剤は、光反応性基を有するフッ素樹脂であってもよい。このような構成によれば、高温/高湿の環境下におけるブリードアウトが低減し、上記光学部材の信頼性が高まる。また、上記フッ素樹脂は表面自由エネルギーが低いため、防汚性(例えば、指紋拭き取り性)を高めるために好ましく用いられる。
本発明の第一の光学部材の製造方法、及び、本発明の第二の光学部材の製造方法において、上記光硬化性樹脂は、上記離型剤と相溶する相溶性モノマーを含有し、上記光硬化性樹脂中の上記相溶性モノマーの含有率は、5重量%以上、30重量%以下であってもよい。このような構成によれば、防汚性及び耐擦性を好ましく高めることができる。
本発明の第一の光学部材の製造方法、及び、本発明の第二の光学部材の製造方法において、上記重合体層の厚みは、5.0μm以上、20.0μm以下であってもよい。このような構成によれば、上記離型剤の有効成分を上記重合体層の表面(上記基材とは反対側の表面)に高濃度で配向させることができる。
本発明の第一の光学部材の製造方法、及び、本発明の第二の光学部材の製造方法において、上記ピッチは、100nm以上、400nm以下であってもよい。このような構成によれば、モアレ、虹ムラ等の光学現象の発生を充分に防止することができる。
本発明の第一の光学部材の製造方法、及び、本発明の第二の光学部材の製造方法において、上記複数の凸部の高さは、各々、50nm以上、600nm以下であってもよい。このような構成によれば、上記複数の凸部の好ましいアスペクト比と両立させることができる。
本発明の第一の光学部材の製造方法、及び、本発明の第二の光学部材の製造方法において、上記複数の凸部のアスペクト比は、各々、0.8以上、1.5以下であってもよい。このような構成によれば、モアレ、虹ムラ等の光学現象の発生を充分に防止し、良好な反射特性を実現することができる。更に、モスアイ構造の加工性の低下、スティッキングの発生、及び、モスアイ構造を形成する際の転写具合の悪化を防止することができる。
1:光学部材
2:基材
3:樹脂溶液
4:樹脂層
5:金型
6:重合体層
7:凸部
8:第一の樹脂
9:第二の樹脂
P:ピッチ
T:重合体層の厚み
T1:第一の樹脂の厚み
T2:第二の樹脂の厚み

Claims (10)

  1. 基材と、前記基材の表面上に配置される、複数の凸部が可視光の波長以下のピッチで設けられる凹凸構造を表面に有する重合体層とを備える光学部材の製造方法であって、
    光硬化性樹脂及び離型剤を溶剤に溶解させ、樹脂溶液を調製するプロセス(1)と、
    前記樹脂溶液を前記基材の表面上に塗布するプロセス(2)と、
    前記樹脂溶液の塗布物から前記溶剤を除去する加熱処理を行い、樹脂層を形成するプロセス(3)と、
    前記樹脂層を間に挟んだ状態で前記基材を金型に押し当て、前記凹凸構造を前記樹脂層の表面に形成するプロセス(4)と、
    前記樹脂層を光照射によって硬化させ、前記重合体層を形成するプロセス(5)とを含み、
    前記光硬化性樹脂及び前記離型剤は、互いに混合させた場合に、5度(カオリン)以上、25度(カオリン)以下の濁度を示す組み合わせであり、
    前記光学部材のヘイズは、1.0%未満であることを特徴とする光学部材の製造方法。
  2. 基材と、前記基材の表面上に配置される、複数の凸部が可視光の波長以下のピッチで設けられる凹凸構造を表面に有する重合体層とを備える光学部材の製造方法であって、
    第一の樹脂及び第二の樹脂を塗布するプロセス(1)と、
    前記第一の樹脂及び前記第二の樹脂を間に挟んだ状態で、基材を金型に前記第一の樹脂側から押し当て、前記凹凸構造を表面に有する樹脂層を形成するプロセス(2)と、
    前記樹脂層を光照射によって硬化させ、前記重合体層を形成するプロセス(3)とを含み、
    前記第一の樹脂は、光硬化性樹脂を含有し、
    前記第二の樹脂は、離型剤を含有し、
    前記第一の樹脂及び前記第二の樹脂は、互いに混合させた場合に、22.1度(カオリン)以上、28.3度(カオリン)以下の濁度を示す組み合わせであり、
    前記光学部材のヘイズは、1.0%未満であることを特徴とする光学部材の製造方法。
  3. 前記第一の樹脂及び前記第二の樹脂は、溶剤を含有していないことを特徴とする請求項2に記載の光学部材の製造方法。
  4. 前記樹脂層中の前記離型剤の有効成分の含有率は、0.1重量%以上、10重量%以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光学部材の製造方法。
  5. 前記離型剤は、光反応性基を有するフッ素樹脂であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光学部材の製造方法。
  6. 前記光硬化性樹脂は、前記離型剤と相溶する相溶性モノマーを含有し、
    前記光硬化性樹脂中の前記相溶性モノマーの含有率は、5重量%以上、30重量%以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の光学部材の製造方法。
  7. 前記重合体層の厚みは、5.0μm以上、20.0μm以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の光学部材の製造方法。
  8. 前記ピッチは、100nm以上、400nm以下であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の光学部材の製造方法。
  9. 前記複数の凸部の高さは、各々、50nm以上、600nm以下であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の光学部材の製造方法。
  10. 前記複数の凸部のアスペクト比は、各々、0.8以上、1.5以下であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の光学部材の製造方法。
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